JP2013237912A - 化成処理性に優れた高張力冷延鋼帯とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】Mn含有量が1.5質量%以上の焼鈍冷延鋼帯の化成処理性を安定して確保する。
【解決手段】、Si含有量が0.3質量%以下であれば、化成処理性は焼鈍後の鋼帯の表層Fe量と相関関係があり、この表層Fe量は、連続焼鈍後の冷延鋼帯の色調(JIS Z 8729に規定されたL*値およびb*値)と相関関係があるので、連続焼鈍後の鋼帯の色調が所定範囲内に入るように連続焼鈍炉の炉内雰囲気を調整して連続焼鈍を実施する。具体的には、Si含有量が0.2質量%以下の場合、L*値≧62かつb*値≦12となるように炉内雰囲気を調整して焼鈍を実施すれば良好な化成処理性を確保できる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、Mn含有率が高い高張力冷延鋼帯でありながら安定して良好なリン酸塩化成処理性を有する冷延鋼帯とその製造方法とに関する。本発明によれば、コイル間、あるいはコイル長手方向の全長にわたって安定した化成処理性を有し、従って特に自動車用途に適した高張力冷延鋼帯を提供することができる。
近年、自動車の燃費向上を目的とした車体の軽量化がより一層要求されている。車体の軽量化に対しては強度を高めた鋼材を使用することが有効であり、各種の高張力鋼板が提供されている。その中で、例えば、特開昭63−241115号に開示されているように、フェライト−マルテンサイト相を有するデュアルフェーズ鋼(二相組織鋼、Dual phase steel、以下ではDP鋼と略記)では、冷間圧延後の焼鈍時にオーステナイト相を安定化させ、その後の冷却過程においてマルテンサイトを安定して生成させるために、Mnを多量添加した材料が適用される。
自動車用の車体鋼材としての用途を考えると、塗装下地処理としてのリン酸塩化成処理(特にリン酸亜鉛処理)とその後の電着塗装の実施は、車体の耐食性の確保という観点から必須である。従って、車体用の鋼帯を提供する上において、安定した化成処理性の確保は必須である。本発明において「化成処理性に優れた」または「良好な化成処理性」とは、リン酸亜鉛処理で代表されるリン酸塩処理によりスケが皆無または少ない化成処理皮膜を形成できることを意味する。
高張力鋼板においても、車体用を念頭に、良好で安定した化成処理性を具備することが求められている。各種添加元素の化成処理性への影響についてはこれまでも調査されているが、鋼中Mnについては、下記非特許文献1にも述べられているように、化成処理性に大きな悪影響を及ぼさないものと考えられてきた。この非特許文献には、鋼中Mnが焼鈍中に表面に濃化してMn酸化物を形成するが、この表面のMn酸化物は、化成処理時のエッチング反応で溶解するので化成処理性に対しては問題がないことが紹介されている。
一方、成形性を高めた高張力鋼板として、残留オーステナイトによる加工誘起変態を利用して伸びを高めた残留オーステナイト鋼(TRIP鋼)がある。TRIP鋼(変態誘起塑性を示す鋼)では、焼鈍後に残留オーステナイトを残すために多量のSiが添加されるが、この添加されたSiは焼鈍工程中に表面に濃化してSi系酸化物を形成し、化成処理性を低下させることが判明している。その対策として、例えば、下記特許文献1には、Si量を極力抑え、Siと同様に残留オーステナイトを生成しやすいAlを多量に鋼中に添加したTRIP鋼が提案されている。この特許文献においても、Mnは強度の補填のために添加されており、化成処理性についての影響は考慮されていない。
鋼材の化成処理性の改善に対しては、焼鈍後の後処理により、焼鈍鋼板の表面の影響を解消し、化成処理性を改善する手法が多数提案されている。このような方法の1例として、下記特許文献2には、焼鈍中に表面酸化を起こしやすい鋼材上に、Ni等のフラッシュめっきを施す技術が開示されている。しかし、この種の手法では、別に後処理のための工程および設備を付加する必要があり、製造効率とコスト面で問題がある。冷間圧延後の焼鈍工程のみで安定した化成処理性を確保することが有利である。
これに対して、例えば、下記特許文献3には、Si、Mn添加高張力鋼板について、焼鈍雰囲気を調整することにより、ブルーイング(酸化皮膜の形成に起因する鋼表面の青色化)を回避すると同時に、化成処理性を確保する技術が開示されている。この特許文献は、ブルーイングがない場合でも化成処理性が不良となる場合があり、化成処理性不良の原因は鋼表面のC析出にあることを指摘するととともに、表面Cの析出を抑制するために、Cr、Nb、Ti、V、S、Se、Bi、Sb、B、Snから選ばれた少なくとも1種の元素の添加を必須としている。この文献に開示された技術によれば、焼鈍雰囲気はブルーイングのない光輝焼鈍雰囲気とするが、化成処理性の向上は、前述した表面Cの析出を抑制する添加元素によって達成される。
下記特許文献4には、Si添加のTRIP鋼における化成処理性の改善に関して、表層のSi、Mn酸化物形態を規定することが開示されている。また、下記特許文献5には、Si、Mn系酸化物の生成とともに、その焼鈍工程において、焼鈍雰囲気が規定されている。しかし、後述のように、Si、Mnの複合添加鋼では、その酸化挙動が複雑であるため、工業的に連続焼鈍で製造された冷延鋼板の化成処理性の良否を、実際に化成処理試験を実施せずに判別することが困難である。従って、これらの特許文献に開示された技術でも、優れた化成処理性を安定して得られるかどうかは不確実である。
「鉄と鋼」第77年(1991)第3号398〜405頁
特開2003−193192号公報 特開昭57−2889号公報 特開昭58−100622号公報 特開2008−121045号公報 特開2008−69445号公報
前述した非特許文献1におけるMn量に対する化成処理性の検討は、Mn量が0.4%以下のレベルであり、例えば、DP鋼で一般的に添加される、最低でも1.5質量%以上のレベルのMnを含有する場合には、Mnがどのように化成処理性に影響を及ぼすかはいまだに十分に解明されていない。すなわち、安定的な化成処理性を確保できる鋼帯の条件やその管理方法、さらには、そのような鋼帯をいかに安定して供給するかということは、これまでは知られていなかった。
本発明の課題は、上記問題を工業的に有利に解決しうるために、高Mn添加鋼における安定した化成処理性を確保した製品形態およびその製造方法を提供することである。具体的には、DP鋼やTRIP鋼において一般的である、Mn含有量が1.5質量%以上の鋼帯において、安定的な化成処理性を確保した高張力鋼帯とその製造方法とを提供することである。
本発明者らは、数%レベルのMn添加冷延鋼帯を対象に、その化成処理性を詳細に調査した結果、製造のチャンスによってその化成処理性は大きく変動すること、また、同一コイル内でも、その長手方向で化成処理性の良好な部分と不良な部分が存在するということを見出した。
以下、具体的にその事例について紹介する。表1に記載の化学組成(残部はFeおよび不純物)を有する実機冷間圧延ラインで製造したMn:2.40質量%の冷延鋼帯を、ライン内の連続焼鈍設備で焼鈍した後、巻き取って得られた冷延鋼帯のコイルにおいて、コイルのトップ部(初端部)、ミドル部(中間部)、ボトム部(終端部)からそれぞれサンプリングして得た試験片に、表2に記載の条件で標準的なリン酸亜鉛化成処理を施した。
化成処理後の試験片の外観と化成結晶の状態を図1に示す。なお、化成結晶は、化成処理後の試験片を切り出し、SEMにて1000倍の倍率にて観察したものである。
この事例からも判るように、同一化学組成、同一焼鈍条件であっても、コイルのトップ部およびボトム部では、化成処理皮膜に著しいスケ(化成結晶の未発達部)が見られ、良好な化成処理性が確保できていない。すなわち、鋼帯の全長について安定して良好な化成処理性が得られないことが判明した。
そこで、この原因を検討するために、同じ材料であっても、鋼帯の長手方向で鋼表面の状態が異なることが化成処理性に対して大きな影響を及ぼすと考え、表3に示す条件にて上記の鋼帯各部についてXPS分析を実施して、表層付近の元素分布状態を調査した。
その結果を図2〜4に示す。図2がコイルトップ部、図3がコイルミドル部、図4がコイルボトム部の、それぞれ鋼帯表層の深さ方向におけるXPS元素分析結果である。これらの結果から、同じ母材から同一焼鈍条件で製造した1つの冷延鋼帯であるにも関わらず、化成処理性が不良であったコイルのトップ部およびボトム部では、表面のMn濃化が著しく、表層に存在するFe量が少ないのに対し、化成処理性が良好なミドル部では表面のMn濃化は少なく、表層に存在するFe量が多いことが判る。表面のMn濃化がこのように変動する理由については、後述するように、焼鈍雰囲気の変動に加えて、焼鈍前、特に熱間圧延時に起こる表面酸化度の変動に原因があるのではないかと推測される。
すなわち、2.40質量%のMnを含有する同じ鋼帯の中で、その化成処理性は鋼帯の長手方向の位置によって大きくばらつき、安定した化成処理性を確保するには、鋼中成分を規定するだけでは不充分であって、表層のMn濃化を抑制することが重要であることが判明した。
本発明者らは更に鋭意検討した結果、焼鈍によって表層に濃化するMn量に関しては、その色調との相関があることを見出した。
表4に示す化学組成の範囲をもつ、種々の組成の連続焼鈍した冷延鋼帯について、表3に記載のXPS条件で、スパッタ時間=60sec(Si標準板で深さ方向40nmの時点)でのFe量(at%)と、表5に記載の条件で測定した色調のL*値、b*値とが、表2に示した条件で実施したリン酸亜鉛処理における化成処理性に対して及ぼす影響を調査した。化成処理性は、化成結晶を上述したように1000倍の倍率でSEM観察し、化成結晶が成長していない部分であるスケの発生面積を測定し、下記の基準で判定した。
(化成処理性合否判定)
○:スケ発生面積率=0%(スケ発生無し)
△:スケ発生面積率≦5%
×:スケ発生面積率>5%
この化成処理性の判定では、実質的にその後の塗装後耐食性が低下しないことが確認された△以上を合格としたが、化成処理性は好ましくは○である。
色調(L*値およびb*値)と化成処理性との関係を図5に示す。図5中、本発明範囲とは、Si含有量が0.2%の場合における後述する好ましい範囲を意味する。図5から、焼鈍後の色調と化成処理性に良好な相関が認められ、表1に示す鋼種の場合には、がL*値が62以上でb*値が12以下、好ましくはL*値が67以上でb*値が10以下であれば、良好な化成処理性が確保できることが判明した。
一方、図6(図中の本発明範囲については図5に同じ)に示した表面から深さ40nmの時点でのFe量と色調(L*値)との関係から、表層のFe量が大きくなると、L*値は上昇(b*値は低下)することが判明した。Mnを1.5質量%以上含有する高Mnの鋼帯では、化成処理性の良否に影響するのは表層のFe量が重要であり、その表層Fe量の違いは色調に現れ、L*値やb*値によって、表層のFe量、従って化成処理性を判断できることを見出した。表層のFe量が多いことは表層のMn濃化が少ないことを意味する。従って、換言すると、鋼帯表面の色調で表層のMn濃化も判断することもできる。
つまり、連続して容易に測定できる、焼鈍後の鋼帯表面の色調を常時観察することにより、その鋼帯の表層のMn濃化や表層Fe量、従って、化成処理性を判断することが可能となることがわかった。
さらに検討した結果、Si含有量が0.2質量%以下であれば、上述したL*値が62以上、b*値が12以下という色調を満たすと良好な化成処理性が得られること、Si含有量が0.3質量%までは、色調、特にL*値や表層のFe量と化成処理性との間に密接な相関関係が認められるが、Si含有量がそれより多くなると、焼鈍中の表面酸化挙動が複雑化して、色調によって化成処理性を評価することができなくなることが判明した。
かかる事実から、従来は化成処理性に大きな影響を及ぼさないと考えられていたMn添加鋼でも、Mn含有量が1.5質量%以上と高いMn添加鋼では、その化成処理性は焼鈍雰囲気の大きく変動すること、安定した化成処理性の確保は、焼鈍された鋼帯の表面の色調を常時監視して、L*値やb*値が所定範囲になるように焼鈍雰囲気を調整することで達成できることを見いだした。
ここに、本発明は次の通りである。
(1)Mn:1.5質量%以上、Si:0.3質量%以下を含有する連続焼鈍された冷延鋼帯の製造方法であって、連続焼鈍後の前記冷延鋼帯の表面色調を測定しつつ、当該色調が所定範囲内に入るように連続焼鈍炉の炉内雰囲気を含む焼鈍条件を調整することを特徴とする、リン酸塩化成処理性に優れた冷延鋼帯の製造方法。
(2)Mn:1.5質量%以上、Si:0.3質量%以下を含有する連続焼鈍された冷延鋼帯の製造方法であって、連続焼鈍後の前記冷延鋼帯の表面色調を測定しつつ、当該色調が所定範囲内から外れた部位を切り落とし、色調が所定範囲内の部位のみの鋼帯製品として採取とすることを特徴とする、リン酸塩化成処理性に優れた冷延鋼帯の製造方法。
(3)Si含有量が0.2質量%以下であって、前記表面色調の所定範囲がJIS Z 8729に規定されたL*値≧62、かつb*値≦12となる範囲内である、上記(1)または(2)記載の冷延鋼帯の製造方法。
(4)製造された冷延鋼帯の表面から深さ40nmの位置でのFe量が40at%以上である、上記(1)〜(3)に記載の冷延鋼帯の製造方法。
(5)Mn:1.5質量%以上、Si:0.2質量%以下を含有する冷延鋼帯であって、前記鋼帯の全長にわたって、表面の色調がJIS Z 8729に規定されたL*値≧62、かつb*値≦12を満たすことを特徴とする、リン酸塩化成処理性に優れた冷延鋼帯。
(6)前記鋼帯の全長にわたって鋼帯の表面から深さ40nmの位置でのFe量が40at%以上である、上記(5)に記載の冷延鋼帯。
本発明に係る冷延鋼帯は、Mn含有量が1.5質量%以上で、Si含有量が0.3質量%以下のMn添加鋼からなる。このようなMn添加鋼の代表例は、上述したDP鋼やTRIP鋼といった高張力鋼である。
本発明によれば、Mnを多量に含み、焼鈍時に実質的なSi酸化を起こさない高張力鋼帯において、焼鈍後の冷延鋼帯の色調を測定するという簡便な操作により、コイル間およびコイル内でバラツキがみられる化成処理性の良否を判別できることから、必要に応じて焼鈍炉の雰囲気を調整することで、安定した化成処理性の確保が可能となる。
更には、色調を連続的に測定することで、化成処理性の予測が可能になることから、化成処理性が不芳である部分を除外することで、安定した化成処理性に優れた高張力鋼帯を提供することが可能となる。
それにより、鋼帯の全長にわたって良好な化成処理性を示す鋼帯を、特別の付帯設備を必要とせずに安定して生産することが可能となる。また、焼鈍より前の時点で表面状態が異なる鋼帯においても、常に安定的な化成処理性を有した鋼帯を提供することが可能となる。
本発明が適用可能な冷延鋼帯は、DP鋼やTRIP鋼といった車体の軽量化かから今後の大量使用が見込まれる高張力鋼帯を含んでいる。従って、本発明により安定的な化成処理性を有する鋼帯を提供できることは、自動車用鋼板として高張力鋼板の適用化時の問題点の一つである化成処理性に対して、不安のない製品を供給可能となることから、その効用は経済的にも極めて高いと考える。
焼鈍ずみコイルのトップ部、ミドル部およびボトム部から得た試験片にリン酸亜鉛化成処理を施した場合の化成処理皮膜の外観と化成結晶の倍率1000倍でのSEM観察結果を示す。 前記コイルトップ部のXPS分析結果を示す。 前記コイルミドル部のXPS分析結果を示す。 前記コイルボトム部のXPS分析結果を示す。 焼鈍後の冷延鋼帯の色調(L*値およびb*値)と化成処理性との関係を示すグラフである。 焼鈍後の冷延鋼板の表層Fe量(深さ40nm位置でのFe量,at%)およびL*値と化成処理性との関係を示すグラフである。
以下、本発明について、具体的に説明する。以下の説明において、%は特に指定しない限り質量%である。
本発明は、Mn含有量が1.5%以上、Si含有量が0.3%以下の焼鈍された冷延鋼帯に関する。このような高Mn冷延鋼帯は、DP鋼やTRIP鋼といった高張力鋼帯を含む。本発明はこのような高張力鋼帯に適用することが好ましい。
Mn含有量を1.5%以上としたのは次の理由による。従来から、焼鈍中に易酸化性のMnは鋼表面に濃化しやすいと言われていたが、Mn含有量が1.5%未満では焼鈍中に著しいMnの表面濃化は起こらないので化成処理性は確保できる。これに対し、Mn含有量が1.5%以上になると、焼鈍中のMnの表面濃化が著しくなり、Feの表面への露出が減るために、下記に示す化成処理反応が部分的に減少し、良好な化成処理性を安定して確保することが困難になる。本発明では、このようなMn含有量が1.5%以上の冷延鋼帯に顕著となる化成処理性のバラツキを解消することを目的とする。
一般に塗装下地処理として実施されるリン酸塩化成処理反応は、以下の反応でリン酸塩皮膜が析出すると考えられている:
[アノード反応]
Fe→Fe2++2e(鋼表面のエッチング)
[カソード反応]
10H+NO3−+8e→NH4++3H2
2H+2e→H
[皮膜析出反応]
2HPO4−+2Zn2++Fe2++4H2
→Zn2Fe(PO4)2・4H2O+4H(フォスフォフィライト)。
すなわち、まず酸による鋼帯のエッチング反応が起こり、鋼表面/化成処理液の界面においてpHが上昇して不溶性のリン酸塩が析出することで、はじめてリン酸塩結晶(フォスフォフィライト)が成長する。上記反応式からわかるように、アノード反応である鋼表面のエッチング反応が生じないと、化成処理反応は生じない。これに関し、上記非特許文献1でも指摘するように、Mnは易酸化性元素であって表面にMnが濃化しやすいにも関わらず、焼鈍中に生成するMn酸化物は酸性である化成処理液には溶解することから、この溶解によってFeが露出して上記エッチング反応が容易に起こり、従って、Mnの表面濃化によって化成処理性は阻害されないと考えられていた。
しかし、本発明者らが鋭意検討した結果、Mn添加量が高くなると、鋼表面でのMn濃化は、焼鈍中の雰囲気状態の影響を極めて受けやすく、Mn量レベルによっては極めて緻密にMn酸化物が形成され、表層のFeが少なくなって、化成皮膜形成のための初期反応である鋼帯のエッチングが起こりにくくなることで、化成皮膜の形成が困難になることが判明した。そのような焼鈍中にMnが表面に濃化しやすい具体的なMn添加量レベルとして、本発明者らは1.5%であることを見出したのである。
Siも、Mn同様に易酸化性元素であり、焼鈍中に表面に濃化して容易にSi酸化物を形成すると予想される。しかし、MnとSiが多量に含有した複合添加鋼では、その表面酸化挙動が複雑となり、表層のFe量またはMnの濃化状態によって化成処理性を確実に整理することができなくなり、その結果、色調と化成処理性との相関を認めることができなくなることが判明した。この理由は不明であるが、Siが焼鈍中に優先酸化するために、鋼帯の全表面がSi酸化物で被覆され、このSi酸化物はMn酸化物に比べて、緻密で酸性液に溶解しにくいために、化成皮膜形成のための初期反応であるエッチング反応が生じにくいためと推測される。
本発明者らは、上述した焼鈍後の色調や表層Fe量と化成処理性との相関関係に対してSi酸化物の形成による影響がでない鋼中Siレベルは0.3%以下であり、Si含有量がそれを超えると、表層のSi酸化物形成が顕著になって、本発明の手法では化成処理性を安定して確保することはできないとの結論に至った。そのため、本発明では鋼帯のSi含有量を0.3%以下に限定する。
冷延鋼帯は、MnおよびSiに加えて他の元素も含有しうる。このような元素の中には、Feよりも易酸化で元素であるAl、Ti、Cr等も含まれ、それらの化成処理性への影響については必ずしも明らかではないが、Si同様、0.3%以下であれば、Mn濃化の影響のみを明確に規定できると推測される。上記以外の鋼中元素は化成処理性に著しい影響は与えないので、例えば、機械的性質の確保等から、適宜の量で添加することは可能である。
かかるMn添加鋼帯において、本発明では、連続焼鈍後の冷延鋼帯の表面色調によって表層のFe量、従って鋼帯の化成処理性を判断する。具体的には、鋼帯表面のL*a*b*表色系におけるL*値およびb*値が、表層Fe量および化成処理性と相関することがわかった。すなわち、L*値がある一定以上であって、かつb*値がある一定以下となると、良好な化成処理性を確保することができる。
L*値の下限およびb*値の上限は、鋼帯のSi含有量によっても変動するが、Si含有量が0.2%以下の範囲内では、図5に関して前述したように、L*値が62以上でb*値が12以下、好ましくはL*値が67以上でb*値が10以下であると、良好な化成処理性を確保することができる。前述したように、この色調域から外れると、表層のMn濃化が顕著になり、表層のFe量が減少するために、良好な化成処理性が確保できなくなる。
Si量が0.2%を超えても、0.3%以下の範囲内であれば、L*値がある値以上になると表層Fe量が増大して、良好な化成処理性が得られる。良好な化成処理性を確保するのに必要なL*値の下限は、鋼帯のSi含有量に応じて実験により当業者が決定することができる。例えば、後述する実施例の鋼種E(Si:0.28%)では、L*値が69以上になると、表層Fe量が十分となって化成処理性が良好となる。b*値は上記と同様でよい。
図6に関して前述したように、良好な化成処理性を確保するのに必要な表層のFe量は、鋼帯表面をXPSによりスパッタリングしながら元素分析した際に、表面から深さ40nmの位置(Si板換算値)において40at%以上であることが判明した。本発明において、表面からの深さ40nmの位置でFe量を規定するのは、表層のFe量を評価するための一つの指標にすぎない。図2〜4からわかるように、表層Fe量は深さとともに増大するので、本発明では、深さ40nm位置でのFe量(これを表層Fe量という)を指標として化成処理性との関係を整理する。表層のMn濃化量を抑制し、表層のFe量を高めることが化成処理性の確保に必要であることが本発明における主旨である。
換言すると、前述した鋼帯表面のL*値の下限およびb*値の上限は、鋼帯の表面から深さ40nmの位置でのFe量が40at%以上となるように設定する。この位置でのFe量が40at%以上であると、表層のMn濃化は化成処理性を阻害するほどには起こっておらず、良好な化成処理性を得ることができる。そして、この表層Fe量を達成するには、鋼帯のSi含有量が0.2%以下の場合には、L*値が62以上でb*値が12以下の範囲となる。Si含有量がこれより高い場合には、表層Fe量が40at%以上になる時のL*値の下限およびb*値の上限を予め実験により求めておき、それを指標に焼鈍を管理する。すなわち、「色調が所定範囲内に入る」とは、L*値およびb*値が、表層Fe量(深さ40nm位置でのFe量)が40at%以上になるような範囲内に入るようにすることを意味する。
良好な化成処理性を得るためには、表層Fe量(焼鈍後の色調)を管理することが必要であるが、その方法としては特にこだわらない。例えば、前述のようにMn酸化物は酸で溶解すると言う性質を利用し、焼鈍後に酸洗および水洗することでMn酸化物を除去することも考えられるが、かかる手法では、別に酸洗処理工程が必要となるため、コスト面で問題がある。
従って、本発明では連続焼鈍後の前記冷延鋼帯の表面色調を測定しつつ、当該色調が所定範囲内に入るように連続焼鈍炉の炉内雰囲気を含む焼鈍条件を調整することにより、化成処理性に優れた冷延鋼帯を確実に安定して製造する。化成処理性と直接に関連するのは表層Fe量であるが、表層Fe量は連続焼鈍中の鋼帯では測定することができないため、本発明では、この表層Fe量と相関することがわかった鋼帯表面の色調(L*値およびb*値)を用いて、連続焼鈍中の鋼帯の化成処理性を管理する。
冷延鋼帯の焼鈍は、冷間圧延により鋼に蓄積された歪みを除去するとともに、冷間圧延で硬化した鋼を軟化させて成形性を改善するために行われる。この焼鈍は一般に冷延鋼帯のコイルを巻き戻して連続焼鈍ラインに通す連続焼鈍により実施される。連続焼鈍ラインは、入側設備、炉体部および出側設備に大別され、炉体部は加熱帯、均熱帯および冷却帯からなる。冷却帯はさらに、少なくとも一次冷却、過時効処理よび二次冷却の各部に分かれているのが普通である。焼鈍中の鋼帯表面の酸化を防止するため、連続焼鈍ラインの炉体部(以下、この炉体部を総称して連続焼鈍炉と言う)の炉内雰囲気は還元性雰囲気とされる。この還元性雰囲気は通常はN2+H2の混合ガスによりもたらされる。雰囲気ガスは、通常は露点が−10℃以下となるように、水蒸気の混入量が制御される。
雰囲気ガスの露点(あるいはHとHOの比率)によって雰囲気ガスが還元性であるか酸化性であるかが決まる。しかし、雰囲気ガスの組成や露点を厳密に一定に制御することは困難であり、焼鈍中に起こる表面酸化によるMnの表面濃化にバラツキが見られ、結果として表層Fe量が変動し、化成処理性が不安定となる。さらには、後述するように、焼鈍前の鋼帯の酸化状態にバラツキがあることでも、Mnの表面濃化が変動する。
本発明によれば、連続焼鈍炉の冷却帯での冷却が終わって焼鈍炉から出た焼鈍ずみの冷延鋼帯の表面の色調を、L*a*b*表色系データの連続測定が可能な測色装置で連続的に測定し、測定された色調、特にL*値およびb*値が所定の範囲内、例えば、鋼帯のSi含有量が0.2%以下の場合には、L*値が62以上でb*値が12以下、好ましくはL*値が67以上でb*値が10以下となるように、連続焼鈍炉における焼鈍雰囲気などの焼鈍条件を調整する。
具体的には、L*値およびb*値が所定範囲から外れるということは、鋼帯表面の酸化によるMnの表面濃化が過大であることを示すので、焼鈍炉、特にその加熱帯〜均熱帯における焼鈍雰囲気の露点を下げたり(水蒸気量の低減)またはH含有量を増大させて、焼鈍雰囲気の還元性を高める。具体的には、加熱帯〜均熱帯における500℃以上の温度域で露点が安定的に−30℃以下を維持できるように焼鈍雰囲気を管理することが例示される。
さらには、このような焼鈍雰囲気の調整は、L*値およびb*値が所定範囲から外れてから行うのではなく、L*値およびb*値を常時測定することにより、L*値の低下傾向あるいはb*値の増大傾向が認められたら、L*値およびb*値が所定範囲から外れることのないように、前記焼鈍雰囲気を調整することが好ましい。もちろん、L*値およびb*値は一定に保持されることが望ましいので、逆にL*値の増大やb*値の低下が顕著になれば、それを防止するように焼鈍雰囲気を調整する。こうして、焼鈍された鋼帯表面のL*値およびb*値が所定範囲内でなるべく一定になるように焼鈍雰囲気を調整する。それにより、Mnの過度の表面濃化が抑制され、表層Fe量を確実に40at%以上に管理することができ、結果として良好な化成処理性を安定して確保することができる。
L*値およびb*値の測定は、連続的に(常時)行うことが望ましいが、測定間隔が短ければ断続的に実施してもよい。ただし、その場合でも500mごと、好ましくは200mごと、より好ましくは100mごとに1回以上の頻度で測定を実施することが好ましい。
前述のように、化成処理性は、異なるコイル間、或いは同一コイルの長手方向でも変化する。これは、焼鈍工程の前に、表層のMn濃化状態が変化していることが考えられる。コイルの長手方向でみたときに、コイルのトップ部とボトム部で化成処理性が劣化し、色調が外れる事実を鑑みると、焼鈍前にMn濃化が進行していることが示唆される。
具体的には、鋼帯は、溶鋼状態からの鋳込みによるスラブを形成後、熱間圧延、酸洗、冷間圧延、焼鈍という工程を経る中で、熱間圧延中あるいは圧延後の高温での巻取り過程においてもMn濃化が生じる。通常、冷間圧延する際には、高温巻き採り時に生成したスケールは酸洗にて除去されるが、酸洗後の表面にもMnが濃化している可能性が考えられる。特に、コイルのトップ部とボトム部で焼鈍中にMnが濃化しやすいということを考えると、巻取り後の大気に触れやすいことがMn濃化を促進させ、焼鈍後の化成処理性のバラツキの要因になりやすいと予想される。
このように、連続焼鈍工程より前の段階で、焼鈍中でのMn濃化を変化させる要因をもつ鋼帯において、鋼帯全長にわたって良好な化成処理性を確保するためは、連続焼鈍中に焼鈍された鋼帯の色調を測定しながら、細かく焼鈍雰囲気を制御することが好ましい形態である。具体的には、焼鈍炉中ではFeの酸化によるブルーイングは目視で確認できるが、Mn酸化の状態は目視では判別不可能であるから、焼鈍後の色調(L*値およびb*値)を測定しながら、常に焼鈍中の露点を制御し、必要に応じて焼鈍炉内の還元性を高めるために還元性の高い水素ガスを注入することが効果的である。
更には、安定した化成処理性が確保できた鋼帯を提供するためには、色調の外れた部分を除去することが好ましい。その方法としては、種々考えられ、先に記載のようにコイルのトップ部およびボトム部で色調が外れた化成処理性の不芳な部分がでやすいという事実を考えると、鋼帯を製造に後、例えば、検査ラインで色調を測定し、表層Fe量が40at%未満となるのに対応する所定範囲から外れた色調をもつ部分を切り落とすことが考えられる。あるいは、焼鈍ラインで色調を測定後、その場で外れた部分を除去する。あるいは、焼鈍ラインで色調を測定し、その場所を記録した上で、別ライン(必ずしも、自社内の検査ライン等だけでなく、コイルセンター等のスリットラインも含む)で切り落とすことも考えられる。残った部分を溶接して、鋼帯(コイル)にすればよい。
また、本発明の応用として、一旦コイル内に巻き取って出荷後、客先のブランキングラインで色調が外れたブランクだけを切り落とすことも考えられる。その際に、焼鈍直後、もしくは、検査ライン等で測定した色調のデータをもとに、切り落とす部分を提示してもよいし、ブランキングラインにて色調をオンライン測定し、外れたブランクを除去してもよい。
こうして、Mn:1.5質量%以上、Si:0.2質量%以下を含有する冷延鋼帯であって、前記鋼帯の全長にわたって、表面の色調がJIS Z 8729に規定されたL*値≧62、かつb*値≦12を満たすことを特徴とする、リン酸塩化成処理性に優れた冷延鋼帯を得ることができる。この鋼帯は、その全長にわたって、鋼帯の表面から深さ40nmの位置でのFe量が40at%以上であることが好ましい。
なお、一般に鋼帯の化成処理性は、コイルの幅方向においても変化し、両側のエッジ部は、巻取り後も空気に触れてMnやSiの表層濃化が起こることから、化成処理性は低下する。本発明では、鋼帯の両側のそれぞれ端部から50mmのエッジ部についての化成処理性は対象外とする。この両側のエッジ部分は、鋼帯から製品を製造する場合には一般に使用されないので、化成処理性を考慮する必要はない。
以下の実施例により本発明の効果を具体的に例証する。
下の表6に示す化学組成を有する鋼を用いて、試験用圧延設備において、全鋼種について同じ条件で、熱間圧延、酸洗、冷間圧延を行い、板厚1.0mmの冷延鋼板を準備した。得られた冷延鋼板に、表7に示す異なる熱処理条件において焼鈍を実施した。焼鈍条件は、Mn濃化を変化させるために、焼鈍雰囲気の露点および水素濃度(残部は窒素)を変更した。得られた焼鈍後の冷延鋼板のサンプルについて、表5に示した試験機を用いて、色調のL*およびb*値を測定するとともに、表3に示した条件でXPSでの深さ方向40nm時点でのFe量(表層Fe量)を測定した。また、各サンプルについて、表2に記載の条件で化成処理を実施し、先の判断基準にて化成処理性を評価した。以上の試験結果を表8にまとめて示す。
表8からわかるように、Si含有量が0.2%以下である鋼種A、C、Dについては、例えば、No.2、3や、No.22、23から、L*が62以上でないと化成処理性が確保できない。また、No.3、16から、b*値が12以下でないと化成処理性が確保できない。更に、No.1、15、22から、b*値が小さくても、L*値が62未満であると、化成処理性が確保できない。
表層Fe量については、No.2、3、17、18、22、23から、表層のFe量が40at%を下回ると化成処理性が確保できす、かつ表層Fe量と特にL*値との間には相関関係があり、L*値が62以上になると、表層Fe量が40at%以上となって、化成処理性も向上することが判る。
Si含有量が0.3質量%以下である鋼種Eについても、L*値が69以上になると、表層Fe量が40at%以上になって、化成処理性が良好になるのに対し、L*値が69を下回ったNo.30,31では、表層Fe量が40at%に達せず、化成処理性が劣る結果となった。この鋼種の場合、L*値が69以上となるように焼鈍条件を管理すればよいことがわかる。このように、Si含有量が0.2%を超えても、0.3質量%以下の範囲内であれば、管理すべきL*値の下限を適正な値に変更することにより、本発明によるMnの表面濃化の抑制とそれによる化成処理性の向上を確保することができる。
一方、Si含有量が0.74%と高かった鋼種Bでは、表層Fe量と化成処理性との間に相関関係が認められなくなり、表層Fe量が40at%以上であっても化成処理性が不芳となる例が見られる。さらに、L*値と表層Fe量との相加関係もなくなり、L*値はあまり変動しないのに、表層Fe量は大きく複雑に変化することから、Siの表面濃化の影響が顕著となって、色調や表層Fe量で化成処理性を判断することができなくなる。
すなわち、高Mn添加鋼において、Siも多量に含有する場合は、Siが少ない場合とは異なり、焼鈍時の表層酸化皮膜の状態が大きく異なり、表層の色調、表層Fe量の状態が大きく変化するために、もはや色調や表層Fe量では化成処理性が整理できないことが判る。

Claims (6)

  1. Mn:1.5質量%以上、Si:0.3質量%以下を含有する連続焼鈍された冷延鋼帯の製造方法であって、連続焼鈍後の前記冷延鋼帯の表面色調を測定しつつ、当該色調が所定範囲内に入るように連続焼鈍炉の炉内雰囲気を含む焼鈍条件を調整することを特徴とする、リン酸塩化成処理性に優れた冷延鋼帯の製造方法。
  2. Mn:1.5質量%以上、Si:0.3質量%以下を含有する連続焼鈍された冷延鋼帯の製造方法であって、連続焼鈍後の前記冷延鋼帯の表面色調を測定しつつ、当該色調が所定範囲内から外れた部位を切り落とし、色調が所定範囲内の部位のみの鋼帯製品として採取とすることを特徴とする、リン酸塩化成処理性に優れた冷延鋼帯の製造方法。
  3. Si含有量が0.2質量%以下であって、前記表面色調の所定範囲がJIS Z 8729に規定されたL*値≧62、かつb*値≦12となる範囲内である、請求項1または請求項2に記載の冷延鋼帯の製造方法。
  4. 製造された冷延鋼帯の表面から深さ40nmの位置でのFe量が40at%以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の冷延鋼帯の製造方法。
  5. Mn:1.5質量%以上、Si:0.2質量%以下を含有する冷延鋼帯であって、前記鋼帯の全長にわたって、表面の色調がJIS Z 8729に規定されたL*値≧62、かつb*値≦12を満たすことを特徴とする、リン酸塩化成処理性に優れた冷延鋼帯。
  6. 前記鋼帯の全長にわたって、鋼帯の表面から深さ40nmの位置でのFe量が40at%以上である、請求項5に記載の冷延鋼帯。
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