JP2013229499A5 - - Google Patents
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Description
III族窒化物半導体とは、III-V族半導体においてV族元素として窒素を用いた半導体である。窒化アルミニウム(AlN)、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウム(InN)が代表例である。一般には、AlXInYGa1−X−YN(0≦X≦1,0≦Y≦1,0≦X+Y≦1)と表わすことができる。
このような窒化物半導体を用いたHEMT(高電子移動度トランジスタ)が提案されている。このようなHEMTは、たとえば、GaNからなる電子走行層と、この電子走行層上にエピタキシャル成長されたAlGaNからなる電子供給層とを含む。電子供給層に接するように一対のソース電極およびドレイン電極が形成され、それらの間にゲート電極が配置される。ゲート電極は、電子走行層に対向するように配置され、電子供給層にショットキ接合している。電子走行層内において、電子走行層と電子供給層とのヘテロ接合界面から数Åだけ内方の位置には、二次元電子ガスが形成される。窒化物半導体を用いたHEMTでは、GaNとAlGaNとの格子不整合に起因する分極によるキャリヤも二次元電子ガスの形成に寄与する。この二次元電子ガスをチャネルとして、ソース・ドレイン間が接続される。ゲート電極に制御電圧を印加することで、ショットキ接合による空乏層を広げて二次元電子ガスを遮断すると、ソース・ドレイン間が遮断される。ゲート電極に制御電圧を印加していない状態では、ソース・ドレイン間が導通するので、ノーマリオン型のデバイスとなる。
このような窒化物半導体を用いたHEMT(高電子移動度トランジスタ)が提案されている。このようなHEMTは、たとえば、GaNからなる電子走行層と、この電子走行層上にエピタキシャル成長されたAlGaNからなる電子供給層とを含む。電子供給層に接するように一対のソース電極およびドレイン電極が形成され、それらの間にゲート電極が配置される。ゲート電極は、電子走行層に対向するように配置され、電子供給層にショットキ接合している。電子走行層内において、電子走行層と電子供給層とのヘテロ接合界面から数Åだけ内方の位置には、二次元電子ガスが形成される。窒化物半導体を用いたHEMTでは、GaNとAlGaNとの格子不整合に起因する分極によるキャリヤも二次元電子ガスの形成に寄与する。この二次元電子ガスをチャネルとして、ソース・ドレイン間が接続される。ゲート電極に制御電圧を印加することで、ショットキ接合による空乏層を広げて二次元電子ガスを遮断すると、ソース・ドレイン間が遮断される。ゲート電極に制御電圧を印加していない状態では、ソース・ドレイン間が導通するので、ノーマリオン型のデバイスとなる。
請求項8記載の発明は、前記AlN層の厚さが1nm〜5nmであり、前記電子供給層の厚さが1nm〜40nmである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の窒化物半導体装置である。AlN層の厚さが5nmを超えると、オーミック電極を二次元電子ガスにオーミック接触させることが困難になる。また、電子供給層の全体の厚さが40nmを超えると、オーミック電極と二次元電子ガスとのオーミック接触が困難になるおそれがある。
請求項11記載の発明は、窒化物半導体からなる電子走行層を形成する工程と、前記電子走行層に接するAlN層を有し、Alを含むとともに前記電子走行層とはAl組成が異なる窒化物半導体からなる電子供給層を前記電子走行層に積層して形成する工程と、前記電子供給層上に、Ti層、Si層、Al層およびMo層を順に積層して積層電極膜を形成する工程と、前記積層電極膜を熱処理して、ソース電極およびドレイン電極としてのオーミック電極を形成する工程と、前記ソース電極および前記ドレイン電極の間に、前記電子走行層に対向するゲート電極を形成する工程とを含む、窒化物半導体装置の製造方法である。
前記積層電極膜を形成する工程は、前記電子供給層上に、Ti層、第1Si層、Al層、第2Si層およびMo層を順に積層して前記積層電極膜を形成する工程であってもよい。すなわち、積層電極膜は、Al層とMo層との間にもSi層を有していてもよい。
前記AlN層の厚さは、1nm〜5nmとすることが好ましく、また、前記電子供給層の全体の厚さは1nm〜40nmとすることが好ましい。
前記AlN層の厚さは、1nm〜5nmとすることが好ましく、また、前記電子供給層の全体の厚さは1nm〜40nmとすることが好ましい。
請求項15記載の発明は、前記電子供給層の表面を覆うパッシベーション膜を形成する工程をさらに含み、前記ゲート電極が、前記パッシベーション膜に形成された開口内に配置されたゲート本体部と、前記ゲート本体部に連続し前記開口外の前記パッシベーション膜の表面上において前記ドレイン電極に向かって所定のフィールドプレート長に渡って延びたフィールドプレート部とを有し、前記フィールドプレート長が前記ゲート本体部と前記ドレイン電極との間の距離の1/6以上1/2以下であるように形成される、請求項11〜14のいずれか一項に記載の窒化物半導体装置の製造方法である。この方法により、請求項10に記載した構成の窒化物半導体装置を作製できる。
請求項16記載の発明は、窒化物半導体からなる電子走行層と、前記電子走行層に積層され、Alを含むとともに前記電子走行層とはAl組成が異なる窒化物半導体からなり、前記電子走行層に接するAlN層を有する電子供給層と、前記電子供給層上に互いに間隔を開けて形成されたソース電極およびドレイン電極と、前記ソース電極および前記ドレイン電極の間に配置され、前記電子走行層に対向するゲート電極とを含み、前記ゲート電極が、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間を分離する一定幅の帯状パターンに形成されている、窒化物半導体装置である。
請求項17記載の発明は、前記ゲート電極が、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間を分離するようにジグザグ形状に形成されている、請求項16に記載の窒化物半導体装置である。
請求項18記載の発明は、前記ゲート電極が、前記ドレイン電極よりも前記ソース電極に近い位置に形成されている、請求項16または17に記載の窒化物半導体装置である。
請求項19記載の発明は、前記ソース電極および前記ドレイン電極が、長手方向が平行な一対の矩形領域にそれぞれ形成されている、請求項16〜18のいずれか一項に記載の窒化物半導体装置である。
請求項16記載の発明は、窒化物半導体からなる電子走行層と、前記電子走行層に積層され、Alを含むとともに前記電子走行層とはAl組成が異なる窒化物半導体からなり、前記電子走行層に接するAlN層を有する電子供給層と、前記電子供給層上に互いに間隔を開けて形成されたソース電極およびドレイン電極と、前記ソース電極および前記ドレイン電極の間に配置され、前記電子走行層に対向するゲート電極とを含み、前記ゲート電極が、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間を分離する一定幅の帯状パターンに形成されている、窒化物半導体装置である。
請求項17記載の発明は、前記ゲート電極が、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間を分離するようにジグザグ形状に形成されている、請求項16に記載の窒化物半導体装置である。
請求項18記載の発明は、前記ゲート電極が、前記ドレイン電極よりも前記ソース電極に近い位置に形成されている、請求項16または17に記載の窒化物半導体装置である。
請求項19記載の発明は、前記ソース電極および前記ドレイン電極が、長手方向が平行な一対の矩形領域にそれぞれ形成されている、請求項16〜18のいずれか一項に記載の窒化物半導体装置である。
電子走行層3と電子供給層4とは、Al組成の異なるIII族窒化物半導体(以下単に「窒化物半導体」という。)からなっている。たとえば、電子走行層3は、GaN層からなっていてもよく、その厚さは、0.5μm程度であってもよい。電子供給層4は、この実施形態では、電子走行層3に接する第1層41と、第1層41に接する第2層42とを有している。第1層41は、AlN層からなっており、厚さは、たとえば、数原子厚程度(5nm以下。好ましくは1〜5nm、より好ましくは1〜3nm)である。第2層42は、この実施形態では、AlxGa1-xN層(0<x<1)からなっており、その厚さは、たとえば5−35nm(より具体的には20nm程度)である。電子供給層4の全体の厚さは、1−40nm程度が好ましい。
Claims (19)
- 窒化物半導体からなる電子走行層と、
前記電子走行層に積層され、Alを含むとともに前記電子走行層とはAl組成が異なる窒化物半導体からなり、前記電子走行層に接するAlN層を有する電子供給層と、
前記電子供給層上に互いに間隔を開けて形成され、Ti、Al、MoおよびSiを含むオーミック電極からなるソース電極およびドレイン電極と、
前記ソース電極および前記ドレイン電極の間に配置され、前記電子走行層に対向するゲート電極とを含む、窒化物半導体装置。 - 前記オーミック電極が、前記電子供給層側から順に、Ti組成のピーク、Al組成のピーク、Mo組成のピークが現れるように構成されている、請求項1に記載の窒化物半導体装置。
- 前記オーミック電極が、前記Ti組成のピークと前記Al組成のピークとの間にSi組成のピークが現れるように構成されている、請求項2に記載の窒化物半導体装置。
- 前記オーミック電極中におけるTi、AlおよびMoの各ピーク密度が1020cm−3以上であり、前記オーミック電極中におけるSiのピーク密度が1018cm−3以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の窒化物半導体装置。
- 前記電子供給層が、前記電子走行層と同じ組成の窒化物半導体からなるキャップ層を含み、前記キャップ層の上に前記オーミック電極からなるソース電極およびドレイン電極が形成されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の窒化物半導体装置。
- 前記キャップ層の厚さが16nm以下である、請求項5に記載の窒化物半導体装置。
- 前記ゲート電極直下の前記電子供給層が除去されており、前記ゲート電極が、前記電子供給層が除去された領域において前記電子走行層に接するゲート絶縁膜を介して前記電子走行層に対向している、請求項1〜6のいずれか一項に記載の窒化物半導体装置。
- 前記AlN層の厚さが1nm〜5nmであり、前記電子供給層の厚さが1nm〜40nmである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の窒化物半導体装置。
- 前記オーミック電極が、Auを含まない、請求項1〜8のいずれか一項に記載の窒化物半導体装置。
- 前記電子供給層の表面を覆うパッシベーション膜をさらに含み、
前記ゲート電極が、前記パッシベーション膜に形成された開口内に配置されたゲート本体部と、前記ゲート本体部に連続し前記開口外の前記パッシベーション膜の表面上において前記ドレイン電極に向かって所定のフィールドプレート長に渡って延びたフィールドプレート部とを有しており、前記フィールドプレート長が前記ゲート本体部と前記ドレイン電極との間の距離の1/6以上1/2以下である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の窒化物半導体装置。 - 窒化物半導体からなる電子走行層を形成する工程と、
前記電子走行層に接するAlN層を有し、Alを含むとともに前記電子走行層とはAl組成が異なる窒化物半導体からなる電子供給層を前記電子走行層に積層して形成する工程と、
前記電子供給層上に、Ti層、Si層、Al層およびMo層を順に積層して積層電極膜を形成する工程と、
前記積層電極膜を熱処理して、ソース電極およびドレイン電極としてのオーミック電極を形成する工程と、
前記ソース電極および前記ドレイン電極の間に、前記電子走行層に対向するゲート電極を形成する工程と
を含む、窒化物半導体装置の製造方法。 - 前記積層電極膜の形成および前記熱処理が、前記オーミック電極中におけるTi、AlおよびMoの各ピーク密度が1020cm−3以上となり、前記オーミック電極中におけるSiのピーク密度が1018cm−3以上となるように行われる、請求項11に記載の窒化物半導体装置の製造方法。
- 前記電子供給層を形成する工程が、前記電子走行層と同じ組成の窒化物半導体からなるキャップ層を形成する工程を含み、前記積層電極膜が前記キャップ層の上に形成される、請求項11または12に記載の窒化物半導体装置の製造方法。
- 前記ゲート電極直下の前記電子供給層を除去する工程と、
前記電子供給層が除去された領域において前記電子走行層に接するゲート絶縁膜を形成する工程とをさらに含み、
前記ゲート電極が前記ゲート絶縁膜を挟んで前記電子走行層に対向するように形成される、請求項11〜13のいずれか一項に記載の窒化物半導体装置の製造方法。 - 前記電子供給層の表面を覆うパッシベーション膜を形成する工程をさらに含み、
前記ゲート電極が、前記パッシベーション膜に形成された開口内に配置されたゲート本体部と、前記ゲート本体部に連続し前記開口外の前記パッシベーション膜の表面上において前記ドレイン電極に向かって所定のフィールドプレート長に渡って延びたフィールドプレート部とを有し、前記フィールドプレート長が前記ゲート本体部と前記ドレイン電極との間の距離の1/6以上1/2以下であるように形成される、請求項11〜14のいずれか一項に記載の窒化物半導体装置の製造方法。 - 窒化物半導体からなる電子走行層と、
前記電子走行層に積層され、Alを含むとともに前記電子走行層とはAl組成が異なる窒化物半導体からなり、前記電子走行層に接するAlN層を有する電子供給層と、
前記電子供給層上に互いに間隔を開けて形成されたソース電極およびドレイン電極と、
前記ソース電極および前記ドレイン電極の間に配置され、前記電子走行層に対向するゲート電極とを含み、
前記ゲート電極が、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間を分離する一定幅の帯状パターンに形成されている、窒化物半導体装置。 - 前記ゲート電極が、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間を分離するようにジグザグ形状に形成されている、請求項16に記載の窒化物半導体装置。
- 前記ゲート電極が、前記ドレイン電極よりも前記ソース電極に近い位置に形成されている、請求項16または17に記載の窒化物半導体装置。
- 前記ソース電極および前記ドレイン電極が、長手方向が平行な一対の矩形領域にそれぞれ形成されている、請求項16〜18のいずれか一項に記載の窒化物半導体装置。
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