JP2013230127A - みりん - Google Patents

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Abstract

【課題】アルコールカドが緩和されたみりんおよびその製造方法の提供。
【解決手段】飲食品への添加が許容されるD−グルタミン酸、D−プロリンなどの、D−アミノ酸またはその塩を含有させることによって、「煮切り」処理を行わず、アルコールカドが緩和されたみりんとする。
【選択図】なし

Description

本発明は、みりんに関し、さらに詳細にはD−アミノ酸またはその塩を含有させてなるみりんに関する。
みりんは、飲食品に使用した際に、好ましい香味の付与、甘味、うま味の付与、てり、つやの付与、臭みのマスキング、煮崩れ防止、調味成分の食材への浸透性向上等の様々な調理効果を奏する調味料として知られている。
これらの調理効果のうち、煮崩れ防止効果や調味成分の食材への浸透性向上効果はみりん中に含まれるアルコールによるところが大きい。また、アルコールの揮発とともに各種成分も揮発するので、酢カド等のカドの緩和や、「だし」の風味向上(だし感の向上)などの効果も認められる。
このようにみりん中のアルコールは好ましい効果を示すが、一方でアルコールによるアルコールカド(突出したアルコール感、アルコールによる苦味などのアルコールのネガティブな風味)が好まれない飲食品もある。このような飲食品にみりんを用いる場合、みりんをあらかじめ加熱してアルコール含有量を低減させる操作、いわゆる「煮切り」を行った後に用いられることが多い(例えば、特許文献1参照)。
「煮切り」はみりんを加熱して行われるため、結果としてみりんが濃縮されることとなり、うま味や甘味が強化されるという長所がある。しかし、その反面、アルコールの低減によりアルコールによるさまざまな好ましい効果も失われることとなる。
このため、煮切り操作を行わなくとも、飲食品へのアルコールの影響が少ないみりんが望まれている。
特開2001−231536号公報
本発明は、アルコールカドが緩和されたみりんおよび該みりんの製造方法を提供することをその目的とする。
本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)D−アミノ酸またはその塩を含有させてなる、みりん。
(2)D−アミノ酸またはその塩をみりんに含有させる工程を含む、みりんの製造方法。
本発明によれば、「煮切り」処理を行わず、アルコールカドが緩和されたみりんを提供することができる。
発明の具体的説明
みりん
本発明のみりんは、D−アミノ酸またはその塩を含有させてなるみりんである。
本発明のみりんに含有させるD−アミノ酸は、飲食品への添加が許容されるD−アミノ酸であれば、特に制限はないが、例えば、D−オルニチン、D−メチオニン、D−フェニルアラニン、D−グルタミン、D−ヒスチジン、D−リジン、D−アスパラギン酸、D−トリプトファン、D−アスパラギン、D−トレオニン、D−バリン、D−プロリン、D−ロイシン、D−アラニン、D−グルタミン酸、D−アルギニン、D−システイン、D−イソロイシン、D−セリン、またはD−チロシンが挙げられ、好ましくは、D−グルタミン酸、D−プロリン、D−アラニン、D−アスパラギン酸、D−バリン、D−グルタミン、D−ヒスチジン、D−ロイシン、またはD−トリプトファンが挙げられ、より好ましくはD−グルタミン酸、D−プロリン、またはD−アラニンが挙げられ、さらに好ましくはD−グルタミン酸が挙げられる。
D−アミノ酸の塩は、飲食品への添加が許容される塩であれば特に制限はなく、例えば、酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩、アミノ酸付加塩等が挙げられる。
酸付加塩としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩、乳酸塩、α−ケトグルタル酸塩、グルコン酸塩、カプリル酸塩等の有機酸塩が挙げられる。金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等が挙げられる。アンモニウム塩としては、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム等の塩が挙げられる。有機アミン付加塩としては、モルホリン、ピペリジン等の塩が挙げられる。アミノ酸付加塩としては、グリシン、フェニルアラニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸等の塩が挙げられる。
本発明ではD−アミノ酸またはその塩を単独で用いてもよいが、二種以上を組み合わせて用いてもよい。二種以上を組み合わせて用いる場合は、各D−アミノ酸をどのように組み合わせてもよい。D−アミノ酸の組み合わせに含まれるアミノ酸の一または二以上をそのアミノ酸の塩と置き換えて組み合わせてよく、もしくはそのアミノ酸の塩を追加してもよい。
本発明のみりんに含有させるD−アミノ酸は、好ましくはD−グルタミン酸、D−プロリン、D−アラニン、D−アスパラギン酸、D−バリン、D−グルタミン、D−ヒスチジン、D−ロイシン、およびD−トリプトファンからなる群から選択される一種または二種以上であり、より好ましくはD−グルタミン酸、D−プロリン、およびD−アラニンからなる群から選択される一種または二種以上である。
本発明のみりんに含有させるD−アミノ酸またはその塩の含有量は、本発明の効果を奏する限り特に限定されるものではないが、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005〜1質量%、さらに好ましくは0.05〜1質量%、より一層好ましくは0.01〜0.5質量%、さらに一層好ましくは0.01〜0.1質量%、特に好ましくは0.05〜0.1質量%である。
複数のD−アミノ酸またはその塩がみりんに含有する場合には、上記D−アミノ酸またはその塩の含有量は、D−アミノ酸またはその塩の合計量を表す。
みりん中のD−アミノ酸またはその塩の含有量は、例えば、ガスクロマトグラフィー(分析方法については、例えばH.Frank,G.J.Nicholson,E.Bayer: J.Chromatogr.Sci.,15,174(1977)Rapid gas chromatographic separation of amino acid enantiomers with a novel chiral stationary phaseに記載の方法が挙げられる)によって特定することができる。
上述のD−アミノ酸を含有させるみりんは、通常のみりんを用いることができる。ここで、通常のみりんとは、酒税法に定められるみりんであり、米および米こうじに焼酎またはアルコールを加えてこしたもの、米、米こうじおよび焼酎またはアルコールにみりんその他政令で定める物品を加えてこしたもの、みりんに焼酎またはアルコールを加えたもの、みりんにみりん粕を加えて、こしたもののいずれかであって、かつアルコール分が1%以上15%未満のものである。
本発明のみりん中には、本発明の効果を奏するのに妨げとならない限り、本発明のみりんに含有させるD−アミノ酸またはその塩以外のL体のグルタミン酸ナトリウム、グリシン、アラニン等のアミノ酸類、カリウム、マグネシウム等の無機塩、アスコルビン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、脂肪酸等のカルボン酸等の酸、イノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウム等の核酸、ショ糖、ブドウ糖、乳糖等の糖類、蛋白質加水分解物等の天然調味料、畜肉エキス等のエキス類、スパイス類、ハーブ類等の香辛料、デキストリン、各種澱粉等の賦形剤等、飲食品に使用可能な添加物を含有してもよい。
本発明のみりんの好ましい態様によれば、D−グルタミン酸を0.005〜0.05質量%含有させてなるみりんが提供される。
みりんに上記のD−アミノ酸またはその塩を含有させることにより、みりんのアルコールカドを緩和することできる。また、上記のD−アミノ酸またはその塩を含有させたみりんを飲食品に含有させる、またはD−アミノ酸またはその塩と、通常のみりんと別々に飲食品に含有させることにより、アルコールカドがなく、また「煮切り」処理により失われる飲食品へ添加した場合の「だし感向上効果」を維持することができる。
本発明の別の態様によれば、みりんとD−アミノ酸またはその塩とを含有させてなる、みりん入り飲食品を提供することができる。本発明のみりん入り飲食品は、みりんとD−アミノ酸またはその塩を別々に飲食品に添加して製造しても、本発明のみりんを飲食品に添加して製造してもよい。みりんと、D−アミノ酸またはその塩とを含有させることができる飲食品としては、例えば、照り焼き、漬け焼き、オムレツ、焼きハンバーク、しょうが焼きなどの焼き物、すき焼き、おでんなどの鍋物、煮付け、佃煮シチュー、スープ、カレー、煮込みハンバーグ、角煮などの煮物、竜田揚げ、大学芋フライ、唐揚げなどの揚げ物、焼きそば、酢豚などの炒め物、シュウマイなどの蒸し物、親子丼、カツ丼、炊き込みご飯などのご飯物、ラーメンなどの麺類、めんつゆ、みたらしだれなどのつゆ・たれ物など、カステラなどの菓子類が挙げられる。
本発明のみりんを含有させた飲食品中に含有させるD−アミノ酸またはその塩の含有量は、本発明の効果を奏する限り特に限定されるものではないが、例えば、飲食品に対して、好ましくは0.000001〜0.5質量%であり、より好ましくは0.00001〜0.3質量%であり、さらに好ましくは0.0001〜0.1質量%である。
本発明のみりんは、下記のみりんの製造方法によって製造されてもよいが、それに限定されるものではなく、みりんにD−アミノ酸またはその塩を含有させることができればいかなる方法で製造されてもよい。
みりんの製造方法
本発明のみりんの製造方法は、D−アミノ酸またはその塩をみりんに含有させる工程を含む方法により製造することができる。該製造方法において含有させるD−アミノ酸またはその塩は、上記の本発明のみりんに用いられるD−アミノ酸またはその塩であってよく、またD−アミノ酸またはその塩をみりんに含有させる量は、上記本発明のみりんに含有させるD−アミノ酸またはその塩の含有量となる量であってよい。D−アミノ酸またはその塩をみりんに含有させる工程とは、みりんに該D−アミノ酸またはその塩を添加してもよく、該D−アミノ酸またはその塩にみりんを添加してもよい。例えば、該D−アミノ酸またはその塩が既に存在する容器等に、みりんを加える態様も含まれる。
D−アミノ酸またはその塩を、みりんに含有させる時期は、本発明の効果を奏する限り限定されるものではなく、みりんの製造工程のいずれの時期に含有させてもよいし、製造後のみりんに、D−アミノ酸またはその塩を含有させてもよいが、例えば、米、米麹、アルコール等のみりんの原料にあらかじめD−アミノ酸またはその塩を加え、常法に準じて糖化および熟成を行ってみりんを製造してもよいし、該みりんの製造工程のいずれかの工程、例えば、もろみ製造工程、糖化および熟成工程においてD−アミノ酸またはその塩を含有させてもよく、また製造後のみりんにD−アミノ酸またはその塩を含有させてもよい。
本発明のみりんの製造工程において含有させるD−アミノ酸は、D−アミノ酸の既存の製造方法、例えば、特開平11−103887号公報に記載された方法に従って、D、L−アミノ酸に、Crotalus adamanteus由来のL−アミノ酸酸化酵素を作用させて該D、L−アミノ酸中のL−アミノ酸をオキソ酸に分解し、残存するD−アミノ酸を分離して調製して得てもよいが、市販のものを用いてもよい。
みりんにD−アミノ酸またはその塩を含有させる方法としては、D−アミノ酸またはその塩自体を含有させる方法の他に、みりんの製造工程中にD−アミノ酸に変換する物質を加える方法も挙げられる。例えば、みりん製造中、またはみりん製造後にアミノ酸ラセマーゼを作用させて、みりん中にD−アミノ酸を含有させる方法が挙げられる。また、D−アミノ酸またはその塩をみりんに加え、更にみりんの製造工程中にD−アミノ酸に変換する物質を加えて、例えば、アミノ酸ラセマーゼを作用させ、みりん中に存在するD−アミノ酸またはその塩の含有量を増加させることができる。
また、本発明の別の態様によれば、みりんおよびD−アミノ酸またはその塩を含有させる工程を含む、みりん入り飲食品の製造方法を提供することができる。みりん入り飲食品を製造するためには、本発明のみりんを飲食品に含有させても、あるいはD−アミノ酸またはその塩と通常のみりんとを別々に飲食品に含有させてもよく、別々に含有させる場合にはD−アミノ酸またはその塩およびみりんのいずれかを先に含有させ、他方を後に含有させても良い。このように飲食品を製造することにより、アルコールカドがなく、また「煮切り」処理により失われる、飲食品へ添加した場合の「だし感向上効果」を維持した飲食品を提供することができる。みりん入り飲食品を製造するために用いられる飲食品は、上記のみりんと、D−アミノ酸またはその塩とを含有できる飲食品であってもよい。
みりんのアルコールカド緩和方法
本発明の別の態様によれば、D−アミノ酸またはその塩を、みりんに含有させる、みりんのアルコールカド緩和方法が提供される。ここで、アルコールカドとは、突出したアルコール感、アルコールによる苦味などのアルコールのネガティブな風味であり、例えばエタノールが関与するものである。
D−アミノ酸またはその塩を、みりんに含有させることにより、みりんのアルコールカドを緩和することができる。また、D−アミノ酸またはその塩を含有させてなるみりんを飲食品に含有させることにより、アルコールカドがなく、また「煮切り」処理により失われる、飲食品へ添加した場合の「だし感向上効果」を維持することができる。
本発明のアルコールカド緩和方法におけるD−アミノ酸またはその塩をみりんに含有させる方法は、本発明のみりんの製造方法に準じて含有させることができる。すなわち、D−アミノ酸またはその塩を含有させる時期、含有させる量は、本発明のみりんの製造方法と同じあってよい。また、D−アミノ酸またはその塩を含有させる態様についても、本発明のみりんの製造方法と同じであってもよく、みりん製造中、またはみりん製造後にアミノ酸ラセマーゼを作用させて、みりん中にD−アミノ酸を含有させることも含まれる。さらに、本発明のアルコールカド緩和方法は、D−アミノ酸またはその塩を含有させてなるみりんを、飲食品に含有させてなる飲食品のアルコールカド緩和方法であってもよい。また、該飲食品中に含まれるD−アミノ酸またはその塩、およびその含有量は、上記のみりんとD−アミノ酸またはその塩とを含有できる飲食品に含まれるD−アミノ酸またはその塩、およびその含有量と同じであってよい。また、該飲食品は、上記のみりんと、D−アミノ酸またはその塩とを含有できる飲食品であってもよい。
みりんのアルコールカド緩和剤
本発明の別の態様によれば、D−アミノ酸またはその塩を有効成分として含有するみりんのアルコールカド緩和剤が提供される。
本発明のアルコールカド緩和剤を用いることにより、みりんのアルコールカドを緩和させることができ、またみりんのアルコールカドが好まれない飲食品に用いることができる。また、該飲食品中に含まれるD−アミノ酸またはその塩、およびその含有量は、上記の上記のみりんとD−アミノ酸またはその塩とを含有できる飲食品に含まれるD−アミノ酸またはその塩、およびその含有量と同じであってよい。また、該飲食品は、上記のみりんと、D−アミノ酸またはその塩とを含有できる飲食品であってもよい。
また、本発明のアルコールカド緩和剤に含まれるD−アミノ酸またはその塩、およびその含有量は、上記の本発明のみりんに含まれるD−アミノ酸またはその塩、およびその含有量と同じであってよい。
本発明の別の態様によれば、上記のみりんとD−アミノ酸またはその塩とを含有させてなる飲食品のアルコールカド緩和剤が提供される。みりんとD−アミノ酸またはその塩とを飲食品に含有させることにより、飲食品のアルコールカドを緩和することができる。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下、「%」とある場合には、いずれも質量%を表す。
実施例1
以下に示したD-アミノ酸について、それぞれ1質量%の水溶液を調製し、pH6.0に調整した。
[評価したD−アミノ酸(その3文字表記)]
D−グルタミン酸(Glu)
D−プロリン(Pro)
D−アラニン(Ala)
D−グルタミン(Gln)
D−ヒスチジン(His)
D−アスパラギン酸(Asp)
D−トリプトファン(Trp)
D−バリン(Val)
D−ロイシン(Leu)
市販のみりんに、上記D−アミノ酸を添加し、それぞれのD−アミノ酸の添加量が、みりんに対して、最終濃度として0.05質量%となるように添加した。
得られた各みりんの、アルコールカド(突出したアルコール感やアルコールによる苦味などのアルコールによるネガティブな風味)の強さについて官能評価を行った。評価は、D−アミノ酸を添加しないみりんのアルコールカドを4点とする7点評点法により、3名のパネラーにより行った。
スコア(評点)が高ければアルコールカドが強く、スコアが低ければアルコールカドが弱いことを意味する。
評価結果を下記表1に示す。
Figure 2013230127
上記表1に示すとおり、D−グルタミン酸、D−プロリン、またはD−アラニンを添加して得られたみりんは、アルコールカドが特に緩和されたものであった。
実施例2
実施例1においてアルコールカドの緩和効果の高かったD−グルタミン酸、およびその光学異性体であるL−グルタミン酸を、下記表2に記載の濃度となるようにみりんに添加した。
得られた各みりんのアルコールカドについて、実施例1記載の方法に準じて、D−アミノ酸およびL−アミノ酸を添加しないみりんのアルコールカドを4点とする7点評点法により、官能評価を行った。
Figure 2013230127
上記表2に示すとおり、D−グルタミン酸を添加されたみりんは、アルコールカドの緩和されたものであり、またみりんとしての味のバランスに優れ、みりんとして好ましいものであった。比較区3は、みりんとしての味のバランスが崩れ、みりんとして好ましいものではなかった。
実施例3
実施例1で使用した市販のみりん、およびD−グルタミン酸を0.33質量%含有するみりんを、それぞれめんつゆ(ヒガシマル薄口醤油15質量%、キリン協和フーズ製素だし5質量%、水65質量%、食塩濃度2.5%)に対して15質量部添加し、下記表3に記載の濃度となるようにめんつゆに添加した。また、L−グルタミン酸を0.33質量%含有するみりんを調製し、これを用いる以外はD−グルタミン酸の場合と同様の操作を行ってL−グルタミン酸を含有するめんつゆを得た。
また、ここで使用したみりんを、それぞれのみりん中のアルコール濃度が5質量%未満となるように、80℃で60分間加熱することで「煮切り」を行った。
該煮切り操作後、得られたみりんを、めんつゆ(ヒガシマル薄口醤油15質量%、キリン協和フーズ製素だし5質量%、水65質量%、食塩濃度2.5%)に対して15質量部添加した。
得られたそれぞれのみりんのアルコールカドの強さについて、実施例1記載の方法に準じて、D−アミノ酸およびL−アミノ酸を添加しないみりんのアルコールカドを4点とする7点評点法により、官能評価した。
また、それぞれのめんつゆの、だし感(醤油等を含む香りのボリューム感)についても官能評価した。だし感の評価は、煮切りを行わず、D−アミノ酸およびL−アミノ酸を添加しないみりんのだし感を4点とする7点評点法により、3名のパネラーにより行った。
スコア(評点)が高ければだし感が強く、スコアが低ければだし感が弱いことを意味する。
結果を下記表3に示す。
Figure 2013230127
上記表3に示すとおり、煮切り操作を行ったみりんを用いためんつゆは、いずれもアルコールカドの少ないものであったが、同時にだし感も低下していた。
これに対して、煮切り操作を行わなかったみりんを用いためんつゆでは、D−グルタミン酸を添加したみりんにおいてアルコールカドの緩和が認められた。一方で、L−グルタミン酸を添加したみりんにおいては、アルコールカドの緩和は認められなかった。

Claims (2)

  1. D−アミノ酸またはその塩を含有させてなる、みりん。
  2. D−アミノ酸またはその塩をみりんに含有させる工程を含む、みりんの製造方法。
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