JP2018138640A - 加工助剤、成形用組成物及びその製造方法、成形品及びその製造方法 - Google Patents

加工助剤、成形用組成物及びその製造方法、成形品及びその製造方法 Download PDF

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隆文 山外
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強 宮森
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Abstract

【課題】ポリオレフィンの成形品を製造する方法において、該方法が2以上の加工工程を含み、各加工工程での加工条件が異なる場合であっても、全ての加工工程における加工性を向上させることができる加工助剤を提供する。
【解決手段】含フッ素エラストマー、及び、ポリビニリデンフルオライドを含み、上記含フッ素エラストマーと上記ポリビニリデンフルオライドとの質量比が95/5〜60/40であることを特徴とする加工助剤。
【選択図】 なし

Description

本発明は、加工助剤、成形用組成物及びその製造方法、並びに、成形品及びその製造方法に関する。
溶融加工可能な熱可塑性ポリマーの加工において、生産性の向上および低コスト化を実現するためには速い速度で押出する必要がある。しかしながら、溶融加工可能な熱可塑性ポリマー組成物には必ず臨界剪断速度があり、この速度を上回るとメルトフラクチャーと呼ばれる表面が粗くなる状態が発生し、良好な成形品が得られなくなる。
これらの不具合を改善し、より速い押出速度を達成するために含フッ素ポリマーを加工助剤として用いることが知られている。例えば、特許文献1では、ムーニー粘度差15以上の2つのフルオロエラストマーを含むユニモーダルのフルオロエラストマー加工助剤が開示されている。また、特許文献2では、メルトインデックスの比が2:1〜100:1の範囲にある2種のフルオロポリマーを含むマルチモードフルオロポリマー加工助剤が開示されている。
上記のような従来の技術は、ムーニー粘度の高いフルオロエラストマー又はメルトインデックスの低いフルオロポリマー、すなわち、粘度の高いフルオロポリマーの添加によりメルトフラクチャーの消滅時間の短縮や臨界剪断速度の改善を図っているものである。しかしながら、粘度の高いフルオロポリマーは、成形用の樹脂等への分散性が低く、ゲルによる欠陥の発生や、ダイビルドアップの原因になる。そのため、低い粘度であっても加工性を改善できる加工助剤が望まれていた。
そこで、特許文献3では、溶融加工性樹脂への分散性の高いムーニー粘度において、成形性を向上させ、更には加工助剤の添加量を低減することができる加工助剤として、酸価が0.5KOHmg/g以上の含フッ素ポリマーからなる加工助剤が提案された。
また、特許文献4では、(a)主要部分としての溶融加工困難性炭化水素ポリマー、及び、(b)少量部分としての:(1)少なくとも加工性を向上させるのに有効な量のエラストマーフルオロカーボンコポリマー及び(2)少なくとも加工性の向上に有効量な量の結晶性ビニリデンフルオリドポリマーから成り、加工性が改良されたポリマー配合物が提案されている。特許文献4では、実施例において、押出機のダイ付近の温度を204℃、剪断速度を566秒−1とした場合の加工性しか確認していない。
特許第4181042号明細書 特表2002−544358号公報 特表2012−516360号公報 特表平3−505346号公報
例えば、押出機を使用して、ポリオレフィンの成形品を製造する場合、該成形品を得るための成形の前に、加工助剤とポリオレフィンとを混合し、ペレットに加工しておく方法が採用されることが多い。ペレットへの加工においても、加工助剤により加工性が改善することによって、ペレットの生産性のみならず、最終成形品の品質をも向上させることができる。
ところが、従来の加工助剤は、最終成形品を得るための成形時における成形加工性の改善を主な目的として開発されてきた。ペレットを得るための加工条件と、最終成形品を得るための加工条件とを対比すると、加工温度や剪断速度がしばしば異なる。この場合、従来の加工助剤では、2つの加工条件における加工性を同時に向上させることが難しい。
そこで、本発明は、ポリオレフィンの成形品を製造する方法において、該方法が2以上の加工工程を含み、各加工工程での加工条件が異なる場合であっても、全ての加工工程における加工性を向上させることができる加工助剤を提供することを目的とする。
本発明は、また、高い生産性で高品質のペレット等の成形用組成物を製造できるポリオレフィンの成形用組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、また、2以上の加工工程を含み、各加工工程での加工条件が異なる場合であっても、高い生産性で高品質の成形品を製造できるポリオレフィンの成形品の製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、含フッ素エラストマー、及び、ポリビニリデンフルオライドを含み、上記含フッ素エラストマーと上記ポリビニリデンフルオライドとの質量比が95/5〜60/40であることを特徴とする加工助剤である。
上記含フッ素エラストマーは、ASTM D−1646に準拠して140℃で測定するML(1+20)のムーニー粘度が70以下であってよい。
上記含フッ素エラストマーは、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロエチレンとの共重合体であってよい。
上記ポリビニリデンフルオライドは、融点が120〜200℃であってよい。
上記ポリビニリデンフルオライドは、実質的にビニリデンフルオライド単位のみからなるホモポリマーであってよい。
本発明は、上述の加工助剤、及び、ポリオレフィンを含むことを特徴とする成形用組成物でもある。
本発明は、上述の加工助剤、及び、ポリオレフィンを含むことを特徴とする成形品でもある。
本発明は、ダイ(a)を備える押出機(A)を用いて、上述の加工助剤及びポリオレフィンを混合することにより、成形用組成物を得る工程を含み、押出機(A)における剪断速度が1000〜1800秒−1、ダイ(a)の温度が240〜270℃であることを特徴とする成形用組成物の製造方法でもある。
上述の成形用組成物の製造方法において、上記成形用組成物がペレットであってよい。
本発明は、上述の成形用組成物の製造方法により成形用組成物を得た後、ダイ(b)を備える押出機(B)を用いて、上記成形用組成物を成形することにより、成形品を得る工程を含み、押出機(B)における剪断速度が100〜800秒−1、及び、ダイ(b)の温度が180〜230℃であることを特徴とする成形品の製造方法でもある。
上述の成形品の製造方法において、上記成形品がフィルムであってよい。
本発明の加工助剤は、加工条件が異なる2以上の加工工程におけるポリオレフィンの加工性を同時に向上させることができる。
本発明の成形用組成物の製造方法は、高い生産性で高品質のポリオレフィンの成形用組成物を製造できる。
本発明の成形品の製造方法は、高い生産性で高品質のポリオレフィンの成形品を製造できる。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明の加工助剤は、含フッ素エラストマー及びポリビニリデンフルオライドを特定の質量比で含むことを特徴とする。上記加工助剤は、上記特徴を備えることによって、加工条件が異なる2以上の加工工程におけるポリオレフィンの加工性を同時に向上させることができる。
上記加工助剤において、上記含フッ素エラストマーと上記ポリビニリデンフルオライドとの質量比(含フッ素エラストマー/ポリビニリデンフルオライド)は、95/5〜60/40である。上記質量比としては、90/10以下が好ましく、70/30以上が好ましい。上記質量比は80/20超であってもよい。上記質量比が上記範囲内にあると、加工条件が異なる2以上の加工工程における加工性を同時により一層向上させることができる。
上記含フッ素エラストマーは、非晶質の含フッ素ポリマーである。「非晶質」とは、含フッ素ポリマーの示差走査熱量測定〔DSC〕(昇温温度10℃/分)あるいは示差熱分析〔DTA〕(昇温速度10℃/分)において現われた融解ピーク(ΔH)の大きさが4.5J/g以下であることをいう。
上記含フッ素エラストマーは、ASTM D−1646に準拠して140℃で測定するML(1+20)のムーニー粘度が70以下であることが好ましい。より好ましくは60以下である。下限は特に限定されないが、10であってよい。上記含フッ素エラストマーの上記ムーニー粘度が上記範囲内にあると、加工条件が異なる2以上の加工工程における加工性を同時により一層向上させることができる。上記ムーニー粘度は、上記ポリビニリデンフルオライド等のフッ素樹脂が有することのない含フッ素エラストマー特有の特性である。
上記含フッ素エラストマーは、フッ化ビニリデン[VdF]、フッ化ビニル、テトラフルオロエチレン[TFE]、ヘキサフルオロプロピレン[HFP]、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)[PAVE]、パーフルオロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)、クロロトリフルオロエチレン[CTFE]、トリフルオロエチレン、式(1):
CH=CX(CF (1)
(式中、XはHまたはF、XはH、FまたはCl、nは1〜10の整数である)
で示される単量体、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、及び、塩化ビニリデンからなる群より選択される少なくとも1種のモノマー単位を含むことが好ましい。
上記含フッ素エラストマーとしては、例えば、ビニリデンフルオライド〔VdF〕系共重合体、テトラフルオロエチレン〔TFE〕系共重合体等が挙げられる。
VdF系共重合体としては、VdF/ヘキサフルオロプロピレン〔HFP〕共重合体、VdF/クロロトリフルオロエチレン〔CTFE〕共重合体、VdF/TFE共重合体、VdF/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)〔PAVE〕共重合体、VdF/TFE/HFP共重合体、VdF/TFE/CTFE共重合体、VdF/TFE/PAVE共重合体等が挙げられる。
上記TFE系共重合体としては、TFE/プロピレン共重合体、TFE/PAVE共重合体等が挙げられる。
上記含フッ素エラストマーは、VdF系共重合体であることが好ましい。VdF系共重合体は、全単量体単位の10〜90モル%のVdF単位を有することが好ましく、全単量体単位の20〜85モル%のVdF単位を有することがより好ましく、全単量体単位の25〜80モル%のVdF単位を有することが更に好ましい。
VdF系共重合体は、VdF単位と、VdFと共重合可能な他の単量体単位を含む共重合体である。VdF単位と、VdFと共重合可能な他の単量体単位の合計と、の比率は、VdF単位が25〜90モル%に対し、VdFと共重合可能な他の単量体単位の合計が75〜10モル%であり、より好ましくは、VdF単位が50〜85モル%であり、VdFと共重合可能な他の単量体単位の合計が50〜15モル%である。VdFと共重合可能な他の単量体としては、例えば、TFE、HFP及びPAVEからなる群より選択される少なくとも1種の単量体が好ましい。
PAVEとしては、CF=CF−ORf(式中、Rfは、炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基)で表されるものが好ましく、例えば、PMVE、PEVE、PPVE等が挙げられる。
なかでも、含フッ素エラストマーは、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体〔VdF/HFP共重合体〕であることが好ましい。VdF/HFP共重合体は、実質的に、VdF単位及びHFP単位のみからなる共重合体であることも好ましいが、VdF及びHFPと共重合可能な他の単量体単位を含んでいてもよい。例えば、加工条件が異なる2以上の加工工程における加工性を同時により一層向上させることができることから、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロエチレンとの共重合体〔VdF/TFE/HFP共重合体〕であることも好ましい形態の一つである。VdF/TFE/HFP共重合体は、モル比(VdF/TFE/HFP)が20〜90/5〜40/5〜40であってよく、20〜80/10〜40/10〜40であってよく、40〜80/10〜30/10〜30であってよく、50〜80/10〜25/10〜25であってよい。VdF/TFE/HFP共重合体は、VdF単位、HFP単位及びTFE単位のみからなる共重合体であることも好ましい形態の一つである。
なお、本明細書において、上記「VdF単位」等の単量体単位とは、共重合体の分子構造上、単量体に由来する部分であり、例えば、VdFに由来するものである場合、−〔CF−CH〕−で表される部分を意味する。VdF単位などの単量体単位の割合は、19F−NMR分析を行うことにより得られる値である。
上記ポリビニリデンフルオライドは、部分結晶性フルオロポリマーであり、含フッ素エラストマーではなく、フルオロプラスチックスである。上記ポリビニリデンフルオライドは、融点を有し、熱可塑性を有する。
上記ポリビニリデンフルオライドは、融点が120〜200℃であることが好ましい。上記融点としては、160℃以上がより好ましく、170℃以上が更に好ましく、190℃以下がより好ましく、180℃以下が更に好ましい。上記ポリビニリデンフルオライドの上記融点が上記範囲内にあると、加工条件が異なる2以上の加工工程における加工性を同時により一層向上させることができる。上記融点は、示差走査熱量計〔DSC〕を用いて10℃/分の速度で昇温したときの融解熱曲線における極大値に対応する温度である。上記融点は、上記含フッ素エラストマーが有することのない上記ポリビニリデンフルオライド特有の特性である。
上記ポリビニリデンフルオライドは、VdF単位のみからなるホモポリマーであってもよいし、VdF単位と、上記VdF単位と共重合可能な単量体(α)に基づく重合単位とからなるものであってもよい。
上記単量体(α)としては、例えば、フッ化ビニル、トリフルオロエチレン、トリフルオロクロロエチレン、フルオロアルキルビニルエーテル、ヘキサフルオロプロピレン、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、プロピレン等が挙げられる。
上記ポリビニリデンフルオライドは、単量体(α)に基づく重合単位が全重合単位の5モル%以下であることが好ましく、4.5モル%以下であることがより好ましい。上記ポリビニリデンフルオライドとしては、加工条件が異なる2以上の加工工程における加工性を同時により一層向上させることができることから、実質的にVdF単位のみからなるホモポリマーが更に好ましく、VdF単位のみからなるホモポリマーが特に好ましい。単量体(α)に基づく重合単位の量が多くなるに従って融点が低下する傾向がある。単量体(α)に基づく重合単位の量が多すぎると、加工工程でゲル化するおそれがある。
上記ポリビニリデンフルオライドは、重量平均分子量(ポリスチレン換算)が50000〜2000000であることが好ましい。上記重量平均分子量は、より好ましくは80000以上、更に好ましくは100000以上であり、より好ましくは1700000以下、更に好ましくは1500000以下である。
上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により溶媒としてN,N−ジメチルホルムアミドを用い50℃で測定できる。
上記ポリビニリデンフルオライドは、数平均分子量(ポリスチレン換算)が150000〜1400000であることが好ましい。上記数平均分子量は、200000以上がより好ましく、250000以上が更に好ましく、300000以上が特に好ましく、1300000以下がより好ましく、1200000以下が更に好ましく、1000000以下が特に好ましく、800000以下が最も好ましい。
上記数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により溶媒としてN,N−ジメチルホルムアミドを用い50℃で測定できる。
上記ポリビニリデンフルオライドは、メルトフローレート(MFR)が0.1〜80g/10分であることが好ましい。MFRは、0.5以上であることがより好ましく、1以上であることが更に好ましく、50以下であることがより好ましく、30以下であることが更に好ましい。
上記MFRは、メルトインデクサー(東洋精機製作所社製)を用い、ASTM D 3159に準拠して、230℃、荷重98Nの条件で、測定できる。
上記ポリビニリデンフルオライドとしては、加工条件が異なる2以上の加工工程における加工性を同時により一層向上させることができることから、異常結合が少ないものが好ましく、例えば、異常結合率が4%以下のものが好ましい。上記異常結合率は、19F−NMR分析より求められる。
また、上記ポリビニリデンフルオライドとしては、加工条件が異なる2以上の加工工程における加工性を同時により一層向上させることができることから、結晶化度が高いものが好ましい。
上記ポリビニリデンフルオライドは、例えば、VdF、重合開始剤等の添加剤を適宜混合して、溶液重合や懸濁重合を行う等の従来公知の方法により製造することができる。なかでも、異常結合が少なく、結晶化度が高いポリビニリデンフルオライドが得られることから、60℃未満の重合温度で重合する方法により製造することが好ましい。すなわち、上記ポリビニリデンフルオライドとしては、加工条件が異なる2以上の加工工程における加工性を同時により一層向上させることができることから、60℃未満の重合温度で重合することにより得られたものが好ましい。
上記加工助剤は、上記含フッ素エラストマー及び上記ポリビニリデンフルオライドを、上記加工助剤に対して、1〜100質量%含むことが好ましい。
上記加工助剤は、更に界面剤を含んでいてもよい。
上記界面剤は、加工温度において上記含フッ素エラストマー及び上記ポリビニリデンフルオライドより低い溶融粘度を有する化合物である。上記界面剤は、後述する成形用組成物中に含まれる場合、成形温度においてポリオレフィンよりも低い溶融粘度を有し、上記含フッ素エラストマー及び上記ポリビニリデンフルオライドを濡らすことができる化合物であることが好ましい。
上記界面剤としては、シリコーン−ポリエーテルコポリマー、脂肪族ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリエーテルポリオール、アミンオキシド、カルボン酸、脂肪族エステル及びポリ(オキシアルキレン)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。なかでも、ポリ(オキシアルキレン)がより好ましい。
ポリ(オキシアルキレン)は、ポリエチレングリコールであることが好ましい。ポリエチレングリコールの数平均分子量は、好ましくは50〜20000であり、より好ましくは1000〜15000であり、更に好ましくは2000〜9500である。
ポリエチレングリコールの数平均分子量は、JIS K0070に準拠して測定される水酸基価より計算して求めた値である。
また、上記脂肪族ポリエステルは、ポリカプロラクトンであることが好ましい。ポリカプロラクトンの数平均分子量は、好ましくは1000〜32000であり、より好ましくは2000〜10000であり、更に好ましくは2000〜4000である。
上記界面剤の含有量は、加工助剤中1〜99質量%であることが好ましく、5〜90質量%がより好ましく、10〜80質量%が更に好ましく、20〜70質量%が特に好ましい。また、上記界面剤の含有量は、50質量%以上であることが好ましく、50質量%を超えることがより好ましい。
上記加工助剤は、上記含フッ素エラストマー及び上記ポリビニリデンフルオライドを混合することにより調製できる。上記混合には、混合機、押出機、ロール、ニーダー、バンバリーミキサー、インターナルミキサー等を使用できる。上記混合は、上記ポリビニリデンフルオライドの融点以上で実施してもよい。また、含フッ素エラストマーを含むマスターバッチ及び上記ポリビニリデンフルオライドを含むマスターバッチをそれぞれ調製した後、2つのマスターバッチを混合してもよい。また、上記含フッ素エラストマーの粉末及び上記ポリビニリデンフルオライドの粉末を室温で混ぜ合わせて調製してもよい。
上記加工助剤の形状は特に限定されず、粉末、顆粒、ペレット等であってよいが、調製が容易であることから、粉末が好ましい。また、取り扱い性に優れており、その後の成形が容易である観点からは、ペレットが好ましい。
上記加工助剤は、ポリオレフィン用加工助剤として好適に使用できる。上記ポリオレフィンを成形するための、上記加工助剤の使用もまた、本発明の好適な実施形態の一つである。
上述の加工助剤、及び、ポリオレフィンを含むことを特徴とする成形用組成物も本発明の一つである。上記成形用組成物は、押出機に投入して押出すことにより、所望の形状に成形できる。上記成形用組成物をマスターバッチとして、上記ポリオレフィンと更に混合して使用することも可能であるが、上記加工助剤は、上記加工助剤を高濃度で含む上記マスターバッチを調製することなく、上記ポリオレフィンと直接混合しても、上記ポリオレフィンに容易に分散し、押出トルクや押出圧力の低下等、上記ポリオレフィンの成形加工性を向上させることができる。従って、上記成形用組成物は、最終成形品の成形用材料として直接使用できる。
上記成形用組成物は、上記加工助剤及び上記ポリオレフィンを含む限り、その他の成分を含んでいてもよい。また、上記成形用組成物に含まれる上記加工助剤及び上記ポリオレフィンはそれぞれ、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
上記ポリオレフィンは、溶融加工温度が100〜350℃であるものが好ましい。また、上記ポリオレフィンは、結晶性を有するものであってもよいし、結晶性を有しないものであってもよい。
上記ポリオレフィンは、結晶性を有するものである場合、融点が80〜300℃であるものが好ましく、融点が100〜200℃であるものがより好ましい。結晶性を有しないポリオレフィンは、結晶性で融点範囲が示されているポリオレフィンとほぼ同等の加工温度を有するものが好ましい。
結晶性を有するポリオレフィンの融点は、DSC装置により測定することができる。
上記ポリオレフィンは、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン・プロピレン共重合体、ポリスチレン(PS)、AS樹脂(AS)、ABS樹脂(ABS)、メタクリル樹脂(PMMA)、ポリメチルペンテン(PMP)、ブタジエン樹脂(BDR)、ポリブテン−1(PB−1)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリルスチレン(MS)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニル(PVC)などα−オレフィンの重合で得られる高分子である。
上記ポリオレフィンとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、メタロセン触媒型線状低密度ポリエチレン(mLLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)及びポリ塩化ビニル(PVC)からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。より好ましくは、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、メタロセン触媒型線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン及びポリ塩化ビニルからなる群より選択される少なくとも1種である。
上記ポリオレフィンとしては、なかでも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンが更に好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレンが特に好ましい。最も好ましくは、ポリエチレンである。
上記ポリオレフィンは、各種類に応じ、従来公知の方法等により合成することができる。
上記ポリオレフィンは、粉末、顆粒、ペレット等であってよいが、上記成形用組成物において、上記ポリオレフィンを効率的に混合させ、上記加工助剤を分散させることができる点で、粉末又は顆粒であることが好ましい。
上記成形用組成物は、上記加工助剤及び上記ポリオレフィンとともに、必要に応じて、その他の成分を配合したものであってもよく、上記その他の成分としては、例えば、固着防止剤;紫外線吸収剤;難燃剤;ガラス繊維、ガラス粉末等の補強材;ミネラル、フレーク等の安定剤;シリコーンオイル、二硫化モリブデン等の潤滑剤;二酸化チタン、弁柄等の顔料;カーボンブラック等の導電剤;ゴム等の耐衝撃性向上剤;ヒンダートフェノール系、リン系等の酸化防止剤;金属塩、ソルビトールのアセタール等の造核剤;その他のポリオレフィン等衛生協議会で自主基準として制定されているポジティブリストに記載の添加剤等を用いることができる。
上記加工助剤又は上記成形用組成物は、固着防止剤を含むものであってもよく、上記含フッ素エラストマー及び上記ポリビニリデンフルオライド100質量部に対して1〜30質量部の固着防止剤を含むものであることも好ましい。これにより、上記含フッ素エラストマー及び上記ポリビニリデンフルオライドの固着を抑制することができる。固着防止剤の配合量としては、好ましくは上記含フッ素エラストマー及び上記ポリビニリデンフルオライド100質量部に対して3〜20質量部、より好ましくは5〜15質量部である。固着防止剤は、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
上記固着防止剤としては、無機化合物の粉末であることが好ましい。例えば、下記可塑剤、充填剤、着色剤、受酸剤、熱安定剤等で例示する無機化合物の粉末であることが好ましい。
上記固着防止剤としては、例えば、可塑剤、充填剤、着色剤、受酸剤、熱安定剤等として通常用いられているものを用いることができる。
上記可塑剤としては、ジオクチルフタレート、ジグレシルフタレート等が挙げられる。
上記充填剤としては、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、グラファイト、タルク、シリカ等が挙げられる。
上記着色剤としては、酸化チタン、酸化鉄、酸化モリブデン等の金属酸化物が挙げられる。
上記受酸剤としては、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化鉛等が挙げられる。
上記熱安定剤としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等が挙げられる。
上記固着防止剤は、上記充填剤であることが好ましい。なかでも、上記固着防止剤は、タルク、シリカおよび炭酸カルシウムからなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
上記固着防止剤は、平均粒子径が、0.01μm以上、50μm以下の粉末であることが好ましい。粉末の平均粒子径としては、より好ましくは0.05μm以上、30μm以下、さらに好ましくは0.1μm以上、10μm以下である。上記固着防止剤の平均粒子径は、ISO 13320−1に準拠して測定した値である。上記固着防止剤は、必要に応じてカップリング剤などで表面処理を施されたものであってもよい。
上記成形用組成物において、上記加工助剤の含有量は、上記成形用組成物の全質量に対して0.0005〜10質量%であることが好ましい。上記ポリオレフィン組成物は、上記ポリオレフィンに対して合計で1〜0.0005質量%の上記含フッ素エラストマー及び上記ポリビニリデンフルオライドを含むことが好ましい。より好ましくは、0.5〜0.001質量%であり、更に好ましくは、0.2〜0.0025質量%である。
上記成形用組成物は、上記加工助剤及び上記ポリオレフィンを混合することにより調製できる。上記混合には、押出機、ロール、ニーダー、バンバリーミキサー、インターナルミキサー等を使用できる。上記混合は、上記ポリオレフィンの融点以上で実施できる。
上記成形用組成物の形状は特に限定されず、粉末、顆粒、ペレット等であってよいが、取り扱い性に優れており、成形も容易であることから、ペレットが好ましい。
上記成形用組成物を成形することにより、上記加工助剤及び上記ポリオレフィンを含む成形品を得ることができる。上記成形は、上記成形用組成物を予め調製して成形機に投入し、溶融、押出等を行うものであってもよいし、上記加工助剤、上記ポリオレフィン及び所望によりその他の成分を成形機に同時に投入し、溶融、押出等を行うものであってもよい。
上記成形用組成物の成形方法としては、特に限定されず、例えば、押出成形、射出成形、ブロー成形等が挙げられるが、なかでも、上記成形加工性を効果的に発揮させるためには、押出成形が好ましい。
上記押出成形には、押出機を用いる。上記押出機としては、単軸押出機、二軸押出機、タンデム押出機等が挙げられる。上記押出機は、通常、シリンダーと、上記シリンダー内に収容されたスクリューと、上記シリンダーの先端に取り付けられたダイと、上記シリンダーにペレットを供給するためのホッパーとを備える。
上記成形に関する各種条件としては特に限定されず、上記成形用組成物の組成や量、所望の成形品の形状、サイズ等に応じて適宜設定することができる。
上記成形の際の成形温度としては、一般に、上記ポリオレフィンの融点以上、且つ、上記含フッ素エラストマー、上記ポリビニリデンフルオライド及び上記ポリオレフィンの各分解温度のうち低い方の温度未満の温度で行う。上記加工助剤の効果が顕著に発揮される点では、180℃以上、270℃以下の範囲であることが好ましい。
上記成形温度は、押出成形の場合、押出温度ということがある。
上記加工助剤は、ダイを備える押出機を用い、上記ポリオレフィンを高温かつ高剪断速度で成形した場合であっても、成形開始時に発生するメルトフラクチャーを短時間で消失させることができる。例えば、上記押出機における剪断速度が1000〜1800秒−1であって、上記ダイの温度が240〜270℃であっても、メルトフラクチャーが短時間で消滅する。
すなわち、上記加工助剤を使用すれば、上記ポリオレフィンをペレット等の成形用組成物に成形する場合、高温かつ高剪断速度で成形しても、ダイビルドアップが発生しにくい。従って、上記ダイビルドアップに起因した成形不良が発生しにくく、また、上記ダイビルドアップを除去するためのクリーニング時間を削減できる。更に、押出圧が安定することにより、得られるペレット等の成形用組成物の寸法安定性にも優れるという効果が得られる。
従って、上記加工助剤は、次の成形用組成物の製造方法に特に好適に利用できる。
すなわち、本発明は、ダイ(a)を備える押出機(A)を用いて、上述の加工助剤及びポリオレフィンを混合することにより、成形用組成物を得る工程を含み、押出機(A)における剪断速度が1000〜1800秒−1、ダイ(a)の温度が240〜270℃であることを特徴とする成形用組成物の製造方法でもある。
上記成形用組成物の製造方法は、上述の加工助剤を調製する工程を含むものであってもよい。
例えば、押出機(A)のダイ(a)から上記加工助剤及び上記ポリオレフィンを押出して、所定の長さに切断することで、成形用組成物としてのペレットが得られる。上記製造方法では、高温かつ高剪断速度の条件を採用していることから、高い生産性で上記ペレットを得ることができる。しかも上記ペレットの寸法安定性が高く、不良形状の上記ペレットをほとんど含まない。従って、上記ペレットを成形することにより、高品質の成形品を得ることができる。
上記加工助剤は、更に、ダイを備える押出機を用い、上記ポリオレフィンを比較的低温かつ比較的低剪断速度で成形した場合であっても、押出圧を短時間で充分に低下させることができ、成形開始時に発生するメルトフラクチャーを短時間で消失させることができる。例えば、上記押出機における剪断速度が100〜800秒−1であって、上記ダイの温度が180〜230℃であっても、押出圧を短時間で充分に低下させ、メルトフラクチャーを短時間で消失させることができる。
すなわち、上記加工助剤を使用すれば、上記ポリオレフィンを、シート、フィルム、ロッド、パイプ、繊維等の成形品に成形する場合、比較的低温かつ比較的低剪断速度で成形しても、押出圧が短時間で充分に低下し、メルトフラクチャーも短時間で消失することから、高い生産性で成形品を製造できる。しかも、ダイビルドアップが発生しにくいことから、上記ダイビルドアップに起因した成形不良が発生しにくく、また、上記ダイビルドアップを除去するためのクリーニング時間を削減できる。更に、押出圧が安定することにより、得られる成形品の寸法安定性にも優れ、不良形状の成形用組成物をほとんど含まないという効果が得られる。
以上のとおり、上記加工助剤は、加工条件が異なる2以上の加工工程における加工性を同時に向上させるという、従来の加工助剤にはない効果を奏する。従って、上記加工助剤は、次の成形品の製造方法に特に好適に利用できる。
すなわち、本発明は、
ダイ(a)を備える押出機(A)を用いて、上述の加工助剤及び上記ポリオレフィンを混合することにより、上記成形用組成物を得る工程、及び、
ダイ(b)を備える押出機(B)を用いて、上記成形用組成物を成形することにより、上記成形品を得る工程を含み、
押出機(A)における剪断速度が1000〜1800秒−1
ダイ(a)の温度が240〜270℃、
押出機(B)における剪断速度が100〜800秒−1、及び、
ダイ(b)の温度が180〜230℃
であることを特徴とする成形品の製造方法でもある。
上記成形品の製造方法は、上述の加工助剤を調製する工程を含むものであってもよい。
上述のとおり、例えば、押出機(A)のダイ(a)から上記加工助剤及び上記ポリオレフィンを押出して、所定の長さに切断することで、成形用組成物としてのペレットが得られる。上記製造方法では、高温かつ高剪断速度の条件を採用していることから、高い生産性で上記ペレットを得ることができる。しかも上記ペレットの寸法安定性が高く、不良形状の上記ペレットをほとんど含まない。従って、上記ペレットを成形することにより、高品質の成形品を得ることができる。
押出機(B)のダイ(b)から上記成形用組成物を押出して、所望の形状を有する成形品を得ることができる。上記成形品としては、シート、フィルム、ロッド、パイプ、繊維等が挙げられる。これらの成形品は、最終成形品であって、高い品質が求められることから、成形用組成物を得るための工程よりも、低温かつ低剪断速度の条件で成形することが好適である。
上記製造方法では、寸法安定性が高く、不良形状の上記ペレットをほとんど含まないペレットを成形材料として使用できる上、ダイビルドアップも発生しにくいことから、非常に高品質の成形品を得ることができる。しかも、比較的低温かつ比較的低剪断速度とはいえ、従来の製造方法と押出条件は変わらず、上記ダイビルドアップを除去するためのクリーニング時間を削減でき、押出圧が短時間で充分に低下し、メルトフラクチャーも短時間で消失することから、この工程での生産性は従来の製造方法よりも優れている。
以上のことから、上記製造方法は、非常に高い生産性で、高品質の成形品を製造できる。
押出機(A)と押出機(B)とは、同じ押出機であっても、異なる押出機であってもよい。
本明細書において、剪断速度は、次式により算出する。
Figure 2018138640
上記数式中の略号は、以下の通りである。
γ:剪断速度(秒−1
Q:押出量(kg/hr)
R:ダイの半径(mm)
上記成形品は、例えば、シート状;フィルム状;ロッド状;パイプ状;繊維状等の種々の形状であってよい。
上記成形品の用途としては特に限定されず、用いるポリオレフィンの種類によるが、例えば、機械的性質をはじめとする力学的性質や表面性を主として強く要求されるもの等に好適に用いられる。
上記成形品の用途としては、例えば、各種フィルム、袋、被覆材、飲料用容器等の食器類、電線、ケーブル、パイプ、繊維、ボトル、ガソリンタンク、その他の各種産業用成形品等が挙げられる。
つぎに本発明を実施例をあげて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例に記載の各測定値は、次の方法により求めた値である。
1.共重合組成
19F−NMR(Bruker社製、AC300P型)を用いて測定した。
2.ムーニー粘度
ASTM D−1646に準拠して、ML(1+20)140℃にて測定した。
3.融点
DSC装置(セイコー社製)を用い、10℃/分の速度で昇温したときの融解熱曲線における極大値に対応する温度を融点とした。
4.メルトフローレート(MFR)
メルトインデクサー(東洋精機製作所社製)を用い、ASTM D 3159に準拠して、230℃、荷重98Nの条件で、測定した。
5.メルトフラクチャー消失時間
ポリオレフィンのみで、全面にメルトフラクチャーが発生している状態で圧力が安定するまで押出を行い、その後のスクリューが見えた時点で加工助剤等の各組成の材料を押出機のホッパーに投入した時点をゼロとし、メルトフラクチャーが消え、成形品の全面が平滑になった時間をメルトフラクチャー消失時間とした。メルトフラクチャーの消失は目視および触診により行った。
6.降下圧力量、圧力降下開始時間
後述する押出評価では、押出圧力が初期の加工助剤の入っていないポリエチレンだけの圧力(初期圧力)から、加工助剤の効果が発揮されて低下し、その後、ほぼ一定の圧力で安定する(安定圧力)。上記初期圧力と安定圧力の差を降下圧力量とした。設定時間内で、圧力が安定しない場合は、初期圧力と終了時間の圧力の差を降下圧力量とした。また、加工助剤等の各組成の材料を押出機のホッパーに投入した時点をゼロとし、加工助剤の効果が発揮されて圧力が低下し始めるまでの時間を、圧力降下開始時間とした。
7.ポリビニリデンフルオライドの異常結合率の測定
異常結合率(%)={n2/(n+n1+n2)}×100
19F−NMR分析より求めた。具体的には、−112ppm付近のピーク面積と−124ppm付近のピーク面積(いずれも異常結合由来)の合計(=n2)と、−90〜−96ppm付近のピーク面積(−CF−CH−由来)(=n+n1)から上記の計算式で算出した。
実施例1
(加工助剤の作製)
含フッ素エラストマーA(VdF/TFE/HFP=65/17/18(モル%)、ムーニー粘度:50)をカッター式粗粉砕機(Rapid R1528、カワタ社製)にて粉砕して、平均粒子径1〜3mmのFKM粗粉砕物を得た。該FKM粗粉砕物を小型カッター式粉砕機(ミルサー800DG+ミクロン容器、岩谷産業社製)で更に粉砕し、平均粒子径が約500μmのFKM粉体物を得た。該FKM粉体物35gとポリビニリデンフルオライドX(VdFホモポリマー、融点:172℃、MFR:4.7g/10min、異常結合率:3.8%)15gとを小型混合機(ミルサー800G+混合容器、岩谷産業社製)を用いて混合し、加工助剤を得た。
(押出評価)
上記加工助剤1.5gと、線状低密度ポリエチレン(EXXonMobil社製 LL1201XV)2998.5gとをタンブリングにより混合して、混合パウダー(x)を得た。含フッ素エラストマーAとポリビニリデンフルオライドXとの比率は、70/30wt%であり、上記加工助剤は全体の500ppmの濃度となる。得られた混合パウダー(x)を、表1に記載の「成形用組成物の作製」の押出温度及び剪断速度で押出を行い、成形用組成物として、ペレット(a)を得た。上記押出の際に押出されたストランドの表面からメルトフラクチャー(MF)が消失する状態を観察したところ、約25minでMFは消失した。ペレット(a)を表1に記載の「最終成形品の作製」の押出温度及び剪断速度で押出を行い、押出されたストランドの表面からメルトフラクチャーが消失する状態を観察し、押出圧力の低下が始まる時間と低下前と低下後の押出圧力の差(降下圧力量)を測定した。押出圧力は、ペレット(a)を押出機のホッパーに加えた時点をゼロとして約5min後に圧力が低下し初めた。降下圧力量は60barであった。結果を表1に示す。
実施例2
含フッ素エラストマーAとポリビニリデンフルオライドXとの比率を80/20wt%とする以外は、実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
実施例3
含フッ素エラストマーAとポリビニリデンフルオライドXとの比率を90/10wt%とする以外は、実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
実施例4
ポリビニリデンフルオライドXを、ポリビニリデンフルオライドY(VdFホモポリマー、融点:173℃、MFR:0.1g/10min、異常結合率:3.8%)とし、含フッ素エラストマーAとポリビニリデンフルオライドYとの比率を80/20wt%とする以外は、実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
実施例5
含フッ素エラストマーAを、含フッ素エラストマーB(VdF/HFP=78/22、ムーニー粘度:24)とし、ポリビニリデンフルオライドXを、ポリビニリデンフルオライドZ(VdFホモポリマー、融点:175℃、MFR:20g/10min、異常結合率:3.9%)とし、両者の比率を90/10wt%とする以外は、実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
実施例6
含フッ素エラストマーAを、含フッ素エラストマーBとし、ポリビニリデンフルオライドXを、ポリビニリデンフルオライドYとし、両者の比率を90/10wt%とする以外は、実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
比較例1
含フッ素エラストマーとして、含フッ素エラストマーBを使用し、ポリビニリデンフルオライドXを使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、ポリビニリデンフルオライドを含まない成形用組成物及び最終成形品を作製した。結果を表1に示す。
比較例2
含フッ素エラストマーとして、含フッ素エラストマーBと含フッ素エラストマーC(VdF/HFP=78/22、ムーニー粘度:80)とを使用し、両者の比率を90/10wt%とし、ポリビニリデンフルオライドXを使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、ポリビニリデンフルオライドを含まない成形用組成物及び最終成形品を作製した。結果を表1に示す。
比較例3
含フッ素エラストマーとして、含フッ素エラストマーBと含フッ素エラストマーAとを使用し、両者の比率を90/10wt%とし、ポリビニリデンフルオライドXを使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、ポリビニリデンフルオライドを含まない成形用組成物及び最終成形品を作製した。結果を表1に示す。
比較例4
含フッ素エラストマーとして、含フッ素エラストマーBと含フッ素エラストマーCとを使用し、両者の比率を99/1wt%とし、ポリビニリデンフルオライドXを使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、ポリビニリデンフルオライドを含まない成形用組成物及び最終成形品を作製した。結果を表1に示す。
比較例5
含フッ素エラストマーとして、含フッ素エラストマーBと含フッ素エラストマーCとを使用し、両者の比率を95/5wt%とし、ポリビニリデンフルオライドXを使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、ポリビニリデンフルオライドを含まない成形用組成物及び最終成形品を作製した。結果を表1に示す。
Figure 2018138640
これらのことから分子量の異なる含フッ素エラストマーを混合しても効果は得られておらず、2元と3元の含フッ素エラストマーを組み合わせても効果は得られなかったのに対し、含フッ素エラストマーとポリビニリデンフルオライドとを特定の質量比で組み合わせた加工助剤は、押出機(A)における剪断速度が1000〜1800秒−1、ダイ(a)の温度が240〜270℃の条件において、メルトフラクチャーを低減する効果が得られ、押出機(B)における剪断速度が100〜800秒−1、及び、ダイ(b)の温度が180〜230℃の条件においても合わせて効果が得られることが分かる。

Claims (11)

  1. 含フッ素エラストマー、及び、ポリビニリデンフルオライドを含み、
    前記含フッ素エラストマーと前記ポリビニリデンフルオライドとの質量比が95/5〜60/40である
    ことを特徴とする加工助剤。
  2. 前記含フッ素エラストマーは、ASTM D−1646に準拠して140℃で測定するML(1+20)のムーニー粘度が70以下である請求項1記載の加工助剤。
  3. 前記含フッ素エラストマーは、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロエチレンとの共重合体である請求項1又は2記載の加工助剤。
  4. 前記ポリビニリデンフルオライドは、融点が120〜200℃である請求項1、2又は3記載の加工助剤。
  5. 前記ポリビニリデンフルオライドは、実質的にビニリデンフルオライド単位のみからなるホモポリマーである請求項1、2、3又は4記載の加工助剤。
  6. 請求項1、2、3,4又は5記載の加工助剤、及び、ポリオレフィンを含むことを特徴とする成形用組成物。
  7. 請求項1、2、3,4又は5記載の加工助剤、及び、ポリオレフィンを含むことを特徴とする成形品。
  8. ダイ(a)を備える押出機(A)を用いて、請求項1、2、3,4又は5記載の加工助剤及びポリオレフィンを混合することにより、成形用組成物を得る工程を含み、
    押出機(A)における剪断速度が1000〜1800秒−1
    ダイ(a)の温度が240〜270℃
    であることを特徴とする成形用組成物の製造方法。
  9. 前記成形用組成物がペレットである請求項8記載の成形用組成物の製造方法。
  10. 請求項8又は9記載の成形用組成物の製造方法により成形用組成物を得た後、
    ダイ(b)を備える押出機(B)を用いて、前記成形用組成物を成形することにより、成形品を得る工程を含み、
    押出機(B)における剪断速度が100〜800秒−1、及び、
    ダイ(b)の温度が180〜230℃
    であることを特徴とする成形品の製造方法。
  11. 前記成形品がフィルムである請求項10記載の成形品の製造方法。

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