JP2013234674A - 衝突被害軽減システム - Google Patents

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Abstract

【課題】確実に車両と障害物との衝突を回避しつつ、車両の低燃費化を図ることができる衝突被害軽減システムを提供する。
【解決手段】車両1の減速段階で、エンジンの停止制御を行うアイドルストップ制御手段6を備えた車両1に搭載され、所定の衝突回避条件の成立により自動ブレーキの制御を行い、障害物との衝突回避を行う衝突被害軽減システムにおいて、車両1と障害物との衝突可能性を判定する判定手段5と、アイドルストップ制御手段6によるエンジンの停止制御を禁止/許可するアイドルストップ禁止手段13と、ドライバに運転意図の有無を推定する操作意図推定手段14とを備え、アイドルストップ禁止手段13は、操作意図推定手段14により推定されたドライバの運転意図の有り無しや、判定手段5により判定された障害物との衝突可能性にもとづいて、アイドルストップ制御手段6によるエンジンの自動停止制御の禁止/許可制御を行う。
【選択図】 図1

Description

この発明は、アイドルストップ制御手段を備えた車両に搭載される衝突被害軽減システムに関する。
近年、ドライバの不注意などによる前方車両との衝突を回避するために、所定の衝突回避条件の成立により、自動ブレーキの制御を行ったり、後方車両との衝突による乗員の被害を軽減するため、後方車両との衝突可能性が高い場合には、ヘッドレストを乗員の頭部に近づくように移動制御を行う衝突被害軽減システムが提案されている。
また、車両の燃費向上を図るため、所定のエンジン自動停止条件の成立により、エンジンの停止制御を行うアイドルストップシステムも提案されている。このシステムは、車両の車速が0の状態で、ブレーキが踏まれていたり、トランスミッションのギアポジションがニュートラルであるときに、エンジンを停止し、ドライバがブレーキペダルから足を離したり、アクセルペダルに踏み換えたときなどにエンジンの再始動を行うものである。このように、停車中にアイドリング状態がない分、燃費向上を図ることができる。
そして、近年、これらのシステムを併設した車両も考えられており、それに伴う不具合が発生している。例えば、ヘッドレストを移動制御する衝突被害軽減システムとアイドルストップシステムを併設する場合、エンジンの停止中における衝突被害軽減システムは、車両に設置されたバッテリの電力を利用して作動することになるため、バッテリの充電量が少なかったり、バッテリが劣化している場合には、ヘッドレストの移動制御が作動しないおそれがある。
そこで、従来では、エンジンの停止中に、後方車両との衝突可能性が高い場合に、事前にエンジンを再始動させることで電源系統を安定させ、ヘッドレストの移動制御機能を正常に作動させる技術が提案されている(特許文献1参照)。
特開平2010−254239号(段落0028〜0032、図1等参照)
ところで、車両のさらなる低燃費化を図るため、アイドルストップシステムにおけるエンジンの自動停止制御が、車両の停車を待たずに(例えば、7km/h以下)行われる車両が開発されるとともに、従来、衝突被害軽減システムの作動速度領域が15km/h以上であったのが、極低速度領域にまで拡大された車両も開発されつつある。そのため、両システムが併設された車両において、両システムの作動速度領域が重複する場合があり、このような場合には、以下の問題が生じる。
所定の衝突回避条件の成立により、自動ブレーキの制御を行う衝突被害軽減システムとアイドルストップシステムが併設された車両において、両システムの作動速度領域が重複すると、例えば、衝突被害軽減システムの作動中にアイドルストップシステムによりエンジンの自動停止が行われると、エンジンブレーキによる車両の減速度が変化したり、エンジン負圧の変動により制動距離が変化することにより、所望の停止位置に車両を停止制御することが困難になる。また、衝突被害軽減システムの作動中にエンジンの再始動が行われると、クランキング時の電圧低下による衝突被害軽減システムの作動が停止し、障害物との衝突が避けられないおそれもある。
しかしながら、特許文献1の発明では、車両停車中にエンジンを再始動することで電源系統を安定化し、衝突被害軽減システムを正常に作動させることを目的としており、車両の移動中に生じる上記した問題には対応できない。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、衝突被害軽減システムの作動中にアイドルストップシステムによるエンジンの自動停止または再始動を行わないようにすることで、衝突被害軽減システムを正常に作動させ、確実に乗員の衝突被害を軽減するとともに、ドライバの運転意図がある場合には、アイドルストップシステムを作動させて車両の低燃費化を図ることができる衝突被害軽減システムを提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明の衝突被害軽減システムでは、自車両の減速段階で所定のエンジン自動停止条件が成立したときに、エンジンの停止制御を行うアイドルストップ制御手段を備えた車両に搭載され、所定の衝突回避条件の成立により自動ブレーキの制御を行い、前記自車両の進行方向の障害物との衝突回避を行う衝突被害軽減システムにおいて、前記自車両と前記障害物との衝突可能性を判定する判定手段と、前記アイドルストップ制御手段によるエンジンの停止制御を禁止/許可するアイドルストップ禁止手段と、ドライバの操作量が所定量以上であれば、ドライバに運転意図があると推定する操作意図推定手段とを備え、前記アイドルストップ禁止手段は、前記操作意図推定手段により推定されたドライバの運転意図の有り無しや、前記判定手段により判定された前記障害物との衝突可能性にもとづいて、前記アイドルストップ制御手段によるエンジンの自動停止制御の禁止/許可制御を行うことを特徴としている(請求項1)。
また、前記アイドルストップ禁止手段は、前記判定手段により前記障害物との衝突可能性が高いと判定された場合であっても、前記操作意図推定手段により、ドライバに運転意図があると推定された場合は、前記判定手段による判定結果の如何に関わらず、前記アイドルストップ制御手段によるエンジンの自動停止制御を許可するようにしてもよい(請求項2)。
請求項1にかかる発明によれば、アイドルストップ禁止手段は、操作意図推定手段により推定されたドライバの運転意図の有り無しや、判定手段により判定された障害物との衝突可能性にもとづいて、アイドルストップ制御手段によるエンジンの自動停止制御の禁止/許可制御を行う。したがって、アイドルストップ禁止手段において、例えば、判定手段が、衝突被害軽減システムの自動ブレーキの制御開始前における衝突可能性が高いと判定すれば、アイドルストップ制御手段によるエンジンの自動停止を禁止するように制御すると、衝突被害軽減システムの作動中にエンジンが自動停止したり、再始動することがなく、衝突被害軽減システムを正常に作動させることができる。そのため、衝突被害軽減システムの作動中にエンジンが停止することにより車両を所望の位置に停止制御することが困難になったり、システムの作動中にエンジンが再始動することにより衝突被害軽減システムが作動停止し、障害物との衝突回避ができなくなるおそれもない。また、ドライバに運転意図がある場合は、ドライバの運転操作により、障害物との衝突が回避できると考えられる。したがって、例えば、操作意図推定手段で、ドライバのアクセルペダルの操作量、ステアリング操作量、ブレーキ踏み込み量などの操作量にもとづいて、ドライバの運転意図の有り無しを推定し、この推定結果によりドライバの運転意図が有ると推定された場合に、アイドルストップ禁止手段が、アイドルストップ制御手段によるエンジンの自動停止制御を許可する。このようにすると、アイドルストップ制御手段により、エンジンの自動停止制御が実行されるため、自車両の低燃費化を図ることができる。
また、請求項2の発明によれば、アイドルストップ禁止手段は、操作意図推定手段により、ドライバに運転意図があると推定された場合は、判定手段による判定結果の如何に関わらず、アイドルストップ制御手段によるエンジンの自動停止制御を許可する。このようにすると、アイドルストップ制御の禁止は、例えば、走行中にドライバが居眠りした状態で、障害物との衝突の可能性が高い場合など、確実に衝突回避の自動ブレーキ制御が必要な場合に限られる。そのため、アイドルストップシステムを必要以上に作動停止させることがなく、確実に車両と障害物との衝突を回避しつつ、車両の低燃費化を図ることができる。
本発明の一実施形態にかかる衝突被害軽減システムのブロック図である。 図1の衝突被害軽減システムの動作説明図である。 図1の衝突被害軽減システムの動作説明図である。 図1の衝突被害軽減システムの動作説明用のフローチャートである。
本発明の一実施形態にかかる衝突被害軽減システムについて、図1ないし図3を参照して説明する。なお、図1は本発明の一実施形態の衝突被害軽減システムのブロック図、図2は衝突可能性を判定するための説明図であり、図3はドライバの運転操作意図の有り無しを推定する操作意図推定手段の説明図である。
本実施形態の衝突被害軽減システムは、図1に示すように、アイドルストップ制御手段を備えたアイドルストップ車1(以下、車両1ともいう)に搭載されたシステムであり、所定の衝突回避条件の成立により自動ブレーキの制御を行い、車両1の進行方向の障害物と車両1との衝突の回避を行うが、後述する判定手段5により車両1と障害物との衝突可能性が高いと判定された場合は、自動ブレーキ制御の開始前に、アイドルストップ制御手段によるエンジンの自動停止制御を禁止することにより、ブレーキ制御中にエンジンの停止および再始動が行われないようにしたシステムである。以下に詳述する。
(衝突被害軽減システム)
図1に示すレーザセンサ2は、レーザレーダからなり、周知のように、レーザパルスの送受信の時間差から、車両1の進行方向の障害物と車両1との距離を検出したり、車両1と障害物との相対速度を検出する。なお、これらの検出を、例えば、超音波センサやCCDカメラなどを用いて行ってもよい。
図1に示す衝突回避ブレーキ制御手段3は、マイクロコンピュータからなり、レーザセンサ2により検出された車両1と障害物との距離および相対速度の関係が、所定の衝突回避条件となった場合に、ブレーキECU4に自動ブレーキ要求信号を送信し、これを受けたブレーキECU4が所定の減速度(例えば、−6m/s)で所望の位置に車両1が停止するようにブレーキを制御する。
所定の衝突回避条件について、図2を参照して説明する。なお、図2は、縦軸が衝突余裕時間、横軸が時間を示しており、いわゆる、従来より衝突回避システムの作動タイミングを決定するために用いられる指標であるTTC(Time To Collision)を示している。
この実施形態では、所定の衝突回避条件を、このTTC値を指標として決定する。TTC値はレーザセンサ2により検出された車両1と障害物との距離を相対速度で割ることで算出される(TTC(秒)=車両1と障害物との距離÷相対速度)。また、TTC値は、その値が低いほど障害物との衝突可能性が高いことを示している。
通常、ドライバが前方車両と適切な車間距離を保って運転している場合のTTC値は2秒程度であるので、この実施形態では、図2に示すように、TTC値が1秒以下であることを衝突回避条件として決定する。そこで、衝突回避ブレーキ制御手段3は、レーザセンサ2により検出された車両1と障害物との距離および相対速度からTTC値を算出し、その値が衝突回避条件である1秒以下になったとき(時間B)に、自動ブレーキ要求信号をブレーキECU4に送信し、この信号を受けたブレーキECU4がブレーキを制御することにより、車両1が所定の減速度で所望の位置に停止し、車両1と障害物との衝突を回避する。なお、衝突回避ブレーキ制御手段3は、TTC値に関する情報を後述する判定手段5から取得するようにしてもよい。
(アイドルストップ制御手段:アイドルストップシステム)
アイドルストップ制御手段は、所定のエンジン自動停止条件が成立したときに、エンジンの停止制御を行い、車両1の低燃費化を図るシステムである。
図1に示すアイドルストップ制御手段6は、マイクロコンピュータからなり、所定のエンジン自動停止条件の成立により、エンジンECU7を介して、エンジンを自動的に停止させたり、所定のエンジン再始動条件の成立により、スタータ8を介して、エンジンを自動的に再始動させたりする制御を行う。
また、アイドルストップ制御手段6は、CAN(Controller Area Network)などの車内通信のバス15を介して、車両1内に設置された車両1の車速を検出する車速センサ10やブレーキの踏み込み量を検出するブレーキセンサ12などの各種のセンサに接続され、それらの情報を逐次取得する。そして、アイドルストップ制御手段6は、それらの情報にもとづき、エンジンの自動停止や再始動制御を行う。
所定のエンジン自動停止条件は、通常、車両1の車速が0の状態で、ブレーキが踏まれているか、トランスミッションのギアポジションがニュートラルにあるときであるが、この実施形態では、これらに加えて、ブレーキが踏まれた状態で、車両1の車速が例えば7km/h以下であることをエンジン自動停止条件とする。ただし、これらの条件が成立した場合であっても、後述する判定手段5により車両1が障害物と衝突可能性が高いと判定された場合は、アイドルストップ禁止手段13により、エンジンの自動停止制御が禁止される。
所定のエンジン再始動条件は、ドライバがブレーキペダルから足を離すか、アクセルペダルを踏み込むか、あるいは、トランスミッションのギアポジションがニュートラル以外になった場合であり、これらの条件の成立によりアイドルストップ制御手段6がスタータ8を介してエンジンを自動的に再始動させる。
判定手段5は、マイクロコンピュータからなり、レーザセンサ2により検出された車両1と障害物との距離および相対速度にもとづき、障害物との衝突可能性を判定する。この実施形態では、図2を用いて説明した、所定の衝突回避条件の決定の際に用いたTTC値を指標として、障害物との衝突可能性を判定する。例えば、図2に示すように、TTC値が衝突回避条件(1.0秒)よりもわずかに大きい1.2秒を閾値とする。そして、判定手段5がレーザセンサ2により検出された車両1と障害物との距離および相対速度からTTC値を算出し、その値が1.2秒以下であるとき(時間A)に、障害物との衝突可能性が高いと判定する。なお、この閾値(1.2秒)は、衝突回避条件(1.0秒)以上であればよく、例えば、閾値を1.4秒とするなど、適宜、変更してもかまわない。
操作意図推定手段14は、マイクロコンピュータからなり、アクセルペダルの操作量を示すアクセル開度、ステアリング操作量、ブレーキ踏み込み量にもとづき、ドライバに運転意図があるか否かを推定する。例えば、図3に示すように、ドライバのステアリング操作量の大きさが所定時間内に所定量以上である場合には、その間、ドライバに運転意図があると推定し、所定量以下である場合には、ドライバに運転意図がないと推定する。また、アクセル開度の変化量、ブレーキ踏み込み量の変化量も同様である。なお、ステアリング操作量の大きさ、アクセル開度の変化量、ブレーキ踏み込み量の変化量のいずれか一つが所定量以上であれば、操作意図推定手段14は、ドライバに運転意図があると推定する。
アクセル開度を検出するアクセルセンサ9、ステアリングの操舵角を検出する舵角センサ11、ブレーキ踏み込み量を検出するブレーキセンサ12は、CAN通信におけるバス15を介して操作意図推定手段14と接続されており、操作意図推定手段14は、各センサ9,11,12が検出した情報を、逐次、取得する。
アイドルストップ禁止手段13は、マイクロコンピュータからなり、操作意図推定手段14により推定されたドライバの運転意図の有り無しや、判定手段5により判定された障害物との衝突可能性にもとづいて、アイドルストップ制御手段6によるエンジンの自動停止制御の禁止/許可制御を行う。この場合、アイドルストップ禁止手段13は、判定手段5により障害物との衝突可能性が高いと判定された場合(TTC値が1.2秒以下)、衝突回避ブレーキ制御手段3によるブレーキ制御中にエンジンの自動停止または再始動が行われる可能性があるため、アイドルストップ制御手段6によるエンジンの自動停止制御を禁止する。
また、判定手段5により障害物との衝突可能性が高いと判定された場合であっても、操作意図推定手段14により、ドライバに運転意図があると推定された場合は、衝突回避ブレーキ制御手段3によるブレーキ制御中にエンジンの自動停止または再始動が行われたとしても、ドライバの運転操作により、障害物との衝突が回避できると考えられるため、このような場合、アイドルストップ禁止手段13は、判定手段5による判定結果の如何に関わらず、アイドルストップ制御手段6によるエンジンの自動停止制御を許可する。
そして、判定手段5により障害物との衝突可能性が高いと判定されたことによりアイドルストップ禁止手段13がアイドルストップ制御手段6によるエンジンの自動停止制御を禁止したあと、衝突回避ブレーキ制御手段3の自動ブレーキ制御の実行により、車両1が停止すれば、アイドルストップ禁止手段13は、その停止後(例えば、停止してから1.5秒後)にアイドルストップ制御手段6によるエンジンの自動停止制御を許可し、アイドルストップ制御手段6は、上記した所定のエンジン自動停止条件の成立により、エンジンの停止制御を行う。
次に、この実施形態におけるアイドルストップ制御処理について、図4のフローチャートを参照して説明する。
まず、アイドルストップ禁止手段13は、衝突回避ブレーキ制御手段3において、自動ブレーキの制御が実行されているか否かを判断し(ステップS1)、制御中である場合はステップS1をYESで通過してアイドルストップ制御手段6によるエンジンの自動停止制御を禁止する(ステップS4)。
また、衝突回避ブレーキ制御手段3において、自動ブレーキ制御が実行されていない場合は、ステップS1をNOで通過して、ステップS2にて、操作意図推定手段14が、ドライバの操作量(アクセル開度、ブレーキペダルの踏み込み量、ステアリング操作量)にもとづいて、ドライバに運転意図があるか否かを推定する。
操作意図推定手段14が、アクセル開度、ブレーキペダルの操作量、ステアリング操作量の大きさがいずれも所定量以下であることによりドライバに運転意図がないと推定した場合、ステップS2をNOで通過し、判定手段5は、上記した車両1と障害物との距離、および、相対速度にもとづき算出したTTC値が閾値(1.2秒)以下であるか否かを判定する(ステップS3)。また、操作意図推定手段14が、各操作量のいずれかが所定量以上であることによりドライバに運転意図があると推定した場合、ステップS2をYESで通過し、アイドルストップ禁止手段13は、アイドルストップ制御手段6によるエンジンの自動停止制御を許可し(ステップS5)、アイドルストップ制御手段6は、上記した所定のエンジン自動停止条件が成立したときにエンジンの停止制御を実行し、アイドルストップ制御処理を終了する。
また、ステップS3において、TTC値が1.2秒以下である場合、車両1と障害物との衝突可能性が高いとして、判定手段5は、アイドルストップ制御手段6によるエンジンの自動停止制御を禁止し(ステップS4)、アイドルストップ制御処理を終了する。また、TTC値が1.2秒以上である場合、判定手段5は、車両1と障害物との衝突可能性が低いとして、アイドルストップ制御手段6によるエンジンの自動停止制御を許可し(ステップS5)、アイドルストップ制御手段6は、上記した所定のエンジン自動停止条件が成立したときにエンジンの停止制御を実行し、アイドルストップ制御処理を終了する。
したがって、上記した実施形態によれば、判定手段5が、衝突回避ブレーキ制御手段3の自動ブレーキの制御開始前における衝突可能性が高いと判定すれば、アイドルストップ禁止手段13がアイドルストップ制御手段6によるエンジンの自動停止を禁止するため、衝突回避ブレーキ制御手段3による自動ブレーキ制御の作動中にエンジンが自動停止したり、再始動することがなく、衝突被害軽減システムを正常に作動させることができる。そのため、自動ブレーキ制御中にエンジンが停止することにより車両1を所望の位置に停止制御することが困難になったり、ブレーキ制御中にエンジンが再始動することにより衝突被害軽減システムが作動停止し、障害物との衝突回避ができなくなるおそれもない。
また、判定手段5により車両1と障害物との衝突可能性が高いと判定された場合であっても、操作意図推定手段14によりドライバに運転意図があると推定されれば、アイドルストップ禁止手段13は、アイドルストップ制御手段6によるエンジン自動停止を許可するため、アイドルストップ制御の禁止は、例えば、走行中にドライバが居眠りした状態で、障害物との衝突の可能性が高い場合など、確実に衝突回避ブレーキ制御手段3によるブレーキ制御が必要な場合に限られる。そのため、アイドルストップシステムを必要以上に作動停止させることがなく、確実に車両1と障害物との衝突を回避しつつ、車両1の低燃費化を図ることができる。
また、アイドルストップ制御手段6のエンジン自動停止制御が禁止された場合であっても、衝突回避ブレーキ制御手段3による自動ブレーキ制御の実行後(例えば、車両1停止の1.5秒後)にその禁止が解除(アイドルストップ制御手段6によるエンジンの停止制御の許可)されるため、アイドルストップシステムを不必要に作動停止させることがない。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
また、上記した実施形態では、所定の衝突回避条件を、TTC値が1秒以下としたが、この値を、例えば、0.8秒以下とするなど、適宜、変更してもかまわない。
2… レーザセンサ
3… 衝突回避ブレーキ制御手段
5… 判定手段
6… アイドルストップ制御手段
13… アイドルストップ禁止手段
14… 操作意図推定手段
特開2010−254239号(段落0028〜0032、図1等参照)

Claims (2)

  1. 自車両の減速段階で所定のエンジン自動停止条件が成立したときに、エンジンの停止制御を行うアイドルストップ制御手段を備えた車両に搭載され、所定の衝突回避条件の成立により自動ブレーキの制御を行い、前記自車両の進行方向の障害物との衝突回避を行う衝突被害軽減システムにおいて、
    前記自車両と前記障害物との衝突可能性を判定する判定手段と、
    前記アイドルストップ制御手段によるエンジンの停止制御を禁止/許可するアイドルストップ禁止手段と、
    ドライバの操作量が所定量以上であれば、ドライバに運転意図があると推定する操作意図推定手段とを備え、
    前記アイドルストップ禁止手段は、前記操作意図推定手段により推定されたドライバの運転意図の有り無しや、前記判定手段により判定された前記障害物との衝突可能性にもとづいて、前記アイドルストップ制御手段によるエンジンの自動停止制御の禁止/許可制御を行う
    ことを特徴とする衝突被害軽減システム。
  2. 前記アイドルストップ禁止手段は、前記判定手段により前記障害物との衝突可能性が高いと判定された場合であっても、前記操作意図推定手段により、ドライバに運転意図があると推定された場合は、前記判定手段による判定結果の如何に関わらず、前記アイドルストップ制御手段によるエンジンの自動停止制御を許可することを特徴とする請求項1に記載の衝突被害軽減システム。
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