(第1実施形態)
以下、図面を参照しつつ本発明の一実施形態について詳細に説明する。まず、第1実施形態について説明する。
図1は、コンベヤシステムを適用した荷物仕分けシステムの全体構成を示す図である。図1に示すように、荷物仕分けシステム1は、建物K内に設置され、搬入トラックTK1から建物K内に搬入された荷物を配送先等に基づいて仕分けを行うものである。仕分けされた荷物は、搬出トラックTK2に積み込まれて各配送先或いは配送の中継所等へ配送される。
荷物仕分けシステム1は、第1コンベヤシステム10、荷物投入部20、第2コンベヤシステム(コンベヤシステム)30、及び積込テーブル40a,40b,40cを含んで構成される。
第1コンベヤシステム10は、搬入トラックTK1から建物K内に搬入されたカゴ台車Wを、荷物投入部20側へ向けて搬送する。第1コンベヤシステム10は、カゴ台車Wの搬送方向が互いに平行となるように複数列設けられている。ここで、カゴ台車Wは、荷物を搬送する際に用いられるものであり、1つのカゴ台車W内に複数の荷物を積み込み可能となっている。また、搬入トラックTK1から建物K内に搬入されるカゴ台車W内には、荷物が積み込まれている。
荷物投入部20は、第1コンベヤシステム10によって搬送されたカゴ台車W内の荷物を受け取り、図示しない仕分け装置へ送る。この仕分け装置は、例えば、第1コンベヤシステム10や荷物投入部20、積込テーブル40a〜40c等よりも上層階に設置されている。但し、仕分け装置の構成はこれに限定されるものではなく、種々の構成の仕分け装置を採用することができる。仕分け装置によって仕分けされた荷物は、配送先毎に積込テーブル40a〜40cのいずれかに送られる。
第2コンベヤシステム30は、荷物投入部20内に荷物が投入されて空になったカゴ台車Wを、積込テーブル40a〜40cのいずれかの近傍に搬送する。第2コンベヤシステム30は、積込テーブル40a〜40cの併設方向と同方向に延びている。第2コンベヤシステム30における積込テーブル40aと対応する位置には、取出口30aが設けられている。同様に、第2コンベヤシステム30における積込テーブル40b及び40cと対応する位置にはそれぞれ取出口30b及び30cが設けられている。取出口30a〜30cのそれぞれからは空のカゴ台車Wを取り出し可能となっている。
積込テーブル40a〜40cは、仕分け装置から各テーブルに送られた仕分け済みの荷物を、第2コンベヤシステム30によって搬送された空のカゴ台車Wに積み込むための作業テーブルである。積込テーブル40a〜40cにおいて荷物が積み込まれたカゴ台車Wは、荷物の配送先に応じた搬出トラックTK2に搬入され、搬出トラックTK2によって各配送先或いは中継所等へ配送される。
次に、荷物仕分けシステム1における仕分け作業の流れを説明する。まず、建物K外の搬入用駐車スペースS1に止められた搬入トラックTK1から、作業者がカゴ台車Wを建物K内に搬入する。そして作業者は、建物K内に搬入したカゴ台車Wを第1コンベヤシステム10に搬入する。第1コンベヤシステム10は、搬入されたカゴ台車Wを荷物投入部20側へ向けて搬送する。
作業者は、第1コンベヤシステム10の荷物投入部20側の端部まで搬送されたカゴ台車Wを荷物投入部20の近傍へ移動させる。そして、作業者は、カゴ台車W内の荷物を取り出して荷物投入部20に投入する。投入された荷物は、図示しない仕分け装置で仕分けされ、配送先毎に積込テーブル40a〜40cのいずれかに送られる。
作業者は、荷物投入部20に荷物を投入することで空になったカゴ台車Wを、第2コンベヤシステム30に搬入する。第2コンベヤシステム30は、搬入されたカゴ台車Wを各取出口30a〜30cまで搬送する。作業者は、取出口30a〜30cから空のカゴ台車Wを取り出し、対応する積込テーブル40a〜40cの近傍へ移動させる。そして、作業者は、積込テーブル40a〜40cにおいて空のカゴ台車W内に荷物を積み込む。そして、作業者は、荷物を積み込んだカゴ台車Wを、建物K外の搬出用駐車スペースS2に止められた搬出トラックTK2に搬入する。
次に、本発明に係るコンベヤシステムを適用した第2コンベヤシステム30の詳細について説明する。図2は、第2コンベヤシステム及びその近傍を示す平面図である。図3は、図2におけるIII−III線に沿った断面図であり、図4は、図2におけるIV−IV線に沿った断面図である。図5は、第2コンベヤシステムのコンベヤユニットの接続部分を示す断面図である。図6は、駆動チェーンと支持部材との取り付け構造を示す図であり、図7は、駆動チェーンと係合部材との取り付け構造を示す図である。図8は、搬入用及び取出用のコンベヤユニットの位置を示す第2コンベヤシステムの模式図である。図9は、第2コンベヤシステムの制御系統を示すブロック図である。
図2及び図8に示すように、第2コンベヤシステム30は、複数のコンベヤユニット100、搬送開始要求受付手段160d、取出要求受付手段170a,170b,170c、位置検出手段180(図3及び図4参照)、及び制御部190(図9参照)を備える。複数のコンベヤユニット100は、空のカゴ台車Wを連続して順次搬送可能なようにカゴ台車Wの搬送方向に沿って並べて設置され、互いに独立してカゴ台車Wの搬送及び搬送の停止が可能である。コンベヤユニット100の台数はカゴ台車Wを搬送する距離等に応じて適宜の台数を用いることができる。
図8に示すように、第2コンベヤシステム30は、複数のコンベヤユニット100が設けられてカゴ台車Wを搬送する一本の搬送ラインを形成している。複数のコンベヤユニット100によって形成される搬送ラインにおいて、最も荷物投入部20側の位置には、搬入口31dが設けられている。搬入口31dに対応する位置に設けられたコンベヤユニット100からカゴ台車Wが第2コンベヤシステム30内に搬入される。以下、搬入口31dに対応する位置に設けられたコンベヤユニット100を「搬入用のコンベヤユニット100(第1コンベヤユニット)d」ともいう。また、第2コンベヤシステム30によって形成される搬送ラインの途中に設けられた取出口30a〜30cに対応する位置に設けられたコンベヤユニット100のそれぞれから、空のカゴ台車Wが取り出される。以下、取出口30a,30b,30cに対応する位置に設けられたコンベヤユニット100のそれぞれを「取出用のコンベヤユニット(第2コンベヤユニット)100a,100b,100c」ともいう。
取出用のコンベヤユニット100a〜100cから取り出された空のカゴ台車Wは、第2コンベヤシステム30と積込テーブル40a〜40cとの間に設けられた搬出路R3を通って積込テーブル40a〜40cのそれぞれへ搬送される。
搬送開始要求受付手段160dは、搬入用のコンベヤユニット100dの近傍に設けられる。搬送開始要求受付手段160dは、搬入用のコンベヤユニット100dに搬入されたカゴ台車Wの搬送を開始するための搬送開始要求を受け付ける。具体的には、搬送開始要求受付手段160dは、例えばスイッチ等で構成され、搬入用のコンベヤユニット100dにカゴ台車Wを搬入した作業者等によって搬送開始要求を行うための操作(例えば、スイッチの押下等)がされる。
取出要求受付手段170a〜170cは、それぞれ取出用のコンベヤユニット100a〜100cの近傍の位置に設けられる。取出要求受付手段170a〜170cは、それぞれ取出用のコンベヤユニット100a〜100cからカゴ台車Wを取り出すための取出要求を受け付ける。具体的には、取出要求受付手段170a〜170cは、例えばスイッチ等で構成され、それぞれ第2コンベヤシステム30から積込テーブル40a〜40cに空のカゴ台車Wを搬送する作業者等によって取出要求を行うための操作(例えば、スイッチの押下等)がされる。
図3及び図4に示すように、位置検出手段180は、各コンベヤユニット100にそれぞれ設けられており、各コンベヤユニット100の搬送面111上のカゴ台車Wの位置を検出する。具体的には、位置検出手段180は、コンベヤユニット100の一対の搬送部110間に設けられた中央走行路R2の下側の位置に設けられている。位置検出手段180は、例えば中央走行路R2の下方から上方に向かって検出用のレーザ光を照射し、搬送部110の搬送面111上において搬送されるカゴ台車Wの位置を検出する。位置検出手段180は、カゴ台車Wの位置を検出できるものであれば、レーザ光を用いるものに限定されず、設置位置も限定されない。
図9に示すように、制御部190には、搬送開始要求受付手段160dによって受け付けられた搬送開始要求、取出要求受付手段170a〜170cによって受け付けられた取出要求、及び位置検出手段180によって検出されたカゴ台車Wの位置情報が入力される。制御部190は、入力されたこれらの信号に基づいて、各コンベヤユニット100におけるカゴ台車Wの搬送及び搬送の停止の制御を行う。
詳細には、制御部190は、搬送開始要求受付手段160dによって搬送開始要求が受け付けられると、各コンベヤユニット100のモータ140を作動させ、搬入用のコンベヤユニット100dに搬入されたカゴ台車Wの搬送を開始する。
また、制御部190は、取出要求受付手段170aが取出要求を受け付けると、取出要求受付手段170aに対応する取出用のコンベヤユニット100aからカゴ台車Wを取り出すことができるように各コンベヤユニット100のモータ140を制御する。具体的には、制御部190は、各コンベヤユニット100のモータ140を作動させることにより、搬入用のコンベヤユニット100dに搬入されたカゴ台車Wを取出用のコンベヤユニット100aまで搬送する。このとき、制御部190は、各位置検出手段180によって検出されたカゴ台車Wの位置に基づいてカゴ台車Wの搬送を行うことができる。
そして、制御部190は、カゴ台車Wが取出用のコンベヤユニット100aまで搬送されると、各コンベヤユニット100のモータ140を停止させる。これにより、作業者は、取出用のコンベヤユニット100aからカゴ台車Wを取り出すことができる。取出要求受付手段170b又は170cが取出要求を受け付けた場合も、制御部190は、上述した取出要求受付手段170aが取出要求を受け付けた場合と同様の制御を行う。
制御部190は、第2コンベヤシステム30の適宜の位置に設けられている。また、制御部190は、物理的にはCPUやメモリ等を含むコンピュータシステムによって構成され、CPUやメモリを用いてプログラムを実行することで上述のカゴ台車Wの搬送の制御を行う。
図2に示すように、コンベヤユニット100は、一対の搬送部110、一対の係合部120、及び中央走行路R2を備える。なお、搬入用のコンベヤユニット100d及び取出用のコンベヤユニット100a〜100cを含むコンベヤユニット100は全て同様の構成となっている。一対の搬送部110は、環状に形成されてカゴ台車Wを搬送するものであり、互いに搬送方向が平行となるように所定の間隔を開けて配置されている。搬送部110は、カゴ台車Wの車輪Tが載置される搬送面111(環状の搬送部110の外側面)を備えている。なお、搬送面111は環状を成しているが、環状の搬送面111のうちの上側面に、カゴ台車Wの車輪Tが載置される。また、カゴ台車Wの搬送方向を向いたときに、右側の搬送部110の搬送面111には、カゴ台車Wの本体の底部に取り付けられた右側の車輪Tが載置され、左側の搬送部110の搬送面111には、カゴ台車Wの本体の底部に取り付けられた左側の車輪Tが載置される。
コンベヤユニット100は、搬送部110を移動させることで、取出口30a〜30cに対応する位置に設けられた取出用のコンベヤユニット100a〜100cのいずれかにカゴ台車Wを搬送する。特に、搬入用のコンベヤユニット100dにおける搬送部110の搬送面111の上側面と、カゴ台車Wの搬入路R1の路面とは連続する面となっている(図4参照)。具体的には、搬入用のコンベヤユニット100dにおける搬送面111の上側面と搬入路R1の路面とは、搬入路R1と搬送面111との間をカゴ台車Wの車輪Tが容易に移動可能なように略同一面となっている。
係合部120は、搬送部110の搬送面111に設けられている。係合部120は、搬送面111から突出しており、搬送部110によるカゴ台車Wの搬送方向にカゴ台車Wを押し出すことができるようにカゴ台車Wの車輪Tと係合する。更に、係合部120は、搬送面111上において搬送部110によるカゴ台車Wの搬送方向と直交する方向にカゴ台車Wが移動することができるようにカゴ台車Wの車輪Tと係合する。本実施形態では、係合部120として、搬送部110によるカゴ台車Wの搬送方向と直交する方向に延在する部材を用いる。但し、カゴ台車Wの搬送方向と直交する方向に延在する部材以外にも、係合部120として、他の形状の部材を用いることもできる。
中央走行路R2は、一対の搬送部110の搬送面111間に設けられ、一対の搬送面111の上側面のそれぞれに連続する。具体的には、中央走行路R2の路面と一対の搬送面111の上側面とは、中央走行路R2とそれぞれの搬送面111との間をカゴ台車Wの車輪Tが容易に移動可能なように略同一面となっている。
特に、取出口30a〜30cに対応する位置に設けられた取出用のコンベヤユニット100a〜100cにおける搬送面111の上側面のそれぞれは、コンベヤユニット100に対して積込テーブル40a〜40c側に設けられた搬出路R3の路面と連続している。具体的には、搬出路R3の路面と取出用のコンベヤユニット100a〜100cにおける搬送面111の上側面のそれぞれとは、搬出路R3と搬送面111との間をカゴ台車Wの車輪Tが容易に移動可能なように略同一面となっている。
次に、搬送部110の詳細について説明する。図3〜図5に示すように、一対の搬送部110は、搬入路R1及び搬出路R3の路面よりも下方位置に配置されたフレームFによって支持されている。一対の搬送部110は互いに同様の構成であるため、以下では、一方の搬送部110を用いて構成を説明する。搬送部110は、一対の駆動チェーン113、複数の支持部材112、一対のギア145が取り付けられた駆動軸144、及び、一対のギア147が取り付けられた従動軸146を含んで構成される。
駆動軸144と従動軸146とは軸線方向が互いに平行に配置され、フレームFによって回転可能に支持される。駆動軸144及び従動軸146のうち、一方がコンベヤユニット100の搬入路R1側の端部に配置され、他方が、コンベヤユニット100の搬入路R1側の端部に対して反対側の端部に配置される。一対の駆動チェーン113は、それぞれ環状に形成される。一対の駆動チェーン113は、駆動軸144に取り付けられた一対のギア145と、従動軸146に取り付けられた一対のギア147との間にそれぞれ掛け渡されている。なお、一つのコンベヤユニット100における一対の搬送部110の駆動軸144同士は、互いに連結されている。同様に、一つのコンベヤユニット100における一対の搬送部110の従動軸146同士は、互いに連結されている。
複数の支持部材112は、一対の駆動チェーン113間に掛け渡される。支持部材112の両端部は、一対の駆動チェーン113のチェーンコマ113aにそれぞれ取り付けられる。より詳細には、図6に示すように、チェーンコマ113aは、一対の側板部113c、及び、一対の側板部113cに挟み込まれて支持される軸部113dを備えている。側板部113cには、環状に形成された駆動チェーン113の外側の端部に取付部113bが設けられている。支持部材112は、駆動チェーン113の取付部113bに取り付けられる。なお、本実施形態では、支持部材112として角パイプを用いる。角パイプは、平板状の部材に比べて強度が高く、中空のため軽量であり、カゴ台車Wを支持する支持部材112として適している。カゴ台車Wの車輪Tが載置される搬送面111(図2参照)は、駆動チェーン113によって環状に連結された複数の支持部材112のうち、支持部材112の外側面によって構成される。
また、搬送部110は、駆動軸144を駆動するためのモータ140を備えている。モータ140の軸に取り付けられたギア141と、駆動軸144に取り付けられたギア143(図3参照)との間に環状のチェーン142が掛け渡されている。モータ140を作動させることで、モータの駆動力がギア141、チェーン142及びギア143を介して駆動軸144に伝達される。そして、駆動軸144に伝達された駆動力によって駆動チェーン113と共に支持部材112が駆動される。
図5及び図7に示すように、係合部120は、係合部材121、及びスペーサ122より構成される。係合部材121は、支持部材112と同じ部材を用いることができる。係合部材121は、一対の駆動チェーン113間に掛け渡される。係合部材121の両端部は、一対の駆動チェーン113のチェーンコマ113aにそれぞれ取り付けられる。より詳細には、係合部材121は、スペーサ122を介してチェーンコマ113aの取付部113bに取り付けられる。
係合部材121は、チェーンコマ113aの取付部113bに直接取り付けられた場合と比較して、スペーサ122の厚み分だけ環状に形成された駆動チェーン113の外側へ突出する。従って、係合部120は、支持部材112の上面によって形成される搬送面111よりもスペーサ122の厚み分だけ突出している。これにより、係合部120は、搬送面111上においてカゴ台車Wの搬送方向と直交する方向に延在することとなる。また、搬送面111に対する係合部120の突出高さは、搬送面111に載置されたカゴ台車Wの車輪Tを、搬送部110によるカゴ台車Wの搬送方向に押し出し可能な高さとなっている。
図2及び図5に示すように、隣接する搬送部110同士の間には、乗移り板150が設けられている。この乗移り板150は、一方の搬送部110の搬送面111から他方の搬送部110の搬送面111へカゴ台車Wの車輪Tが容易に乗り移ることができるようにするためのものである。このため乗移り板150は、一方の搬送部110の搬送面111の上側面、及び、他方の搬送部110の搬送面111の上側面に連続する面となっている。なお、図5に示すように、搬送部110と乗移り板150との間には、支持部材112や係合部材121が乗移り板150と干渉することを防止するために所定の隙間が設けられている。
図2及び図4に示すように、搬入路R1と搬送部110との間にも、搬入路R1と搬送部110の搬送面111との間でカゴ台車Wの車輪Tが容易に乗り移ることができるように乗移り板150が設けられている。
次に、制御部190が行うカゴ台車Wの搬送の制御の流れについて説明する。まず、搬送開始要求が受け付けられた場合における制御部190の制御について図10を用いて説明する。図10は、搬送開始要求が受け付けられた場合における制御部が行う処理の流れを示すフローチャートである。作業者は、空のカゴ台車Wを搬入用のコンベヤユニット100dに搬入する(図8参照)。このとき、1台のカゴ台車Wを搬入してもよく、折り畳まれたカゴ台車Wを複数重ねた状態でまとめて搬入してもよい。作業者は、カゴ台車Wを搬入用のコンベヤユニット100dに搬入後、搬送開始要求受付手段160dを操作して搬送開始要求を行う。制御部190は、搬送開始要求受付手段160dによって搬送開始要求が受け付けられたか否かを常時監視している(ステップS101)。制御部190は、搬送開始要求受付手段160dによって搬送開始要求が受け付けられていない場合(ステップS101:NO)、搬送開始要求が受け付けられるまで搬送開始要求が受け付けられたか否かの監視を続ける。搬送開始要求が受け付けられると(ステップ101:YES)、制御部190はカゴ台車Wの搬送を開始する(ステップS102)。
なお、制御部190は、カゴ台車Wの搬送を行う際に、取出要求受付手段170a〜170cによる取出要求の受け付けの有無に関わらず、取出用のコンベヤユニット100c側へ向けてカゴ台車Wを搬送することができる。この場合、制御部190は、取出用のコンベヤユニット100c側を先頭として順次カゴ台車Wを各コンベヤユニット100上に連ねて待機させておく。また、制御部190は、搬入用のコンベヤユニット100d側から取出用のコンベヤユニット100c側に向けてのみカゴ台車Wを搬送する。
また、制御部190は、カゴ台車Wの搬送を行う際に、隣接するコンベヤユニット100間でカゴ台車Wの乗り移りが完了すると、乗り移り前のコンベヤユニット100のモータ140の動作を停止させることができる。この場合、カゴ台車Wが載置されているコンベヤユニット100のみが駆動され、第2コンベヤシステム30における電力消費量等を抑制することができる。
次に、取出要求が受け付けられた場合における制御部190の制御について図11を用いて説明する。図11は、取出要求が受け付けられた場合における制御部が行う処理の流れを示す図である。作業者は、積込テーブル40a〜40cのそれぞれにおいて空のカゴ台車Wの残り台数が少なくなると、残り台数が少なくなった積込テーブル40a〜40cに対応する取出要求受付手段170a〜170cを操作して取出要求を行う。制御部190は、取出要求受付手段170a〜170cによって取出要求が受け付けられたか否かを常時監視している(ステップS201)。制御部190は、取出要求受付手段170a〜170cのいずれかによって取出要求が受け付けられていない場合(ステップS201:NO)、取出要求が受け付けられるまで取出要求が受け付けられたか否かの監視を続ける。
取出要求受付手段170a〜170cのいずれかによって取出要求が受け付けられると(ステップ201:YES)、制御部190は、取出要求が受け付けられた取出要求受付手段170a〜170cに対応する取出用のコンベヤユニット100a〜100cからカゴ台車Wを取り出すための制御を行う(ステップS201)。具体的には、制御部190は、取出要求がされた取出用のコンベヤユニット100a〜100cからカゴ台車Wの搬送方向の上流側(搬入用のコンベヤユニット100d側)においてカゴ台車Wが搬送されている途中である場合、そのカゴ台車Wを取出要求がされた取出用のコンベヤユニット100a〜100cに向けて搬送する。取出要求がされた取出用のコンベヤユニット100a〜100cにカゴ台車Wが到着すると、制御部190は、カゴ台車Wの搬送を停止する。
一方、制御部190は、取出要求がされた取出用のコンベヤユニット100a〜100cからカゴ台車Wの搬送方向の上流側(搬入用のコンベヤユニット100d側)において搬送されているカゴ台車Wが存在しない場合、搬入用のコンベヤユニット100dにカゴ台車Wが搬入されて搬送が開始されるまで待機する。その後、制御部190は、搬送開始要求が受け付けられてカゴ台車Wの搬送が開始されると、搬送が開始されたカゴ台車Wを、取出要求がされた取出用のコンベヤユニット100a〜100cに向けて搬送する。取出要求がされた取出用のコンベヤユニット100a〜100cにカゴ台車Wが到着すると、制御部190は、カゴ台車Wの搬送を停止する。
作業者は、取出要求を行った取出用のコンベヤユニット100a〜100cの位置に搬送されたカゴ台車Wを、搬出路R3側に取り出す。
本実施形態は以上のように構成され、第2コンベヤシステム30は、複数の取出用のコンベヤユニット100a〜100cのうち、取出要求がされた所定の取出用のコンベヤユニット100a〜100cにカゴ台車Wを搬送することができる。また、特に図3に示すように、取出用のコンベヤユニット100a〜100cの搬送面111の上側面と、搬出路R3の路面とが連続しているので、取出用のコンベヤユニット100a〜100cに搬送されたカゴ台車Wを、コンベヤユニット100a〜100cの搬送面111から搬出路R3へ容易に移動させることができる。このように、この第2コンベヤシステム30では、第2コンベヤシステム30の搬送ライン上における複数の取出用のコンベヤユニット100a〜100cの位置からカゴ台車Wを容易に取り出すことができる。
取出要求受付手段170a〜170cを、取出用のコンベヤユニット100a〜100cに対応してそれぞれ設けることで、これらの取出要求受付手段170a〜170cを用いて、各取出要求受付手段170a〜170cに対応する取出用のコンベヤユニット100a〜100cからカゴ台車Wを取り出す取出要求を行うことができる。
制御部190は、各コンベヤユニット100に設けられた位置検出手段180によって検出されたカゴ台車Wの位置に基づいてカゴ台車Wの搬送を行う。これにより、制御部190は、カゴ台車Wの位置を把握しながらカゴ台車Wの搬送を行うことができ、カゴ台車Wの搬送位置の精度を向上させることができる。
搬送部110によるカゴ台車Wの搬送方向にカゴ台車Wを押し出し可能に係合部120とカゴ台車Wの車輪Tとが係合することで、カゴ台車Wの車輪Tと搬送面111とが滑る場合であっても、係合部120によってカゴ台車Wを確実に搬送することができる。また、係合部120とカゴ台車Wの車輪Tとが、搬送方向と直交する方向にカゴ台車Wを移動可能に係合することで、搬送面111に載置されたカゴ台車Wを搬送方向と直交する方向に容易に移動させることができる。従って、カゴ台車Wをコンベヤユニット100による搬送方向と直交する方向に移動させることで、第2コンベヤシステム30の搬送ライン上から搬出路R3へカゴ台車Wを容易に取り出すことができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第1実施形態における第2コンベヤシステム30の構成を変更したものであり、第1実施形態と同様の構成要素には同一符号を付して、第1実施形態と異なる部分のみ説明する。図12は、第2実施形態に係る第2コンベヤシステムの模式図である。図13は、搬入路と搬入用のコンベヤユニットの搬送面との位置関係を示す図であり、図14は、取出用のコンベヤユニットの搬送面と搬出路との位置関係を示す図である。第2実施形態に係る第2コンベヤシステムは、第2コンベヤシステムの搬送ラインに対し、複数の位置からカゴ台車を搬入可能であり、搬入されたカゴ台車を一箇所から取り出すことができるものである。
図12に示すように、第2コンベヤシステム30Aは、複数のコンベヤユニット100が設けられて空のカゴ台車Wを搬送する一本の搬送ラインを形成している。複数のコンベヤユニット100によって形成される搬送ラインにおいて、荷物投入部20側の端部近傍には、搬入口31e,31f,31gが設けられている。搬入口31e,31f,31gに対応する位置に設けられたコンベヤユニット100から、それぞれ空のカゴ台車Wが第2コンベヤシステム30A内に搬入される。以下、搬入口31e,31f,31gに対応する位置に設けられたコンベヤユニット100を「搬入用のコンベヤユニット(第1コンベヤユニット)100e,100f,100g」ともいう。また、第2コンベヤシステム30Aによって形成される搬送ラインにおいて、搬入用のコンベヤユニット100e,100f,100gが設けられた側に対して反対側の端部には、取出口30hが設けられている。取出口30hに対応する位置に設けられたコンベヤユニット100から、空のカゴ台車Wが取り出される。以下、取出口30hに対応する位置に設けられたコンベヤユニット100を「取出用のコンベヤユニット(第2コンベヤユニット)100h」ともいう。
図13に示すように、搬入用のコンベヤユニット100eにおける搬送部110の搬送面111の上側面は、カゴ台車Wの搬入路R1の路面と連続している。同様に、搬入用のコンベヤユニット100f及び100gにおける搬送部110の搬送面111の上側面は、それぞれカゴ台車Wの搬入路R1の路面と連続している。第2コンベヤシステム30Aによるカゴ台車Wの搬送方向と直交する方向へカゴ台車Wを移動させることにより、搬入路R1から搬入用のコンベヤユニット100e〜100gにそれぞれカゴ台車Wを搬入することができる。
図14に示すように、取出口30hに対応する位置に設けられた取出用のコンベヤユニット100hにおける搬送面111の上側面は、カゴ台車Wが搬出される搬出路R4の路面と連続している。第2コンベヤシステム30Aによるカゴ台車Wの搬送方向へ更にカゴ台車Wを移動させることにより、取出用のコンベヤユニット100hから搬出路R4へカゴ台車Wを搬出することができる。なお、取出用のコンベヤユニット100hの搬送面111と搬出路R4との間には乗移り板150が設けられている。これにより、取出用のコンベヤユニット100hの搬送面111から搬出路R4へカゴ台車Wを容易に移動させることができる。取出用のコンベヤユニット100hから取り出されたカゴ台車Wは、積込テーブル40a〜40cや、他の所定の場所等へ運ばれる。
搬入用のコンベヤユニット100e,100f,100gの近傍には、それぞれ搬送開始要求受付手段160e,160f,160gが設けられる。搬送開始要求受付手段160e〜160gは、搬入用のコンベヤユニット100e〜100gに搬入されたカゴ台車Wの搬送を開始するための搬送開始要求をそれぞれ受け付ける。
取出要求受付手段170hは、取出用のコンベヤユニット100hの近傍の位置に設けられる。取出要求受付手段170hは、取出用のコンベヤユニット100hからカゴ台車Wを取り出すための取出要求を受け付ける。
本実施形態は以上のように構成され、第2コンベヤシステム30Aは、複数の搬入用のコンベヤユニット100e〜100gからカゴ台車Wを搬入することができ、複数の搬入用のコンベヤユニット100e〜100gに搬入されたカゴ台車Wを取出用のコンベヤユニット100hに搬送することができる。また、特に図13に示すように、搬入用のコンベヤユニット100e〜100gの搬送面111の上側面と、搬入路R1の路面とが連続しているので、搬入路R1から搬入用のコンベヤユニット100e〜100gの搬送面111へカゴ台車Wを容易に移動させることができる。このように、この第2コンベヤシステム30Aでは、第2コンベヤシステム30Aの搬送ライン上における複数の搬入用のコンベヤユニット100e〜100gから搬送ライン上にカゴ台車Wを容易に搬入することができる。
搬送開始要求受付手段160e〜160gを、搬入用のコンベヤユニット100e〜100gに対応してそれぞれ設けることで、これらの搬送開始要求受付手段160e〜160gを用いて、各搬送開始要求受付手段160e〜160fに対応する搬入用のコンベヤユニット100e〜100gに搬入されたカゴ台車Wを搬送させる搬送開始要求を行うことができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、第1実施形態における第2コンベヤシステム30の構成を変更したものであり、第1及び第2実施形態と同様の構成要素には同一符号を付して、第1実施形態と異なる部分のみ説明する。図15は、第3実施形態に係る第2コンベヤシステムの模式図である。第3実施形態に係る第2コンベヤシステムは、第2コンベヤシステムの搬送ラインに対し、複数の位置からカゴ台車を搬入可能であり、且つ、複数の位置からカゴ台車を取り出すことができるものである。
図15に示すように、第2コンベヤシステム30Bは、複数のコンベヤユニット100が設けられて空のカゴ台車Wを搬送する一本の搬送ラインを形成している。第2実施形態と同様に、複数のコンベヤユニット100によって形成される搬送ラインにおいて、荷物投入部20側の端部近傍には、搬入口31e,31f,31gが設けられている。搬入口31e,31f,31gに対応する位置に設けられたコンベヤユニット100e,100f,100gから、それぞれ空のカゴ台車Wが第2コンベヤシステム30B内に搬入される。
また、第1実施形態と同様に、第2コンベヤシステム30Bによって形成される搬送ラインにおいて、搬入用のコンベヤユニット100e,100f,100gが設けられた側に対して反対側の端部近傍には、取出口30a〜30cが設けられている。取出口30a〜30cに対応する位置に設けられた取出用のコンベヤユニット100a,100b,100cのそれぞれから、搬送された空のカゴ台車Wが取り出される。取出用のコンベヤユニット100a〜100cから取り出されたカゴ台車Wは、それぞれ対応する積込テーブル40a〜40cへ運ばれる。
第2実施形態と同様に、搬入用のコンベヤユニット100e,100f,100gの近傍には、それぞれ搬送開始要求受付手段160e,160f,160gが設けられる。第1実施形態と同様に、取出用のコンベヤユニット100a,100b,100cの近傍には、それぞれ取出要求受付手段170a,170b,170cが設けられる。
本実施形態は以上のように構成され、第2コンベヤシステム30Bは、複数の搬入用のコンベヤユニット100e〜100gからカゴ台車Wを搬入することができ、搬入されたカゴ台車Wを、複数の取出用のコンベヤユニット100a〜100cのうち、取出要求がされた所定の取出用のコンベヤユニット100a〜100cに搬送することができる。搬入用のコンベヤユニット100e〜100gの搬送面111の上側面と、搬入路R1の路面とが連続しているので、搬入路R1から搬入用のコンベヤユニット100e〜100gの搬送面111へカゴ台車Wを容易に移動させることができる。また、取出用のコンベヤユニット100a〜100cの搬送面111の上側面と搬出路R3の路面とが連続しているので、取出用のコンベヤユニット100a〜100cに搬送されたカゴ台車Wを、取出用のコンベヤユニット100a〜100cの搬送面111から搬出路R3へ容易に移動させることができる。このように、この第2コンベヤシステム30Bでは、第2コンベヤシステム30Bの搬送ライン上における複数の搬入用のコンベヤユニット100e〜100gから搬送ライン上にカゴ台車Wを容易に搬入することができると共に、第2コンベヤシステム30Bの搬送ライン上における複数の取出用のコンベヤユニット100a〜100cの位置からカゴ台車Wを容易に取り出すことができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形したものであってもよい。
取出用のコンベヤユニット100a〜100cの台数や、搬入用のコンベヤユニット100e〜100gの台数は、上記各実施形態で示した台数に限定されない。
また、図1に示した第1コンベヤシステム10の台数や第2コンベヤシステム30の台数、積込テーブル40a〜40cの台数等は適宜変更することができる。また、図1に示す荷物仕分けシステム1を、建物K内に複数設けた構成であってもよい。
上記各実施形態では、第2コンベヤシステム30,30A,30Bによってカゴ台車Wを搬送するものとしたが、カゴ台車Wに限定されず、他の台車を搬送するものであってもよい。
第1及び第3実施形態において、取出用のコンベヤユニット100a〜100c毎にそれぞれ取出要求受付手段170a〜170cを設けるものとしたが、例えば、取出要求受付手段を一つだけ設けることもできる。また、第2及び第3実施形態において、搬入用のコンベヤユニット100e〜100g毎にそれぞれ搬送開始要求受付手段160e〜100gを設けるものとしたが、例えば、搬送開始要求受付手段を一つだけ設けることもできる。
例えば、モータ140の回転数等によってカゴ台車Wの搬送位置を把握することができる場合には、位置検出手段180を設けなくてもよい。また、係合部120を設けることは必須ではなく、搬送面111とカゴ台車Wの車輪Tとの滑りの状況に応じて適宜設けることができる。
本発明に係るコンベヤシステムは、台車を搬送する複数のコンベヤユニットを備える。コンベヤユニットは、台車が搬入される第1コンベヤユニットと、台車が取り出される複数の第2コンベヤユニットと、を含む。また、コンベヤシステムは、取出要求受付手段と、制御部とを備える。取出要求受付手段は、複数の第2コンベヤユニットのうち所定の第2コンベヤユニットから台車を取り出すための取出要求を受け付ける。制御部は、取出要求受付手段によって受け付けられた取出要求が示す所定の第2コンベヤユニットへ台車が搬送されるようにコンベヤユニットの駆動制御を行う。コンベヤユニットにおける台車の車輪が載置される搬送面には、台車の搬送方向に車輪を押し出し可能に且つ搬送面上において搬送方向と交差する方向に車輪を移動可能に車輪と係合する係合部が設けられる。第2コンベヤユニットの搬送面の上側面は、第2コンベヤユニットに対して搬送方向と交差する方向に設けられた搬出路の路面と連続する。
このコンベヤシステムでは、複数の第2コンベヤユニットのうち、取出要求がされた所定の第2コンベヤユニットに台車を搬送することができる。このように、このコンベヤシステムでは、コンベヤシステムの搬送ライン上における複数の第2コンベヤユニットの位置から台車を容易に取り出すことができる。また、搬送部による台車の搬送方向に台車を押し出し可能に係合部と台車の車輪とが係合することで、台車の車輪と搬送面とが滑る場合であっても、係合部によって台車を確実に搬送することができる。また、係合部と台車の車輪とが、搬送方向と直交する方向に台車を移動可能に係合することで、搬送面に載置された台車を搬送方向と直交する方向に容易に移動させることができる。従って、台車をコンベヤユニットによる搬送方向と直交する方向に移動させることで、コンベヤシステムの搬送ライン上から台車を容易に取り出すことができる。