JP2013234146A - 芳香族アルコールの製造方法 - Google Patents

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【課題】触媒分離用のフィルターの差圧が上昇する速度を抑制することができ、よって効率的に連続反応を実施できるという優れた特徴を有する芳香族アルコールの製造方法を提供する。
【解決手段】貴金属が担持された粉体状又は粒状の触媒を懸濁させた反応容器に、芳香族過酸化物を含む液と水素含有ガスとを連続的に供給し、芳香族アルコールを含む反応液を連続的に抜き出して得る芳香族アルコールの製造方法であって、下記の要件(1)及び(2)を有する製造方法。
要件(1):該抜き出された反応液に含まれる未反応芳香族過酸化物の濃度C(重量%)を測定すること(但し、該抜き出された反応液の全重量を100重量%とする。)
要件(2):該測定された濃度C(重量%)が0.05〜0.07重量%の時に、反応及び反応液の抜き出しを停止することなく追加の触媒を該反応容器中に添加すること
【選択図】図1

Description

本発明は、触媒分離用のフィルターの差圧が上昇する速度を抑制することができ、よって効率的に連続反応を実施できるという優れた特徴を有する芳香族アルコールの製造方法に関するものである。
芳香族過酸化物を水素により還元し芳香族アルコールを得る方法は、芳香族アルコールの工業的製造方法として用いられている。例えば、クメンハイドロパーオキサイドを含む液と水素含有ガスを触媒の存在下に反応させた場合はクミルアルコールが得られ、ジイソプロピルベンゼンジハイドロパーオキサイド(DHPO)及び/又はジイソプロピルベンゼンハイドロキシハイドロパーオキサイド(CHPO)を含む液を用いた場合は、ジイソプロピルベンゼンジカルビノール(DCA)が得られる。
芳香族アルコールを得る方法として、例えば、特許文献1には、効率的に連続反応を実施できることを目的として、芳香族過酸化物を含む液と水素含有ガスとを貴金属が担持された粉体又は粒状触媒を懸濁させた反応容器に連続的に供給し、芳香族アルコールを含む反応液を得る芳香族アルコールの製造方法であって、反応及び反応液の抜き出しが連続で行われ、所定のレベルまで触媒の活性が低下した場合に、反応及び反応液の抜き出しを停止することなく追加の触媒を上記の反応液中に添加することを特徴とする芳香族アルコールの製造方法が記載されている。
特開2010−202642号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の方法では、触媒分離用のフィルターの差圧が上昇する速度が速く、効率的に連続反応を行う点で更なる改良が求められていた。
かかる状況において、本発明が解決しようとする課題は、触媒分離用のフィルターの差圧が上昇する速度を抑制することができ、よって効率的に連続反応を実施できるという優れた特徴を有する芳香族アルコールの製造方法を提供する点にある。
すなわち、本発明のうち第一の発明は、貴金属が担持された粉体状又は粒状の触媒を懸濁させた反応容器に、芳香族過酸化物を含む液と水素含有ガスとを連続的に供給し、芳香族アルコールを含む反応液を連続的に抜き出して得る芳香族アルコールの製造方法であって、下記の要件(1)及び(2)を有する製造方法に係るものである。
要件(1):該抜き出された反応液に含まれる未反応芳香族過酸化物の濃度C(重量%)を測定すること(但し、該抜き出された反応液の全重量を100重量%とする。)
要件(2):該測定された濃度C(重量%)が0.05〜0.07重量%の時に、反応及び反応液の抜き出しを停止することなく追加の触媒を該反応容器中に添加すること
本発明は、芳香族過酸化物がジイソプロピルベンゼンジハイドロパーオキサイド(DHPO)及び/又はジイソプロピルベンゼンハイドロキシハイドロパーオキサイド(CHPO)であり、芳香族アルコールがジイソプロピルベンゼンジカルビノール(DCA)である場合に特に好適である。
また、本発明のうち第二の発明は、上記第一の発明に用いられる反応容器が、下記の要件(3)及び(4)を満足するものであり、仕切弁(a)を閉止した状態で仕切弁(b)を開放して空室内に追加添加すべき触媒を充填した後、仕切弁(b)を閉止し、次いで空室内に加圧ガスを供給した後、仕切弁(a)を開放し、追加添加すべき触媒を反応器内に投入する上記第一の発明の製造方法に係るものである。
要件(3):反応容器から反応後の反応液を抜き出すルートに、反応容器から粉体状又は粒状の触媒の流出を防止するための機能が設けられていること
要件(4):反応容器に追加の触媒を投入するための投入装置が設けられており、該投入装置は、反応容器の内部と外部を遮断・連絡する二重の仕切弁(a)及び仕切弁(b)を有し、仕切弁(a)は反応容器内部側にあり、仕切弁(b)は反応容器外部側にあり、二つの仕切弁の間は空室を形成し、該空室内に加圧ガスを供給できる構造であること
本発明の反応容器から粉体状又は粒状の触媒の流出を防止するための機能が、反応器内部に設置された触媒分離用のフィルターによるろ過機能である場合、設備の構造の簡易性や公知の汎用設計手法を用いることができる点で特に好ましい。
本発明により、触媒分離用のフィルターの差圧が上昇する速度を抑制することができ、よって効率的に連続反応を実施できるという優れた特徴を有する芳香族アルコールの製造方法を提供することができる。
実施例2で用いた反応容器の概略を示す図である。
本発明の芳香族アルコールの製造方法は、貴金属が担持された粉体状又は粒状の触媒を懸濁させた反応容器に、芳香族過酸化物を含む液と水素含有ガスとを連続的に供給し、芳香族アルコールを含む反応液を連続的に抜き出して得る芳香族アルコールの製造方法であって、下記の要件(1)及び(2)を有する。
要件(1):該抜き出された反応液に含まれる未反応芳香族過酸化物の濃度C(重量%)を測定すること(但し、該抜き出された反応液の全重量を100重量%とする。)
要件(2):該測定された濃度C(重量%)が0.05〜0.07重量%の時に、反応及び反応液の抜き出しを停止することなく追加の触媒を該反応容器中に添加すること
芳香族過酸化物としては、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、エチルベンゼンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンジハイドロパーオキサイド(以下、「DHPO」と記載することがある。)、ジイソプロピルベンゼンハイドロキシハイドロパーオキサイド(以下、「CHPO」と記載することがある。)等が挙げられる。
芳香族アルコールとしては、例えば、クミルアルコール、メチルベンジルアルコール、ジイソプロピルベンゼンジカルビノール(以下、「DCA」と記載することがある。)等が挙げられる。
本願発明は、芳香族過酸化物がジイソプロピルベンゼンジハイドロパーオキサイド(DHPO)及び/又はジイソプロピルベンゼンハイドロキシハイドロパーオキサイド(CHPO)であり、芳香族アルコールがジイソプロピルベンゼンジカルビノール(DCA)である場合に特に好適である。以下、芳香族過酸化物がジイソプロピルベンゼンジハイドロパーオキサイド(DHPO)及び/又はジイソプロピルベンゼンハイドロキシハイドロパーオキサイド(CHPO)であり、芳香族アルコールがジイソプロピルベンゼンジカルビノール(DCA)である場合について、さらに詳細に説明する。
本発明の反応原料であるジイソプロピルベンゼンジハイドロパーオキサイド(DHPO)及び/又はジイソプロピルベンゼンハイドロキシハイドロパーオキサイド(CHPO)を含む液は、ジイソプロピルベンゼン(以下、「DIPB」と記載することがある。)を空気又は含酸素ガスで酸化することで得ることができる。原料であるDIPBとしては、m−DIPB、p−DIPBを挙げることができる。すなわち、m−DIPB及びp−DIPBの混合物であってもよく、あるいはどちらか一方を単独で用いてもよいし、別の物質を溶媒として含むものであってもよい。
DIPBの酸化反応は、添加剤を用いずに非水系で実施してもよいし、アルカリ水溶液のような添加剤の存在下に実施してもよいが、反応速度及び反応選択率の観点から、アルカリ水溶液存在下に行なうのが好ましい。この場合、アルカリ水溶液のpHは8〜11の範囲であることが好ましい。通常の反応温度は50〜200℃であり、反応圧力は大気圧から5MPaの間である。アルカリ水溶液のアルカリ性試薬としては、NaOH、KOHのようなアルカリ金属化合物や、アルカリ土類金属化合物又はNa2CO3、NaHCO3のようなアルカリ金属炭酸塩又はアンモニア及び(NH42CO3、アルカリ金属炭酸アンモニウム塩等が用いられるが、取り扱い性、入手性、コストの観点からNaOHが好ましい。アルカリ濃度としては、20重量%以下が好ましい。また、アルカリ水溶液の使用量は、全反応液の0.01〜20重量%を占めるようにすることが好ましく、全反応液の0.1〜10重量%を占めるようにすることが更に好ましい。この割合が過小であると反応速度や反応選択率が低下することがあり、一方この割合が過大であると酸化反応容器内のDIPB及びその反応生成物の占める割合が減じられ生産性の低下を引き起こしたり、水溶液中へ溶解あるいは同伴する有効成分の量が増加し、損失が過大となることがある。
酸化反応は連続で実施してもよいし回分で実施してもよいが生産性の観点からは連続で実施することが好ましく、連続で実施する場合の反応温度、圧力、反応容器の滞留時間、転化率等は、実施者が適時所望の反応生成物を得られる条件にて公知の方法から決定すればよく、特に限定されない。
このようにして得られたDHPO及びCHPOは、未反応のDIPBや反応の中間生成物であるジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド(MHPO)、さらに反応で副生するその他の有機過酸化物やアルコール類を含む混合液であって、酸化油と称される。
混合液である酸化油から本発明の原料であるDHPO及びCHPOを選択的に各々分離する方法としては、水酸化ナトリウム水溶液による抽出操作に付し、次いで有機溶媒による抽出操作に付す方法を挙げることができる。この方法については、特開平9−143112号公報に記載されている。概要を簡単に説明すると、まず、有効成分としてDHPO、CHPO、MHPO、DIPBを含む混合液である酸化油を2〜20重量%のNaOH水溶液と接触させ、0〜100℃の範囲で抽出操作を行なう。こうすることで、目的物質であるDHPOの大部分とCHPOの一部を酸化油からNaOH水溶液層へ選択的に取り出すことがでる。
水溶液層へ抽出されなかった有効成分は、そのまま酸化反応の原料としてリサイクルすればよい。
前述のDHPO及びCHPOを含むNaOH水溶液は、次に有機溶媒による抽出操作に付される。このことにより、DHPOとCHPOとを各々分離することができる。有機溶媒としては、炭素数4〜10のケトン類、炭素数4〜10のエーテル類、炭素数4〜8のアルコール類が、抽出効率及び溶媒回収の観点から好ましい。溶媒は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。なお、メチルイソブチルケトン(以下、「MIBK」と記載することがある。)が最も好ましい。
特開平9−143112号公報には、有機溶媒抽出の抽出温度の違いによりCHPOとDHPOをそれぞれ分離する方法についても記載されている。本発明の原料として用いる場合、DHPOとCHPOを同時に有機溶媒層に抽出した混合物であってもよいし、公知文献の方法によりDHPOとCHPOをそれぞれ分離して、必要に応じてDHPOとCHPOをどちらか一方を主原料としてもよいし、分離後のDHPOとCHPOを必要に応じて混ぜて利用してもよいが、製品であるジイソプロピルベンゼンジカルビノール(DCA)を1モル得るために必要な水素の量はDHPOでは2モルに対してCHPOでは1モルであるため、CHPOを優先的に用いることが望ましい。なお、有機溶媒に抽出されたDHPO及び/又はCHPOは、そのまま次の反応容器へ供給してもよいし、事前に濃縮や精製を行なってもよい。
本発明のDHPO及び/又はCHPOを含む液と水素含有ガスとを貴金属が担持された粉体状又は粒状の触媒を懸濁させた反応容器に供給し、DCAを得る反応は還元反応である。反応容器としては一般に縦型又は横型ドラムに攪拌機を設置した攪拌槽を用いることが多い。
本発明の反応に用いられる触媒は、貴金属が担持された紛体状又は粒状の触媒であり、一般に水添触媒として広く知られているものであってよい。好ましくは、周期律表第8属の貴金属を担体に担持した触媒であり、より好ましくは、活性、選択性の観点からパラジウムを担体に担持した触媒である。担体としては、例えば、アルミナ、シリカ、チタニア、マグネシアなどが挙げられる。担体上の周期律表第8属の貴金属の担持濃度は、担持濃度が低い場合は必要な貴金属量を供給するための触媒量が多くなり、逆に担持濃度が高い場合は担体上の貴金属の分散性が悪くなるため、周期律表第8属の貴金属として、好ましくは、0.01〜10重量%である。
反応容器に触媒を懸濁させるには、通常、溶媒が用いられ、溶媒としては、例えば、MIBK等が挙げられる。
反応初期に用いられる触媒の投入量は、反応容器内に滞留する反応液重量100重量%に対して、好ましくは、0.05〜10重量%であり、より好ましくは、0.05〜2.0重量%であり、更に好ましくは、0.1〜1.0重量%である。
本発明の反応に用いられる水素含有ガスとしては、精製された水素ガス、窒素、炭酸ガス、メタン等の不活性ガスが含まれた水素ガスであってもよい。
本発明の反応条件としては、反応圧力は、好ましくは、1〜100気圧であり、反応温度は、好ましくは、20〜150℃であり、反応時間(すなわち反応容器の液滞留時間)は、反応液中における未反応芳香族過酸化物の濃度が0.07重量%以下となるように適宜決定され、好ましくは、1〜300分である。
本発明においては、反応容器中で得られた芳香族アルコールを含む反応液は、連続的に抜き出され、該抜き出された反応液に含まれる未反応芳香族過酸化物の濃度C(重量%)を測定すること(但し、該抜き出された反応液の全重量を100重量%とする。)(要件(1))、該測定された濃度C(重量%)が0.05〜0.07重量%の時に、反応及び反応液の抜き出しを停止することなく追加の触媒を該反応容器中に添加すること(要件(2))、を要件とする。
抜き出された反応液に含まれる未反応芳香族過酸化物の濃度C(重量%)を測定する方法としては、公知の過酸化物定量法、例えば、ヨードメトリー法や液体クロマトグラフィーによって定量することができる。
追加する触媒の使用量は、反応初期に用いられる触媒の投入量w[kg]に対して、好ましくは、0.005〜1倍であり、より好ましくは、0.01〜0.5倍である。
本発明に用いられる反応容器として、好ましくは、下記の要件(3)及び(4)を満足するものである。
要件(3):反応容器から反応後の反応液を抜き出すルートに、反応容器から粉体状又は粒状の触媒の流出を防止するための機能が設けられていること
要件(4):反応容器に追加の触媒を投入するための投入装置が設けられており、該投入装置は、反応容器の内部と外部を遮断・連絡する二重の仕切弁(a)及び仕切弁(b)を有し、仕切弁(a)は反応容器内部側にあり、仕切弁(b)は反応容器外部側にあり、二つの仕切弁の間は空室を形成し、該空室内に加圧ガスを供給できる構造であること
また、本発明においては、反応容器として、上記の要件(3)及び(4)を満足するものを用い、仕切弁(a)を閉止した状態で仕切弁(b)を開放して空室内に追加添加すべき触媒を充填した後、仕切弁(b)を閉止し、次いで空室内に加圧ガスを供給した後、仕切弁(a)を開放し、追加添加すべき触媒を反応器内に投入することが好ましい。
反応容器から粉体状又は粒状の触媒の流出を防止するための機能とは、具体的には粉体状又は粒状の触媒と反応液とを固液分離する機能のことであって、反応容器内に懸濁する触媒が反応器外部へ流出することを防ぐ目的で設置される。こうすることによって、反応容器内に懸濁する触媒を容器外部へ抜き出すことなく、反応及び反応液の抜き出しを連続で実施することができる。
反応容器から粉体状又は粒状の触媒の流出を防止するための機能としては、例えば、反応器内部に設置された触媒分離用のフィルターによるろ過機能を挙げることができる。これらの技術は設備の構造が簡易であることや公知の汎用設計手法を用いることができる点で特に好ましい機能の実施例として例示したものであるが、本発明の該機能の実施形態を制限するものではない。こうすることで、反応容器内に存在する触媒は抜き出されることなく、反応液のみを連続的に取り出すことができる。
また、反応容器に設置される追加の触媒を投入するための投入装置としては、既に記載したとおり、反応容器の内部と外部を遮断・連絡する二重の仕切弁(a)及び仕切弁(b)を有し、仕切弁(a)は反応容器内部側にあり、仕切弁(b)は反応容器外部側にあり、二つの仕切弁の間は空室を形成し、該空室内に加圧ガスを供給できる構造であればよく、仕切弁(b)の上部には粉体状又は粒状の触媒を受けるポット状の受け口を設けることが投入のし易さから好ましい。仕切弁としては、特に制限はないが、一般的なボール弁やゲート弁を用いてよい。二つの仕切弁の間の空室は、1回に追加投入する触媒の体積よりも大きくしておくと触媒投入操作時のポットへの触媒セット及びその後の弁操作回数が1度で済むため便利であるが、触媒体積が大きな場合はそれより小さい空室容積でも構わない。反応容器内に可燃性ガスが存在する場合、空室内に供給される加圧ガスとしては窒素ガスが安全上好ましく、その圧力は反応容器の操作圧力よりも高いことが逆流防止の観点から好ましい。
[実施例1]
反応器にMIBKを2重量部仕込み、触媒(Alに0.5重量%のPdを担持したもの)0.003重量部を投入し、反応原料(CHPO換算で6.89〜8.40重量%の過酸化物を含むMIBK溶液)を毎時1.3〜2.0重量部連続的に供給し、反応器の温度が97〜99℃、反応器圧力が500〜680kPa、滞留時間50〜80分にて水添反応させた。この反応容器出口サンプルを一日に一回サンプリングし、出口のCHPO換算濃度が0.05〜0.07重量%になった時に、触媒を0.001重量部投入し、連続的に反応させた。
反応容器の内部に設置された触媒分離用のフィルターの差圧が上昇し、反応器圧力が680kPaまで上昇するまでの192日間安定的に連続運転ができた。触媒投入量としては、合計0.015重量部投入した。
ここで、CHPO換算とはヨードメトリー滴定法で測定した過酸化物量をCHPOの分子量で重量換算したものである。
[比較例1]
出口のCHPO換算濃度が0.3重量%以上になった時に、触媒を0.001重量部投入したこと以外は実施例1に準じて実施した。その結果、実施例1と対比して、触媒分離用のフィルターの差圧が上昇する速度が速く、反応器圧力が680kPaまで上昇するまでの78日間しか連続運転ができなかった。触媒投入量としては、合計0.007重量部投入した。
[実施例2]
約8重量%のCHPOを含むMIBK溶液と水素含有ガスを図1に示す反応容器に連続的に供給しDCAを得た。
用いた反応器は、反応器本体にろ過フィルター及び追加の触媒を投入するための投入装置が設けられている。
運転操作について説明する。
操作1)反応器に滞留する反応液重量に対して、触媒(Alに1.0重量%のPdを担持したもの)を0.36重量%初期投入し、原料であるCHPOを含むMIBK溶液と水素含有ガスを供給して連続反応を開始した。反応液は、本体内に設置されたろ過フィルターを通して触媒と分離され、反応液のみ反応器から取り出した。
操作2)取り出した反応液を定期的にヨードメトリー法で滴定分析し、未反応のまま反応液中に残存するCHPO濃度を測定した。残存CHPO濃度は時間経過とともに上昇した。
操作3)残存CHPOの濃度が0.05〜0.07重量%になった時に、操作1で初期投入した触媒重量の0.1〜0.2倍の触媒を反応器に追加した。
触媒の追加投入方法は、仕切弁(a)を閉止した状態で仕切弁(b)を開放し、触媒ポットから空室内に追加添加すべき触媒量を充填した後仕切弁(b)を閉止した。次いで空室内に加圧ガスを供給した後、仕切弁(a)を開放し、追加添加すべき触媒を反応器内に加圧ガスとともに投入する方法とした。
操作4)操作3の触媒追加により、残存CHPO濃度は0.01重量%以下まで回復したため、手順2の操作に戻り、反応を継続した。
このようにして、触媒活性の低下をヨードメトリー法による滴定分析で確認しながら、所定量の追加触媒を操作3の基準で添加する操作を繰り返したところ、過剰な触媒活性による好ましくない反応が問題となることなく、6ヶ月以上の期間連続運転が可能であった。
本発明は、触媒利用初期の過剰な触媒活性による好ましくない反応を抑制し、かつ運転中の触媒活性低下による反応転化率や選択率の悪化を低減でき、よって効率的に連続反応を実施できるという優れた特徴を有する芳香族アルコールの製造方法に利用できる。
(1)反応容器
(2)攪拌機及び攪拌翼
(3)フィルター
(4)ガス分散器
(5)仕切弁(a)
(6)触媒を一時的に貯めるための空室
(7)仕切弁(b)
(8)追加の触媒投入口(ポット)
(9)窒素投入ライン
(10)液供給ライン
(11)水素供給ライン
(12)反応液抜出ライン

Claims (5)

  1. 貴金属が担持された粉体状又は粒状の触媒を懸濁させた反応容器に、芳香族過酸化物を含む液と水素含有ガスとを連続的に供給し、芳香族アルコールを含む反応液を連続的に抜き出して得る芳香族アルコールの製造方法であって、下記の要件(1)及び(2)を有する製造方法。
    要件(1):該抜き出された反応液に含まれる未反応芳香族過酸化物の濃度C(重量%)を測定すること(但し、該抜き出された反応液の全重量を100重量%とする。)
    要件(2):該測定された濃度C(重量%)が0.05〜0.07重量%の時に、反応及び反応液の抜き出しを停止することなく追加の触媒を該反応容器中に添加すること
  2. 芳香族過酸化物がクメンハイドロパーオキサイドであり、芳香族アルコールがクミルアルコールである請求項1に記載の製造方法。
  3. 芳香族過酸化物がジイソプロピルベンゼンジハイドロパーオキサイド(DHPO)及び/又はジイソプロピルベンゼンハイドロキシハイドロパーオキサイド(CHPO)であり、芳香族アルコールがジイソプロピルベンゼンジカルビノール(DCA)である請求項1に記載の製造方法。
  4. 反応容器が、下記の要件(3)及び(4)を満足するものであり、仕切弁(a)を閉止した状態で仕切弁(b)を開放して空室内に追加添加すべき触媒を充填した後、仕切弁(b)を閉止し、次いで空室内に加圧ガスを供給した後、仕切弁(a)を開放し、追加添加すべき触媒を反応器内に投入する請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
    要件(3):反応容器から反応後の反応液を抜き出すルートに、反応容器から粉体状又は粒状の触媒の流出を防止するための機能が設けられていること
    要件(4):反応容器に追加の触媒を投入するための投入装置が設けられており、該投入装置は、反応容器の内部と外部を遮断・連絡する二重の仕切弁(a)及び仕切弁(b)を有し、仕切弁(a)は反応容器内部側にあり、仕切弁(b)は反応容器外部側にあり、二つの仕切弁の間は空室を形成し、該空室内に加圧ガスを供給できる構造であること
  5. 反応容器から粉体状又は粒状の触媒の流出を防止するための機能が、反応器内部に設置された触媒分離用のフィルターによるろ過機能である請求項4に記載の製造方法。
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