JP2014234390A - 高い溶解性を示すπ電子共役共重合体 - Google Patents

高い溶解性を示すπ電子共役共重合体 Download PDF

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拓也 稲垣
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靖 森原
寛政 澁谷
Hiromasa Shibuya
寛政 澁谷
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明士 藤田
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Abstract

【課題】優れた光電変換効率を発現し、工業的に容易且つ安価に製造することができるπ電子共役共重合体を提供する。
【解決手段】下記式(1)で表される構成単位を少なくとも2種類有するπ電子共役共重合体である。
Figure 2014234390

[式(1)中、−a−はチオフェン環をその一部として含む縮合環を有する基であり、−b−はチエノチオフェン骨格及び窒素含有縮合ヘテロ環骨格のいずれかの縮合ヘテロ環骨格を有する基である。]
【選択図】なし

Description

本発明は、有機溶媒、特に非ハロゲン系有機溶媒に対し高い溶解性を示すπ電子共役共重合体、及びそのπ電子共役共重合体を含む光電変換素子に関するものである。
溶媒に可溶な高分子材料を用いて塗付法により生産できる有機薄膜太陽電池は、現在主流の太陽電池である多結晶シリコン、アモルファスシリコン、化合物半導体などの無機系太陽電池よりも安価に製造できるとされ、非常に注目されている。
有機薄膜太陽電池は、共役重合体と電子受容性材料を混合したバルクヘテロジャンクション構造を光電変換活性層として持つものが主流である。具体例としては、共役重合体としてポリ(3−ヘキシルチオフェン)(P3HT)を、電子受容性材料であるフラーレン誘導体として[6,6]−フェニルC61酪酸メチルエステル(PCBM)とを混合した光電変換活性層を有する有機薄膜太陽電池がある(非特許文献1)。
バルクヘテロジャンクション構造において透明電極から入射した光は共役重合体および/または電子受容性材料で吸収され、電子とホールの結合した励起子を生成する。生成した励起子が共役重合体と電子受容性材料が隣接しているヘテロ接合界面に移動し、ホールと電子に電荷分離する。ホールおよび電子は、それぞれ共役重合体相および電子受容性材料相に輸送されて電極より取り出される。従って、有機薄膜太陽電池の光電変換効率を高めるには、光電変換活性層の光吸収量を増大させ、共役重合体と電子受容性材料が相分離して形成するバルクヘテロジャンクション構造のモルフォロジ(形態)を制御することが重要である。
ポリ(3−ヘキシルチオフェン)は可視光領域に光吸収を持つが、さらなる長波長領域(近赤外領域)まで吸収を持つ共役重合体(以下、狭バンドギャップポリマーと略称することがある)が既に数多く提案されている(特許文献1、非特許文献2、3)。しかしながら、主鎖骨格が剛直な狭バンドギャップポリマーにおいて、溶媒への溶解性や電子受容性材料であるフラーレン誘導体との混合性を制御することは大きな課題である。
また、溶媒への溶解性や電子受容性材料であるフラーレン誘導体との混合性を制御する目的として、π電子共役ランダム共重合体が提供されている(非特許文献4)。しかし、上記ランダム共重合体の溶解性は確保されているものの、変換効率が1〜2%程度と低い。
特開2005−120379号公報
Angew.Chem.Int.Ed,47,58(2008) Adv.Mater.,22,E6(2010) Adv.Mater.,22,3839(2010) J.Poly.Sci.Poly.Chem.,50,1622(2012)
本発明は、かかる課題を解決するためになされたもので、優れた光電変換効率を発現し、工業的に容易且つ安価に製造することができるπ電子共役共重合体を与えること、またこのようなπ電子共役共重合体による電子受容性材料を含む組成物からなる光電変換素子を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するためになされた、特許請求の範囲の請求項1に係る発明のπ電子共役重合体は、
下記式(1)で表される構成単位を少なくとも2種類有することを特徴とする。
Figure 2014234390
[式(1)中、−a−は下記式(2)または(3)で表される基であり、
Figure 2014234390
Figure 2014234390
(式(2)及び(3)中、R〜Rは、アルキル基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アルキルオキシカルボニル基及びアルキルチオ基から選ばれる同一又は異なるいずれかの置換基。少なくとも1つの構成単位におけるR〜Rは、炭素数3又は4の分岐鎖状の前記置換基で、他の1つの構成単位におけるR〜Rは、炭素数5〜18の前記置換基。Arはアリール基又はヘテロアリール基で、nは0または1。)
で表される基であり、
−b−は置換基を有してもよいチエノチオフェン骨格及び置換基を有してもよい窒素含有縮合ヘテロ環骨格のいずれかの縮合ヘテロ環骨格を有する基である。]
同じく請求項2に係る発明のπ電子共役共重合体は、
前記−b−が下記式(4)〜(7)
Figure 2014234390
Figure 2014234390
Figure 2014234390
Figure 2014234390
(式(4)〜(7)中、Rは水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、アルコキシ基、アリール基またはハロゲン原子、Rは水素原子または炭素数1〜18のアルキル基、Rは炭素数1〜18のアルキル基、アルキルカルボニル基またはアルキルオキシカルボニル基、Xは水素原子またはハロゲン原子、VはC(R)、Si(R)、Ge(R)またはNRを、Vは酸素原子または硫黄原子を表し、nは0または1を表す。)
から選ばれるいずれかの縮合ヘテロ環骨格を有する基である請求項1に記載のπ電子共役共重合体であることを特徴とする。
同じく請求項3に係る発明のπ電子共役共重合体は、
前記式(1)で表される少なくとも1つの構成単位中の−a−が有するR〜Rは、炭素数3又は4の分岐鎖状のアルキル基もしくはアルコキシ基であり、前記式(1)で表される他の少なくとも1つの構成単位中の−a−が有するR〜Rは、炭素数5〜18のアルキル基もしくはアルコキシ基である請求項1又は2に記載のπ電子共役共重合体であることを特徴とする。
同じく請求項4係る発明のπ電子共役共重合体は、
前記−a−が下記式(2)で表される基であり、
Figure 2014234390
前記−b−が下記式(7)で表される基
Figure 2014234390
(式(2)及び(7)中、R、R、R、Ar、及びXは前記と同義)
である請求項1〜3のいずれか一項に記載のπ電子共役共重合体であることを特徴とする。
同じく請求項5に係る発明のπ電子共役共重合体は、非ハロゲン系溶媒に対する溶解度が少なくとも5mg/mLであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のπ電子共役共重合体であることを特徴とする。
同じく請求項6に係る発明のπ電子共役共重合体は、数平均分子量が20000〜1000000g/モルであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のπ電子共役共重合体であることを特徴とする。
同じく請求項7に係る発明のπ電子共役共重合体は、電子受容性材料及び請求項1〜6のいずれか一項に記載のπ電子共役共重合体を含む有機半導体組成物であることを特徴とする。
同じく請求項8に係る発明のπ電子共役共重合体は、請求項7に記載の有機半導体組成物からなる層を有する光電変換素子であることを特徴とする。
本発明のπ電子共役共重合体は、長さの異なる複数種類の側鎖を導入することによって、結晶性が適度に低下し電子受容性材料との混合性が向上し、さらに短鎖側鎖を分岐させることで、溶媒、特に非ハロゲン系溶媒への溶解性を高めることができる。結果、電子供与性材料と電子受容性材料との界面積が増大し、高い変換効率を有する光電変換素子を、容易且つ安価に製造することができる。
以下、本発明を実施するための好ましい形態について詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。
本発明のπ電子共役共重合体は、下記式(1)で表される構成単位(以下、構成単位(1)と称することがある)を少なくとも2種類有する。
Figure 2014234390
前記式(1)中、−a−は下記式(2)または(3)で表される基である。
Figure 2014234390
Figure 2014234390
(式(2)及び(3)中、R〜Rは、アルキル基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アルキルオキシカルボニル基及びアルキルチオ基から選ばれる同一又は異なるいずれかの置換基であり、Arはアリール基またはヘテロアリール基であり、nは0または1である。)
前記式(1)中、−b−はチエノチオフェン骨格及び窒素含有縮合ヘテロ環骨格のいずれかの縮合ヘテロ環骨格を有する基であり、置換基を有していてもよい。本発明のπ電子共役共重合体において、−a−と−b−とを相対比較して、−a−がドナー性(電子供与性)を示す基であり、−b−がアクセプター性(電子吸引性)を示す基であることが好ましい。重合体を構成する構成単位のバンドギャップは、−a−及び−b−の組み合わせにより制御することができ、バンドギャップを小さくすることにより、構成単位の吸収波長がより長くなり、長波長領域まで光吸収帯を持つことができる。すなわち、−a−がドナー性を示し、−b−がアクセプター性を示す構成単位−(a−b)−を含む重合体は、長波長領域まで光吸収帯を有する狭バンドギャップポリマーとなり、太陽光の光吸収量が増大するため、より優れた光電変換効率を発現させることができる。
なお、本発明における構成単位とは、重合体中に一定の繰返し構造を複数有する限り、ヘテロ環を複数連結した構造(例えば−a−b−)を一つの単位とみなす。本発明のπ電子共役共重合体において、式(1)で表される構成単位の置換基を除く環構造を構成する炭素原子のみの合計数は、6〜40であるのが好ましい。
本発明のπ電子共役共重合体は、式(1)で表される構成単位を少なくとも2種類有し、それら異なる構成単位がランダムに結合されたランダム共重合体であっても、ブロックを形成して結合されたブロック共重合体であってもよい。
π電子共役共重合体を構成する構成単位(1)のうち少なくとも1つが、式(1)中の−a−のR〜Rが炭素数3または4の分岐鎖状のアルキル基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アルキルオキシカルボニル基及びアルキルチオ基から選ばれるいずれかの置換基である。このような、分岐鎖状の短鎖の置換基の例としては、i−プロピル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、i−プロポキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、i−プロピルカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、i−プロピルチオ基などが挙げられる。
上記の中でも、分岐鎖状の短鎖の置換基であるR〜Rとしては、アルキル基もしくはアルコキシ基がより好ましく、アルキル基が特に好ましい。
また、π電子共役共重合体を構成する構成単位(1)のうち他の少なくとも1つが、式(1)中の−a−のR〜Rが炭素数5〜18のアルキル基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アルキルオキシカルボニル基及びアルキルチオ基から選ばれるいずれかの置換基である。これらの長鎖の置換基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。
炭素数5〜18のアルキル基としては、例えば、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などが挙げられる。
炭素数5〜18のアルコキシ基としては、例えば、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基などが挙げられる。
炭素数5〜18のアルキルカルボニル基としては、例えば、n−ヘキシルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、n−オクチルカルボニル基、n−デシルカルボニル基、n−ドデシルカルボニル基などが挙げられる。
炭素数5〜18のアルキルオキシカルボニル基としては、例えば、n−ヘキシルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基、n−デシルオキシカルボニル基、n−ドデシルオキシカルボニル基などが挙げられる。
炭素数5〜18のアルキルチオ基としては、例えば、n−ペンチルチオ基、n−ヘキシルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、n−ヘプチルチオ基、n−オクチルチオ基、シクロヘキシルチオ基などが挙げられる。
上記の中でも、炭素数5〜18の長鎖の置換基であるR〜Rとしては、アルキル基もしくはアルコキシ基がより好ましく、アルキル基が特に好ましい。
式中のArは、アリール基またはヘテロアリール基を表す。アリール基としては、例えばフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などが挙げられ、ヘテロアリール基としては、例えばチエニル基、フリル基、ピリジル基、ピロール基などが挙げられる。これらの中でも、チエニル基が特に好ましい。さらに、これらはアルキル基、アルコキシ基などの置換基を有していてもよい。
本発明のπ電子共役共重合体において、式(1)に表される構成単位であって分岐鎖状の短鎖の置換基を有するものの含有率は、特に限定されるものではないが、10%〜50%が好ましく、20%〜30%がより好ましい。また、式(1)に表される構成単位であって長鎖の置換基を有するものの含有率は、特に限定されるものではないが、50〜90%が好ましく、70〜80%がより好ましい。
本発明のπ電子共役共重合体において、分岐鎖状の短鎖の置換基を有する構成単位(1)と、長鎖の置換基を有する構成単位(1)との組成比は、99:1〜1:99であるのが好ましく、70:30〜30:70であるのがより好ましく、50:50〜30:70であるのが特に好ましい。
前記−b−において、窒素含有縮合ヘテロ環骨格としては、例えばベンゾチアジアゾール、ベンゾセレナジアゾール、ベンゾテルロジアゾール、ベンゾトリアゾール、ピリジノチアジアゾール、ピリジノセレナジアゾール、チエノチアジアゾール、ナフトビスチアジアゾール、ナフトチアジアゾール、チエノチオフェン、キノキサリン、ベンゾビスチアジアゾール、チエノピロール、ジケトピロロピロール、チアゾロチアゾール、トリアジン、テトラジンなどが挙げられる。−b−は、π電子共役共重合体の溶解性や極性を制御する目的で主鎖骨格に置換基を有していてもよい。
−b−としては、例えば、下記式(4)〜(7)で表される構造が好ましく使用できる。中でも(7)で表される構造が好ましい。
Figure 2014234390
Figure 2014234390
Figure 2014234390
Figure 2014234390
(式中、Rは水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、アルコキシ基、アリール基またはハロゲン原子、Rは水素原子または炭素数1〜18のアルキル基、Rは炭素数1〜18のアルキル基、アルキルカルボニル基またはアルキルオキシカルボニル基、Xは水素原子またはハロゲン原子、VはC(R)、Si(R)、Ge(R)またはNRを、Vは酸素原子または硫黄原子を表し、nは0または1を表す。)
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、及びR〜Rで例示した炭素数5〜18のアルキル基などが挙げられる。
前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブトキシ基、n−ヘキシル基、シクロヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、及びR〜Rで例示した炭素数5〜18のアルコキシ基などが挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
前記アルキルカルボニル基としては、例えばメチルカルボニル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、イソプロピルカルボニル基、tert−ブチルカルボニル基、sec−ブチルカルボニル基及びR〜Rで例示した炭素数5〜18のアルキルカルボニル基などが挙げられる。
前記アルキルオキシカルボニル基としては、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、及びR〜Rで例示した炭素数5〜18のアルキルオキシカルボニル基などが挙げられる。
各R〜Rは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。また、各R〜Rは、さらにアルコキシ基、ハロゲン原子、アルキルチオ基などの置換基を有していてもよい。
式(1)で表される構成単位の好ましい具体例としては、下記式(8)で表される構造が挙げられる。
Figure 2014234390
(式中、R、R、R及びXは前記と同義である。)
すなわち、式−(2)−(7)−(ここで、式(7)のn=0)で表される構成単位が式(8)であり、高い光電変換効率を発現し、溶媒や電子受容性材料に対して高い溶解性・相溶性を有するπ電子共役共重合体を与えることができる。
本発明のπ電子共役共重合体は、式(1)に表される構成単位であって分岐鎖状の短鎖の置換基を有するものと、式(1)に表される構成単位であって長鎖の置換基を有するものとを有する。各々の式(1)に表される構成単位は、主鎖を構成する縮合ヘテロ環骨格は同一でも、互いに異なっていてもよい。しかしながら、縮合へテロ環骨格が同一である場合、各構成単位のHOMO準位が近接するので、有機光電変換素子を作製した際の光電変換特性において、電荷再結合および開放電圧の低下が抑制され、光電変換効率がより向上する。
各々の式(1)に表される構成単位に含まれる縮合ヘテロ環骨格が互いに異なるとは、置換基を除いた主鎖骨格の少なくとも一部が互いに異なることを指す。すなわち、各々の式(1)に表される構成単位において、−a−または−b−が互いに異なることを意味する。
式(1)に表される構成単位であって分岐鎖状の短鎖の置換基を有するものと式(1)に表される構成単位であって長鎖の置換基を有するものとは、それぞれの−a−が有する置換基R〜Rは異なっている必要があるが、それぞれの−b−が有する置換基R〜Rは、同一であっても異なっていてもよい。
本発明のπ電子共役共重合体は、分岐鎖状の短鎖の置換基を有する構成単位(1)と長鎖の置換基を有する構成単位(1)とを併せ持つことにより、側鎖の秩序性が乱れ、分岐鎖状の短鎖の置換基側の空隙に電子受容性材料が収まりやすくなり、混合性を向上させることができる。加えて、溶媒分子との相互作用も促進され、その結果、本発明のπ電子共役共重合体は溶媒に対する高い溶解性を示すことができる。このような結果は、分岐鎖状の短鎖の置換基と、長鎖の置換基との炭素数の最大差が4以上であると、より良好に発現される。すなわち、長鎖の置換基は、炭素数7以上であるのがより好ましい。
本発明のπ電子共役共重合体は、溶媒の中でも、特に非ハロゲン系溶媒に対する高い溶解度を示し、非ハロゲン系溶媒に対する溶解度が少なくとも5mg/mLであるものが好ましい。非ハロゲン系溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、1,2−ジクロロエタン、シクロヘキサンベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、アニソール、メトキシベンゼン、ピリジンなどが挙げられる。ハロゲン化アルキル及びハロゲン化アリール系溶媒は、分解物として酸を発生させるため、反応容器を腐食させる恐れがあることから、工業的には不利である。よって、非ハロゲン系溶媒に対する溶解度が高い本発明のπ電子共役共重合体は、例えば、再沈殿等を精製する際や、後述する組成物に加工する際にも工業的に有利である。
π電子共役共重合体の数平均分子量は、加工性、結晶性、溶解性、光電変換特性などの観点から、20,000〜1000000g/モルの範囲であるのがより好ましい。ここで、数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと称することがある)によるポリスチレン換算の分子量を意味する。本発明のπ電子共役共重合体の数平均分子量はテトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、ジメチルホルムアミド(DMF)などの溶媒を用いて数平均分子量を求めることができる。
本発明のπ電子共役共重合体は、本発明の効果を損ねない範囲で上記以外の有機基をポリマー鎖に有していてもよい。そのような他の有機基としては、例えば、−a−単位の基、−b−単位の基、またはそれ以外の単環もしくは縮環(ヘテロ)アリーレン基などが挙げられる。
本発明のπ電子共役共重合体は、必要に応じて他のπ電子共役重合体との連結体、すなわちブロック共重合体、グラフト共重合体、デンドリマーを形成していてもよい。他のπ電子共役重合体との連結体にすることで、電子受容性成分との混和性を有する部分と電子受容性成分との混和性を有さない部分とを相分離させ、光電変換素子の特性に優れたモルフォロジを形成することが可能である。
本発明のπ電子共役共重合体は、例えば、式(1)に表される構成単位であって分岐鎖状の短鎖の置換基を有するものである−(a−b)−を構成する単量体と、式(1)に表される構成単位であって長鎖の置換基を有するものである−(a’−b)−もしくは−(a’−b’)−を構成する単量体とを、所望の仕込み比で混合し、重合することで製造することができる。
ここで、式(1)に表される構成単位であって分岐鎖状の短鎖の置換基を有するもの−(a−b)−と式(1)に表される構成単位であって長鎖の置換基を有するもの−(a’−b)−とを有するπ電子共役共重合体の製造方法について、例を挙げて説明する。下記反応式(I)に従い、触媒の存在下で−(a−b)−および−(a’−b)−を構成するモノマーであるMq1−a−Mq1とMq1−a’−Mq1とMq2−b−Mq2とを反応させ、カップリング反応によって重合することで、本発明のπ電子共役共重合体を得ることができる。
Figure 2014234390
式(I)中、−a−、−a’−、及び−b−は、構成単位−(a−b)−および−(a’−b)−の少なくとも一部を構成する縮合ヘテロ環骨格を表し、Mq1、Mq2は同一でなくそれぞれ独立してハロゲン原子、またはボロン酸、ボロン酸エステル、−MgX、−ZnX、−SiXもしくは−SnR (但し、Rは炭素数1〜4の直鎖アルキル基、Xはハロゲン原子)である。つまりMq1がハロゲン原子の場合、Mq2はボロン酸、ボロン酸エステル、−MgX、−ZnX、−SiXまたは−SnR であり、逆にMq2がハロゲン原子の場合、Mq1はボロン酸、ボロン酸エステル、−MgX、−ZnX、−SiXまたは−SnR となる。
上記で用いられる触媒は、遷移金属の錯体を好適に用いることができる。例えば、周期表(18族長周期型周期表)の3〜10族、中でも8〜10族に属する遷移金属の錯体が挙げられる。具体的には、公知のNi,Pd,Ti,Zr,V,Cr,Co,Feなどの錯体が挙げられる。中でも、Ni錯体やPd錯体がより好ましい。また、使用する錯体の配位子としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリt−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(2−メチルフェニル)ホスフィンなどの単座ホスフィン配位子;ジフェニルホスフィノメタン(dppm)、1,2−ジフェニルホスフィノエタン(dppe)、1,3−ジフェニルホスフィノプロパン(dppp)、1,4−ジフェニルホスフィノブタン(pddb)、1,3−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)プロパン(dcpp)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf)、2,2−ジメチル−1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンなどの二座ホスフィン配位子;テトラメチルエチレンジアミン、ビピリジン、アセトニトリルなどの含窒素系配位子などが含有されていることが好ましい。
触媒の使用量は製造するπ電子共役共重合体の種類によって異なるが、単量体に対して0.001〜0.1モルが好ましい。触媒が多すぎると得られる重合体の分子量低下の原因となり、また経済的にも不利である。一方、少なすぎると反応速度が遅くなり、安定した生産が困難になる。
本発明のπ電子共役共重合体は溶媒の存在下で製造することが好ましい。製造に用いることができる溶媒は、一般的に市販されている溶媒を選択することができる。例えばテトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメチルエーテル、エチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ブチルメチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジフェニルエーテルなどのエーテル系溶媒、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの脂肪族または脂環式飽和炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒、水ならびにこれらの混合物などが挙げられる。なお、ハロゲン化アルキル及びハロゲン化アリール系溶媒は、分解物として酸を発生させるため、反応容器を腐食させる恐れがあることから、工業的には不利である。
かかる有機溶媒の使用量としては製造するπ電子共役共重合体の単量体に対して1〜1000重量倍の範囲であることが好ましい。
重合温度は製造するπ電子共役共重合体の種類によって異なるが、通常−80〜200℃の範囲で実施される。反応系の圧力は特に限定されないが、0.1〜10気圧が好ましい。通常1気圧前後で反応を行なう。また、反応時間は製造するπ電子共役共重合体によって異なるが、通常20分〜100時間である。
得られるπ電子共役共重合体は、例えば再沈殿、加熱下での溶媒除去、減圧下での溶媒除去、水蒸気による溶媒の除去(スチームストリッピング)などのような、π電子共役共重合体を溶液から単離する際の通常の操作によって、反応混合液及び副生成物から分離、取得することができる。得られた粗生成物はソックスレー抽出器を用いて市販されている溶媒により洗浄または抽出することで精製することができる。例えば、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメチルエーテル、エチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ブチルメチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジフェニルエーテルなどとエーテル系溶媒、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの脂肪族または脂環式飽和炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、エチルメチルケトン、ジエチルケトンなどのケトン系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒、水ならびにこれらの混合物などが挙げられる。
π電子共役共重合体は、末端基として、ハロゲン原子、トリアルキルスズ基、ボロン酸基、ボロン酸エステル基などのカップリング残基、またはそれらの原子もしくは基が脱離した水素原子を有していてもよく、さらにこれらの末端基が臭化ベンゼンなどの芳香族ハロゲン化物や、芳香族ボロン酸化合物などからなる末端封止剤で置換された末端構造であってもよい。
次に、本発明のπ電子共役共重合体と電子受容性材料とを含む組成物について説明する。本発明のπ電子共役共重合体は、電子受容性材料と混合して有機半導体組成物とすることができ、例えば光電変換素子の光電変換活性層などに用いることができる。本発明の有機半導体組成物を構成する電子受容性材料は、n型半導体特性を示す有機材料であれば特に限定されないが、例えば1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボキシリックジアンハイドライド(NTCDA)、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボキシリックジアンハイドライド(PTCDA)、N,N'−ジオクチル−3,4,9,10−ナフチルテトラカルボキシジイミド(NTCDIC8H)、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールや2,5−ジ(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾールなどのオキサゾール誘導体、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾールなどのトリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、C60またはC70などのフラーレン誘導体、カーボンナノチューブ(CNT)、ポリ−p−フェニレンビニレン系重合体にシアノ基を導入した誘導体(CN−PPV)などが挙げられる。これらはそれぞれ単体で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらの中でも、安定且つキャリア移動度に優れるn型半導体という観点からフラーレン誘導体が好ましく用いられる。
n型有機半導体として好適に用いられるフラーレン誘導体は、C60、C70、C76、C78、C82、C84、C90、C94を始めとする無置換のものと、[6,6]−フェニルC61ブチリックアシッドメチルエステル(PC61BM)、[5,6]−フェニルC61ブチリックアシッドメチルエステル、[6,6]−フェニルC61ブチリックアシッドn−ブチルエステル、[6,6]−フェニルC61ブチリックアシッドi−ブチルエステル、[6,6]−フェニルC61ブチリックアシッドヘキシルエステル、[6,6]−フェニルC61ブチリックアシッドドデシルエステル、[6,6]−ジフェニルC62ビス(ブチリックアシッドメチルエステル)(bis−PC62BM)、[6,6]−フェニルC71ブチリックアシッドメチルエステル(PC71BM)、[6,6]−ジフェニルC72ビス(ブチリックアシッドメチルエステル)(bis−PC72BM)、インデンC60−モノ付加体、インデンC60−ビス付加体、インデンC70−モノ付加体、インデンC70−ビス付加体をはじめとする置換誘導体などが挙げられる。
フラーレン誘導体は単独またはそれらの混合物として用いることができる。有機溶媒に対する溶解性の観点から、PC61BM、bis−PC62BM、PC71BM、bis−PC72BM、インデンC60−モノ付加体、インデンC60−ビス付加体、インデンC70−モノ付加体、インデンC70−ビス付加体が好適に用いられる。さらにこれらの中で、光吸収の観点からは、PC71BM、bis−PC72BM、インデンC70−モノ付加体、インデンC70−ビス付加体が、製造コストの観点からは、PC61BM、bis−PC62BM、インデンC60−ビス付加体がより好適に用いられる。
有機半導体組成物中の電子受容性材料の割合は、π電子共役共重合体100重量部に対して、10〜1000重量部であることが好ましく、50〜500重量部であることがより好ましい。組成物には、発明の目的を阻害しない範囲において、界面活性剤やバインダー樹脂、フィラーなどの他の成分を含んでいてもよい。
π電子共役共重合体および電子受容性材料の混合方法としては特に限定されるものではないが、所望の比率で溶媒に添加した後、加熱、攪拌、超音波照射などの方法を1種または複数種組み合わせて溶媒中に溶解させ、溶液とする方法が挙げられる。
溶媒としては特に限定されないが、π電子共役共重合体、電子受容性材料のそれぞれについて溶解度が5mg/mL以上である溶媒を用いることが製膜上の観点より好ましい。さらに、膜厚を任意に制御する観点からは、π電子共役共重合体、電子受容性材料のそれぞれについて、50℃における溶解度が8mg/mL以上の溶媒を用いることがより好ましい。また、これら溶媒の沸点は、室温から200℃の範囲にあるものが製膜性および後述する製造プロセスの観点より好ましく、また非ハロゲン系溶媒が工業的な観点からより好ましい
これらの溶媒としては、前記の非ハロゲン系溶媒が好ましく用いられる。溶媒は単独で用いてもよく、2種類以上混合して用いてもよいが、特にπ電子共役共重合体および電子受容性材料の両方に対して溶解度が高いトルエン、o−キシレンおよびこれらの混合物が好ましく用いられる。
前記の溶液にはπ電子共役共重合体および電子受容性材料以外に沸点が溶媒より高い添加物を含んでもよい。添加物を含有させることによってπ電子共役共重合体および電子受容性材料の微細且つ連続した相分離構造が層に形成されるため、光電変換効率に優れる光電変換活性層を得ることが可能となる。該添加物としては、オクタンジチオール(沸点:270℃)、ジブロモオクタン(沸点:272℃)、ジヨードオクタン(沸点:327℃)、ジヨードヘキサン(沸点:142℃[10mmHg])、ジヨードブタン(沸点:125℃[12mmHg])、ジエチレングリコールジエチルエーテル(沸点:162℃)、N−メチル−2−ピロリドン(沸点:229℃)、1−または2−クロロナフタレン(沸点:256℃)などが例示される。これらの中で、光電変換効率に優れる光電変換素子を得るという観点から、オクタンジチオール、ジブロモオクタン、ジヨードオクタン、1−または2−クロロナフタレンが好ましく用いられる。
添加物の添加量は、π電子共役共重合体および電子受容性材料が析出せず、均一な溶液を与えるものであれば特に限定されないが、溶媒に対して体積分率で0.1〜20%であることが好ましい。添加物の添加量が0.1%よりも少ない場合は微細且つ連続した相分離構造が形成されるに十分な効果を得ることができず、20%よりも多い場合は、溶媒および添加物の乾燥速度が遅くなり、均質な有機薄膜を得ることが困難となる。より好ましくは0.5〜10%の範囲である。
本発明の光電変換素子は、上記π電子共役共重合体および電子受容性材料を含む有機半導体組成物からなる光電変換活性層を有する。光電変換素子は、少なくとも一方が光透過性を有する一対の電極、つまり正極と負極との間に、光電変換活性層を有するものである。
光電変換素子は、基板上に形成される。この基板は、電極を形成し、有機物の層を形成する際に変化しないもので、例えば無アルカリガラス、石英ガラス、シリコンなどの無機材料、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリパラキシレン、エポキシ樹脂やフッ素系樹脂などの有機材料から任意の方法によって作製されたフィルムや板が使用可能である。不透明な基板の場合には、反対の電極即ち、基板から遠い方の電極が透明または半透明であることが好ましい。透明な基板の場合には、基板に接する方の電極を光透過性を有する電極にしてもよい。基板の膜厚は特に限定されないが、通常1μm〜10mmの範囲である。
光透過性を有する透明または半透明の電極材料としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜などが挙げられる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、及びそれらの複合体であるインジウム・スズ・オキサイド(ITO)、フッ素・スズ・オキサイド(FTO)、アンチモン・スズ・オキサイド、インジウム・亜鉛・オキサイド(IZO)、ガリウム・亜鉛・オキサイド、アルミニウム・亜鉛・オキサイド、アンチモン・亜鉛・オキサイドからなる導電性材料を用いて作製された膜や、金、白金、銀、銅の極薄膜が用いられ、ITO、FTO、IZO、酸化スズが好ましい。電極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法などが挙げられる。また、透明な電極材料として、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体などの有機の透明導電膜を用いてもよい。
対向電極材料としては、公知の金属、導電性高分子などを用いることができ、光透過性を有さなくてもよく、透明または半透明であってもよい。好ましくは一対の電極のうち、一方の電極は仕事関数の小さい材料が好ましい。例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウムなどの金属、及びそれらのうち2つ以上の合金、またはそれらのうち1つ以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1つ以上との合金、グラファイトまたはグラファイト層間化合物などが用いられる。合金の例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金などが挙げられる。
光電変換素子に用いる電極は、一方に仕事関数の大きな導電性素材、もう一方に仕事関数の小さな導電性素材を使用することが好ましく、このとき、仕事関数の大きな導電性素材を用いた電極は正極となり、仕事関数の小さな導電性素材を用いた電極は負極となる。
π電子共役共重合体を含む組成物からなる光電変換活性層の膜厚は、通常、1nm〜1μmであり、好ましくは2〜1000nmであり、より好ましくは5〜500nmであり、さらに好ましくは20〜300nmである。膜厚が薄すぎると光が十分に吸収されず、逆に厚すぎるとキャリアが電極へ到達し難くなる。
前記組成物を含有する溶液を基板または支持体へ塗工して光電変換活性層を形成することができる。塗工方法は特に制限されず、液状の塗工材料を用いる従来から知られている塗工方法のいずれもが採用できる。例えば浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、インクジェット法、エアロゾルジェット法、スピンコーティング法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング法、カーテンコーティング法、スリットダイコーター法、グラビアコーター法、スリットリバースコーター法、マイクログラビア法、コンマコーター法などの塗工方法を採用することができ、塗膜厚さ制御や配向制御など、得ようとする塗膜特性に応じて塗布方法を選択すればよい。
前記光電変換活性層は、必要に応じて熱または溶媒アニールを行ってもよい。アニール処理を施すことで、光電変換活性層材料の結晶性と、p型有機半導体とn型有機半導体との相分離構造を変化させ、光電変換特性に優れる素子を得ることができる。尚、このアニール処理は、負極の形成後に行ってもよい。
熱アニールは、前記光電変換活性層を製膜した基板を所望の温度で保持して行う。減圧下または不活性ガス雰囲気下で行ってもよく、好ましい温度は40℃〜150℃、より好ましくは70℃〜150℃である。温度が低いと十分な効果が得られず、温度が高すぎると有機薄膜が酸化及び/または分解し、十分な光電変換特性を得ることができない。
溶媒アニールは、前記光電変換活性層を製膜した基板を溶媒雰囲気下で所望の時間保持することで行う。このときのアニール溶媒は特に限定されないが、前記光電変換活性層に対する良溶媒であることが好ましい。溶媒アニールは、光電変換活性層を構成する有機半導体組成物を基板上に塗工して、当該組成物中に溶媒が残存した状態で行ってもよい。
本発明の光電変換素子は、必要に応じて正極と有機光電変換層の間にさらに正孔輸送層を設けてもよい。正孔輸送層を形成する材料としては、p型半導体特性を有するものであれば特に限定されないが、ポリチオフェン系重合体、ポリアニリン系重合体、ポリ−p−フェニレンビニレン系重合体、ポリフルオレン系重合体などの導電性高分子や、フタロシアニン誘導体(HPc、CuPc、ZnPcなど)、ポルフィリン誘導体などのp型半導体特性を示す低分子有機化合物、酸化モリブデン、酸化亜鉛、酸化バナジウムなどの金属酸化物が好ましく用いられる。特に、ポリチオフェン系重合体であるポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)やPEDOTにポリスチレンスルホネート(PSS)が添加されたものが好ましく用いられる。正孔輸送層は1〜600nmの厚さが好ましく、より好ましくは20〜300nmである。
本発明の光電変換素子は、必要に応じて負極と活性層の間にさらに電子輸送層を設けてもよい。電子輸送層を形成する材料としては、n型半導体特性を有するものであれば特に限定されないが、上述の電子受容性有機材料(NTCDA、PTCDA、NTCDI−C8H、オキサゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、フラーレン誘導体、CNT、CN−PPVなど)およびポリフルオレンなどが好ましく用いられる。電子輸送層は0.1〜600nmの厚さが好ましく、より好ましくは0.5〜100nmである。
正極と活性層の間に正孔輸送層を作製するに際し、例えば溶媒に可溶な導電性高分子の場合には浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、インクジェット法、エアロゾルジェット法、スピンコーティング法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング法、カーテンコーティング法、スリットダイコーター法、グラビアコーター法、スリットリバースコーター法、マイクログラビア法、コンマコーター法などで塗布することができる。フタロシアニン誘導体やポルフィリン誘導体などの低分子有機材料を使用する場合には、真空蒸着機を用いた蒸着法を適用することが好ましい。電子輸送層についても同様にして作製することができる。
光電変換素子は必要に応じ、電極と光電変換活性層と電極との間に電荷移動を円滑にするバッファー層として金属フッ化物を設けてもよい。金属フッ化物としては、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化セシウムなどが挙げられるが、特にフッ化リチウムが好ましく用いられる。バッファー層は0.05nmから50nmの厚さが好ましく、0.5nmから20nmがより好ましい。これらの金属フッ化物を製膜する方法は特に限定されないが、任意の膜厚を制御する観点から真空蒸着機を用いた蒸着法を適用することが好ましい。
光電変換素子は、タンデム型光電変換素子として用いてもよい。タンデム型光電変換素子は、文献公知の方法、例えばサイエンス,2007年,第317巻,pp222に記載の方法を用いて作製することができる。具体的には、電荷再結合層を、長波長側(〜1100nm)まで光吸収し光電変換可能な光電変換活性層(I)と紫外〜可視光領域(190〜700nm)の光電変換が可能な光電変換活性層(II)とで挟み込んだ構造が挙げられる。この光電変換活性層(I)と光電変換活性層(II)との接続順は逆であってもよい。
また、本発明の光電変換素子は、光電変換機能、光整流機能などを利用した種々の光電変換デバイスへの応用が可能である。例えば光電池(太陽電池など)、電子素子(光センサ、光スイッチ、フォトトランジスタなど)、光記録材(光メモリなど)などに有用である。
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、上記した各工程で得られる材料について、また下記の工程で製造される材料について、その物性測定および精製は、以下の如くして行った。
<重量平均分子量・数平均分子量>
重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、いずれもゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)による測定に基づき、ポリスチレン換算値で求められたものである。ここでは、GPC装置として、東ソー株式会社製のHLC−8320(品番)を用い、カラムとして、東ソー株式会社製のTSKgel Multipore HZの2本を直列に繋いだものを用いた。また、カラム及びインジェクターは40℃とし、溶出溶媒として、クロロホルムを用いた。
<重合体の精製>
重合体の精製には分取用のGPCカラムを用いて精製を行なった。用いた装置は、日本分析工業株式会社製のRecycling Preparative HPLC LC−908を用いた。なお、カラムの種類は、日本分析工業株式会社製のスチレン系ポリマーカラム 2H−40および2.5H−40を2本直列に接続したものである。また、溶出溶媒はクロロホルムを用いた。
H−NMRの測定>
H−NMR測定には日本電子株式会社製JEOLJNM−EX270FT−NMR装置を用いた。なお、本明細書中、特に記載がなければH−NMRは270MHz、溶媒はクロロホルム(CDCl)、室温下で測定したものである。
また、本文中において使用される略字の意味は、EtHexおよびHexEtは2−エチルヘキシル基、iprはイソプロピル基である。
[合成例1]
1Lの三口フラスコに、ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェンー4,8−ジオン(30g、133.7mmol)、テトラヒドロフラン(350mL)を加えて、0℃に冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(11.34g、300mmol)のテトラヒドロフラン(150mL)溶液をゆっくりと滴下した。滴下後、120℃で1時間加熱した。加熱後、80℃にし、2−ヨードプロパン(57.8g、340mmol)を滴下し、再び120℃で3時間加熱した。加熱後、ヘキサン(200mL×3)で抽出し、水(200mL×2)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した後に減圧下で溶媒を留去することで得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製することにより橙色固体として4,8・ビス(イソプロピルオキシ)ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン 5.85g(14%)得た。
Figure 2014234390
H−NMR:δ=7.48(d、J=5Hz、2H)、7.33(d、J=5Hz、2H)、4.32(m、1H)、1.82−1.30(d、J=1.5Hz、12H)、0.43(s、18H)
[合成例2]
2,6−ビス(トリメチルチン)−4,8−ビス(イソプロピルオキシ)ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェンは、J.Am.Chem.Soc.,131,7792(2009)に記載されている方法により、4,8‐ビス(イソプロピルオキシ)ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェンから合成した。
Figure 2014234390
H−NMR:δ=7.51(s、2H)、4.32(m、1H)、1.82−1.30(d、J=4.0Hz、12H)、0.43(s、18H)
[実施例1]
下記反応式に従い共重合体A1の合成を行った。
Figure 2014234390
窒素雰囲気下、50mLのナスフラスコに、エチルヘキシル−4,6−ジブロモ−3−フルオロチエノ[3,4−b]チオフェン−2−カルボキシレート(以下、「モノマー1」と称する)(0.32g,0.75mmol)、2,6−ビス(トリメチルスズ)−4,8−(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン(以下、「モノマー2」と称する)(0.53g,0.68mmol)、2,6−ビス(トリメチルスズ)−4,8−(イソプロピルオキシ)ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン(以下、「モノマー3」と称する)(0.19g,0.29mmol)を加え、次いでDMF(2.9mL)、m−キシレン(12mL)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(30mg、26μmol)を加え、115℃で8時間加熱した。反応終了後、反応溶液を濃縮し、メタノール(500mL)に注ぎ、析出した固体を濾取し、得られた固体を減圧乾燥することで粗生成物を得た。粗生成物を、ソックスレー抽出機を用いてアセトン(200mL)、ヘキサン(200mL)で洗浄した後に、塩化メチレン(200mL)で抽出した。有機層を濃縮乾固し、得られた黒紫色の固体を、クロロホルム(25mL)に溶解させ、メタノール(450mL)で再沈殿した。得られた個体を濾取した後に減圧乾燥することで黒紫色の固体として、共重合体A1(0.47g,93%)を得た。得られた共重合体A1の分岐状の短鎖の置換基を有する構成単位(1)と長鎖の置換基を有する構成単位(1)との組成比は30:70であり、数平均分子量(Mn)は35,000、多分散度は20.5であった。
H−NMR:δ=7.60−7.30(br)、4.40−4.00(br)、3.50−3.00(br)、1.80−1.57(br)、1.50−1.20(br)、1.00−0.80(br)
[実施例2]
モノマー1を0.32g(0.75mmol)、モノマー2を0.45g(0.58mmol)、モノマー3を0.15g(0.23mmol)用いた以外は、実施例1と同様にして共重合体A2(0.39g,77%)を得た。得られた共重合体A2の分岐状の短鎖の置換基を有する構成単位(1)と長鎖の置換基を有する構成単位(1)との組成比は30:70であり、数平均分子量(Mn)は161,000、多分散度は10.1であった。
H−NMR:δ=7.60−7.30(br)、4.40−4.00(br)、3.50−3.00(br)、1.80−1.57(br)、1.50−1.20(br)、1.00−0.80(br)
[比較例1]
Figure 2014234390
窒素雰囲気下、50mLのナスフラスコに、モノマー2(84mg,0.11mmol)、2,6−ビス(トリメチルチン)−4,8−ジプロピルベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン(30mg,0.05mmol)およびモノマー1(50.1mg,0.12mmol)を加え、重合溶媒としてDMF(0.3mL)、トルエン(1.4mL)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(3.4mg,2.98μmol)を加え、110℃で10時間加熱した。反応終了後、反応溶液をメタノール(500mL)に注ぎ、析出した固体を濾取し、得られた固体を減圧乾燥することで粗生成物を得た。得られた粗生成物を、実施例1と同様に処理することで黒紫色の共重合体B1(80mg,92%)を得た。得られた共重合体B1の分岐状の短鎖の置換基を有する構成単位(1)と長鎖の置換基を有する構成単位(1)との組成比は30:70であり、Mnは44,000、多分散度は25.0であった。
H−NMR:δ=7.60−7.30(br)、4.30−4.00(br)、3.20−3.00(br)、2.00−1.00(br)、0.90−0.40(br)
[比較例2]
Figure 2014234390
窒素雰囲気下、50mLのナスフラスコに、2,6−ビス(トリメチルチン)−4,8−ジドデシルベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン(94mg,0.11mmol)、2,6−ビス(トリメチルチン)−4,8−ジプロピルベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン(30mg,0.05mmol)およびモノマー1(50mg,0.12mmol)を加え、重合溶媒としてDMF(0.3mL)、トルエン(1.4mL)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(3.4mg,2.98μmol)を加え、容器内をアルゴンガスで20分間バブリングした後に、110℃で10時間加熱した。反応終了後、反応溶液をメタノール(500mL)に注ぎ、析出した固体を濾取し、得られた固体を減圧乾燥することで粗生成物を得た。得られた粗生成物を実施例1と同様に処理することで黒紫色の共重合体B2(76mg,89%)を得た。得られた共重合体B2の分岐状の短鎖の置換基を有する構成単位(1)と長鎖の置換基を有する構成単位(1)との組成比は50:50であり、Mnは34,000、PDIは3.92であった。
H−NMR:δ=7.60−7.30(br)、3.30−3.00(Br)、2.09−1.10(br)、1.00−0.60(br)
[比較例3]
Figure 2014234390
窒素雰囲気下、50mLのナスフラスコに、モノマー2(84mg,0.11mmol)、2,6−ビス(トリメチルチン)−4,8−ビス(プロピルオキシ)ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン(31mg,0.05mmol)およびモノマー1(50mg,0.12mmol)を加え、重合溶媒としてDMF(0.3mL)、トルエン(1.4mL)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(3.4mg,2.98μmol)を加え、容器内をアルゴンガスで20分間バブリングした後に、110℃で10時間加熱した。反応終了後、反応溶液をメタノール(500mL)に注ぎ、析出した固体を濾取し、得られた固体を減圧乾燥することで粗生成物を得た。得られた粗生成物を、実施例1と同様に処理することで黒紫色の固体として共重合体B3(65mg、81%)を得た。得られた共重合体B3の分岐状の短鎖の置換基を有する構成単位(1)と長鎖の置換基を有する構成単位(1)との組成比は30:70であり、Mnは36,000、多分散度は9.50であった。
H−NMR:δ=7.60−7.30(br)、4.40−4.00(br)、3.20−3.00(br)、2.00−1.00(br)、0.90−0.40(br)
上記の実施例及び比較例で得られた各共重合体について、溶媒としてトルエン及びテトラヒドロフラン(THF)を用い、溶解度を測定した(液温50℃にて測定)。その結果を表1及び表2に示す。

Figure 2014234390
Figure 2014234390
表1から明らかなとおり、分岐状の短鎖の置換基と長鎖の置換基とを併せ持つ本発明の重合体は、トルエン及びTHFに対し、高い溶解度を示した。このことは、光電変換素子の製造において、本発明の重合体を用いて塗布法により光電変換層を形成するにあたって、簡便に均一な光電変換層を製造することができることを示している。一方、短鎖の置換基が分岐していない比較例1〜3の重合体においては、トルエン及びTHFに対する溶解度が低く、光電変換素子の製造には不適であることが明らかとなった。

Claims (8)

  1. 下記式(1)で表される構成単位を少なくとも2種類有するπ電子共役共重合体。
    Figure 2014234390
    [式(1)中、−a−は下記式(2)または(3)
    Figure 2014234390
    Figure 2014234390
    (式(2)及び(3)中、R〜Rは、アルキル基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アルキルオキシカルボニル基及びアルキルチオ基から選ばれる同一又は異なるいずれかの置換基。少なくとも1つの構成単位におけるR〜Rは、炭素数3又は4の分岐鎖状の前記置換基で、他の1つの構成単位におけるR〜Rは、炭素数5〜18の前記置換基。Arはアリール基又はヘテロアリール基で、nは0または1。)
    で表される基であり、
    −b−はチエノチオフェン骨格及び窒素含有縮合ヘテロ環骨格のいずれかの縮合ヘテロ環骨格を有する基である。]
  2. 前記−b−が下記式(4)〜(7)
    Figure 2014234390
    Figure 2014234390
    Figure 2014234390
    Figure 2014234390
    (式(4)〜(7)中、Rは水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、アルコキシ基、アリール基またはハロゲン原子、Rは水素原子または炭素数1〜18のアルキル基、Rは炭素数1〜18のアルキル基、アルキルカルボニル基またはアルキルオキシカルボニル基、Xは水素原子またはハロゲン原子、VはC(R)、Si(R)、Ge(R)またはNRを、Vは酸素原子または硫黄原子を表し、nは0または1を表す。)
    から選ばれるいずれかの縮合ヘテロ環骨格を有する基である請求項1に記載のπ電子共役共重合体。
  3. 前記式(1)で表される少なくとも1つの構成単位中の−a−が有するR〜Rは、炭素数3又は4の分岐鎖状のアルキル基もしくはアルコキシ基であり、前記式(1)で表される他の少なくとも1つの構成単位中の−a−が有するR〜Rは、炭素数5〜18のアルキル基もしくはアルコキシ基である請求項1又は2に記載のπ電子共役共重合体。
  4. 前記−a−が下記式(2)で表される基であり、
    Figure 2014234390
    前記−b−が下記式(7)で表される基
    Figure 2014234390
    (式(2)及び(7)中、R、R、R、Ar、及びXは前記と同義)
    である請求項1〜3のいずれか一項に記載のπ電子共役共重合体。
  5. 非ハロゲン系溶媒に対する溶解度が少なくとも5mg/mLであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のπ電子共役共重合体。
  6. 数平均分子量が20000〜1000000g/モルであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のπ電子共役共重合体。
  7. 電子受容性材料及び請求項1〜6のいずれか一項に記載のπ電子共役共重合体を含む有機半導体組成物。
  8. 請求項7に記載の有機半導体組成物からなる層を有する光電変換素子。
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JP2019507215A (ja) * 2016-01-27 2019-03-14 エルジー・ケム・リミテッド 共重合体およびこれを含む有機太陽電池

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