JP2013231147A - 離型フィルム - Google Patents

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克秀 大谷
Hirokazu Komori
洋和 小森
Masashi Okumura
勝史 奥村
Haruhisa Masuda
晴久 増田
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Abstract

【課題】単層フィルムであっても、金型の形状への追従性に優れる離型フィルムを提供する。
【解決手段】フッ素樹脂と動的架橋されたフッ素ゴムとの複合体からなることを特徴とする離型フィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、離型フィルムに関するものである。
モールド成形用離型フィルムは、モールド成形装置を用いた樹脂の成形加工において、モールド成形後に金型から樹脂(封止材料)を脱型するために、金型と樹脂の間に挟み込み、モールド成形された樹脂と金型とを離型するために使用される。
しかし、離型フィルムとして、汎用のPETフィルムや高耐熱性のポリイミドフィルムを用いた場合は、フィルムの伸度が小さいため、金型への追随性が不充分となり、フィルムにシワが発生しやすい。また、発生したフィルムのシワが、モールド樹脂に転写され、製品の表面に荒れが発生して、歩留まりが低下する。
金型の形状への追従性及び強度に優れる離型フィルムとして、特許文献1には、含フッ素ポリマーの層、フッ素非含有ポリマーの層、及び、含フッ素ポリマーの層の3層からなり、前記フッ素非含有ポリマーの層は、3層の中間層であり、3層の合計の厚みが70μm以下であり、前記含フッ素ポリマーは、炭素−炭素二重結合、カルボニル基、ヒドロキシル基、シアノ基、スルホン酸基、及び、エポキシ基からなる群より選択される少なくとも1つの接着性官能基を有することを特徴とする離型フィルムが記載されている。
特開2009−285990号公報
しかしながら、特許文献1に記載の離型フィルムは、共押出法によって成形しており、生産性及びコストの点で改善の余地があった。そのため、離型フィルムとしては、単層フィルムであっても、金型の形状への追従性に優れるものが望まれていた。
本発明は、単層フィルムであっても、金型の形状への追従性に優れる離型フィルムを提供することを目的とする。
本発明者等が、金型の形状への追従性に優れる離型フィルムについて鋭意検討したところ、フッ素樹脂と動的架橋されたフッ素ゴムとの複合体からなる離型フィルムは、単層フィルムであっても、金型の形状への追従性に優れることを見出し、本発明は完成したものである。
すなわち、本発明は、フッ素樹脂と動的架橋されたフッ素ゴムとの複合体からなることを特徴とする離型フィルムである。
フッ素ゴムは、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、又は、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン/テトラフルオロエチレン共重合体であることが好ましい。
フッ素樹脂は、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体、又は、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体であることが好ましい。
フッ素樹脂と動的架橋されたフッ素ゴムとの複合体は、フッ素樹脂と動的架橋されたフッ素ゴムとの質量比が95/5〜10/90であることが好ましい。
本発明の離型フィルムは、上記構成を有することから、単層フィルムであっても、金型の形状への追従性に優れる。
本発明の離型フィルムは、フッ素樹脂と動的架橋されたフッ素ゴムとの複合体からなるものである。本発明の離型フィルムは、上記構成を有することによって柔軟性に富むため、単層フィルムであっても、金型の形状への追従性に優れる。また、金型の形状への追従性に優れるため、歩留まりを向上させることもできる。
例えば、本発明の離型フィルムは金型の形状への追従性に優れるため、アスペクト比(深さ/直径)が1以上の奥行きの深い金型を使用する場合であっても、良好な追従性を示す。
更に、本発明の離型フィルムは、単層フィルムであっても金型の形状への追従性に優れるため、生産性に優れるとともに、生産コストの低減を図ることができる。本発明の離型フィルムは、単層フィルムであることも好ましい形態の一つである。
また、本発明の離型フィルムは、上記構成を有することによって、実用上充分な優れた強度を有する。
以下に、各要素について説明する。
本発明の離型フィルムは、フッ素樹脂と動的架橋されたフッ素ゴムとの複合体からなる。
〔フッ素樹脂〕
上記フッ素樹脂は、含フッ素エチレン性単量体に基づく重合単位(含フッ素エチレン性単量体単位)を含む重合体である。フッ素樹脂が含フッ素エチレン性単量体単位を有する重合体であることによって、本発明の離型フィルムは、優れた耐熱性及び耐薬品性を有する。上記フッ素樹脂は、通常、明確な融点を有するものである。
フッ素樹脂としては、含フッ素エチレン性単量体単位を有する重合体を1種用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記含フッ素エチレン性単量体としては、テトラフルオロエチレン(TFE)、式(1):
CF=CF−Rf (1)
(式中、Rfは、−CF又は−ORf;Rfは、炭素原子数1〜5のパーフルオロアルキル基)で表されるパーフルオロオレフィン;クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロイソブテン、フッ化ビニリデン(VdF)、フッ化ビニル、式(2):
CH=CX(CF(2)
(式中、Xは、水素原子又はフッ素原子;Xは、水素原子、フッ素原子又は塩素原子;nは、1〜10の整数)で表されるフルオロオレフィンなどが挙げられる。
上記フッ素樹脂は、含フッ素エチレン性単量体に基づく重合単位、及び、非含フッ素エチレン性単量体に基づく重合単位を有する重合体であることも好ましい。非含フッ素エチレン性単量体の選定は、非含フッ素エチレン性単量体が付与できる特性や機能を考慮して行なえばよい。
上記非含フッ素エチレン性単量体の具体例としては、例えば、エチレン、プロピレンなどのオレフィン;アルキルビニルエーテルなどが挙げられる。ここで、アルキルビニルエーテルは、炭素数1〜5のアルキル基を有するアルキルビニルエーテルをいう。
成形性が優れることから、フッ素樹脂のメルトフローレート(MFR)は、1〜50g/10分であることが好ましく、5〜30g/10分であることがより好ましい。
フッ素樹脂のMFRは、メルトインデクサー((株)東洋精機製作所製)を用い、フッ素樹脂の融点に応じた温度において、5kg荷重下で直径2mm、長さ8mmのノズルから単位時間(10分間)あたりに流出するポリマーの質量(g)を測定した値である。
上記フッ素樹脂としては、より優れた離型性、金型の形状への追従性、及び、強度を有する離型フィルムが得られる点、離型フィルムの耐熱性、耐薬品性及び耐油性が優れ、更に、成形加工が容易になる点から、下記(I)〜(V)の共重合体が特に好ましい。
(I)エチレン/TFE共重合体(以下、「ETFE」ともいう)
ETFEは、TFEに基づく重合単位(TFE単位)及びエチレンに基づく重合単位(エチレン単位)からなる共重合体である。ETFEは、より優れた金型の形状への追従性及び強度を有する離型フィルムが得られる点、力学物性が優れる点、フッ素ゴムの架橋が容易になる点から好ましい。
ETFEは、TFE/エチレンがモル比で、(20〜90)/(80〜10)であることが好ましく、(37〜85)/(63〜15)であることがより好ましく、(38〜80)/(62〜20)であることが更に好ましい。
ETFEは、更に、TFE及びエチレンと共重合可能な単量体に基づく重合単位を含むものであってもよい。ETFEは、TFE及びエチレンと共重合可能な単量体に基づく重合単位が、全重合単位に対して0.1〜10モル%であることが好ましく、0.1〜5モル%であることがより好ましく、0.2〜4モル%であることが更に好ましい。
TFE及びエチレンと共重合可能な単量体としては、式(3)〜(6):
CH=CXRf(3)
CF=CFRf(4)
CF=CFORf(5)
CH=C(Rf(6)
(式中、Xは水素原子又はフッ素原子;Rfはエーテル結合性酸素原子を含んでいてもよいフルオロアルキル基)で示される含フッ素エチレン性単量体(含フッ素ビニルモノマー)が挙げられる。Rfは、炭素数が1〜8のフルオロアルキル基であることが好ましい。
式(3)〜(6)で示される含フッ素ビニルモノマーの具体例としては、1,1−ジヒドロパーフルオロプロペン−1、1,1−ジヒドロパーフルオロブテン−1、1,1,5−トリヒドロパーフルオロペンテン−1、1,1,7−トリヒドロパーフルオロへプテン−1、1,1,2−トリヒドロパーフルオロヘキセン−1、1,1,2−トリヒドロパーフルオロオクテン−1、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルビニルエーテル、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、ヘキサフルオロプロペン、パーフルオロブテン−1、3,3,3−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)プロペン−1、2,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロ−1−ペンテン(CH=CFCFCFCFH)が挙げられる。
ETFEは、耐ストレスクラック性が優れる点から、TFEに基づく重合単位、エチレンに基づく重合単位、及び、式(3):
CH=CXRf (3)
(式中、Xは水素原子又はフッ素原子;Rfはエーテル結合性酸素原子を含んでいてもよいフルオロアルキル基)で示される含フッ素エチレン性単量体に基づく重合単位からなる共重合体であることも好ましい。
ETFEはまた、高温耐久性に優れる点から、TFEに基づく重合単位、エチレンに基づく重合単位、及び、式(1):
CF=CF−Rf (1)
(式中、Rfは−CF又は−ORf;Rfは炭素原子数1〜5のパーフルオロアルキル基)で表されるパーフルオロエチレン性不飽和化合物に基づく重合単位からなる共重合体であることも好ましい。
上記ETFEとしては、エチレン/TFE/HFP共重合体、及び、エチレン/TFE/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)共重合体からなる群より選択される少なくとも1種の共重合体であることがより好ましい。
(II)ポリフッ化ビニリデン(PVdF)
(III)エチレン/CTFE共重合体(以下、「ECTFE」ともいう。)
エチレン/CTFE共重合体は、CTFEに基づく重合単位及びエチレンに基づく重合単位からなる共重合体である。
(IV)TFEに基づく重合単位、及び、上記式(1)で示されるパーフルオロエチレン性不飽和化合物に基づく重合単位からなる共重合体
TFEに基づく重合単位、及び、上記式(1)で示されるパーフルオロエチレン性不飽和化合物に基づく重合単位からなる共重合体としては、TFE/PAVE共重合体(PFA)及びTFE/HFP共重合体(FEP)からなる群より選択される少なくとも1種の共重合体が好ましい。
フッ素樹脂として、PFA又はFEPを用いることにより、本発明の離型フィルムは離型性及び耐熱性がより優れる。また、耐薬品性が優れる。
TFEに基づく重合単位及び上記式(1)で示されるパーフルオロエチレン性不飽和化合物に基づく重合単位からなる共重合体は、TFE/(式(1)で表されるパーフルオロエチレン性不飽和化合物)がモル比で、(70〜99)/(1〜30)であることが好ましく、より好ましくは、(80〜97)/(3〜20)である。
TFE単位が少なすぎると機械物性が低下する傾向があり、多すぎると融点が高くなりすぎ成形性が低下する傾向がある。
TFE単位及び上記式(1)で示されるパーフルオロエチレン性不飽和化合物に基づく重合単位からなる共重合体は、TFE及び式(1)で表されるパーフルオロエチレン性不飽和化合物と共重合可能な単量体に基づく重合単位からなるものであってもよい。
(V)CTFE/TFE共重合体
CTFE/TFE共重合体は、CTFEに基づく重合単位(CTFE単位)、及び、TFEに基づく重合単位(TFE単位)からなる。
CTFE−TFE共重合体は、CTFE/TFEがモル比で、(2〜98)/(98〜2)であることが好ましく、(5〜90)/(95〜10)であることがより好ましい。CTFE単位が少なすぎると溶融加工が困難になる傾向があり、多すぎると成形時の耐熱性、耐薬品性が悪化する場合がある。
CTFE/TFE共重合体は、更に、上記式(1)で表されるパーフルオロエチレン性不飽和化合物に基づく重合単位からなる共重合体であることも好ましい。CTFE/TFE共重合体は、全重合単位に対して、式(1)で表されるパーフルオロエチレン性不飽和化合物に基づく重合単位が0.1〜10モル%であり、CTFE単位及びTFE単位の合計が90〜99.9モル%であることが好ましい。パーフルオロエチレン性不飽和化合物単位が0.1モル%未満であると、成形性、耐環境応力割れ性及び耐ストレスクラック性に劣りやすく、10モル%を超えると耐熱性、機械特性、生産性などに劣る傾向にある。
上記(I)〜(V)の共重合体の中でも、離型性及び耐熱性が優れる点から、フッ素樹脂は、ETFE及びFEPからなる群より選択される少なくとも1種の共重合体が好ましく、力学物性が優れる点からETFEがより好ましい。
また、架橋ゴム粒子のフッ素樹脂への分散性が向上する点からは、フッ素樹脂は、非パーフルオロ樹脂であることも好ましい。中でも、架橋が容易な点から、フッ素樹脂は、ETFE、PVdF、及び、ECTFEからなる群より選択される少なくとも1種の非パーフルオロ共重合体がより好ましく、耐熱性、機械特性、耐磨耗性が良好であることから、ETFEが更に好ましい。
上記フッ素樹脂の数平均分子量は、機械物性と成形加工性が良好な点で、1000〜1000000が好ましく、5000〜500000がより好ましい。
上記フッ素樹脂の融点は、120〜330℃であることが好ましい。耐熱性が優れることから、フッ素樹脂の融点は、150〜320℃であることがより好ましく、200〜280℃であることが更に好ましく、180〜280℃であることが特に好ましい。
フッ素樹脂の融点は、示差走査熱量分析(DSC)により求められる値である。具体的には、示差走査熱量分析(DSC)にて、10℃/minで昇温させたときに得られる吸熱ピークトップを示す温度を融点とする。
〔フッ素ゴム〕
動的架橋されたフッ素ゴムは、(未架橋の)フッ素ゴムを動的架橋して得られるものである。フッ素ゴムは、フッ素樹脂と動的架橋されたフッ素ゴムとの複合体に適切な弾性と柔軟性(可撓性)を与えることができるものであり、動的架橋可能なフッ素ゴムであれば特に限定されない。フッ素ゴムは、通常、明確な融点を有さないものである。
上記フッ素ゴムとしては、例えば、ゴム弾性体としての性質をもつ粒子が得られる点から、テトラフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、及び、及び式(1):
CF=CF−Rf (1)
(式中、Rfは−CF又は−ORf(Rfは炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基))で表されるパーフルオロエチレン性不飽和化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体に基づく重合単位からなる重合体が好ましい。
上記フッ素ゴムとしては、非パーフルオロフッ素ゴム、及び、パーフルオロフッ素ゴムが挙げられるが、非パーフルオロフッ素ゴムが好ましい。
上記非パーフルオロフッ素ゴムとしては、ビニリデンフルオライド(VdF)系フッ素ゴム、テトラフルオロエチレン(TFE)/プロピレン系フッ素ゴム、テトラフルオロエチレン(TFE)/プロピレン/ビニリデンフルオライド(VdF)系フッ素ゴム、エチレン/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)系フッ素ゴム、エチレン/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)/ビニリデンフルオライド(VdF)系フッ素ゴム、エチレン/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)/テトラフルオロエチレン(TFE)系フッ素ゴム、フルオロシリコーン系フッ素ゴム、フルオロホスファゼン系フッ素ゴムなどが挙げられ、これらをそれぞれ単独で用いてもよいし、任意に組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、フッ素ゴムは、VdF系フッ素ゴム、又は、TFE/プロピレン系フッ素ゴムがより好適であり、VdF系フッ素ゴムが更に好ましい。
上記VdF系フッ素ゴムは、VdFに基づく重合単位、及び、VdF以外の単量体に基づく重合単位からなる重合体である。VdF系フッ素ゴムは、全重合単位に対して、VdFに基づく重合単位が20〜90モル%であることが好ましい。VdFに基づく重合単位の下限は、40モル%であることがより好ましく、45モル%であることが更に好ましく、50モル%であることが特に好ましい。VdFに基づく重合単位の上限は、85モル%であることがより好ましく、80モル%であることが更に好ましい。
上記VdF系フッ素ゴムにおいて、VdF以外の単量体としては、例えば、TFE、HFP、PAVE、CTFE、トリフルオロエチレン、トリフルオロプロピレン、テトラフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、トリフルオロブテン、テトラフルオロイソブテン、フッ化ビニル、ヨウ素含有フッ素化ビニルエーテルなどの含フッ素単量体;エチレン(Et)、プロピレン(Pr)、アルキルビニルエーテル等のフッ素非含有単量体などが挙げられる。これらのフッ素含有単量体及びフッ素非含有単量体の中から、1種を用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
上記PAVEとしては、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、又は、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)が好ましく、特にパーフルオロ(メチルビニルエーテル)が好ましい。
上記VdF系フッ素ゴムとしては、VdF/HFP共重合体、VdF/TFE/HFP共重合体、VdF/CTFE共重合体、VdF/CTFE/TFE共重合体、VdF/PAVE共重合体、VdF/TFE/PAVE共重合体、VdF/HFP/PAVE共重合体、VdF/HFP/TFE/PAVE共重合体、VdF/TFE/Pr共重合体、及び、VdF/Et/HFP共重合体からなる群より選択される少なくとも1種の共重合体が好ましい。
また、VdF系フッ素ゴムは、VdF以外の単量体が、TFE、HFP、及び、PAVEからなる群より選択される少なくとも1種の単量体であることがより好ましく、特に、VdF/HFP共重合体、VdF/TFE/HFP共重合体、VdF/PAVE共重合体、VdF/TFE/PAVE共重合体、VdF/HFP/PAVE共重合体、及び、VdF/HFP/TFE/PAVE共重合体からなる群より選択される少なくとも1種の共重合体が好ましい。これらの共重合体は、VdF系フッ素ゴムにおける、VdFに基づく重合単位の含有量範囲を満たすことが好ましい。
VdF/HFP共重合体は、VdF/HFPがモル比で、(45〜85)/(55〜15)であることが好ましく、より好ましくは(50〜80)/(50〜20)であり、さらに好ましくは(60〜80)/(40〜20)である。
VdF/TFE/HFP共重合体は、VdF/TFE/HFPがモル比で、(30〜80)/(4〜35)/(10〜35)であることが好ましい。
VdF/PAVE共重合体は、VdF/PAVEがモル比で、(65〜90)/(35〜10)であることが好ましい。
VdF/TFE/PAVE共重合体は、VdF/TFE/PAVEがモル比で、(40〜80)/(3〜40)/(15〜35)であることが好ましい。
VdF/HFP/TFE/PAVE共重合は、VdF/HFP/TFE/PAVEがモル比で、(40〜90)/(0〜25)/(0〜40)/(3〜35)であることが好ましく、(40〜80)/(3〜25)/(3〜40)/(3〜25)であることがより好ましい。
TFE/プロピレン系フッ素ゴムは、TFE/プロピレンがモル比で、(45〜70)/(55〜30)の共重合体である。TFE及びプロピレンに基づく重合単位に加えて、更に、TFE及びプロピレンと共重合可能な単量体に基づく重合単位を、全重合単位に対して、0〜40モル%含むものであってもよい。TFE及びプロピレンと共重合可能な単量体としては、例えば、PAVEが好ましい。
パーフルオロフッ素ゴムとしては、TFE/PAVEからなるものなどが挙げられる。TFE/PAVEがモル比で、(50〜90)/(50〜10)であることが好ましく、より好ましくは、(50〜80)/(50〜20)であり、さらに好ましくは、(55〜75)/(45〜25)である。
この場合のPAVEとしては、例えばパーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)などが挙げられ、これらをそれぞれ単独で、又は任意に組み合わせて用いることができる。
フッ素ゴムは、成形性が良好な点から、ムーニー粘度(ML1+10(100℃))が5〜140であることが好ましく、10〜120であることがより好ましく、20〜100であることが更に好ましい。
ムーニー粘度は、ASTM−D1646に準拠して得られる値である。ムーニー粘度の測定には下記測定機器及び条件を用いることができる。
測定機器:ALPHA TECHNOLOGIES社製のMV2000E型
ローター回転数:2rpm
測定温度:100℃
フッ素ゴムの数平均分子量は、1000〜1200000が好ましく、5000〜900000がより好ましい。分子量が1000未満であると架橋が効率よく進行せず、得られるフッ素樹脂との複合体の機械物性が劣る傾向があり、分子量が1200000を超えるとフッ素ゴムの生産性の問題から経済性に劣る。
フッ素ゴムは、乳化重合、懸濁重合、溶液重合などの常法により製造することができる。特にヨウ素(又は臭素)移動重合として知られるヨウ素化合物(又は臭素化合物)を使用した重合法によれば、分子量分布が狭いフッ素ゴムを製造できる。
フッ素ゴムの架橋系は、フッ素ゴムに架橋性基(ヨウ素原子、臭素原子、アミノ基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、水酸基など)が含まれる場合は、架橋性基の種類に応じて適宜選択することができる。
架橋系としてはポリアミン架橋系、ポリオール架橋系、パーオキサイド架橋系、イミダゾール架橋系、トリアジン架橋系、オキサゾール架橋系、チアゾール架橋系などが挙げられるが、これらの中でも、架橋構造の耐熱性と経済性の観点から、ポリアミン架橋系、ポリオール架橋系、又は、パーオキサイド架橋系が好ましい。
架橋剤としては、上記架橋系に応じて適宜選択すればよく、ポリオール系架橋剤、パーオキサイド系架橋剤、ポリアミン系架橋剤、イミダゾール系架橋剤、トリアジン系架橋剤、オキサゾール系架橋剤、チアゾール系架橋剤等が用いられる。これらの架橋剤は、単独で使用してもよいし、併用してもよい。架橋反応を効率的に進めるために、架橋促進剤や受酸剤を添加してもよい。
フッ素ゴムの架橋は、いわゆる動的架橋法によって、フッ素樹脂及びフッ素ゴムを混練すると同時に架橋する方法で行う。すなわち、動的架橋されたフッ素ゴムは、フッ素樹脂及びフッ素ゴムからなる組成物を動的架橋法により架橋して得られたものであることが好ましい。動的架橋法について以下に詳述する。
本発明の離型フィルムを構成するフッ素樹脂と動的架橋されたフッ素ゴムとの複合体の調製には、フッ素樹脂とフッ素ゴムとを混練しながら架橋する方法(動的架橋法)が採用される。
上記動的架橋法は、例えば、フッ素樹脂、フッ素ゴム及び架橋剤の存在下、フッ素樹脂の溶融条件下にてフッ素ゴムを動的に架橋する方法が好ましい。
ここで、動的に架橋するとは、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、押出機等の混合機を使用して、フッ素ゴムを溶融混練と同時に動的に架橋させることをいう。
混合機としては、高剪断力を加えることができる点で、二軸押出機等の押出機であることが好ましい。
溶融条件下とは、フッ素樹脂の融点以上の温度であることを意味する。好適な温度範囲はフッ素樹脂の融点やフッ素ゴムのガラス転移温度により異なるが、120〜330℃であることが好ましく、130〜320℃であることがより好ましい。温度が、120℃未満であると、架橋反応の進行が遅くなりフッ素樹脂中に分散した動的架橋されたフッ素ゴムの粒子(架橋フッ素ゴム粒子)が粗大化する傾向があり、330℃をこえると、フッ素ゴムが熱劣化する傾向がある。
例えば、フッ素樹脂と動的架橋されたフッ素ゴムとの複合体は、フッ素樹脂、フッ素ゴム及び架橋剤を混合機に投入した後、フッ素樹脂、フッ素ゴム及び架橋剤を、フッ素樹脂の融点以上の温度で混練しながらフッ素ゴムを架橋することにより得られるものが好ましい。あるいは、架橋剤を予めフッ素ゴム中に混練しておくことも可能である。
フッ素樹脂と動的架橋されたフッ素ゴムとの複合体は、フッ素樹脂が連続相を形成し、かつ架橋フッ素ゴム粒子が分散相を形成する構造、又は、フッ素樹脂と動的架橋されたフッ素ゴムとが共連続相を形成する構造を有することが好ましい。
中でも、フッ素樹脂が連続相を形成し、かつ架橋フッ素ゴム粒子が分散相を形成する構造を有することがより好ましい。フッ素樹脂が連続相を形成し、かつ架橋フッ素ゴム粒子が分散相を形成する構造を有するフッ素樹脂と動的架橋されたフッ素ゴムとの複合体は、優れた耐熱性、耐薬品性及び耐油性を示すと共に、良好な可撓性(柔軟性)をもち、更に良好な成形加工性を有する。その際、分散相を形成する架橋フッ素ゴム粒子は、機械物性が良好な点から、平均粒子径が0.01〜30μmであることが好ましく、0.1〜10μmであることがより好ましい。
なお、動的架橋の当初にフッ素ゴムが連続相を形成していた場合でも、架橋反応の進行に伴いフッ素ゴムが架橋することによって溶融粘度が上昇し、動的架橋されたフッ素ゴムが分散相になることもある。また、フッ素樹脂との共連続相を形成することもある。
フッ素樹脂が連続相を形成し、かつ架橋フッ素ゴム粒子が分散相を形成する構造の一部に、フッ素樹脂と動的架橋されたフッ素ゴムとの共連続構造が含まれていてもよい。
動的架橋法においては、フッ素樹脂との複合分散性や混合機への供給安定性を向上させる点から粒子状のフッ素ゴム(フッ素ゴム粒子)を用いることが好ましい。
例えば、乳化重合又は懸濁重合によりフッ素ゴムを製造すると粒子状のフッ素ゴムが得られるが、製造されたフッ素ゴムが粒子状のときはそのまま用いてもよいし、製造された粒子状のフッ素ゴムを更に粉砕することによって得られたフッ素ゴム粒子を用いてもよい。フッ素ゴムが溶液重合により得られたものである場合、溶液重合により得られた塊状物を粉砕することによって得られるフッ素ゴム粒子を用いることができる。
動的架橋法は、バンバリーミキサー、ニーダー等の回転撹拌装置、二軸押出機等の加熱溶融とブレンドが同時に可能な混合機を用いればよい。これらの中でも、ペレット状の複合物が容易に得られ、更に生産性が高い点から、二軸押出機が好ましい。
フッ素ゴム粒子の平均粒子径は特に限定されないが、用途や要求特性などによって適宜選定すればよい。
バンバリーミキサー、ニーダー等のバッチ式混合機にフッ素樹脂及びフッ素ゴム粒子を供給する場合、フッ素樹脂との複合分散性の向上と物性向上の点から、フッ素ゴム粒子の平均粒子径は0.01〜100μmであることが好ましい。より好ましくは30μm以下であり、更に好ましくは10μm以下である。
また、二軸押出機等の連続式混合機に供給する場合は、シートカッターやフィーダールーダー等の造粒機で、直径1〜5mm、長さ1〜5mmにペレット化したものを用いるのが好ましい。さらに好ましくは、直径2〜4mm、長さ2〜4mmのペレット状である。
本発明において、フッ素樹脂と動的架橋されたフッ素ゴムとの複合体中の架橋フッ素ゴム粒子の平均粒子径は、AFM、SEM、TEMのいずれか、あるいはそれらを組み合わせて使用することにより確認することができる。例えば、AFMを使用する場合、連続相のフッ素樹脂と分散相の架橋フッ素ゴム粒子の表面情報から得られる差が明暗の像として得られ、明暗を階調分けすることにより2値化が可能となる。2値化位置は、階調分けされた中央のレベルとし、それにより明確なコントラストのついた像が得られ、分散相の架橋フッ素ゴムの粒子径を読み取ることができる。またSEMを使用する場合は、反射電子像で得られた像に対し分散相の架橋フッ素ゴム粒子が明確となるようにコントラストを強調あるいは、明暗の調整又は両方の調整を像に施すことによりAFM同様、分散相の架橋フッ素ゴムの粒子径を読み取ることができる。TEMの場合もSEM同様、得られた像のコントラスト、あるいは明暗の調整又は両方の調整を像に施すことによりAFMやSEM同様、分散相の架橋フッ素ゴムの粒子径を読み取ることができる。
フッ素樹脂と動的架橋されたフッ素ゴムとの複合体において、フッ素樹脂と動的架橋されたフッ素ゴムとの質量比はフッ素樹脂及び動的架橋されたフッ素ゴムの種類、用途や要求特性、発現物性などによって適宜選定すればよいが、例えば、フッ素樹脂と動的架橋されたフッ素ゴムとの複合体は、フッ素樹脂と動的架橋されたフッ素ゴムとの質量比(フッ素樹脂/動的架橋されたフッ素ゴム)が95/5〜10/90であることが好ましい。より好ましくは、90/10〜30/70であり、さらに好ましくは、75/25〜40/60である。動的架橋されたフッ素ゴムの割合が少なすぎると柔軟性が不足する傾向にあり、多すぎると機械強度が低下する傾向にある。
フッ素樹脂と動的架橋されたフッ素ゴムとの複合体のメルトフローレート(MFR)は、流動性と成形加工性が良好な点から、0.5〜30g/10分であることが好ましく、1〜25g/10分であることがより好ましい。MFRの測定は、(株)東洋精機製作所製メルトフローレート測定装置を使用し、例えば297℃、5000g荷重の条件下にて行う。
フッ素樹脂と動的架橋されたフッ素ゴムとの複合体は、必要に応じて通常の添加物、例えば充填剤、加工助剤、可塑剤、着色剤などを含有してもよい。これらの添加物は、フッ素樹脂と動的架橋されたフッ素ゴムとの複合体を調製する際に、フッ素樹脂及びフッ素ゴムとともに配合すればよい。あるいは、フッ素樹脂またはフッ素ゴムの一方に、予め配合してもよい。
本発明の離型フィルムを得るための具体的方法について簡単に説明するが、本発明の離型フィルムを得る方法は、下記方法に限られるものではない。
本発明の離型フィルムは、例えば、未架橋のフッ素ゴムと、必要に応じて添加される架橋剤、架橋促進剤、受酸剤等を混合してフッ素ゴムフルコンパウンドを調製する工程、上記した動的架橋法によりフッ素ゴムフルコンパウンドとフッ素樹脂とを混合してフッ素樹脂と動的架橋されたフッ素ゴムとの複合体を調製する工程、及び、得られた複合体をフィルム状に成形する工程、を含む製造方法により製造することができる。
上記フッ素ゴムフルコンパウンドを調製する工程は、オープンロール等を用いて行うことができる。オープンロール等を用いてフッ素ゴムフルコンパウンドを調製した後、フィーダールーダー等を用いてフッ素ゴムフルコンパウンドをペレット状にすることも好ましい。
上記複合体を調製する工程は、フッ素樹脂と動的架橋されたフッ素ゴムとの質量比(フッ素樹脂/動的架橋されたフッ素ゴム)が95/5〜10/90となるように、フッ素ゴムフルコンパウンドとフッ素樹脂とを混合機に投入して行うことが好ましい。
上記フィルム状に成形する方法としては、溶融押出し法、インフレーション法、Tダイ法が挙げられる。フィルム厚みの精度が高い点で、Tダイ法が好ましい。
Tダイ法では、溶融樹脂をロールで巻き取りながらフィルム状に成形する際、押出方向(MD方向)に延伸される。このようなTダイ法において本発明の離型フィルムを製造する場合、ダイスのリップ幅を狭くしたり、エアギャップを短くしたりして、形成されるフィルムの配向を可能な限り抑えて成形することが好ましい。
例えば、ダイスのリップ幅を狭くする場合、リップ幅は1.5mm未満が好ましい。
また、エアギャップを短くする場合、エアギャップは145mm以下が好ましい。
なお、上記エアギャップとは、ダイス出口から溶融樹脂が冷却ロールに接するまでの間をいう。
本発明の離型フィルムの形状は、一般的な形状でよく、用いられる用途に応じて適宜決定すればよい。フィルム厚みは、200μm以下が好ましい。経済的な点、金型の形状への追従性の点から、75μm以下がさらに好ましい。
本発明の離型フィルムは、樹脂をモールド成形して成形品を製造する際に使用する、樹脂モールド成形用離型フィルムとして好適に適用することができる。本発明の離型フィルムを用いて製造された成形品は、表面の荒れが少なく、歩留まりが高い。
一般に、半導体封止材料のモールド成形は170〜180℃の成形温度で行われ、発光ダイオード封止材料のモールド成形は100〜150℃の成形温度で行われる。本発明の離型フィルムは、高温でも厚みムラが生じにくいため、上述した成形温度範囲で行われる半導体封止材料又は発光ダイオード封止材料のモールド成形において好適に用いられる。
具体的には、本発明の離型フィルムは、半導体封止材料又は発光ダイオード封止材料のモールド成形において、封止材料とモールド成形機の金型との間に挟み込み、封止材料と金型とを離型するための樹脂モールド成形用離型フィルムとして特に好適に適用することができる。
特に、本発明の離型フィルムは、複数のお椀状の窪みが等間隔に設けられた金型を押し付けた場合であっても、厚みムラが生じにくい。このため、本発明の離型フィルムは、発光ダイオード封止材料のモールド成形において用いられることが特に好ましい。
本発明の離型フィルムは、柔軟性に富み、金型の形状への追従性に優れる。このため、本発明の離型フィルムは、アスペクト比が1以上の奥行きの深い金型を使用するモールド成形において用いられることが特に好ましい。
つぎに本発明を、実施例を挙げて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例及び比較例における各種の特性については、つぎの方法で試験した。
〔メルトフローレート(MFR)〕
メルトインデクサー((株)東洋精機製作所製)を用い、297℃において、5kg荷重下で直径2mm、長さ8mmのノズルから単位時間(10分間)あたりに流出するポリマーの質量(g)を測定した。
〔ムーニー粘度〕
ムーニー粘度は、ASTM−D1646に準拠して得られる値である。
測定機器:ALPHA TECHNOLOGIES社製のMV2000E型
ローター回転数:2rpm
測定温度:100℃
〔フッ素樹脂の融点〕
示差走査熱量分析(DSC)にて、10℃/minで昇温させたときに得られる吸熱ピークトップを融点とした。
〔架橋フッ素ゴム粒子の平均粒子径〕
サンプル(得られたフッ素樹脂と動的架橋されたフッ素ゴムとの複合体)を、凍結下、ミクロトームで切削して縦断面出しした後、縦断面出ししたサンプルをAFMにて10μm角(四方)の範囲を位相イメージング法にて観察した。黒く表示される架橋フッ素ゴム粒子の長直径と短直径を測定し、それらの平均を架橋フッ素ゴム粒子の粒子径とした。任意の100個の架橋フッ素ゴム粒子の粒子径の平均を、架橋フッ素ゴム粒子の平均粒子径とした。
実施例1
3元VdF系ゴム(VdF/TFE/HFP=50/20/30(モル比)、ムーニー粘度(ML1+10(100℃))=87)100質量部、架橋剤ビスフェノールAF(ダイキン工業(株)製)2.0質量部、架橋促進剤BTPPC(北興化学工業(株)製)1.0質量部、酸化マグネシウム(キョーワマグ150、協和化学工業(株)製)3.0質量部を、18インチオープンロールを用いて混練し、3元VdF系ゴムのフルコンパウンドを得た。これを150mmφフィーダールーダーに供給し、直径3mm、長さ3mmの3元VdF系ゴムフルコンパウンドのペレットを得た。
ETFE(エチレン/TFE共重合体、エチレン/TFE=35/65(モル比)、融点220℃、MFR30.0g/10分)と上記3元VdF系ゴムのフルコンパウンドとの質量比が50/50となるように、ETFEと3元VdF系ゴムのフルコンパウンドのペレットを(株)テクノベル製15mmφ二軸押出機に連続的に仕込み、シリンダ温度260℃、スクリュー回転数300rpmで混練押出して、フッ素樹脂複合体のペレットを製造した。
得られたフッ素樹脂複合体について、架橋フッ素ゴム粒子の平均粒子径、MFRを調べた。架橋フッ素ゴム粒子の平均粒径は1.1μmであり、MFRは4.3g/10分であった。
得られたフッ素樹脂複合体ペレットをTダイ押出成形機(シリンダー径30mmΦ、L/D=38)に供給し、ダイス幅300mm、リップ幅1.0mmのTダイから押出し、厚み50μmの離型フィルムを得た。成形温度は、C−1:235℃、C−2:245℃、C−3:245℃、C−4:245℃、フランジ:245℃、アダプタ:245℃、フィード:245℃、ダイ:245℃であった。
実施例2
ETFEと3元VdF系ゴムのフルコンパウンドとの質量比が70/30となるように、ETFEと3元VdF系ゴムのフルコンパウンドのペレットの仕込み量を変更したこと以外は、実施例1と同様にしてフッ素樹脂複合体のペレットを製造した。
得られたフッ素樹脂複合体について、架橋フッ素ゴム粒子の平均粒子径、MFRを調べた。架橋フッ素ゴム粒子の平均粒径は1.0μmであり、MFRは14.7g/10分であった。
得られたフッ素樹脂複合体ペレットから、実施例1と同様にして、厚み50μmの離型フィルムを得た。
実施例3
3元VdF系ゴム(VdF/TFE/HFP=50/20/30(モル比)、ムーニー粘度(ML1+10(100℃))=87)100質量部、架橋剤ビスフェノールAF(ダイキン工業(株)製)2.0質量部、架橋促進剤BTPPC(北興化学工業(株)製)1.0質量部、酸化マグネシウム(キョーワマグ150、協和化学工業(株)製)3.0質量部を、18インチオープンロールを用いて混練し、3元VdF系ゴムのフルコンパウンドを得た。これを150mmφフィーダールーダーに供給し、直径3mm、長さ3mmの3元VdF系ゴムフルコンパウンドのペレットを得た。
FEP(TFE/HFP/パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)共重合体、TFE/HFP/パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)=91.9/7.7/0.4(モル比)、融点260℃、MFR15.0g/10分)と上記3元VdF系ゴムのフルコンパウンドとの質量比が70/30となるように、FEPと3元VdF系ゴムのフルコンパウンドのペレットを(株)テクノベル製15mmφ二軸押出機に連続的に仕込み、シリンダ温度260℃、スクリュー回転数300rpmで混練押出して、フッ素樹脂複合体のペレットを製造した。
得られたフッ素樹脂複合体について、架橋フッ素ゴム粒子の平均粒子径、MFRを調べた。架橋フッ素ゴム粒子の平均粒径は0.9μmであり、MFRは3.2g/10分であった。
得られたフッ素樹脂複合体ペレットをTダイ押出成形機(シリンダー径30mmΦ、L/D=38)に供給し、ダイス幅300mm、リップ幅1.0mmのTダイから押出し、厚み50μmの離型フィルムを得た。成形温度は、C−1:275℃、C−2:285℃、C−3:285℃、C−4:285℃、フランジ:285℃、アダプタ:285℃、フィード:285℃、ダイ:285℃であった。
比較例1
ETFE(エチレン/TFE共重合体、エチレン/TFE=35/65(モル比)、融点220℃、MFR30.0g/10分)のペレットを、Tダイ押出成形機(シリンダー径30mmΦ、L/D=38)に供給し、ダイス幅300mm、リップ幅1.0mmのTダイから押出し、厚み50μmの離型フィルムを得た。成形温度は、C−1:235℃、C−2:245℃、C−3:245℃、C−4:245℃、フランジ:245℃、アダプタ:245℃、フィード:245℃、ダイ:245℃であった。
比較例2
FEP(TFE/HFP/パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)共重合体、TFE/HFP/パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)=91.9/7.7/0.4(モル比)、融点260℃、MFR6.0g/10分)のペレットをTダイ押出成形機(シリンダー径30mmΦ、L/D=38)に供給し、ダイス幅300mm、リップ幅1.0mmのTダイから押出し、厚み50μmの離型フィルムを得た。成形温度は、C−1:275℃、C−2:285℃、C−3:285℃、C−4:285℃、フランジ:285℃、アダプタ:285℃、フィード:285℃、ダイ:285℃であった。
得られた離型フィルムについて、以下の項目について評価した。評価結果を表1に示す。
<引張強度、及び、伸び>
ASTM D638に準拠し、厚み50μmの離型フィルムから、TypeV型ダンベルを用い、長手方向(MD)に試験片を5本打ち抜いた。オートグラフ((株)島津製作所製)により、室温で引張速度50mm/分の条件で、引張試験を行った。試験片5本の破断時の強度、伸びを測定し、その平均値を測定値とした。
<金型追従性>
上記で得られた離型フィルムを用いて、以下の条件で封止用シリコン樹脂のモールド成形を行い、得られた成形品について下記の基準にて評価した。
(成形条件)
樹脂モールド成形法で、115℃の金型に、離型フィルムをセットした後、真空吸引して、離型フィルムを金型(アスペクト比1.5)に追従させた。そこに未硬化の封止用のシリコン樹脂を流動させ、180秒間保持し、樹脂を硬化させた後、金型を開き、成形品を脱型させ、離型フィルムを剥離した。
(評価基準)
金型形状にフィルムが完全に追従し、成形圧力にフィルムが耐え、成形品形状が金型形状通りに成形されるかどうかを、下記の基準で評価した。
○:フィルム破れがなく、成形品形状が良好であった。
×:フィルムが一部破れ、成形品にスジ、バリが発生した。
Figure 2013231147
実施例1〜3のフッ素樹脂複合体からなる離型フィルムは、フッ素樹脂単体からなる離型フィルム(比較例1〜2)に比べて柔軟性に富むため、アスペクト比が高い金型を使用する場合であっても金型追従性に優れる。
本発明の離型フィルムは樹脂モールド成形用離型フィルムとして好適に利用可能である。

Claims (4)

  1. フッ素樹脂と動的架橋されたフッ素ゴムとの複合体からなることを特徴とする離型フィルム。
  2. フッ素ゴムは、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、又は、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン/テトラフルオロエチレン共重合体である請求項1記載の離型フィルム。
  3. フッ素樹脂は、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体、又は、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体である
    請求項1又は2記載の離型フィルム。
  4. フッ素樹脂と動的架橋されたフッ素ゴムとの複合体は、フッ素樹脂と動的架橋されたフッ素ゴムとの質量比が95/5〜10/90である
    請求項1、2又は3記載の離型フィルム。
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