JP2013240851A - 観察ツール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明は、少なくとも2つの湾曲された腕(11、12、13)と、腕を枢動自在に接続する関節(14、15)と、関節廻りに腕を回転駆動及び停止させることが可能な駆動源(111、121)と、最先端の腕(11)の先端に取り付けられるカメラ(50)と、が備えられた屈曲式アーム10を含んで構成される観察ツール1であって、少なくとも2つの腕(11、12、13)は、湾曲方向が同じ方向となるように配設されると共に、屈曲式アーム10の基端側を作業者が支持しながら前記駆動源(111、121)を制御可能であると共に、カメラ(50)により取得される映像をモニタ(45)を介して観察可能に構成されたことを特徴とする。
【選択図】図2
Description
このものは、先端にCCDカメラと照明を備えた細いケーブルを、作業者が手作業により、後ろ側から前方へ押し込みながら、主に配管内を観察・撮影するビデオスコープ(カメラ)である(図17(A))。先端部(長さ10cm程度)を、手元のコントローラにより上下左右に曲げることができるように構成されたものもある。
さらに、このビデオスコープの後続ケーブルに振動するブラシを備え、このブラシの振動を利用して前進後退できるようにした装置(能動スコープカメラ)も知られている(図17(B))。
また、特許文献1には、ファイバースコープを扁平状の薄型にすることで、円形断面のケーブルに比べて、狭いすき間を通過することを可能にすると共に、不規則なねじれを抑制して上下方向などの位置を特定し易くした狭隘部点検装置が記載されている。
手で曲げて形状を保持できるフレキシブル部の先端にCCDカメラと照明を備え、これらを長さの伸縮する棒の先端に接続したツールの基端側を作業者が保持して操作することで、狭隘部内の様子を、手元のモニタにより観察したり撮影したりすることが可能に構成されている(図17(C)、特許文献2)。
遠隔操縦により走行する車両に、カメラと照明を搭載したツールである。主に空間に余裕があり障害物が少ない箇所に用いられる(図17(D))。
先端にCCDカメラと照明を備え、遠隔操縦により走行する管内観察・撮影用のカメラである(図17(E))。この種の一例として、多数のアームと関節を有して構成され、関節によりアームを屈曲させることで曲がった管内についても走行可能としたものが、特許文献3に記載されている。
天井裏の軽鉄(軽量鉄骨材からなる天井下地材など)を乗り越えて走行する台車に観察・撮影用のカメラを搭載したような装置が知られている(図17(F))。
モータを内蔵したユニットが多数連結され、各関節の角度を変化させることでヘビのように姿勢を変え、障害物を乗り越えて狭隘部にアクセスすることのできるロボット(ヘビ型ロボット)が知られている(図17(G))。そして、このロボットにカメラ等の撮像装置を搭載することが考えられる。
多数の関節を持つアームをワイヤの引張によって各関節を曲げることが可能なロボットがあるが、このものは根元(基端部)に駆動部が集中している(図17(H))。そして、このロボットにカメラ等の撮像装置を搭載することが考えられる。
円筒を斜めに切断した複数のユニットを備え、これら複数のユニットを、その斜めに接断された断面で繋ぎ合せた構造をもつロボットアームであり、各ユニットを旋回させることによって様々な曲げ姿勢をとることができるようにしたものである(図17(I))。そして、このロボットにカメラ等の撮像装置を搭載することが考えられる。
(1)工業用ビデオスコープの場合
管内では管の内壁に沿って進む(方向が拘束されている)ため問題ないが、天井裏のような自由空間では後続ケーブルを押し込んでもケーブルがたわむので任意の方向にアクセス(到達)できるわけではない。天井裏の天井ボードに漏水跡が有るか無いかを確認したい場合、図16(A)に示すように空調ダクトや配管等の障害物をかわしたうえで上方から覗き込むことが必要だが、支持がないのでそのような姿勢をとることができない。
ケーブルに蠕動運動するブラシを備えた能動スコープでも周囲の反力がとれないような自由空間では任意の方向に先端部をアクセスさせることは困難である。
なお、特許文献1に記載の狭隘部点検装置にも、上述したと同様の問題がある。
このものは、例えば高所もしくは橋の上から橋脚等の下部を観察・撮影するためのカメラであって伸縮棒が直線状のため、天井高の低い天井裏では点検口から近い箇所へ挿入することは可能だが、点検口から水平方向にある程度距離がある箇所を見る場合は、棒が天井躯体に干渉するので挿入できず観察は困難である。
また、カメラ角度を変えるため、カメラ直後にフレキシブルチューブが付いているが、予め手で曲げるものであって、挿入しながら任意に曲げることはできず不便である。
二重床で障害物の少ない床面を走行するためのもので、配管等障害物がある床や軽鉄が縦横に存在する天井裏の走行は困難である。
管内を走行することに特化しており、管の無い状態では、軽鉄が縦横に存在する天井裏を走行させることは困難である。
軽鉄を乗り越えて天井裏を走行できるが、配管や配線と干渉すると走行困難なため使用できる場所が限定される。
障害物を乗り越えたり、自由空間で任意の姿勢をとることができるが、関節数が多く寸法や質量が大きくなりがちである。また、姿勢制御のためにPC(パーソナルコンピュータ)と高度なソフトウェアが必要なため天井裏の点検ツール(観察ツール)としては大掛かりである。
多関節をワイヤ駆動するため先端部は比較的小型軽量にできるが、駆動機構が複雑で駆動源が大きくなりがちである。また姿勢制御のためにPCと高度なソフトウェアが必要なため天井裏の点検ツール(観察ツール)としては大掛かりである。
各モータを旋回させるだけで多様な曲げ姿勢をとることができるが、減速機を備えた旋回モータを各アームユニット内に内蔵するため寸法や重量が大きくなりがちである。また、姿勢制御のためにPCと高度なソフトウェアが必要なため天井裏の点検ツール(観察ツール)としては大掛かりである。
少なくとも2つの湾曲された腕と、
腕を枢動自在に接続する関節と、
関節廻りに腕を回転駆動及び停止させることが可能な駆動源と、
最先端の腕の先端に、腕の枢動平面において枢動可能であると共に、腕の枢動平面と交差する方向に枢動可能に取り付けられるカメラと、
が備えられた屈曲式アームを含んで構成される観察ツールであって、
前記少なくとも2つの腕は、湾曲方向が同じ方向となるように配設されると共に、
屈曲式アームの基端側を作業者が支持しながら前記駆動源を操作可能であると共に、前記カメラにより取得される映像を観察可能に構成されたことを特徴とする。
本実施の形態に係るアームコントロールボックス40は、図9に示すように、パンスイッチ41、上下スイッチ42、関節切替スイッチ43などを含んで構成されている。
パンスイッチ(SW)41は、CCDカメラ50を水平方向(左右)に首振りさせるためのスイッチである。
上下スイッチ42は、各関節(カメラチルト含む)を鉛直方向(上下)に首振りさせるためのスイッチである。
関節切替スイッチ42は、上下スイッチ42で操作する関節(チルト関節52A、前腕関節14、上腕関節15)を選択するスイッチである。
湾曲部付屈曲式アーム(以下、屈曲式アームとも称する)10は、狭隘部に挿入されて操作されることから、作業者は屈曲式アーム10の曲げ姿勢を目視できないことが多い。
従来の工業用ビデオスコープはケーブルが柔軟なため、観察・撮影した画像の天地が確定せず、画像から判断するのが困難な場合がある。そこで工業用ビデオスコープの一部の機種には、観察・撮影した画像の天地がわかるように重力方向検出センサを用いて画像表示する機能をもつタイプもある。
なお、ガイドローラ210(210A,210B)は、図13において示したように、体幹基端側に備えられると共に、ガイドレール200の鍔部(内側への突出部)201により、ガイドローラ210Bの上方への移動が規制され、ガイドローラ210A廻りのモーメントが作用してもこれに抗することができるので、前腕・上腕の上方向への立ち上げを可能とする。
図13中符号94は、照明用電池の一例である。
(1)天井裏の観察・撮影の場合
(i)天井高と開口部寸法が小さい場合
屈曲式アーム10の前腕11、上腕12、体幹13の湾曲部を、図6や図8等に示したような向き(へ字状)に設定して、開口部の縁と天井躯体に、屈曲式アーム10が干渉しないように挿入していく。
(ii)開口部が大きいが、低い梁下を通過しなければならない場合
屈曲式アーム10の前腕11、上腕12、体幹13の湾曲部を、図14に示すような向き(逆「へ」の字)に設定して、梁と天井仕上材等に屈曲式アーム10が干渉しないように、図14(A)の状態から図14(B)の状態、更には図14(C)の状態へと徐々に、屈曲式アーム10を梁と天井仕上材のすき間などに挿入していく。
例えば、鉄道構造物の支承部等に関し、横向きに屈曲式アーム10を屈曲させて支障物の観察・撮影を行う場合、CCDカメラ50を90°回転させて固定する(或いはパン機能を利用してCCDカメラ50を90°回転維持させる)ことで対応可能となる。
天井裏等高所に観察ツール1を挿入する場合、伸縮可能な延長棒70を用いることができる。
なお、図15(A)に示すように、延長棒70を作業者の体に固定する保持用ハーネス71を用いると作業性が一層改善可能である。
また、図15(B)に示すように、延長棒70を三脚72で支持したり、図15(C)に示すように、脚立73に取り付けて支持させるようにすることもできる。
さらに、図15(D)に示すように、脚立73に一人が載って、二人で作業するような場合も考えられる。
このように、作業箇所や作業パターンに応じて、最適な保持具もしくは支持具を選択することで、作業性を高めることができる。
(1)狭隘部の状況把握が可能になり顧客の信頼を獲得できる。
図16(A)に示すような狭隘部(天井裏)における障害物(空調ダクト)の向こう側を観察したい場合や、図14や図16(B)に示すように、梁の下を通過した後、その梁の側面(背面)等を観察したい場合に、今まで目視やデジタルカメラによる撮影が困難だったが、本実施の形態に係る観察ツール1によれば、観察・撮影を可能にすることができる。これにより、直接目視できない狭隘部の様子を的確に観察することができこれを情報として伝えることができるため、顧客の不安を解消したり、よりきめ細かい情報を提供することで顧客の信頼を獲得できるようになる。
また、天井の染みや水漏れ等の建物のトラブルの原因を調べる場合、既設の点検口からでは障害物等で確認できない時など、従来天井や床の一部を破壊して調査することがあったが、本観察ツール1によれば、非破壊で調査が可能になるので顧客満足度を高めることができる。
小型軽量(湾曲部付屈曲式アームの長さ約1m、質量2kg:延長棒除く)で、作業者はモニタを見ながら片手でアーム操作できるため、高度な熟練を要することがなく、比較的簡単な操作で観察・撮影を1名ないし2名で行うことができる。
また、電力源は充電池(或いはAC→DC変換器などを利用することができる)であり、特別な電源設備などを必要としないため、使用場所の制限などがなく使い勝手に優れる。
更に、高度なロボットと違い、普段建物を点検する作業員や社員が簡単に使用可能である。
汎用の模型用サーボモータやコントローラ等を使用し、特殊なセンサやPC、高度なソフトウェアが不要なため低コストである。従来の高価な工業用ビデオスコープやロボットと比較し、保有や運用が容易である。
湾曲部付屈曲式アームや動力を強化して、高圧水または防錆剤を吹き付けるノズルを搭載し、CCDカメラを防水仕様とすれば、例えば鉄道支承部等の洗浄や維持にも応用可能である。
また、別の用途として、CCDカメラの他にRFID(Radio Frequency IDentification)読取書込装置を搭載すれば狭隘部の設備や部材に貼り付けまたは組み込まれたRFIDタグとの情報交換が可能になる。
また、BIM(Building Information Modeling:ビルディング インフォメーション モデリング)との連携により構造物や設備機器の位置形状に基づいて、見たい箇所へ障害物を避けるように姿勢を変える動作を自動化することも可能である。
10 湾曲部付屈曲式アーム(屈曲式アーム)
11 前腕(腕:アーム)
12 上腕(腕:アーム)
13 体幹(腕:アーム)
14 前腕関節(枢動自在な関節)
15 上腕関節(枢動自在な関節)
20 アームコントローラ
30 カメラコントローラ
40 アームコントロールボックス
41 パンスイッチ
42 上下スイッチ
43 関節切替スイッチ
45 録画機能付モニタ
50 CCDカメラ
51 パンモータ
51A 関節(枢軸:水平首振り)
52 チルトモータ
52B チルト伝達棒(リンクロッド)
52A チルト関節(枢軸:鉛直首振り)
60 照明
70 延長棒
80 カメラ用充電池
91〜93 小型カメラ
94 照明用電池
95 アーム姿勢確認用モニタ
100 フィルタ
111 前腕モータ(駆動源)
121 上腕モータ(駆動源)
200 ガイドレール
201 鍔部
210 ガイドローラ
220 フレキシブルチューブ
230 張出部
Claims (4)
- 少なくとも2つの湾曲された腕と、
腕を枢動自在に接続する関節と、
関節廻りに腕を回転駆動及び停止させることが可能な駆動源と、
最先端の腕の先端に、腕の枢動平面において枢動可能であると共に、腕の枢動平面と交差する方向に枢動可能に取り付けられるカメラと、
が備えられた屈曲式アームを含んで構成される観察ツールであって、
前記少なくとも2つの腕は、湾曲方向が同じ方向となるように配設されると共に、
屈曲式アームの基端側を作業者が支持しながら前記駆動源を操作可能であると共に、前記カメラにより取得される映像を観察可能に構成されたことを特徴とする観察ツール。 - 前記湾曲された腕が3つであり、隣接する腕の間の各関節の枢軸が平行であることを特徴とする請求項1に記載の観察ツール。
- 前記腕の湾曲形状がへ字状であることを特徴する請求項1又は請求項2に記載の観察ツール。
- 前記駆動源は、腕の湾曲中心と反対側の面に取り付けられることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一つに記載の観察ツール。
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