JP2013237223A - 圧縮木製品の製造方法および圧縮木製品 - Google Patents

圧縮木製品の製造方法および圧縮木製品 Download PDF

Info

Publication number
JP2013237223A
JP2013237223A JP2012112631A JP2012112631A JP2013237223A JP 2013237223 A JP2013237223 A JP 2013237223A JP 2012112631 A JP2012112631 A JP 2012112631A JP 2012112631 A JP2012112631 A JP 2012112631A JP 2013237223 A JP2013237223 A JP 2013237223A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compressed wood
compressed
compression
shape
wood product
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012112631A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuyuki Ichikawa
克之 市川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Corp filed Critical Olympus Corp
Priority to JP2012112631A priority Critical patent/JP2013237223A/ja
Publication of JP2013237223A publication Critical patent/JP2013237223A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Chemical And Physical Treatments For Wood And The Like (AREA)

Abstract

【課題】製造時に残留する弾性回復応力に起因した問題の発生を回避することができる圧縮木製品の製造方法および圧縮木製品を提供する。
【解決手段】原木から形取った無圧縮状態のブランク材を軟化させる軟化工程と、前記軟化工程で軟化した前記ブランク材を部分ごとに異なる圧縮率で圧縮する圧縮工程と、前記圧縮工程で前記ブランク材を圧縮することによって得られる圧縮木材の中で圧縮率が相対的に小さい部分の回復を許容しつつも回復量を抑制して該圧縮木材の形状を保持する形状保持部材を該圧縮木材に取り付ける取付工程と、前記取付工程で前記形状保持部材を取り付けた前記圧縮木材を、大気よりも高温多湿の雰囲気であって前記圧縮工程における雰囲気よりも低い温度および少ない湿度の雰囲気の下で回復させることによって前記圧縮木材と前記形状保持部材を接合する接合工程と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、所定の三次元形状に圧縮成形した木材を備えた圧縮木製品の製造方法および圧縮木製品に関する。
近年、自然素材である木材が注目されている。木材はさまざまな木目を有するため、原木から形取る箇所に応じて個体差が生じ、その個体差が製品ごとの個性となる。また、長期の使用によって生じる傷や色合いの変化自体も、独特の風合いとなって使用者に親しみを生じさせることがある。これらの理由により、合成樹脂や軽金属を用いた製品にはない、個性的で味わい深い製品を生み出すことのできる素材として木材が注目されており、その成形技術も飛躍的に進歩しつつある。
従来、木材の圧縮成形技術として、軟化処理した状態で圧縮した1枚の木材を仮固定し、この木材を型に入れて回復させることによって三次元形状を有する木材を成形する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。この技術では、仮固定した木材をスライスして得られる板材を金型にセットし、高温多湿水蒸気内で再度板材を軟化させ、曲げ処理を行なう。続いて、曲げ処理を行った湾曲状の部材を再度金型にセットして再び軟化させた後、プレス機によってプレスすることにより、最終形状を得る。
また、別な木材の圧縮成形技術として、木材に蒸気加熱加圧処理を施した後、二次工程としてその木材に加熱加圧処理を行う技術が知られている(例えば、特許文献2を参照)。この技術によれば、平板状の木材に対して加熱加圧処理を行うことにより、抗膨潤能(ASE)を向上させて木材の寸法安定性を向上させることができる。
このように圧縮成形された木材(以下、圧縮木材という)は、家具や建材として適用することができるだけでなく、カメラや携帯電話等の小型の電子機器の外装体としても適用することができる(例えば、特許文献3を参照)。
圧縮木材を電子機器の外装体として適用する場合には、複数の圧縮木材を接合して外装体を構成する。この際、金属製のフレームに対して圧縮木材を接着したりねじ止めしたりすることによって圧縮木材をフレームに固定することが一般的に行われている。
特開平11−77619号公報 特許第2855139号公報 特開2005−172950号公報
圧縮木材は、製造段階で生じた弾性回復応力が十分に除去できていない可能性がある。弾性回復応力が十分に除去できていない圧縮木材の場合、湿度変動などの外的な要因により、残留回復応力が反りやねじれ等の変形となって露見することがある。この変形の際に圧縮木材に加わる力が大きいと、圧縮木材がフレームから外れたり、圧縮木材のフレームとの接合部分が破損したりしてしまうおそれがあった。加えて、圧縮木材とフレームとの間に隙間が生じてしまい、機能的にも外観的にも問題が生じる可能性があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、製造時に残留する弾性回復応力に起因した問題の発生を回避することができる圧縮木製品の製造方法および圧縮木製品を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る圧縮木製品の製造方法は、木材を圧縮することによって曲面を含む3次元形状を有する圧縮木製品を製造する圧縮木製品の製造方法であって、原木から形取った無圧縮状態のブランク材を軟化させる軟化工程と、前記軟化工程で軟化した前記ブランク材を部分ごとに異なる圧縮率で圧縮する圧縮工程と、前記圧縮工程で前記ブランク材を圧縮することによって得られる圧縮木材の中で圧縮率が相対的に小さい部分の回復を許容しつつも回復量を抑制して該圧縮木材の形状を保持する形状保持部材を該圧縮木材に取り付ける取付工程と、前記取付工程で前記形状保持部材を取り付けた前記圧縮木材を、大気よりも高温多湿の雰囲気であって前記圧縮工程における雰囲気よりも低い温度および少ない湿度の雰囲気の下で回復させることによって前記圧縮木材と前記形状保持部材を接合する接合工程と、を有することを特徴とする。
本発明に係る圧縮木製品の製造方法は、上記発明において、前記ブランク材は、略平板状の主板部と前記主板部の周縁から該主板部の主面と交差する方向へ延びる側板部とを有する略椀状をなし、前記圧縮工程は、前記側板部の圧縮率が前記主板部の圧縮率よりも小さくなるように前記ブランク材に対して圧縮力を加えて該ブランク材の肉厚を略均一とし、前記接合工程は、前記側板部と前記形状保持部材を接合することを特徴とする。
本発明に係る圧縮木製品の製造方法は、上記発明において、前記形状保持部材は、前記側板部の回復量を抑制する抑制手段を有し、前記接合工程は、前記側板部を前記抑制手段に当接させて接合することを特徴とする。
本発明に係る圧縮木製品は、上記圧縮木製品の製造方法によって製造されたことを特徴とする。
本発明に係る圧縮木製品は、上記発明において、電子機器の外装体であることを特徴とする。
本発明によれば、圧縮木材の中で圧縮率が相対的に小さい部分を形成し、この部分の回復を許容しつつも回復量を抑制して圧縮木材の形状を保持する形状保持部材を圧縮木材に取り付けた後、大気よりも高温多湿の雰囲気であって圧縮時の雰囲気よりも低い温度および少ない湿度の雰囲気の下で圧縮木材を回復させることによって圧縮木材と形状保持部材を接合するため、圧縮率が相対的に小さい部分に残留する弾性回復応力の少なくとも一部を開放することができる。したがって、製造時に残留する弾性回復応力に起因した問題の発生を回避することができる。
図1は、本発明の一実施の形態に係る圧縮木製品の製造方法の概要を示すフローチャートである。 図2は、本発明の一実施の形態に係る圧縮木製品の製造方法の形取工程の概要を模式的に示す図である。 図3は、本発明の一実施の形態に係る圧縮木製品の製造方法の圧縮工程の概要を模式的に示す図である。 図4は、図3のA−A線断面図である。 図5は、本発明の一実施の形態に係る圧縮木製品の製造方法の圧縮工程において、ブランク材の変形がほぼ完了した状態を示す図である。 図6は、本発明の一実施の形態に係る圧縮木製品の製造方法の乾燥工程終了後の圧縮木材の構成を示す斜視図である。 図7は、本発明の一実施の形態に係る圧縮木製品の製造方法の取付工程の概要と形状保持部材の構成を示す図である。 図8は、比重が異なる木材に対して条件を揃えて木材を圧縮した場合の圧縮後の木材の比重と回復率の関係を示す図である。 図9は、本発明の一実施の形態に係る圧縮木製品の製造方法の接合工程の前後における側板部の形状変化を模式的に示す図である。 図10は、本発明の一実施の形態に係る圧縮木製品の構成を示す斜視図である。 図11は、図10のB−B線断面図である。 図12は、本発明の一実施の形態に係る圧縮木製品の適用例であるスマートフォンの外観構成を示す斜視図である。 図13は、本発明の別な実施の形態に係る圧縮木製品の構成を示す断面図である。 図14は、本発明のさらに別な実施の形態に係る圧縮木製品の構成を示す断面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」という)を説明する。なお、以下の説明で参照する図面は模式的なものであって、同じ物体を異なる図面で示す場合には、寸法や縮尺等が異なる場合もある。
図1は、本発明の一実施の形態に係る圧縮木製品の製造方法の処理の概要を示すフローチャートである。まず、原木から略椀状をなすブランク材を形取る(ステップS1)。図2は、形取工程の概要を模式的に示す図である。形取工程では、無圧縮状態にある無垢材などの原木1から、略椀状をなすブランク材2を切削等によって形取る。
ブランク材2は、略長方形の表面を有する平板状の主板部2aと、主板部2aの表面で対向する二つの長辺部の各々から主板部2aに対して湾曲して延在する二つの側板部2bと、主板部2aの表面で対向する二つの短辺部の各々から主板部2aに対して湾曲して延在する二つの側板部2cと、を備える。主板部2aの肉厚は、側板部2b、2cの肉厚よりも大きい。ブランク材2は、後述する圧縮工程によって減少する分の容積を予め加えた容積を有する。なお、図2では、主板部2aの木目Gがブランク材2の繊維方向と略平行な板目材を形取った場合を示しているが、形取工程で形取るブランク材は柾目材や木口材でもよい。また、ブランク材2の形状はあくまでも一例に過ぎない。すなわち、ここでいう略椀状には、椀状のほか皿状や函形状などの形状も含まれるものとする。
次に、形取ったブランク材2を、高温多湿の水蒸気雰囲気中で所定時間放置して、ブランク材2を軟化させる(ステップS2)。この水蒸気雰囲気は、圧力が0.1〜0.8MPa程度であり、温度が100〜170℃程度である。このような水蒸気雰囲気は、圧力容器を用いることによって実現される。圧力容器を用いる場合には、上述した圧力および温度の条件を満たす水蒸気雰囲気で満たされた圧力容器の中にブランク材2を放置することによってブランク材2を軟化させればよい。なお、高温多湿の水蒸気雰囲気中でブランク材2を軟化させる代わりに、マイクロ波によってブランク材2を加熱して軟化させてもよい。またブランク材2を煮沸して軟化させてもよい。
この後、軟化させたブランク材2を圧縮する(ステップS3)。この工程では、軟化工程と同じ水蒸気雰囲気中で一対の金型を用いてブランク材2を挟持して圧縮力を加えることにより、ブランク材2を軟化工程前とは異なる略椀状に変形させる。圧力容器の中でブランク材2を軟化させた場合には、引き続きその圧力容器の中でブランク材2を圧縮すればよい。
図3は、圧縮工程の概要を示すとともに、圧縮工程で使用する金型の要部の構成を示す図である。図4は、図3のA−A線断面図である。図3および図4に示すように、ブランク材2は、一対の凹金型101、凸金型102によって挟持され、所定の圧縮力が加えられる。
圧縮工程の際にブランク材2の上方から圧縮力を加える凹金型101は、ブランク材2の突出している外側面に当接する平滑面を有する凹部101aを備える。主板部2aから側板部2bにかけて湾曲する部分の表面であって凹金型101と対向する側の表面の曲率半径をROとし、この表面に当接する凹部101aの表面の曲率半径をRAとすると、二つの曲率半径RO、RAは、RO>RAという関係を満たす。
一方、圧縮工程の際にブランク材2の下方から圧縮力を加える凸金型102は、ブランク材2の窪んでいる内側面に当接する平滑面を有する凸部102aを備える。主板部2aから側板部2bにかけて湾曲する部分の表面であって凸金型102と対向する側の表面の曲率半径をRIとし、この表面に当接する凸部102aの表面の曲率半径をRBとすると、二つの曲率半径RI、RBは、RI>RBという関係を満たす。
図5は、圧縮工程において、凹金型101および凸金型102によってブランク材2が挟持されて所定の圧力が加えられた状態を示す図であり、ブランク材2の変形がほぼ完了した状態を示す図である。図5に示す状態で、ブランク材2は、凹金型101および凸金型102から主板部2aおよび側板部2b、2cが肉厚方向に圧縮力を受ける(図5の矢印を参照)とともに主板部2aと側板部2b、2cとの境界付近が曲げられることにより、軟化工程前とは異なる略椀状に変形する。ここでいう略椀状は、凹金型101と凸金型102が最接近した状態で凹部101aおよび凸部102aが形成する隙間に相当する形状であり、略均一な肉厚を有する形状である。
圧縮工程における圧縮率は、主板部2aの方が側板部2b、2cよりも小さくなるように設定されている。ここで、圧縮率は、圧縮前の肉厚をr、圧縮後の肉厚をRとするとき、R/r×100(%)で与えられる。このように圧縮率を設定することで、主板部2aと側板部2b、2cとの圧密化の度合いが異なる。本実施の形態では、圧縮工程によって主板部2aの肉厚と側板部2b、2cの肉厚が略等しくなるため、圧縮後の側板部2b、2cの比重は、圧縮後の主板部2aの比重よりも小さくなる。
圧縮工程が終了した後、凹金型101および凸金型102によってブランク材2を挟持したままの状態で、圧縮工程における水蒸気雰囲気よりもさらに高温多湿の水蒸気雰囲気を凹金型101および凸金型102の周囲に形成することにより、ブランク材2の形状を固定化する(ステップS4)。このときの水蒸気雰囲気は、圧力が0.6〜3.4MPa程度であるとともに、温度が160〜240℃程度であり、圧縮工程における水蒸気雰囲気よりも高温多湿となるように定められる。
続いて、凹金型101、凸金型102、およびブランク材2を大気中へ放出し、ブランク材2を乾燥させる(ステップS5)。この際には、凹金型101と凸金型102を離間することによってブランク材2の乾燥を促進するようにしてもよい。
図6は、乾燥工程が終了した木材(以下、「圧縮木材3」という)の構成を示す斜視図である。圧縮木材3は、ブランク材2の主板部2a、および側板部2b、2cにそれぞれ対応する主板部3a、および側板部3b、3cを有する。乾燥工程後の圧縮木材3の主板部3aの肉厚は、圧縮工程前のブランク材2の主板部2aの厚さの20〜50%程度であるのが好ましい。このようにして圧縮木材3は、ブランク材2と比べて全ての部分が圧密化(高比重化)している。
乾燥工程の後、圧縮木材3を接合用の形状保持部材に取り付ける(ステップS6)。図7は、この取付工程の概要と形状保持部材の構成を示す図である。図7に示す形状保持部材4は、圧縮木材3の中で相対的に圧縮率が小さい側板部3b、3cの回復を許容しつつも回復量を所定の範囲に抑制して該圧縮木材3の形状を保持する機能を有する。具体的には、形状保持部材4は、側板部3b、3cの端面の外縁とほぼ等しい長方形状の外縁を有し、中空部41aが形成されたフレーム部41と、フレーム部41の外縁からフレーム部41の主面と直交する方向に延びる延在部42とを有する。延在部42は、後述する接合工程(ステップS7)で圧縮木材3を回復させる際に側板部3b、3cの回復量を抑制する抑制手段としての機能を有する。形状保持部材4の材料としては金属が好適であるが、硬質のプラスチックや、圧縮木材3よりも比重が大きい圧縮木材を適用してもよい。
取付工程では、側板部3b、3cの端面を、フレーム部41の主面であって延在部42が延びている主面に載置することによって取付を行う。この状態では、延在部42と側板部3b、3cとの間にはわずかな隙間があり、取り外しも可能な状態にある。
続いて、大気よりも高温多湿の雰囲気であって、圧縮工程における水蒸気雰囲気よりも低い温度および少ない湿度の雰囲気中に形状保持部材4を取り付けた圧縮木材3を所定時間放置して圧縮木材3の形状を回復させることにより、圧縮木材3と形状保持部材4を接合する(ステップS7)。
図8は、比重が異なる木材に対して条件を揃えて木材を圧縮した場合の圧縮後の木材の比重と回復率の関係を示す図である。ここで、回復率とは、圧縮時の肉厚の変化量(圧縮量)に対する肉厚の回復量の割合を百分率で表したものである。図8に示す直線Lからも明らかなように、同一条件下の圧縮では、圧縮後の木材の比重が大きいほど、木材の回復率は小さい。具体的には、比重S1、S2の回復率をそれぞれR1、R2とすると、S1>S2ならばR1<R2が成り立つ。したがって、圧縮木材3の場合、圧縮率が相対的に小さく、圧縮後の比重が相対的に小さい側板部3b、3cの方が、主板部3aよりも木材の回復率が大きく、時間の経過とともに変形してもとの形状に戻ろうとする性質が強い。
図9は、接合工程の前後における側板部の形状変化を模式的に示す図である。図9(a)に示すように、側板部3bは、形状保持部材4へ取り付けた状態で延在部42との間にわずかな隙間を有する。この後の接合工程において、側板部3bは形状の回復を開始し、やがて側板部3bの外周側が延在部42の内周側に当接して、圧縮木材3が形状保持部材4に固定される(図9(b))。この接合工程における雰囲気や放置時間等の条件および圧縮木材3と形状保持部材4との形状の相対的な関係は、図8に示す直線Lに基づいて、圧縮木材3と形状保持部材4とが接合されるとともに、必要以上に側板部3bが回復して割れを生じないように圧縮木材3を回復するような条件として適宜設定される。
図10は、接合工程を経て完成した圧縮木製品の構成を示す斜視図である。また、図11は、図10のB−B線断面図である。これらの図に示す圧縮木製品5は、圧縮木材3と形状保持部材4とが、接着剤やねじなどを用いることなく一体的に接合されている。
圧縮木製品5は、例えばデジタルカメラ、携帯電話等の小型の電子機器の外装体として適用可能である。図12は、圧縮木製品5の適用例であるスマートフォンの外観構成を示す斜視図である。同図に示すスマートフォン201は、圧縮木製品5の中空部に機能部材202を取り付けた構成を有する。機能部材202は、液晶等によって構成される表示部203を有する。また、図12の背面側の主板部3aの表面には、撮像用のレンズが露出している(図示せず)。側板部3bの裏面側には、充電用の端子などが設けられている(図示せず)。このような各種部品を圧縮木材3の表面に露出させるために、主板部3aおよび側板部3bには、切削等によって各種孔部が形成される。圧縮木製品5を電子機器の外装体として適用する場合、圧縮木材3の肉厚が1.0〜1.6cm程度となるようにすればより好ましい。
以上説明した本発明の一実施の形態によれば、圧縮木材の中で圧縮率が相対的に小さい部分を形成し、この部分の回復を許容しつつも回復量を抑制して圧縮木材の形状を保持する形状保持部材を圧縮木材に取り付けた後、大気よりも高温多湿の雰囲気であって圧縮時の雰囲気よりも低い温度および少ない湿度の雰囲気の下で圧縮木材を回復させることによって圧縮木材と形状保持部材を接合するため、圧縮率が相対的に小さい部分に残留する弾性回復応力の少なくとも一部を開放することができる。したがって、製造時に残留する弾性回復応力に起因した問題(例えば、圧縮木材の割れや剥がれ、他の部材との間の隙間の発生、これらに基づく機能的および外観的価値の喪失等)の発生を回避することができる。
また、本実施の形態によれば、圧縮木材と他の部材を接合するために接着剤やねじを用いる必要がないため、部品点数も少なくて済み、構成も単純化することができる。
なお、本実施の形態において、形状保持部材の延在部を、形状保持部材の外縁に沿って飛び飛びに設ける構成としてもよい。また、延在部の外周面と圧縮木材の外周面とが滑らかに連なるように、圧縮木材の外周面のうち延在部に当接する部分に切り欠きを設けてもよい。
ここまで、本発明を実施するための形態を詳述してきたが、本発明は上述した一実施の形態によってのみ限定されるべきものではない。
図13は、本発明の別な実施の形態に係る圧縮木製品の構成を示す断面図である。同図に示す圧縮木製品7は、主板部8aおよび側板部8b、8cを有する圧縮木材8と、圧縮木材8の側板部8b、8cの端面に当接する当接部材9と、圧縮木材8の主板部8aを貫通し、当接部材9に螺合されるねじ部材10とを備える。当接部材9は、図示しない中空部が形成されたフレーム部91と、フレーム部91の対向する部分同士を連結し、ねじ部材10を螺合可能なねじ孔92が形成された梁部93とを有する。
図14は、本発明のさらに別の実施の形態に係る圧縮木製品の構成を示す断面図である。同図に示す圧縮木製品11は、圧縮木材8と、圧縮木材8の側板部8b、8cおよび圧縮木材8の内周面に当接する当接部材12と、圧縮木材8の主板部8aを貫通し、当接部材12に螺合されるねじ部材13とを備える。当接部材12は、中空部91aが形成されたフレーム部91と、圧縮木材8の内周部に沿ってフレーム部121の対向する部分同士を連結し、ねじ部材10を螺合可能なねじ孔122が形成された梁部123とを有する。
以上の構成を有する圧縮木製品7、11は、圧縮木材8が主板部8aの厚さ方向(図13、14の矢印方向)に回復するように圧縮成形された場合に、ねじの使用量を極力少なくして、上述した実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、本発明において、接合工程の後に、大気中において、木質部の非結晶領域が結晶化する温度以上であって木質部の熱分解温度以下となる温度で圧縮木製品を加熱しながら最終形状へ整形する工程をさらに行ってもよい。このような加熱整形工程を行うことにより、木質部の結晶化が進むと同時に木質部の密度が一段と高くなるため、木質部の表面硬度が増加し、吸湿を抑えて形状安定性に優れた圧縮木製品を得ることができる。また、加熱整形工程を行うことにより、木質部の細胞壁の内部に含まれている物質が表面に抽出され、その表面に色、艶が生じ、木材ならではの独特の風合いを醸し出すこともできる。
なお、本発明は、例えば鍋の柄を鍋本体に接合する際にも適用することができる。具体的には、圧縮木材によって鍋の柄を構成し、この柄を鍋本体に取り付けて所定の回復率で回復させる。これにより、従来のようにねじ止めを用いることなく鍋本体と柄を取り付けることができるため、使用によってねじが腐食して取れてしまうようなことがなく、耐久性に優れた鍋を提供することができる。
また、本発明は、木製のパズルとして適用することも可能である。この場合には、パズルを組み立てた後、接合工程に相当する処理を行うことにより、パズルを一体化させて保存することが可能となる。
このように、本発明は、ここでは記載していないさまざまな実施の形態等を含みうるものであり、特許請求の範囲により特定される技術的思想を逸脱しない範囲内において種々の設計変更等を施すことが可能である。
1 原木
2 ブランク材
2a、3a、8a 主板部
2b、2c、3b、3c、8b、8c 側板部
3、8 圧縮木材
4 形状保持部材
5、7、11 圧縮木製品
9、12 当接部材
10、13 ねじ部材
41、91、121 フレーム部
41a、91a 中空部
42 延在部
92、122 ねじ孔
93、123 梁部
101 凹金型
101a 凹部
102 凸金型
102a 凸部
201 スマートフォン
202 機能部材
203 表示部
G 木目

Claims (5)

  1. 木材を圧縮することによって曲面を含む3次元形状を有する圧縮木製品を製造する圧縮木製品の製造方法であって、
    原木から形取った無圧縮状態のブランク材を軟化させる軟化工程と、
    前記軟化工程で軟化した前記ブランク材を部分ごとに異なる圧縮率で圧縮する圧縮工程と、
    前記圧縮工程で前記ブランク材を圧縮することによって得られる圧縮木材の中で圧縮率が相対的に小さい部分の回復を許容しつつも回復量を抑制して該圧縮木材の形状を保持する形状保持部材を該圧縮木材に取り付ける取付工程と、
    前記取付工程で前記形状保持部材を取り付けた前記圧縮木材を、大気よりも高温多湿の雰囲気であって前記圧縮工程における雰囲気よりも低い温度および少ない湿度の雰囲気の下で回復させることによって前記圧縮木材と前記形状保持部材を接合する接合工程と、
    を有することを特徴とする圧縮木製品の製造方法。
  2. 前記ブランク材は、略平板状の主板部と前記主板部の周縁から該主板部の主面と交差する方向へ延びる側板部とを有する略椀状をなし、
    前記圧縮工程は、前記側板部の圧縮率が前記主板部の圧縮率よりも小さくなるように前記ブランク材に対して圧縮力を加えて該ブランク材の肉厚を略均一とし、
    前記接合工程は、前記側板部と前記形状保持部材を接合することを特徴とする請求項1に記載の圧縮木製品の製造方法。
  3. 前記形状保持部材は、前記側板部の回復量を抑制する抑制手段を有し、
    前記接合工程は、前記側板部を前記抑制手段に当接させて接合することを特徴とする請求項2に記載の圧縮木製品の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の圧縮木製品の製造方法によって製造されたことを特徴とする圧縮木製品。
  5. 電子機器の外装体であることを特徴とする請求項4に記載の圧縮木製品。
JP2012112631A 2012-05-16 2012-05-16 圧縮木製品の製造方法および圧縮木製品 Pending JP2013237223A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012112631A JP2013237223A (ja) 2012-05-16 2012-05-16 圧縮木製品の製造方法および圧縮木製品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012112631A JP2013237223A (ja) 2012-05-16 2012-05-16 圧縮木製品の製造方法および圧縮木製品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013237223A true JP2013237223A (ja) 2013-11-28

Family

ID=49762701

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012112631A Pending JP2013237223A (ja) 2012-05-16 2012-05-16 圧縮木製品の製造方法および圧縮木製品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013237223A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5097741B2 (ja) 木材の成形方法
WO2016086499A1 (zh) 金属与醋酸纤维板无缝镶嵌的方法
JP4598797B2 (ja) 木材の加工方法
JP5137980B2 (ja) 圧縮木製品の製造方法
JP2009137079A (ja) 木材の成形方法
JP2011189515A (ja) 圧縮木製品の製造方法
JP4981836B2 (ja) 圧縮木製品の製造方法
JP4869678B2 (ja) 圧縮木製品の製造方法
JP5097604B2 (ja) 木材の成形方法
JP2011189571A (ja) 圧縮木製品の製造方法
JP2013237223A (ja) 圧縮木製品の製造方法および圧縮木製品
JP2008158346A (ja) メガネフレーム
WO2012017943A1 (ja) 圧縮木製品の製造方法
JP2009154329A (ja) 圧縮木製品の製造方法および圧縮木製品
JP2007229935A (ja) 圧縮木製品の製造方法
WO2013111621A1 (ja) 筐体の製造方法、筐体および筐体の成形装置
JP2013123899A (ja) 圧縮木製品の製造方法および成形装置
CN101460289A (zh) 木材加工方法
JP5934911B2 (ja) 木質材の製造方法
JP2011148275A (ja) 圧縮木製品の製造方法、および圧縮木製品
WO2012066908A1 (ja) 圧縮木製品の製造方法
TWI701179B (zh) 坐墊製法
TWM554910U (zh) 模造立體玻璃模具
JP2012106449A (ja) 圧縮木製品の製造方法
JP2005205799A (ja) 単板の製造方法並びにその三次元加工方法。