JP2013231100A - プロピレン系重合体、プロピレン系重合体組成物、インフレーションフィルム、ブロー成形体、熱成形体およびそれらの製造方法 - Google Patents

プロピレン系重合体、プロピレン系重合体組成物、インフレーションフィルム、ブロー成形体、熱成形体およびそれらの製造方法 Download PDF

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真弓 安田
Makoto Nakano
誠 中野
Katsuhiko Okamoto
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Abstract

【課題】プロピレン系重合体組成物からなる、加工安定性、透明性に優れ、より薄いインフレーションフィルムを得ること、厚薄精度に優れ、耐ドローダウン性や耐偏肉性に優れたブロー成形体並びに、熱成形体を得ることを目的とする。
【解決手段】本発明のプロピレン系共重合体(A)は、プロピレンから導かれる構成単位〔i〕50〜95mol%と、プロピレンを除く炭素原子数2〜10のα−オレフィンから導かれる構成単位〔ii〕4.9〜49.9mol%と、非共役ポリエンから導かれる構成単位〔iii〕0.1〜10mol%とを含み(但し、構成単位〔i〕、〔ii〕および〔iii〕の合計を100mol%とする)、かつ、特定の要件(a)および(c)を満たすことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、プロピレン系重合体、プロピレン系重合体組成物、該共重合体または該組成物からなる、インフレーションフィルム、ブロー成形体、熱成形体およびそれらの製造方法に関する。
ポリプロピレン(結晶性ポリプロピレン)は、透明性、剛性、耐熱性、機械的強度、耐水性、無毒性や無臭性などの衛生性、軽量性、ヒートシール性などに優れ、且つ、環境問題対応性も良好であるので、包装用フィルム、ボトルなどの中空成形体、自動車用部品など、種々の用途に広く用いられている。
ポリプロピレンからフィルムを得る方法としては、T−ダイフィルム成形法、インフレーションフィルム成形法などがあり、成形加工性に加えて透明性に優れるフィルムを得るためには、通常、T−ダイフィルム成形法を用いて行われている。
プロピレン系樹脂からなるインフレーションフィルムは、安価で、透明性、耐熱性、防湿性、機械適性、光沢等が良好であることから、包装用途に広く用いられている(特許文献1および2など)。インフレーションフィルム成形法には、空冷法と水冷法があり、水冷インフレーションフィルム成形法によれば、溶融押出されたフィルムを急冷することができるので比較的透明なフィルムが得られる。一方、空冷インフレーションフィルム成形法を用いてポリプロピレンフィルムを成形しようとすると、水冷法に比べ、フィルムの柔軟性が失われ、また透明性が低下するという問題点がある。また、空冷インフレーション成形法によって成形する場合にはインフレーションバブルの安定性に欠けるため、一定の厚さのフィルムを得られ難いという問題がある。そのため、ポリエチレン等の加工法として通常使用されている空冷インフレーションフィルム成形法は、ポリプロピレンフィルムの成形方法としては、殆ど採用されていないのが現状である。そして、ポリプロピレンは、高密度ポリエチレンや高圧ラジカル重合された低密度ポリエチレンなどに比べて、インフレーションフィルムなどの成形性に劣る傾向にある。
特許文献3には、空冷インフレーション成形にて得られたフィルムについての記載がある。しかしながら、該フィルムでは、バブルの安定性およびフィルムの膜厚(耐偏肉性)に改良の余地がある。
また、ポリプロピレンから中空成形体を得る方法としては、最も一般的な方法は、ポリプロピレンを溶融押出して得たパリソン(中空体)を金型で挟んだ後、パリソンに空気などを吹き込んでパリソンを膨らませて金型内面に押し当てて冷却してボトルなどの中空成形体を得る方法(ブロー成形、あるいは、ダイレクトブロー成形とも言う)であり、また、ポリプロピレンを溶融押出しして得たパイプ状のパリソンを融点以下の温度で延伸した後、延伸したパイプ状のパリソンを金型で挟み、パリソンに空気などを吹き込んでパリソンを膨らませて金型内面に押し当てて冷却してボトルなどの中空成形体を得る方法(二軸延伸ブロー成形)がある(特許文献4など)。
押出成形して得たシートを真空成形や圧空成形などの熱成形を行い、豆腐などの食品容器、トレイ、冷蔵庫の内張りなどに使用されているが、ポリプロピレンシートは、熱成形性は優れたものとは言えず、成形体(製品)の肉厚の調整が難しく、また製品の高さ、深さ、形状に制約がある。また、シート状に成形する際、ロール表面へ該ポリプロピレン樹脂組成物が巻き付いたり、付着したりして生産性を損なうという問題がある。
また、このような押出成形体に適した材料としては、ポリオレフィン樹脂とエチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムのブレンド物を動的処理により架橋構造を施した熱可塑性エラストマー組成物が知られている。しかしながら、その製造に当たっては、熱可塑性エラストマー組成物に用いるエチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムの架橋度を適切に制御することが必要であり、その操作については煩雑な作業および特別な装置が必要である。
一方、架橋工程を省略したポリオレフィン樹脂とエチレンα−オレフィン系共重合体ゴムからなるブレンド物は、汎用的な押出し機などで作製できる簡便性を有している一方、真空成形を行った場合にシ−トのドロ−ダウンが大きすぎるため皺が発生したり、破れが発生したりする問題がある。
そのため、材料作製の簡便性とドローダウン特性などに代表される良好な真空成形を併せ持つ熱可塑性エラストマーの開発が望まれている。
特許文献5には特定の枝分かれを有するポリプロピレン樹脂を用いる事で部分架橋α−オレフィン系共重合体を用いずに良好なドローダウン性を有するポリプロピレン樹脂組成物について記載されている。
しかしながら、ここで提案されているポリプロピレン樹脂組成物は、カレンダー成形機を用いてシート状に加工する一次加工性に劣る場合がある。具体的には汎用的に用いられているカレンダー成形機によりシート状に成形する際、ロール表面へ該ポリプロピレン樹脂組成物が巻き付いたり、付着したりして生産性を損なうという問題がある。
そこで特許文献6では、カレンダー加工性に代表される一次加工性に着目し、且つ真空成形時において広い温度範囲で安定したドロ−ダウン特性を有する熱可塑性エラストマー組成物についての記載がある。しかしながら、該組成物でも、ドロ−ダウン特性と耐偏肉性にさらなら改良の余地がある。
また、ポリプロピレンシートの熱成形性を改良するために、ポリプロピレンにポリエチレンなどの他成分を混合することが行われているが、ポリエチレン、特に低密度ポリエチレンを添加して成形性を改良する場合は、多量のポリエチレンを添加する必要があることから、ポリプロピレン本来の特性である剛性、透明性、耐熱性などが損なわれるといった問題がある。
特開平10−217328号公報 特開2007−119540号公報 特開2009−275151号公報 特開2008−163157号公報 特開平8−73674号公報 特開2008−13753号公報
本発明は、インフレーション成形、特に空冷インフレーション成形において、常温の冷却用空気による冷却によってもバブルの安定性に優れる、より薄いフィルムを提供することを目的とする。
本発明は、厚薄精度に優れ、耐ドローダウン性と耐偏肉性を改良したブロー成形体を提供することを目的とする。
本発明は、厚薄精度に優れ、ロール加工性、耐ドローダウン性や耐偏肉性に優れた熱成形体を得ることを目的とする。
さらに、本発明は、インフレーションフィルム、ブロー成形体および熱成形体に好適な、プロピレン系重合体およびプロピレン系重合体組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、本発明を完成した。
すなわち、本発明のプロピレン系共重合体(A)は、プロピレンから導かれる構成単位〔i〕50〜95mol%と、プロピレンを除く炭素原子数2〜10のα−オレフィンから導かれる構成単位〔ii〕4.9〜49.9mol%と、非共役ポリエンから導かれる構成単位〔iii〕0.1〜10mol%とを含み(但し、構成単位〔i〕、〔ii〕および〔iii〕の合計を100mol%とする)、かつ、下記要件(a)および(c)を満たし、好ましくは下記要件(a)〜(d)を満たすことを特徴とする。
(a)デカリン中135℃で測定した極限粘度[η]が、0.1〜5.0(dL/g)、
(b)ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定したz‐平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)との割合(Mz/Mw)が、3.0〜20.0、
(c)JIS K−6721に準拠して、230℃、10kg荷重にて得られたMFR10と、JIS K−6721に準拠して、230℃、2.16kg荷重にて得られたMFR2.16との比(MFR10/MFR2.16)が、8.0〜150.0、
(d)レオメーターを用いて線形粘弾性測定(190℃)により得られた、周波数(ω=0.1rad/s)の複素粘度η*(ω=0.1)と、周波数(ω=100rad/s)の複素粘度η*(ω=100)との比(η*(ω=0.1)/η*(ω=100))が、5〜100。
本発明のプロピレン系共重合体組成物(X)は、前記プロピレン系共重合体(A)5〜95重量部と、熱可塑性樹脂(B)、好ましくは結晶性オレフィン樹脂(BB)5〜95重量部(ただし、(A)と(B)との合計を100重量部とする)とを含んでなることを特徴とする。
本発明のプロピレン系共重合体組成物(X1)は、下記要件(a)〜(d)を満たし、かつ、プロピレンから導かれる構成単位50〜95mol%と、エチレン、1−ブテン、4−メチルペンテン−1、1−ヘキセンおよび1−オクテンから選ばれる少なくとも1種以上のα−オレフィンから導かれる構成単位4.9〜49.9mol%と、5−ビニル−2−ノルボルネンから導かれる構成単位0.1〜10mol%とを含む(但し、構成単位〔i〕、〔ii〕および〔iii〕の合計を100mol%とする)プロピレン系共重合体(A1)5〜80重量部と、ポリプロピレン(B1)95〜20重量部(ただし、(A1)と(B1)との合計を100重量部とする)とを含み、かつ、下記要件(xa)を満たすことを特徴とする。
(a)デカリン中135℃で測定した極限粘度[η]が、0.1〜5.0(dL/g)、
(b)ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定したz‐平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)との割合(Mz/Mw)が、3.0〜20.0、
(c)JIS K−6721に準拠して、230℃、10kg荷重にて得られたMFR10と、JIS K−6721に準拠して、230℃、2.16kg荷重にて得られたMFR2.16との比(MFR10/MFR2.16)が、8.0〜150.0、
(d)レオメーターを用いて線形粘弾性測定(190℃)により得られた、周波数(ω=0.1rad/s)の複素粘度η*(ω=0.1)と、周波数(ω=100rad/s)の複素粘度η*(ω=100)との比(η*(ω=0.1)/η*(ω=100))が、5〜100、
(xa)プロピレン系共重合体組成物(X1)の230℃における溶融張力MT(X1)と、ポリプロピレン(B1)の230℃における溶融張力MT(B1)との比(MT(X1)/MT(B1))が、2.0〜10.0。
本発明の成形体は、前記プロピレン系共重合体(A)、前記プロピレン系共重合体組成物(X)または前記プロピレン系共重合体組成物(X1)を用いて得られる。
本発明のインフレーションフィルムは、前記プロピレン系共重合体(A)、前記プロピレン系共重合体組成物(X)または前記プロピレン系共重合体組成物(X1)を用いて、インフレーションフィルム成形方法で得られる。
本発明のブロー成形体は、ブロー成形機を用いて、前記プロピレン系共重合体(A)、前記プロピレン系共重合体組成物(X)または前記プロピレン系共重合体組成物(X1)から得られる。
本発明の熱成形体は、熱成形機を用いて、前記プロピレン系共重合体(A)、前記プロピレン系共重合体組成物(X)または前記プロピレン系共重合体組成物(X1)から得られる。
本発明のインフレーションフィルムの製造方法は、前記プロピレン系共重合体(A)、前記プロピレン系共重合体組成物(X)または前記プロピレン系共重合体組成物(X1)を用いて、インフレーションフィルム成形機により成形する工程を含む。
本発明のブロー成形体の製造方法は、前記プロピレン系共重合体(A)、前記プロピレン系共重合体組成物(X)または前記プロピレン系共重合体組成物(X1)を用いて、ブロー成形機により成形する工程を含む。
本発明の熱成形体の製造方法は、前記プロピレン系共重合体(A)、前記プロピレン系共重合体組成物(X)または前記プロピレン系共重合体組成物(X1)を用いて、熱成形機により成形する工程を含む。
本発明によれば、特定のプロピレン系重合体またはプロピレン系重合体組成物から、成形時のバブル安定性に優れ、より薄いインフレーションフィルム、厚薄精度に優れ、耐ドローダウン性や耐偏肉性に優れたブロー成形体並びに、熱成形体を得ることができる。
<プロピレン系共重合体>
本発明に係るプロピレン系共重合体(A)は、下記要件(a)および(c)を満たし、好ましくは(a)〜(d)を満たし、プロピレンから導かれる構成単位〔i〕50〜95モル%と、プロピレンを除く炭素原子数2〜10のα-オレフィンから選ばれる構成単位〔ii〕4.9〜49.9モル%と、非共役ポリエンから導かれる構成単位〔iii〕0.1〜10モル%とからなる(但し、構成単位〔i〕、〔ii〕および〔iii〕の合計を100モル%とする)。構成単位〔i〕、〔ii〕および〔iii〕が上記範囲にあると、より成形加工性に優れる共重合体(A)を得ることができるため、好ましい。
なお、本発明において、「炭素原子数2〜10のα-オレフィン」というときは特に断らない限りプロピレンを含まない。
また、共重合体(A)を、後述する共重合体組成物(XまたはX1)に用いる場合、本発明に係るプロピレン系共重合体(AまたはA1)としては、好ましくは、前記構成単位〔i〕が55〜95モル%、前記構成単位〔ii〕が4.9〜44.9モル%、前記構成単位〔iii〕が0.1〜7.0モル%からなる共重合体であることが、熱可塑性樹脂、特にポリプロピレンへの相溶性と製造時におけるゲル成分が生成しない点から好ましい(但し、構成単位〔i〕、〔ii〕および〔iii〕の合計を100モル%とする)。
なお、本発明の目的を損なわない範囲で、その他の共重合成分を含んでいてもよく、これらも本発明の範囲内である。
(α−オレフィン)
プロピレンを除く炭素原子数2〜10のα-オレフィンとしては、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、たとえば、エチレン、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどの直鎖状または分岐状のα−オレフィン;シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテンなどの環状オレフィンなどを挙げることができる。これらのα−オレフィンは、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、エチレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセンおよび1−オクテンが好ましい。
(非共役ポリエン)
非共役ポリエンとしては、具体的には、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−エチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘプタジエン、5−エチル−1,4−ヘプタジエン、5−メチル−1,5−ヘプタジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、5−エチル−1,5−ヘプタジエン、4−メチル−1,4−オクタジエン、5−メチル−1,4−オクタジエン、4−エチル−1,4−オクタジエン、5−エチル−1,4−オクタジエン、5−メチル−1,5−オクタジエン、6−メチル−1,5−オクタジエン、5−エチル−1,5−オクタジエン、6−エチル−1,5−オクタジエン、6−メチル−1,6−オクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、6−エチル−1,6−オクタジエン、4−メチル−1,4−ノナジエン、5−メチル−1,4−ノナジエン、4−エチル−1,4−ノナジエン、5−エチル−1,4−ノナジエン、5−メチル−1,5−ノナジエン、6−メチル−1,5−ノナジエン、5−エチル−1,5−ノナジエン、6−エチル−1,5−ノナジエン、6−メチル−1,6−ノナジエン、7−メチル−1,6−ノナジエン、6−エチル−1,6−ノナジエン、7−エチル−1,6−ノナジエン、7−メチル−1,7−ノナジエン、8−メチル−1,7−ノナジエン、7−エチル−1,7−ノナジエン、5−メチル−1,4−デカジエン、5−エチル−1,4−デカジエン、5−メチル−1,5−デカジエン、6−メチル−1,5−デカジエン、5−エチル−1,5−デカジエン、6−エチル−1,5−デカジエン、6−メチル−1,6−デカジエン、7−メチル−1,6−デカジエン、6−エチル−1,6−デカジエン、7−エチル−1,6−デカジエン、7−メチル−1,7−デカジエン、8−メチル−1,7−デカジエン、7−エチル−1,7−デカジエン、8−エチル−1,7−デカジエン、8−メチル−1,8−デカジエン、9−メチル−1,8−デカジエン、8−エチル−1,8−デカジエン、9−メチル−1,8−ウンデカジエンなどの非共役ジエン;
6,10− ジメチル−1,5,9−ウンデカトリエン、4,8−ジメチル−1,4,8−デカトリエン(DMDT)、5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエン、6,9−ジメチル−1,5,8−デカトリエン、6,8,9−トリメチル−1,5,8−デカトリエン、6−エチル−10−メチル−1,5,9−ウンデカトリエン、4−エチリデン−1,6−オクタジエン、7−メチル−4−エチリデン−1,6−オクタジエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン(EMND)、7−メチル−4−エチリデン−1,6−ノナジエン、7−エチル−4−エチリデン−1,6−ノナジエン、6,7−ジメチル−4−エチリデン−1,6−オクタジエン、6,7−ジメチル−4−エチリデン−1,6−ノナジエン、4−エチリデン−1,6−デカジエン、7−メチル−4−エチリデン−1,6−デカジエン、7−メチル−6−プロピル−4−エチリデン−1,6−オクタジエン、4−エチリデン−1,7−ノナジエン、8−メチル−4−エチリデン−1,7−ノナジエン、4−エチリデン−1,7−ウンデカジエン等の非共役トリエンなどが挙げられる。これらの非共役ポリエンは、単独であるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
これらのうちでも、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、4,8−ジメチル−1,4,8−デカトリエン(DMDT)、4− エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン(EMND)が好ましく、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)がより好ましい。
(共役ポリエン)
本発明では、本発明の目的を損なわない範囲で、その他の重合成分として、たとえば、共役ポリエンを含んでいてもよい。
共役ポリエンとしては、たとえば、1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、1,3-ヘキサジエン、1,3-ヘプタジエン、1,3-オクタジエン、1-フェニル-1,3-ブタジエン、1-フェニル-2,4-ペンタジエン、イソプレン、2-エチル-1,3-ブタジエン、2-プロピル-1,3-ブタジエン、2-ブチル-1,3-ブタジエン、2-ペンチル-1,3-ブタジエン、2-ヘキシル-1,3-ブタジエン、2-ヘプチル-1,3- ブタジエン、2-オクチル-1,3-ブタジエン、2-フェニル-1,3-ブタジエンなどの共役ジエン;1,3,5-ヘキサトリエンなどの共役トリエンなどが挙げられる。
次に、要件(a)〜(d)を示す。
要件(a):〔極限粘度[η]〕
本発明に係るプロピレン系共重合体は、135℃のデカリン中での極限粘度[η]が、通常0.1〜5.0(dL/g)の範囲にある。極限粘度がこの範囲にあると、樹脂の流動性と溶融張力のバランスに優れる。
要件(b):〔分子量分布[Mz/Mw]〕
本発明に係るプロピレン系共重合体は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定したz−平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)との割合(Mz/Mw)が、通常3.0〜20.0の範囲にある。Mz/Mwの値が大きいと、長鎖分岐量が大きく、溶融張力が高くなる。
要件(c):〔比(MFR10/MFR2.16)〕
本発明に係るプロピレン系共重合体は、JIS K−6721に準拠して、230℃、10kg荷重にて得られたMFR10と、JIS K−6721に準拠して、230℃、2.16kg荷重にて得られたMFR2.16との比(MFR10/MFR2.16)が、通常8.0〜150.0の範囲にある。比(MFR10/MFR2.16)が上記範囲にあると、2つの荷重での樹脂の流動性が変化しやすく、せん断速度に対する粘度の変化率が小さい。そのため、この範囲にあると、特定のせん断速度範囲で樹脂の粘度変化が小さく加工性に優れる。
要件(d):〔比(η*(ω=0.1)/η*(ω=100))〕
レオメーターを用いて線形粘弾性測定(190℃)により得られた、周波数(ω=0.1rad/s)の複素粘度η*(ω=0.1)と、周波数(ω=100rad/s)の複素粘度η*(ω=100)との比(η*(ω=0.1)/η*(ω=100))が、通常5〜100である。比(η*(ω=0.1)/η*(ω=100))が上記範囲にあることは、長鎖分岐構造を有していることを意味し、溶融張力に優れる。
〔プロピレン系共重合体の製造方法〕
次に、本発明に係るプロピレン系共重合体の製造方法について説明する。本発明の共重合体は、その製造方法は特に限定されない。
<プロピレン系共重合体組成物>
本発明のプロピレン系共重合体組成物(X)は、本発明に係るプロピレン系共重合体を5〜95重量部と、後述する熱可塑性樹脂(B)、好ましくは結晶性オレフィン樹脂(BB)を95〜5重量部(但し、(A)と(B)の合計を100重量部とする)を含んでなる。この範囲にあると、材料強度に優れ、かつ、成形加工性と溶融張力のバランスに優れる組成物が得られる。
また、本発明のプロピレン系共重合体組成物(X1)は、本発明のプロピレン系共重合体(A1)を5〜80重量部と、熱可塑性樹脂(B)としてポリプロピレン(B1)を95〜20重量部(但し、(A)と(B)の合計を100重量部とする)を含んでなり、以下の要件(xa)を満たす。このような共重合体組成物(X1)は材料強度だけでなく、成形加工性と溶融張力のバランスにより優れるため、好ましい。
要件(xa):〔比(MT(X1)/MT(B1))〕
本発明の共重合体組成物(XまたはX1)の230℃における溶融張力MT(X1)と、ポリプロピレン(B1)の230℃における溶融張力MT(B1)との比(MT(X1)/MT(B1))が、通常2.0〜10.0である。比(MT(X1)/MT(B1))が上記範囲にあることはポリプロピレン(B1)に比べて、共重合組成物における溶融特性が改良されていることを意味しており、成形加工性に優れる。
〔熱可塑性樹脂(B)〕
熱可塑性樹脂(B)としては、公知の樹脂が挙げられ特に限定されないが、結晶性オレフィン樹脂(BB)が好ましく、ポリプロピレン(B1)がより好ましい。
熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリエーテルなどが挙げられる。
結晶性オレフィン樹脂(BB)は、本発明に係る共重合体とは異なり、DSCで測定した融点が70℃以上、好ましくは110〜250℃の樹脂である。
結晶性オレフィン樹脂(BB)としては、例えば、低密度、中密度、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリ3−メチル−1−ブテン、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体、1−ブテン・α−オレフィンランダム共重合体、環状オレフィン共重合体、塩素化ポリオレフィン、酢酸ビニル共重合体、エチレン・メタクリル酸アクリレート共重合体、アイオノマー、エチレン・ビニルアルコール共重合体等が挙げられる。
ポリプロピレン(B1)は、プロピレン単独重合体、またはプロピレン・エチレンブロック共重合体、プロピレン・エチレンランダム共重合体およびプロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体などの、プロピレンと、炭素数2〜20(プロピレンを除く)のα−オレフィンとのランダム共重合体もしくはブロック共重合体であり、通常、プロピレンから導かれる構成単位および炭素数2〜20(プロピレンを除く)のα−オレフィンから導かれる構成単位の合計100モル%中、プロピレンから導かれる構成単位を50モル%以上の量で含む。また、立体規則性としてはアイソタクティック構造またはシンジオタクティック構造のどちらでも構わない。
また、ポリプロピレン(B1)は、示差走査熱量分析(DSC)で得られる融点が通常110〜170℃の範囲にある。ポリプロピレン(B1)の融点が上記の範囲であると、耐熱性と機械特性のバランスに優れるので好ましい。
ポリプロピレン(B1)の230℃における溶融張力MT(B1)は、通常1〜200(mN)である。
これらの熱可塑性樹脂は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの熱可塑性樹脂の製造方法は、特に限定されず、種々の触媒さらに種々公知の製造方法で製造できる。
〔その他の成分〕
本発明に係るプロピレン系共重合体およびプロピレン系共重合体組成物(以下、該共重合体または該組成物と称することもある)には、本発明の目的を損なわない範囲で、耐候性安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、スリップ防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、顔料、染料、可塑剤、老化防止剤(安定剤)、塩酸吸収剤、酸化防止剤、二次抗酸化剤等の添加剤が必要に応じて配合されていてもよい。配合量は特に制限されないが、該共重合体または該組成物100重量部に対して、それぞれ通常0.001〜10重量部程度である。
さらに必要に応じて、核剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤、補強剤、充填剤、軟化剤、加工助剤、活性剤、吸湿剤、架橋剤、共架橋剤、架橋助剤、粘着剤、難燃剤、離型剤、発泡剤、発泡助剤などのその他の成分を配合することができる。
これらの成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
〔グラフト変性体〕
本発明では、プロピレン系共重合体および熱可塑性樹脂の、少なくとも一部または全部が極性モノマーによりグラフト変性されていても良い。
例えば、共重合体(A)の一部または全部がグラフト変性されていても良く、樹脂(B)の一部または全部がグラフト変性されていてもよく、共重合体(A)、樹脂(B)のそれぞれについて一部または全部がグラフト変性されていても良い。
このような極性モノマーとしては、水酸基含有エチレン性不飽和化合物、アミノ基含有エチレン性不飽和化合物、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物、芳香族ビニル化合物、不飽和カルボン酸あるいはその誘導体、ビニルエステル化合物、塩化ビニル、カルボジイミド化合物などが挙げられる。特に、不飽和カルボン酸またはその誘導体が好ましい。不飽和カルボン酸またはその誘導体としては、カルボン酸基を1以上有する不飽和化合物、カルボン酸基を有する化合物とアルキルアルコールとのエステル、無水カルボン酸基を1以上有する不飽和化合物等を挙げることができ、不飽和基としては、ビニル基、ビニレン基、不飽和環状炭化水素基などを挙げることができる。
具体的には、例えば、アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ナジック酸〔商標〕(エンドシス-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸)等の不飽和カルボン酸、またはその誘導体として、例えば、酸ハライド、アミド、イミド、無水物、エステル等が挙げられる。かかる誘導体の具体例としては、例えば、塩化マレニル、マレイミド、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、グリシジルマレエート等が挙げられる。
これらの不飽和カルボン酸および/またはその誘導体は、1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。
変性は、被変性体に、極性モノマーをグラフト重合させることにより得られる。被変性体に、上記のような極性モノマーをグラフト重合させる際には、極性モノマーは、被変性体100重量部に対して、通常1〜100重量部の量で使用される。このグラフト重合は、通常ラジカル開始剤の存在下にて行なわれる。
ラジカル開始剤としては、有機過酸化物あるいはアゾ化合物などを用いることができる。
ラジカル開始剤は、被変性体および極性モノマーとそのまま混合して使用することもできるが、少量の有機溶媒に溶解してから使用することもできる。有機溶媒としては、ラジカル開始剤を溶解し得る有機溶媒であれば特に限定することなく用いることができる。
また被変性体に極性モノマーをグラフト重合させる際には、還元性物質を用いてもよい。還元性物質を用いると、極性モノマーのグラフト量を向上させることができる。
被変性体の極性モノマーによるグラフト変性は、従来公知の方法で行うことができ、たとえば被変性体を有機溶媒に溶解し、次いで極性モノマーおよびラジカル開始剤などを溶液に加え、通常70〜200℃、好ましくは80〜190℃の温度で、通常0.5〜15時間、好ましくは1〜10時間反応させることにより行うことができる。
また押出機などを用いて、被変性体と極性モノマーとを反応させて、変性体を含む重合体組成物を製造することもできる。この反応は、通常被変性体の融点以上、具体的には、樹脂(B)を変性する場合には、例えば通常120〜300℃、好ましくは120℃〜250℃の温度で、通常0.5〜10分間行なわれることが望ましい。また、共重合体(A)を変性する場合には、例えば、通常160〜300℃、好ましくは180℃〜250℃の温度で、通常0.5〜10分間行なわれることが望ましい。
このようにして得られる変性体の変性量(極性モノマーのグラフト量)は、変性体を100重量%とした場合に、通常0.1〜50重量%である。
本発明ではこれらの変性体と、共重合体(A)および樹脂(B)から選ばれる未変性体の1種以上を混練して、共重合体組成物を得ることも出来る。
また、極性モノマーの含有量は、特に限定されないが、共重合体組成物100重量%に対して、0.001〜50重量%が好ましい。極性モノマーの含有量は、目的に応じて、例えば、グラフト条件を適宜に選択することにより、容易に設計できる。
また、本発明では、該変性体の有する特性を損なわない範囲で、他の重合体、例えば、熱可塑性樹脂やエラストマー等を適宜配合することができる。それらの配合は、グラフト変性段階でも変性後の混合であってもよい。
また、本発明では、該変性体の有する特性を損なわない範囲で、公知のプロセス安定剤、耐熱安定剤、耐熱老化剤、フィラー、粘着剤等を適宜添加することも可能である。これらの添加剤は、例えば、前記のその他の成分を例示できる。
〔プロピレン系共重合体組成物の製造方法〕
本発明のプロピレン系共重合体組成物は、公知の任意の方法を採用して製造することができ、たとえば、プロピレン系共重合体と、熱可塑性樹脂、および所望により添加される他成分や変性体などを、種々公知の方法、たとえばヘンシェルミキサー、V−ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラブレンダー等で混合する方法、あるいは混合後、一軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー、ロール等で溶融混練した後、造粒あるいは粉砕する方法を採用して製造することができる。
なお、本発明のプロピレン系共重合体も同様の方法を適宜採用できる。
<成形体>
本発明のプロピレン系共重合体またはプロピレン系共重合体組成物は、従来公知のポリオレフィン用途に広く用いることができ、インフレーションフィルム、ブロー成形、熱成形体などの成形体に好適に利用することができる。また、成形体の一部に本発明の該共重合体または該組成物を用いて、多層積層体として用いることもできる。多層積層体としては、少なくともその1層が該共重合体または該組成物を含有してなる層である積層体であって、多層フィルム及びシート、多層容器、多層チューブ、水系塗料の一構成成分として含まれる多層塗膜積層体などが挙げられる。
<インフレーションフィルム>
本発明のインフレーションフィルムは、プロピレン系重合体またはプロピレン系重合体組成物からなる。
本発明のインフレーションフィルムは、単一のポリプロピレン樹脂を用いた場合に比べ、より厚みが薄いフィルムを得ることができる。また、本発明に係るプロピレン系重合体組成物を用いた場合は、インフレーションフィルム成形時にも、安定して成形ができる。
本発明のインフレーションフィルムは、プロピレン系重合体またはプロピレン系重合体組成物からなる単層のフィルムであっても、他の重合体との多層フィルムであってもよい。
本発明のインフレーションフィルムは、特に、空冷インフレーション成形において、上記効果が、より発現される。
本発明のイフレーションフィルムは、本発明に係るプロピレン系重合体またはプロピレン系重合体組成物を、例えばインフレーションフィルム成形機を用いてインフレーション成形することにより、インフレーションフィルムを製造することができる。
本発明の好ましい態様である、空冷インフレーション成形の条件としては、特に限定されないが、成形温度は使用する原料樹脂の融点以上から300℃未満であることが好ましい。また、膨比はダイスの径に対するバブル最大径の比をいい、膨比が1.1〜5.0であることが好ましく、1.2〜4.5であることがより好ましい。引取り速度はフィルム厚みと幅、押出量により決定され、製膜安定性を維持できる範囲で調整可能であるが、一般に、1〜150m/分であることが好ましく、1〜100m/分であることがより好ましい。
本発明のインフレーションフィルムは、例えば日用雑貨包装材、食品包材、食品容器、レトルト容器、保護フィルム、化粧フィルム・シート、シュリンクフィルム、輸液バッグ、熱融着フィルム、延伸フィルム、延伸用原料フィルム、医療容器等の材料として好適に使用できる。
<ブロー成形体>
本発明のブロー成形体は、プロピレン系重合体またはプロピレン系重合体組成物からなる。
本発明のブロー成形体は、単一のポリプロピレン樹脂からなるブロー成形体に比べて、透明性が良好で、得られる成形体の厚薄精度が優れるという特徴を有している。本発明に係るプロピレン系重合体またはプロピレン系重合体組成物を用いた場合は、ブロー成形時に、安定してブロー成形ができる。
本発明のブロー成形体は、プロピレン系重合体またはプロピレン系重合体組成物を、例えば、樹脂の融点以上の温度に設定した押出機でプロピレン系重合体またはプロピレン系重合体組成物を溶融した後、押出機の先端に取り付けたダイからパリソンを押出し、金型で溶融したパリソンを挟んだ後、パリソン内に空気を導入して、溶融したパリソンを金型内面に押し付けて冷却した後、金型を開いて、ブロー成形体を取出すことにより、ブロー成形体を製造し得る。
本発明のブロー成形体は、例えば食品、調味料、化粧品、整髪剤、飲料水、清涼飲料水、炭酸飲料、アルコール類、漂白剤、洗剤、シャンプー、リンス、コンディショナー、柔軟剤、柔軟仕上げ剤、薬剤、接着剤、農薬、医療用、哺乳ビン、実験器具、灯油缶、発電機や芝刈り機・二輪車・自動車等のガソリンタンク等の容器、ボトル、カップに好適に用いることができる。
<熱成形体>
本発明の熱成形体は、プロピレン系重合体またはプロピレン系重合体組成物からなる。
本発明における熱成形体は、プロピレン系重合体またはプロピレン系重合体組成物から得た例えばシート、フィルム、パイプなどの成形体を加熱などの手段で軟化させたのち、適宜な外力を用いて型面に圧着させて冷却固化させる成形方法により得られた成形体である(「新版高分子辞典」朝倉書店 1988年より)。
型面圧着方法としては、真空、圧縮空気、機械圧など、及びそれらの併用組み合わせが適宜採用される。例えば、真空成形、圧空成形、真空・圧空成形、プラグアシスト成形などを行って製造された成形体が代表例である。本発明の熱成形体の製造方法は、熱成形時の成形性が良い。
本発明の熱成形体の厚さは特に制限はなく、用途により適宜決め得るが、通常、0.1〜3mm、好ましくは0.15〜2mmの範囲にある。この範囲であると剛性と均一加工性のバランスが良い。
本発明のプロピレン系重合体またはプロピレン系重合体組成物からなる熱成形体は、例えば公知の方法を用いて製造することもできる。例えば、熱成形方法として、真空成形を用いて熱成形体を用いて製造する場合は、予め、プロピレン系重合体組成物を公知の押出加工により、シートを得た後に真空成形する。シートの厚みに特に制限はないが、例えば0.1〜3mmであることが好ましい。
真空成形の方法については、特に制限はない。通常、シートあるいはフィルム状の成形体を加熱軟化して型に密着させ、型に設けられた排気口から空気を排出させて、成形体を型に密着させ、その後これを冷却することにより、二次加工成形体を製造できる。
真空成形時の成形体の表面温度は、通常120〜250℃の範囲であるが、好ましくは120〜220℃の温度範囲、より好ましくは120〜200℃の温度範囲である。表面温度が上記範囲にある場合には、ドローダウン性、付形性が良好となり、肉厚が均一となる。
本発明により得られた真空成形体は、例えば自動車内装材、自動車外装材、包装用ケース、保護用ケース、保護用シート、食品・飲料用等の容器、ボトル、カップ、情報端末用ケース、情報端末用保護カバー、表示材用フレーム・カバー、家具、家具用骨組みに好適に用いることができる。
実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例および比較例における物性値等は、以下の方法により測定した。
〔実施例の各種測定条件〕
〔コモノマー組成〕
プロピレン系共重合体中のプロピレン、α−オレフィン、非共役ポリエンの含量は、13C−NMRおよび1H−NMRにより測定した。
〔極限粘度[η]〕
極限粘度[η]は、デカリン溶媒を用いて、135℃で測定した。
〔分子量分布(Mz/Mw)〕
分子量分布は、カラムとして東ソー株式会社製TSKgelGMH6−HT×2本およびTSKgelGMH6−HTL×2本(カラムサイズはいずれも直径7.5mm、長さ300mm)を直列接続した、液体クロマトグラフ(Waters製Alliance/GPC2000型)を用いて、測定した。得られたクロマトグラムはWaters製データ処理ソフトEmpower2を用いて、公知の方法によって、標準ポリスチレンサンプルを使用した検量線を用いて解析することで、Mz/Mwを算出した。
〔MFR(g/10分)〕
MFRは、JIS K−6721に準拠して、230℃で2.16kgの荷重および230℃で10kgの荷重にて測定した。
測定結果より、比(MFR10/MFR2.16)を算出した。
〔線形粘弾性測定〕
厚さ2mmのプレスシートを25mmφのディスク状に打ち抜きサンプルとした。測定はANTONPaar社製MCR301(レオメーター)、冶具は25mmφのパラレルプレートを用いた。
測定結果より、周波数(ω=0.1rad/s)の複素粘度η*(ω=0.1)と、周波数(ω=100rad/s)の複素粘度η*(ω=100)との比(η*(ω=0.1)/η*(ω=100))を算出した。
〔溶融張力(MT:mN)〕
東洋精機社製キャピログラフ1C(バレル径9.55mmφ)を用い、バレル温度230℃、キャピラリー長(L)=8.0mm、キャピラリー直径(D)=2.095mm、L/D=3.82のキャピラリーを用いて、ピストン速度=15.0mm/min、巻き取り速度=15.0mm/minで測定を行い、得られた値の平均値を溶融張力とした。
〔組成物に対する各種測定用サンプルの作製法〕
プロピレン系共重合体(A)、(B)および(C)の合計100重量部に対して、二次抗酸化剤としてのトリ(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェートを0.1重量部、耐熱安定剤としてのペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を0.1重量部、塩酸吸収剤としてのステアリン酸カルシウムを0.1重量部配合した。しかる後にムサシノキカイ社製ニーダールーダー(2軸溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、仕込み量1.5kg、20rpm、5分間溶融混練後、ペレット化し、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートとした。これを適当な大きさに切断して測定用試料とした。
〔空冷インフレーションフィルムのバブル安定性評価〕
プロピレン系重合体組成物およびプロピレン系共重合体を用いて、20mmΦインフレーション成形機(リングダイ径26mmΦ、リップ開度0.7mmΦ)により押出機温度200℃、所定のダイス温度(200℃)、引取速度1.5m/分、フィルム厚さ30μmの成形条件で空冷にて製膜を行い、バブルの安定性を以下の基準で評価した。
◎:バブルが長時間にわたり安定し、良好なフィルムが得られた。
○:バブルに微動が生じるが、安定成形が可能であった。
×:バブルが上下に変動し、フィルム幅の変動が生じた。
〔空冷インフレーションフィルムの薄膜成形性評価〕
プロピレン系重合体組成物およびプロピレン系共重合体を用いて、20mmΦインフレーション成形機により押出機温度200℃、所定のダイス温度(200℃)、引取速度1.5m/分、空冷にて製膜を行った。所定のダイス温度で製膜した際に、バブルが安定した状態で得られる最薄膜厚を測定し、膜厚が薄いものほど薄膜成形性に優れると判定した。
〔Haze(%)〕
プロピレン系重合体組成物およびプロピレン系共重合体を用いて、20mmΦインフレーション成形機(リングダイ径26mmΦ、リップ開度0.7mmΦ)により押出機温度200℃、所定のダイス温度(200℃)、引取速度1.5m/分、フィルム厚さ30μmの成形条件で空冷にて製膜を行い、フィルムのHaze値をJIS K7105に従って測定した。
〔ブロー成形における耐ドローダウン性〕
プロピレン系重合体組成物およびプロピレン系共重合体を用いて、30mmΦダイレクトブロー成形機を用いて、200℃で樹脂を溶融し、クロスヘッドダイにより筒状の溶融パリソンを成形した後、水循環回路により25℃に温度調整したブロー金型で挟み、圧縮空気にて金型に延伸密着させて冷却固化し、ボトルを取り出した際、成形体下部肉厚に対する上部肉厚の比を確認した。
○:成形体下部肉厚に対する上部肉厚の比が0.8〜1.0のもの
△:成形体下部肉厚に対する上部肉厚の比が0.8未満のもの
×:成形不能のもの
〔ブロー成形における成形体の厚薄精度〕
プロピレン系重合体組成物およびプロピレン系共重合体を用いて、30mmΦダイレクトブロー成形機を用いて、200℃で樹脂を溶融し、クロスヘッドダイにより筒状の溶融パリソンを成形した後、水循環回路により25℃に温度調整したブロー金型で挟み、圧縮空気にて金型に延伸密着させて冷却固化し、ボトルを取り出した。ボトル重量:10g、内容量:500ml、胴回り平均肉厚:0.5mmの単層円筒ボトルを製造した。
得られたボトル底面の偏肉度合いを目視確認した。
○:偏肉は殆ど見られず、外観良好。
△:底面に一部薄肉部が観察されるが、外観は概ね良好。
×:薄肉部が広範囲で観察され、外観不良。
〔ロール成形加工性〕
プロピレン系重合体組成物50gを安田精機製作所製NO.19 1 5インチミキシングロール機により混練し、5分後の加熱ロールへの粘着性について以下の基準により判定した。
○:5分間を通してロール表面への粘着性が低く、加工性に優れ、ロールから引き剥がし易い。
△:ロール表面への粘着が大きく、シートを引き剥がすことが困難である。
×:ロールへの粘着が非常に大きく、シートを引き剥がすことが不可能である。
〔ドローダウン特性〕
真空圧空成形機の金型(縦:230mm×横:140mm×厚さ:60mm)にプロピレン系樹脂組成物のシートを固定し、シートの表面が180℃になるように加熱し、ドローダウンしている様子を観察した。
○:ドローダウンがほとんどなく成形性良好
△:ドローダウンするが成形可能
×:ドローダウンが生じ、成形困難
〔熱成形体の評価(厚薄精度)〕
熱プレス機を用いて、プロピレン系重合体組成物を200℃、10MPaの条件でプレス成形して、プレスシートを得た。得られたシートを用いて真空成形(シートの予熱ヒーター温度:200℃)し、容器(縦:230mm×横:140mm×厚さ:60mm)を成形した。成形体の底面の偏肉度合いを目視確認した。
○:偏肉がほとんどなく、外観も良好
△:一部薄肉部が観察される
×:薄肉部が生じ、外観も不良
〔実施例1〕
充分に窒素置換した容量1500mlの攪拌翼付SUS製重合装置に、23℃で750mlの乾燥ヘキサン、5−ビニル−2−ノルボルネン10ml、トリイソブチルアルミニウム(TIBAl)の0.75mmolを常温で仕込んだ後、重合装置内温を80℃に昇温し、水素200mlを挿入し、プロピレンで系内圧力を0.5MPaに加圧した後に、エチレンで、系内圧力を0.55MPaに調整した。
次いで、ジ(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル) (オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド 0.0005mmolと0.0025mmolのトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを重合器内に添加し、内温80℃、系内圧力を0.55MPaを保ちながら10分間重合し、20mlのメタノールを添加し重合を停止した。脱圧後、4Lのメタノール中で重合溶液からポリマーを析出し、真空下130℃、12時間乾燥した。得られたプロピレン系共重合体(A-1)は、21.6gであった。また、該ポリマーの物性を表1に示す。
Figure 2013231100
〔実施例2〕(X−1)
プロピレン系共重合体(A-1)20重量部と、プロピレン系共重合体(B-1)(プライムポリマー社製プライムポリプロ F107、MFR(230℃、2.16kg荷重)=8.8(g/10分)、Tm=163℃)80重量部を用いて、上記組成物に対する各種測定用サンプルの作製法によりプレスシートを作成して、物性を測定した。各種物性結果を表2に示す。
〔比較例1〕(X−2)
プロピレン系共重合体(C-1)(三井化学製タフマー A1085、MFR(230℃、2.16kg荷重)=2.3(g/10分)、Tm=73℃)20重量部と、プロピレン系共重合体(B-1)80重量部を用いて、実施例2と同様にして、プレスシートを作成して、物性を測定した。各種物性結果を表2に示す。
〔比較例2〕(X−3)
プロピレン系共重合体(C-2)(三井化学製タフマー PN2060、MFR(230℃、2.16kg荷重)=6.0(g/10分)、Tm=160℃)20重量部と、プロピレン系共重合体(B-1)80重量部を用いて、実施例2と同様にして、プレスシートを作成して、物性を測定した。各種物性結果を表2に示す。
〔比較例3〕(X−4)
プロピレン系共重合体(B-1)100重量部を用いて、実施例2と同様にして、プレスシートを作成して、物性を測定した。各種物性結果を表2に示す。
〔インフレーションフィルムの製造〕
〔実施例3および比較例4〜6〕
上記プロピレン系重合体組成物(X−1)〜(X−3)およびプロピレン系共重合体(X-4)のペレットを用いて、空冷インフレーション成形機により押出機温度200℃、所定のサーキュラーダイの温度(200℃)、引取速度1.5m/分でインフレーションフィルムを得た。各種物性結果を表3に示す。
Figure 2013231100
Figure 2013231100
〔実施例4〕(X−5)
プロピレン系共重合体(A-1)20重量部と、プロピレン系共重合体(B-2)(プライムポリマー社製プライムポリプロ J232WA、MFR(230℃、2.16kg荷重)=2.1(g/10分)、Tm=156℃)80重量部を用いて、実施例2と同様にして、プレスシートを作成して、物性を測定した。各種物性結果を表4に示す。
〔比較例7〕(X−6)
スチレン・エチレン・1−ブテン・スチレンブロック共重合体(C-3)(旭化成株式会社製 商品名 タフテック H−1041、MFR(JIS K7210、190℃、2.16kg荷重:5.0g/10分))20重量部と、プロピレン系共重合体(B-2)80重量部を用いて、実施例2と同様にして、プレスシートを作成して、物性を測定した。各種物性結果を表4に示す。
〔比較例8〕(X−7)
プロピレン系共重合体(B-2)100重量部を用いて、実施例2と同様にして、プレスシートを作成して、物性を測定した。各種物性結果を表4に示す。
〔ブロー成形体の製造〕
〔実施例5、比較例9および10〕
上記プロピレン系重合体組成物(X−5)、(X−6)およびプロピレン系共重合体(X-7)のペレットを用いて、ダイレクトブロー成形機により、200℃で組成物を溶融し、クロスヘッドダイにより筒状の溶融したパリソンを押出た後、水循環回路により25℃に温度調整したブロー金型で挟み、圧縮空気にてパリソンを金型に延伸密着させて冷却固化し、ボトルを成形した。プロピレン重合体組成物、プロピレン系共重合体及び得られたブロー成形体(ボトル)の物性を評価した。各種物性結果を表5に示す。
Figure 2013231100
Figure 2013231100
〔実施例6〕(X−8)
プロピレン系共重合体(A-1)10重量部と、プロピレン系共重合体(B-3)(プライムポリマー社製プライムポリプロ E-200GP、MFR(230℃、2.16kg荷重)=2.2(g/10分)、Tm=160℃)50重量部と、プロピレン系共重合体(B-4)(プライムポリマー社製プライムポリプロ J702LB、MFR(230℃、2.16kg荷重)=1.8(g/10分)、Tm=165℃)40重量部を用いて、実施例2と同様にして、プレスシートを作成して、物性を測定した。各種物性結果を表6に示す。
〔比較例11〕(X−9)
プロピレン系共重合体(C-2)10重量部と、プロピレン系共重合体(B-3)50重量部と、プロピレン系共重合体(B-4)40重量部を用いて、実施例2と同様にして、プレスシートを作成して、物性を測定した。各種物性結果を表6に示す。
〔比較例12〕(X−10)
プロピレン系共重合体(B-3)60重量部と、プロピレン系共重合体(B-4)40重量部を用いて、実施例2と同様にして、プレスシートを作成して、物性を測定した。各種物性結果を表6に示す。
〔熱成形体の製造〕
〔実施例7、比較例13および14〕
熱プレス機を用いて、上記プロピレン系重合体組成物(X−8)〜(X−10)のペレットを200℃、10MPaの条件でプレス成形して、プレスシートを得た。得られたシートを用いて布施真空(株)社製真空圧空成形機(シートの予熱ヒーター温度:200℃)し、容器を成形した。成形体の底面の偏肉度合いを目視確認した。各種物性結果を表7に示す。
Figure 2013231100
Figure 2013231100

Claims (18)

  1. プロピレンから導かれる構成単位〔i〕50〜95mol%と、プロピレンを除く炭素原子数2〜10のα−オレフィンから導かれる構成単位〔ii〕4.9〜49.9mol%と、非共役ポリエンから導かれる構成単位〔iii〕0.1〜10mol%とを含み(但し、構成単位〔i〕、〔ii〕および〔iii〕の合計を100mol%とする)、かつ、
    下記要件(a)および(c)を満たすことを特徴とするプロピレン系共重合体(A)。
    (a)デカリン中135℃で測定した極限粘度[η]が、0.1〜5.0(dL/g)、
    (c)JIS K−6721に準拠して、230℃、10kg荷重にて得られたMFR10と、JIS K−6721に準拠して、230℃、2.16kg荷重にて得られたMFR2.16との比(MFR10/MFR2.16)が、8.0〜150.0。
  2. 下記要件(b)および(d)をさらに満たすことを特徴とする請求項1に記載のプロピレン系共重合体(A)。
    (b)ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定したz‐平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)との割合(Mz/Mw)が、3.0〜20.0、
    (d)レオメーターを用いて線形粘弾性測定(190℃)により得られた、周波数(ω=0.1rad/s)の複素粘度η*(ω=0.1)と、周波数(ω=100rad/s)の複素粘度η*(ω=100)との比(η*(ω=0.1)/η*(ω=100))が、5〜100。
  3. 請求項1または2に記載のプロピレン系共重合体(A)5〜95重量部と、熱可塑性樹脂(B)5〜95重量部(ただし、(A)と(B)との合計を100重量部とする)とを含んでなることを特徴とするプロピレン系共重合体組成物(X)。
  4. 下記要件(a)〜(d)を満たし、かつ、プロピレンから導かれる構成単位50〜95mol%と、エチレン、1−ブテン、4−メチルペンテン−1、1−ヘキセンおよび1−オクテンから選ばれる少なくとも1種以上のα−オレフィンから導かれる構成単位4.9〜49.9mol%と、5−ビニル−2−ノルボルネンから導かれる構成単位0.1〜10mol%とを含む(但し、構成単位〔i〕、〔ii〕および〔iii〕の合計を100mol%とする)プロピレン系共重合体(A1)5〜80重量部と、
    ポリプロピレン(B1)95〜20重量部(ただし、(A1)と(B1)との合計を100重量部とする)とを含み、かつ、
    下記要件(xa)を満たすことを特徴とするプロピレン系共重合体組成物(X1)。
    (a)デカリン中135℃で測定した極限粘度[η]が、0.1〜5.0(dL/g)、
    (b)ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定したz‐平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)との割合(Mz/Mw)が、3.0〜20.0、
    (c)JIS K−6721に準拠して、230℃、10kg荷重にて得られたMFR10と、JIS K−6721に準拠して、230℃、2.16kg荷重にて得られたMFR2.16との比(MFR10/MFR2.16)が、8.0〜150.0、
    (d)レオメーターを用いて線形粘弾性測定(190℃)により得られた、周波数(ω=0.1rad/s)の複素粘度η*(ω=0.1)と、周波数(ω=100rad/s)の複素粘度η*(ω=100)との比(η*(ω=0.1)/η*(ω=100))が、5〜100、
    (xa)プロピレン系共重合体組成物(X1)の230℃における溶融張力MT(X1)と、ポリプロピレン(B1)の230℃における溶融張力MT(B1)との比(MT(X1)/MT(B1))が、2.0〜10.0。
  5. 請求項1または2に記載のプロピレン系重合体を用いて得られる成形体。
  6. 請求項3または4に記載のプロピレン系重合体組成物を用いて得られる成形体。
  7. 請求項1または2に記載のプロピレン系共重合体を用いて、インフレーションフィルム成形方法で得られるインフレーションフィルム。
  8. 請求項3または4に記載のプロピレン系共重合体組成物を用いて、インフレーションフィルム成形方法で得られるインフレーションフィルム。
  9. ブロー成形機を用いて、請求項1または2に記載のプロピレン系共重合体から得られるブロー成形体。
  10. ブロー成形機を用いて、請求項3または4に記載のプロピレン系共重合体組成物から得られるブロー成形体。
  11. 熱成形機を用いて、請求項1または2に記載のプロピレン系共重合体から得られる熱成形体。
  12. 熱成形機を用いて、請求項3または4に記載のプロピレン系共重合体組成物から得られる熱成形体。
  13. インフレーションフィルム成形機を用いて、請求項1または2に記載のプロピレン系共重合体から得られるインフレーションフィルムを製造する方法。
  14. インフレーションフィルム成形機を用いて、請求項3または4に記載のプロピレン系共重合体組成物から得られるインフレーションフィルムを製造する方法。
  15. ブロー成形機を用いて、請求項1または2に記載のプロピレン系共重合体から得られるブロー成形体を製造する方法。
  16. ブロー成形機を用いて、請求項3または4に記載のプロピレン系共重合体組成物から得られるブロー成形体を製造する方法。
  17. 熱成形機を用いて、請求項1または2に記載のプロピレン系共重合体から得られる熱成形体を製造する方法。
  18. 熱成形機を用いて、請求項3または4に記載のプロピレン系共重合体組成物から得られる熱成形体を製造する方法。
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