JP5658633B2 - 有機半導体用組成物及びそれを用いた光電変換素子 - Google Patents

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Description

本発明は、有機薄膜を形成する有機半導体用組成物及びその有機薄膜による光電変換素子に関するものである。
太陽光発電は、再生可能エネルギーの中でも特に潜在的な利用可能量が多いことから、石油代替エネルギーの筆頭として近年特に着目されている。太陽光発電を担う素子として単結晶シリコン、アモルファスシリコン等のシリコン系太陽電池、GaAs、CIGS、CdTe等の無機化合物系薄膜太陽電池等がある。これらの太陽電池は比較的高い光電変換効率を有するが、高価格である。このコスト高の要因は、高真空且つ高温下で半導体薄膜を製造しなくてはならないプロセスにある。そこで製造プロセスの簡略化が期待される有機半導体材料を用いた有機薄膜太陽電池が検討されている。
有機半導体材料は塗布法や印刷法により製膜できるため、製造プロセスを簡便化し、発電コストを低減することが期待される。また、軽量且つフレキシブルな素子及びモジュールを作製できることから可搬性に優れ、電気的インフラの整備されていない地域においても簡便に電気エネルギーを利用できる可能性を秘めている。さらに、有機半導体は分子設計により吸収帯域を制御できることから、様々な色調で意匠性に優れる太陽電池を提供できる。
有機薄膜太陽電池の素子構成としては電子供与性有機材料(p型有機半導体)と仕事関数の小さな金属を接合させるショットキー型、電子供与性有機材料(p型有機半導体)と電子受容性有機材料(n型有機半導体)とを接合させるヘテロ接合型等がある。しかし、これらの光電変換素子は電荷分離を起こすpn接合界面の面積が小さいため光電変換効率が低い問題を有する。
そこで有機薄膜太陽電池の光電変換効率を向上させる一つの方法として、電子供与性有機材料(p型有機半導体)と電子受容性有機材料(n型有機半導体)とを混合し、電荷分離を起こすpn接合界面の面積を増大させたバルクヘテロ接合型の光電変換素子が提案され、現在の主流となっている。バルクヘテロ接合型の光電変換素子において高い光電変換効率を達成するためには、電子供与性有機材料(p型有機半導体)と電子受容性有機材料(n型有機半導体)との相分離構造制御が重要である。
このような技術開発が進んでも尚、有機薄膜太陽電池はシリコン系や無機化合物系薄膜太陽電池と比較して光電変換効率が低いことが現状の課題の一つである。
有機薄膜太陽電池の光電変換効率を抜本的に向上させる手段の一つとして、光吸収特性に優れる活性層材料の適用が考えられる。例えば、特許文献1に、ジケトピロロピロール化合物を含んでなる光電変換用増感色素が開示されている。従来から顔料等の光吸収材料や有機EL素子用材料用の発光材料として知られているジケトピロロピロール化合物を色素増感太陽電池用の光吸収色素として用いる試みがなされているが、色素増感太陽電池は、電解質溶液を用いるため、封止が困難であるという実用上の課題を有している。
また、特許文献2に、ジケトピロロピロール骨格を有する化合物、及び電子供与性有機材料を含む光起電力素子用材料が開示されている。ジケトピロロピロール骨格を有する化合物を電子受容性有機材料として、有機薄膜太陽電池へ応用しているが、ジケトピロロピロール骨格を有する化合物は真空蒸着法により製膜されていることから、製造プロセスを簡便化し発電コストを低減することは困難である。さらに、これを電子供与性有機材料とブレンドして、光電変換素子を作製した場合には、十分な光電変換素子特性を得ることができていない。
一方、非特許文献3及び非特許文献4に、電子供与性成分として、ジケトピロロピロール骨格を有する有機半導体高分子の研究が報告されている。ジケトピロロピロール骨格を有する有機半導体高分子は、従来用いられてきた電子供与性有機半導体高分子と比較してバンドギャップが小さく、有機薄膜太陽電池においてこれまで有効に利用されていなかった700nm〜900nm(可視〜近赤外領域)の波長域に高い吸光度を有する非常に有用な材料である。しかし、これらを用いたバルクヘテロ接合型光電変換素子の光電変換効率は1〜2%程度であり、それほど高い結果を得られていない。この結果は、ジケトピロロピロール骨格を有する有機半導体高分子を用いた光電変換素子において、最適なpn相分離構造の制御が困難であることを示唆していると考えられる。
特開2003−346926号公報 特開2008−166339号公報
マクロモレキュルズ(Macromolecules)、2009年、第42巻、2891頁 ケミストリー オブ マテリアルズ(Chemistry of Materials)2009年、第21巻、4055頁
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、可視〜近赤外領域の光電変換特性に優れ、かつ高い光電変換効率を有する光電変換素子の作製に適した有機半導体用組成物、及びその有機半導体用組成物から形成される有機薄膜を活性層とする光電変換素子を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記のような課題を解決すべく鋭意検討し、ジケトピロロピロール骨格を有する有機半導体高分子である重合体(A)、電子受容性有機半導体(B)、重合体(A)及び電子受容性有機半導体(B)に対して良溶媒である可溶解溶媒(C)、及び溶解性添加物(D)を含む有機半導体用組成物を用いて光電変換素子を作製することで前記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
前記の目的を達成するためになされた、特許請求の範囲の請求項1に記載された有機半導体用組成物は、下記化学式(1)
Figure 0005658633
(式中、R及びRはそれぞれ独立して同一または異なる置換基を有してもよい炭素数2以下分岐状アルキル基であり、Ar 及びAr はチオフェン、Ar下記化学式(f)または(j)
Figure 0005658633
(式中、R 12 及びR 13 はそれぞれ独立して同一または異なり、R 12 、R 13 及びR 18 は置換基を有してもよい炭素数20以下の分岐状アルキル基である)で示される2のヘテロアリーレン基であり、nは2〜100,000の数である)で示される分子構造を含有する数平均分子量が少なくとも10,000である重合体(A)と、電子受容性有機半導体(B)と、前記重合体(A)及び前記電子受容性有機半導体(B)の可溶解溶媒(C)と、沸点が前記可溶解溶媒(C)より高く前記重合体(A)に対する溶解性よりも前記電子受容性有機半導体(B)に対する溶解性が高い溶解性添加物(D)とを含有し、前記溶解性添加物(D)の添加量が、前記可溶解溶媒(C)に対して体積分率で0.5%〜10%であって、前記可溶解溶媒(C)及び前記溶解性添加物(D)の合計量100重量部に対して、前記重合体(A)と前記電子受容性有機半導体(B)とを1〜99:99〜1の重量分率としつつそれらの合計量で0.1〜10.0重量部とすることを特徴とする。
請求項2に記載の有機半導体用組成物は、請求項1に記載されたものであって、前記可溶解溶媒(C)が、テトラヒドロフラン、1,2−ジクロロエタン、シクロヘキサン、クロロホルム、ブロモホルム、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、o−ジクロロベンゼン、アニソール、メトキシベンゼン、トリクロロベンゼン、及びピリジンから選ばれる少なくとも何れかであることを特徴とする。
請求項3に記載の有機半導体用組成物は、請求項1または2に記載されたものであって、前記溶解性添加物(D)が、ジヨードオクタン、オクタンジチオール、ジブロモオクタン、またはこれらのうちの何れかの混合物であることを特徴とする。
請求項4に記載の有機半導体用組成物は、請求項1〜3に何れかに記載されたものであって、前記電子受容性有機半導体(B)が、C70またはC60フラーレン誘導体であることを特徴とする。
請求項5に記載の有機半導体用組成物は、請求項1〜4に何れかに記載されたものであって、前記重合体(A)が、下記化学式(2)
Figure 0005658633
(式中、R及びRはそれぞれ独立して置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基であり、nは2〜100,000の数である)で示されることを特徴とする。
請求項6に記載の光電変換素子は、少なくとも一方が光透過性を有する第1電極及び第2電極の間に、請求項1〜5の何れかに記載の有機半導体用組成物を乾燥硬化してなる有機薄膜が、挟まれていることを特徴とする。
請求項7に記載のタンデム型光電変換素子は、請求項6に記載の光電変換素子を含有することを特徴とする。
本発明の有機半導体用組成物は、均一な溶液であり、様々な方法により任意の厚みを有する均質な有機薄膜を製膜することができる。この有機薄膜により、可視〜近赤外領域の光電変換が可能で光電変換特性に優れた光電変換素子を提供することができる。
本発明の光電変換素子は、光電変換特性に優れており可視〜近赤外領域に渡って光電変換可能で、高い光電変換効率を示すことができる。さらに、この効果を活かし、本発明の光電変換素子と従来の可視光領域の光電変換特性に優れる光電変換素子とを組み合わせてタンデム型光電変換素子とすることで、高効率な光電変換素子を作製することができる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。
本発明の有機半導体用組成物は、電子供与性成分として重合体(A)と、電子受容性成分として電子受容性有機半導体(B)と、それらに対し良溶媒の成分として可溶解溶媒(C)と、沸点がその可溶解溶媒より高く重合体に対し貧溶媒且つ電子受容性有機半導体に対し良溶媒の成分として溶解性添加物(D)とを含有する均一溶液である。
この有機半導体用組成物における重合体(A)は、ジケトピロロピロール骨格を有する有機半導体高分子であって、記化学式(1)で示される分子構造(TPP構造)を含有する重合体である。
前記化学式(1)におけるR及びRは、それぞれ独立して同一または異なり、置換基を有してもよい直鎖状、分岐状または環状で炭素数1〜20のアルキル基である。
置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
かかる置換基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、チエニル基、フリル基、ピロリル基等のアリール基やヘテロアリール基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブトキシ基、n−ヘキシル基、シクロヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基等のアルコキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等のアルキルチオ基;フッ素原子;等が挙げられる。
前記化学式(1)におけるAr及びArは、それぞれ独立して同一または異なる2価のアリーレン基若しくはヘテロアリーレン基であり、例えば、フェニレン、2,3−ジアルキルフェニレン、2,5−ジアルキルフェニレン、2,3,5,6−テトラアルキルフェニレン、2,3−アルコキシフェニレン、2,5−アルコキシフェニレン、2,3,5,6−テトラアルコキシフェニレン、2−(N,N,−ジアルキルアミノ)フェニレン、2,5−ジ(N,N,−ジアルキルアミノ)フェニレン、2,3−ジ(N,N,−ジアルキルアミノ)フェニレン、p−フェニレンオキシド、p−フェニレンスルフィド、p−フェニレンアミノ、p−フェニレンビニレン、フルオレニレン、ナフチレン、アントリレン、テトラセニレン、ペンタセニレン、ヘキサセニレン、ヘプタセニレン、ナフチレンビニレン、ペリナフチレン、アミノピレニレン、フェナントレニレン等の芳香環基;N−アルキルカルバゾール等のカルバゾール誘導体;ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ピラジン、キノリン、プリン等のピリジン誘導体;フラン、3−アルキルフラン等のフラン誘導体;ピロール、N−アルキルピロール、エチレン−3,4−ジオキシピロール、プロピレン−3,4−ジオキシピロール等のピロール誘導体;チオフェン、チオフェンビニレン、アルキルチオフェン、エチレン−3,4−ジオキシチオフェン、プロピレン−3,4−ジオキシチオフェン、チエノチオフェン、チエノフラン、チエノピラジン、イソチアナフテン等のチオフェン誘導体;オキサジアゾール、チアジル、セレノフェン、テルロフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、イソキサゾール、イソチアゾール、ベンゾトリアゾール、ピラン、ベンゾチアジアゾール、ベンゾオキサジアゾール等の複素芳香環基が挙げられる。これらから選択される少なくとも1種が好適に用いられる。中でも、チオフェン誘導体、フラン誘導体、ピロール誘導体の複素環基が好適に用いられる。
前記化学式(1)におけるArは、2価のアリーレン基またはヘテロアリーレン基であり、Ar及びArで例示した(ヘテロ)アリーレン基に加え、下記化学式(a)〜(p)で示される骨格を有する2価のアリーレン基またはヘテロアリーレン基が挙げられる。これらのなかでも、化学式(f)が好適に用いられる。
Figure 0005658633
前記化学式(a)〜(p)で示される骨格におけるR〜R30は、それぞれ独立して同一または異なり、置換基を有してもよい直鎖状、分岐状または環状で炭素数1〜20のアルキル基である。
置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
かかる置換基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、チエニル基、フリル基、ピロリル基等のアリール基やヘテロアリール基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブトキシ基、n−ヘキシル基、シクロヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基等のアルコキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等のアルキルチオ基;フッ素原子;等が挙げられる。
前記化学式(1)において、nは数平均重合度を表し、2〜100,000の数である。有機半導体用組成物における重合体(A)の重合度は特に限定されないが、有機溶媒である成分Cの可溶解溶媒(C)に溶解し均一溶液を得るという観点から重合度10,000以下、且つ、均一溶液を塗布することで均質な有機薄膜を得るという観点から重合度5以上であることが好ましい。
本発明の有機半導体用組成物に含有される重合体(A)の好ましい例としては、Ar及びArが同一であり、下記化学式(2)で示されるPCTDTPP構造の化合物が挙げられる。
Figure 0005658633
式中、R及びRは前記と同じであり、nは数平均重合度を表し、2〜100,000の数である。
重合体(A)の最も好ましい例としては、下記化学式(3)で示されるポリ(4,4−ビス(2−エチルヘキシル)シクロペンタ[2,1−b:3,4−b’]ジチオフェン)−2,6−ジイル−アルト−(2,5−ビス(2−エチルヘキシル)−3,6−ジ(チオフェン−2−イル)ピロロ[3,4−c]ピロール−1,4(2H,5H)−ジオン)−2,5−ジイル(PCTi8DTPP)が挙げられる。
Figure 0005658633
このような前記化学式(1)で示される分子構造を有する重合体(A)であるジケトピロロピロール骨格を有する有機半導体高分子は、公知の反応を用いて合成した種々の単量体を縮合重合に関与する置換基に応じて、既知の縮合反応を用いて合成することができる。合成方法として、例えば、該当する単量体を、クロスカップリング反応により重合する方法、FeCl等の酸化剤により重合する方法、電気化学的に酸化重合する方法、または適当な脱離基を有する中間体高分子の分解による方法等が挙げられる。これらのうち、操作の簡便性及び選択性の観点から、クロスカップリング反応により重合する方法が好ましく、かかるクロスカップリング反応の中でも、縮合重合に関与する置換基の導入容易性の観点から、鈴木−宮浦クロスカップリング反応またはStilleクロスカップリング反応を用いる合成がより好ましく、文献公知の方法に従って合成することができる。
このような製造方法によって得られるジケトピロロピロール重合体は、その末端基がハロゲン原子、トリアルキルスズ基、ボロン酸基、ボロン酸エステル基、又はそれらの原子若しくは基が脱離した水素原子であるものであってもよく、これらの末端基が臭化ベンゼンなどの芳香族ハロゲン化物や、芳香族ボロン酸化合物などからなる末端封止剤で置換された末端構造であるものであってもよい。また、重合工程では、ジケトピロロピロール重合体の効果を損なわない範囲の少量であれは、ジケトピロロピロール構造を有さない化合物を共存させてもよい。
これらの反応に用いる溶媒は、用いる原料化合物や反応によっても異なるが、一般に副反応を抑制するために、十分に脱酸素処理を施すことが好ましい。反応は不活性雰囲気下で進行させることが好ましい。また、同様に、反応に用いる溶媒は、脱水処理を施すことが好ましい。但し、Suzukiカップリング反応のような水との2相系での反応の場合にはその限りではない。
これらの溶媒としては、具体的に、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、デカリン等の飽和炭化水素;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、n−ブチルベンゼン、キシレン、テトラリン等の芳香族炭化水素;四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、ブロモペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン、ブロモシクロヘキサン等のハロゲン化飽和炭化水素;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、t−ブチルアルコール等のアルコール類;蟻酸、酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸類;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン等のエーテル類;トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ピリジン等のアミン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルモルホリンオキシド等のアミド類等が挙げられる。これらの溶媒は、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
これらの反応において、アルカリや触媒を添加することが好ましい。これらは用いる反応に応じて適宜選択することができる。このアルカリまたは触媒は、反応に用いる溶媒に十分に溶解するものであると好ましい。アルカリとしては、例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の無機塩基;トリエチルアミン等の有機塩基;フッ化セシウム等の無機塩が挙げられる。触媒としては、例えば、パラジウム〔テトラキス(トリフェニルホスフィン)〕、パラジウムアセテート類が挙げられる。アルカリまたは触媒を混合する方法としては、反応液をアルゴンや窒素等の不活性雰囲気下で攪拌しながらゆっくりとアルカリまたは触媒の溶液を添加する方法や、逆にアルカリまたは触媒の溶液に反応液をゆっくりと添加する方法が挙げられる。
本発明の有機半導体用組成物を有機太陽電池等に用いる場合、含有される重合体(A)の純度が光電変換効率等の素子の性能に影響を与えるため、重合前の単量体を蒸留、昇華精製、再結晶等の方法で精製したのちに重合することが好ましい。また重合後、再沈精製、クロマトグラフィーによる分別等の純化処理をすることが好ましい。
本発明の有機半導体用組成物における電子受容性有機半導体(B)は、n型半導体特性を示す有機材料であれば特に限定されない。電子受容性有機半導体(B)として、例えば、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボキシリックジアンハイドライド、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボキシリックジアンハイドライド、N,N'−ジオクチル−3,4,9,10−ナフチルテトラカルボキシジイミド、オキサゾール誘導体(2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ジ(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール等)、トリアゾール誘導体(3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール等)、フェナントロリン誘導体、C60またはC70フラーレン誘導体、カーボンナノチューブ、ポリ−p−フェニレンビニレン系重合体にシアノ基を導入した誘導体(CN−PPV)等が挙げられる。これらの電子受容性有機半導体(B)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらの中でも、安定且つキャリア移動度に優れるn型半導体という観点からフラーレン誘導体が好ましく用いられる。
電子受容性有機半導体(B)として好適に用いられるフラーレン誘導体は、C60、C70、C76、C78、C82、C84、C90、C94を始めとする無置換のものと、[6,6]−フェニル C61 ブチリックアシッドメチルエステル(PC61BM)、[5,6]−フェニル C61 ブチリックアシッドメチルエステル、[6,6]−フェニル C61 ブチリックアシッドn−ブチルエステル、[6,6]−フェニル C61 ブチリックアシッドi−ブチルエステル、[6,6]−フェニル C61 ブチリックアシッドヘキシルエステル、[6,6]−フェニル C61 ブチリックアシッドドデシルエステル、[6,6]−ジフェニル C62ビス(ブチリックアシッドメチルエステル)(bis−PC62BM)、[6,6]−フェニル C71 ブチリックアシッドメチルエステル(PC71BM)をはじめとする置換誘導体等が挙げられる。
本発明の有機半導体用組成物では、前記フラーレン誘導体を単独またはそれらの混合物として用いることができるが、有機溶媒に対する溶解性の観点から、PC61BM、bis−PC62BM、PC71BMが好適に用いられる。さらに光吸収の観点からPC71BMがより好適に用いられる。
本発明の有機半導体用組成物における可溶解溶媒(C)は、重合体(A)、電子受容性有機半導体(B)、溶解性添加物(D)を溶解し、本発明の有機半導体用組成物として均一溶液を与えるものであれば特に限定されない。均一溶液を与える可溶解溶媒(C)として、重合体(A)及び電子受容性有機半導体(B)のそれぞれについて、20℃における溶解度が1mg/mL以上であるものを用いることが有機薄膜製膜上の観点より好ましい。1mg/mL以下の溶解度である場合には、均質な有機薄膜を作製することが困難であるため、本発明の有機半導体用組成物を得ることができない。さらに、有機薄膜の膜厚を任意に制御する観点からは、重合体(A)及び電子受容性有機半導体(B)のそれぞれについて、20℃における溶解度が3mg/mL以上であるものを用いることがより好ましい。また、これら可溶解溶媒(C)の沸点は、室温から200℃の範囲にあるものが製膜性及び後述する製造プロセスの観点より好ましい。
可溶解溶媒(C)としては、テトラヒドロフラン、1,2−ジクロロエタン、シクロヘキサン、クロロホルム、ブロモホルム、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、o−ジクロロベンゼン、アニソール、メトキシベンゼン、トリクロロベンゼン、ピリジン等が挙げられる。これらの溶媒は単独で用いてもよく、2種類以上混合して用いてもよいが、特に重合体(A)及び電子受容性有機半導体(B)のそれぞれについて溶解度が高いo−ジクロロベンゼン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、クロロホルム及びこれらの混合物が好ましい。より好ましくは、重合体(A)及び電子受容性有機半導体(B)のそれぞれについて溶解度が最も高いo−ジクロロベンゼン、クロロベンゼン及びこれらの混合物が用いられる。
本発明の有機半導体用組成物における溶解性添加物(D)は、可溶解溶媒(C)より高い沸点であって、重合体(A)に対する溶解性よりも前記電子受容性有機半導体(B)に対する溶解性が高く、重合体(A)について貧溶媒且つ電子受容性有機半導体(B)について良溶媒であり、本発明の均一な有機半導体用組成物を与えるものであれば特に限定されない。
前記の条件を満たす溶解性添加物(D)を用いることで、本発明の有機半導体用組成物を塗布し、乾燥して有機薄膜を製膜する過程において、重合体(A)及び電子受容性有機半導体(B)の微細且つ連続した相分離構造が形成されるため、光電変換効率に優れる活性層を得ることが可能となる。
かかる溶解性添加物(D)としては、例えば重合体(A)として前記化学式(3)に示すPCTi8DTPPを、電子受容性有機半導体(B)として[6,6]−C71−PCBMまたは[6,6]−C61−PCBMを、可溶解溶媒(C)としてo−ジクロロベンゼン(沸点:180℃)をそれぞれ用いた場合、オクタンジチオール(沸点:270℃)、ジブロモオクタン(沸点:272℃)、ジヨードオクタン(沸点:327℃)等が例示される。このとき、可溶解溶媒(C)であるo−ジクロロベンゼンは、重合体(A)であるPCTi8DTPP及び電子受容性有機半導体(B)である[6,6]−C71−PCBMまたは[6,6]−C61−PCBMに対して良溶媒である。溶解性添加物(D)であるオクタンジチオール、ジブロモオクタン、ジヨードオクタンは、重合体(A)であるPCTi8DTPPに対して溶解度が低い貧溶媒であり、電子受容性有機半導体(B)である[6,6]−C71−PCBMに対して溶解度が高い良溶媒である。
本発明の有機半導体用組成物における溶解性添加物(D)の添加量は、本発明の均一な有機半導体用組成物を与えるものであれば特に限定されないが、可溶解溶媒(C)に対して体積分率で0.1%〜20%であることが好ましい。溶解性添加物(D)の添加量が0.1%よりも少ない場合は、重合体(A)及び電子受容性有機半導体(B)の微細且つ連続した相分離構造が形成されるに十分な効果を得ることができず、20%よりも多い場合は、可溶解溶媒(C)及び溶解性添加物(D)の乾燥速度が遅くなり、均質な有機薄膜を得ることが困難となる。より好ましくは0.5%〜10%の範囲である。
本発明の有機半導体用組成物は電子供与性成分である成分A、電子受容性成分である成分B、成分C、及び成分Dのほか、本発明の目的を阻害しない範囲において、界面活性剤やバインダー樹脂、フィラー等の他の成分を含んでいてもよい。
本発明の有機半導体用組成物は、はじめに電子供与性成分である重合体(A)及び電子受容性成分である電子受容性有機半導体(B)を所定量秤量し、あらかじめ調製しておいた所定体積分率の溶解性添加物(D)を含有する可溶性溶媒(C)を加えて、加熱・攪拌し溶解した後、所定の細孔径を有するフィルターでろ過して得ることができる。
有機半導体高分子であるジケトピロロピロール骨格を有する重合体(A)及び電子受容性有機半導体(B)の含有量は、本発明にかかる有機半導体用組成物中においてそれらが共に溶解していれば、特に限定されない。重合体(A)と電子受容性半導体(B)との重量分率として、重合体(A):電子受容性半導体(B)=1〜99:99〜1の範囲であることが好ましく、より好ましくは20〜80:80〜20の範囲である。ただし、いずれの重量分率であっても重合体(A)と電子受容性半導体(B)との重量の和は、可溶性溶媒(C)及び溶解性添加物(D)との和100重量部に対して0.1〜10.0重量部であると好ましく、0.5〜5.0重量部であるとより好ましい。
本発明の有機半導体用組成物を作製する際の加熱条件及び攪拌条件は、均一な有機半導体用組成物を得る範囲であれば特に限定されない。しかし、生産性及び安全性の観点から、加熱温度は、10℃〜200℃であると好ましく、30℃〜100℃であるとより好ましい。また、攪拌速度は、50rpm〜1500rpmであると好ましく、100rpm〜700rpmであるとより好ましい。
本発明の有機半導体用組成物を作製する際のろ過工程で使用するろ材には、市販されている種々のものを用いることができる。ろ材の選定は使用する有機溶媒に応じ、溶解しない素材を選択することができるが、耐溶剤性の観点から、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン製のものが好ましく用いられる。
また、使用するろ材の細孔径は、有機半導体用組成物の溶解性に応じて任意のものを選択できるが、均一な有機半導体用組成物を用いて均質な有機薄膜を得るためには、0.1μm〜5μmの細孔径であることが好ましく、0.2μmまたは0.45μmの細孔径であることがより好ましい。
本発明の有機半導体用組成物を基板または支持体へ塗工する方法としては、特に制限されず、液状の塗工材料を用いる従来から知られている塗工方法のいずれも採用することができる。例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、インクジェット法、エアロゾルジェット法、スピンコーティング法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング法、カーテンコーティング法、スリットダイコーター法、グラビアコーター法、スリットリバースコーター法、マイクログラビア法、コンマコーター法等の塗工方法を採用することができ、塗膜厚さ制御や配向制御等、得ようとする塗膜特性に応じて塗布方法を選択すればよい。このとき、必要に応じて不活性ガス雰囲気下で製膜することにより、材料の変性を抑制することができる。次いで、形成した塗膜から溶媒を除去するために、減圧下または不活性ガス雰囲気下(窒素やアルゴン雰囲気下)で乾燥する。
本発明の有機半導体用組成物から製膜される有機薄膜を活性層として用いた光電変換素子について例を挙げて説明する。
本発明の光電変換素子は、少なくとも一方が光透過性を有する第1の電極及び第2の電極、つまり正極と負極と間に本発明の有機半導体用組成物を用いて製膜した活性層を有するものである。
光電変換素子の動作機構は、透明または半透明の電極から入射した光エネルギーが、本発明の有機半導体用組成物により製膜された活性層中の電子受容性成分である電子受容性有機半導体(B)つまり電子受容性化合物、及び/または電子供与性成分である重合体(A)つまり電子供与性化合物で吸収され、電子とホールとの結合した励起子を生成する。生成した励起子が移動して、電子受容性化合物と電子供与性化合物とが隣接しているヘテロ接合界面に達すると界面でのそれぞれのHOMOエネルギー及びLUMOエネルギーの違いにより電子とホールとが分離し、独立に動くことができる電荷(電子及びホール)が発生する。発生した電荷は、それぞれ電極へ移動することにより外部へ電気エネルギー(電流)として取り出すことができる。
本発明の光電変換素子は、通常、基板上に形成される。この基板は、電極を形成し、有機物の層を形成する際に変化しないものであればよい。基板の材料としては、例えば、無アルカリガラス、石英ガラス、シリコン等の無機材料;ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリパラキシレン、エポキシ樹脂やフッ素系樹脂等の有機材料から任意の方法によって作製されたフィルムや板が使用可能である。不透明な基板の場合には、反対の電極即ち、基板から遠い方の電極が透明または半透明であることが好ましい。
前記の透明または半透明の電極材料としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が挙げられる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、及びそれらの複合体であるインジウム・スズ・オキサイド(ITO)、フッ素・スズ・オキサイド(FTO)、アンチモン・スズ・オキサイド、インジウム・亜鉛・オキサイド(IZO)、ガリウム・亜鉛・オキサイド、アルミニウム・亜鉛・オキサイド、アンチモン・亜鉛・オキサイドからなる導電性材料を用いて作製された膜や、金、白金、銀、銅の極薄膜が用いられ、ITO、FTO、IZO、酸化スズが好ましい。電極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等が挙げられる。
また、電極材料として、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体等の有機の透明導電膜を用いてもよい。さらに電極材料としては、金属、導電性高分子等を用いることができ、好ましくは一対の電極のうち、一方の電極は仕事関数の小さい材料が好ましい。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム等の金属、及びそれら金属のうち2つ以上の合金、またはそれら金属のうち1つ以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1つ以上の金属との合金、グラファイトまたはグラファイト層間化合物等が用いられる。合金の例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金等が挙げられる。
本発明の光電変換素子に用いる電極は、一方に仕事関数の大きな導電性素材、もう一方に仕事関数の小さな導電性素材を使用することが好ましく、このとき、仕事関数の大きな導電性素材を用いた電極は正極となり、仕事関数の小さな導電性素材を用いた電極は負極となる。
本発明の光電変換素子は、必要に応じて正極と活性層との間に正孔輸送層を設けてもよい。正孔輸送層を形成する材料としては、p型半導体特性を有するものであれば特に限定されないが、ポリチオフェン系重合体、ポリアニリン系重合体、ポリ−p−フェニレンビニレン系重合体、ポリフルオレン系重合体等の導電性高分子や、フタロシアニン誘導体(HPc、CuPc、ZnPc等)、ポルフィリン誘導体等のp型半導体特性を示す低分子有機化合物、酸化モリブデン、酸化亜鉛、酸化バナジウム等の金属酸化物が好ましく用いられる。特に、ポリチオフェン系重合体であるポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)やPEDOTにポリスチレンスルホネート(PSS)が添加されたものが好ましく用いられる。正孔輸送層は1nmから600nmの厚さが好ましく、より好ましくは20nmから300nmである。
本発明の光電変換素子は、必要に応じて負極と活性層との間に電子輸送層を設けてもよい。電子輸送層を形成する材料としては、n型半導体特性を有するものであれば特に限定されないが、NTCDA、PTCDA、PTCDI−C8H、オキサゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、フラーレン誘導体、CNT、CN−PPV等の電子受容性有機材料等が好ましく用いられる。電子輸送層は1nmから600nmの厚さが好ましく、より好ましくは5nmから100nmである。
本発明の光電変換素子は必要に応じ、電極と活性層の間や、正孔または電子輸送材料と活性層との間に電荷移動を円滑にするバッファー層として金属フッ化物を設けてもよい。金属フッ化物としては、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化セシウム等が挙げられるが、特にフッ化リチウムが好ましく用いられる。バッファー層は0.1nmから50nmの厚さが好ましく、より好ましくは0.5nmから20nmである。
次に、本発明の光電変換素子の製造工程について例を挙げて示す。ガラス上にITO等の透明電極が形成された基板上に、本発明の有機半導体用組成物を前記の方法で調製し、該透明電極上に製膜した後、乾燥して活性層を形成する。
活性層の形成には、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、インクジェット法、エアロゾルジェット法、スピンコーティング法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング法、カーテンコーティング法、スリットダイコーター法、グラビアコーター法、スリットリバースコーター法、マイクログラビア法、コンマコーター法等何れの方法を用いることができ、塗膜厚さ制御や配向制御等、得ようとする塗膜特性に応じて塗布方法を選択すればよい。例えば、厚さ10〜200nmの均質な塗膜を得るためには、前記成分Aと成分Bの重量の和が前記成分Cと成分D100重量部に対して0.5〜3重量部のコーティング液をスピンコーティング法により作製すれば良い。このとき、必要に応じて不活性ガス雰囲気下で製膜することにより、材料の変性を抑制し、素子特性に優れる光電変換素子を作製することができる。次いで、形成した塗膜から溶媒を除去するために、減圧下または不活性ガス雰囲気下(窒素やアルゴン雰囲気下)で乾燥する。
本発明の光電変換素子は、さらに必要に応じて熱または溶媒アニールを行っても良い。アニール処理を施すことで、活性層材料の結晶性と、成分Aの電子供与性材料と成分Bの電子受容性材料のとの相分離構造を変化させ、光電変換特性に優れる素子を得ることができる。尚、このアニール処理は、負極の形成後に行ってもよい。
前記の熱アニールは、本発明の有機薄膜を製膜した基板を所望の温度で保持して行う。熱アニールは減圧下または不活性ガス雰囲気下で行っても良く、好ましい温度は40℃〜300℃、より好ましくは70℃〜200℃である。温度が低いと十分な効果が得られず、温度が高すぎると有機薄膜が酸化及び/または分解し、十分な光電変換特性を得ることができない。
前記の溶媒アニールは、本発明の有機薄膜を製膜した基板を該有機薄膜に対する良溶媒雰囲気下で所望の時間保持することで行う。このときのアニール溶媒は、該有機薄膜に対する良溶媒であれば特に限定されない。
次に、活性層上にAl等の金属電極(この場合負極に相当)を真空蒸着法やスパッタ法により形成する。
正極と活性層の間に正孔輸送層を設ける場合には、所望のp型有機半導体材料(PEDOT等)を正極上にスピンコート法、バーコーティング法、ブレードによるキャスト法等で塗布した後、真空乾燥機、ホットプレート等を用いて溶媒を除去し、正孔輸送層を形成する。フタロシアニン誘導体やポルフィリン誘導体等の低分子有機材料を使用する場合には、真空蒸着機を用いた蒸着法を適用することも可能である。電子輸送層についても同様にして設けることができる。
このように形成された光電変換素子は、タンデム型光電変換素子として用いることができる。本発明におけるタンデム型光電変換素子は、文献公知の方法、例えば、サイエンス(Science)、2007年、第317巻、222頁に記載の方法を用いて作製することができる。具体的には、電荷再結合層を本発明の有機半導体用組成物を用いて作製された長波長側(〜1100nm)まで光電変換可能な活性層(1)と紫外〜可視光領域(190〜650nm)の光電変換が可能な活性層(2)とで挟み込んだ構造を有するタンデム型光電変換素子である。この活性層(1)と活性層(2)との接続順は逆であってもよい。紫外〜可視光領域(190〜650nm)の光電変換が可能な活性層(2)には、公知の活性層を用いることが可能で、例えば、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)とPC61BMとのフレンド体等が例示される。
電荷再結合層は、正極側の活性層で生じた電子と負極側の活性層で生じた正孔とを再結合させる働きをする。各活性層で電荷分離して生じた正孔及び電子は、活性層中の内部電場によってそれぞれ正極及び負極方向へと移動する。このとき、正極側の活性層で生じた正孔と負極側の活性層で生じた電子とは、それぞれ正極及び負極へ取り出され、正極側の活性層で生じた電子と負極側の活性層で生じた正孔とが再結合することによって、各活性層が電気的に直列に接続された電池として機能し開放電圧が増大する。
電荷再結合層は、複数の活性層が光吸収できるようにするため、光透過性を有することが好ましい。また、電荷再結合層は、十分に正孔及び電子が再結合するように設計されていればよいので、必ずしも膜である必要はなく、例えば活性層上に一様に形成された金属クラスターであってもかまわない。従って、該電荷再結合層には、金、白金、クロム、ニッケル、リチウム、マグネシウム、カルシウム、錫、銀、アルミニウム等からなる数nm以下程度の光透過性を有する非常に薄い金属膜や金属クラスター(合金を含む)、ITO、IZO、AZO、GZO、FTO、酸化チタンや酸化モリブデン等の光透過性の高い金属酸化物膜及びクラスター、PSSが添加されたPEDOT等の導電性有機材料膜、またはこれらの複合体等が用いられる。例えば、銀を、真空蒸着法を用いて水晶振動子膜厚モニター上で数nm以下となるように蒸着すれば、一様な銀クラスターが形成できる。その他にも、酸化チタン膜を形成するならば、例えば、アドバンスト マテリアルズ(Advanced Materials)、2006年、第18巻、572頁に記載のゾルゲル法を用いればよい。ITO、IZO等の複合金属酸化物であるならば、スパッタリング法を用いて製膜すればよい。これら電荷再結合層形成法や種類は、電荷再結合層形成時の活性層への非破壊性や、次に積層される活性層の形成法等を考慮して適当に選択すればよい。
本発明の光電変換素子は、光電変換機能、光整流機能等を利用した種々の光電変換デバイスへの応用が可能である。例えば、光電池(太陽電池等)、電子素子(光センサ、光スイッチ、フォトトランジスタ等)、光記録材(光メモリ等)等に有用である。
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。
本発明の有機半導体用組成物の電子供与性成分として含有される重合体(A)であるジケトピロロピロール骨格を有する有機半導体高分子の製造工程を合成例1〜6、また別のジケトピロロピロール骨格を有する有機半導体高分子について合成例7に示す。
(合成例1)
Figure 0005658633
窒素雰囲気下、1000mL三口フラスコに2−シアノチオフェン(18.80g、172.2mmol)とtert−アミルアルコール(150mL)とカリウム−tert−ブトキシド(25.8g、229.9mmol)を加え120℃で加熱した。こはく酸ジエチル(10.0g,57.4mmol)を1時間以上かけ滴下した。1時間撹拌した後、ディーンスタークを用いて生成してくるエタノールを除去するため2時間撹拌した。65℃まで冷却しながらゆっくりとメタノール(350mL)を加えた後、酢酸(15mL)を加え中和し、10分間還流撹拌した。0〜5℃まで冷却し、ろ過を行った。冷メタノールにて固体を洗浄、乾燥することにより、赤黒い固体として化学式(4)で示される3,6−ジ(チオフェン−2−イル)ピロロ[3,4−c]ピロール−1,4(2H,5H)−ジオンを得た。(12.53g,72.6%)
得られた化合物(単量体)の分子構造について、H−NMR(核磁気共鳴)測定を行い、テトラメチルシラン(TMS)を内部標準物質とした場合の化学シフト値から構造を同定した。測定条件の詳細を以下に示す。
<測定条件>
装置 :超伝導核磁気共鳴装置 GSX−270(日本電子社製)
溶媒 :0.05v/v%TMS含有重クロロホルム(和光純薬工業社製)
濃度 :30mg/mL
温度 :25℃
積算回数:256回(H測定時)
得られた化合物のH−NMR測定結果は、下記の通りであり、前記化学式(4)の化学構造を支持する。
H−NMR:δ=11.15(s、2H)、8.21(d、J=3.2Hz、2H)、7.94(d、J=4.6Hz、2H)、7.32−7.26(m、2H)
(合成例2)
Figure 0005658633
窒素雰囲気下、200mL三口フラスコに前記化学式(4)で示される3,6−ジ(チオフェン−2−イル)ピロロ[3,4−c]ピロール−1,4(2H,5H)−ジオン(3.6g、11.99mmol)とジメチルホルムアミド(75mL)と炭酸カリウム(6.63g、47.9mmol)を加え155℃で加熱した。2−エチルヘキシルブロミド(10.42g、53.9mmol)を加え、18時間撹拌した。室温まで戻し、水(150mL)とトルエン(200mL)とを加え分液した。水層をトルエンにて3回抽出を行った後、有機層を硫酸ナトリウムにて乾燥した後、減圧下にて溶媒を留去することにより赤黒い固体を得た。粗精製物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)により精製することで赤黒い固体として前記化学式(5)で示される2,5−ビス(2−エチルヘキシル)−3,6−ジ(チオフェン−2−イル)ピロロ[3,4−c]ピロール−1,4(2H,5H)−ジオンを得た。(4.87g、77%)
得られた化合物を合成例1と同様の方法及び条件で測定したH−NMR測定結果は、下記の通りであり、前記化学式(5)の化学構造を支持する。
H−NMR:δ=8.88(d、J=4.1Hz、2H)、7.62(d、J=5.1Hz、2H)、7.27(m、2H)、4.02(dd、J=3.0、7.8、4H)、2.00−1.80(m、2H)、1.46−1.20(m、16H)、1.00−0.80(m、12H)
(合成例3)
Figure 0005658633
300mL三口フラスコに前記化学式(5)で表される2,5−ビス(2−エチルヘキシル)−3,6−ジ(チオフェン−2−イル)ピロロ[3,4−c]ピロール−1,4(2H,5H)−ジオン(2.60g、4.95mmol)とクロロホルム(130mL)を加え0℃まで冷却した後に、反応溶液を0℃に保ったままNBS(1.94g、10.9mmol)をゆっくりと加えた。0℃で1時間攪拌した後に、水(100mL)を加え反応を停止させた。酢酸エチル(100mL×3)で抽出し、水(100mL×3)で洗浄した後に、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去した後に、再度酢酸エチル(100mL)に溶解させ、メタノール(1L)で再沈殿させてから、析出した固体を濾取し、メタノール(300mL)で洗浄した。その後、減圧下で乾燥させることで紫色固体として前記化学式(6)で表される3,6−ビス(5−ブロモチオフェン−2−イル)−2,5−ビス(2−エチルヘキシル)ピロロ[3,4−c]ピロール−1,4(2H,5H)−ジオンを得た(2.47g、73%)。
得られた化合物を合成例1と同様の方法及び条件で測定したH−NMR測定結果は、下記の通りであり、前記化学式(6)の化学構造を支持する。
H−NMR:δ=8.63(d、J=4.3、2H)、7.22(d、J=4.3Hz、2H)、3.93(dd、J=2.7、7.6Hz、4H)、1.92−1.78(m、2H)、1.45−1.22(m、16H)、1.00−0.82(m、12H)
(合成例4)
Figure 0005658633
前記化学式(7)で示される2,6−ビス(トリメチルスタニル)−4,4−ビス(2−エチルヘキシル)シクロペンタ[2,1−b:3,4−b’]ジチオフェンは、アドバンスト マテリアルズ(Advanced Materials)、2007年、第17巻、632頁を参考にして合成を行った。
具体的には、3−ブロモチオフェンと3−チオフェンアルデヒドより合成した4H−シクロペンタ[2,1−b:3,4−b‘]ジチオフェンにエチルヘキシルブロミドを反応させ、4,4−ビス(2−エチルヘキシル)シクロペンタ[2,1−b:3,4−b’]ジチオフェンとした。次いで、ブチルリチウムとトリメチルスズ誘導体を反応させ、前記化学式(7)で示される2,6−ビス(トリメチルスタニル)−4,4−ビス(2−エチルヘキシル)シクロペンタ[2,1−b:3,4−b’]ジチオフェンを得た。
(合成例5)
Figure 0005658633
前記化学式(8)で示される2,6−ジ(トリメチルスタニル)−N−[1−(2’−エチルヘキシル)−3−エチルヘプタニル]ジチエノ[3,2−b:2’,3’−d]ピロールは、マクロモレキュルズ(Macromolecules)、2008年、第41巻、8302頁を参考にして合成を行った。
具体的には、エチルフォルメートと1−ブロモ−2−エチルヘキサンより合成した1−(2’−エチルヘキシル)−3−エチルヘプタノールを、トリフェニルフォスフィンとフタルイミドを用いてN−[1−(2’−エチルヘキシル)−3−エチルヘプタニル]フタルイミドとし、ヒドラジンで還元して1−(2’−エチルヘキシル)−3−エチルヘプチルアミンを得た。得られた1−(2’−エチルヘキシル)−3−エチルヘプチルアミンをパラジウム触媒下で3,3’−ジブロモー2,2’−ビチオフェンと反応させ、N−[1−(2’−エチルヘキシル)−3−エチルヘプタニル]−ジチエノ[3,2−b:2’、3’−d]ピロールとし、ブチルリチウムとトリメチルスズ誘導体を反応させ、前記化学式(8)で示される2,6−ジ(トリメチルスタニル)−N−[1−(2’−エチルヘキシル)−3−エチルヘプタニル]ジチエノ[3,2−b:2’,3’−d]ピロールを得た。
(合成例6)
Figure 0005658633
窒素雰囲気下、10mL三口フラスコに化学式(4)で示される2,6−ビス(トリメチルスタニル)−4,4−ビス(2−エチルヘキシル)シクロペンタ[2,1−b:3,4−b’]ジチオフェン(150mg、0.21mmol)と、化学式(6)で示される3,6−ビス(5−ブロモチオフェン−2−イル)−2,5−ビス(2−エチルヘキシル)ピロロ[3,4−c]ピロール−1,4(2H,5H)−ジオン(141mg、0.21mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(5.95mg、5.15μmol)、トルエン(1.5mL)、DMF(1.5mL)を加え、100℃で18時間攪拌した。反応終了後、反応溶液を室温まで冷却しメタノール(30mL)に注いで、析出した固体を濾取し、減圧下で乾燥することで紫色の固体として粗生成物を得た。その後、ソックスレー抽出器を用いてアセトン(100mL)、ヘキサン(100mL)の順に洗浄を行った後に、クロロホルム(100mL)で抽出を行い、得られた抽出液を濃縮した後にメタノール(100mL)に注ぎ再沈殿を行った。析出した固体を濾取し、減圧下で乾燥させることで紫色固体として前記化学式(9)で示されるポリ(4,4−ビス(2−エチルヘキシル)シクロペンタ[2,1−b:3,4−b’]ジチオフェン)−2,6−ジイル−アルト−(2,5−ビス(2−エチルヘキシル)−3,6−ジ(チオフェン−2−イル)ピロロ[3,4−c]ピロール−1,4(2H,5H)−ジオン)−2,5−ジイルを得た。(190mg、35%)
得られた重合体の分子量を、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を用いて測定を行い、ポリスチレン換算分子量として算出した。測定条件の詳細を以下に示す。
<測定条件>
装置:高速液体クロマトグラフィー LC−10(島津製作所社製)
カラム:K−806L(Shodex)を2本連結(カラム温度:40℃)
移動相:クロロホルム(高速液体クロマトグラフィー用、和光純薬工業社製)
流速:1.0mL/分
検出器:RI
濾過:0.45μmフィルター
濃度:0.5mg/mL
注入量:55μL
標品:ポリスチレンスタンダードキット(VARIAN社製)
得られた重合体の数平均分子量(Mn)は、27,000であった。
(合成例7)
Figure 0005658633
前記化学式(10)で示されるポリ{N−[1−(2−エチルヘキシル)−3−エチルヘプタニル]−ジチエノ[3,2−b:2’,3’−d]ピロール−3,6−ジチエン2−イル−2,5−ジ(2−エチルヘキシル)−ピロロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオン−5’,5”−ジイル(PDTPDTPP)は、ケミストリー オブ マテリアルズ(Chemistry of Materials)、2009年、第21巻、4055頁を参考にして合成を行った。
具体的には、前記化学式(6)で示される2,5−ビス(2−エチルヘキシル)−3,6−ジ(チオフェン−2−イル)ピロロ[3,4−c]ピロール−1,4(2H,5H)−ジオンと前記化学式(8)で示される2,6−ジ(トリメチルスタニル)−N−[1−(2’−エチルヘキシル)−3−エチルヘプタニル]ジチエノ[3,2−b:2’,3’−d]ピロールをパラジウム触媒下Stilleクロスカップリング反応により重合した。
得られた重合体の数平均分子量(Mn)は、10,000であった。
(実施例1)(PCTi8DTPP:PC71BM=1:2、DIO2.5%)
(有機半導体用組成物の調製)
合成例6で得られた重合体(PCTi8DTPP)(Mn=27,000、本発明における成分Aに相当)と[6,6]−フェニル C71 ブチリックアシッドメチルエステル(PC71BM)(E−110:フロンティアカーボン社製、本発明における成分B)とを重量比1:2で秤量し、体積分率で2.5%のジヨードオクタン(DIO)(東京化成工業社製、本発明における成分D)を含むo−ジクロロベンゼン(DCBz)(鹿特級:関東化学社製、本発明における成分C)を添加して固形分濃度4.3重量%の溶液を調製し、40℃で5時間加熱攪拌して均一に溶解させた。溶解後の溶液を0.45μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製フィルター(Whatman社製)でろ過して本発明の有機半導体用組成物を得た。
(基板洗浄)
150nmのインジウム・スズ・オキサイド(ITO)が0.7mmのガラス上に製膜された基板(ジオマテック社製)を、セミコクリーン(フルウチ化学社製)、超純水、アセトン(試薬特級:和光純薬工業社製)イソプロパノール(試薬特級:和光純薬工業社製)の順で10分間超音波洗浄し、乾燥した後、UV−Oクリーナー(フィルジェン社製)を用いて20分間オゾンクリーニングした。
(ホール輸送層の製膜)
大気下にて、ポリエチレンジオキシチオフェン:ポリスチレンスルホネート添加物(PEDOT:PSS)(CLEVIOS PH 500:H.C.スタルク社製)を洗浄済みのITO基板に滴下し、4000rpmで60秒間スピンコートした。製膜後の基板を140℃で10分間ベーキングした。このときのPEDOT:PSSの膜厚は40nmであった。
(活性層の製膜)
PEDOT:PSSを製膜したITO基板に本発明の有機半導体用組成物を窒素雰囲気で満たされたグローブボックス(美和製作所社製)に導入し、窒素雰囲気下にて、2500rpmで120秒間スピンコートした。
得られた有機薄膜である活性層の膜厚について、接触式段差計を用いて、下記測定条件により測定した。
<測定条件>
装置:接触式段差計 DEKTAK8(Veeco社製)
走査距離:500μm
触針圧:3mg
測定レンジ:50kÅ
また、この活性層の吸収スペクトルについて、分光光度計を用いて、下記測定条件により紫外−可視−近赤外領域の吸光度の測定をした。
<測定条件>
装置:紫外−可視−近赤外分光光度計 Solid Spec 3700(島津製作所社製)
測定波長域:300〜1000nm
スリット幅:5nm
これらの測定により、有機半導体用組成物により形成された活性層の膜厚は、80nmで、吸収スペクトル測定より得られた吸収端は900nmであった。
(電極の製膜)
活性層を製膜した基板を大気に触れさせることなく抵抗加熱式真空蒸着装置(EO−5:エイコーエンジニアリング社製)に導入し、5.0×10−5Paの減圧条件下にて0.5nmのフッ化リチウム(LiF)(純度99.99%:フルウチ化学社製)を真空蒸着した。次いで、80nmのアルミニウム(Al)(純度99.995%:ニラコ社製)を真空蒸着し、光電変換素子を作製した。作製した光電変換素子の受光面積は0.25cmであった。
(光電変換特性評価)
作製した光電変換素子の分光感度について、分光感度測定装置を用いて、下記測定条件により測定した。測定時の特定波長における照射強度は、フォトダイオード(S1337−66BQ、浜松フォトニクス社製)を用いて校正した。測定時には、光電変換素子の受光面積と同じ面積の照射光マスクを着用し、余剰な光の入射を排除した。
<測定条件>
装置:分光感度測定装置 SM−250型(分光計器社製)
光源:キセノン150W オゾンレス型
分光放射照度:5mW/cm以上(470nm)
有効照射面積:10×10mm以上
受光面積:0.25cm
面内不均一性:±10%以内(550nm)
ソースメーター:ケースレー2400(KEITHLEY社製)
また、作製した光電変換素子の光電変換効率について、ソーラーシミュレーター及びソースメーターを用いて、下記測定条件により測定した。測定時の照射強度は、フォトダイオード(BS−520、分光計器社製)を用い、太陽電池評価基準となるように調節した。測定時には、光電変換素子の受光面積と同じ面積の照射光マスクを着用し、余剰な光の入射を排除した。
<測定条件>
ソーラーシミュレーター:PEC−L11(ペクセルテクノロジー社製)
ソースメーター:KEITHLEY2400(KEITHLEY社製)
照射スペクトル:AM1.5
照射強度:100mW/cm
バイアス電圧:±1.0V
有効照射面積:50×50mm
受光面積:0.25cm
作製した光電変換素子の分光感度を測定したところ、900nm以下の波長域において光電変換していることが明らかとなった。作製した光電変換素子の光電変換効率を測定したところ、短絡電流密度=8.38mA/cm、開放電圧=0.61V、曲線因子=0.55、光電変換効率=2.81%(平均2.7%)であった。
(実施例2)(PCTi8DTPP:PC71BM=1:3、DIO2.5%)
PCTi8DTPPとPC71BMとの重量比を1:3、固形分濃度を4.5重量%に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法にて本発明の有機半導体用組成物を調製し、PEDOT:PSSを40nm製膜したITO基板に2000rpmで120秒間スピンコートした。実施例1と同様の測定条件により得られた有機薄膜である活性層の膜厚及び吸収スペクトルを測定した結果、有機半導体用組成物により形成された活性層の膜厚は86nmで、吸収スペクトル測定より得られた吸収端は900nmであった。
製膜した活性層に実施例1と同様の方法でLiF及びAlを蒸着して光電変換素子を作製した。作製した光電変換素子の受光面積は0.25cmであった。実施例1と同様の測定条件により、作製した光電変換素子の分光感度を測定したところ、900nm以下の波長域において光電変換していることが明らかとなった。同じく、作製した光電変換素子の光電変換効率を測定したところ、短絡電流密度=7.17mA/cm、開放電圧=0.62V、曲線因子=0.55、光電変換効率=2.44%(平均2.4%)であった。
(実施例3)(PCTi8DTPP:PC71BM=1:2、DIO2.5%)
本発明の成分Cをクロロベンゼン(CBz)とし、固形分濃度を3.5重量%に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法にて本発明の有機半導体用組成物を調製し、PEDOT:PSSを40nm製膜したITO基板に2000rpmで120秒間スピンコートした。実施例1と同様の測定条件により得られた有機薄膜である活性層の膜厚及び吸収スペクトルを測定した結果、有機半導体用組成物により形成された活性層の膜厚は85nmで、吸収スペクトル測定より得られた吸収端は900nmであった。
製膜した活性層に実施例1と同様の方法でLiF及びAlを蒸着して光電変換素子を作製した。作製した光電変換素子の受光面積は0.25cmであった。実施例1と同様の測定条件により、作製した光電変換素子の分光感度を測定したところ、900nm以下の波長域において光電変換していることが明らかとなった。同じく、作製した光電変換素子の光電変換効率を測定したところ、短絡電流密度=6.17mA/cm、開放電圧=0.62V、曲線因子=0.55、光電変換効率=2.10%(平均2.0%)であった。
(実施例4)(PCTi8DTPP:PC71BM=1:2、DIO5%)
本発明における可溶解溶媒を体積分率で5.0%のDIO(本発明における成分D)を含むDCBzに変更したこと以外は、実施例1と同様の方法にて本発明の有機半導体用組成物を調製し、PEDOT:PSSを40nm製膜したITO基板に2200rpmで120秒間スピンコートした。実施例1と同様の測定条件により得られた有機薄膜である活性層の膜厚及び吸収スペクトルを測定した結果、有機半導体用組成物により形成された活性層の膜厚は89nmで、吸収スペクトル測定より得られた吸収端は900nmであった。
製膜した活性層に実施例1と同様の方法でLiF及びAlを蒸着して光電変換素子を作製した。作製した光電変換素子の受光面積は0.25cmであった。実施例1と同様の測定条件により、作製した光電変換素子の分光感度を測定したところ、900nm以下の波長域において光電変換していることが明らかとなった。同じく、作製した光電変換素子の光電変換効率を測定したところ、短絡電流密度=7.82mA/cm、開放電圧=0.62V、曲線因子=0.55、光電変換効率=2.67%(平均2.5%)であった。
(実施例5)(PCTi8DTPP:PC61BM=1:2、DIO2.5%)
本発明における電子受容性有機半導体である成分Bを[6,6]−フェニル C61 ブチリックアシッドメチルエステル(PC61BM)(E−100H:フロンティアカーボン社製)に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法にて本発明の有機半導体用組成物を調製し、PEDOT:PSSを40nm製膜したITO基板に2500rpmで120秒間スピンコートした。実施例1と同様の測定条件により得られた有機薄膜である活性層の膜厚及び吸収スペクトルを測定した結果、有機半導体用組成物により形成された活性層の膜厚は78nmで、吸収スペクトル測定より得られた吸収端は900nmであった。
製膜した活性層に実施例1と同様の方法でLiF及びAlを蒸着して光電変換素子を作製した。作製した光電変換素子の受光面積は0.25cmであった。実施例1と同様の測定条件により、作製した光電変換素子の分光感度を測定したところ、900nm以下の波長域において光電変換していることが明らかとなった。同じく、作製した光電変換素子の光電変換効率を測定したところ、短絡電流密度=5.59mA/cm、開放電圧=0.61V、曲線因子=0.57、光電変換効率=1.94%(平均1.7%)であった。
(実施例6)(PCTi8DTPP:PC71BM=1:2、ODT2.5%)
本発明における溶解性添加物である成分Dをオクタンジチオール(ODT)に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法にて本発明の組成物を調製し、PEDOT:PSSを40nm製膜したITO基板に2500rpmで120秒間スピンコートした。実施例1と同様の測定条件により得られた有機薄膜である活性層の膜厚及び吸収スペクトルを測定した結果、有機半導体用組成物により形成された活性層の膜厚は83nmで、吸収スペクトル測定より得られた吸収端は900nmであった。
製膜した活性層に実施例1と同様の方法でLiF及びAlを蒸着して光電変換素子を作製した。作製した光電変換素子の受光面積は0.25cmであった。実施例1と同様の測定条件により、作製した光電変換素子の分光感度を測定したところ、900nm以下の波長域において光電変換していることが明らかとなった。同じく、作製した光電変換素子の光電変換効率を測定したところ、短絡電流密度=7.93mA/cm、開放電圧=0.61V、曲線因子=0.54、光電変換効率=2.61%(平均2.5%)であった。
(実施例7)(PDTPDTPP:PC71BM=1:2、DIO2.5%)
本発明における成分Aを合成例7で得られた重合体(PDTPDTPP、Mn=10,000)にし、固形分濃度を5.0重量%に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法にて本発明の有機半導体用組成物を調製し、PEDOT:PSSを40nm製膜したITO基板に1000rpmで120秒間スピンコートした。実施例1と同様の測定条件により得られた有機薄膜である活性層の膜厚及び吸収スペクトルを測定した結果、有機半導体用組成物により形成された活性層の膜厚は76nmで、吸収スペクトル測定より得られた吸収端は1100nmであった。
製膜した活性層に実施例1と同様の方法でLiF及びAlを蒸着して光電変換素子を作製した。作製した光電変換素子の受光面積は0.25cmであった。実施例1と同様の測定条件により、作製した光電変換素子の分光感度を測定したところ、1100nm以下の波長域において光電変換していることが明らかとなった。同じく、作製した光電変換素子の光電変換効率を測定したところ、短絡電流密度=7.23mA/cm、開放電圧=0.45V、曲線因子=0.50、光電変換効率=1.63%(平均1.6%)であった。
(比較例1)(PCTi8DTPP:PC71BM=1:2、添加物なし)
本発明における溶解性添加物である成分Dを含有しないこと以外は、実施例1と同様の方法にて比較組成物を調製し、PEDOT:PSSを40nm製膜したITO基板に2500rpmで120秒間スピンコートした。実施例1と同様の測定条件により得られた有機薄膜である活性層の膜厚及び吸収スペクトルを測定した結果、比較組成物により形成された活性層の膜厚は87nmで、吸収スペクトル測定より得られた吸収端は800nmであった。
製膜した活性層に実施例1と同様の方法でLiF及びAlを蒸着して光電変換素子を作製した。作製した光電変換素子の受光面積は0.25cmであった。実施例1と同様の測定条件により、作製した光電変換素子の分光感度を測定したところ、800nm以下の波長域において光電変換していることが明らかとなった。同じく、作製した光電変換素子の光電変換効率を測定したところ、短絡電流密度=3.69mA/cm、開放電圧=0.61V、曲線因子=0.40、光電変換効率=0.90%(平均0.8%)であった。
(比較例2)(PCTi8DTPP:PC61BM=1:2、添加物なし)
本発明における溶解性添加物である成分Dを含有しないこと以外は、実施例5と同様の方法にて比較組成物を調製し、PEDOT:PSSを40nm製膜したITO基板に2500rpmで120秒間スピンコートした。実施例1と同様の測定条件により得られた有機薄膜である活性層の膜厚及び吸収スペクトルを測定した結果、比較組成物により形成された活性層の膜厚は70nmで、吸収スペクトル測定より得られた吸収端は800nmであった。
製膜した活性層に実施例1と同様の方法でLiF及びAlを蒸着して光電変換素子を作製した。作製した光電変換素子の受光面積は0.25cmであった。実施例1と同様の測定条件により、作製した光電変換素子の分光感度を測定したところ、800nm以下の波長域において光電変換していることが明らかとなった。同じく、作製した光電変換素子の光電変換効率を測定したところ、短絡電流密度=1.52mA/cm、開放電圧=0.58V、曲線因子=0.35、光電変換効率=0.31%(平均0.3%)であった。
(比較例3)(PCTi8DTPP:PC71BM=1:2、低沸点添加物)
本発明における溶解性添加物である成分Dをメタノール(MeOH)(試薬特級、和光純薬工業社製)以外は、実施例1と同様の方法にて比較組成物を調製し、PEDOT:PSSを40nm製膜したITO基板に2500rpmで120秒間スピンコートした。実施例1と同様の測定条件により得られた有機薄膜である活性層の膜厚及び吸収スペクトルを測定した結果、比較組成物により形成された活性層の膜厚は84nmで、吸収スペクトル測定より得られた吸収端は800nmであった。
製膜した活性層に実施例1と同様の方法でLiF及びAlを蒸着して光電変換素子を作製した。作製した光電変換素子の受光面積は0.25cmであった。実施例1と同様の測定条件により、作製した光電変換素子の分光感度を測定したところ、800nm以下の波長域において光電変換していることが明らかとなった。同じく、作製した光電変換素子の光電変換効率を測定したところ、短絡電流密度=2.28mA/cm、開放電圧=0.60V、曲線因子=0.38、光電変換効率=0.52%(平均0.4%)であった。
(比較例4)(P3HT:PC71BM=1:0.8、DIO2.5%)
本発明における成分Aを市販のポリ(3−ヘキシルチオフェン)(P3HT)(Mn=20,000、Rieke社製)とし、成分Aと成分Bとの混合比を1:0.8に、固形分濃度を4.0重量%に変更した以外は、実施例1と同様の方法で比較組成物を調製し、PEDOT:PSSを40nm製膜したITO基板に1500rpmで120秒間スピンコートした。実施例1と同様の測定条件により得られた有機薄膜である活性層の膜厚及び吸収スペクトルを測定した結果、比較組成物により形成された活性層の膜厚は90nmで、吸収スペクトル測定より得られた吸収端は650nmであった。
製膜した活性層に実施例1と同様の方法でLiF及びAlを蒸着して光電変換素子を作製した。作製した光電変換素子の受光面積は0.25cmであった。実施例1と同様の測定条件により、作製した光電変換素子の分光感度を測定したところ、650nm以下の波長域において光電変換していることが明らかとなった。同じく、作製した光電変換素子の光電変換効率を測定したところ、短絡電流密度=6.28mA/cm、開放電圧=0.60V、曲線因子=0.43、光電変換効率=1.62%(平均1.5%)であった。
実施例1〜7及び比較例1〜4の作製条件を表1に、それらの各種測定結果を表2に纏めて示す。
Figure 0005658633
Figure 0005658633
表1及び表2から明らかであるように、本発明の有機半導体用組成物より形成された光電変換素子は、実施例4に示されるように成分Dである溶解性添加物の添加量が変わっても、また実施例6に示されるように成分Dである溶解性添加物の種類が変わっても、高い光電変換効率を有することがわかった。また実施例5より、成分Bである電子受容性有機半導体の種類が変わってもよいことがわかった。一方、比較例1より成分Dである溶解性添加物を含有しなければ高い光電変換効率を得ることができず、また比較例2のように成分Bである電子受容性有機半導体の種類が変わったとしても成分Dである溶解性添加物を含有しなければならないことが明らかとなった。さらに、比較例4より成分Aである重合体は、前記化学式(1)で示される分子構造を含有する重合体であるTPP系ポリマーでなければならないことが明らかとなった。
本発明の有機半導体用組成物は、ジケトピロロピロール骨格を有する有機半導体高分子である重合体(A)、電子受容性有機半導体(B)、可溶解溶媒(C)、沸点が可溶解溶媒(C)より高く、ジケトピロロピロール骨格を有する有機半導体高分子である重合体(A)に対して貧溶媒且つ電子受容性有機半導体(B)に対して良溶媒である溶解性添加物(D)を含む均一溶液であって、従来の有機薄膜光電変換素子が利用できなかった可視〜近赤外領域の光電変換に優れる有機薄膜太陽電池として好適に用いることができる。また、本発明の光電変換素子は、可視光領域の光電変換特性に優れる光電変換素子と組み合わせてタンデム型太陽電池とすることで、より光電変換効率に優れる有機薄膜太陽電池として好適に用いることができる。

Claims (7)

  1. 下記化学式(1)
    Figure 0005658633
    (式中、R及びRはそれぞれ独立して同一または異なる置換基を有してもよい炭素数2以下分岐状アルキル基であり、Ar 及びAr はチオフェン、Ar下記化学式(f)または(j)
    Figure 0005658633
    (式中、R 12 及びR 13 はそれぞれ独立して同一または異なり、R 12 、R 13 及びR 18 は置換基を有してもよい炭素数20以下の分岐状アルキル基である)で示される2のヘテロアリーレン基であり、nは2〜100,000の数である)で示される分子構造を含有する数平均分子量が少なくとも10,000である重合体(A)と、電子受容性有機半導体(B)と、前記重合体(A)及び前記電子受容性有機半導体(B)の可溶解溶媒(C)と、沸点が前記可溶解溶媒(C)より高く前記重合体(A)に対する溶解性よりも前記電子受容性有機半導体(B)に対する溶解性が高い溶解性添加物(D)とを含有し、
    前記溶解性添加物(D)の添加量が、前記可溶解溶媒(C)に対して体積分率で0.5%〜10%であって、
    前記可溶解溶媒(C)及び前記溶解性添加物(D)の合計量100重量部に対して、前記重合体(A)と前記電子受容性有機半導体(B)とを1〜99:99〜1の重量分率としつつそれらの合計量で0.1〜10.0重量部とすることを特徴とする有機半導体用組成物。
  2. 前記可溶解溶媒(C)が、テトラヒドロフラン、1,2−ジクロロエタン、シクロヘキサン、クロロホルム、ブロモホルム、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、o−ジクロロベンゼン、アニソール、メトキシベンゼン、トリクロロベンゼン、及びピリジンから選ばれる少なくとも何れかであることを特徴とする請求項1に記載の有機半導体用組成物。
  3. 前記溶解性添加物(D)が、ジヨードオクタン、オクタンジチオール、ジブロモオクタン、またはこれらのうちの何れかの混合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機半導体用組成物。
  4. 前記電子受容性有機半導体(B)が、C70またはC60フラーレン誘導体であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の有機半導体用組成物。
  5. 前記重合体(A)が、下記化学式(2)
    Figure 0005658633
    (式中、R及びRはそれぞれ独立して置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基であり、nは2〜100,000の数である)
    で示されることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の有機半導体用組成物。
  6. 少なくとも一方が光透過性を有する第1電極及び第2電極の間に、請求項1〜5の何れかに記載の有機半導体用組成物を乾燥硬化してなる有機薄膜が、挟まれていることを特徴とする光電変換素子。
  7. 請求項6に記載の光電変換素子を含有することを特徴とするタンデム型光電変換素子。
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