JP6254344B2 - ベルト式無段変速機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ベルト式無段変速機の制御装置に関する。
従来、この種のベルト式無段変速機の制御装置として、登坂路発進時においてずり下がりが発生した際に生ずるベルト滑りを抑制するために、急勾配の登坂路で車両が停止した場合にベルト挟圧力を増加させるベルト挟圧アップ制御を実行するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、近年、登坂路での車両発進時に運転者がブレーキペダルからアクセルペダルに足を踏み替えた際に、ブレーキ油圧を自動的に保持制御してずり下がり時の後退速度を緩和させるヒルスタートアシスト制御を実行する制御装置を搭載した車両が実用化されている。
特開2010−216571号公報
しかしながら、特許文献1に記載の従来の制御装置にあっては、登坂路での車両発進時に上述したようなヒルスタートアシスト制御を実行する場合にベルト挟圧アップ制御をどのように取り扱うかについてなんら考慮されていなかった。
例えば、特許文献1に記載の制御装置では、車両が急勾配の登坂路で停車すると一律にベルト挟圧アップ制御を実行するため、ヒルスタートアシスト制御が実行され、車両のずり下がりが緩和されるような場合であってもベルト挟圧アップ制御を実行することとなってしまう。
このため、特許文献1に記載の制御装置では、不必要なベルト挟圧アップ制御が行われることにより、ベルト挟圧を増加させるための油圧を発生させるオイルポンプの負荷などに起因して燃費向上が妨げられるという課題があった。
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたもので、燃費の向上を図ることができるベルト式無段変速機の制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係るベルト式無段変速機の制御装置は、上記目的達成のため、(1)登坂路での発進時に車両停止状態を維持するためのヒルスタートアシスト制御を実行可能な車両に搭載され、プライマリプーリと、セカンダリプーリと、前記プライマリプーリおよび前記セカンダリプーリに巻き掛けられた伝動ベルトとを備えたベルト式無段変速機の制御装置であって、前記車両が登坂路で発進する際に、前記セカンダリプーリの推力と前記プライマリプーリの推力との比を表す推力比を平坦路で発進する際の推力比よりも高くする推力比上昇制御を実行する制御手段を備え、前記制御手段は、前記登坂路での発進時であって前記ヒルスタートアシスト制御が実行される場合には、前記推力比上昇制御の実行を禁止する構成を有する。
この構成により、本発明に係るベルト式無段変速機の制御装置は、登坂路での発進時であってもヒルスタートアシスト制御が実行される場合には、推力比上昇制御の実行を禁止するので、車両のずり下がりが緩和されるような場合に不必要に推力比上昇制御が実行されることを防止することができる。これにより、本発明に係るベルト式無段変速機の制御装置は、不必要な推力比上昇制御の実行によるオイルポンプの負荷などに起因して燃費の向上が妨げられることを防止でき、燃費の向上を図ることができる。
本発明に係るベルト式無段変速機の制御装置は、上記(1)に記載のベルト式無段変速機の制御装置において、(2)前記制御手段は、前記車両のシフトレンジが前進走行用レンジであり、かつブレーキペダルの踏み込みが解除されたときに前記車両が後退したことを条件に、前記ヒルスタートアシスト制御を実行する構成を有する。
この構成により、本発明に係るベルト式無段変速機の制御装置は、シフトレンジが前進用走行レンジであり、かつブレーキペダルの踏み込みが解除されたときに車両が後退したことを条件にヒルスタートアシスト制御を実行するので、登坂路発進時であっても同条件が成立していない場合にはヒルスタートアシスト制御を実行しないようになっている。この場合、伝動ベルトのベルト滑りが生ずるおそれがあるので、推力比上昇制御を実行することによりベルト滑りを防止することができる。
本発明によれば、燃費の向上を図ることができるベルト式無段変速機の制御装置を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る制御装置を備えた車両を示す概略構成図である。 本発明の実施の形態に係る油圧制御回路の概略構成図である。 本発明の実施の形態に係る推力比マップを示す図である。 本発明の実施の形態に係るECUにより実行される車両発進時の推力比選択処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
まず、図1を参照して、本発明の実施の形態に係るベルト式無段変速機の制御装置が搭載された車両について説明する。
図1に示すように、車両10は、内燃機関としてのエンジン1と、トルクコンバータ2と、前後進切換装置3と、ベルト式無段変速機(Continuously Variable Transmission:以下、単にCVTという)4と、デファレンシャル5と、制動装置7と、油圧制御回路100と、電子制御ユニット(Electronic Control Unit:以下、単にECUという)200とを備えている。
エンジン1は、燃焼室で燃料と空気との混合気を燃焼させることによりピストンを往復動させ、図示しないコネクティングロッドを介してクランクシャフト18を回転させることによりトルクコンバータ2に動力を伝達するようになっている。トルクコンバータ2に伝達されたエンジン1の動力は、前後進切換装置3、入力軸4a、CVT4を介してデファレンシャル5に伝達され、左右の駆動輪6L、6Rに分配される。
なお、エンジン1に用いられる燃料は、ガソリンとするが、ガソリンに代えて、軽油等の炭化水素系の燃料またはエタノール等のアルコールとガソリンとを混合したアルコール燃料であってもよい。
トルクコンバータ2は、クランクシャフト18に連結されたポンプ翼車21pおよびタービン軸2aを介して前後進切換装置3に連結されたタービン翼車21tを備えており、流体を介して動力伝達を行うようになっている。
また、トルクコンバータ2のポンプ翼車21pとタービン翼車21tの間には、ロックアップクラッチ22が設けられている。また、トルクコンバータ2の内部には、ピストン23により分割された係合側油室24および解放側油室25が形成されている。
ロックアップクラッチ22は、後述する油圧制御回路100の切換弁等によって係合側油室24および解放側油室25に対する油圧供給が切換えられることにより、係合または解放されるようになっている。
ロックアップクラッチ22の係合時は、クランクシャフト18とタービン軸2aとが直結され、エンジン1から出力された動力がトルクコンバータ2内の流体を介さず、直接CVT4側に伝達される。一方、ロックアップクラッチ22の解放時は、エンジン1から出力された動力が流体を介してCVT4側に伝達される。
ポンプ翼車21pには、ポンプ翼車21pの回転に応じて作動するオイルポンプ26が設けられている。オイルポンプ26は、例えばギヤポンプなどの機械式のオイルポンプにより構成されており、油圧制御回路100に油圧を供給するようになっている。
前後進切換装置3は、トルクコンバータ2とCVT4との間の動力伝達経路に設けられ、ダブルピニオン型の遊星歯車装置を主体として構成されている。前後進切換装置3は、油圧シリンダによって摩擦係合させられる油圧式摩擦係合装置で構成された前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1を有している。
前後進切換装置3は、前進用クラッチC1が係合させられるとともに後進用ブレーキB1が解放されることにより、一体回転状態とされる。このとき、前進用動力伝達経路が成立され、前進方向の駆動力がCVT4側に伝達される。
一方、後進用ブレーキB1が係合させられるとともに前進用クラッチC1が解放されると、前後進切換装置3は、入力軸4aをタービン軸2aに対して逆方向に回転させる後進用動力伝達経路を成立させる。これにより、後進方向の駆動力がCVT4側に伝達される。
また、前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1がともに解放されると、前後進切換装置3は、動力伝達を遮断するニュートラル状態(遮断状態)とされる。
CVT4は、有効径が可変の入力側のプライマリプーリ41と、有効径が可変の出力側のセカンダリプーリ42と、これらプーリ間に巻き掛けられた金属製の伝動ベルト43とを備えている。CVT4は、入力軸4aに設けられたプライマリプーリ41および出力軸4bに設けられたセカンダリプーリ42と伝動ベルト43との間の摩擦力を介して動力伝達を行う。また、このCVT4は、エンジン1に対して前後進切換装置3およびトルクコンバータ2を介して接続されている。
プライマリプーリ41およびセカンダリプーリ42は、入力軸4aおよび出力軸4bにそれぞれ固定された固定シーブ41aおよび固定シーブ42aと、入力軸4aおよび出力軸4bに対して軸心周り相対回転不能かつ軸線方向に移動可能に設けられた可動シーブ41bおよび可動シーブ42bとを備えている。
プライマリプーリ41は、その溝幅を変化させることによって伝動ベルト43の巻き掛け半径を変化させるようになっている。セカンダリプーリ42は、伝動ベルト43を挟み付けるベルト挟圧力を発生させるようになっている。伝動ベルト43は、これら固定シーブ41a、42aおよび可動シーブ41b、42bにより形成されたV字形状のプーリ溝に巻き掛けられる。
また、プライマリプーリ41およびセカンダリプーリ42は、可動シーブ41b、42bをそれぞれ軸線方向に移動させるための推力(プライマリ推力、セカンダリ推力)を発生させる油圧アクチュエータ45、46を有している。油圧アクチュエータ45、46は、例えば油圧シリンダによって構成されている。なお、セカンダリプーリ42にあっては、リターンスプリングを油圧シリンダ内に設け、このリターンスプリングによるスプリング推力をセカンダリ推力に加えるよう構成してもよい。
プライマリプーリ41およびセカンダリプーリ42は、油圧アクチュエータ45、46に供給される油圧が制御されることにより上記プーリ溝の溝幅を連続的に変化させる。これにより、伝動ベルト43の巻き掛け半径が変更され、変速比が連続的に変化させられる。
制動装置7は、ブレーキペダル71の操作に応じて駆動輪6L、6Rに制動力を発生させるものであり、ホイールシリンダ72と、ブレーキブースタ73と、マスタシリンダ74と、ブレーキアクチュエータ75とを含んで構成されている。本実施の形態では、説明の便宜上、制動装置7に関しては、フロント側の駆動輪6L、6Rについてのみ記載しているが、リヤ側の駆動輪についても同様に、制動装置7による制動力が作用するよう構成されている。
ホイールシリンダ72は、油圧制動部として各駆動輪6L、6Rにそれぞれ設けられている。ブレーキブースタ73は、ブレーキペダル71の踏み込みに応じてブレーキペダル71の操作力を増幅させるものである。マスタシリンダ74は、増幅された操作力(踏力)を、車両10の制動力を発生させる油圧に変換するものである。ブレーキアクチュエータ75は、マスタシリンダ74から各駆動輪6L、6Rのホイールシリンダ72に伝達される油圧を制御するものである。
また、ブレーキアクチュエータ75は、図示しない加圧ポンプを備えており、マスタシリンダ74の油圧に関係なく、各ホイールシリンダ72に付与する油圧を増大させることが可能となっている。例えば、ブレーキペダル71を非操作で車両10を制動させる場合(例えば、後述するヒルスタートアシスト制御の実行時など)には、ECU200からの指令信号に応じて加圧ポンプを駆動させて各ホイールシリンダ72に必要な油圧を付与する。これにより、ブレーキブースタ73の負圧を利用せずに車両10の制動力を発生させることができる。
次に、図1および図2を参照して、本実施の形態に係る油圧制御回路100について説明する。
図2に示すように、油圧制御回路100は、変速速度制御部110と、ベルト挟圧力制御部120と、ライン圧制御部130と、ロックアップ係合圧制御部140と、クラッチ圧制御部150と、マニュアルバルブ160とを有している。
変速速度制御部110は、変速制御用第1ソレノイドバルブ111および変速制御用第2ソレノイドバルブ112から出力される油圧に応じてプライマリプーリ41の油圧アクチュエータ45に供給される油圧を制御する。つまり、変速速度制御部110は、油圧の制御を通じてCVT4の変速比を制御する。
ベルト挟圧力制御部120は、ベルト挟圧力制御用リニアソレノイドバルブ121から出力される油圧に応じてセカンダリプーリ42の油圧アクチュエータ46に供給される油圧を制御する。つまり、ベルト挟圧力制御部120は、油圧の制御を通じてベルト挟圧力を制御する。
ライン圧制御部130は、ライン圧制御用リニアソレノイドバルブ131から出力される油圧に応じてライン圧を制御する。ライン圧とは、オイルポンプ26により供給され、図示しないレギュレータバルブにより調圧された油圧を指す。
ロックアップ係合圧制御部140は、ロックアップ係合圧制御用リニアソレノイドバルブ141から出力される油圧に応じてロックアップクラッチ22の係合力、すなわち伝達トルクを制御する。ロックアップクラッチ22は、その伝達トルクの大きさに応じて解放状態、係合状態、スリップ状態(解放状態と係合状態との中間の状態)のいずれかの状態に制御される。
マニュアルバルブ160は、運転者によるシフトレバー8の操作に連動して作動し、油路を切換えるようになっている。
クラッチ圧制御部150は、ライン圧制御用リニアソレノイドバルブ131から出力される油圧に応じて、マニュアルバルブ160から入力クラッチC1またはリバースブレーキB1に供給される油圧を制御する。
上述した変速制御用第1ソレノイドバルブ111、変速制御用第2ソレノイドバルブ112、ベルト挟圧力制御用リニアソレノイドバルブ121、ライン圧制御用リニアソレノイドバルブ131およびロックアップ係合圧制御用リニアソレノイドバルブ141は、それぞれECU200に接続されている。これら各リニアソレノイドバルブには、ECU200から制御信号が供給されるようになっている。
各リニアソレノイドバルブは、それぞれECU200から制御信号に応じて制御油圧を出力することにより制御対象である各油圧アクチュエータを制御する。つまり、変速制御用第1ソレノイドバルブ111および変速制御用第2ソレノイドバルブ112は、CVT4の変速比を制御する変速制御に用いられる。また、ベルト挟圧力制御用リニアソレノイドバルブ121は、伝動ベルト43のベルト挟圧力制御に用いられる。また、ライン圧制御用リニアソレノイドバルブ131は、ライン圧の制御に用いられる。さらに、ロックアップ係合圧制御用リニアソレノイドバルブ141は、ロックアップクラッチ22の係合圧制御に用いられる。
例えば、ライン圧制御用リニアソレノイドバルブ131は、ECU200が出力するデューティ値によって決まる電流値に応じて制御油圧をライン圧制御部130およびクラッチ圧制御部150に出力する。
また、ベルト挟圧力制御用リニアソレノイドバルブ121は、ECU200が出力するデューティ値によって決まる電流値に応じて制御油圧をベルト挟圧力制御部120に出力する。
ここで、ベルト挟圧力制御部120には、オイルポンプ26から圧送され調圧されたライン圧が供給されるようになっている。ベルト挟圧力制御部120は、ベルト挟圧力制御用リニアソレノイドバルブ121から出力された制御油圧の増減に応じて油圧アクチュエータ46に供給する油圧を調整する。
具体的には、ベルト挟圧力制御部120は挟圧力コントロールバルブで構成されており、ベルト挟圧力制御用リニアソレノイドバルブ121からの制御油圧をパイロット圧としてライン圧を連続的に調圧制御してベルト挟圧Pdを出力するようになっている。例えば、図3に示すように、伝達トルクに対応するCVT4の入力トルクTinをパラメータとしてベルト滑りが生じないように予め実験的に求められて記憶された変速比γと必要油圧(目標ベルト挟圧に相当)との関係(ベルト挟圧マップ)にしたがって油圧アクチュエータ46へのベルト挟圧Pdが調圧される。そして、このベルト挟圧Pdに応じてベルト挟圧力、すなわちプライマリプーリ41およびセカンダリプーリ42と伝動ベルト43との間の摩擦力が増減させられる。
このように、ベルト挟圧力制御用リニアソレノイドバルブ121が出力する制御油圧をパイロット圧としてライン圧を調圧制御して油圧アクチュエータ46に供給することによって、ベルト挟圧力が増減する。
図1に戻り、ECU200は、例えばCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、入出力インターフェース等を備えるマイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUは、RAMの一時記憶機能を利用するとともにROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うようになっている。ROMには、各種制御定数や各種マップ等が予め記憶されている。本実施の形態におけるECU200は、本発明に係る制御手段を構成する。
また、ECU200には、車速センサ201、アクセル開度センサ202、エンジン回転速度センサ203、タービン回転速度センサ204、プライマリプーリ回転速度センサ205、セカンダリプーリ回転速度センサ206、ブレーキセンサ207、シフトポジションセンサ208および加速度センサ209等の各種センサ類が接続されている。
車速センサ201は、車速Vを検出する。アクセル開度センサ202は、アクセルペダルの操作量、すなわちアクセル開度Accを検出する。エンジン回転速度センサ203は、エンジン1の回転が伝達されるポンプ翼車21pの回転速度をエンジン回転速度Neとして検出する。
タービン回転速度センサ204は、トルクコンバータ2のタービン軸2aの回転速度、すなわちタービン回転速度Ntを検出する。プライマリプーリ回転速度センサ205は、プライマリプーリ41の回転速度、すなわちプライマリプーリ回転速度Ninを検出する。セカンダリプーリ回転速度センサ206は、セカンダリプーリ42の回転速度、すなわちセカンダリプーリ回転速度Noutを検出する。
ブレーキセンサ207は、ブレーキペダル71の踏み込み量を検出する。シフトポジションセンサ208は、シフトレバー8の操作位置、すなわちシフトポジション(シフトレンジ)を検出する。シフトポジションとしては、例えば前進走行用の「Dレンジ」、中立位置となる「Nレンジ」、後進走行用の「Rレンジ」などがある。前進走行用レンジとしては、「Dレンジ」の他、例えば「Sレンジ」や「Lレンジ」などがあってもよい。加速度センサ209は、車両10の前後方向の加速度を検出する。
ECU200は、上記各センサから入力された検出信号に基づいて、油圧制御回路100の各ソレノイドバルブに対してそれぞれ制御信号を出力する。これにより、各ソレノイドバルブから出力される制御油圧が調整される。
また、ECU200は、所定の停止条件のいずれもが成立するとエンジン1を自動的に停止させ、所定の再始動条件のいずれか1つでも成立するとエンジン1を自動的に再始動させるアイドルストップ制御を実行するようになっている。このアイドルストップ制御は、交差点などの車両走行停止時に燃費の向上、排気ガスの低減、騒音の低減などのために実行されるものである。
ここで、上記所定の停止条件としては、例えばシフトポジションがDレンジであるか、アクセル開度Accが零と判定されるための零判定値(零を含む略零の値を意味する)であるか、ブレーキペダル71が踏み込まれているか、車速Vが零と判定されるための零判定値(零を含む略零の値を意味する)であるかなどの条件が含まれる。また、上記所定の再始動条件としては、例えばシフトポジションがDレンジであるときの車両停止時に、アクセル開度Accが零判定値とされない値となった、すなわちアクセルオンされたか、ブレーキペダル71の踏み込みが解除された、つまりブレーキオフとされたかなどの条件が含まれる。
また、ECU200は、登坂路での発進時に車両停止状態を維持するためのヒルスタートアシスト制御を実行可能である。ヒルスタートアシスト制御は、例えば急な坂道や滑りやすい坂道での発進時に、ブレーキからアクセルに踏み替える間に車両10が後方にずり下がることを抑制して、坂路での発進性を向上させるための制御である。
具体的には、ECU200は、シフトポジションが前進走行用レンジ(例えば「Dレンジ」、「Sレンジ」、「Lレンジ」)であり、かつブレーキペダル71の踏み込みが解除、すなわちブレーキペダル71の操作量が零となったことをブレーキセンサ207が検出したときに車両10が後退したことを条件に、ブレーキアクチュエータ75を駆動制御してホイールシリンダ72に付与する油圧を増大させて車両10に制動力を与えるヒルスタートアシスト制御を実行するようになっている。
ここで、車両10が後退したか否かは、例えば車速センサ201の検出値が負の値となったか否かにより判断することができる。また、上記ヒルスタートアシスト制御は、車両10が前進状態となるか、あるいはヒルスタートアシスト制御開始から所定時間(例えば、5秒)経過後に終了する。
また、ECU200は、車両10が登坂路で発進する際に、セカンダリプーリ42の推力とプライマリプーリ41の推力との比を表す推力比(セカンダリ推力/プライマリ推力)τを平坦路で発進する際の推力比τよりも高くする推力比上昇制御を実行するようになっている。
ここで、推力比τは、変速比γとの関係において変速比γが大きくなるほど大きくなる特性を有しており、こうした特性は推力比マップとして予め実験的に求めてECU200のROMに記憶されている。
図3に示すように、この推力比マップには、無負荷のときよりも推力比τが小さくなる駆動時の推力比特性と、無負荷のときよりも推力比τが大きくなる被駆動時の推力比特性とが記憶されている。ここで、上記駆動時とはエンジン側から駆動輪側へ動力伝達する状態であり、上記被駆動時とは駆動輪側からエンジン側へ動力伝達する状態である。
このため、ECU200は、車両発進時においては推力比マップを参照することにより、駆動時の推力比または被駆動時の推力比のいずれかを選択して用いる推力比選択処理を実行するようになっている。例えば、車両10が平坦路で発進する際には、車両ずり下がりによるベルト滑りが生じないので、無負荷時よりも推力比の小さい駆動時の推力比が選択されるようになっている。
一方、車両10が登坂路で発進する際には、車両ずり下がりによるベルト滑りが生じるおそれがあるので、無負荷時よりも推力比の大きい被駆動時の推力比が選択されるようになっている。つまり、ECU200が実行する上記推力比上昇制御は、例えば変速比γで登坂路発進を行う場合に駆動時の推力比τよりも高い被駆動時の推力比τを選択して用いることによって、平坦路で発進する際よりも推力比を高くするものである。
ここで、車両10が登坂路で発進する際には、所定の条件下で上述したヒルスタートアシスト制御が実行され車両ずり下がりが抑制される。したがって、車両10が登坂路で発進する際に一律に上記推力比上昇制御を実行すると、推力比が平坦路のそれと比較して高いことから不必要な油圧が消費されることとなって燃費向上が妨げられるおそれがある。そこで、本実施の形態では、こうした場合には上記推力比上昇制御の実行を禁止して燃費向上を図ることとした。
具体的には、ECU200は、車両10が登坂路で発進する場合であってもヒルスタートアシスト制御が実行される場合には、上記推力比上昇制御の実行を禁止するようになっている。より詳細には、ECU200は、車両10が登坂路で発進する場合であってもヒルスタートアシスト制御が実行される場合には、本来であれば被駆動時の推力比を選択して用いるところ、駆動時の推力比を選択して用いるようになっている。
次に、図4を参照して、本実施の形態に係るECU200により実行される車両発進時の推力比選択処理について説明する。
この推力比選択処理は、ECU200によって予め定められた時間間隔で実行される。ここで、車両発進時には、例えばアイドルストップ制御からの復帰時における車両発進時等が含まれる。
図4に示すように、ECU200は、車両停止時であるか否かを判定する(ステップS1)。具体的には、ECU200は、例えば車速センサ201により検出される車速Vが零となったか否かを判定することにより、車両停止時であるか否かを判定する。ECU200は、車両停止時でないと判定した場合には、本処理を終了する。
一方、ECU200は、車両停止時であると判定した場合には、車両10が停止した路面が平坦路であるか否かを判定する平坦判定を行う(ステップS2)。具体的には、ECU200は、加速度センサ209により検出される車両停止時の検出値(重力加速度の車両前後方向の成分の大きさ)に基づき、平坦判定を行う。なお、この平坦判定において肯定的な判定がなされる、つまり路面が平坦であると判定される場合には、路面が完全に平坦である場合に加えて多少の勾配があっても略平坦であるとみなせる場合が含まれる。したがって、ECU200は、この平坦判定において加速度センサ209の検出値が略平坦とみなせる値の範囲に含まれるか否かを判定する。
ECU200は、平坦判定の結果が肯定的である場合(YES)には、車両ずり下がりによるベルト滑りが生じないものと判断し、車両発進時の推力比τとして駆動時の推力比を選択する(ステップS3)。
一方、ECU200は、平坦判定の結果が否定的である場合(NO)には、ヒルスタートアシスト制御が実行されるか否かを判定する(ステップS4)。ECU200は、ヒルスタートアシスト制御が実行されないと判定した場合には、車両ずり下がりによるベルト滑りが生じるおそれがあるものと判断し、車両発進時の推力比τとして被駆動時の推力比を選択する(ステップS5)。つまり、ECU200は、推力比上昇制御を実行する。ここで、例えばヒルスタートアシスト制御開始から所定時間(例えば、5秒)経過後のような場合にも、ヒルスタートアシスト制御中に禁止していた推力比上昇制御を本ステップにより許可して被駆動時の推力比を選択する。
他方、ECU200は、ヒルスタートアシスト制御が実行されると判定した場合には、車両ずり下がりによるベルト滑りが生じないものと判断し、車両発進時の推力比τとして駆動時の推力比を選択する(ステップS3)。換言すれば、ECU200は、ヒルスタートアシスト制御が実行されると判定した場合には、推力比上昇制御の実行を禁止する。
以上のように、本実施の形態に係るベルト式無段変速機の制御装置は、登坂路での発進時であってもヒルスタートアシスト制御が実行される場合には、推力比上昇制御の実行を禁止する、すなわち被駆動時の推力比に代えて駆動時の推力比を選択して用いるので、車両10のずり下がりが緩和されるような場合に不必要に推力比上昇制御が実行されることを防止することができる。
これにより、本実施の形態に係るベルト式無段変速機の制御装置は、不必要な推力比上昇制御の実行によるオイルポンプ26の負荷などに起因して燃費の向上が妨げられることを防止でき、燃費の向上を図ることができる。
また、本実施の形態に係るベルト式無段変速機の制御装置は、シフトレンジが前進用走行レンジであり、かつブレーキペダル71の踏み込みが解除されたときに車両10が後退したことを条件にヒルスタートアシスト制御を実行するので、登坂路発進時であっても同条件が成立していない場合にはヒルスタートアシスト制御を実行しないようになっている。この場合、伝動ベルト43のベルト滑りが生ずるおそれがあるので、推力比上昇制御を実行することによりベルト滑りを防止することができる。
なお、本実施の形態においては、車両停止時の加速度センサ209の検出値(重力加速度の車両前後方向の成分の大きさ)に基づき平坦判定を行うようにしたが、これに限らず、例えば勾配センサを別途設け、この勾配センサの検出値に基づき平坦判定を行うようにしてもよい。
以上説明したように、本発明に係るベルト式無段変速機の制御装置は、燃費の向上を図ることができ、ベルト式無段変速機の制御装置に有用である。
4…CVT(ベルト式無段変速機)、7…制動装置、8…シフトレバー、10…車両、41…プライマリプーリ、42…セカンダリプーリ、43…伝動ベルト、71…ブレーキペダル、100…油圧制御回路、200…ECU(制御手段)、201…車速センサ、207…ブレーキセンサ、208…シフトポジションセンサ、209…加速度センサ

Claims (2)

  1. 登坂路での発進時に車両停止状態を維持するためのヒルスタートアシスト制御を実行可能な車両に搭載され、プライマリプーリと、セカンダリプーリと、前記プライマリプーリおよび前記セカンダリプーリに巻き掛けられた伝動ベルトとを備えたベルト式無段変速機の制御装置であって、
    前記車両が登坂路で発進する際に、前記セカンダリプーリの推力と前記プライマリプーリの推力との比を表す推力比を平坦路で発進する際の推力比よりも高くする推力比上昇制御を実行する制御手段を備え、
    前記制御手段は、前記登坂路での発進時であって前記ヒルスタートアシスト制御が実行される場合には、前記推力比上昇制御の実行を禁止することを特徴とするベルト式無段変速機の制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記車両のシフトレンジが前進走行用レンジであり、かつブレーキペダルの踏み込みが解除されたときに前記車両が後退したことを条件に、前記ヒルスタートアシスト制御を実行することを特徴とする請求項1に記載のベルト式無段変速機の制御装置。
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