JP2013231497A - 車両用制御装置及び車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関において燃料カットを行うことにより変速機入力トルクに変動が生じた場合であっても、油圧作動機構に供給される供給油圧に変動が生じることを抑制可能な、車両の制御技術を提供する。
【解決手段】制御装置100は、内燃機関5の機関出力軸6からの機械的動力を、入力軸51で受け、回転速度を変化させる変速機50において当該入力軸51に作用するトルクである変速機入力トルクを推定し、機関回転速度が判定回転速度以上であり、且つアクセル操作量が判定操作量以上である場合には、推定された変速機入力トルクについて時間当たりの変化量が制限されるよう補正し、当該補正された変速機入力トルクである補正変速機入力トルクに応じて、油圧作動機構である入力側プーリ52及び出力側プーリ54に供給される供給油圧、すなわちプライマリ圧及びセカンダリ圧を決定するものとした。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関が機関出力軸から出力した機械的動力を、動力伝達装置を介して駆動輪に伝達する車両の制御技術に関する。
自動車等の車両に搭載される内燃機関においては、通常、機関出力軸の回転速度(以下、機関回転速度と記す)が高くなりすぎる、いわゆるオーバーレブを抑制するため、通常、使用上限値(いわゆるレブリミット)を設定することが知られている。機関回転速度が、所定の使用上限値に達すると、内燃機関の燃焼室への燃料供給を停止する、いわゆる燃料カットを行うことにより、オーバーレブを抑制している。
また、自動車等の車両においては、内燃機関が機関出力軸から出力した機械的動力は、通常、動力伝達装置を介して駆動輪に伝達される。このような動力伝達装置は、例えば、機関出力軸から出力された機械的動力を、回転速度を変化させて(すなわちトルクを変化させて)駆動輪に向けて伝達する変速機や、駆動輪と機関出力軸との間における動力伝達を遮断するクラッチ等を備えている。車両が駆動されている場合、機関出力軸と、動力伝達装置を構成する変速機の入力軸との間には、トルクが作用している。
ところで、上述した燃料カットは、機関回転速度が、使用上限値(レブリミット)に達するたびに行われる。このため、機関回転速度が使用上限値に近く、且つ車両の運転者が、アクセルペダルを操作している場合には、上述した燃料カットと燃料供給が交互に繰り返し行われることがある。このような場合、動力伝達装置内においては、機関出力軸と駆動輪との間において機械的動力を伝達する回転部材(例えば、変速機の入力軸)に作用するトルクも、周期的に変動する、いわゆる「ハンチング」が生じることがある。
このような燃料カットの実行に伴って動力伝達装置内で生じるトルクの変動を抑制するため、下記の特許文献1に記載の車両の制御技術においては、燃料カットを実行する際に、燃料カットの実行に先立って内燃機関の出力トルク(すなわち機関出力軸に作用しているトルク)を低下させる技術が提案されている。
国際公開第2011/007420号
上述のような車両においては、動力伝達装置を構成する変速機の入力軸に作用しているトルク(以下、変速機入力トルクと記す)に基づいて、動力伝達装置を構成する変速機やクラッチ等の構成部品に供給する油圧を決定することがある。上述した燃料カットの実行に伴って変速機入力トルクが周期的に変動すると、当該変動に応じて、構成部品に対して供給される油圧(以下、単に「供給油圧」と記す)の値が変動してしまう。動力伝達装置を構成するもののうち、油圧の供給を受けて作動する機構(以下、油圧作動機構と記す)、例えば、変速機やクラッチに対して供給される供給油圧の値が、仮に、大きく変動すると、当該油圧作動機構の機能に影響する虞がある。このため、内燃機関において燃料カットが行われる車両においては、燃料カットにより変速機入力トルクに変動が生じた場合であっても、油圧作動機構に供給される供給油圧に変動が生じることを抑制することが要望されている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、内燃機関において燃料カットを行うことにより変速機入力トルクに変動が生じた場合であっても、油圧作動機構に供給される供給油圧に変動が生じることを抑制可能な、車両の制御技術を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る車両用制御装置は、内燃機関が機関出力軸から出力した機械的動力を、動力伝達装置を介して駆動輪に伝達する車両に用いられる車両用制御装置であって、内燃機関は、機関出力軸の回転速度である機関回転速度が、所定の使用上限値に達すると内燃機関の燃焼室への燃料供給が停止されるものであり、機関出力軸からの機械的動力を、入力軸で受け、回転速度を変化させる変速機において当該入力軸に作用するトルクである変速機入力トルクを推定し、機関回転速度が判定回転速度以上であり、且つアクセル操作量が判定操作量以上である場合には、推定された変速機入力トルクについて時間当たりの変化量が制限されるよう補正し、当該補正された変速機入力トルクである補正変速機入力トルクに応じて、動力伝達装置を構成し且つ油圧の供給を受けて作動する油圧作動機構に対して供給される供給油圧を決定する。
上記の車両用制御装置において、推定された変速機入力トルクについて時間当たりの低下側の変化量が制限されるよう補正するものとすることができる。
上記の車両用制御装置において、推定された変速機入力トルクについて時間当たりの低下側の変化量がゼロに制限されるよう補正するものとすることができる。
上記の車両用制御装置において、機関回転速度が前記判定回転速度以上ではない、又はアクセル操作量が前記判定操作量以上ではない場合には、推定された変速機入力トルクに応じて、前記油圧作動機構に供給される供給油圧を決定するものとすることができる。
また、本発明に係る車両用制御装置は、内燃機関が機関出力軸から出力した機械的動力を、動力伝達装置を介して駆動輪に伝達する車両に用いられる車両用制御装置であって、内燃機関は、機関出力軸の回転速度である機関回転速度が、所定の使用上限値に達すると内燃機関の燃焼室への燃料供給が停止されるものであり、機関出力軸からの機械的動力を、入力軸で受け、回転速度を変化させる変速機において当該入力軸に作用するトルクである変速機入力トルクを推定し、車両の運転状態が、機関回転速度が使用上限値に達する虞があるオーバーレブ予備状態であると判定した場合には、推定された変速機入力トルクについて時間当たりの変化量が制限されるよう補正し、当該補正された変速機入力トルクである補正変速機入力トルクに応じて、動力伝達装置を構成し且つ油圧の供給を受けて作動する油圧作動機構に対して供給される供給油圧を決定する。
上記の車両用制御装置において、機関回転速度が判定回転速度以上であり、且つアクセル操作量が判定操作量以上である場合に、オーバーレブ予備状態であると判定するものとすることができる。
また、本発明に係る車両は、内燃機関が機関出力軸から出力した機械的動力を、動力伝達装置を介して駆動輪に伝達する車両であって、機関出力軸の回転速度である機関回転速度が所定の使用上限値に達すると燃料の供給が停止される内燃機関と、動力伝達装置を構成し、且つ油圧の供給を受けて作動する油圧作動機構と、動力伝達装置を構成し、且つ機関出力軸からの機械的動力を入力軸で受けて回転速度を変化させる変速機と、当該変速機の入力軸に作用するトルクである変速機入力トルクを推定し、機関回転速度が判定回転速度以上であり且つアクセル操作量が判定操作量以上である場合には、推定された変速機入力トルクについて時間当たりの変化量を制限するよう補正し、補正された変速機入力トルクである補正変速機入力トルクに応じて、前記油圧作動機構に供給される供給油圧を決定する制御装置を備える。
上記の車両において、前記変速機は、変速比を連続的に変化させることが可能な連続可変変速機であり、前記油圧作動機構は、当該連続可変変速機を構成する入力側プーリ又は出力側プーリであるものとすることができる。
本発明によれば、燃料カットを行うことにより変速機入力トルクに変動が生じた場合であっても、動力伝達装置を構成する油圧作動機構に供給される供給油圧に変動が生じることを抑制することができ、油圧作動機構の機能に影響が生じることを抑制することができる。
実施形態に係る車両及び動力伝達装置の構成を示す模式図である。 実施形態に係る動力伝達装置を構成する油圧作動機構の一例を説明する図であり、変速機(CVT)の入力側プーリ及び出力側プーリの構成を説明する図である。 実施形態に係る車両用制御装置が実行する供給油圧決定制御を示すフローチャートである。 実施形態に係る車両用制御装置が実行する供給油圧決定制御において、オーバーレブ予備状態と判定される場合の、機関回転速度及びアクセル操作量の時間変化の一例を示す図である。 実施形態に係る車両用制御装置が実行する供給油圧決定制御が実行された場合の、変速域入力トルク(推定値)及び補正変速機入力トルクの時間変化の一例を示すタイミングチャートであり、時間当たりの変速機入力トルクの減少量が、ゼロではない一定の値に制限された態様を示す図である。 実施形態に係る車両用制御装置が実行する供給油圧決定制御が実行された場合の、変速域入力トルク(推定値)及び補正変速機入力トルクの時間変化の一例を示すタイミングチャートであり、時間当たりの変速機入力トルクの変化量が、ゼロに制限された態様を示す図である。
以下、本発明の実施の形態(以下、単に「実施形態」と記す)を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は下記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。まず、本実施形態に係る車両と動力伝達装置の構成の概略について、図1を用いて説明する。図1は、実施形態に係る車両及び動力伝達装置の構成を示す模式図である。
車両1には、駆動輪9を駆動するための原動機として内燃機関5が設けられている。内燃機関5は、燃料のエネルギを機械的エネルギに変換して出力する熱機関であり、本実施形態においては、シリンダ内をピストンが往復運動するピストン往復動機関である。内燃機関5は、図示しない燃料噴射装置、点火装置、及びスロットル弁装置を備えており、これら装置は、車両用の電子制御装置(以下、単に「制御装置」と記す)100により制御される。内燃機関5は、制御装置100により制御されて、機関出力軸6から機械的動力を出力する。内燃機関5が出力する機関出力は、制御装置100により制御される。なお、以下の説明において、内燃機関5が機関出力軸6から機械的動力を「機関出力」と記し、機関出力軸6の回転速度を「機関回転速度」と記す。
内燃機関5には、通常、使用しても良い機関回転速度の上限値である「使用上限値」いわゆるレブリミットが予め設定されている。内燃機関5は、機関回転速度が、所定の使用上限値(いわゆるレブリミット)に達すると、制御装置100により制御されて、燃焼室(図示せず)への燃料の供給が自動的に停止される。具体的には、制御装置100は、制御変数として機関回転速度を取得しており、機関回転速度が、所定の使用上限値に達すると、即座に、内燃機関5の燃焼室への燃料供給が停止されるよう、燃料噴射装置を制御する。このようにして、制御装置100は、内燃機関5において燃焼室への燃料の供給を停止する、すなわち、内燃機関5において「燃料カット」が実行されるよう制御する。内燃機関5は、燃料カットが行われている間、機関出力軸6から機械的動力を出力しない。すなわち、内燃機関5は、燃料カットが開始された時点から、機関回転速度が上昇しなくなる。
車両1は、内燃機関5が機関出力軸6から出力した機械的動力を、駆動輪9に伝達する動力伝達装置10を有している。本実施形態において、動力伝達装置10は、内燃機関5からの機械的動力を、作動流体を介してトルクを増大させることが可能なトルクコンバータ20と、トルクコンバータ20からの機械的動力を回転方向を切替えて伝達可能な前後進切替機構30と、内燃機関5からの機械的動力を回転速度を変化させて駆動輪9に向けて伝達可能な変速機50とを有している。動力伝達装置10は、内燃機関5が機関出力軸6から出力した機械的動力を、入力軸11で受けて駆動輪9に向けて伝達する。
トルクコンバータ20は、ポンプインペラ22とタービンランナ24とステータ25とを有し、ポンプインペラ22からの機械的動力を、作動流体を介してトルクを増大させてタービンランナ24に伝達可能な流体伝動装置である。トルクコンバータ20は、ポンプインペラ22で受けた機械的動力を、作動流体(例えば、ATF:自動変速機用フルード)を介してタービンランナ24に伝達する。ポンプインペラ22からタービンランナ24に流れた作動流体は、ステータ25により流動方向を変えられて、再びポンプインペラ22に流入する。トルクコンバータ20は、ポンプインペラ22からタービンランナ24に伝達されるトルクを増大させることが可能に構成されている。
ポンプインペラ22は、トルクコンバータ20のうち入力側を構成する部材、すなわち動力伝達装置10の入力軸11に結合されている。入力軸11は、ポンプインペラ22と結合されており、一体に回転する。一方、タービンランナ24は、前後進切替機構30の入力軸31に結合されている。ステータ25は、ワンウェイクラッチ27に結合されており、当該ワンウェイクラッチ27は、動力伝達装置10を構成する部材のうち静止している部材(以下、静止部材と記す)に係合可能に構成されている。なお、静止部材には、動力伝達装置10の外装をなすハウジング等がある。
なお、本実施形態において、トルクコンバータ20は、ポンプインペラ22とタービンランナ24とを連結させることが可能なクラッチであるロックアップクラッチ28を有している。ロックアップクラッチ28が連結状態にある場合、ポンプインペラ22とタービンランナ24は、一体に回転し、内燃機関5からの機関出力は、そのままタービンランナ24から前後進切替機構30に伝達される。
なお、本明細書において、クラッチ(例えば、ロックアップクラッチ28、前進クラッチ40)を作動させず、駆動側の回転部材と被駆動側の回転部材との間における動力伝達が遮断された状態を「解放状態」と記す。一方、クラッチを作動させて、駆動側の回転部材と被駆動側の回転部材が同一の回転速度で一体に回転する状態を「連結状態」と記す。また、駆動側の回転部材と被駆動側の回転部材が係合して、これら回転部材の間においてトルクの伝達がある状態を「係合状態」と記す。つまり「係合状態」には、上述した「連結状態」が含まれる。
また、本明細書において、ブレーキ(例えば、後進ブレーキ46)を作動させて運動体の回転を止めて静止させた状態を「停止状態」と記す。一方、当該ブレーキを作動させておらず、静止体に対して運動体が自由に回転する状態を「非作動状態」と記す。また、運動体と静止体が接して運動体の回転が制動される状態を「制動状態」と記す。つまり「制動状態」には、上述した「停止状態」が含まれる。
前後進切替機構30は、ダブルピニオン式(デュアルプラネタリー式)の遊星歯車として構成されており、入力軸31に結合されたサンギア34と、当該サンギア34と噛み合う内側プラネタリピニオン35と、内側プラネタリピニオン35と噛み合う外側プラネタリピニオン36と、内側プラネタリピニオン35と外側プラネタリピニオン36を回転可能に支持するプラネタリキャリア38と、外側プラネタリピニオン36と噛み合うリングギア39とを有している。プラネタリキャリア38は、後述する変速機50の入力軸(以下、変速機入力軸と記す)51に結合されている。
また、前後進切替機構30は、遊星歯車機構33のうちサンギア34とプラネタリキャリア38を連結可能なクラッチである前進クラッチ40と、遊星歯車機構33のリングギア39の回転を制動可能なブレーキである後進ブレーキ46とを有している。前後進切替機構30は、前進クラッチ40が連結状態に操作されると共に後進ブレーキ46が解放状態に操作されることにより、サンギア34とプラネタリキャリア38とリングギア39が一体に回転する。これにより、前後進切替機構30は、入力軸31で受けた機関出力を、回転方向及び回転速度を変化させることなく、変速機入力軸51に伝達することが可能となっている。一方、前進クラッチ40が解放状態に操作されると共に後進ブレーキ46が停止状態に操作されることにより、プラネタリキャリア38は、サンギア34の回転方向とは逆向きに回転する。これにより、前後進切替機構30は、入力軸31で受けた機関出力を、回転方向を逆向きに変化させて、変速機入力軸51に伝達することが可能となっている。また、前進クラッチ40が解放状態に操作されると共に後進ブレーキ46が解放状態に操作されることにより、サンギア34と、プラネタリキャリア38との間における機械的動力の伝達が遮断される。前進クラッチ40の連結状態/解放状態と、後進ブレーキ46の停止状態/非作動状態は、制御装置100により協調して制御される。
変速機50は、本実施形態において、変速比を連続的に変化させることが可能な連速可変変速機(いわゆるCVT)として構成されている。変速機50は、機関出力軸6からの機械的動力を受ける変速機入力軸51と、変速機入力軸51と同軸に設けられ、当該変速機入力軸51と同期回転する入力側プーリ(プライマリプーリ)52と、変速機入力軸51に対して所定の間隔をあけて平行に設けられ、減速機構80に機械的動力を出力する出力軸(以下、変速機出力軸と記す)53と、変速機出力軸53と同軸に設けられ、当該変速機出力軸53と同期回転する出力側プーリ(セカンダリプーリ)54と、入力側プーリ52及び出力側プーリ54に巻き掛けられて、変速機入力軸51からの機械的動力を変速機出力軸53に伝達する動力伝達部材55(図に破線で示す)を有している。なお、動力伝達部材55には、金属製のベルトやチェーン等を用いることができる。
変速機50は、後述する油圧供給装置110から油圧の供給を受けて作動し、入力側プーリ52のプーリ幅を変化させることで、当該入力側プーリ52に巻き掛けられた動力伝達部材55がなす「巻き掛け径」を変化させることが可能に構成されている。同様に、変速機50は、出力側プーリ54のプーリ幅を変化させることで、当該出力側プーリ54に巻き掛けられた動力伝達部材55がなす「巻き掛け径」を変化させることが可能に構成されている。このような変速機50は、制御装置100により制御されて、入力側プーリ52のプーリ幅と、出力側プーリ54のプーリ幅を変化させることで、それぞれのプーリ52,54において、動力伝達部材55の巻き掛け径を変化させる。出力側プーリ54における動力伝達部材55の巻き掛け径Roと入力側プーリ52における動力伝達部材55の巻き掛け径Riとの比率(Ro/Ri)が、変速機入力軸51の回転速度Niと変速機出力軸53の回転速度Noの比率である変速比(Ni/No)となる。変速機50は、入力側プーリ52と出力側プーリ54のうち少なくとも一方のプーリ幅を連続的に変化させることにより、変速比(Ni/No)を連続的に変化させることが可能となっている。
変速機50は、変速機入力軸51で受けた機械的動力を、入力側プーリ52と出力側プーリ54との間で、回転速度を変化させて(すなわちトルクを変化させて)変速機出力軸53から減速機構80に伝達する。以上のように、変速機50は、機関出力軸6からの機械的動力を、変速機入力軸51で受けて、回転速度を変化させて駆動輪9に向けて伝達する。
減速機構80は、変速機出力軸53に結合されたドライブギア82と、ドライブギア82とかみ合うドリブンギア84と、ドリブンギア84に結合されたディファレンシャルドライブギア86とを有している。ディファレンシャルドライブギア86は、差動装置90の差動ケース92に固定されたリングギア94とかみ合っている。減速機構80は、変速機出力軸53からの機械的動力を、減速して(トルクを増大させて)差動装置90に伝達する。差動装置90は、減速機構80からの機械的動力を、左右の駆動軸99に分配して駆動軸99に伝達する。駆動軸99には、駆動輪9が結合されている。内燃機関5が機関出力軸6から出力された機械的動力は、動力伝達装置10、すなわち本実施形態においては、トルクコンバータ20、前後進切替機構30、変速機50、減速機構80、及び差動装置90を介して、駆動輪9に伝達される。駆動輪9に伝達された機械的動力により、駆動輪9と、車両1が走行している路面との間には、車両1を駆動する摩擦力である駆動力[N]が生じる。
以上に説明したように、本実施形態においては、動力伝達装置10の構成するもの(以下、単に「構成部品」と記す)として、例えば、トルクコンバータ20、前後進切替機構30、変速機50、減速機構80、差動装置90、及びこれらに含まれる機構がある。さらに、動力伝達装置10の構成部品のなかには、油圧の供給を受けて作動する機構(以下、単に「油圧作動機構」と記す)として、ロックアップクラッチ28、前後進切替機構30を構成する前進クラッチ40及び後進ブレーキ46、変速機50を構成する入力側プーリ52及び出力側プーリ54などがある。車両1には、これらの油圧作動機構に油圧を供給する装置(以下、単に「油圧供給装置」と記す)110が設けられている。
ここで、動力伝達装置10を構成する油圧作動機構の一例として、変速機(CVT)50の入力側プーリ52及び出力側プーリ54の構成について、図2を用いて説明する。図2は、本実施形態の動力伝達装置を構成する油圧作動機構の一例を説明する図であり、変速機(CVT)の入力側プーリ及び出力側プーリの構成を説明する図である。
図2に示すように、入力側プーリ52は、プライマリ軸60aと一体に形成された固定シーブ60と、固定シーブ60に対してプライマリ軸60aの軸方向に移動可能な可動シーブ62とを有している。固定シーブ60のプライマリ軸60aにはプランジャ64が結合されており、可動シーブ62には、プランジャ64の外周面に摺接するシリンダ66が結合されている。プランジャ64とシリンダ66との間には、可動シーブ62を油圧によりプライマリ軸60aの軸方向に駆動するための油室65が形成されている。
同様に、出力側プーリ54は、セカンダリ軸70aと一体に形成された固定シーブ70と、固定シーブ70に対してセカンダリ軸70aの軸方向に移動可能な可動シーブ72とを有している。固定シーブ70のセカンダリ軸70aにはプランジャ74が結合されており、可動シーブ72には、プランジャ74の外周面に摺接するシリンダ76が結合されている。プランジャ74とシリンダ76との間には、可動シーブ72を油圧によりセカンダリ軸70aの軸方向に駆動するための油室75が形成されている。
入力側プーリ52の油室65と、出力側プーリ54の油室75は、油圧供給装置110から油圧の供給を受ける。入力側プーリ52の溝幅、及び出力側プーリ54の溝幅は、油室65に供給される油圧(以下、プライマリ圧と記す)と、油室75に供給される油圧(以下、セカンダリ圧と記す)により決まる。油圧供給装置110は、油室65に供給される油圧であるプライマリ圧と、油室75に供給される油圧であるセカンダリ圧とをそれぞれ調整可能に構成されている。
すなわち、本実施形態において、動力伝達装置10を構成する油圧作動機構としての入力側プーリ52に供給される供給油圧がプライマリ圧であり、油圧作動機構としての出力側プーリ54に供給される供給油圧がセカンダリ圧である。油圧供給装置110が調整し油圧作動機構に供給される供給油圧、すなわちプライマリ圧及びセカンダリ圧は、車両1の運転状態(特に変速比)に応じて、制御装置100により制御される。
制御装置100は、中央演算処理装置としてCPU、主記憶装置としてのRAM、補助記憶装置(記憶部)としてのROM等(図示せず)を有している。上述した各種の制御対象を制御する制御処理を示したプログラム、及び当該制御処理プログラムにおいて予め設定されている定数(以下、制御定数と記す)は、制御装置100のROMに予め記憶されている。なお、上述の制御処理においてRAMに設定される変数を「制御変数」と記す。
また、制御装置100は、図2に示すように、駆動輪9の回転速度を検出可能な車輪速センサ(図示せず)から、駆動輪9の回転速度に係る信号を受けており、車両1の走行速度(以下、車速と記す)を制御変数として推定している。また、制御装置100は、アクセルペダルの操作位置を検出するアクセルペダルセンサ(図示せず)から、アクセルペダルの操作位置に係る信号を受けており、アクセルペダルの操作量(以下、アクセル操作量と記す)を制御変数として推定している。また、制御装置100は、内燃機関5の機関出力軸6の回転角位置を検出可能なクランクポジションセンサ(図示せず)から、機関回転速度に係る信号を受けており、機関回転速度を制御変数として推定している。
また、制御装置100は、各種の制御変数に基づいて、内燃機関5の機関出力軸6に作用しているトルク(以下、機関トルクと記す)や、変速機入力軸51に作用しているトルク(以下、変速機入力トルクと記す)を制御変数として推定している。
以上のように構成された制御装置100は、機関回転速度が、所定の使用上限値(レブリミット)に達した場合、内燃機関5において「燃料カット」が実行されるよう制御する。内燃機関5は、燃料カットが行われている間、機関出力軸6から機械的動力を出力することがなく、燃料カットが開始された時点から、機関回転速度は上昇しなくなる。
また、制御装置100は、上述した各種の制御変数に基づいて、油圧供給装置110が油圧作動機構に供給する供給油圧を決定する。本実施形態において、制御装置100は、油圧作動機構である入力側プーリ52に供給される供給油圧、すなわちプライマリ圧と、同じく油圧作動機構である出力側プーリ54に供給される供給油圧、すなわちセカンダリ圧とを決定する。制御装置100は、各種の制御変数から車両1の運転状態を把握しており、機関回転速度が、使用上限値(レブリミット)に達する虞がある状態であるか否かを判定し、当該判定結果に応じて、供給油圧(本実施形態においてプライマリ圧及びセカンダリ圧)を決定する制御(以下、供給油圧決定制御と記す)を実行しており、以下に、図3〜図6を用いて説明する。図3は、本実施形態の車両用制御装置100が実行する供給油圧決定制御を示すフローチャートである。
制御装置100は、図3に示す供給油圧決定制御を所定の時間間隔で繰り返し実行する。まず、ステップS02において、制御装置100は、各種の制御変数を取得する。制御変数には、変速機入力トルク(推定値)、アクセル操作量、機関回転速度等を取得する。
そして、ステップS04において、制御装置100は、アクセル操作量が、予め設定された閾値(以下、判定操作量と記す)以上であるか否かを判定する。判定操作量は、機関回転速度が現時点から、さらに上昇するようなアクセル操作量に設定されている。判定操作量は、予め適合実験等により求められており、制御定数として制御装置100のROMに予め記憶されている。なお、判定操作量は、車両1の運転状態に応じて、制御変数としてRAMに設定されるものとしても良い。
アクセル操作量が、判定操作量に満たないと判定した(S04、No)場合、制御装置100は、機関回転速度が、現時点からは上昇することがなく、所定の使用上限値(レブリミット)に達する虞がないものと判断して、ステップS06に進む。
一方、アクセル操作量が、判定操作量を超えると判定した(S04、Yes)場合、制御装置100は、ステップS08において、機関回転速度が、予め設定された閾値(以下、判定回転速度と記す)以上であるか否かを判定する。判定回転速度は、機関回転速度が、上述した使用上限値(レブリミット)に近く、当該回転速度から機関回転速度が上昇すると、使用上限値に達する虞があるような機関回転速度に設定されている。判定回転速度は、予め適合実験等により求められており、制御定数として制御装置100のROMに予め記憶されている。なお、判定回転速度は、車両1の運転状態に応じて、制御変数としてRAMに設定されるものとしても良い。
機関回転速度が、判定回転速度に満たないと判定した(S08、No)場合、制御装置100は、機関回転速度が、現時点から上昇しても、所定の使用上限値(レブリミット)に達する虞がないものと判断して、ステップS06に進む。
ステップS06において、制御装置100は、変速機入力トルク(推定値)に応じて供給油圧を決定する。具体的には、制御装置100は、当該変速機入力トルクに対してプライマリ圧が対応づけられたテーブル(以下、プライマリ圧テーブルと記す)、及び当該変速機入力トルクに対してセカンダリ圧が対応付けられたテーブル(セカンダリ圧テーブルと記す)を参照して、変速機入力トルク(推定値)に応じたプライマリ圧及びセカンダリ圧を決定する。プライマリ圧テーブル及びセカンダリ圧テーブル、すなわち変速機入力トルク対するプライマリ圧及びセカンダリ圧は、予め適合実験等により求められており、制御装置100のROMに制御定数として予め記憶されている。
ステップS06において、制御装置100は、プライマリ圧テーブルを参照して、変速機入力トルク(推定値)に対応するプライマリ圧を導き出す。加えて、制御装置100は、セカンダリ圧テーブルを参照して、変速機入力トルク(推定値)に対応するセカンダリ圧を導き出す。このようにして、制御装置100は、機関回転速度が使用上限値に達する虞がないと判定した場合には、油圧作動機構である入力側プーリ52及び出力側プーリ54にそれぞれ供給される供給油圧、すなわちプライマリ圧及びセカンダリ圧を、変速機入力トルクの推定値に応じて決定する。
一方、ステップS08において、機関回転速度が、判定回転速度を超えると判定した(S08、No)場合、制御装置100は、車両1の運転状態(すなわち現在のアクセル操作量及び現在の機関回転速度)が、現時点以降において機関回転速度が使用上限値に達する虞がある状態(以下、オーバーレブ予備状態と記す)であるものと判断して、ステップS10に進む。
ここで、オーバーレブ予備状態について、図4を用いて説明する。図4は、本実施形態の車両用制御装置100が実行する供給油圧決定制御において、オーバーレブ予備状態と判定される場合の、機関回転速度及びアクセル操作量の時間変化の一例を示す図である。図4に示すように、アクセル操作量は、時点T1において判定操作量を超え、時点T2以降は、一定の値となっている。一方、機関回転速度は、時点T1及び時点T2において判定回転速度を下回っているが、時点T3以降は、判定回転速度を超えており、時点T4以降は、一定の値となっている。制御装置100は、アクセル操作量が判定操作量を超えており(時点T2以降)、且つ機関回転速度が判定回転速度を超えている(時点T3以降)場合、つまり時点T3以降において、ステップS08で説明したように、車両1の運転状態がオーバーレブ予備状態であると判定する。
ステップS10において、変速機入力トルクの時間当たりの変化量が制限されるよう、当該変速機入力トルク(推定値)を補正する。つまり、変速機入力トルク(推定値)に対して時間当たりの変化量が制限されるよう補正された変速機入力トルク(以下、単に「補正変速機入力トルク」と記す)を算出する。
ステップS12において、制御装置100は、補正変速機入力トルクに応じて供給油圧を決定する。具体的には、制御装置100は、上述したステップS06で用いたプライマリ圧テーブル及びセカンダリ圧テーブルを参照して、補正変速機入力トルクに応じてプライマリ圧及びセカンダリ圧を決定する。
ステップS12において、制御装置100は、プライマリ圧テーブルを参照して、補正変速機入力トルクに対応するプライマリ圧を導き出す。加えて、制御装置100は、セカンダリ圧テーブルを参照して、補正変速機入力トルクに対応するセカンダリ圧を導き出す。このようにして、制御装置100は、機関回転速度が使用上限値に達する虞がある場合には、入力側プーリ52及び出力側プーリ54にそれぞれ供給されるプライマリ圧及びセカンダリ圧を、「変速機入力トルク(推定値)」ではなく、時間当たりの変化量が制限されるよう補正された「補正変速機入力トルク」に応じて決定する。
ここで、変速機入力トルクの時間当たりの変化量を制限する手法について、図5及び図6を用いて説明する。図5は、本実施形態の車両用制御装置100が実行する供給油圧決定制御が実行された場合の、変速域入力トルク(推定値)及び補正変速機入力トルクの時間変化の一例を示すタイミングチャートであり、時間当たりの変速機入力トルクの減少量が、ゼロではない一定の値に制限された態様を示す図である。図6は、本実施形態の車両用制御装置100が実行する供給油圧決定制御が実行された場合の、変速域入力トルク(推定値)及び補正変速機入力トルクの時間変化の一例を示すタイミングチャートであり、時間当たりの変速機入力トルクの変化量が、ゼロに制限された態様を示す図である。なお、図5及び図6において、変速機入力トルクの時間当たりの変化量が制限されている間の変速機入力トルク(推定値)について二点鎖線で示している。
図5及び図6の時点t1〜t10において、制御装置100は、車両1の運転状態がオーバーレブ予備状態(図4の時点T3以降参照)であると判定しており、変速機入力トルク(推定値)の時間当たりの変化量が制限されるよう変速機入力トルクを補正し、補正された「補正変速機入力トルク」に応じて供給油圧(プライマリ圧及びセカンダリ圧)を決定している(ステップS10及びS12参照)。図5及び図6に示す例において、制御装置100により制御されて内燃機関5においては燃料カットが実行されており、当該燃料カットに起因して、時点t3〜t4、時点t5〜t6、時点t7〜t8、時点t9〜t10において、変速機入力トルク(推定値)は、大きく変動している。
図5に示す例において、制御装置100は、変速機入力トルク(推定値)の低下側の変化量が一定の値に制限されるよう補正している。補正された補正変速機入力トルクは、変速機入力トルク(推定値)に比べて、時点t3〜t4の直前、時点t5〜t6の直前、時点t7〜t8の直前、時点t9〜t10の直前において、時間当たりの低下側の変化量が、一定の値に制限されている。制御装置100は、補正変速機入力トルクに応じて供給油圧(プライマリ圧及びセカンダリ圧)を決定しているので、内燃機関5において燃料カットが行われることにより変速機入力トルクに変動が生じた場合であっても、動力伝達装置10を構成するもののうち、油圧の供給を受けて作動する油圧作動機構(入力側プーリ52及び出力側プーリ54)に供給される供給油圧(プライマリ圧及びセカンダリ圧)に変動が生じることを抑制することができる。
一方、図6に示す例において、制御装置100は、変速機入力トルク(推定値)の低下側の変化量がゼロに制限されるよう補正している。補正された補正変速機入力トルクは、変速機入力トルク(推定値)に比べて、時点t3〜t4の直前、時点t5〜t6の直前、時点t7〜t8の直前、時点t9〜t10の直前において、時間当たりの低下側の変化量がゼロに制限されている。すなわち、制御装置100は、時点T2〜T8において一定の値となるように補正変速機入力トルクを設定している。この例においても、制御装置100は、当該補正変速機入力トルクに応じて供給油圧を決定しているので、内燃機関5において燃料カットが行われることにより、変速機入力トルクに変動が生じた場合であっても、動力伝達装置10を構成する油圧作動機構(入力側プーリ52及び出力側プーリ54)に供給される供給油圧(プライマリ圧及びセカンダリ圧)に変動が生じることを抑制することができる。
以上に説明したように、本実施形態の制御装置100は、内燃機関5が機関出力軸6から出力した機械的動力を、動力伝達装置10を介して伝達する車両1に用いられ、当該動力伝達装置10を構成するもののうち油圧の供給を受けて作動する油圧作動機構である入力側プーリ52及び出力側プーリ54に供給される供給油圧を決定可能なものである。この内燃機関5は、機関出力軸6の回転速度である機関回転速度が、所定の使用上限値に達すると内燃機関5の燃焼室への燃料供給が自動的に停止されるものである。車両用制御装置100は、機関出力軸6からの機械的動力を、入力軸51で受け、回転速度を変化させる変速機50において当該入力軸51に作用するトルクである変速機入力トルクを推定し、機関回転速度が判定回転速度以上であり、且つアクセル操作量が判定操作量以上である場合、すなわちオーバーレブ予備状態であると判定した場合には、推定された変速機入力トルクについて時間当たりの変化量が制限されるよう補正し、当該補正された変速機入力トルクである補正変速機入力トルクに応じて、油圧作動機構である入力側プーリ52及び出力側プーリ54に供給される供給油圧、すなわちプライマリ圧及びセカンダリ圧を決定するものとした。内燃機関5において燃料カットが行われることにより、変速機入力トルクに変動が生じた場合であっても、動力伝達装置10を構成する油圧作動機構である入力側プーリ52及び出力側プーリ54に供給される供給油圧、すなわちプライマリ圧及びセカンダリ圧に変動が生じることを抑制することができる。
なお、制御装置100は、機関回転速度が判定回転速度以上ではない、又はアクセル操作量が判定操作量以上ではない場合、すなわちオーバーレブ予備状態ではないと判定した場合には、推定された変速機入力トルクに応じて、前記油圧作動機構に供給される供給油圧を決定するものとした。また、車両用制御装置100は、変速機入力トルクに対して供給油圧が対応づけられたテーブルを参照して、変速機入力トルク(推定値)に応じた供給油圧を決定する。当該テーブルを、一つ、適合実験等により予め求めておき、制御定数として制御装置100の記憶部(補助記憶装置)としてのROMに予め記憶しておくことで、推定された変速機入力トルク(推定値)、又は補正された補正変速機入力トルクに応じて、当該テーブルを参照して、供給油圧を決定することができる。変速機入力トルク(推定値)に応じて供給油圧を決定する場合と、補正変速機入力トルクに応じて供給油圧を決定する場合で、共通のテーブルを参照して供給油圧を決定することができる。これにより、内燃機関において燃料カットが行われる場合を考慮して、変速機入力トルクに対して供給油圧を対応付ける適合実験等を行う必要がなくなる。
なお、上述した本実施形態において、変速機50は、連続可変変速機(CVT)であるものとしたが、本発明の変速機は、これに限定されるものではない。変速機は、動力伝達装置10を構成するもののうち、機関出力軸6からの機械的動力を、入力軸で受けて回転速度を変化させるものであれば良く、例えば、複数の変速段のうち、いずれか一つを選択的に用いて回転速度を変化させる、いわゆる有段変速機にも、本発明を適用することができる。
また、上述した本実施形態において、油圧作動機構は、変速機50を構成する入力側プーリ52及び出力側プーリ54であるものとしたが、本発明の油圧作動機構は、これらに限定されるものではない。油圧作動機構は、動力伝達装置10を構成するもののうち、油圧の供給を受けて作動するものであれば良く、例えば、ロックアップクラッチ28や、前進クラッチ40などのクラッチであるものとしても良い。また、上述した動力伝達装置10において、減速機構80のドリブンギア84とディファレンシャルドライブギア86との間に、駆動輪9と変速機出力軸53との間における動力伝達を遮断可能なクラッチを設け、制御装置100が当該クラッチに供給される供給油圧を決定するものとしても良い。
また、上述した本実施形態において、制御装置100は、推定された変速機入力トルク(推定値)について時間当たりの低下側の変化量が制限されるよう補正して、補正変速機入力トルクを導き出すものとしたが、変速機入力トルク(推定値)について時間当たりの変化量を制限する手法は、これに限定されるものではない。例えば、機関回転速度が判定回転速度以上であり、且つアクセル操作量が判定操作量以上である場合(すなわちオーバーレブ予備状態であると判定した場合)に、変速機入力トルク(推定値)について時間当たりの上昇側の変化量が制限されるよう補正して、補正変速機入力トルクを導き出すものとしても良い。また、オーバーレブ予備状態であると判定した場合には、補正変速機入力トルクを一定の値とし、当該補正変速機入力トルクに応じて供給油圧を決定するものとしても良い。
また、本実施形態において、機関回転速度が判定回転速度以上であり、且つアクセル操作量が判定操作量以上である場合に、現時点以降において機関回転速度が使用上限値に達する虞がある「オーバーレブ予備状態」であると判定するものとしたが、オーバーレブ予備状態の判定手法は、この条件に限定されるものではない。例えば、アクセル操作量に替えて、内燃機関5が備えるスロットル弁の開度を、オーバーレブ予備状態を判定する閾値(以下、判定閾値と記す)として用いることもできる。また、内燃機関が、ターボ過給機を備えるものである場合、機関回転速度に替えて、タービンの回転速度を、判定閾値として用いることもできる。また、車速と変速機50の変速比から変速機入力軸51の回転速度を算出し、当該回転速度を、機関回転速度に替えて判定閾値として用いることもできる。このように、オーバーレブ予備状態を判定する判定閾値は、内燃機関5の運転状態を含めた車両1の運転状態を示す各種の制御変数に基づいて設定することができる。
1 車両
5 内燃機関
6 機関出力軸
9 駆動輪
10 動力伝達装置
20 トルクコンバータ
28 ロックアップクラッチ(油圧作動機構)
30 前進切替機構
40 前進クラッチ(油圧作動機構)
46 後進ブレーキ(油圧作動機構)
50 変速機(連続可変変速機)
51 変速機入力軸
52 入力側プーリ(プライマリプーリ、油圧作動機構)
54 出力側プーリ(セカンダリプーリ、油圧作動機構)
80 減速機構
90 差動装置
100 車両用制御装置(制御装置、電子制御装置)

Claims (8)

  1. 内燃機関が機関出力軸から出力した機械的動力を、動力伝達装置を介して駆動輪に伝達する車両に用いられる車両用制御装置であって、
    内燃機関は、機関出力軸の回転速度である機関回転速度が、所定の使用上限値に達すると内燃機関の燃焼室への燃料供給が停止されるものであり、
    機関出力軸からの機械的動力を、入力軸で受け、回転速度を変化させる変速機において当該入力軸に作用するトルクである変速機入力トルクを推定し、
    機関回転速度が判定回転速度以上であり、且つアクセル操作量が判定操作量以上である場合には、
    推定された変速機入力トルクについて時間当たりの変化量が制限されるよう補正し、
    当該補正された変速機入力トルクである補正変速機入力トルクに応じて、
    動力伝達装置を構成し且つ油圧の供給を受けて作動する油圧作動機構に対して供給される供給油圧を決定する
    ことを特徴とする車両用制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両用制御装置において、
    推定された変速機入力トルクについて時間当たりの低下側の変化量が制限されるよう補正する
    車両用制御装置。
  3. 請求項2に記載の車両用制御装置において、
    推定された変速機入力トルクについて時間当たりの低下側の変化量がゼロに制限されるよう補正する
    車両用制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用制御装置において、
    機関回転速度が前記判定回転速度以上ではない、又はアクセル操作量が前記判定操作量以上ではない場合には、
    推定された変速機入力トルクに応じて、前記油圧作動機構に供給される供給油圧を決定する
    車両用制御装置。
  5. 内燃機関が機関出力軸から出力した機械的動力を、動力伝達装置を介して駆動輪に伝達する車両に用いられる車両用制御装置であって、
    内燃機関は、機関出力軸の回転速度である機関回転速度が、所定の使用上限値に達すると内燃機関の燃焼室への燃料供給が停止されるものであり、
    機関出力軸からの機械的動力を、入力軸で受け、回転速度を変化させる変速機において当該入力軸に作用するトルクである変速機入力トルクを推定し、
    車両の運転状態が、機関回転速度が使用上限値に達する虞があるオーバーレブ予備状態であると判定した場合には、
    推定された変速機入力トルクについて時間当たりの変化量が制限されるよう補正し、
    当該補正された変速機入力トルクである補正変速機入力トルクに応じて、
    動力伝達装置を構成し且つ油圧の供給を受けて作動する油圧作動機構に対して供給される供給油圧を決定する
    ことを特徴とする車両用制御装置。
  6. 請求項5に記載の車両用制御装置において、
    機関回転速度が判定回転速度以上であり、且つアクセル操作量が判定操作量以上である場合に、オーバーレブ予備状態であると判定する
    車両用制御装置。
  7. 内燃機関が機関出力軸から出力した機械的動力を、動力伝達装置を介して駆動輪に伝達する車両であって、
    機関出力軸の回転速度である機関回転速度が所定の使用上限値に達すると燃料の供給が停止される内燃機関と、
    動力伝達装置を構成し、且つ油圧の供給を受けて作動する油圧作動機構と、
    動力伝達装置を構成し、且つ機関出力軸からの機械的動力を入力軸で受けて回転速度を変化させる変速機と、
    当該変速機の入力軸に作用するトルクである変速機入力トルクを推定し、機関回転速度が判定回転速度以上であり且つアクセル操作量が判定操作量以上である場合には、推定された変速機入力トルクについて時間当たりの変化量を制限するよう補正し、補正された変速機入力トルクである補正変速機入力トルクに応じて、前記油圧作動機構に供給される供給油圧を決定する制御装置と、
    を備える車両。
  8. 請求項7に記載の車両において、
    前記変速機は、変速比を連続的に変化させることが可能な連続可変変速機であり、
    前記油圧作動機構は、当該連続可変変速機を構成する入力側プーリ又は出力側プーリである
    車両。
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