JP2013234210A - π電子共役系ブロック共重合体及び光電変換素子 - Google Patents

π電子共役系ブロック共重合体及び光電変換素子 Download PDF

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拓也 稲垣
Atsuhiro Nakahara
淳裕 中原
Yasushi Morihara
靖 森原
Takashi Sugioka
尚 杉岡
Akeshi Fujita
明士 藤田
Hiroyuki Oki
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Abstract

【課題】モルフォロジ(相分離形態)の制御が可能でかつ優れた変換効率を発現することができるπ電子共役系ブロック共重合体を提供する。
【解決手段】下記化学式(1)で示される重合体ブロックAと下記化学式(2)で示されるブロックBとが、連続又は非連続で連結し、数平均分子量が最小でも15,000g/モルであるものである。
Figure 2013234210

(R及びRは、それぞれ飽和アルキル基、若しくは飽和アルキル基及び水素原子、又は、互いに結合し環を形成している基
Figure 2013234210

(R及びRは、それぞれ水素原子、飽和アルキル鎖、又は極性基で置換された飽和アルキル鎖であり、かつ少なくとも一方は該極性基で置換された飽和アルキル鎖であるか、又は互いに結合して環状を成し該極性基を有する環を形成している基)
【選択図】なし

Description

本発明は、自己組織性を有する新規なπ電子共役系ブロック共重合体、及びその共重合体からなる光電変換素子に関するものである。
溶媒に可溶な高分子材料を用いて塗付法により生産できる有機薄膜太陽電池は、現在主流の太陽電池である多結晶シリコン、アモルファスシリコン、化合物半導体などの無機系太陽電池よりも安価に製造できるとされ、注目されている。
光電変換素子の一つである有機薄膜太陽電池は、共役重合体と電子受容性材料とを混合したバルクヘテロジャンクション構造を光電変換活性層として持つものが主流である。具体例としては、π電子共役系重合体であるポリ(3−ヘキシルチオフェン)と、電子受容性材料であるフラーレン誘導体として[6,6]−フェニルC61酪酸メチルエステル(PCBM)とを混合した光電変換活性層を有する有機薄膜太陽電池がある。
バルクヘテロジャンクション構造において、透明電極から入射した光は、共役系重合体や電子受容性材料で吸収され、電子とホールとの結合した励起子を生成する。生成した励起子が共役系重合体と電子受容性材料とが隣接しているヘテロ接合界面に移動し、ホールと電子とに電荷分離する。ホール及び電子は、それぞれ共役系重合体相及び電子受容性材料相を輸送されて電極より取り出される。従って、有機薄膜太陽電池の変換効率を高めるには、バルクヘテロジャンクション構造を構成する共役系重合体と電子受容性材料とが相分離して形成するモルフォロジを如何に制御するかが鍵となっている。
共役系重合体と電子受容性材料とのモルフォロジを制御できる優れた方法として、π電子共役系ブロック共重合体を用いる方法がある。例えば、3−ヘキシルチオフェンと3−(2−エチルヘキシルチオフェン)とのジブロック共重合体(非特許文献1)、3−ヘキシルチオフェンと3−フェノキシメチルチオフェンとのジブロック共重合体(非特許文献2)、3−ヘキシルチオフェンと3−(4’−(3’’,7’’−ジメチルオクチルオキシ)−3’−ピリジニル)チオフェンとのジブロック共重合体(非特許文献3)とフラーレン誘導体を電子受容性材料として用いた有機薄膜太陽電池が報告されている。また、高い変換効率を目指してポリチオフェンとは異なる骨格の共役系ブロック共重合体を用いた有機薄膜太陽電池素子も開示されている(特許文献1)。
これらの共役系ブロック共重合体を用いた有機薄膜太陽電池では、ある程度のモルフォロジ制御はできているものの、変換効率は3%以下に留まっており、十分な変換効率を得られていない。
また、モルフォロジを制御する有力な方法として、極性基で置換されている側鎖を有するブロック共重合体を用いる方法がある。例えば、3−ヘキシルチオフェンと3−(6−ブロモヘキシルチオフェン)とのジブロック共重合体(非特許文献4)などが報告されている。しかしながら、当該文献に示されているブロック共重合体は、重合に用いる溶媒中の水分と過酸化物の除去が不十分であり、分子量が10,000程度に留まっている。したがって、光電変換素子として十分な能力を発揮できていないと考えられる。
特開2008−266459号公報
ジャーナル オブ ジ アメリカン ケミカル ソサエティー(Journal of the American Chemical Society),2008年,第130巻,7812頁 オーガニック エレクトロニクス(Organic Electronics),2009年,第10巻,1541頁 ジャーナル オブ ポリマー サイエンス パートA:ポリマー ケミストリー(Journal of Polymer Science Part A: Polymer Chemistry)2011年,第49巻,2577頁 マクロモレキュルズ(Macromolecules),2011年,第44巻,8886頁
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、自己組織性を有するモルフォロジ(相分離形態)の制御が可能でかつ優れた変換効率を発現することができるπ電子共役系ブロック共重合体、及び、そのπ電子共役系ブロック共重合体と電子受容性材料とを含む有機半導体組成物から形成される有機光電変換層を具備し、高い変換効率を示す光電変換素子を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するためになされた、特許請求の範囲の請求項1に記載されたπ電子共役系ブロック共重合体は、下記化学式(1)
Figure 2013234210
(R及びRは、それぞれ独立して炭素数1〜18の飽和アルキル基であるか、一方が炭素数1〜18の飽和アルキル基及び他方が水素原子であるか、又は、互いに結合し環を形成している基である。)
で示される繰返し単位を含む重合体ブロックAと、下記化学式(2)
Figure 2013234210
(R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜18の飽和アルキル鎖、又は水酸基、ハロゲン原子、チオール基、チオエーテル基、アミノ基、アルコキシ基、シリル基、及び複素環基から選ばれる少なくとも一つの極性基で置換された炭素数1〜18の飽和アルキル鎖であり、かつ少なくとも一方が該極性基で置換された炭素数1〜18の飽和アルキル鎖であるか、又は互いに結合して環状を成し該極性基を有する環を形成している基である。)
で示される繰返し単位を含む重合体ブロックBとが、連続又は非連続で連結し、数平均分子量が最小でも15,000g/モルであることを特徴とする。
請求項2に記載のπ電子共役系ブロック共重合体は、請求項1に記載されたものであって、前記重合体ブロックA及び重合体ブロックBが連結したジブロック共重合体であることを特徴とする。
請求項3に記載のπ電子共役系ブロック共重合体は、請求項1又は2に記載されたものであって、前記重合体ブロックAと、前記R及び/又はRが、水酸基で置換された炭素数1〜18の直鎖状、分枝状、脂環状の飽和アルキル基である前記重合体ブロックBとの組成比が、99:1〜70:30であることを特徴とする。
請求項4に記載のπ電子共役系ブロック共重合体は、請求項1又は2に記載されたものであって、前記重合体ブロックAと、前記R及び/又はRが、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜18の直鎖状、分枝状、脂環状の飽和アルキル基である前記重合体ブロックBとの組成比が、99:1〜50:50であることを特徴とする。
請求項5に記載の有機半導体組成物は、請求項1〜4の何れかに記載のπ電子共役系ブロック共重合体と電子受容性材料とを含むことを特徴とする。
請求項6に記載の有機半導体組成物は、請求項5に記載されたものであって、前記電子受容性材料がフラーレン又はその誘導体を含有していることを特徴とする。
請求項7に記載の光電変換素子は、基板上に、請求項1〜4の何れかに記載のπ電子共役系ブロック共重合体と電子受容性材料とを含む有機半導体組成物を乾燥硬化してなる有機薄膜が、形成されていることを特徴とする。
本発明のπ電子共役系ブロック共重合体は、電子受容性材料とともに用いられることで、光電変換素子の活性層である有機光電変換層を形成する有機半導体組成物として有用である。このπ電子共役系ブロック共重合体は、モルフォロジの制御が可能であり、優れた変換効率を発現することができる。
本発明の有機半導体組成物は、モルフォロジが制御された有機光電変換層を形成することができ、優れた変換効率を有する光電変換素子を提供することができる。
本発明の光電変換素子は、高い光電変換性能を有しており、太陽電池をはじめとして各種の光センサとして使用することができる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。
本発明のπ電子共役系ブロック共重合体は、重合体ブロックA及び重合体ブロックBが連続又は非連続で連結しており、その単量体単位の主鎖骨格がチオフェン−2,5−ジイル基のものである。
重合体ブロックAにおいて、R及びRは、それぞれ独立した基、又は互いに結合し環を形成している基である。この独立した基は、炭素数1〜18の直鎖状、分枝状、脂環状の飽和アルキル基、又は水素原子である。ここで、R及びRは、その一方が水素原子である場合、他方は炭素数1〜18の直鎖状、分枝状、脂環状の飽和アルキル基である。
ここで、炭素数1〜18の直鎖状、分枝状、脂環状の飽和アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などが挙げられる。
互いに結合し環を形成している基における環とは、例えば、シクロヘキサン環、シクロペンタン環などの脂環式炭化水素環が挙げられる。重合体ブロックAにおける該脂環式炭化水素環は飽和アルキル基で置換されていてもよい。
重合体ブロックBにおいて、R及びRは、それぞれ独立した基である場合、水素原子;炭素数1〜18の直鎖状、分枝状、脂環状の飽和アルキル鎖;又は水酸基、ハロゲン原子、チオール基、チオエーテル基、アミノ基、アルコキシ基、シリル基、及び複素環基から選ばれる一種以上の極性基で置換された炭素数1〜18の直鎖状、分枝状、脂環状の飽和アルキル鎖;であり、かつ少なくとも一方が該極性基を有する炭素数1〜18の飽和アルキル鎖である。R及びRが互いに結合して環状を成している場合、環又はその分岐鎖が一種以上の前記極性基で置換された、環を形成している基である。
炭素数1〜18の直鎖状、分枝状、脂環状の飽和アルキル鎖としては、例えば、前記飽和アルキル基で例示したものが挙げられる。置換された飽和アルキル鎖とは、この前記飽和アルキル基の一部又は全部が、水酸基、ハロゲン原子、チオール基、チオエーテル基、アミノ基、アルコキシ基、シリル基、及び複素環基から選ばれる少なくとも一つで置換されているものである。
また、互いに結合して環状を成し、水酸基、ハロゲン原子、チオール基、チオエーテル基、アミノ基、アルコキシ基、シリル基、及び複素環基から選ばれる少なくとも一つの極性基を有する環を形成している基における環とは、前記重合体ブロックAにおける環と同じものが挙げられる。
ここで、置換していてもよいハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。ハロゲン原子で置換された飽和アルキル鎖としては、例えば、ω−ブロモアルキル基、パーフルオロアルキル基などが挙げられる。
チオール基としては、例えば、メルカプト基が挙げられる。チオエーテル基としては、例えば、アルキルチオ基が挙げられる。このアルキルチオ基の炭素数として、前記アルキル基と同じものが挙げられる。
アミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、メチルフェニルアミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基などが挙げられる。
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブトキシ基、n−ヘキシル基、シクロヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、などが挙げられる。
シリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ジメチルイソプロピルシリル基、ジメチルtert−ブチルシリル基などが挙げられる。
複素環基としては、例えば、ピリジル基、チエニル基、フリル基、ピロリル基、ピラジニル基などが挙げられる。
重合体ブロックA及び重合体ブロックBを構成する単量体単位としては、各々前記化学式(1)及び(2)で示される単量体単位が好ましい。なかでも、重合体ブロックA及び重合体ブロックBは、それぞれ3位に置換基を有するチオフェン−2,5−ジイル基を有する単量体単位であると好ましい。その組み合わせとして、例えば、前記化学式(1)において、Rが水素原子であり、3位であるRが前記飽和アルキル基である単量体単位の重合体ブロックAと、前記化学式(2)において、Rが水素原子であり、3位であるRが前記飽和アルキル鎖である単量体単位の重合体ブロックBとであることが好ましい。
本発明のπ電子共役系ブロック共重合体に含まれる重合体ブロックAと重合体ブロックBとの連結構造は、特に限定されるものではない。重合体ブロックAと重合体ブロックBとが連続して連結される構造としては、例えば、A−B型ジブロック共重合体又はB−A型ジブロック共重合体、A−B−A型トリブロック共重合体又はB−A−B型トリブロック共重合体、A−B−A−B型テトラブロック共重合体又はB−A−B−A型テトラブロック共重合体、A−B−A−B−A型ペンタブロック共重合体又はB−A−B−A−B型ペンタブロック共重合体などが挙げられる。これらのブロック共重合体は、各単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のπ電子共役系ブロック共重合体の数平均分子量は、加工性、結晶性、溶解性、光電変換特性などの観点から15,000g/モル以上であり、15,000〜200,000g/モルであると好ましく、20,000〜100,000g/モルの範囲であるとより好ましい。数平均分子量が高すぎると溶解性が低下し、薄膜などの加工性が低下し、数平均分子量が低すぎると結晶性、膜の安定性、光電変換特性などが低下する。ここで、数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の分子量を意味する。
重合体ブロックAと重合体ブロックBとの組成比は、99:1〜49:51であると好ましく、95:1〜70:30であるとより好ましい。
本発明のπ電子共役系ブロック共重合体は、重合体ブロックAや重合体ブロックBとは異なる任意の重合体ブロックCを含んでいてもよい。重合体ブロックCは、π電子共役系重合体であっても、非π電子共役系重合体であってもよい。当該ブロックを構成する単量体としては、例えば、ベンゼン、チオフェン、ピリジン、ピラジン、テトラジンなどのπ電子共役系重合体;芳香族ビニル系化合物(スチレン、クロロメチルスチレン、ビニルピリジン、ビニルナフタレンなど)、(メタ)アクリル酸エステル((メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルなど)、ビニルエステル(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニルなど)、アルファヒドロキシ酸(乳酸、グリコール酸など)などの非π電子共役系重合体が挙げられる。
本発明のπ電子共役系ブロック共重合体が重合体ブロックCを含む場合の構造例を以下に例示する。
重合体ブロックA及び重合体ブロックBが連続して連結されている構造として、例えば、A−B−C型トリブロック共重合体、B−A−C型トリブロック共重合体、C−A−B型トリブロック共重合体、C−B−A型トリブロック共重合体、A−B−A−C型テトラブロック共重合体、B−A−B−C型テトラブロック共重合体、C−A−B−A型テトラブロック共重合体、C−B−A−B型テトラブロック共重合体、C−A−B−C型テトラブロック共重合体、C−B−A−C型テトラブロック共重合体などが挙げられる。
また、重合体ブロックA及び重合体ブロックBが非連続に連結されている構造としては、重合体ブロックCが重合体ブロックA及び重合体ブロックBの間に挿入された構造を指す。例えば、A−C−B型トリブロック共重合体、B−C−A型トリブロック共重合体、A−C−B−A型テトラブロック共重合体、A−B−C−A型テトラブロック共重合体、B−C−A−B型テトラブロック共重合体、B−A−C−B型テトラブロック共重合体などが挙げられる。以上のトリブロック共重合体、テトラブロック共重合体などにさらに重合体ブロックA、重合体ブロックB、及び重合体ブロックCが連結されていてもよい。
本発明のπ電子共役系ブロック共重合体が重合体ブロックCを含む場合、ブロック共重合体に占める重合体ブロックCの割合は、40質量%以下であると好ましい。重合体ブロックCは、π電子共役系重合体であってもよく、非π電子共役系重合体であってもよい。
本発明のπ電子共役系ブロック共重合体は、擬リビング重合法により重合体ブロックA及び重合体ブロックBを連続で重合する方法を用いて製造することができる。擬リビング重合法の基本的な重合反応としては、以下に示す反応式(I)の方法又は反応式(II)の方法を挙げることができる。
不活性溶媒中で、単量体である下記化学式(3)
−W−X ・・・(3)
(式中、Wは、重合体ブロックA又はBを構成する単量体単位である置換基を有してもよい2価のチエニレン基であり、X及びXは、それぞれ独立して同一又は異なるハロゲン原子である)で示されるジハロゲン化芳香族化合物と、
グリニャール試薬である下記化学式(4)
R’−MgX ・・・(4)
(式中、R’は炭素数1〜10のアルキル基であり、Xはハロゲン原子である)で示される有機マグネシウムハロゲン化合物との交換反応であるグリニャールメタセシス反応により、
下記化学式(5)
−W−MgX ・・・(5)
(式中、W、X、Xはそれぞれ前記と同じである)で示される有機マグネシウムハロゲン化合物を得る。
得られた有機マグネシウムハロゲン化合物(5)を、溶媒中において、金属錯体触媒の存在下で、いわゆるカップリング反応により、π電子共役系重合体を得る。
これらの一連の反応を下記反応式(I)に示す。
Figure 2013234210
式(I)中、W、R’、X、X、Xはそれぞれ前記と同じであり、nは繰返し単位数である。
また、下化学記式(6)
−W−X・・・(6)
(式中、Wは前記と同じであり、X及びXは、一方がハロゲン原子、他方がM(Mはボロン酸、ボロン酸エステル、−ZnX、−SiX又は−SnRa(ただしRaは炭素数1〜4の直鎖アルキル基)を表す。)
を用いて、金属錯体触媒の存在下でπ電子共役系重合体を得ることも可能である。一連の反応を反応式(II)に示す。
Figure 2013234210
式(II)中、W、X、Xはそれぞれ前記と同じであり、nは繰返し単位数である。
重合体ブロックA及び重合体ブロックBを製造する順番は、重合体ブロックAの次に重合体ブロックBであってもよく、その逆でもよく、目的とするπ電子共役系ブロック重合体により最適な順番を選択できる。
前記化学式(3)又は(6)で示される単量体は、各重合体ブロックを製造するために必要な重合体前駆体であり、より具体的には下記化学式(7)で示される。
Figure 2013234210
式(7)中、R及びRは、重合体ブロックAにおいてR及びRと同様であり、重合体ブロックBにおいてR及びRと同様である。また、X及びXは、それぞれ独立して同一又は異なるハロゲン原子、あるいは、一方がハロゲン原子、他方がM(Mはボロン酸、ボロン酸エステル、−ZnX、−SiX、又は−SnRa(ただしRaは炭素数1〜4の直鎖アルキル基)を表す。)である。
例えば、式(7)中、Xがヨウ素、Xが臭素、Rが水素原子、Rがn−ヘキシル基である単量体は、3−ブロモチオフェンとブロモヘキシルとをカップリングし、その後、N−ブロモスクシンイミドによる臭素化、ヨウ素によるヨウ素化の手順で合成することができる。この合成の詳細は、例えば、マクロモレキュルズ(Macromolecules),2007年,第40巻,4093−4100頁に記載されており、この合成手順を用いることができる。
また、Xがボロン酸エステル、Xがヨウ素、Rが水素原子、Rがn−ヘキシル基である単量体は、3−ブロモチオフェンとブロモヘキシルとをカップリングし、その後、ヨウ素によるヨウ素化、2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチルー1,3,2−ジオキサボロネートによるボロン酸エステル基導入の手順で合成することができる。この合成の詳細は、例えば、マクロモレキュラー ラピッド コミュニケーションズ(Macromolecular Rapid Communications),2011年,第32巻,801−806頁に記載されており、この合成手順を用いることができる。
重合体ブロックBは、アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、チオール基、シリル基、複素環基により置換された炭素数1〜18の直鎖状、分枝状、脂環状の飽和アルキル基を有しており、それぞれ当該置換された飽和アルキル基を有する単量体単位を用いて擬リビング重合法より合成することができる。ところが、アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、チオール基、シリル基、複素環基のうち、特に水酸基、アミノ基、チオール基、複素環基において、カップリング反応を阻害する場合がある。この場合には、水酸基、アミノ基、チオール基、複素環基を適切に保護するか、カップリング反応後に後変性することにより所望のπ電子共役系ブロック共重合体を得ることができる。例えば、水酸基はベンジル基やテトラヒドロピラニル基など、アミノ基はベンジルオキシカルボニル基やt−ブチルオキシカルボニル基などで保護し、カップリング反応後に脱保護することで重合体ブロックBに導入可能である。チオール基については、例えば、ハロゲン原子、なかでも特に好ましくは臭素原子で置換されたアルキル基又はアルコキシ基を有する単量体を先にカップリング反応し、その後チオ酢酸にてハロゲン原子を置換、加水分解することで導入可能である。もちろんこれらの方法に限定されるわけではなく、目的により適切な方法が選択できる。
有機マグネシウムハロゲン化合物(5)を得るためのグリニャールメタセシス反応に用いられるグリニャール試薬である有機マグネシウムハロゲン化合物(4)は、例えば、メチルマグネシウムクロリド、メチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムブロミド、i−プロピルマグネシウムクロリド、i−プロピルマグネシウムブロミド、t−ブチルマグネシウムクロリド、t−ブチルマグネシウムブロミドなどのアルキルマグネシウムハライドが挙げられる。
有機マグネシウムハロゲン化合物(4)の使用量は、基質であるジハロゲン化芳香族化合物(3)に対して0.8〜2モル倍の範囲であると好適である。その後の重合反応の選択性及び効率の観点から0.9〜1.5モル倍の範囲がより好適であり、0.95〜1.0モル倍の範囲であることが最も好適である。
ジハロゲン化芳香族化合物(3)へのグリニャールメタセシス反応に用いられる溶媒は、反応に悪影響を及ぼさない限り特に限定されないが、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、シクロヘキサンなどの飽和脂肪族炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、o−エチルトルエン、m−エチルトルエン、p−エチルトルエンなどの芳香族炭化水素系溶媒;ジメチルエーテル、エチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ブチルメチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶媒などが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。なかでもテトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンを用いるのが好適である。
このようにして得られた有機マグネシウムハロゲン化合物(5)は、反応操作の簡略化の観点から精製せずそのまま重合反応させることが好適である。
重合体ブロックAと重合体ブロックBとは、触媒と溶媒の存在下でカップリング反応を行うことで製造することが可能である。触媒として遷移金属の錯体を用いる必要がある。通常、周期表(18族長周期型周期表)の3〜10族、なかでも8〜10族に属する遷移金属の錯体が挙がられる。具体的には、公知のNi,Pd,Ti,Zr,V,Cr,Co,Feなどの錯体が挙げられる。なかでもNi錯体やPd錯体がより好ましい。また、使用する錯体の配位子としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリt−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(2−メチルフェニル)ホスフィンなどの単座ホスフィン配位子;ジフェニルホスフィノメタン(dppm)、1,2−ジフェニルホスフィノエタン(dppe)、1,3−ジフェニルホスフィノプロパン(dppp)、1,4−ジフェニルホスフィノブタン(pddb)、1,3−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)プロパン(dcpp)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf)、2,2−ジメチル−1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンなどの二座ホスフィン配位子;テトラメチルエチレンジアミン、ビピリジン、アセトニトリルなどの含窒素系配位子などが含有されていることが好ましい。
錯体の使用量は、逐次重合法及び連結法ともに製造するπ電子共役系ブロック共重合体の種類によって異なるが、単量体に対して、0.001〜0.1モルであると好ましい。触媒が、多すぎると得られる重合体の分子量低下の原因となり、また経済的にも不利である。一方、少なすぎると、反応速度が遅くなり、安定した生産が困難になる。
π電子共役系ブロック共重合体の製造に用いることができる溶媒は、製造するπ電子共役系ブロック共重合体の種類によって使い分ける必要があるが、一般的に市販されている溶媒を選択することができる。例えば、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメチルエーテル、エチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ブチルメチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジフェニルエーテルなどのエーテル系溶媒、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの脂肪族又は脂環式飽和炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化アルキル系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどの芳香族ハロゲン化アリール系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒、水及びこれらの混合物などが挙げられる。かかる有機溶媒の使用量としては、製造するπ電子共役系ブロック共重合体の単量体に対して1〜1000重量部の範囲であることが好ましく、得られる連結体の溶解度や反応液の攪拌効率の観点からは、10重量部以上であることが好ましく、反応速度の観点からは100重量部以下であることが好ましい。
本発明のπ電子共役系ブロック重合体の製造では、溶媒や原料である単量体に含有される水、メタノール、エタノール、塩酸などのプロトン供与性化合物と、溶媒や単量体が酸化された不純物として混在する過酸化物とが重合反応に悪影響を与える。中でも重合反応系に占める比率の高い溶媒の品質が特に重要であり、水及び過酸化物は重合反応に大きく影響する。反応混合物に含有される水分量のモル数及び過酸化物の酸素原子換算のモル数をそれぞれ金属錯体触媒の遷移金属原子のモル数に対し当量比で1以下に制御することが、高分子量のπ電子共役系ブロック共重合体を得る上で重要である。なお、過酸化物の酸素原子換算のモル数とは、対象となる過酸化物中に含まれる活性酸素原子のモル数を示す。反応混合物中に含まれる過酸化物には、ペルオキシド構造(−O−O−)や過カルボン酸構造(−C(=O)−O−O−)を有するものがある。
通常、入手しうる溶媒の品質は、製造ロットや販売業者などによって差があるため、本発明においては必要に応じて、重合前、特に重合直前に溶媒を精製して品質を制御することが好ましい。精製法は、金属ナトリウムや五酸化二リンなどの脱水剤存在下蒸留精製の手法、もしくは市販されている一般的な吸着剤、例えば活性アルミナなどのアルミナ系、シリカゲル、エアロゲル、コロイダルゲルなどのシリカ系、アルミノシリケートゼオライト、メタロシリケートゼオライト、アルミノリン酸塩ゼオライトなどのゼオライト系、活性白土、モンモリナイト、スメクタイトなどの粘土系、メソポーラスシリカなどのメソポーラス系、活性炭、炭素繊維、木炭などの炭素系吸着剤、イオン交換樹脂、キレート樹脂、バイオマス吸着剤などの合成系吸着剤、ヒドロキシアパタイト、ヘテロポリ酸塩、多孔性酸化マンガンなどを用いた不純物の吸着除去、及び必要に応じたそれのろ別による精製の手法が挙げられる。精製法として、何れか一方の手法を用いてもよく、両方の手法を用いてもよい。とりわけ、金属ナトリウム存在下蒸留精製を行なった後、和光純薬工業株式会社製のモレキュラーシーブスを用いて精製することが好ましく、さらに和光純薬工業株式会社製のモレキュラーシーブス5Aを用いるのが好ましい。また、市販されている溶媒精製装置を用いてもよく、例えば、ニッコー・ハンセン株式会社製のGlass Counterなどを用いることができる。
製造するπ電子共役系ブロック共重合体の種類によって重合温度は異なる。通常は、−80℃〜200℃の範囲で実施される。反応系の圧力は、特に限定されないが、0.1〜10気圧であると好ましい。通常は、1気圧前後で反応を行なう。また、反応時間は、製造する重合体ブロックAと重合体ブロックBとによって異なるが、通常、20分〜100時間である。前記の重合方法によって得られるπ電子共役系ブロック共重合体は、例えば、再沈殿、加熱下での溶媒除去、減圧下での溶媒除去、水蒸気による溶媒の除去(スチームストリッピング)などの、π電子共役系ブロック共重合体を溶液から単離する際の通常の操作によって、反応混合液から分離、取得することができる。
本発明のπ電子共役系ブロック共重合体は、末端基として、ハロゲン原子、トリアルキルスズ基、ボロン酸基、ボロン酸エステル基などのカップリング残基、又はそれらの原子若しくは基が脱離した水素原子を有していてもよく、さらにこれらの末端基が臭化ベンゼンなどの芳香族ハロゲン化物や、芳香族ボロン酸化合物などからなる末端封止剤で置換された末端構造であってもよい。
本発明のπ電子共役系ブロック共重合体は、電子受容性材料とともに混合されることで、光電変換素子の有機光電変換層となる有機薄膜を形成する材料である有機半導体組成物となる。
有機半導体組成物に含有される電子受容性材料は、n型半導体特性を示す有機材料であれば特に限定されない。例えば、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボキシリックジアンハイドライド(NTCDA)、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボキシリックジアンハイドライド(PTCDA)、N,N'−ジオクチル−3,4,9,10−ナフチルテトラカルボキシジイミド(NTCDI−C8H)、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールや2,5−ジ(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾールなどのオキサゾール誘導体、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾールなどのトリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、C60又はC70フラーレン誘導体、カーボンナノチューブ(CNT)、ポリ−p−フェニレンビニレン系重合体にシアノ基を導入した誘導体(CN−PPV)などが挙げられる。これらはそれぞれ単体で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらのなかでも、安定かつキャリア移動度に優れるn型半導体という観点からフラーレン誘導体が好ましく用いられる。
なかでも電子受容性有機半導体として好適に用いられるフラーレン誘導体は、C60、C70、C76、C78、C82、C84、C90、C94を始めとする無置換のものと、[6,6]−フェニルC61ブチリックアシッドメチルエステル([6,6]−C61−PCBM)、[5,6]−フェニルC61ブチリックアシッドメチルエステル、[6,6]−フェニルC61ブチリックアシッドn−ブチルエステル、[6,6]−フェニルC61ブチリックアシッドi−ブチルエステル、[6,6]−フェニルC61ブチリックアシッドヘキシルエステル、[6,6]−フェニルC61ブチリックアシッドドデシルエステル、[6,6]−ジフェニルC62ビス(ブチリックアシッドメチルエステル)([6,6]−C62−bis−PCBM)、[6,6]−フェニルC71ブチリックアシッドメチルエステル([6,6]−C71−PCBM)をはじめとする置換誘導体などが挙げられる。
前記フラーレン誘導体を単独又はそれらの混合物として用いることができるが、有機溶媒に対する溶解性の観点から、[6,6]−C61−PCBM、[6,6]−C62−bis−PCBM)、[6,6]−C71−PCBMが好適に用いられる。
有機半導体組成物中の電子受容性材料の割合は、π電子共役系ブロック共重合体100重量部に対して、10〜1000重量部であると好ましく、50〜500重量部であるとより好ましい。
π電子共役系ブロック共重合体及び電子受容性材料の混合方法としては、特に限定されるものではないが、所望の比率で溶媒に添加した後、加熱、攪拌、超音波照射などの方法を1種又は複数種組み合わせて溶媒中に溶解させ、溶液とする方法が挙げられる。
その際の溶媒としては、π電子共役系ブロック共重合体や電子受容性材料のそれぞれについて20℃における溶解度が1mg/mL以上の溶媒を用いることが有機薄膜製膜上の観点より好ましい。1mg/mL以下の溶解度である場合には、均質な有機薄膜を作製することが困難であり、本発明の有機半導体組成物を得ることができない。さらに、有機薄膜の膜厚を任意に制御する観点からは、π電子共役系ブロック共重合体、電子受容性材料のそれぞれについて、20℃における溶解度が3mg/mL以上の溶媒を用いることがより好ましい。また、これら溶媒の沸点は、室温から200℃の範囲にあるものが製膜性及び後述する製造プロセスの観点より好ましい。
前記の溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、1,2−ジクロロエタン、シクロヘキサン、クロロホルム、ブロモホルム、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、o−ジクロロベンゼン、アニソール、メトキシベンゼン、トリクロロベンゼン、ピリジンなどが挙げられる。これらの溶媒は単独で用いてもよく、2種類以上を併用し混合して用いてもよいが、特にπ電子共役系ブロック共重合体及び電子受容性材料の溶解度が高いo−ジクロロベンゼン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、クロロホルム及びこれらの混合物が好ましい。より好ましくは、o−ジクロロベンゼン、クロロベンゼン及びこれらの混合物が用いられる。
前記の溶液には、π電子共役系ブロック共重合体及び電子受容性材料以外に沸点が溶媒より高い添加物を含んでもよい。添加物を含有させることによって有機薄膜を製膜する過程において、π電子共役系ブロック共重合体及び電子受容性材料の微細かつ連続した相分離構造が形成されるため、光電変換効率に優れる有機光電変換層を得ることが可能となる。添加物としては、例えば、オクタンジチオール(沸点:270℃)、ジブロモオクタン(沸点:272℃)、ジヨードオクタン(沸点:327℃)などが挙げられる。
π電子共役系ブロック共重合体及び電子受容性材料を含有する溶液である有機半導体組成物には、本発明の目的を阻害しない範囲において、界面活性剤やバインダー樹脂やフィラーなどの他の添加物成分を含んでいてもよい。
添加物の添加量は、π電子共役系ブロック共重合体及び電子受容性材料が析出せず、均一な溶液を与えるものであれば特に限定されないが、溶媒に対して体積分率で0.1%〜20%であると好ましい。添加物の添加量が0.1%よりも少ない場合は、微細かつ連続した相分離構造が形成されるに十分な効果を得ることができず、20%よりも多い場合は、溶媒及び添加物の乾燥速度が遅くなり、均質な有機薄膜を得ることが困難となる。より好ましくは0.5%〜10%の範囲である。
本発明の有機半導体組成物は、基板、支持体、又はそれらの上に形成された電極に塗布して乾燥させ固化し、硬化することで有機薄膜を形成することができる。この有機薄膜を有する光電変換素子は、有機半導体組成物から形成される有機薄膜が活性層である有機光電変換層として機能することで発光することができる。
本発明の光電変換素子を構成する有機光電変換層の膜厚は、通常、1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜1000nmであり、より好ましくは5nm〜500nmであり、さらに好ましくは20nm〜300nmである。膜厚が薄すぎると光が十分に吸収されず、逆に厚すぎるとキャリアが電極へ到達し難くなる。
有機半導体組成物を基板、支持体、又はそれらの上に形成された電極へ塗工する場合の方法は、特に制限されず、液状の塗工材料を用いる従来から知られている塗工方法の何れも採用することができる。例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、インクジェット法、エアロゾルジェット法、スピンコーティング法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング法、カーテンコーティング法、スリットダイコーター法、グラビアコーター法、スリットリバースコーター法、マイクログラビア法、コンマコーター法などの塗工方法を採用することができ、塗膜厚さ制御や配向制御など、得ようとする塗膜特性に応じて塗布方法を選択すればよい。
有機光電変換層は、さらに必要に応じて熱アニールを行ってもよい。熱アニールは、有機薄膜を製膜した基板を所望の温度で保持して行う。熱アニールは、減圧下又は不活性ガス雰囲気下で行ってもよく、好ましい温度は40℃〜300℃、より好ましくは70℃〜200℃である。温度が低いと十分な効果が得られず、温度が高すぎると有機薄膜が酸化や分解し、十分な光電変換特性を得ることができない。熱アニール処理は、作製すべき光電変換素子に必要とされる全ての電極を形成した後に行ってもよい。
本発明の光電変換素子を形成する基板は、電極や有機光電変換層を形成する際に変化しないものであればよい。例えば、無アルカリガラス、石英ガラスなどの無機材料、アルミニウムなどの金属フィルム、またポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリパラキシレン、エポキシ樹脂やフッ素系樹脂などの有機材料から任意の方法によって作製されたフィルムや板が使用可能である。不透明な基板を用いる場合には、反対の電極(即ち、基板から遠い方の電極)が透明又は半透明であることが好ましい。基板の膜厚は特に限定されないが、通常1μm〜10mmの範囲である。
光電変換素子の電極は、正極又は負極の何れかに光透過性を有することが好ましい。電極の光透過性は、有機光電変換層に入射光が到達して起電力が発生する程度であれば、特に限定されるものではない。電極の厚さは、光透過性と導電性とを有する範囲であればよく、電極素材によって異なるが20nm〜300nmであると好ましい。なお、もう一方の電極は、導電性があれば必ずしも光透過性は必要ではなく、厚さも特に限定されない。
正極又は負極としては、リチウム、マグネシウム、カルシウム、スズ、金、白金、銀、銅、クロム、ニッケルなどの金属、透明性を有する電極としてインジウム、スズなどの金属酸化物、複合金属酸化物(インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)など)が好ましく用いられる。金属をメッシュ状にして透明性を持たせたグリッド電極やポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体などの透明性のある有機導体膜を用いてもよい。正極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法が挙げられる。その他、金属インク、金属ペースト、低融点金属、有機導体インクなどを用いて、塗布法で正極を作製することもできる。
負極と有機光電変換層との間にフッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化セシウムなどの金属フッ化物、より好ましくはフッ化リチウム、フッ化セシウムを導入することで、取り出し電流を向上させることも可能である。
光電変換素子には、必要に応じて正極と有機光電変換層との間に正孔輸送層を設けてもよい。正孔輸送層を形成する材料としては、p型半導体特性を有するものであれば特に限定されないが、ポリチオフェン系重合体、ポリアニリン系重合体、ポリ−p−フェニレンビニレン系重合体、ポリフルオレン系重合体などの導電性高分子や、フタロシアニン誘導体(HPc、CuPc、ZnPcなど)、ポルフィリン誘導体などのp型半導体特性を示す低分子有機化合物、酸化モリブデン、酸化亜鉛、酸化バナジウムなどの金属酸化物が好ましく用いられる。正孔輸送層の厚さは、1nmから600nmであると好ましく、20nmから300nmであるとより好ましい。
また、必要に応じて負極と有機光電変換層との間に電子輸送層を設けてもよい。電子輸送層を形成する材料としては、n型半導体特性を有するものであれば特に限定されないが、前記の電子受容性有機材料(NTCDA、PTCDA、NTCDI−C8H、オキサゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、フラーレン誘導体、CNT、CN−PPVなど)などが好ましく用いられる。電子輸送層の厚さは、1nmから600nmであると好ましく、5nmから100nmであるとより好ましい。
正極と有機光電変換層との間に正孔輸送層を作製する場合、例えば、溶媒に可溶な導電性高分子の場合には浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、インクジェット法、エアロゾルジェット法、スピンコーティング法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング法、カーテンコーティング法、スリットダイコーター法、グラビアコーター法、スリットリバースコーター法、マイクログラビア法、コンマコーター法などで塗布することができる。フタロシアニン誘導体やポルフィリン誘導体などの低分子有機材料を使用する場合には、真空蒸着機を用いた蒸着法を適用することが好ましい。電子輸送層についても同様にして作製することができる。
本発明の光電変換素子は、例えば、太陽電池などの光電池;光センサ、光スイッチ、フォトトランジスタなどの電子素子;光メモリなどの光記録材などに有用である。
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
本発明のπ電子共役系ブロック共重合体の製造を重合例1に示し、それを有機半導体組成物として用いた光電変換素子である有機薄膜太陽電池の製造を実施例1〜2に示す。また、本発明の適用外である有機半導体組成物を用いた有機薄膜太陽電池の製造を比較例1〜3に示す。
ここで、実施例及び比較例1〜3のπ電子共役系ブロック共重合体の製造工程において使用する溶媒であるテトラヒドロフラン(THF)は、和光純薬工業株式会社製の脱水テトラヒドロフラン(安定剤不含)を、金属ナトリウム存在下蒸留精製を行なった後、和光純薬工業株式会社製のモレキュラーシーブス5Aに一日以上接触させることで、予め精製したものである。
(重合例1)
π電子共役系ブロック共重合体(A1)の製造工程を下記反応式に示す。
Figure 2013234210
充分に乾燥させアルゴン置換したナスフラスコAに、脱水及び過酸化物除去処理を行なったTHF20mLと、2−ブロモ−5−ヨ−ド−3−ヘキシルチオフェン1.512g(4.05mmol)と、i−プロピルマグネシウムクロリドの2.0M溶液2mLを加えて、0℃で30分攪拌し、前記反応式中(a−1)で示される有機マグネシウムハロゲン化合物の溶液を合成した。乾燥させたアルゴン置換した別のナスフラスコBで、脱水及び過酸化物除去処理を行なったTHF5mLと2,5−ジブロモ−3−[6−(2−テトラヒドロピラニル)オキシヘキシル)チオフェン0.090g(0.45mmol)とt−ブチルマグネシウムクロリドの1.0M溶液0.45mLを加えて、60℃で2時間攪拌し、前記反応式中(a−2)で示される有機マグネシウムハロゲン化合物の溶液を合成した。
乾燥させたアルゴン置換したナスフラスコCに、脱水及び過酸化物除去処理を行なったTHF25mLとNiCl(dppp)27mg(0.05mmol)を加えて35℃に加熱した後、先に調製した有機マグネシウムハロゲン化合物(a−1)溶液を添加し、35℃で20分加熱攪拌した。次いで、有機マグネシウムハロゲン化合物(a−2)溶液を添加し、35℃で2時間反応させた。反応終了後、t−ブチルマグネシウムクロリドの1.0M THF溶液2mLを加え35℃にて1時間攪拌し、次いで5M塩酸30mLを加えて室温で1時間攪拌した。
この反応液をクロロホルム450mLで抽出し、有機層を重曹水100mL、蒸留水100mLの順で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮乾固した。得られた黒紫色の固体を、クロロホルムの30mLに溶かし、メタノ−ルの300mLに再沈殿し、充分に乾燥したものを、分取用GPCカラムを用いて精製することによりπ電子共役系ブロック共重合体(A1)(650mg)を得た。
得られたπ電子共役系ブロック共重合体(A1)の理化学分析を行った。
ブロック共重合体の数平均分子量及び重量平均分子量は、何れもGPCによる測定に基づき、ポリスチレン換算値で求めた。ここでは、GPC装置として、東ソー株式会社製のHLC−8020(品番)を用い、カラムとして、東ソー株式会社製のTSKgel Multipore HZの2本を直列に繋いだものを用いた。
得られたπ電子共役系ブロック共重合体(A1)は、重量平均分子量(Mw)が23,400、数平均分子量(Mn)が20,800、多分散度が1.13であった。
H−NMR(核磁気共鳴)測定により、分子構造を同定した。
H−NMR:δ=6.97(s、1H)、3.65(t、J=5.0Hz、0.2H)、2.80(t、J=8.0Hz、2H)、1.71−1.34(m、9.8H)、0.91(t、J=6.8Hz、2.7H)
この理化学分析結果は、前記反応式に示される化学構造を支持する。
(実施例1)
重合例1により得られたπ電子共役系ブロック共重合体(A1)を16.0mgと電子受容性材料としてPCBM(フロンティアカーボン社製E110H)を12.8mgと溶媒としてクロロベンゼン1mLとを40℃にて6時間かけて混合した。その後、室温20℃に冷却し、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルターで濾過してπ電子共役系ブロック共重合体(A1)とPCBMとを含む溶液である有機半導体組成物1を調製した。
(有機半導体組成物から形成される層を有する有機薄膜太陽電池の製造)
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜(抵抗値10Ω/□)を付けたガラス基板を15分間オゾンUV処理して表面処理を行った。基板上に正孔輸送層となるPEDOT:PSS水溶液(H.C.Starck社製:CLEVIOS PH500)をスピンコート法により40nmの厚さに成膜した。ホットプレートにより140℃で20分間加熱乾燥した後、次にスピンコートにより前記調製した有機半導体組成物1を塗布し、有機薄膜太陽電池の有機光電変換層(膜厚約100nm)を得た。3時間真空乾燥し、120℃、30分熱アニールした後、真空蒸着法により、真空蒸着機によりフッ化リチウムを膜厚1nmで蒸着し、次いでAlを膜厚100nmで蒸着した。これによりπ電子共役系ブロック共重合体(A1)を有する光電変換素子である有機薄膜太陽電池が得られた。有機薄膜太陽電池の受光面形状は5×5mmの正四角形であった。
(実施例2)
重合例1により得られたπ電子共役系ブロック共重合体(A1)を16.0mgと電子受容性材料としてPCBM(フロンティアカーボン社製E100H)12.8mgと、溶媒としてクロロベンゼン1mLとを40℃にて6時間かけて混合した。その後、室温20℃に冷却し、孔径0.45μmのPTFEフィルターで濾過してπ電子共役系ブロック共重合体(A1)とPCBMとを含む溶液である有機半導体組成物2を調製した。有機半導体組成物2を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で有機薄膜太陽電池を製造した。
(比較例1)
ポリ−3−ヘキシルチオフェンの重合体(B1)を、アドバンスト ファンクショナル マテリアルズ(Advanced Functional Materials),2007年,第17巻,1071頁に記載の方法を用いて合成した。得られた重合体(B1)は、重量平均分子量(Mw)が23,000、数平均分子量(Mn)が19,000、多分散度が1.19であった。得られた重合体(B1)を用いて、実施例1と同様に電子受容性材料との混合溶液を調製し、その混合溶液を用いて比較例1の有機薄膜太陽電池を製造した。
(比較例2)
ポリ6−ヒドロキシヘキシルチオフェンの重合体(B2)を、マクロモレキュラー ケミストリー アンド フィジックス(Macromolecular Chemistry and Physics),1997年,第198巻,3277頁に記載の方法を用いて合成した。しかしながら、溶解性が非常に低く、実施例1と同様に電子受容性材料との混合溶液を調製することが困難であった。
(比較例3)
ポリ3−ヘキシルチオフェンとポリ6−ヒドロキシヘキシルチオフェンとのランダム共重合体(B3)を、マクロモレキュルズ(Macromolecules),2005年,第38巻,7314頁に記載の方法を用いて合成した。得られた共重合体(B3)は、重量平均分子量(Mw)が23,100、数平均分子量(Mn)が20,200、多分散度が1.14であった。実施例1と同様に電子受容性材料との混合溶液を調製し、その混合溶液を用いて比較例3の有機薄膜太陽電池を製造した。
(比較例4)
ポリ3−ヘキシルチオフェンとポリ6−ブロモヘキシルチオフェンのブロック共重合体(B4)を、マクロモレキュルズ(Macromolecules),2011年,第44巻,8886頁(非特許文献4)に記載の方法を用いて合成した。得られた共重合体(B4)は、重量平均分子量(Mw)が15,000、数平均分子量(Mn)が12,800、多分散度が1.17であった。実施例1と同様に電子受容性材料との混合溶液を調製し、その混合溶液を用いて比較例4の有機薄膜太陽電池を製造した。
(有機薄膜太陽電池の評価)
得られた各実施例及び比較例の有機薄膜太陽電池の光電変換効率を300Wのソーラシミュレーター(ペクセルテクノロジー社製、商品名PEC L11:AM1.5Gフィルター、放射照度100mW/cm)で測定した。測定結果を表1及び表2に示す。
Figure 2013234210
Figure 2013234210
表1及び表2から明らかであるように、本発明のπ電子共役系ブロック共重合体を用いて製造した有機薄膜太陽電池は、本発明の適用外の有機薄膜太陽電池に比べて、変換効率が高く、3.0%を超えるものであった。
本発明のπ電子共役系ブロック共重合体は、電子受容性材料とともに混合されることで、光電変換素子を構成する有機光電変換層を形成する有機半導体組成物として有用である。このπ電子共役系ブロック共重合体を含有する有機半導体組成物から形成される光電変換素子は、光電変換機能、光整流機能などを利用した種々の光電変換デバイスへの応用が可能である。

Claims (7)

  1. 下記化学式(1)
    Figure 2013234210
    (R及びRは、それぞれ独立して炭素数1〜18の飽和アルキル基であるか、一方が炭素数1〜18の飽和アルキル基及び他方が水素原子であるか、又は、互いに結合し環を形成している基である。)
    で示される繰返し単位を含む重合体ブロックAと、
    下記化学式(2)
    Figure 2013234210
    (R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜18の飽和アルキル鎖、又は水酸基、ハロゲン原子、チオール基、チオエーテル基、アミノ基、アルコキシ基、シリル基、及び複素環基から選ばれる少なくとも一つの極性基で置換された炭素数1〜18の飽和アルキル鎖であり、かつ少なくとも一方が該極性基で置換された炭素数1〜18の飽和アルキル鎖であるか、又は互いに結合して環状を成し該極性基を有する環を形成している基である。)
    で示される繰返し単位を含む重合体ブロックBとが、
    連続又は非連続で連結し、数平均分子量が最小でも15,000g/モルであることを特徴とするπ電子共役系ブロック共重合体。
  2. 前記重合体ブロックA及び重合体ブロックBが連結したジブロック共重合体であることを特徴とする請求項1のπ電子共役系ブロック共重合体。
  3. 前記重合体ブロックAと、前記R及び/又はRが、水酸基で置換された炭素数1〜18の直鎖状、分枝状、脂環状の飽和アルキル基である前記重合体ブロックBとの組成比が、99:1〜70:30であることを特徴とする請求項1又は2に記載のπ電子共役系ブロック共重合体。
  4. 前記重合体ブロックAと、前記R及び/又はRが、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜18の直鎖状、分枝状、脂環状の飽和アルキル基である前記重合体ブロックBとの組成比が、99:1〜50:50であることを特徴とする請求項1又は2に記載のπ電子共役系ブロック共重合体。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載のπ電子共役系ブロック共重合体と電子受容性材料とを含むことを特徴とする有機半導体組成物。
  6. 前記電子受容性材料がフラーレン又はその誘導体を含有していることを特徴とする請求項5に記載の有機半導体組成物。
  7. 基板上に、請求項1〜4の何れかに記載のπ電子共役系ブロック共重合体と電子受容性材料とを含む有機半導体組成物を乾燥硬化してなる有機薄膜が、形成されていることを特徴とする光電変換素子。
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