JP2013240812A - ダイカスト装置 - Google Patents

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Shoichi Tsuchiya
詔一 土屋
Yoshihiro Mori
義浩 森
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Abstract

【課題】簡単な構成で溶融金属の凝固過程で発生する鋳巣を確実に抑制することのできるダイカスト装置を提供する。
【解決手段】端部9aが金型キャビティKに連通するスリーブ9と、スリーブ9に嵌合されてスリーブ9の軸心L方向へ移動自在となっている筒体の加圧ピン1と加圧ピン1に嵌合されてスリーブ9の軸心L方向へ移動自在となっている加圧ピン2を有する加圧ユニット5と、加圧ユニット5をスリーブ9の軸心L方向へ駆動させる油圧シリンダ8を備え、スリーブ9の端部9bにはスリーブ9よりも外形の大きい機構室4が接続され、加圧ピン1、2は機構室4まで延設され、この機構室4には機構室4と加圧ピン1の相対的な移動および加圧ピン1、2同士の相対的な移動を規制する異なる弾性係数を有するコイルバネ6、7が配置され、機構室4内で油圧シリンダ8によって加圧ピン2を駆動させて、加圧ピン1と加圧ピン2をスリーブ9の内側へ向かって多段的にキャビティK内へ突出させるようになっている。
【選択図】図1

Description

本発明はダイカスト装置に関し、特に金型内に注入された溶湯を局部的に加圧するダイカスト装置に関するものである。
従来から、ダイカスト鋳造(Die Casting)は、寸法精度に優れた製品を生産できる鋳造方法であることから、様々な産業分野で適用されている。
上記するダイカスト鋳造は、特殊鋼で作製した金型のキャビティ内にアルミニウム、亜鉛、マグネシウムなどの溶融金属(溶湯)を高速・高圧で注入し、キャビティ内の溶湯を迅速に凝固させることによって高い生産性を維持している。
ところで、ダイカスト鋳造においては、溶湯をキャビティ内に高速で射出して短時間で冷却凝固させているため、溶湯の凝固過程で「鋳巣」と称される空洞が発生して製品の緻密性や剛性が低下するといった問題がある。
このような問題に対して、製品内部に生じる鋳巣、特にその鋳巣のうち凝固収縮によって製品内部に生じるひけ巣を抑制する技術として、キャビティ内に侵入自在となっている大径加圧ピンと小径加圧ピンを二重に設けた金型を用い、キャビティ内に溶湯を注入した後、大径加圧ピンと小径加圧ピンを時間差を持たせてキャビティ内へ突出させてキャビティ内の溶湯を二段加圧する方法が提案されている。
ところで、キャビティ内へ突出させる加圧ピンは、キャビティ内の溶湯の凝固過程で発生する鋳巣を精度良く加圧するために、一般に外径がφ5mm〜φ20mm程度に設定されている。一方、当該加圧ピンは、キャビティ内の溶湯の鋳巣を確実に排除するために、100MPaを超える圧力でキャビティ内の溶湯を加圧する場合があり、キャビティ近傍の極めて小さい加圧ピンをこのような高圧で直接押圧することは極めて困難である。
このような問題に対して、キャビティから離間した位置に加圧ピンの加圧機構を設けた技術が特許文献1、2に開示されている。
特許文献1に開示されているダイカスト鋳造装置の加圧装置は、シリンダと溶融部を加圧するピンからなるダイカスト鋳造装置の加圧装置において、シリンダを左、右シリンダからなる二重構造とし、左側シリンダには中空部を有するピストン及びピンからなるアウタピンを設け、右シリンダにはピストンとアウタピンの内部を貫通摺動するピンと前記中空部の位置にフランジを有するインナピンを設け、アウタピンのピストン径をインナピンのピストン径より大きくし、各シリンダに油圧を供給してアウタピン及びインナピンを作動させる装置である。
また、特許文献2に開示されているダイカスト装置は、金型のキャビティ内に溶湯を充填し、溶湯が凝固する前にキャビティ内に加圧棒を前進させて溶湯に二次加圧圧力を作用させるダイカスト装置において、金型壁部を貫通する主加圧棒が、この主加圧棒の先端で出没する少なくとも一本の副加圧棒を内蔵しており、副加圧棒が、主加圧棒中に形成されたシリンダ室に収納されるとともに主加圧棒の作動油が直接作用するピストンと一体に形成されている装置である。
特開平01−205863号公報 特開昭63−199059号公報
特許文献1に開示されているダイカスト鋳造装置の加圧装置によれば、加圧ピンを突出させるキャビティから離間した位置に当該加圧ピンよりも外径の大きな内部空間を有するシリンダを配設し、当該シリンダの内部空間のアウタピンやインナピンの端部にアウタピンやインナピンよりも外径の大きなピストンを設けることによって、当該ピストンに油圧力を加え、ピストンに接続されたアウタピンやインナピンをキャビティ内へ二段で突出させることができる。
また、特許文献2に開示されているダイカスト装置によれば、加圧棒を突出させるキャビティから離間した位置に当該加圧棒よりも外径の大きな内部空間を有する油圧シリンダを配設し、主加圧棒や副加圧棒と一体に形成された主ピストンと副ピストンの受圧面面積を主加圧棒や副加圧棒の先端面面積よりも相対的に大きくすることによって、当該ピストンに油圧シリンダの作動圧を加え、ピストンに接続された主加圧棒や副加圧棒をキャビティ内へ二段で突出させることができる。
しかしながら、特許文献1に開示されているダイカスト鋳造装置の加圧装置においては、アウタピンとインナピンをそれぞれ別個に作動させる油圧シリンダが必要とされており、装置全体が大型化且つ複雑化して製造コストが高騰するといった問題がある。
また、特許文献2に開示されているダイカスト装置においては、主加圧棒の作動油が副加圧棒に直接作用するようになっており、主加圧棒と副加圧棒が各加圧棒の前方位置に位置する未凝固組織の剛性に依存して作動するため、主加圧棒と副加圧棒の各加圧棒の作動が不安定となるといった問題がある。
本発明は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で溶湯の凝固過程で発生する鋳巣を確実に抑制することのできるダイカスト装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明のダイカスト装置は、一方の端部が金型キャビティに連通する筒体と、この筒体に嵌合されて筒体の軸心方向へ移動自在となっている筒体形状の第1の加圧ピンとこの第1の加圧ピンに嵌合されて筒体の軸心方向へ移動自在となっている第2の加圧ピンを有する加圧ユニットと、この加圧ユニットを筒体の軸心方向へ駆動させる駆動手段を備え、駆動手段によって加圧ユニットを駆動させて加圧ユニットの少なくとも一部を筒体の一方の端部から金型キャビティへ突出させるダイカスト装置であって、前記筒体の他方の端部には筒体よりも外形の大きい別途の筒体が接続され、前記第1および第2の加圧ピンは別途の筒体まで延設されていて、前記別途の筒体には、別途の筒体と第1の加圧ピンの相対的な移動および第1の加圧ピンと第2の加圧ピンの相対的な移動を規制するための異なる弾性係数を有する弾性体が配置されており、前記別途の筒体内で前記駆動手段によって加圧ユニットの第2の加圧ピンを駆動させて、第1の加圧ピンの少なくとも一部を筒体の一方の端部からキャビティ内へ突出させ、第2の加圧ピンの少なくとも一部を第1の加圧ピンからキャビティ内へ突出させ、第1の加圧ピンと第2の加圧ピンを筒体の内側へ向かって多段的にキャビティ内へ突出させるようになっている装置である。
ここで、本発明のダイカスト装置で適用される弾性体としては、たとえば固有の弾性係数を有するコイルバネや樹脂製ゴム、所定圧の空気や不活性ガスを利用した空気バネなどを挙げることができる。また、駆動手段としては、たとえば油圧シリンダなどのアクチュエータなどを挙げることができる。
上記するダイカスト装置によれば、筒体の金型キャビティから離間した端部に筒体よりも外形の大きい別途の筒体を接続し、当該別途の筒体内に別途の筒体と第1の加圧ピンの相対的な移動および第1の加圧ピンと第2の加圧ピンの相対的な移動を規制するための弾性体を配置するとともに、当該別途の筒体内で駆動手段によって加圧ユニットを駆動させることによって、金型キャビティ近傍の極めて小さい加圧ピンを直接駆動手段で駆動させることを回避できる。また、前記別途の筒体内に、別途の筒体と第1の加圧ピンの相対的な移動および第1の加圧ピンと第2の加圧ピンの相対的な移動を規制するためのそれぞれ異なる弾性係数を有する弾性体が配置されることによって、別途の筒体内で駆動手段によって第2の加圧ピンを駆動させた場合であっても、たとえば筒体に対して第1の加圧ピンを相対的に移動させた後に第1の加圧ピンに対して第2の加圧ピンを相対的に移動させる、あるいは、第1の加圧ピンに対して第2の加圧ピンを相対的に移動させた後に筒体に対して第1の加圧ピンを相対的に移動させることができ、第1の加圧ピンと第2の加圧ピンを筒体の外側から内側へ向かって多段的に且つ連続的にキャビティ内へ突出させることができる。これにより、たとえば凝固収縮に起因するひけ巣や空気やガスの巻き込みに起因する巻き込み巣などといったキャビティ内の溶融金属(溶湯)の凝固過程で発生し得る鋳巣を多段的に加圧することができるため、簡単な構成で確実に製品内部に発生し得る鋳巣を抑制することができる。さらに、筒体よりも外形の大きい別途の筒体内に別途の筒体と第1の加圧ピンの相対的な移動および第1の加圧ピンと第2の加圧ピンの相対的な移動を規制するための弾性体が配置され、当該別途の筒体内で駆動手段によって加圧ユニットが駆動されるため、ダイカスト装置に対する弾性体の組付け性や弾性体や駆動手段のメンテナンス性を格段に高めることができるといった利点もある。
また、上記するダイカスト装置は、前記第2の加圧ピンは、筒体の軸心方向へ移動自在となっている複数の加圧ピンから構成されており、前記複数の加圧ピンは別途の筒体まで延設されていて、前記別途の筒体には、前記複数の加圧ピンのうち隣接する加圧ピン同士の相対的な移動を規制するための異なる弾性係数を有する弾性体が配置されており、前記別途の筒体内で前記駆動手段によって前記複数の加圧ピンのうち最も筒体の内側に配置された加圧ピンを駆動させて、前記複数の加圧ピンを筒体の内側へ向かって多段的にキャビティ内へ突出させるようになっていることが好ましい。
上記するダイカスト装置によれば、前記別途の筒体に第2の加圧ピンを構成する複数の加圧ピンのうち隣接する加圧ピン同士の相対的な移動を規制するための異なる弾性係数を有する弾性体が配置されることによって、前記別途の筒体内で駆動手段によって複数の加圧ピンのうち最も筒体の内側に配置された加圧ピンを駆動させた場合であっても、複数の加圧ピンを筒体の外側から内側へ向かって多段的にキャビティ内へ突出させることができる。これにより、キャビティ内の溶湯の凝固過程で発生し得る鋳巣を更に多段的に加圧することができるため、製品内部に発生し得る鋳巣をより効果的に抑制することができる。また、別途の筒体内で駆動手段によって複数の加圧ピンのうち最も筒体の内側に配置された加圧ピンを駆動させることによって、前記駆動手段を別途の筒体の相対的に内側に配置することができるため、装置全体の体格の大型化を抑制することができる。
また、上記するダイカスト装置は、前記弾性体が、前記別途の筒体内において筒体の軸心方向で異なる位置に配置されていることが好ましい。
上記するダイカスト装置によれば、たとえば弾性体を別途の筒体内で筒体の軸心方向で同じ位置に配置した場合と比較して、前記別途の筒体の軸心方向の大きさは増加するものの、前記別途の筒体の軸心方向と直交する方向の大きさを格段に低減することができる。
ここで、前記弾性体が弾性バネからなる場合には、前記弾性体は、加圧ユニットの少なくとも一部を筒体の一方の端部から金型キャビティへ突出させる前に自然長よりも収縮状態にあり、加圧ユニットの少なくとも一部を筒体の一方の端部から金型キャビティへ突出させた際に伸長するようになっていてもよいし、加圧ユニットの少なくとも一部を筒体の一方の端部から金型キャビティへ突出させる前に自然長よりも伸長状態、自然長、または、自然長よりも収縮状態にあり、加圧ユニットの少なくとも一部を筒体の一方の端部から金型キャビティへ突出させた際に収縮するようになっていてもよい。
以上の説明から理解できるように、本発明のダイカスト装置によれば、凝固収縮に起因するひけ巣や空気やガスの巻き込みに起因する巻き込み巣などといった溶湯の凝固過程で発生する鋳巣を簡単な構成で効果的に抑制することができ、緻密性や剛性に優れた鋳造体を提供することができるとともに、ダイカスト装置の組付け性やメンテナンス性を格段に高めることができる。
本発明に係るダイカスト装置の実施の形態1を模式的に示した縦断面図である。 図1で示すダイカスト装置による加圧工程を説明した縦断面図であって、(a)は加圧前の状態を示した図であり、(b)は、図2(a)に続いて加圧ピン1を作動させた状態を示した図であり、(c)は、図2(b)に続いて加圧ピン2を作動させた状態を示した図である。 本発明に係るダイカスト装置の実施の形態2を模式的に示した縦断面図である。 図3で示すダイカスト装置による加圧工程を説明した縦断面図であって、(a)は加圧前の状態を示した図であり、(b)は、図4(a)に続いて加圧ピン1A、12A、13Aを作動させた状態を示した図であり、(c)は、図4(b)に続いて加圧ピン12A、13Aを作動させた状態を示した図であり、(d)は、図4(c)に続いて加圧ピン13Aを作動させた状態を示した図である。 本発明に係るダイカスト装置の実施の形態3による加圧工程を説明した縦断面図であって、(a)は加圧前の状態を示した図であり、(b)は、図5(a)に続いて加圧ピン1B、12B、13Bを作動させた状態を示した図であり、(c)は、図5(b)に続いて加圧ピン12B、13Bを作動させた状態を示した図であり、(d)は、図5(c)に続いて加圧ピン13Bを作動させた状態を示した図である。
以下、図面を参照して本発明のダイカスト装置の実施の形態を説明する。
[実施の形態1]
図1は、本発明に係るダイカスト装置の実施の形態1を模式的に示した斜視図である。
図示するダイカスト装置10は、主として金型キャビティKに連通する略円筒形状のスリーブ9と、このスリーブ9に嵌合されて該スリーブ9の軸心L方向へ移動自在となっている加圧ユニット5と、この加圧ユニット5をスリーブ9の軸心L方向へ駆動させるための油圧シリンダ8を備えており、前記油圧シリンダ8の油圧力で加圧ユニット5を駆動させることによって加圧ユニット5の金型キャビティK側の一部が金型キャビティKへ突出されるようになっている。
前記加圧ユニット5は更に、スリーブ9に嵌合されて該スリーブ9の軸心L方向へ移動自在となっている筒体からなる加圧ピン1と、この加圧ピン1に嵌合されてスリーブ9の軸心L方向へ移動自在となっている加圧ピン2と、から構成されており、前記油圧シリンダ8は、加圧ユニット5のうち加圧ピン2を駆動させるようになっている。なお、加圧ピン1、2はそれぞれ、スリーブ9の軸心Lと略同心に配置されている。
また、スリーブ9の金型キャビティK側の端部9aとは反対側の端部9b、すなわち金型キャビティKから離間した側の端部9bには、接続部3を介してスリーブ9よりも外径の大きい略筒体からなる機構室4が接続されている。ここで、前記加圧ユニット5を構成する加圧ピン1、2の金型キャビティKから離間した側の端部1b、2bは機構室4まで延設されていて、加圧ピン1、2の端部1b、2bには、加圧ピン1、2よりも外径の大きい略円柱形状のフランジ1c、2cが配設されている。また、フランジ1c、2cの金型キャビティKから離間した側の端面にはそれぞれ凹部1d、2dが形成されており、フランジ1cの凹部1dは加圧ピン2の端部2bに配設されたフランジ2cを収容し、フランジ2cの凹部2dは油圧シリンダ8からスリーブ9の軸心Lに沿って金型キャビティK方向へ延びる加圧ユニット5の駆動用の駆動ピン8aの先端部8bを収容するようになっている。なお、フランジ2cの凹部2dと駆動ピン8aの先端部8bとは、従来知られた方法によって接着もしくは溶着されている。
また、前記機構室4とフランジ1cの金型キャビティKから離間した側の端部にはそれぞれ、蓋部4e、1eが配設されており、フランジ1cの凹部1dと加圧ピン2のフランジ2cと蓋部1eとで画定される領域には加圧ピン2のフランジ2cと蓋部1eとを接続してスリーブ9の軸心L方向へ伸縮するコイルバネ7が配置されている。また、機構室4の内周面と蓋部4e、1eとで画定される領域には蓋部4e、1e同士を接続してスリーブ9の軸心L方向へ伸縮するコイルバネ6が配置されている。すなわち、機構室4もしくはスリーブ9と加圧ピン1の相対的な移動および加圧ピン1と加圧ピン2の相対的な移動を規制するためのコイルバネ6、7は、機構室4の内部においてスリーブ9の軸心L方向で異なる位置に配置されている。
次に、図2を参照して、図1で示すダイカスト装置10による加圧工程を詳細に説明する。図2(a)は加圧前の状態を示した図であり、図2(b)は、図2(a)に続いて加圧ピン1、2を作動させた状態を示した図であり、図2(c)は、図2(b)に続いて加圧ピン2を作動させた状態を示した図である。なお、ダイカスト装置10の加圧ユニット5が配置される位置、加圧ユニット5によって金型キャビティK内の溶湯を加圧するタイミング、加圧ユニット5の加圧深さや加圧速度、加圧ユニット5の形状等は、予め数値解析や経験則等によって規定されている。
まず、図2(a)で示すように、ダイカスト装置10による加圧前の状態においては、金型キャビティKの内壁面と加圧ピン1、2の金型キャビティK側の端面(加圧面)とが面一となるように、加圧ユニット5の加圧ピン1、2がスリーブ9内に配置されている。ここで、蓋部4e、1e同士を接続するコイルバネ6は収縮状態にあり、蓋部4e、1e同士はこのコイルバネ6によって相対距離が拡がる方向、すなわち蓋部1eが金型キャビティK側へ移動する方向へ付勢力が付与されるものの、駆動ピン8aの先端部8bを介して蓋部1eへ付与される油圧シリンダ8の油圧力によって機構室4内における加圧ピン1のフランジ1cに蓋部1eの位置が保持されている。同様に、加圧ピン2のフランジ2cと蓋部1eとを接続するコイルバネ7は収縮状態にあり、加圧ピン2のフランジ2cと蓋部1eとはこのコイルバネ7によって相対距離が拡がる方向、すなわち加圧ピン2が金型キャビティK側へ移動する方向へ付勢力が付与されるものの、駆動ピン8aの先端部8bを介して加圧ピン2のフランジ2cへ付与される油圧シリンダ8の油圧力によって機構室4内における加圧ピン2のフランジ2cの位置が保持されている。
次いで、金型キャビティK内の溶湯の凝固過程で発生する鋳巣を当該加圧ユニット5で加圧するために、油圧シリンダ8の油圧力で加圧ピン2を駆動させる。ここで、蓋部4e、1e同士を接続するコイルバネ6(機構室4もしくはスリーブ9と加圧ピン1の相対的な移動を規制)のバネ弾性係数が加圧ピン2のフランジ2cと蓋部1eとを接続するコイルバネ7(加圧ピン1と加圧ピン2の相対的な移動を規制)のバネ弾性係数よりも相対的に大きいため、コイルバネ7が伸長する前にコイルバネ6が伸長する。これにより、図2(b)で示すように、油圧シリンダ8を用いて機構室4内の加圧ピン2のフランジ2cを駆動させると、加圧ピン2のフランジ2cと蓋部1eとを接続するコイルバネ7が伸長する前に、加圧ピン2のフランジ2cと蓋部1eとを接続するコイルバネ6がスリーブ9の軸心L方向へ伸長し、加圧ピン1のフランジ1cの凹部1d内で加圧ピン2のフランジ2cやコイルバネ7の相対的な位置が変化しない姿勢で加圧ピン1のフランジ1cがスリーブ9の軸心L方向へ駆動される。ここで、加圧ピン1のフランジ1cの金型キャビティKから離間した側の端部にはフランジ1cの径方向へ延びる凸部1fが設けられ、加圧ピン1のフランジ1cの外周面と摺接する機構室4の内周面には前記凸部1fよりも金型キャビティK側に段部4fが設けられており、スリーブ9と機構室4の接続部3と加圧ピン1のフランジ1cの金型キャビティK側の面、加圧ピン1のフランジ1cの凸部1fと機構室4の段部4fが当接するまで、加圧ピン1のフランジ1cがスリーブ9の軸心L方向へ駆動されることによって、加圧ピン1、2からなる加圧ユニット5の一部がスリーブ9から金型キャビティKへ突出され、金型キャビティK内の溶湯を相対的に大きな面積S1(加圧ピン1、2の双方の加圧面の面積)で加圧することができる。
次に、スリーブ9と機構室4の接続部3と加圧ピン1のフランジ1cの金型キャビティK側の面、加圧ピン1のフランジ1cの凸部1fと機構室4の段部4fが当接し、機構室4に対して加圧ピン1のフランジ1cが相対的に移動されなくなった後、更に油圧シリンダ8を用いて加圧ピン2のフランジ2cを駆動させると、図2(c)で示すように、油圧シリンダ8から加圧ピン2のフランジ2cを介してコイルバネ7へ伝達された駆動力によってコイルバネ7がスリーブ9の軸心L方向へ伸長し、加圧ピン1のスリーブ1cの凹部1d内で加圧ピン2のフランジ2cがスリーブ9の軸心L方向へ駆動される。ここで、スリーブ9と機構室4の接続部3と当接した加圧ピン1のフランジ1cの凹部1dの底面と加圧ピン2のフランジ2cの金型キャビティK側の面が当接するまで、加圧ピン2のフランジ2cがスリーブ9の軸心L方向へ駆動されることによって、加圧ピン2の一部が加圧ピン1から金型キャビティKへ更に突出され、金型キャビティK内の溶湯を相対的に小さい面積S2(加圧ピン2の加圧面の面積)で加圧することができる。
このように、コイルバネ6、7がそれぞれ異なるバネ弾性係数を有することによって、油圧シリンダ8を用いて加圧ピン2側のみを駆動させた場合であっても、スリーブ9に対して加圧ピン1、2を順次駆動させることができ、金型キャビティK内の溶湯の凝固過程で発生する鋳巣を最初に相対的に大きな面積S1で加圧し、次いで相対的に小さい面積S2で連続的に加圧することができ、金型キャビティK内の溶湯の凝固過程で発生する鋳巣を適正なタイミングで且つ適正な面積や加圧深さ等で加圧することができるため、溶湯の内部で発生する鋳巣を効果的に排除することができる。
また、加圧ピン1、2で金型キャビティK内の溶湯の凝固過程で発生する鋳巣を加圧する際、収縮状態にあるコイルバネ6、7が伸長する際のバネ弾性力を利用することができるため、金型キャビティK内の溶湯の凝固過程で発生する鋳巣をより効率的に加圧することができる。
また、コイルバネ6、7等を加圧ピン1、2の近傍に配置し、コイルバネ6、7等を介して加圧ピン1、2に直接駆動力を付与する場合と比較して、外形の大きな機構室4内でコイルバネ6、7等の外形を相対的に大きく設計することができるため、設計自由度を向上させて簡便に当該ダイカスト装置10を構築することができる。
さらに、機構室4内にコイルバネ6、7等の加圧機構を集約し、蓋部を用いてコイルバネ6、7を順次組み付けられるようにすることによって、ダイカスト装置10に対するコイルバネ6、7等の組付け性やコイルバネ6、7等のメンテナンス性を格段に高めることができる。
なお、加圧ユニット5を構成する加圧ピン1、2で金型キャビティK内の溶湯の内部の鋳巣を加圧した後、当該加圧ユニット5をスリーブ9側へ引き戻す際には、コイルバネ6、7を収縮させる必要があるものの、相対的に外形が小さく剛性の低い加圧ピン2を加圧ピン1に対して相対的にスリーブ9の軸心L方向へ移動させ、金型キャビティKへ突出された加圧ピン2の一部を加圧ピン1の内側へ引き戻した後、加圧ピン1、2を一体とした加圧ユニット5をスリーブ1に対して相対的にスリーブ9の軸心L方向へ移動させ、金型キャビティKへ突出された加圧ユニット5の一部をスリーブ9内へ引き戻すことによって、各加圧ピン1、2をスリーブ9内へ引き戻す際のかじり(軸ずれ)の発生を効果的に抑制することができる。
[実施の形態2]
図3は、本発明に係るダイカスト装置の実施の形態2を模式的に示した縦断面図である。図3で示す実施の形態2のダイカスト装置10Aは、図1で示す実施の形態1のダイカスト装置10に対して主に加圧ユニットを構成する加圧ピンの基数と加圧ピン同士の相対的な移動を規制する弾性体の形態の一部が相違しており、その他の構成はほぼ同様である。したがって、実施の形態1のダイカスト装置10と同様の構成については、同様の符号を付してその詳細な説明は省略する。
具体的には、図4で示す実施の形態2のダイカスト装置10Aの加圧ユニット5Aは、スリーブ9Aに嵌合されて該スリーブ9Aの軸心LA方向へ移動自在となっている筒体からなる加圧ピン1Aと、この加圧ピン1Aに嵌合されてスリーブ9Aの軸心LA方向へ移動自在となっている加圧ピン2Aと、から構成されるとともに、前記加圧ピン2Aは更に、筒体からなる加圧ピン1Aに嵌合されてスリーブ9Aの軸心LA方向へ移動自在となっている筒体からなる加圧ピン12Aとこの加圧ピン12Aに嵌合されてスリーブ9Aの軸心LA方向へ移動自在となっている加圧ピン13Aから構成されており、油圧シリンダ8Aは、加圧ユニット5Aのうち最も内側に配置された加圧ピン13Aを駆動させるようになっている。なお、加圧ピン1A、12A、13Aはそれぞれ、スリーブ9Aの軸心LAと略同心に配置されている。
また、前記加圧ユニット5Aを構成する加圧ピン1A、12A、13Aの金型キャビティKから離間した側の端部1bA、12bA、13bAは、スリーブ9Aの金型キャビティK側の端部9aとは反対側の端部9bAと接続部3Aを介して接続されたスリーブ9Aよりも外径の大きい略筒体からなる機構室4Aまで延設されていて、前記加圧ピン1A、12A、13Aの端部1bA、12bA、13bAには、加圧ピン1A、12A、13Aよりも外径の大きい略円柱形状のフランジ1cA、12cA、13cAが配設されている。また、フランジ1cA、12cAの金型キャビティKから離間した側の端面にはそれぞれ凹部1dA、12dAが形成されており、フランジ1cAの凹部1dAは加圧ピン12Aの端部12bAに配設されたフランジ12cAと加圧ピン13Aの端部13bAに配設されたフランジ13cAを収容し、フランジ12cAの凹部12dAは油圧シリンダ8からスリーブ9の軸心Lに沿って金型キャビティK方向へ延びる加圧ユニット5Aの駆動用の駆動ピン8aAの先端部8bAと接着もしくは溶着等によって接続されたフランジ13cAを収容するようになっている。
また、前記機構室4Aとフランジ1cA、12cAの金型キャビティKから離間した側の端部にはそれぞれ、蓋部4eA、1eA、12eAが配設されており、フランジ1cAの凹部1dAと蓋部1eA、12eAとで画定される領域には蓋部1eA、12eA同士を接続してスリーブ9Aの軸心LA方向へ伸縮するコイルバネ7Aが配置されている。また、機構室4Aの内周面と蓋部4eA、1eAとで画定される領域には蓋部4eA、1eA同士を接続してスリーブ9Aの軸心LA方向へ伸縮するコイルバネ6Aが配置されている。また、フランジ12cAの凹部12dAと蓋部12eAとで画定される領域には所定圧の空気(空気バネ)Aが収容されている。
次に、図4を参照して、図3で示すダイカスト装置10Aによる加圧工程を詳細に説明する。図4(a)は加圧前の状態を示した図であり、図4(b)は、図4(a)に続いて加圧ピン1A、12A、13Aを作動させた状態を示した図であり、図4(c)は、図4(b)に続いて加圧ピン12A、13Aを作動させた状態を示した図であり、図4(d)は、図4(c)に続いて加圧ピン13Aを作動させた状態を示した図である。
ここで、図4で示す実施の形態2のダイカスト装置10Aの加圧ユニット5Aを構成する加圧ピン1Aと加圧ピン12Aの関係は、図1で示す実施の形態1のダイカスト装置10の加圧ユニット5の加圧ピン1と加圧ピン2の関係と同様である。
すなわち、図4(a)で示すように、ダイカスト装置10Aによる加圧前の状態において、その端面(加圧面)が金型キャビティKの内壁面と面一となるようにスリーブ9A内に配置された加圧ピン1A、12A、13Aのうち、最も内側に配置された加圧ピン13Aを油圧シリンダ8Aを用いて駆動させると、図4(b)で示すように、スリーブ9Aと機構室4Aの接続部3Aと加圧ピン1Aのフランジ1cAの金型キャビティK側の面、加圧ピン1Aのフランジ1cAの凸部1fAと機構室4Aの段部4fAが当接するまで、加圧ピン1Aのフランジ1cAがスリーブ9Aの軸心LA方向へ駆動され、加圧ピン1A、12A、13Aからなる加圧ユニット5Aの一部がスリーブ9Aから金型キャビティKへ突出され、金型キャビティK内の溶湯を相対的に大きな面積S1A(加圧ピン1A、12A、13Aの加圧面の面積)で加圧する。
次に、スリーブ9Aと機構室4Aの接続部3Aと加圧ピン1Aのフランジ1cAの金型キャビティK側の面、加圧ピン1Aのフランジ1cAの凸部1fAと機構室4Aの段部4fAが当接し、機構室4Aに対して加圧ピン1Aのフランジ1cAが相対的に移動されなくなった後、更に油圧シリンダ8Aを用いて加圧ピン13Aを駆動させると、図4(c)で示すように、加圧ピン1Aのフランジ1cAの凹部1dAの底面と加圧ピン12Aのフランジ12cAの金型キャビティK側の面が当接するまで、加圧ピン12Aのフランジ12cAがスリーブ9Aの軸心LA方向へ駆動され、加圧ピン12Aの一部が加圧ピン1Aから金型キャビティKへ更に突出され、金型キャビティK内の溶湯を面積S2A(加圧ピン12A、13Aの加圧面の面積)で加圧する。ここで、フランジ12cAの凹部12dAと蓋部12eAとで画定される領域に収容された空気Aの弾性係数は、コイルバネ7Aの弾性係数よりも相対的に小さいため、フランジ12cAの凹部12dA内での加圧ピン13Aのフランジ13cAの位置が変化しない姿勢で加圧ピン12A、13Aのフランジ12cA、13cAが一体となって駆動される。
そして、加圧ピン1Aのフランジ1cAの凹部1dAの底面と加圧ピン12Aのフランジ12cAの金型キャビティK側の面が当接し、加圧ピン1Aのフランジ1cAに対して加圧ピン12Aのフランジ12cAが相対的に移動されなくなった後、更に油圧シリンダ8Aを用いて加圧ピン13Aを駆動させると、図4(d)で示すように、油圧シリンダ8Aから加圧ピン13Aのフランジ13cAへ駆動力が伝達され、フランジ12cAの凹部12dA内で加圧ピン13Aのフランジ13cAがスリーブ9Aの軸心LA方向へ駆動される。ここで、フランジ12cAの凹部12dAの底面と加圧ピン13Aのフランジ13cAの金型キャビティK側の面が当接するまで、加圧ピン13Aのフランジ13cAがスリーブ9Aの軸心LA方向へ駆動されることによって、加圧ピン13Aの一部が加圧ピン12Aから金型キャビティKへ更に突出され、金型キャビティK内の溶湯をより小さい面積S3A(加圧ピン13Aの加圧面の面積)で加圧することができる。
これにより、金型キャビティK内の溶湯の凝固過程で発生する鋳巣を最初に相対的に大きな面積S1Aで加圧し、次いで面積S2Aで加圧し、次に相対的に小さい面積S3Aで連続的に加圧することができ、金型キャビティK内の溶湯の凝固過程で発生する鋳巣を更に多段的に加圧することができ、溶湯の内部で発生する鋳巣を加圧するタイミングや加圧面積、加圧深さ等をより精緻に調整することができるため、溶湯の内部で発生する鋳巣をより効果的に排除することができる。
なお、金型キャビティKへ突出された加圧ユニット5Aの一部をスリーブ9A側へ引き戻す際には、上記する実施の形態1と同様に、最初に最も内側に配置された加圧ピン13Aをスリーブ9Aの軸心LA方向へ加圧ピン12Aの内側へ移動させ、次いで加圧ピン12A、13Aを一体とした加圧ピン2Aをスリーブ9Aの軸心LA方向へ加圧ピン1Aの内側へ移動させ、次に加圧ピン1A、12A、13Aを一体とした加圧ユニット5Aをスリーブ9Aの軸心LA方向へスリーブ9A側へ移動させ、各加圧ピン1A、12A、13Aを多段的にスリーブ9A側へ引き戻す。
[実施の形態3]
図5は、本発明に係るダイカスト装置の実施の形態3による加圧工程を説明した縦断面図であって、図5(a)は加圧前の状態を示した図であり、図5(b)は、図5(a)に続いて加圧ピン1B、12B、13Bを作動させた状態を示した図であり、図5(c)は、図5(b)に続いて加圧ピン12B、13Bを作動させた状態を示した図であり、図5(d)は、図5(c)に続いて加圧ピン13Bを作動させた状態を示した図である。
図5で示す実施の形態3のダイカスト装置10Bは、図3、4で示す実施の形態2のダイカスト装置10Aに対して主に弾性体の配置の形態とその弾性体の伸縮方向が相違しており、その他の構成はほぼ同様である。したがって、実施の形態2のダイカスト装置10Aと同様の構成については、同様の符号を付してその詳細な説明は省略する。
具体的には、実施の形態3のダイカスト装置10Bにおいては、スリーブ9Bと機構室4Bとの接続部3Bと機構室4Bの内周面と加圧ピン1Bのフランジ1cBとで画定される領域には略大気圧の空気(空気バネ)Aが収容され、加圧ピン1Bのフランジ1cBの蓋部1eBと機構室4Bの内周面と加圧ピン12Bのフランジ12cBとで画定される領域には蓋部1eBと加圧ピン12Bのフランジ12cBとを接続してスリーブ9Bの軸心LB方向へ伸縮するコイルバネ7Bが配置されており、加圧ピン12Bのフランジ12cBの蓋部12eBと機構室4の内周面と加圧ピン13Bのフランジ13cBとで画定される領域には加圧ピン12Bのフランジ12cBの蓋部12eBと加圧ピン13Bのフランジ13cBを接続してスリーブ9Bの軸心LB方向へ伸縮するコイルバネ6Bが配置されている。
まず、この実施の形態3のダイカスト装置10Bにおいては、図5(a)で示すように、ダイカスト装置10Bによる加圧前の状態において、加圧ピン12Bのフランジ12cBの蓋部12eBと加圧ピン13Bのフランジ13cBを接続するコイルバネ6Bは僅かながら収縮状態にあり、加圧ピン12Bのフランジ12cBの蓋部12eBと加圧ピン13Bのフランジ13cBはこのコイルバネ6Bによって相対距離が拡がる方向、すなわち蓋部12eBが金型キャビティK側へ移動する方向へ付勢力が付与されるものの、加圧ピン13Bのうち加圧ピン12Bのフランジ12cBの凹部12dB内に設けられた拡幅部13fBがフランジ12cBの蓋部12eBと当接することによって、加圧ピン12Bのフランジ12cBと加圧ピン13Bのフランジ13cBとの相対位置が保持されている。同様に、蓋部1eBと加圧ピン12Bのフランジ12cBとを接続するコイルバネ7Bは僅かながら収縮状態にあり、蓋部1eBと加圧ピン12Bのフランジ12cBとはこのコイルバネ7Bによって相対距離が拡がる方向、すなわち加圧ピン1Bが金型キャビティK側へ移動する方向へ付勢力が付与されるものの、加圧ピン12Bのうち加圧ピン1Bのフランジ1cBの凹部1dB内に設けられた拡幅部12fBがフランジ1cBの蓋部1eBと当接することによって、加圧ピン1Bのフランジ1cBと加圧ピン12Bのフランジ12cBとの相対位置が保持されている。
なお、加圧ピン1B、12B、13B等の形状やコイルバネ6B、7Bのバネ弾性係数などを調整することによって、ダイカスト装置10Bによる加圧前の状態におけるコイルバネ6Bやコイルバネ7Bを自然長もしくは自然長よりも伸長状態で使用することができる。
次いで、油圧シリンダ8Bから駆動ピン8aBの先端部8bBを介して加圧ピン13Bのフランジ13cBへ駆動力を伝達して加圧ピン13Bを駆動させると、図5(b)で示すように、加圧ピン13Bへ伝達された駆動力によってコイルバネ6B、7Bが収縮する前に、接続部3Bと機構室4Bの内周面と加圧ピン1Bのフランジ1cBとで画定される領域に収容された略大気圧の空気Aが機構室4Bの内周面と加圧ピン1Bのフランジ1cBの側面とで画定される領域を通って排気され、加圧ピン1B、12B、13Bのフランジ1cB、12cB、13cBやコイルバネ6B、7Bの相対的な位置が変化しない姿勢で加圧ピン1Bのフランジ1cB等がほぼ抵抗感無く(弾性係数が非常に小さい)機構室4Bに対して相対的にスリーブ9Bの軸心LB方向へ駆動される。そして、接続部3Bと加圧ピン1Bのフランジ1cBの金型キャビティK側の側面とが当接するまで加圧ピン1Bのフランジ1cB等がリーブ9Bの軸心LB方向へ駆動されることによって、加圧ユニット5B全体がスリーブ9Bに対して相対的にスリーブ9Bの軸心LB方向へ駆動され、加圧ユニット5Bを構成する加圧ピン1B、12B、13Bの金型キャビティK側の一部がスリーブ9Bから金型キャビティKへ突出され、金型キャビティK内の溶湯を相対的に大きな面積S1B(加圧ピン1B、12B、13Bの加圧面の面積)で加圧することができる。
次に、接続部3Bと加圧ピン1Bのフランジ1cBの金型キャビティK側の面が当接し、機構室4Bに対して加圧ピン1Bのフランジ1cBが相対的に移動されなくなった後、更に油圧シリンダ8Bから駆動ピン8aBの先端部8bBを介して加圧ピン13Bのフランジ13cBへ駆動力を伝達して加圧ピン13Bを駆動させると、蓋部1eBと加圧ピン12Bのフランジ12cBとを接続するコイルバネ7B(加圧ピン1B、12B同士の相対的な移動を規制)のバネ弾性係数が加圧ピン12Bのフランジ12cBの蓋部12eBと加圧ピン13Bのフランジ13cBを接続するコイルバネ6B(加圧ピン12B、13B同士の相対的な移動を規制)のバネ弾性係数よりも相対的に小さいため、コイルバネ6Bが収縮する前にコイルバネ7Bが収縮する。これにより、図5(c)で示すように、油圧シリンダ8Bから加圧ピン13Bのフランジ13cB、コイルバネ6B、加圧ピン12Bのフランジ12cBを介してコイルバネ7Bへ伝達された駆動力によってコイルバネ7Bがスリーブ9Bの軸心LB方向へ収縮され、加圧ピン1Bのスリーブ1cBの凹部1dB内で加圧ピン12Bの拡幅部12fBがスリーブ9Bの軸心LB方向へ駆動される。ここで、接続部3Bと当接した加圧ピン1Bのフランジ1cBの凹部1dBの底面と加圧ピン12Bの拡幅部12fBの金型キャビティK側の面が当接するまで、加圧ピン12B、13Bのフランジ12cB、13cBやコイルバネ6Bの相対的な位置が変化しない姿勢で加圧ピン12Bの拡幅部12fBがスリーブ9Bの軸心LB方向へ駆動されることによって、加圧ピン12B、13Bの一部が加圧ピン1Bから金型キャビティKへ更に突出され、金型キャビティK内の溶湯を面積S2B(加圧ピン12B、13Bの加圧面の面積)で加圧することができる。
そして、加圧ピン1Bのフランジ1cBの凹部1dBの底面と加圧ピン12Bの拡幅部12fBの金型キャビティK側の面が当接し、加圧ピン1Bのフランジ1cBに対して加圧ピン12Bが相対的に移動されなくなった後、更に油圧シリンダ8Bから駆動ピン8aBの先端部8bBを介して加圧ピン13Bのフランジ13cBへ駆動力を伝達して加圧ピン13Bを駆動させると、コイルバネ6Bが収縮する。これにより、図5(d)で示すように、油圧シリンダ8Bから加圧ピン13Bのフランジ13cBを介してコイルバネ6Bへ伝達された駆動力によってコイルバネ6Bがスリーブ9Bの軸心LB方向へ収縮され、加圧ピン12Bのスリーブ12cBの凹部12dB内で加圧ピン13Bの拡幅部13fBがスリーブ9Bの軸心LB方向へ駆動される。ここで、加圧ピン12Bのフランジ12cBの凹部12dBの底面と加圧ピン13Bの拡幅部13fBの金型キャビティK側の面が当接するまで、加圧ピン13Bの拡幅部13fBがスリーブ12cBの凹部12dB内でスリーブ9Bの軸心LB方向へ駆動されることによって、加圧ピン13Bの一部が加圧ピン12Bから金型キャビティKへ更に突出され、金型キャビティK内の溶湯をより小さい面積S3B(加圧ピン13Bの加圧面の面積)で加圧することができる。
なお、加圧ユニット5Bを構成する加圧ピン1B、12B、13Bで金型キャビティK内の溶湯の内部の鋳巣を加圧した後、当該加圧ユニット5Bの一部をスリーブ9B側へ引き戻す際には、収縮状態にあるコイルバネ6B、7Bのバネ弾性力を利用して加圧ピン12B、13Bをスリーブ9B側へ引き戻すことができるため、各加圧ピン1B、12B、13Bをスリーブ9B内へ引き戻す際のかじり(軸ずれ)の発生を抑制できるとともに、加圧ユニット5Bを引き戻す際に用いる油圧シリンダ8Bの駆動力を格段に低減することができる。
なお、コイルバネ6B、7Bが、加圧ユニット5Bの一部をスリーブ9Bの端部から金型キャビティKへ突出させる前に伸長状態にあり、加圧ユニット5Bの一部をスリーブ9Bの端部から金型キャビティKへ突出させた際に更に伸長するようになっていても、加圧ユニット5Bの一部をスリーブ9B側へ引き戻す際には伸長状態にあるコイルバネ6B、7Bのバネ弾性力を利用して加圧ピン12B、13Bをスリーブ9B側へ引き戻すことができる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1、2…加圧ピン、1c、2c…加圧ピンのフランジ、1d、2d…フランジの凹部、1e…蓋部、3…接続部、4…機構室(別途の筒体)、5…加圧ユニット、6、7…コイルバネ(弾性体)、8…油圧シリンダ(駆動手段)、8a…油圧シリンダの駆動ピン、8b…駆動ピンの先端部、9…スリーブ(筒体)、10…ダイカスト装置、A…空気(空気バネ)、K…キャビティ、L…スリーブの軸心

Claims (5)

  1. 一方の端部が金型キャビティに連通する筒体と、この筒体に嵌合されて筒体の軸心方向へ移動自在となっている筒体形状の第1の加圧ピンとこの第1の加圧ピンに嵌合されて筒体の軸心方向へ移動自在となっている第2の加圧ピンを有する加圧ユニットと、この加圧ユニットを筒体の軸心方向へ駆動させる駆動手段を備え、駆動手段によって加圧ユニットを駆動させて加圧ユニットの少なくとも一部を筒体の一方の端部から金型キャビティへ突出させるダイカスト装置であって、
    前記筒体の他方の端部には筒体よりも外形の大きい別途の筒体が接続され、前記第1および第2の加圧ピンは別途の筒体まで延設されていて、
    前記別途の筒体には、別途の筒体と第1の加圧ピンの相対的な移動および第1の加圧ピンと第2の加圧ピンの相対的な移動を規制するための異なる弾性係数を有する弾性体が配置されており、
    前記別途の筒体内で前記駆動手段によって加圧ユニットの第2の加圧ピンを駆動させて、第1の加圧ピンの少なくとも一部を筒体の一方の端部からキャビティ内へ突出させ、第2の加圧ピンの少なくとも一部を第1の加圧ピンからキャビティ内へ突出させ、第1の加圧ピンと第2の加圧ピンを筒体の内側へ向かって多段的にキャビティ内へ突出させるようになっているダイカスト装置。
  2. 前記第2の加圧ピンは、筒体の軸心方向へ移動自在となっている複数の加圧ピンから構成されており、前記複数の加圧ピンは別途の筒体まで延設されていて、前記別途の筒体には、前記複数の加圧ピンのうち隣接する加圧ピン同士の相対的な移動を規制するための異なる弾性係数を有する弾性体が配置されており、前記別途の筒体内で前記駆動手段によって前記複数の加圧ピンのうち最も筒体の内側に配置された加圧ピンを駆動させて、前記複数の加圧ピンを筒体の内側へ向かって多段的にキャビティ内へ突出させるようになっている請求項1に記載のダイカスト装置。
  3. 前記弾性体は、前記別途の筒体内において筒体の軸心方向で異なる位置に配置されている請求項1または2に記載のダイカスト装置。
  4. 前記弾性体は弾性バネからなり、この弾性バネは、加圧ユニットの少なくとも一部を筒体の一方の端部から金型キャビティへ突出させる前に自然長よりも収縮状態にあり、加圧ユニットの少なくとも一部を筒体の一方の端部から金型キャビティへ突出させた際に伸長するようになっている請求項1から3のいずれか一項に記載のダイカスト装置。
  5. 前記弾性体は弾性バネからなり、この弾性バネは、加圧ユニットの少なくとも一部を筒体の一方の端部から金型キャビティへ突出させる前に自然長よりも伸長状態、自然長、または、自然長よりも収縮状態にあり、加圧ユニットの少なくとも一部を筒体の一方の端部から金型キャビティへ突出させた際に収縮するようになっている請求項1から3のいずれか一項に記載のダイカスト装置。
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