JP6308059B2 - 成形用組成物の製造方法、及び、成形品の製造方法 - Google Patents
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Description
これらの不具合を改善し、メルトフラクチャーを発生させずに、より速い押出速度を達成して、押出し特性を向上させる方法として、成形温度をより高温にして成形する方法がある。しかしながら、高温成形することにより、溶融加工性ポリマーの熱分解により成形品の機械特性低下、成形品の着色などの問題がある上に、溶融加工性ポリマーの溶融粘度が低下することにより冷却固化する前に垂れや変形が発生し、成形品の寸法精度が損なわれる問題もある。
更に、そのような成形用組成物を用いた成形品の製造方法を提供する。
上記両者を互いに接触させることなく溶融加工性樹脂に添加するとは、パーフルオロエラストマーとエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体との混合物を予め調製してから、上記混合物と溶融加工性樹脂とを混合して成形用組成物を製造するのではなく、それぞれのフルオロポリマーと溶融加工性樹脂との混合物を調製した後に、両混合物を溶融加工性樹脂に添加したり、あるいは、いずれか一方のフルオロポリマーを溶融加工性樹脂と先に混合した後に、もう一方のフルオロポリマーを混合して成形用組成物を製造する方法である。
このように、パーフルオロエラストマーとエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体と溶融加工性樹脂とからなる成形用組成物を特定の混合方法で製造することにより、高剪段速度で押出成形した場合であっても、成形開始時に発生するメルトフラクチャーを短時間で消失させることができる成形用組成物が得られることに想到し、本発明に到達した。
上記パーフルオロエラストマーは、テトラフルオロエチレン/一般式(1)で表されるフルオロモノマー共重合体であることが好ましい。
(1):CF2=CF−ORf11
(式中、Rf11は、炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基を表す。)
上記エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体は、融点が140〜280℃であることが好ましい。
上記エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体は、297℃でのメルトフローレートが0.1〜60g/10分であることが好ましい。
本発明の製造方法において、上記溶融加工性樹脂は、ポリオレフィン樹脂であることが好ましい。
上記ポリオレフィン樹脂は、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、メタロセン触媒型線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン及びポリ塩化ビニルからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の製造方法において、上記成形用組成物におけるパーフルオロエラストマーの含有量は、0.0001〜5質量%であり、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体の含有量は、0.0001〜5質量%であることが好ましい。
混合物(A)及び混合物(B)の調製は、溶融混練により行うことが好ましい。
以下に本発明を詳細に説明する。
テトラフルオロエチレン〔TFE〕、
へキサフルオロプロピレン〔HFP〕、
一般式(1):CF2=CF−ORf11
(式中、Rf11は、炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるフルオロモノマー、
一般式(2):CF2=CFOCF2ORf21
(式中、Rf21は炭素数1〜6の直鎖又は分岐状パーフルオロアルキル基、炭素数5〜6の環式パーフルオロアルキル基、1〜3個の酸素原子を含む炭素数2〜6の直鎖又は分岐状パーフルオロオキシアルキル基である)で表されるフルオロモノマー、及び、
一般式(3):CF2=CFO(CF2CF(Y)O)m(CF2)nF
(式中、Yはフッ素原子又はトリフルオロメチル基を表す。mは1〜4の整数である。nは1〜4の整数である。)で表されるフルオロモノマー
からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
一般式(4):CX3 2=CX3−Rf 41CHR41X4
(式中、X3は、水素原子、フッ素原子又はCH3、Rf 41は、フルオロアルキレン基、パーフルオロアルキレン基、フルオロ(ポリ)オキシアルキレン基又はパーフルオロ(ポリ)オキシアルキレン基、R41は、水素原子又はCH3、X4は、ヨウ素原子又は臭素原子である)で表されるフルオロモノマー、
一般式(5):CX3 2=CX3−Rf 51X4
(式中、X3は、水素原子、フッ素原子又はCH3、Rf 51は、フルオロアルキレン基、パーフルオロアルキレン基、フルオロポリオキシアルキレン基又はパーフルオロポリオキシアルキレン基、X4は、ヨウ素原子又は臭素原子である)で表されるフルオロモノマー、
一般式(6):CF2=CFO(CF2CF(CF3)O)m(CF2)n−X5
(式中、mは0〜5の整数、nは1〜3の整数、X5は、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ヨウ素原子、臭素原子、又は、−CH2Iである)で表されるフルオロモノマー、及び、
一般式(7):CH2=CFCF2O(CF(CF3)CF2O)m(CF(CF3))n−X6
(式中、mは0〜5の整数、nは1〜3の整数、X6は、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ヨウ素原子、臭素原子、又は−CH2OHである)で表されるフルオロモノマー、及び、
一般式(8):CR82R83=CR84−Z−CR85=CR86R87
(式中、R82、R83、R84、R85、R86及びR87は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。Zは、直鎖又は分岐状で酸素原子を有していてもよい、炭素数1〜18のアルキレン基、炭素数3〜18のシクロアルキレン基、少なくとも部分的にフッ素化している炭素数1〜10のアルキレン基若しくはオキシアルキレン基、又は、
−(Q)p−CF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2−(Q)p−
(式中、Qはアルキレン基またはオキシアルキレン基である。pは0または1である。m/nが0.2〜5である。)で表され、分子量が500〜10000である(パー)フルオロポリオキシアルキレン基である。)で表されるモノマー
からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
テトラフルオロエチレン〔TFE〕と、
へキサフルオロプロピレン〔HFP〕、
一般式(1):CF2=CF−ORf11
(式中、Rf11は、炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるフルオロモノマー、
一般式(2):CF2=CFOCF2ORf21
(式中、Rf21は炭素数1〜6の直鎖又は分岐状パーフルオロアルキル基、炭素数5〜6の環式パーフルオロアルキル基、1〜3個の酸素原子を含む炭素数2〜6の直鎖又は分岐状パーフルオロオキシアルキル基である)で表されるフルオロモノマー、及び、
一般式(3):CF2=CFO(CF2CF(Y)O)m(CF2)nF
(式中、Yはフッ素原子又はトリフルオロメチル基を表す。mは1〜4の整数である。nは1〜4の整数である。)で表されるフルオロモノマーからなる群より選択される少なくとも1種のフルオロモノマーとの共重合体であることが好ましい。
これらの組成の範囲を外れると、ゴム弾性体としての性質が失われ、樹脂に近い性質となる傾向がある。
また、上記パーフルオロエラストマーは、2種以上を含むものであってもよいが、TFE/一般式(1)で表されるフルオロモノマー共重合体のみ含むことが好ましい。
なお、重合時に用いる重合開始剤又は上記官能基を側鎖に有する単量体を適宜選択することにより、上記官能基をパーフルオロエラストマーに導入することができる。
上記重合において、温度、圧力等の各条件、重合開始剤やその他の添加剤は、所望のパーフルオロエラストマーの組成や量に応じて適宜設定することができる。
上記水性分散液中のパーフルオロエラストマー粒子は、体積平均粒子径が0.1〜700nmであることが好ましい。体積平均粒子径が上記範囲にあるパーフルオロエラストマーの粒子は、水性分散体中に安定して存在することができる。
パーフルオロエラストマー粒子の体積平均粒子径は、1nm以上であることがより好ましく、10nm以上であることが更に好ましく、400nm以下であることがより好ましく、200nm以下であることが更に好ましい。
上記凝析は、硫酸アルミニウム等の無機塩又は無機酸を添加したり、機械的な剪断力を与えたり、分散液を凍結させる等の公知の方法で行うとよい。
上記乾燥は、パーフルオロエラストマー自体を劣化させることなく水分を除去できる方法であれば、特に限定されないが、通常50℃〜150℃で5〜100時間かけて行う方法が挙げられる。上記乾燥は、真空下で行ってもよいし、常圧下で熱風で行ってもよい。
ここで、エチレンに基づく重合単位(a)とは、−CH2CH2−で表される繰り返し単位を表し、テトラフルオロエチレンに基づく重合単位(b)とは、−CF2CF2−で表される繰り返し単位を表している。
ここで、エチレン及びテトラフルオロエチレンと共重合可能な単量体に基づく重合単位(c)とは、当該単量体が共重合して重合体の構成の一部となった場合の、重合体中の当該単量体に由来する構造部分を表している。
CH2=CXY (9)
(式中、Xは、水素原子又はフッ素原子を表す。Yは、フルオロアルキル基を表す。)で表される(フルオロアルキル)エチレンが好ましい。
すなわち、上記エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体が、エチレンに基づく重合単位(a)、テトラフルオロエチレンに基づく重合単位(b)及び任意の重合単位である下記一般式(9):
CH2=CXY (9)
(式中、Xは、水素原子又はフッ素原子を表す。Yは、フルオロアルキル基を表す。)で表される単量体に基づく重合単位(c)からなるものであることもまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
なお、上記一般式(9)で表される単量体に基づく重合単位(c)とは、−CH2−CXY−で表される繰り返し単位を表している。
CH2=CX−(CF2)nZ (10)
(式中、X及びZは、同一又は異なって、水素原子又はフッ素原子を表す。nは、2〜8の整数である。)で表される単量体であることが好ましい。
上記モル%比((a)/(b))としては、45〜10/55〜90であることがより好ましく、38〜25/62〜75であることが更に好ましい。また、重合単位(a)及び重合単位(b)の合計に対する重合単位(c)の含有割合としては、0.01〜5モル%であることがより好ましい。
このように、上記エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体が、エチレンに基づく重合単位(a)、テトラフルオロエチレンに基づく重合単位(b)及び任意の重合単位である下記一般式(9):
CH2=CXY (9)
(式中、Xは、水素原子又はフッ素原子を表す。Yは、フルオロアルキル基を表す。)で表される単量体に基づく重合単位(c)からなり、
重合単位(a)と重合単位(b)とのモル%比(a)/(b)が50〜10/50〜90であり、重合単位(c)の含有割合が重合単位(a)及び重合単位(b)の合計に対して0〜10モル%である形態もまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
なお、重合時に用いる重合開始剤又は上記官能基を側鎖に有する単量体を適宜選択することにより、上記官能基をエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体に導入することができる。
融点は、DSC装置(セイコー社製)を用い、10℃/分の速度で昇温したときの融解熱曲線における極大値に対応する温度として求めることができる。
ガラス転移温度は、示差走査熱量測定法(DSC)により求めることができる。
MFRは、メルトインデクサー(東洋精機製作所社製)を用い、ASTM D 3159に準拠して測定することで求めることができる。
上記ナイロンMXD6は、メタキシレンジアミン〔MXD〕とアジピン酸とから得られる結晶性重縮合体である。
上記溶融加工性樹脂としては、なかでも、ポリオレフィン樹脂及び/又はPA樹脂が好ましく、ポリオレフィン樹脂がより好ましい。
上記溶融加工性樹脂は、1種又は2種以上を用いてもよい。
上記ポリオレフィン樹脂としては、なかでも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンが更に好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレンが特に好ましい。最も好ましくは、ポリエチレンである。
上記溶融加工性樹脂は、粉末、顆粒、ペレット等であってよいが、効率的に溶融し、パーフルオロエラストマー又はエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体を分散させることができる点で、ペレットであることが好ましい。
上記平均粒子径は、ふるい分け法により測定して得られる値である。
各成分は、上記粒子径を有する粉体とするために、上記調製の前に粉砕等に供してもよい。
上記平均粒子径は、上述と同様の方法により測定するとよい。
混合物(A)及び混合物(B)は、上記平均粒子径を有する粉体とするために、上記混合の前に粉砕等に供してもよい。
上記固着防止剤としては、無機化合物の粉末であることが好ましい。例えば、下記可塑剤、充填剤、着色剤、受酸剤、熱安定剤等で例示する無機化合物の粉末であることが好ましい。
上記固着防止剤としては、例えば、可塑剤、充填剤、着色剤、受酸剤、熱安定剤等として通常用いられているものを用いることができる。
上記可塑剤としては、ジオクチルフタレート、ジグレシルフタレート等が挙げられる。
上記充填剤としては、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、グラファイト、タルク、シリカ等が挙げられる。
上記着色剤としては、酸化チタン、酸化鉄、酸化モリブデン等の金属酸化物が挙げられる。
上記受酸剤としては、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化鉛等が挙げられる。
上記熱安定剤としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等が挙げられる。
また、混合物(A)及び混合物(B)は上記固着防止剤を含んでいてもよく、混合物(A)又は(B)における上記固着防止剤の含有量は、0.00002〜0.5質量%が好ましく、0.0002〜0.01質量%がより好ましい。
第二の本発明の製造方法における、溶融加工性樹脂、パーフルオロエラストマー、及び、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体としては、上述した第一の本発明の製造方法における溶融加工性樹脂、パーフルオロエラストマー及びエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体と同様のものが挙げられる。
上記溶融加工性樹脂及び上記パーフルオロエラストマーは、上記範囲の粒子径を有する粉体とするために適宜粉砕した後に混合されてもよい。
なかでも、工程(i)における混合は、溶融混練であることが好ましい。
上記溶融加工性樹脂がポリオレフィン樹脂である場合は、上記成形温度は、160〜280℃の範囲であることが好ましい。
上記成形温度は、押出成形の場合、押出温度ということがある。
すなわち、パーフルオロエラストマー及び溶融加工性樹脂からなる混合物(A)を調製する工程、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体及び溶融加工性樹脂からなる混合物(B)を調製する工程、調製された混合物(A)及び混合物(B)を混合して成形用組成物を得る工程、並びに、上記成形用組成物を成形する工程を含むことを特徴とする成形品の製造方法もまた、本発明の一つである。
上記成形品の用途としては特に限定されず、用いる溶融加工性樹脂の種類によるが、例えば、機械的性質をはじめとする力学的性質や表面性を主として強く要求されるもの等に好適に用いられる。
1.共重合組成
19F−NMR(Bruker社製、AC300P型)を用いて測定した。
ASTM D 3159に準拠して測定した。
JIS K 6300−1に準拠して、170℃で測定した。
DSC装置(セイコー社製)を用い、10℃/分の速度で昇温したときの融解熱曲線における極大値に対応する温度を融点とした。
後述する押出評価では、押出圧力が初期の加工助剤の入っていない線状低密度ポリエチレンだけの圧力(初期圧力)から、加工助剤の効果が発揮されて低下し、その後、ほぼ一定の圧力で安定する(安定圧力)。上記初期圧力と安定圧力の差を降下圧力量とした。
ポリオレフィンのみで、全面にメルトフラクチャーが発生している状態で圧力が安定するまで押出を行い、その後のスクリューが見えた時点で加工助剤等の各組成の材料をホッパーに投入してその時点を0とし、メルトフラクチャーが消え成形品の全面が平滑になった時間をメルトフラクチャー消失時間とした。メルトフラクチャーの消失は目視および触診により行った。
パーフルオロエラストマー(PFEL)
パーフルオロエラストマー(PFEL)を、国際公開第01/023470号及び国際公開第99/50319号における実施例の重合と実質的に同様の方法を用いて製造した。製造されたPFELの組成を表1に示す。
エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)を、特開昭60−248710号公報及び国際公開第2011/007705号公報における実施例の重合と実質的に同様の方法を用いて製造した。製造されたETFEの組成を表2に示す。また、製造されたETFEの融点は、219℃である。
含フッ素ポリマーTFE/VDF/HFP(THV)を、特許第4834971号公報、米国特許第6277919B1号公報における実施例の重合と実質的に同様の方法を用いて製造した。製造された含フッ素ポリマーTHVの組成を表3に示す。
(実施例1)
(混合物Aの作製)
線状低密度ポリエチレン(EXXON MOBIL社製、LLDPE 1002YB)に、線状低密度ポリエチレンとPFELとの合計重量に対して、PFELが5重量%となるように混合し、さらにIRGANOX B225(BASF社製)を0.1重量%混合し、これらを二軸押出機(株式会社東洋精機製作所製、ラボプラストミル30C150 スクリューのL/D25)に投入し、スクリュー回転数80rpmで混合して、PFELを含有するペレットを得た。次いで、マスターバッチ中のPFELの分散均一性を向上させるために、得られたペレットをタンブリングにて混合し、スクリュー回転数を100rpmにしたこと以外は、上記ペレットを得るときと同条件で混合し、PFELとポリエチレンからなる混合物Aを得た。
条件:シリンダー温度150、170、180、ダイ温度180℃
線状低密度ポリエチレン(EXXON MOBIL社製、LLDPE 1002YB)に、線状低密度ポリエチレンとETFEとの合計重量に対して、ETFEが5重量%となるように混合し、さらにIRGANOX B225(BASF社製)を0.1重量%混合し、これらを二軸押出機(株式会社東洋精機製作所製、ラボプラストミル30C150 スクリューのL/D25)に投入し、スクリュー回転数80rpmで混合して、ETFEを含有するペレットを複数得た。次いで、マスターバッチ中のETFEの分散均一性を向上させるために、得られた複数のペレットをタンブリングにて混合し、スクリュー回転数を100rpmにしたこと以外は、上記ペレットを得るときと同条件で混合し、ETFEとポリエチレンからなる混合物Bを得た。
条件:シリンダー温度150、250、250、ダイ温度180℃
線状低密度ポリエチレン(EXXON MOBIL社製、LLDPE 1201XV)に、線状低密度ポリエチレンと混合物Aと混合物Bとの合計重量に対して、上記混合物Aが0.1重量%、混合物Bが0.05重量%になるように添加し、タンブリングにて混合して、成形用組成物を得た。得られた成形用組成物を一軸押出機(HAAKE社製、Rheomex OS、L/D:33、スクリュー径:20mm、ダイ径:2mmφ×40mmL)にて、シリンダー温度210〜240℃、ダイ温度240℃、スクリュー回転数80rpmにて押出を行い、ダイ圧力とメルトフラクチャーの変化を観察した。
各試験運転の前には、15重量%シリカ入り線状低密度ポリエチレンをホッパーに投入し、スクリュー回転数を150rpmに上げ、約15分パージを行った。その後、試験に使用するのと同じ線状低密度ポリエチレン(EXXON MOBIL社製、LLDPE 1201XV)を投入し約15分パージを行った。その後、スクリュー回転数を80rpmに戻して温度が安定するまで押出を行い、初期圧力が35.5〜36.3MPaに戻っていることを確認してから、次の実験を行った。初期圧力が戻っていない場合は、初期圧力が戻るまで、上記のパージ作業を繰り返してから次の実験を行った。
下記の数式より算出される剪断速度は、約1,200sec−1であった。
γ:剪断速度(sec−1)
Q:押出量(kg/hr)
R:ダイの直径(mm)
実施例1で用いた混合物Aおよび混合物Bを、線状低密度ポリエチレンと混合物Aと混合物Bとの合計重量に対して、混合物A、混合物Bともに0.075重量%になるように添加し、タンブリングにて混合して用いた以外は、実施例1と同様にして成形用組成物を得て押出評価を行った。
実施例1で用いた混合物Aおよび混合物Bを、線状低密度ポリエチレンと混合物Aと混合物Bとの合計重量に対して、混合物Aが0.06重量%、混合物Bが0.09重量%になるように添加し、タンブリングにて混合して用いた以外は、実施例1と同様にして成形用組成物を得て押出評価を行った。
実施例1で用いた混合物Aのみを、線状低密度ポリエチレンと混合物Aとの合計重量に対して、混合物Aが0.15重量%になるように添加し、タンブリングにて混合して用いた以外は、実施例1と同様にして成形用組成物を得て押出評価を行った。
実施例1で用いた混合物Bのみを、線状低密度ポリエチレンと混合物Bとの合計重量に対して、混合物Bが0.15重量%になるように添加し、タンブリングにて混合して用いた以外は、実施例1と同様にして成形用組成物を得て押出評価を行った。
(混合物Cの作製)
PFELパウダーとETFEパウダーを重量比が5/5でミキサーにて十分に混合し混合物を得て、線状低密度ポリエチレン(EXXON MOBIL社製、LLDPE 1002YB)に、線状低密度ポリエチレンと上記混合物との合計重量に対して、上記混合物が5重量%となるように混合して二軸押出機(株式会社東洋精機製作所製、ラボプラストミル30C150 スクリューのL/D25)に投入した以外は、混合物Aの作製と同様にして、PFELとETFEとポリエチレンからなる混合物Cを得た。
(混合物Dの作製)
線状低密度ポリエチレン(EXXON MOBIL社製、LLDPE 1002YB)に、線状低密度ポリエチレンとTHVとの合計重量に対して、THVが5重量%となるように混合した以外は、混合物Aの作製と同様にして、THVとポリエチレンからなる混合物Dを得た。
比較例4で用いた混合物Aおよび混合物Dを、線状低密度ポリエチレンと混合物Aと混合物Dとの合計重量に対して、混合物A、混合物Dともに0.075重量%になるように添加し、タンブリングにて混合して用いた以外は、比較例4と同様にして成形用組成物を得て押出評価を行った。
線状低密度ポリエチレンに、線状低密度ポリエチレンと混合物Dとの合計重量に対して、混合物Dが0.15重量%になるように添加し、タンブリングにて混合して用いた以外は、比較例4と同様にして成形用組成物を得て押出評価を行った。
比較例4〜6の押出におけるダイ圧力の経時変化を図2に示す。
Claims (15)
- パーフルオロエラストマー及び溶融加工性樹脂からなる混合物(A)を調製する工程、
エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体及び溶融加工性樹脂からなる混合物(B)を調製する工程、並びに、
調製された混合物(A)及び混合物(B)を混合する工程を含む
ことを特徴とする成形用組成物の製造方法。 - 溶融加工性樹脂に、パーフルオロエラストマーを混合する工程(I)、及び、
得られた混合物に、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体を更に混合する工程(II)を有する
ことを特徴とする成形用組成物の製造方法。 - 溶融加工性樹脂に、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体を混合する工程(i)、及び、
得られた混合物に、パーフルオロエラストマーを更に混合する工程(ii)を有する
ことを特徴とする成形用組成物の製造方法。 - パーフルオロエラストマーは、170℃におけるムーニー粘度ML(1+20)が20〜150である請求項1、2又は3記載の製造方法。
- パーフルオロエラストマーは、テトラフルオロエチレン/一般式(1)で表されるフルオロモノマー共重合体である請求項1、2、3又は4記載の製造方法。
(1):CF2=CF−ORf11
(式中、Rf11は、炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基を表す。) - エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体は、融点が140〜280℃である請求項1、2、3、4又は5記載の製造方法。
- エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体は、297℃でのメルトフローレートが0.1〜60g/10分である請求項1、2、3、4、5又は6記載の製造方法。
- 溶融加工性樹脂は、ポリオレフィン樹脂である請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の製造方法。
- ポリオレフィン樹脂は、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、メタロセン触媒型線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン及びポリ塩化ビニルからなる群より選択される少なくとも1種である請求項8記載の製造方法。
- 成形用組成物におけるパーフルオロエラストマーの含有量は、0.0001〜5質量%であり、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体の含有量は、0.0001〜5質量%である請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の製造方法。
- 混合物(A)におけるパーフルオロエラストマーの含有量は、0.1〜30質量%であり、
混合物(B)におけるエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体の含有量は、0.1〜30質量%である請求項1、4、5、6、7、8、9又は10記載の製造方法。 - 混合物(A)及び混合物(B)の調製は、溶融混練により行う請求項1、4、5、6、7、8、9、10又は11記載の製造方法。
- パーフルオロエラストマー及び溶融加工性樹脂からなる混合物(A)を調製する工程、
エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体及び溶融加工性樹脂からなる混合物(B)を調製する工程、
上記混合物(A)及び混合物(B)を混合して成形用組成物を得る工程、並びに、
上記成形用組成物を成形する工程、を含む
ことを特徴とする成形品の製造方法。 - 溶融加工性樹脂に、パーフルオロエラストマーを混合する工程(I)、
得られた混合物に、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体を更に混合する工程(II)、及び、
工程(II)で得られた混合物を成形する工程(III)
を含むことを特徴とする成形品の製造方法。 - 溶融加工性樹脂に、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体を混合する工程(i)、
得られた混合物に、パーフルオロエラストマーを更に混合する工程(ii)、及び、
工程(ii)で得られた混合物を成形する工程(iii)
を含むことを特徴とする成形品の製造方法。
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