JP2013231286A - 敷きモルタル用セット、タイル等施工面の形成方法およびタイル等施工方法 - Google Patents

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拓也 吉成
Izumi Takada
泉 高田
Nobuharu Fujii
伸晴 藤井
Kanako Awaji
嘉奈子 淡路
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Abstract

【課題】バサモルタル工法では、施工現場においてセメントと細骨材と水を練り混ぜる作業が必要であり、作業環境によっては機械練りが不可能となり、トロ舟や鍬を用いた手練りが必要となり、作業効率の面からも改善が求められていた。
【解決手段】セメント、細骨材を主成分とする1:1〜1:7モルタルのセメント成分100重量部に対し、1:1〜1:7モルタルのセメント成分100重量部に対し、吸水状態にある吸水性ポリマー粒子40〜150重量部の組み合わせたものを、吸水性ポリマー、モルタル、タイル等の順に敷き並べ積層する。
【選択図】図1

Description

本発明は、床面へタイル、テラゾー、PCパネル、レンガ、石材あるいは木製ブロック等(以下、纏めてタイル等と表記する。)を貼り付ける際に用いられる敷きモルタル用のセットと、そのモルタルを利用してタイル等の施工面を作成する方法、および貼り付けの施工を行う方法を提供するものである。
従来、床面にタイル等を施工する際には、下地面にバサモルタルと呼ばれる水分を少なめとしたモルタルを敷き、木ゴテ等で締め固めた後、定規ずりを行い、モルタル下地面とし、貼り付けモルタルあるいはセメントペーストを介してタイル等を貼り付けるようにしていた。
例えば、バサモルタルを用いた貼り付け工法は、特開平5−44327号公報あるいは特開2003−49527号公報の従来技術にその記載を見ることができる。
また、バサモルを使用した床タイル張りの技術を、非特許文献である「ワンポイント=建築技術 タイル工事」株式会社井上書院 1984年7月20日発行の第72頁〜第77頁に見つけることもできる。書中、バサモルタルのことをぱさぱさモルタルと記載されている。
特開平5−44327号公報(段落0002) 特開2003−49527号公報(段落0002)
「ワンポイント=建築技術 タイル工事」株式会社井上書院 1984年7月20日発行の第72頁〜第77頁、丸一俊雄、藤井銛純、佐野直光の共著
一方、従来のバサモルタル工法では、施工現場においてセメントと細骨材と水を練り混ぜる作業が必要となるが、作業環境によっては大きな障害となっていた。例えば、電源が確保出来ない環境下では、ハンドミキサーやモルタルミキサーによる機械練りが不可能でトロ舟や鍬を用いた手練りが必要となり、作業効率の面からも改善が求められていた。
更に、施工現場において練り混ぜに使用されたトロ舟、鍬、柄杓の洗浄が制限されることもあり、混練作業を簡便にすること、水を使用するとしても汚染水を排出しないことが望まれていた。
請求項1に記載の敷きモルタル用セットの発明は、セメント、細骨材を主成分とする1:1〜1:7モルタルのセメント成分100重量部に対し、吸水性ポリマー粒子粉0.025〜10重量部の組み合わせたものであり、混練することなく使用されるものである。
請求項2に記載の敷きモルタル用セットの発明は、セメント、細骨材を主成分とする1:1〜1:7モルタルのセメント成分100重量部に対し、吸水状態にある吸水性ポリマー粒子40〜150重量部の組み合わせたものであり、混練することなく使用されるものである。
請求項3に記載のタイル等施工面の形成方法の発明は、床タイル等施工に当たり、概ね平坦な土、砂利、アスファルト、モルタル、コンクリート下地面に対し、吸水状態となった吸水性ポリマーを床タイル施工予定面に散布・敷き詰めた後、セメント、細骨材を主成分とする1:1〜1:7モルタルを厚さ10〜40mmに敷き詰めるものである。
請求項4に記載のタイル等施工方法の発明は、床タイル等施工に当たり、概ね平坦な土、砂利、アスファルト、モルタル、コンクリート下地面に対し、吸水状態となった吸水性ポリマーを床タイル等施工予定面に散布・敷き詰めた後、セメント、細骨材を主成分とする1:1〜1:7モルタルを厚さ10〜40mmに敷き詰め、タイル等を所望に目地間隔を取り敷き並べるものである。
請求項5に記載のタイル等施工方法の発明の発明は、床タイル施工に当たり、概ね平坦な土、砂利、アスファルト、モルタル、コンクリート下地面に対し、吸水状態となった吸水性ポリマーを床タイル等施工予定面に散布・敷き詰めた後、セメント、細骨材を主成分とする1:1〜1:7モルタルを厚さ30〜50mmに敷き詰め、噴霧器による水散布を行い、その後タイル等を所望に目地間隔を取り敷き並べるものである。
請求項6に記載の敷きモルタル用セット、タイル等施工面の形成方法あるいはタイル等施工方法の発明は、請求項1ないし請求項5に記載される細骨材が、重骨材と軽量骨材から構成され、その容積がセメント100部に対し、重骨材を100〜500部、軽量骨材を50〜300部とするものである。
請求項7に記載の敷きモルタル用セット、タイル等施工面の形成方法あるいはタイル等施工方法の発明は、請求項1ないし請求項6に記載される細骨材が、重骨材と軽量骨材から構成され、その軽量骨材の平均粒子径が2〜5mmであるものである。
この発明における敷きモルタル用セットにおいては、従来におけるバサモルタルの使用に替えて、モルタルの混練が不要な敷きモルタルを提供することができる。従って、モルタル混練をするための機械器具が不要となり、その混練の手間も省けることとなる。
請求項1の発明においては、組成物1をセメント、細骨材を主成分とする1:1〜1:7モルタル、組成物2を吸水性ポリマー粒子粉とした時、施工現場において組成物2の吸水性ポリマー粒子粉に水を吸水させて使用するものであり、汚染水の発生が生じない形で敷きモルタルの施工を行うことができる。
請求項2の発明においては、セメントの硬化に必要な水分を吸水性ポリマーに吸水させた形としているので、そのまま水を使用することなく、現場での施工を行うことができる。
タイル等施工面の形成方法の発明においては、組み合わせとなる敷きモルタル用セットを用い、吸水状態となった吸水性ポリマーがその後に覆われるモルタルの硬化に必要な水分を放出することで、施工現場に於けるモルタル混練作業を不要にして、タイル等施工面を形成することができる。
タイル等施工方法の発明においては、敷きモルタルの施工と同時にタイル等の敷き並べ及び貼り付けをまとめて行うことができる。
請求項5のタイル等施工方法の発明では、モルタルの硬化に必要な水分を下地側からとタイル等の接着界面側から供給することにより、より確実なタイル等との接着力が確保できることとなる。
モルタルに配合される細骨材が、重骨材と軽量骨材から構成され、その容積がセメント100部に対し、重骨材を100〜500部、軽量骨材を50〜300部とすることにより、モルタルの強度の確保と吸水ポリマーから放出される水分の拡散が支障なく進行することとなる。
モルタルに配合される細骨材が、重骨材と軽量骨材から構成され、その軽量骨材の平均粒子径が2〜5mmであることにより、敷きモルタルを敷き詰める際の面精度の確保を容易にし、また、吸水性ポリマーから放出される水あるいは表面に散布される水の拡散に障害とならないものにすることができる。そして、敷きモルタルの強度が弱くならないものとすることができる。
この発明のタイル等施工方法を示す断面図による工程組図。
この発明の敷きモルタル用セットは、敷きモルタルによるタイル等の下地あるいはタイル等の下地であり、且つ接着剤層となるモルタル層を形成できる既調合のモルタルとモルタルへの水分を供給するための吸水性ポリマーからなる。吸水性ポリマーは、施工現場において水分を加えて使用される場合と水分を含ませた状態のものと二つの形態が採用できる。
上記既調合のモルタルは、セメントと細骨材を主成分にしている。セメントと細骨材の重量比は、1:1〜1:7の範囲にあるのが好ましい。より好ましくは、1:1〜1:5の範囲にあることであり、更に好ましくは1:1〜1:3の範囲にあることである。1:1の範囲を超えて、セメント成分が富となると、敷きモルタルの硬化後にクラックの発生が顕著に確認される。
また、1:7を超えて、セメント成分が貧となると、タイル等に対する敷きモルタルの接着性が極めて悪くなる。セメントと細骨材の比は、セメントの割合が少なくなるに比例して、モルタルの強度が小さく、タイル等への接着力が小さくなる。1:1〜1:3の範囲にある場合においては、モルタルの強度とタイル等への接着力が共に理想的な安定した値が得られる。骨材例に珪砂とパーライトを選択した場合においては、1:1.5〜1:2.5の範囲において、その最大値が得られる。
モルタルに使用されるセメントには、公知のセメントが使用される。そのセメントには、単味セメント、混合セメント及び特殊セメントと分類されている。単味セメントには、ポルトランドセメント、水硬性石灰、ローマンセメント、天然セメント、アルミナセメント及び超速硬セメントがある。また、ポルトランドセメントには、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント及び白色ポルトランドセメントとがある。混合セメントには、高炉セメント、シリカセメント・ポゾランセメント、フライアッシュセメント、膨張性セメント、ソーメンリーセメント及び左官用セメントがある。特殊セメントは汎用性がないので説明は省略する。
これらの中でも、入手の容易さと市価の低廉さから普通ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメントを選択するのが良く、初期硬度の発現の早さからは早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメントを選択するのが良い。
細骨材と使用される骨材も、公知のモルタル用骨材が選択される。
細骨材には、重骨材に分類される、珪石、珪砂、山砂、川砂等、不純物のない通常左官工事で使用される骨材と軽量骨材として分類される、無機質軽量骨材あるいは有機質軽量骨材がある。無機質の発泡材あるいは中空球状発泡材の例として、いわゆるシラスバルーンや、黒曜石あるいは真珠岩を粉砕して加熱発泡させたパーライト、膨張バーミキュライト、膨張頁岩、軽石、ガラス廃材を造粒し発泡させたG−ライト(商品名)、マイクロバルーン、シリカゲル発泡物、スラグの造粒発泡物、粘土粉体を利用した造粒発泡物等の天然鉱物の発泡又は膨張した物質あるいは人工軽量骨材が挙げられるが、これらに限定されない。有機質の発泡材あるいは中空球状発泡材として、例えばEVA(エチレンビニルアセテート)、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合物、ポリ塩化ビニル、天然もしくは合成ゴム等の粉末を発泡させたものがある。
これら細骨材のうち、重骨材では角の丸い珪砂、山砂、川砂を用いるのが良く、軽量骨材では、パーライト、膨張頁岩、軽石、ガラス廃材を造粒し発泡させたG−ライト(商品名)のような球形発泡骨材を選択するのが良い。
先にセメントと細骨材の重量比について記述したが、細骨材においては重骨材と軽量骨材の両者を併用するのが望ましい。それぞれの配合量については、容積部となるが、重骨材については、セメント100部に対し100〜500部にあるのが良く、軽量骨材については、セメント100部に対し50〜300部にあるのが良い。
併用する理由は、敷きモルタル中に適度の空隙を設けることにより、吸水ポリマーから放出された水分を効率よく移行させ、且つモルタル全体に満遍なく行き渡らせ易くする為である。空隙が少ない細密状態であれば、水分の移行がスムーズではない。逆に、空隙が大きすぎると移行し水分がモルタル全体に行き渡り難くなる。また、軽量骨材を含むことにより、タイル等を敷設するときにレベルの取りやすさ、位置決めの容易さが得られ易くなる。
セメントの容積100部に対して、重骨材の容積が100部未満にあるときは、敷きモルタルの硬化後にクラックの発生が顕著に確認される。
逆に500部を超えるときには、タイル等に対する敷きモルタルの接着性が極めて悪くなる。
セメントの容積100部に対して、軽量骨材の容積が50部未満にあるときは、敷きモルタルのタイル等を設置後、タイル等の自重による沈み込みが大きくなる。
逆に300部を超えるときには、敷きモルタルの強度が極めて低くなる。
軽量骨材の粒子径は、2〜5mmの範囲にあるものを選択して使用するのが良い。この粒子径が2mm未満にあるものを使用したときには、タイル等のタイル等を敷設するときにレベルの取りやすさ、位置決めの容易さが得られ難い。また、5mmを超える大きな軽量骨材を利用すると、セメント、重骨材、軽量骨材の製造後の分離が運送中あるいは開封後のハンドリング時に起こり易く、均質なモルタル層が得られない可能性がある。
他に、気硬性成分を加えることも可能である。気硬性成分は、空気中で硬化し、水中では硬化しないもので、気硬性セメントともいう。気硬性セメントには、消石灰、焼石膏、無水石膏、マグネシアセメント及びドロマイトプラスターがある。
その他の成分として、一般的なセメントモルタルに添加される有機繊維,無機繊維,カーボン繊維等の繊維、メチルセルローズ,ポリビニルアルコール等の水溶性高分子、クエン酸ソーダ,塩化カルシウム等の凝結調整剤、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ,ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等の界面活性剤、充填材、体質顔料、顔料をモルタル成分中20重量部以内にて配合することができる。
敷きモルタル用セットのもう一つの成分である吸水性ポリマーは、吸水していない状態あるいは吸水した状態、そのどちらの形態においても提供可能である。但し、施工現場までの運送コストを考慮すると吸水していない状態のほうが効率的である。
吸水性ポリマーには、デンプン系,セルロース系,多糖類系,タンパク質系,ポリビニルアルコール系,アクリル系,付加重合体系,ポリエーテル系,縮合ポリマー系等があり、より具体的にはデンプン−アクリル酸グラフト重合体,デンプン−スチレンスルホン酸重合体,セルロース−アクリロニトリルグラフト重合体,カルボキシメチルセルロースの架橋体,ヒアルロン酸,アガロース,コラーゲン,ポリビニルアルコール架橋重合体,ポリアクリル酸ナトリウム架橋体,ポリアクリロニトリル系重合体ケン化物,ヒドロキシエチルメタクリレートポリマー,無水マレイン酸系共重合体,ビニルピロリドン系重合体,ポリエチレングリコール・ジアクリレート架橋重合体,エステル系ポリマー,アミド系ポリマー等を例示することができる。
これら吸水性ポリマーのうち、吸水能力が純水においてその重量の10倍以上のものであればこの発明に効率よく使用できる。通常は50〜1000倍の吸水能力の樹脂が使用される。
吸水性ポリマーは、高圧下あるいは電解質の存在下において吸水していた水分を放出する。この発明では、セメントと言う強電解質と吸水状態の吸水性ポリマーが接することにより、セメント成分中のナトリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウムが電離して、ナトリウムイオンやカルシウムイオン等のイオンを含む水溶液を発生させ、それが多量に水を吸った状態の吸水性ポリマー機能を低下させる。吸水性ポリマーの機能低下による吸水性ポリマーの収縮と、それに伴う水分の放出によりセメントの硬化に必要な供給されることとなる。
また、敷きモルタルの重量とタイル等の重量が加わることによっても、加圧されることとなり、水分の放出は促進される。
モルタルに組み合わせる吸水性ポリマーの量は、吸水性ポリマーの吸水能力によっても変わってくるが、例えば50倍の吸水能力を利用したときには、モルタルのセメント成分100重量部に対し、吸水性ポリマー粒子粉0.8〜3重量部とするのが良く、また、1000倍の吸水能力を利用したときには、モルタルのセメント成分100重量部に対し、吸水性ポリマー粒子粉0.04〜0.15重量部とすれば良くなる。
水を含ませた吸水状態にある吸水性ポリマー粒子を用いる場合には、ほぼ40〜150%がセメントの硬化に利用されることになり、放出される水量として見積もることができる。従って、セメントと吸水状態にある吸水性ポリマー粒子を組み合わせる場合にはモルタルのセメント成分100重量部に対し、40〜150重量部の吸水状態にある吸水性ポリマー粒子を利用することとなる。
この発明では、上記構成比からなるモルタルセットと吸水性ポリマーを利用して、タイル施工面となるモルタル層の形成、あるいは、モルタル層の形成と同時にタイル等施工を行うことができる。
モルタル層の形成においても、タイル等施工においても、施工の手順として、先に施工予定面へ粉末状態の吸水性ポリマーを散布し、水を散布するか、予め吸水状態となった吸水性ポリマーを敷き詰めて、モルタルの硬化に必要な水分を施工予定面に準備するようにする。この発明では上記記載の通り、セメント成分100重量部に対し、40〜150重量部の吸水状態となった吸水性ポリマーを用意するようにしている。
次に、吸水状態となった吸水性ポリマーの上に所定厚みを形成できるモルタル組成物を敷き詰める。モルタル層の形成を以ってお仕舞いにする場合は、表面をトンボ等の地均し具を用いて、表面を平らにする。また、タイル等の貼り付け施工を同時に行うときは、表面を平らにしたモルタル組成物の上に、タイル等を所定の間隔をとって敷き並べ、押し込むようにしてタイル等を1〜10mm沈める。沈める際、タイル等の表面が平坦となるように必要に応じ調整を加える。石材のように表面に凹凸を持つ素材の場合は、略平坦であれば良い。
施工方法の手順にあっては、前記記載の平坦なモルタル層の形成あるいはタイル等を敷き並べた後は、吸水状態となった吸水性ポリマーから水分が放出されることにより、モルタルの硬化、そしてタイル等とモルタルの接着が進展する。
但し、モルタル層の厚みが30mmを超えて50mmまでとなる場合、あるいは施工予定面の水はけが良くて、吸水ポリマー中の水分の地中への拡散が大きい場合には、モルタル組成物の上から噴霧器により水の補給を行うこともできる。この補給に際して用いられる水分の量は、せいぜいモルタル組成物のセメント成分重量の5%までとするのが良い。それ以上の水の散布を行うと、モルタル組成物中のセメント成分が洗い流され、表面強度の低下、タイル等との接着力不足に繋がることとなる。
また、この発明の発展形として、モルタル層の厚みが40mmを超え70mmほどの厚みとなる場合、まず吸水状態となった吸水性ポリマーの上に30mmの厚みを形成できるモルタル組成物を敷き詰め、表面をトンボ等の地均し具を用いて、表面を平らにする。このモルタル組成物の上に、吸水状態となった吸水性ポリマーを再度敷き詰め、所定の厚み(10〜40mm厚)モルタル組成物を敷き詰め、表面をトンボ等の地均し具を用いて、表面を平らにする。その後、タイル等の貼り付け施工を行う。
モルタル層の厚みが70mmを超える場合、上記の操作を繰り返して施工を行う。
即ち、形成させたいモルタル層の厚みが40mmを超える場合には、吸水状態にある吸水性ポリマー中の水分の上方への拡散が必要に足りる量を得られない可能性が生じるため、2回のモルタル層形成を行い必要厚みを得るものである。技術思想としては、吸水状態の吸水性ポリマーの敷き詰めと既調合のモルタル組成物(粉末状態)の敷き詰めを交互に複数回行い、所望の厚みとなるモルタル層を得るものである。
上記した水の散布以外にモルタルの硬化に必要な水分の供給を確実にする方法として、異なる手段を採用することもげきる。例えば、吸水性ポリマーから放出された水がこれらの施工面に移行しにくいように事前処理を行うことができる。事前処理としては、例えば、事前に散水してこれらの施工面に含水させておく方法、塗料や吸水調整等を塗布して施工面からの水分の放散を抑制する方法、樹脂フィルム等の吸水性が小さい材料を施工面表面に設置する方法等を挙げることができる。このような手段を採用することで、吸水性ポリマーから放出された水を効率よくモルタルに移行させることができる。
以下、実施例によりこの発明の実施形態を説明する。
(実施例1)
モルタルの配合として、
ポルトランドセメント 120重量部
珪砂 270重量部
パーライト 15重量部
合計 405重量部
上記モルタルに用いたポルトランドセメントは、かさ比重1.2にあり、重骨材としての珪砂はかさ比重が1.5にある4号珪砂とし、軽量骨材としてのパーライトにはかさ比重が0.15にある芙蓉パーライト社製2号パーライトを用い、吸水性ポリマーの粉末には、三洋化成社製の吸水能力が250倍にあるものを利用した。
モルタルに対する吸水性ポリマーの粉末の量は、セメント重量比100:0.4とした。
(実施例2)
実施例2では、実施例1における吸水性ポリマーの粉末を清水により湿らせて吸水状態とした。水を含ませた状態における重量は、粉末状態に対し250倍であり、セメント100重量部に対しては、吸水状態の吸水性ポリマーの重量では100重量部となった。
(実施例3)
モルタルの配合として、
ポルトランドセメント 120重量部
硅砂 750重量部
軽量骨材 15重量部
合計 885重量部
上記モルタルに用いた珪砂、パーライト、吸水性ポリマーの粉末には、実施例1に利用したものと同じ素材を使用した。
モルタルに対する吸水状態となった吸水性ポリマーの量は、セメント成分の重量比100:100とした。
(実施例4〜実施例8、比較例1〜比較例6)
実施例4以下実施例8まで、並びに比較例1から比較例6までは、前記実施例1、同3に利用したポルトランドセメント、珪砂、パーライトおよび吸水性ポリマーを使用して試験を行った。下記、表1、表2にてその組成、使用材料の配合あるいは組み合わせの特徴となる数値を示す。

Figure 2013231286
Figure 2013231286
上記、実施例及び比較例のモルタルと吸水性ポリマーを利用して、高低さが1cm前後ある土の床面に、重さ約10KgPCセメント板の床パネル、30cm×30cm×5cm、4枚の貼り付けを目地間隔1cmにして行った。貼り付け施工を行った際に、これらの実施例・比較例に対して、4つの試験項目を設け施工性、性能、硬化後の外観を観察した。
試験項目の1として、床パネルを押し込むことにより所望床面の高さに調整できるかどうか、また、その調整作業が容易にできるかどうかにより、○、△、×の評価とした。目標となる沈み込み量は10mm以内とした。調整時間の基準として、4枚当たり2分までと容易に調整が可能であるものを○、それ以上4分までと力あるいは時間が必要となるものを△、それ以上を×とした。
試験項目の2として、粉末状態のモルタルが吸水状態になった吸水性ポリマーとのセットにおいて、充分な硬化体が得られるかどうかにより評価とした。評価における○は、モルタル全体が硬化したもの、△は硬化したが強度の不足、金槌で叩いて簡単に崩れるもの、×は全体の硬化が得られなかったものを示している。
試験項目の3として、モルタル硬化体表面の外観の観察を行い、評価における○は表面にひび割れが生じなかったもの、×は表面にひび割れの発生が見られたもの、−はモルタル全体の硬化がなく、評価不能のものを示している。
試験項目の4として、モルタル硬化体が床パネルとの接着力が得られているかどうかの評価を行った。評価基準は、試験施工を行い床パネルとモルタル硬化体が一体となったものを目地に沿って32cm角程度に切り取り、床パネル部分を手に持ちゆすっても分離・剥離が見られないものを○とし、切り取った際に接着力が得られてなくモルタルと床パネルが離れてしまったものを×とした。
実施例、比較例によるモルタルと吸水性ポリマーのセットを試験施工に供し、その評価結果を下記表3に記す。表中、実2は実施例2のことであり、実3は実施例3であり、比1は比較例1のことを表し、同様にして他の実施例・比較例の結果を表している。
Figure 2013231286
図面では組み図により、施工工程を示して、この発明の実施態様を説明する。図1における符号1は下地を示し、2は水を含ませた状態の吸水性ポリマー、3はモルタル、4はタイル等となる。実施例におけるタイル等はPCセメント板となる。
図1の(a)では、下地1の表面に、吸水状態となった吸水性ポリマー2を敷き詰めた段階における断面図を示している。図1の(b)においては、敷き詰めた吸水性ポリマーの上にモルタルを敷き詰めた段階における断面図を示している。図1の(c)においては、モルタル上にタイル等、実施例ではPCセメント板を所定の目地を空けて敷き並べた段階の断面図を示している。
他の比較例として、比較例7では実施例2におけるモルタルの粉体に給水状態の吸水性ポリマーを混ぜて作製したモルタルを使用して、試験施工を行なったもの、比較例8では実施例2におけるモルタル粉体のみを使用し、水分の供給を表面からの散水によるものとし、床パネルの設置はこの散水後に行なった場合の試験結果を下記表4に示す。
Figure 2013231286
比較例7は、4つの試験では評価は○となったが、混練のための機械器具が必要であり、その混練のための手間を必要とする、従来方法の欠点を有するものである。
以上の試験結果より、以下のことが言える。
試験2の結果を見ると、実施例1〜8のモルタル用セットを用いて本発明のタイル等施工方法を行うことで、全体が硬化したモルタルが得られる。
試験3の結果をみると、実施例1〜8のモルタル施工用セットは、適度な強度があり、硬化時に発生する乾燥収縮によるひび割れが少ないモルタルを得ることができることが分かる。
試験1〜4の結果をみると、実施例1〜8のモルタル用セットを用いれば、混練していないモルタルと吸水状態にある吸水性ポリマーとを混合しなくても、現場練りである比較例7のように混合したものと同程度の性能をもったモルタルが得られる。
試験1〜4の結果を見ると、実施例1〜8のモルタル用セットはPCセメント板などのタイル等を施工する際にも、作業能率がよく、十分な接着力が得られるので好ましく使用できる。
1 下地
2 含水状態の吸水性ポリマー
3 モルタル
4 タイル等

Claims (7)

  1. セメント、細骨材を主成分とする1:1〜1:7モルタルのセメント成分100重量部に対し、吸水性ポリマー粒子粉0.025〜10重量部の組み合わせたものであり、混練することなく使用されることを特徴とする敷きモルタル用セット。
  2. セメント、細骨材を主成分とする1:1〜1:7モルタルのセメント成分100重量部に対し、吸水状態にある吸水性ポリマー粒子40〜150重量部の組み合わせたものであり、混練することなく使用されることを特徴とする敷きモルタル用セット。
  3. 床タイル等施工に当たり、概ね平坦な土、砂利、アスファルト、モルタル、コンクリート下地面に対し、吸水状態となった吸水性ポリマーを床タイル施工予定面に散布・敷き詰めた後、セメント、細骨材を主成分とする1:1〜1:7モルタルを厚さ10〜40mmに敷き詰めることを特徴とするタイル等施工面の形成方法。
  4. 床タイル等施工に当たり、概ね平坦な土、砂利、アスファルト、モルタル、コンクリート下地面に対し、吸水状態となった吸水性ポリマーを床タイル施工予定面に散布・敷き詰めた後、セメント、細骨材を主成分とする1:1〜1:7モルタルを厚さ10〜40mmに敷き詰め、タイルを所望に目地間隔を取り敷き並べることを特徴とするタイル等施工方法。
  5. 床タイル等施工に当たり、概ね平坦な土、砂利、アスファルト、モルタル、コンクリート下地面に対し、吸水状態となった吸水性ポリマーを床タイル施工予定面に散布・敷き詰めた後、セメント、細骨材を主成分とする1:1〜1:7モルタルを厚さ30〜50mmに敷き詰め、噴霧器による水散布を行い、その後タイルを所望に目地間隔を取り敷き並べることを特徴とするタイル等施工方法。
  6. 請求項1ないし請求項5に記載される細骨材が、重骨材と軽量骨材から構成され、その容積がセメント100部に対し、重骨材を100〜500部、軽量骨材を50〜300部とすることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の敷きモルタル用セット、タイル等施工面の形成方法あるいはタイル等施工方法。
  7. 請求項1ないし請求項6に記載される細骨材が、重骨材と軽量骨材から構成され、その軽量骨材の平均粒子径が2〜5mmであることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の敷きモルタル用セット、タイル等施工面の形成方法あるいはタイル等施工方法。
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