JP2013230536A - 表面処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ナノカーボン炭素膜が形成される金属部材の表面自体を滑らかにでき、その金属部材の表面にナノカーボン炭素膜を確実に定着させることのできる表面処理方法を提供する。
【解決手段】凹部を有する金属部材の表面処理方法であって、異なる粒径を有する複数のショットを含む混合ショットが凹部内に配置された金属部材を、相対的に低い周波数且つ相対的に大きい振幅で加振して金属部材の凹部表層に圧縮残留応力を付与し、相対的に高い周波数且つ相対的に小さい振幅で加振して金属部材の凹部表面を平滑化する。
【選択図】図1

Description

本発明は表面処理方法に関し、たとえば鋳造型や鍛造型などの金属部材の表面処理方法に関するものである。
従来から、鋳造型や鍛造型などの金型は、たとえば成形品の金型への焼き付きを抑制して離型抵抗を低減するために特定の表面処理が施されている。
近年、上記する表面処理方法の一つとして、金型(金属部材)の表層(表面近傍)に窒化層を形成するとともにその窒化層の表面に成形品との親和性が低い炭素膜を形成する方法が開発されており、その有効な方法が特許文献1に開示されている。
特許文献1に開示されている鋳造型の表面処理方法は、窒化条件下でアセチレンガスなどとともに鋳造型を熱処理することによって、鋳造型の表層に窒化層を形成するとともにその表面をカーボンナノコイル、カーボンナノチューブ、カーボンナノフィラメントからなる群から選ばれる少なくとも1種のナノカーボン類を含む炭素膜(ナノカーボン炭素膜)で被覆し、さらにその表面にフラーレン類を塗布する方法である。
特開2010−036194号公報
特許文献1に開示されている鋳造型の表面処理方法によれば、鋳造型の表面を被覆する炭素膜の表面にフラーレン類を塗布することによって、炭素膜の間隙や凹凸にフローレン類が入り込み、炭素膜の間隙や凹凸が埋められて炭素膜表面が滑らかになり、成形品の鋳造型への焼き付きを抑制して離型抵抗を低減することができる。
一方で、特許文献1に開示されている鋳造型の表面処理方法においては、炭素膜表面を滑らかにするために、鋳造型の表面を被覆する炭素膜の表面にフラーレン類を塗布する必要があり、鋳造型の表面処理工程が煩雑となるといった課題がある。
このような問題に対し、たとえば鋳造型の表面を被覆する炭素膜の表面自体を滑らかにすることによって炭素膜の表面にフラーレン類を塗布する工程を回避することが考えられ、そのための有効な方法として、炭素膜が形成される鋳造型(金型)の表面自体を滑らかにすることが提案されている。
しかしながら、金型の表面自体を滑らかにする、たとえば金型の表面を表面粗さRa(中心線平均粗さ)0.3μm以下の鏡面状態とすると、金型表面に形成された炭素膜が当該金型表面に定着し難くなり、炭素膜による離型効果を維持できなくなることが本発明者等によって確認されている。
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、ナノカーボン炭素膜が形成される金属部材の表面自体を滑らかにできるとともに、たとえばその金属部材の表面をナノカーボン炭素膜で被覆する場合にはその金属部材の表面にナノカーボン炭素膜を確実に定着させることのできる表面処理方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明者等は、鋭意研究の結果、金属部材の表面に形成されるナノカーボン炭素膜の密着性や耐久性が、金属部材の表層に形成される窒化層の生成のし易さ(反応性)に影響され、たとえば金属部材の表面粗さが小さい場合であっても金属部材の表層に形成される窒化層の生成の反応性を増加させるとナノカーボン炭素膜の密着性や耐久性が向上することを見出した。また、その窒化層の生成の反応性は、窒化層や炭素膜を形成する前に金属部材の表層に圧縮残留応力を付与することによって当該金属部材の表層に形成される圧縮残留応力層により制御し得ることを見出した。
すなわち、本発明による表面処理方法は、凹部を有する金属部材の表面処理方法であって、異なる粒径を有する複数のショットを含む混合ショットが凹部内に配置された金属部材を、相対的に低い周波数且つ相対的に大きい振幅で加振して金属部材の凹部表層に圧縮残留応力を付与し、相対的に高い周波数且つ相対的に小さい振幅で加振して金属部材の凹部表面を平滑化する方法である。
上記する表面処理方法によれば、異なる粒径を有する複数のショットを含む混合ショットが凹部内に配置された金属部材を相対的に低い周波数且つ相対的に大きい振幅で加振することによって、混合ショットを構成する各ショットを金属部材の凹部表面と衝接させることができ、金属部材の凹部表層に圧縮残留応力を付与して圧縮残留応力層を形成することができる。その際、様々な粒径を有する複数のショットを金属部材の凹部表面と衝接させることができるため、金属部材の凹部表層に形成される圧縮残留応力層の強さや深さを略均一化することができる。また、上記するように金属部材を相対的に低い周波数且つ相対的に大きい振幅で加振すると、金属部材の凹部表面には略均一な表面粗さを有する凹凸が形成されるため、異なる粒径を有する複数のショットを含む混合ショットが凹部内に配置され、且つ、金属部材の凹部表層に圧縮残留応力が付与された金属部材を相対的に高い周波数且つ相対的に小さい振幅で加振することによって、混合ショットを構成するショットのうち特に相対的に小さい粒径を有するショットを金属部材の凹部表面と衝接させることができ、金属部材の凹部表面を相対的に小さい粒径を有するショットで研磨して平滑化することができる。ここで、金属部材の凹部内には予め異なる粒径を有する複数のショットを含む混合ショットが配置されているため、金属部材の凹部表層に圧縮残留応力を付与する工程と金属部材の凹部表面を平滑化する工程とを連続して実施することができる。
また、金属部材の凹部表層に略均一な圧縮残留応力層が形成され、金属部材の凹部表面が平滑化されることにより、たとえば金属部材の凹部表面を平滑化した後に、金属部材の凹部表層に窒化層が形成される窒化条件下で有機ガスとともに金属部材を熱処理することによって、金属部材の凹部表層に窒化層を形成しながらその窒化層の表面に、カーボンナノコイル、カーボンナノチューブ、およびカーボンナノフィラメントからなる群から選択される少なくとも一種のナノカーボン類を含むナノカーボン炭素膜を形成する際、金属部材の凹部表層に形成される窒化層の生成の反応性を略均一に制御でき、当該窒化層の表面に形成されるナノカーボン炭素膜の厚みを略均一化して、前記ナノカーボン炭素膜を窒化層の表面に確実に定着させることができるとともに、金属部材の凹部表層に形成される窒化層およびその窒化層の表面に形成されるナノカーボン炭素膜の表面を滑らかにできる。これにより、たとえば金型などの金属部材に上記表面処理方法を適用した場合には、ナノカーボン炭素膜の表面が平滑化されることによって成形品の金型への焼き付きを抑制して離型抵抗を低減できるとともに、ナノカーボン炭素膜が窒化層の表面に確実に定着されることによって前記ナノカーボン炭素膜による離型効果を長期に亘って維持することができる。
ここで、前記表面処理方法は乾式で実施してもよいし、湿式で実施してもよい。たとえば洗浄液などが存在しない乾式で表面処理方法を実施する場合には、金属部材の凹部内に配置された混合ショットを構成する各ショットの加速度を増加させることができ、金属部材の凹部表面に対するショットの衝接速度を高めて金属部材の凹部表層に付与される圧縮残留応力を効果的に高めることができる。一方で、たとえば洗浄液中や洗浄液が存在する湿式で表面処理方法を実施する場合には、金属部材の加振周波数を調整することによって金属部材の凹部表面に対する洗浄液などのキャビテーションやウォータハンマー(水撃)効果を高めることができ、金属部材の凹部表層に付与される圧縮残留応力を効果的に高めることができる。また、混合ショットと金属部材の凹部表面の衝接などによって発生する混合ショットの各ショットや金属部材の破片などを洗浄液で除去することができるとともに、各ショットに対する洗浄液などの液体成分の付着によって各ショットの研磨効果を高めることができ、金属部材の凹部表面を効率的に平滑化することができる。
以上の説明から理解できるように、本発明の表面処理方法によれば、金属部材を表面処理するに当たり、異なる粒径を有する複数のショットを含む混合ショットが凹部内に配置された金属部材を相対的に低い周波数で加振して相対的に高い周波数で加振するという極めて簡単な方法によって、金属部材の表層に均質な圧縮残留応力層を形成することができるとともに、金属部材の表面自体を滑らかにでき、たとえば金属部材の表面にナノカーボン炭素膜を形成する場合であっても、その炭素膜の表面粗さを低減しながら金属部材の表面に炭素膜を確実に定着させることができる。
本発明の表面処理方法の一実施の形態を説明したフロー図である。 図1で示す表面処理方法の一実施の形態の各工程のうち、金属部材の凹部表層に圧縮残留応力を付与する工程を模式的に説明した縦断面図である。 図1で示す表面処理方法の一実施の形態の各工程のうち、図2で示す工程に続いて金属部材の凹部表面を平滑化する工程を模式的に説明した縦断面図である。 図1で示す表面処理方法の一実施の形態の各工程のうち、図3で示す工程に続いて金属部材の凹部表面にナノカーボン炭素膜を形成する工程を模式的に説明した縦断面図である。
以下、図面を参照して本発明の表面処理方法の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の表面処理方法の一実施の形態を説明したフロー図である。
図示するように、本実施の形態の表面処理方法は、主として金属部材の凹部表層(表面近傍)に圧縮残留応力を付与する第1の工程と、金属部材の凹部表面を平滑化する第2の工程と、金属部材の凹部表面にナノカーボン炭素膜を形成する第3の工程と、から構成されている。
まず、第1の工程(S1)では、金属部材を表面処理するに当たり、予め凹部が形成された金属部材と異なる粒径を有する複数のショットを含む混合ショットを用意し、前記混合ショットが凹部内に配置された金属部材を相対的に低い周波数且つ相対的に大きい振幅で加振する。これにより、金属部材の凹部内に配置された混合ショットを構成する各ショットを金属部材の凹部表面と衝接させ、金属部材の凹部表面を塑性変形させ、金属部材の凹部表層に結晶欠陥や結晶歪みを形成する(ショットブラスト処理やショットピーニング処理等ともいう)。その際、混合ショットを構成する様々な粒径を有するショットを金属部材の凹部表面と衝接させることができるため、金属部材の凹部表層に略均一な結晶欠陥や結晶歪みが形成され、その凹部表層に略均一な圧縮残留応力が付与され、金属部材の凹部全体に亘って略均一な深さや強さを有する圧縮残留応力層が形成される。なお、圧縮残留応力層の深さや圧縮残留応力の強さは、混合ショットを構成する各ショットの粒径や硬度など、金属部材の加振条件などによって調整される。ここで、圧縮残留応力層とは、たとえばX線回折法等によって圧縮残留応力が付与されたことが観察される層であって、金属部材の基材と比較して結晶欠陥や結晶歪みが相対的に多く観察される層である。
次いで、第2の工程(S2)では、前記混合ショットが凹部内に配置された金属部材を相対的に高い周波数且つ相対的に小さい振幅で加振する。なお、この第2の工程は、第1の工程の加振周波数や振幅を適宜変更して連続的に実施することができる。これにより、金属部材の凹部内に配置された混合ショットのうち相対的に大きい粒径を有するショットを振幅中心近傍に静止させた姿勢で相対的に小さい粒径を有するショットのみを金属部材の凹部表面と衝接させ、上記するように結晶欠陥や結晶歪みが形成されて圧縮残留応力層が形成された略均一な表面粗さを有する金属部材の凹部表面を相対的に小さい粒径を有するショットで研磨し、金属部材の凹部表面の表面粗さを低減して平滑化する(鏡面処理等ともいう)。
次に、第3の工程(S3)では、金属部材の凹部等の表層に窒化層が形成される窒化条件下で有機ガスとともに金属部材を熱処理する。これにより、結晶欠陥や結晶歪みが形成されて圧縮残留応力層が形成された金属部材の凹部等の表層に窒素を侵入させ、金属部材が窒化されて凹部等の表層に窒化層が形成されるとともに、その窒化層の表面には、カーボンナノコイル、カーボンナノチューブ、およびカーボンナノフィラメントからなる群から選択される少なくとも一種のナノカーボン類を含むナノカーボン炭素膜が形成される。なお、窒化層が形成される窒化条件下で金属部材を熱処理することには、たとえばアンモニアガス(NH3)等を用いた窒化ガス雰囲気で金属部材を熱処理することや窒化ガス以外の窒化成分とともに金属部材を熱処理することが含まれる。また、前記有機ガスとしては、窒化条件下で金属部材を熱処理することによって、金属部材の表面にカーボンナノコイル、カーボンナノチューブ、およびカーボンナノフィラメントからなる群から選択される少なくとも一種のナノカーボン類を含むナノカーボン炭素膜を形成し得る従来知られた有機ガスを適用することができ、たとえばアセチレンガス(C2H2)が好適である。たとえばアセチレンガスとともに金属部材を熱処理する場合には、アセチレンガスから炭素原子(C)が分離してカーボンナノコイル、カーボンナノチューブ、およびカーボンナノフィラメントからなる群から選択される少なくとも一種のナノカーボン類を含むナノカーボンとなり、そのナノカーボンが金属部材の表面に炭素膜を形成する。
このように、第1の工程(S1)では、混合ショットを構成する様々な粒径を有するショットが金属部材の凹部表面と衝接され、金属部材の凹部表層に略均一な圧縮残留応力が付与され、金属部材の凹部全体に亘って略均一な深さや強さを有する圧縮残留応力層が形成される。また、第2の工程(S2)では、相対的に小さい粒径を有するショットが金属部材の凹部表面と衝接され、圧縮残留応力層が形成されて略均一な表面粗さを有する金属部材の凹部表面が研磨されて平滑化される。ここで、前記圧縮残留応力層は、結晶欠陥や結晶歪みを多く含む層であるため、第3の工程(S3)で金属部材の凹部表層に窒化層が形成される窒化条件下で有機ガスとともに金属部材を熱処理した際に、たとえばアンモニアガス(NH3)等の窒化ガスの反応物質がその金属部材の表層に侵入し易くなっており、上記するように、第1の工程(S1)で、混合ショットを構成する各ショットの粒径や硬度など、金属部材の加振条件などが調整され、圧縮残留応力層の深さや圧縮残留応力の強さが調整されることによって、第3の工程(S3)では、圧縮残留応力層の深さや圧縮残留応力の強さに応じた反応性を有する窒化層が金属部材の凹部表層に形成される。そして、窒化層の生成の反応性に応じてその窒化層の表面に形成される炭素膜の密着性や耐久性が向上することが本発明者等によって確認されているため、第2の工程(S2)で金属部材の凹部表面が平滑化されているにも関わらず、第3の工程(S3)では、金属部材の凹部表層に所望の生成の反応性を有する窒化層が形成され、それに応じて金属部材の凹部表面に所望の密着性や耐久性を有する炭素膜が形成されることとなる。
次に、図2〜図4を参照して、図1で示す表面処理方法の一実施の形態の各工程をより具体的に説明する。図2は、図1で示す表面処理方法の一実施の形態の各工程のうち、金属部材の凹部表層に圧縮残留応力を付与する工程を模式的に説明した縦断面図であり、図3は、図2で示す工程に続いて金属部材の凹部表面を平滑化する工程を模式的に説明した縦断面図であり、図4は、図3で示す工程に続いて金属部材の凹部表面にナノカーボン炭素膜を形成する工程を模式的に説明した縦断面図である。
まず、図2で示すように、金属部材K(たとえば金型)に形成された凹部G内に相対的に大きい粒径(たとえば200μm〜2mmの範囲内)を有する複数のショットS1と相対的に小さい粒径(たとえば10〜75μmの範囲内)を有する複数のショットS2からなる混合ショットSを配置する。
ここで、凹部G内に混合ショットSを配置する方法としては、従来知られた種々の方法を適用することができるものの、たとえば投射速度や投射角度等を調整したショットブラストによって配置することができる。ショットブラストとは、投射材(ショットやショットメディアともいう)と称される粒体を金属部材の表面に投射する方法であり、このショットブラストによって、投射面(金属部材の処理面)の表面応力を均一化したり、圧縮残留応力を付与して窒化層の生成の反応性を調整できるほか、投射面の表面を研削したり、投射面の付着物を除去したり、投射面の耐久性を向上させることができる。ショットブラストで用いる投射材の形成素材としては、たとえば鋳鉄や鋳鋼等の球形粒子からなる金属やアルミナ(Al2O3)や炭化珪素(SiC)等の球形粒子や微粉末からなるセラミック等を挙げることができ、対象となる金属部材と同種の金属材料を用いることが好ましく、金属部材と同等もしくはそれ以上の硬度を有する金属材料を用いることが望ましい。また、ショットブラストで用いる投射材の投射方法としては、たとえば機械式、乾式(空気式)、湿式等の投射方法を挙げることができる。さらに、ショットブラストで用いる投射材の形状や組成、硬度など、投射材の投射速度や投射角度、投射量、投射圧力などの各種条件を調整することによって、金属部材の表面や内部の状態を適宜調整することができる。すなわち、上記するように、たとえば金属部材の表層に形成される圧縮残留応力層の深さや強さを調整することができ、金属部材の表層に形成される窒化層の生成の反応性を調整することができるとともに、金属部材の表面粗さを所望に調整できることが知られている。一方、金属部材Kに形成された凹部Gの形状が複雑であったり、凹部Gの側面Ga、Gb同士の間隔(凹部Gの幅)WGが小さい場合には、上記するショットブラストで混合ショットSを凹部G全体に亘って略均一に投射できない場合があるため、本実施の形態の表面処理方法においては、所定の方法によって予め凹部G内に混合ショットSを配置することが好ましい。
なお、たとえばショットブラストによって混合ショットSを配置する際、金属部材Kの凹部G以外の表面に混合ショットSを投射することによって、たとえば金属部材Kの凹部G以外の表層に圧縮残留応力を付与したり、金属部材Kの凹部G以外の表面を研削することができる。
金属部材Kに形成された凹部G内に混合ショットSを配置した後、図示するように、その金属部材Kを相対的に低い周波数(たとえば約10Hz〜200Hz)且つ相対的に大きい振幅で凹部Gの側面Ga、Gbに対向する方向(図中、矢印X1方向)へ加振する。その際、たとえば凹部Gの側面Ga、Gb同士の中央を通って凹部Gの深さ方向へ延びる中心線Lを振幅中心とし、凹部Gの側面Ga、Gb同士の間隔WGよりも相対的に大きな振幅で金属部材Kを加振することによって、混合ショットSを構成する相対的に大きい粒径を有するショットS1と相対的に小さい粒径を有するショットS2の双方を凹部Gの内部で側面Ga、Gbに対向する方向へ相対的に大きく移動させて金属部材Kの凹部Gの側面Ga、Gbや底面Gcの表面と衝接させる。金属部材Kの表層に相対的に深い圧縮残留応力層を形成するためには、大きい粒径を有するショットS1を金属部材Kの凹部G表面と衝接させることが有効であるものの、上記するように、予め相対的に大きい粒径を有する複数のショットS1と相対的に小さい粒径を有する複数のショットS2を凹部G内に配置し、凹部Gの側面Ga、Gb同士の間隔WGよりも相対的に大きな振幅で金属部材Kを加振することによって、相対的に大きい粒径を有するショットS1と相対的に小さい粒径を有するショットS2の双方を金属部材Kの凹部G表面と衝接させることができ、金属部材Kの凹部Gの表層Hに略均一な圧縮残留応力を付与することができ、略均一な深さや強さを有する圧縮残留応力層Haを形成することができるととともに、金属部材Kの凹部G全体に亘ってその表面粗さを略均一化することができる。また、予め相対的に小さい粒径を有する複数のショットS2を凹部G内に配置することによって、たとえば凹部Gに角部や狭小部等が存在する場合で合っても、相対的に小さい粒径を有するショットS2を前記角部や狭小部と衝接させることができるため、金属部材Kの凹部G全体に亘って略均一な深さや強さを有する圧縮残留応力層Haを形成することができる。
上記するように、略均一な深さや強さを有する圧縮残留応力層Haが形成された金属部材Kの凹部G表面は略均一な凹凸を有しているため、たとえばその金属部材Kの表面をナノカーボン炭素膜で被覆する場合には炭素膜の表面に凹凸が形成される可能性がある。
そこで、図2で示す工程の加振周波数や振幅を変更し、図3で示すように、凹部G内に混合ショットSが配置された金属部材Kを相対的に高い周波数(たとえば約1k〜10kHz)且つ相対的に小さい振幅で凹部Gの側面Ga'、Gb'に対向する方向(図中、矢印X2方向)へ加振する。その際、たとえば凹部Gの側面Ga'、Gb'同士の中央を通って凹部Gの深さ方向へ延びる中心線Lを振幅中心とし、凹部Gの側面Ga'、Gb'同士の間隔WG'よりも相対的に小さい振幅で金属部材Kを加振することによって、金属部材Kの凹部G内に配置された混合ショットSのうち相対的に大きい粒径を有するショットS1を振幅中心である中心線Lの近傍(凹部Gの略中央)に偏在させて略静止させ、相対的に小さい粒径を有するショットS2を特に凹部Gの側面Ga'、Gb'近傍に偏在させて、相対的に小さい粒径を有するショットS2のみを金属部材Kの凹部Gの側面Ga'、Gb'や底面Gc'の表面と衝接させる。これにより、金属部材Kの凹部Gの側面Ga'、Gb'や底面Gc'の表面を相対的に小さい粒径を有するショットS2のみで研磨し、略均一な表面粗さを有する金属部材Kの凹部G表面を略均一に平滑化して、金属部材Kの凹部G表面全体に亘って略均一に表面粗さを低減することができる。また、相対的に大きい粒径を有するショットS1は凹部Gの略中央に偏在されて略静止され、金属部材Kの凹部Gの表面と殆ど衝接しないため、金属部材Kの凹部Gの表層H'に形成された圧縮残留応力層Ha'の強さ等は略均一に維持される。
なお、上記するように、図2で示す凹部Gの側面Ga'、Gb'や底面Gc'は、図1で示す凹部Gの側面Ga、Gbや底面Gcが相対的に小さい粒径を有するショットS2によって研磨されて形成されるため、図2で示す凹部Gの側面Ga'、Gb'や底面Gc'は、図1で示す凹部Gの側面Ga、Gbや底面Gcよりも表面粗さが低減されるとともに、図2で示す凹部Gの側面Ga'、Gb'同士の間隔WG'は図1で示す凹部Gの側面Ga、Gb同士の間隔WGよりも僅かながら増加し、図2で示す凹部Gの表層H'や圧縮残留応力層Ha'の深さは図1で示す凹部Gの表層Hや圧縮残留応力層Haの深さよりも僅かながら減少している。
図2および図3で示す工程は、乾式で実施してもよいし、湿式で実施してもよい。たとえば乾式で実施する場合には、金属部材Kの凹部G内に配置された混合ショットSを構成する各ショットの加速度を増加させることができ、金属部材Kの凹部G表面に対するショットの衝接速度を高めて金属部材Kの凹部Gの表層に付与される圧縮残留応力を高めることができる。一方で、湿式で実施する場合には、金属部材Kの凹部G表面に対する洗浄液などのキャビテーションやウォータハンマー効果を高めることができ、金属部材Kの凹部Gの表層に付与される圧縮残留応力を高めることができる。また、混合ショットSと金属部材Kの凹部Gの表面の衝接などによって発生する混合ショットSや金属部材Kの破片などを洗浄液で除去することができる。
このように、金属部材Kの凹部Gの表層H'に略均一な深さや強さを有する圧縮残留応力層Ha'を形成し、凹部Gの表面を略均一に平滑化した後、図4で示すように、金属部材Kの凹部Gの表層H'に窒化層Hbが形成される窒化条件下で有機ガスとともに金属部材Kを熱処理し、金属部材Kの凹部Gの表層H'に窒化層Hbを形成しながら、その窒化層Hbの表面に、カーボンナノコイル、カーボンナノチューブ、およびカーボンナノフィラメントからなる群から選択される少なくとも一種のナノカーボン類を含むナノカーボン炭素膜Cを形成する。
具体的には、たとえば載置台上に載置した金属部材Kを雰囲気炉内に配置し、真空ポンプで雰囲気炉内を減圧して空気をパージした後、雰囲気炉内に窒素ガス(N2)を流通させて窒素ガス(N2)雰囲気とする。次いで、雰囲気炉内に反応ガス(硫化水素ガス(H2S)、アセチレンガス(C2H2)、アンモニアガス(NH3))を流通させながら、雰囲気炉内を30分間で480度まで昇温させ、480度に到達した時点で硫化水素ガスの供給を停止し、さらに30分後にアセチレンガスの供給を停止する。そして、アンモニアガス流通下において、雰囲気炉内を480度で3時間保持した後、アンモニアガスの供給を停止し、窒素ガスへ切り替えて雰囲気炉内を降温させる。これにより、載置台上に載置した金属部材Kの凹部Gの表面にナノカーボン炭素膜Cが形成されるとともに、金属部材Kとナノカーボン炭素膜Cとの間には窒化層Hbと浸硫層(不図示)が形成される。その際、上記するように、金属部材Kの凹部G全体に亘って略均一な深さや強さを有する圧縮残留応力層Ha'が形成され、金属部材Kの凹部Gの表面が略均一に平滑化されているため、凹部Gの表面全体に亘って略均一な厚みDC等を有するナノカーボン炭素膜Cを形成することができ、ナノカーボン炭素膜Cの表面の表面粗さを確実に低減することができるとともに、ナノカーボン炭素膜Cを窒化層Hbの表面に確実に定着させることができる。
なお、上記するように、金属部材Kの凹部G以外の表面に混合ショットSを投射して金属部材Kの凹部G以外の表層に所望の圧縮残留応力が付与されている場合には、上記する工程により金属部材Kの凹部G以外の表面にも所望の厚みを有するナノカーボン炭素膜を形成することができる。
したがって、たとえばこの金属部材Kを金型として適用する場合には、成形品の金属部材Kへの焼き付きを抑制して離型抵抗を低減することができるとともに、離型効果を長期に亘って維持することができ、成形品の品質を格段に高めることができるとともに、成形品の成形効率を格段に高めることができる。
なお、混合ショットSが凹部G内に配置された金属部材Kを相対的に低い周波数且つ相対的に大きい振幅で加振して金属部材の凹部表層に圧縮残留応力を付与する(図2で示す工程)前に、前記混合ショットSが凹部G内に配置された金属部材Kを相対的に高い周波数且つ相対的に小さい振幅で加振すれば、上記するように、相対的に小さい粒径を有するショットS2を金属部材Kの凹部G表面と衝接させることができるため、ショットブラストの効果で説明したように金属部材Kの凹部G表面の付着物(異物や錆等)を予め除去することもできる。
[検査用試料による金属部材の圧縮残留応力強さと圧縮残留応力深さと表面粗さを測定した実験とその結果]
本発明者等は、それぞれ異なる表面処理方法を用いて表面処理を施した9種類の検査用試料(実施例、比較例1〜8)を作製し、それぞれの検査用試料に対して圧縮残留応力強さ測定と圧縮残留応力深さ測定と表面粗さ測定を実施した。なお、圧縮残留応力深さの測定方法としては、X線回折法により結晶欠陥または結晶歪みを測定して圧縮残留応力層の深さを算出した。
[実施例]
まず、実施例の検査用試料の表面処理方法を概説すると、側面同士の間隔(幅)が3.0mm、深さが80mmの凹部が形成された金属部材(SKD61材)と200〜300μmの範囲内の粒径を有する複数の大径ショット(鉄製)と40〜75μmの範囲内の粒径を有する複数の小径ショット(鉄製)からなる混合ショットを用意し、金属部材に形成された前記凹部内に混合ショットを配置し、加振装置を用いて当該金属部材を所定雰囲気下で加振周波数が40Hz(低周波)、振幅が8.0mmで所定時間加振した後、その金属部材を加振周波数が4kHz(高周波)、振幅が1.0mmで所定時間加振した。なお、加振の際には、金属部材に形成された凹部の側面同士の中央を通って凹部の深さ方向へ延びる中心線を振幅中心とした。
[比較例1]
比較例1の検査用試料の表面処理方法を概説すると、実施例の検査用試料と同様の金属部材と混合ショットを用意し、金属部材に形成された凹部に混合ショットを配置し、加振装置を用いて前記金属部材を所定雰囲気下で加振周波数が40Hz(低周波)、振幅が8.0mmで所定時間加振した。
[比較例2]
比較例2の検査用試料の表面処理方法を概説すると、実施例の検査用試料と同様の金属部材と混合ショットを用意し、金属部材に形成された凹部に混合ショットを配置し、加振装置を用いて前記金属部材を所定雰囲気下で加振周波数が4kHz(高周波)、振幅が1.0mmで所定時間加振した。
[比較例3]
比較例3の検査用試料の表面処理方法を概説すると、側面同士の間隔(幅)が3.0mm、深さが80mmの凹部が形成された金属部材(SKD61材)と200〜300μmの範囲内の粒径を有する複数の大径ショット(鉄製)を用意し、金属部材に形成された前記凹部内にその大径ショットを配置し、加振装置を用いて前記金属部材を所定雰囲気下で加振周波数が40Hz(低周波)、振幅が8.0mmで所定時間加振した後、その金属部材を加振周波数が4kHz(高周波)、振幅が1.0mmで所定時間加振した。
[比較例4]
比較例4の検査用試料の表面処理方法を概説すると、比較例3の検査用試料と同様の金属部材と大径ショットを用意し、金属部材に形成された凹部に大径ショットを配置し、加振装置を用いて前記金属部材を所定雰囲気下で加振周波数が40Hz(低周波)、振幅が8.0mmで所定時間加振した。
[比較例5]
比較例5の検査用試料の表面処理方法を概説すると、比較例3の検査用試料と同様の金属部材と大径ショットを用意し、金属部材に形成された凹部に大径ショットを配置し、加振装置を用いて前記金属部材を所定雰囲気下で加振周波数が4kHz(高周波)、振幅が1.0mmで所定時間加振した。
[比較例6]
比較例6の検査用試料の表面処理方法を概説すると、側面同士の間隔(幅)が3.0mm、深さが80mmの凹部が形成された金属部材(SKD61材)と40〜75μmの範囲内の粒径を有する複数の小径ショット(鉄製)を用意し、金属部材に形成された前記凹部内にその小径ショットを配置し、加振装置を用いて前記金属部材を所定雰囲気下で加振周波数が40Hz(低周波)、振幅が8.0mmで所定時間加振した後、その金属部材を加振周波数が4kHz(高周波)、振幅が1.0mmで所定時間加振した。
[比較例7]
比較例7の検査用試料の表面処理方法を概説すると、比較例6の検査用試料と同様の金属部材と小径ショットを用意し、金属部材に形成された凹部に小径ショットを配置し、加振装置を用いて前記金属部材を所定雰囲気下で加振周波数が40Hz(低周波)、振幅が8.0mmで所定時間加振した。
[比較例8]
比較例8の検査用試料の表面処理方法を概説すると、比較例6の検査用試料と同様の金属部材と小径ショットを用意し、金属部材に形成された凹部に小径ショットを配置し、加振装置を用いて前記金属部材を所定雰囲気下で加振周波数が4kHz(高周波)、振幅が1.0mmで所定時間加振した。
[検査用試料による金属部材の圧縮残留応力強さと圧縮残留応力深さと表面粗さを測定した結果]
表1は、実施例、比較例1〜8の検査用試料による金属部材の圧縮残留応力強さと圧縮残留応力深さと表面粗さを測定した結果である。ここで、金属部材の凹部表層に形成される圧縮残留応力層の圧縮残留応力深さが30μm以上且つ圧縮残留応力強さが-400MPa以下である場合に、金属部材の表面に形成されるナノカーボン炭素膜の厚みが10μm以上となり、そのナノカーボン炭素膜の耐久性が高められることが本発明者等によって確認されているため、表中、圧縮残留応力深さが30μm以上である場合を「○」、圧縮残留応力深さが30μmよりも小さい場合を「×」と表記し、圧縮残留応力強さが-400MPa以下である場合を「○」、圧縮残留応力強さが-400MPaよりも大きい場合を「×」と表記した。また、金属部材の凹部表面の表面粗さ(中心線平均粗さ)Raが0.3μm以下である場合に、金属部材の表面に形成されるナノカーボン炭素膜が平滑化され、ナノカーボン炭素膜と成形品の密着力が低減されることが本発明者等によって確認されているため、表中、表面粗さRaが0.3μm以下である場合を「○」、表面粗さRaが0.3μmよりも大きい場合を「×」と表記した。
Figure 2013230536
表1で示すように、40〜75μmの範囲内の粒径を有する小径ショットのみを使用した比較例6〜8の検査用試料では、表面粗さRaを0.3μm以下まで低減できるものの、金属部材の凹部表面に十分な結晶欠陥や結晶歪みを形成することができず、圧縮残留応力層の圧縮残留応力深さを30μm以上にすることができないことが確認された。
また、200〜300μmの範囲内の粒径を有する大径ショットを使用した実施例と比較例1〜5のうち加振周波数が4kHz(高周波)、振幅が1.0mmで加振した比較例2と比較例5の検査用試料でも、表面粗さRaを0.3μm以下まで低減できるものの、大径ショットを金属部材の凹部表面に十分に衝接させることができず、その金属部材の凹部表面に十分な結晶欠陥や結晶歪みを形成することができず、圧縮残留応力層の圧縮残留応力深さを30μm以上にすることができないことが確認された。
また、200〜300μmの範囲内の粒径を有する大径ショットのみを使用し、少なくとも加振周波数が40Hz(低周波)、振幅が8.0mmで加振した比較例3と比較例4の検査用試料では、圧縮残留応力層の深さが30μm以上且つ圧縮残留応力強さが-400MPa以下とすることができるものの、大径ショットが金属部材の凹部表面と衝接し、表面粗さRaが0.3μmよりも大きくなることが確認された。
さらに、大径ショットと小径ショットを混合した混合ショットを使用した場合であっても、加振周波数が40Hz(低周波)、振幅が8.0mmで加振した比較例1の検査用試料では、圧縮残留応力層の深さが30μm以上且つ圧縮残留応力強さが-400MPa以下とすることができるものの、小径ショットによる研磨効果を発揮させることができず、表面粗さRaが0.3μmよりも大きくなることが確認された。
一方で、実施例の検査用試料では、金属部材の凹部表層に形成される圧縮残留応力層の深さを30μm以上且つ圧縮残留応力強さを-400MPa以下とすることができるとともに、金属部材の凹部表面の表面粗さRaを0.3μm以下まで低減できることが確認された。
この実験結果より、金属部材に形成された凹部内に相対的に大きい粒径を有する大径ショットと相対的に小さい粒径を有する小径ショットからなる混合ショットを配置し、前記金属部材を相対的に低い加振周波数且つ相対的に大きい振幅で加振し、その金属部材を相対的に高い加振周波数且つ相対的に小さい振幅で連続的に加振するという簡便な方法によって、金属部材の凹部の表層に形成される圧縮残留応力層の深さや強さを確保しながら、金属部材の凹部表面の表面粗さを低減できることが実証された。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
C…ナノカーボン炭素膜、K…金属部材、G…金属部材の凹部、Ga、Gb…凹部の側面、Gc…凹部の底面、H…凹部の表層、Ha…圧縮残留応力層、Hb…窒化層、L…凹部の中心線、S…混合ショット、S1…相対的に大きい粒径を有するショット(大径ショット)、S2…相対的に小さい粒径を有するショット(小径ショット)

Claims (3)

  1. 凹部を有する金属部材の表面処理方法であって、
    異なる粒径を有する複数のショットを含む混合ショットが凹部内に配置された金属部材を、相対的に低い周波数且つ相対的に大きい振幅で加振して金属部材の凹部表層に圧縮残留応力を付与し、相対的に高い周波数且つ相対的に小さい振幅で加振して金属部材の凹部表面を平滑化する表面処理方法。
  2. 金属部材の凹部表面を平滑化した後に、金属部材の凹部表層に窒化層が形成される窒化条件下で有機ガスとともに金属部材を熱処理することによって、金属部材の凹部表層に窒化層を形成しながらその窒化層の表面に、カーボンナノコイル、カーボンナノチューブ、およびカーボンナノフィラメントからなる群から選択される少なくとも一種のナノカーボン類を含むナノカーボン炭素膜を形成する請求項1に記載の表面処理方法。
  3. 前記表面処理方法を乾式もしくは湿式で実施する請求項1に記載の表面処理方法。
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