JP2013228051A - 自動変速機 - Google Patents

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雅彦 安藤
Nobutada Sugiura
伸忠 杉浦
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Abstract

【課題】前進9速段及び後進1速段を達成しつつ、伝達効率の向上、エンジン縦置きの車両用とエンジン横置きの車両用との共通化、変速レシオ幅の拡大を可能にする。
【解決手段】自動変速機1は、入力軸12の入力回転を増速し得るプラネタリギヤSPと、速度線図上での並び順に従いサンギヤS1、リングギヤR1、キャリヤCR1、リングギヤR2、サンギヤS2を有するプラネタリギヤユニットPUと、サンギヤS1と入力軸12とを係合自在なクラッチC−5と、サンギヤS1とリングギヤR3とを係合自在なクラッチC−3と、リングギヤR1と入力軸12とを係合自在なクラッチC−1と、リングギヤR1とリングギヤR3とを係合自在なクラッチC−2と、サンギヤS2と入力軸12とを係合自在なクラッチC−4と、リングギヤR2を係止自在なブレーキB−1と、キャリヤCR1に連結された出力軸13と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば車両等に搭載される自動変速機に係り、詳しくは、増速回転を出力し得るプラネタリギヤと増速回転及び入力回転に基づき多段変速を達成するプラネタリギヤセットとを備えた自動変速機に関する。
近年、車両の燃費向上を図るために、車両に搭載される有段式自動変速機の多段化が進められている。このような有段式の自動変速機にあっては、増速回転を出力し得る増速プラネタリギヤと、増速回転及び入力回転に基づき多段変速を達成するプラネタリギヤセットとを備えたものが提案されている(特許文献1参照)。
この特許文献1のものは、第1〜第4要素の4要素からなるラビニヨ型プラネタリギヤのうち、第1及び第2要素(例えば図1〜図3では、S3,C2)に対して入力回転を2つのクラッチ(C−4,C−3)で入力自在にし、第1及び第4要素(例えば図1〜図3では、S3,S2)に対して増速プラネタリギヤからの増速回転を2つのクラッチ(C−2,C−1)で入力自在にすると共に、第2及び第4要素(例えば図1〜図3では、C2,S2)をそれぞれ2つのブレーキ(B−2,B−1)で係止自在にすることで、前進8速段及び後進1速段を達成している。
特許第4438247号公報
上記特許文献1のものは、上述のように2つのブレーキを有しているが、一方のブレーキ(B−2)は後進段を形成するためだけに設けられており、有効に活用されているとは言い難い。また、他方のブレーキ(B−1)は、前進1速段〜前進3速段に係止されるものであり、前進4速段以上の高速段では用いられていない。
一般にブレーキは、ケース等の非回転部材に係止する構造であるため、解放時にブレーキに接続される部材やその摩擦板が回転される際には、引き摺りが大きくなり易い。特にそのブレーキは前進1速段や後進段のように低速時に係止されるブレーキであると、大きなトルクを受け止めるために摩擦板の枚数が多くなり(摩擦材の総面積が大きくなり)、引き摺り量が大きくなり易い。従って、特許文献1の2つのブレーキは、前進4速段以上の高速段において比較的大きな引き摺りを生じる部位となっており、このような2箇所の引き摺り部位があることは、自動変速機の伝達効率向上の妨げになるという問題がある。
更に、特許文献1のように2つのブレーキを設けると、それらブレーキとケースとを連結する部材が2つ必要となり、プラネタリギヤセットから回転を出力する出力部材とそれらブレーキに連結される2つの部材との交錯について考慮する必要がある。即ち、プラネタリギヤセットから出力部材に部材を連結する際に、ブレーキに連結される2つの部材を跨ぐことはできないので、出力部材の配置位置が制限される。そのため、例えばエンジン縦置きの車両用(例えばFR車両用)の自動変速機をエンジン横置きの車両用(例えばFF車両用)の自動変速機に転用したり、反対にエンジン横置きの車両用の自動変速機をエンジン縦置きの車両用の自動変速機に転用したりすることが難しく、製造ラインの共通等を考慮すると、コストダウンの妨げになるという問題がある。
そして、特許文献1のようなプラネタリギヤセットの用い方では、ギヤのスプレッド(変速レシオ幅=最低変速段/最高変速段)を大きくし難く(例えば特許文献1の図2ではスプレッド5.624=3.538/0.629)、単に多段化を図ったとしても、ギヤのスプレッド(変速レシオ幅)を大きくしなければ、車速に対するエンジンの回転数使用領域の最適化が図り難くて燃費向上に繋がらないという問題がある。
そこで本発明は、少なくとも前進9速段及び後進1速段を達成しつつ、伝達効率の向上、エンジン縦置きの車両用とエンジン横置きの車両用との共通化、変速レシオ幅の拡大が可能な自動変速機を提供することを目的とするものである。
本発明に係る自動変速機(1)は(例えば図1乃至図13参照)、駆動源(2)に駆動連結される入力軸(12)と、
前記入力軸(12)の入力回転を増速して出力し得る増速回転要素(図1〜図12のR3,図13のCR3)を有するプラネタリギヤ(図1〜図12のSP,図13のSTP)と、
複数のプラネタリギヤの組合せからなり、速度線図上での並び順に従い第1、第2、第3、第4、及び第5回転要素(S1,R1,CR1,R2,S2)を有するプラネタリギヤセット(PU)と、
前記第1回転要素(図1〜図4のS1、図5〜図8のS2、図9〜図13のS2)と前記入力軸(12)とを係合自在な第1クラッチ(図1〜図8のC−5、図9〜図13のC−1)と、
前記第1回転要素(図1〜図4のS1、図5〜図8のS2、図9〜図13のS2)と前記増速回転要素(図1〜図12のR3,図13のCR3)とを係合自在な第2クラッチ(図1〜図8のC−3、図9〜図13のC−3)と、
前記第2回転要素(図1〜図4のR1、図5〜図8のR2、図9〜図13のR1)と前記入力軸(12)とを係合自在な第3クラッチ(図1〜図8のC−1、図9〜図13のC−5)と、
前記第2回転要素(図1〜図4のR1、図5〜図8のR2)又は前記第4回転要素(図9〜図13のCR1)と前記増速回転要素(図1〜図12のR3,図13のCR3)とを係合自在な第4クラッチ(図1〜図8のC−2、図9〜図13のC−2)と、
前記第5回転要素(図1〜図4のS2、図5〜図8のS1、図9〜図13のS1)と前記入力軸(12)とを係合自在な第5クラッチ(図1〜図8のC−4、図9〜図13のC−4)と、
前記第4回転要素(図1〜図4のR2、図5〜図8のR1、図9〜図13のCR1)を係止自在なブレーキ(B−1)と、
前記第3回転要素(図1〜図4のCR1、図5〜図8のCR1、図9〜図13のR2)に連結された出力部材(13,15)と、を備え、
前進9速段及び後進1速段を達成し得ることを特徴とする。
また、具体的に本発明に係る自動変速機(1,1)は(例えば図1乃至図4参照)、前記第4クラッチ(C−2)は、前記第2回転要素(R1)と前記増速回転要素(R3)とを係合自在であって、
前記プラネタリギヤセット(PU)は、第1サンギヤ(S1)と、第1リングギヤ(R1)と、第2サンギヤ(S2)と、第2リングギヤ(R2)と、前記第1サンギヤ(S1)に噛合する第1ショートピニオン(P1)、前記第2リングギヤ(R2)に噛合する第2ショートピニオン(P2)、前記第1ショートピニオン(P1)及び前記第1リングギヤ(R1)に噛合する小径部(PSTa)と前記第2ショートピニオン(P2)及び前記第2サンギヤ(S2)に噛合する大径部(PSTb)とを有するステップドピニオン(PST)、をそれぞれ回転自在に支持するキャリヤ(CR1)と、を有し、
前記第1回転要素が前記第1サンギヤ(S1)からなり、
前記第2回転要素が前記第1リングギヤ(R1)からなり、
前記第3回転要素が前記キャリヤ(CR1)からなり、
前記第4回転要素が前記第2リングギヤ(R2)からなり、
前記第5回転要素が前記第2サンギヤ(S2)からなることを特徴とする。
また、具体的に本発明に係る自動変速機(1,1)は(例えば図5乃至図8参照)、前記第4クラッチ(C−2)は、前記第2回転要素(R2)と前記増速回転要素(R3)とを係合自在であって、
前記プラネタリギヤセット(PU)は、第1サンギヤ(S2)と、第1リングギヤ(R2)と、第2サンギヤ(S1)と、第2リングギヤ(R1)と、前記第1リングギヤ(R2)に噛合する第1ショートピニオン(P2)、前記第2サンギヤ(S1)に噛合する第2ショートピニオン(P1)、前記第1ショートピニオン(P2)及び前記第1サンギヤ(S2)に噛合すると共に前記第2ショートピニオン(P1)及び前記第2リングギヤ(R1)に噛合するロングピニオン(PL)、をそれぞれ回転自在に支持するキャリヤ(CR1)と、を有し、
前記第1回転要素が前記第1サンギヤ(S2)からなり、
前記第2回転要素が前記第1リングギヤ(R2)からなり、
前記第3回転要素が前記キャリヤ(CR1)からなり、
前記第4回転要素が前記第2リングギヤ(R1)からなり、
前記第5回転要素が前記第2サンギヤ(S1)からなることを特徴とする。
また、具体的に本発明に係る自動変速機(1,1,1)は(例えば図9乃至図13参照)、前記第4クラッチ(C−2)は、前記第4回転要素(CR1)と前記増速回転要素(図9〜図12のR3、図13のCR3)とを係合自在であって、
前記プラネタリギヤセット(PU)は、第1サンギヤ(S2)と、第1リングギヤ(R2)と、第2サンギヤ(S1)と、第2リングギヤ(R1)と、前記第1サンギヤ(S2)に噛合するショートピニオン(P2)、前記ショートピニオン(P2)及び前記第1リングギヤ(R2)に噛合する小径部(PST1b)と前記第2サンギヤ(S1)及び前記第2リングギヤ(R1)に噛合する大径部(PST1a)とを有するステップドピニオン(PST1)、をそれぞれ回転自在に支持するキャリヤ(CR1)と、を有し、
前記第1回転要素が前記第1サンギヤ(S2)からなり、
前記第2回転要素が前記第2リングギヤ(R1)からなり、
前記第3回転要素が前記第1リングギヤ(R2)からなり、
前記第4回転要素が前記キャリヤ(CR1)からなり、
前記第5回転要素が前記第2サンギヤ(S1)からなることを特徴とする。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
請求項1に係る本発明によると、5つの第1〜第5クラッチと1つのブレーキとにより前進9速段及び後進1速段を達成するので、特に高速段で引き摺り部位となるブレーキを1つにすることができ、伝達効率の向上を図ることができる。また、ブレーキとケースとを連結する部材が1つになるので、部材同士が交錯することなく、出力部材の配置自由度を向上することができ、エンジン縦置きの車両用とエンジン横置きの車両用との共通化を容易にすることができる。更に、最低変速段から最高変速段までのギヤのスプレッドを大きくすることができ、本自動変速機を搭載する車両にあって車速に対するエンジンの回転数使用領域の最適化が図り易くなり、燃費向上を図ることができる。そして、プラネタリギヤセットの第1〜第5回転要素に対して減速回転の入力が無いので、駆動源のトルクが増幅されて入力されることがなく、各部材の薄肉化を図ることできて、自動変速機のコンパクト化、軽量化を図ることができる。
請求項2に係る本発明によると、各変速段間のステップを良好にできるプラネタリギヤセットを構成することができる。また、第4クラッチが、第2回転要素と増速回転要素とを係合自在なクラッチであるので、前進5速段〜前進9速段の比較的高速段にあって、第1〜第5回転要素の全てが入力回転以上の回転状態となり、第1〜第5回転要素の間に生じる相対回転を小さくすることができ、相対回転により生じる摩擦や引き摺りを小さくできて、伝達効率の向上を図ることができる。更に、第1〜第5回転要素を有するプラネタリギヤセットを2つのプラネタリギヤの組合せで構成できるので、プラネタリギヤセットの軸長を短くすることができ、自動変速機の軸方向短縮化を図ることができる。
請求項3に係る本発明によると、各変速段間のステップを良好にできるプラネタリギヤセットを構成することができる。また、第4クラッチが、第2回転要素と増速回転要素とを係合自在なクラッチであるので、前進5速段〜前進9速段の比較的高速段にあって、第1〜第5回転要素の全てが入力回転以上の回転状態となり、第1〜第5回転要素の間に生じる相対回転を小さくすることができ、相対回転により生じる摩擦や引き摺りを小さくできて、伝達効率の向上を図ることができる。更に、第1〜第5回転要素を有するプラネタリギヤセットを2つのプラネタリギヤの組合せで構成できるので、プラネタリギヤセットの軸長を短くすることができ、自動変速機の軸方向短縮化を図ることができる。
請求項4に係る本発明によると、各変速段間のステップを良好にできるプラネタリギヤセットを構成することができる。また、キャリヤCRがショートピニオンとステップドピニオンとだけにより構成されており、2つのショートピニオンとステップドピニオン又はロングピニオンとを有する場合に比して噛合箇所を減らすことができ、伝達効率の向上を図ることができる。更に、第1〜第5回転要素を有するプラネタリギヤセットを2つのプラネタリギヤの組合せで構成できるので、プラネタリギヤセットの軸長を短くすることができ、自動変速機の軸方向短縮化を図ることができる。
第1の実施の形態に係る自動変速機1を示すスケルトン図。 第1の実施の形態に係る自動変速機1の係合表。 第1の実施の形態に係る自動変速機1の速度線図。 第2の実施の形態に係る自動変速機1を示すスケルトン図。 第3の実施の形態に係る自動変速機1を示すスケルトン図。 第3の実施の形態に係る自動変速機1の係合表。 第3の実施の形態に係る自動変速機1の速度線図。 第4の実施の形態に係る自動変速機1を示すスケルトン図。 第5の実施の形態に係る自動変速機1を示すスケルトン図。 第5の実施の形態に係る自動変速機1の係合表。 第5の実施の形態に係る自動変速機1の速度線図。 第6の実施の形態に係る自動変速機1を示すスケルトン図。 第7の実施の形態に係る自動変速機1を示すスケルトン図。
<第1の実施の形態>
以下、本発明に係る第1の実施の形態を図1乃至図3に沿って説明する。まず、本発明を適用し得る自動変速機1の概略構成について図1に沿って説明する。図1に示すように、例えばFRタイプ(フロントエンジン、リヤドライブ)の車両(エンジン縦置きの車両)に用いて好適な自動変速機1は、エンジン(駆動源)2に接続し得る自動変速機1の入力軸11を有しており、該入力軸11の軸方向を中心としてトルクコンバータ4と、変速機構5とを備えている。
なお、以下に説明するFRタイプの車両に搭載して好適な自動変速機1においては、図中における左右方向が実際にも車両における前後方向であるので、軸方向のエンジン2側を「前方側」、エンジン2とは軸方向反対側を「後方側」という。
上記トルクコンバータ4は、自動変速機1の入力軸11に接続されたポンプインペラ4aと、作動流体を介して該ポンプインペラ4aの回転が伝達されるタービンランナ4bとを有しており、該タービンランナ4bは、上記入力軸11と同軸上に配設された上記変速機構5の入力軸12に接続されている。また、該トルクコンバータ4には、ロックアップクラッチ7が備えられており、該ロックアップクラッチ7が不図示の油圧制御装置の油圧制御によって係合されると、上記自動変速機1の入力軸11と変速機構5の入力軸12とが直接駆動連結される。
上記変速機構5には、入力軸12の軸上において、プラネタリギヤSPと、プラネタリギヤユニット(プラネタリギヤセット)PUと、が備えられている。上記プラネタリギヤSPは、サンギヤS3、キャリヤCR3、及びリングギヤR3(増速回転要素)を備えており、該キャリヤCR3が、サンギヤS3及びリングギヤR3に噛合する1つのピニオンP3を回転自在に支持するように有している、いわゆるシングルピニオンプラネタリギヤである。
また、プラネタリギヤユニットPUは、2つ(複数)のプラネタリギヤの組合せで構成されてなり、5つの回転要素としてサンギヤS1(第1回転要素、第1サンギヤ)、サンギヤS2(第5回転要素、第2サンギヤ)、キャリヤCR1(第3回転要素、キャリヤ)、リングギヤR1(第2回転要素、第1リングギヤ)、及びリングギヤR2(第4回転要素、第2リングギヤ)を有しており、キャリヤCR1が、サンギヤS1に噛合するショートピニオンP1(第1ショートピニオン)と、リングギヤR2に噛合するショートピニオンP2(第2ショートピニオン)と、該ショートピニオンP1及びリングギヤR1に噛合する小径部PSTa、及び該ショートピニオンP2及びサンギヤS2に噛合する大径部PSTbを有するステップドピニオンPSTとを回転自在に支持するように有している。
上記プラネタリギヤSPのサンギヤS3は、変速機構5を内包するケース3に接続されて回転が固定されている。また、上記キャリヤCR3は、上記入力軸12に接続されて、該入力軸12の回転と同回転(以下、「入力回転」という。)になっていると共に、クラッチC−1(第3クラッチ)に接続されている。更に、リングギヤR3は、該固定されたサンギヤS3と該入力回転するキャリヤCR3とにより、入力回転が増速された増速回転になると共に、クラッチC−2(第4クラッチ)及びクラッチC−3(第2クラッチ)に接続されている。
上記プラネタリギヤユニットPUのサンギヤS1は、上記クラッチC−3に接続されており、該クラッチC−3を介して上記リングギヤR3の増速回転が入力自在となっていると共に、クラッチC−5(第1クラッチ)に接続されており、該クラッチC−5を介して入力軸12の入力回転が入力自在となっている。また、上記サンギヤS2は、クラッチC−4(第5クラッチ)に接続されており、上記入力軸12の入力回転が入力自在となっている。
更に、上記リングギヤR1は、上記キャリヤCR3を介して入力軸12の入力回転が入力されるクラッチC−1に接続され、該クラッチC−1を介して入力回転が入力自在となっており、また、上記クラッチC−2に接続されて、該クラッチC−2を介して上記リングギヤR3の増速回転が入力自在となっている。また、上記リングギヤR2は、ブレーキB−1に接続されて、該ブレーキB−1を介して回転が係止自在となっている。そして、上記キャリヤCR1は、クラッチC−4及びクラッチC−5の外周側を通って出力軸(出力部材)13に接続されており、該出力軸13は、不図示のプロペラシャフト、ディファレンシャル装置を介して車輪に接続されている。
つづいて、上記構成に基づき、変速機構5の作用について図1、図2、及び図3に沿って説明する。なお、図3に示す速度線図において、縦軸はそれぞれの回転要素(各ギヤ)の回転数を示しており、横軸はそれら回転要素のギヤ比に対応して示している。該速度線図のプラネタリギヤSPの部分において、横方向最端部(図3中右方側)の縦軸はサンギヤS3に、以降図中左方側へ順に縦軸は、キャリヤCR3、リングギヤR3に対応している。サンギヤS3とキャリヤCR3とのギヤ比は「1」であり、キャリヤCR3とリングギヤR3とのギヤ比は「λ3」である。なお、「λ3」はプラネタリギヤSPの歯数比である(図1参照)。
更に、速度線図のプラネタリギヤユニットPUの部分において、横方向最端部(図3中右方側)の縦軸はサンギヤS1に、以降図中左方側へ順に縦軸は、リングギヤR1、キャリヤCR1、リングギヤR2、サンギヤS2に対応している。サンギヤS1とキャリヤCR1とのギヤ比は「1/λ1」であり、サンギヤS2とキャリヤCR1とのギヤ比は「1.05/λ2」であり、キャリヤCR1とリングギヤR1とのギヤ比は「1」であり、キャリヤCR1とリングギヤR2とのギヤ比は「1.05」である。なお、「λ1」はプラネタリギヤユニットPUにおけるステップドピニオンPSTの小径部PSTaに噛合する前方側(エンジン側)のプラネタリギヤ部分の歯数比であり、「λ2」はプラネタリギヤユニットPUにおけるステップドピニオンPSTの大径部PSTbに噛合する後方側(エンジンとは反対側)のプラネタリギヤ部分の歯数比である(図1参照)。
なお、上記歯数比λ1、λ2、λ3は、例えば既存の自動変速機のケースの外径と、入力軸に対する既知の入力トルク(例えばエンジン性能に起因)に基づく該入力軸の外径と、などからサンギヤ径とリングギヤ径とを決定して、ピニオン径やキャリヤ径を決定し、その中で最適な歯数によって求められるものである。以下に説明する各変速段のギヤ比は、これら歯数比λ1、λ2、λ3の設定を最適化したもののギヤ比である。
例えばD(ドライブ)レンジであって、前進1速段(1st)では、図2に示すように、クラッチC−5が係合され、ブレーキB−1が係止される。すると、図1及び図3に示すように、クラッチC−5を介してサンギヤS1に入力回転が入力されると共に、ブレーキB−1の係止によりリングギヤR2が固定される。これにより、固定されたリングギヤR2と入力回転であるサンギヤS1によってキャリヤCR1が減速回転し、前進1速段としてのギヤ比4.8095の正転回転が出力軸13から出力される。
前進2速段(2nd)では、図2に示すように、クラッチC−3が係合され、ブレーキB−1が係止される。すると、図1及び図3に示すように、固定されたサンギヤS3と入力回転であるキャリヤCR3とによって増速回転するリングギヤR3の回転が、クラッチC−3を介してサンギヤS1に入力される。また、ブレーキB−1の係止によりリングギヤR2が固定される。これにより、固定されたリングギヤR2と増速回転であるサンギヤS1によってキャリヤCR1が減速回転し、前進2速段としてのギヤ比3.0231の正転回転が出力軸13から出力される。
前進3速段(3rd)では、図2に示すように、クラッチC−1が係合され、ブレーキB−1が係止される。すると、図1及び図3に示すように、キャリヤCR3及びクラッチC−1を介してリングギヤR1に入力回転が入力されると共に、ブレーキB−1の係止によりリングギヤR2が固定される。これにより、固定されたリングギヤR2と入力回転であるリングギヤR1によってキャリヤCR1が減速回転し、前進3速段としてのギヤ比1.9524の正転回転が出力軸13から出力される。
前進4速段(4th)では、図2に示すように、クラッチC−1及びクラッチC−3が係合される。すると、図1及び図3に示すように、キャリヤCR3及びクラッチC−1を介してリングギヤR1に入力回転が入力されると共に、上述のように増速回転するリングギヤR3の回転がクラッチC−3を介してサンギヤS1に入力される。これにより、入力回転であるリングギヤR1と増速回転であるサンギヤS1によってキャリヤCR1が僅かに減速回転し、前進4速段としてのギヤ比1.2453の正転回転が出力軸13から出力される。
前進5速段(5th)では、図2に示すように、クラッチC−1及びクラッチC−4が係合される。すると、図1及び図3に示すように、クラッチC−1の係合によりリングギヤR1に入力回転が入力されると共に、クラッチC−4の係合によりサンギヤS2に入力回転が入力される。これにより、プラネタリギヤユニットPU全体が入力回転での直結状態となり、前進5速段としてのギヤ比1.0000の正転回転が出力軸13から出力される。
前進6速段(6th)では、図2に示すように、クラッチC−3及びクラッチC−4が係合される。すると、図1及び図3に示すように、上述のように増速回転するリングギヤR3の回転がクラッチC−3を介してサンギヤS1に入力されると共に、クラッチC−4の係合によりサンギヤS2に入力回転が入力される。これにより、増速回転であるサンギヤS1と入力回転であるサンギヤS2によってキャリヤCR1が僅かに増速回転し、前進6速段としてのギヤ比0.7677の正転回転が出力軸13から出力される。
前進7速段(7th)では、図2に示すように、クラッチC−2及びクラッチC−4が係合される。すると、図1及び図3に示すように、上述のように増速回転するリングギヤR3の回転がクラッチC−2を介してリングギヤR1に入力されると共に、クラッチC−4の係合によりサンギヤS2に入力回転が入力される。これにより、増速回転であるリングギヤR1と入力回転であるサンギヤS2によってキャリヤCR1が増速回転し、前進7速段としてのギヤ比0.6769の正転回転が出力軸13から出力される。
前進8速段(8th)では、図2に示すように、クラッチC−2及びクラッチC−3が係合される。すると、図1及び図3に示すように、上述のように増速回転するリングギヤR3の回転がクラッチC−2を介してリングギヤR1に入力されると共に、同じリングギヤR3の増速回転がクラッチC−3を介してサンギヤS1に入力される。これにより、プラネタリギヤユニットPU全体が増速回転での直結状態となり、前進8速段としてのギヤ比0.6285の正転回転が出力軸13から出力される。
前進9速段(9th)では、図2に示すように、クラッチC−2及びクラッチC−5が係合される。すると、図1及び図3に示すように、上述のように増速回転するリングギヤR3の回転がクラッチC−2を介してリングギヤR1に入力されると共に、クラッチC−5の係合によりサンギヤS1に入力回転が入力される。これにより、増速回転であるリングギヤR1と入力回転であるサンギヤS1によってキャリヤCR1が更に増速回転し、前進9速段としてのギヤ比0.5593の正転回転が出力軸13から出力される。
後進段(Rev)では、図2に示すように、クラッチC−4が係合され、ブレーキB−1が係止される。すると、図1及び図3に示すように、クラッチC−4の係合によりサンギヤS2に入力回転が入力されると共にブレーキB−1の係止によりリングギヤR2が固定される。これにより、サンギヤS2に入力された入力回転が、固定されたリングギヤR2を介してキャリヤCR1に逆転出力され、後進段としての逆転回転が出力軸13から出力される。
なお、例えばP(パーキング)レンジ及びN(ニュートラル)レンジでは、クラッチC−1、クラッチC−2、クラッチC−3、クラッチC−4、及びクラッチC−5が解放される。すると、リングギヤR1と入力軸12及びリングギヤR3との間、サンギヤS1とリングギヤR3及び入力軸12との間、サンギヤS2と入力軸12との間が切断状態となる。これにより、入力軸12とプラネタリギヤユニットPUとの間の動力伝達が切断状態となり、つまり入力軸12と出力軸13との動力伝達が切断状態となる。
以上説明した自動変速機1によると、図2に示すように、前進1速段と前進2速段との間のステップが1.591、前進2速段と前進3速段との間のステップが1.548、前進3速段と前進4速段との間のステップが1.568、前進4速段と前進5速段との間のステップが1.245、前進5速段と前進6速段との間のステップが1.303、前進6速段と前進7速段との間のステップが1.134、前進7速段と前進8速段との間のステップが1.077、前進8速段と前進9速段との間のステップが1.124となり、各変速段の間で比較的良好なステップ比を得ることができる自動変速機1を提供することができる。
また、最低変速段から最高変速段までのギヤのスプレッド(前進1速段のギヤ比4.8095/前進9速段のギヤ比0.5593)を8.598と大きくすることができ、本自動変速機1を搭載する車両にあって車速に対するエンジンの回転数使用領域の最適化が図り易くなり、燃費向上を図ることができる。
更に、5つのクラッチC−1〜C−5と1つのブレーキB−1とにより前進9速段及び後進1速段を達成するので、特に前進4速段以上の高速段で引き摺り部位となるブレーキを1つにすることができ、伝達効率の向上を図ることができる。また、ブレーキB−1とケース3とを連結する部材が1つになるので、部材同士が交錯することなく、出力部材の配置自由度を向上することができる。従って、後述する第2の実施の形態に係るエンジン横置きの車両用(例えばFF車両用)との共通化を容易にすることができ、製造ラインの共通化が図れて、コストダウンを可能にすることができる。
また、自動変速機1では、プラネタリギヤユニットPUのサンギヤS1、リングギヤR1、サンギヤS2、リングギヤR2、キャリヤCR1に対して減速回転の入力が無いので、エンジン2のトルクが増幅されて入力されることがなく、各部材の薄肉化を図ることできて、自動変速機1のコンパクト化、軽量化を図ることができる。
また、クラッチC−2が、リングギヤR1とリングギヤR3とを係合自在なクラッチであるので、前進5速段〜前進9速段の比較的高速段にあって、プラネタリギヤユニットPUの各回転要素(サンギヤS1、リングギヤR1、サンギヤS2、リングギヤR2、キャリヤCR1)の全てが入力回転以上の回転状態となり、プラネタリギヤユニットPUの各回転要素の間に生じる相対回転を小さくすることができ、相対回転により生じる摩擦や引き摺りを小さくできて、伝達効率の向上を図ることができる。更に、5つの回転要素を有するプラネタリギヤユニットPUを2つのプラネタリギヤの組合せで構成できるので、プラネタリギヤユニットPUの軸長を短くすることができ、自動変速機1の軸方向短縮化を図ることができる。
<第2の実施の形態>
ついで、上記第1の実施の形態を一部変更した第2の実施の形態について、図4に沿って説明する。なお、本第2の実施の形態においては、第1の実施の形態に係る自動変速機1と同様の部分に、同符号を付して、その説明を省略する。
本第2の実施の形態に係る自動変速機1は、第1の実施の形態に比して、プラネタリギヤユニットPUのキャリヤCR1から回転を出力する出力軸13の代わりに、不図示のカウンタシャフトやディファレンシャル装置を介して車輪に回転を出力するカウンタギヤ(出力部材)15を配設したものである。
詳細には、図4に示すように、例えばFFタイプ(フロントエンジン、フロントドライブ)の車両(エンジン横置きの車両)に用いて好適な自動変速機1の変速機構5は、リングギヤR1とリングギヤR2との間に架け渡されるキャリヤCR1を構成する部材(枠体)にカウンタギヤ15に連結する部材を接続して構成し、つまり該カウンタギヤ15を、リングギヤR1の外周側を通る部材で連結して、プラネタリギヤユニットPUとプラネタリギヤSPとの軸方向の間に配置したものである。
このように、本自動変速機1は、ブレーキがブレーキB−1の1つだけであり、該ブレーキB−1とケース3とを連結する部材が1つになるので、部材同士が交錯することなく、出力部材の配置自由度を向上することができる。従って、上述した第1の実施の形態に係るエンジン縦置きの車両用(例えばFR車両用)との共通化を容易にすることができ、製造ラインの共通化が図れて、コストダウンを可能にすることができる。
なお、第2の実施の形態における、これ以外の構成、作用、効果は、第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
<第3の実施の形態>
ついで、上記第1の実施の形態を一部変更した第3の実施の形態について、図5乃至図7に沿って説明する。なお、本第3の実施の形態においては、第1の実施の形態に係る自動変速機1と同様の部分に、同符号を付して、その説明を省略する。
本第3の実施の形態に係る自動変速機1の変速機構5は、第1の実施の形態に比して、プラネタリギヤユニットPUのキャリヤCR1の構成を変更したものである。
詳細には、図5に示すように、キャリヤCR1(第3回転要素、キャリヤ)は、リングギヤR2(第2回転要素、第1リングギヤ)に噛合するショートピニオンP2(第1ショートピニオン)、サンギヤS1(第5回転要素、第2サンギヤ)に噛合するショートピニオンP1(第2ショートピニオン)、ショートピニオンP2及びサンギヤS2(第1回転要素、第1サンギヤ)に噛合すると共にショートピニオンP1及びリングギヤR1(第4回転要素、第2リングギヤ)に噛合するロングピニオンPL、をそれぞれ回転自在に支持するように構成されている。
このようにプラネタリギヤユニットPUのキャリヤCR1を構成した場合は、図7に示す速度線図におけるプラネタリギヤユニットPUの部分において、第1の実施の形態(図3参照)と左右の関係が反対になるが、各回転要素の回転動作は同様である。
即ち、横方向最端部(図7中右方側)の縦軸はサンギヤS1に、以降図中左方側へ順に縦軸は、リングギヤR1、キャリヤCR1、リングギヤR2、サンギヤS2に対応している。サンギヤS1とキャリヤCR1とのギヤ比は「1/λ1」であり、サンギヤS2とキャリヤCR1とのギヤ比は「0.9091/λ2」であり、キャリヤCR1とリングギヤR1とのギヤ比は「1」であり、キャリヤCR1とリングギヤR2とのギヤ比は「0.9091」である。なお、「λ1」はプラネタリギヤユニットPUにおける後方側のプラネタリギヤ部分の歯数比であり、「λ2」はプラネタリギヤユニットPUにおける前方側のプラネタリギヤ部分の歯数比である(図5参照)。
なお、第1の実施の形態に比して、サンギヤS1とサンギヤS2との名称、リングギヤR1とリングギヤR2との名称が反対になっているが、前進1速段〜前進9速段及び後進段の作用は同じである。
また、同様に、上記歯数比λ1、λ2、λ3は、例えば既存の自動変速機のケースの外径と、入力軸に対する既知の入力トルク(例えばエンジン性能に起因)に基づく該入力軸の外径と、などからサンギヤ径とリングギヤ径とを決定して、ピニオン径やキャリヤ径を決定し、その中で最適な歯数によって求められるものである。
このように、歯数比λ1、λ2、λ3の設定を最適化することで、図6に示すように、前進1速段のギヤ比を4.3333、前進2速段のギヤ比を2.7760、前進3速段のギヤ比を1.9091、前進4速段のギヤ比を1.2664、前進5速段のギヤ比を1.0000、前進6速段のギヤ比を0.7657、前進7速段のギヤ比を0.6863、前進8速段のギヤ比を0.6406、前進9速段のギヤ比を0.5645に設定することができる。
従って、自動変速機1によると、図6に示すように、前進1速段と前進2速段との間のステップが1.561、前進2速段と前進3速段との間のステップが1.454、前進3速段と前進4速段との間のステップが1.508、前進4速段と前進5速段との間のステップが1.266、前進5速段と前進6速段との間のステップが1.306、前進6速段と前進7速段との間のステップが1.116、前進7速段と前進8速段との間のステップが1.071、前進8速段と前進9速段との間のステップが1.135となり、各変速段の間で比較的良好なステップ比を得ることができる自動変速機1を提供することができる。
また、最低変速段から最高変速段までのギヤのスプレッド(前進1速段のギヤ比4.3333/前進9速段のギヤ比0.5645)を更に7.676と大きくすることができ、本自動変速機1を搭載する車両にあって車速に対するエンジンの回転数使用領域の最適化が図り易くなり、燃費向上を図ることができる。
更に、5つのクラッチC−1〜C−5と1つのブレーキB−1とにより前進9速段及び後進1速段を達成するので、特に前進4速段以上の高速段で引き摺り部位となるブレーキを1つにすることができ、伝達効率の向上を図ることができる。また、ブレーキB−1とケース3とを連結する部材が1つになるので、部材同士が交錯することなく、出力部材の配置自由度を向上することができる。従って、後述する第4の実施の形態に係るエンジン横置きの車両用(例えばFF車両用)との共通化を容易にすることができ、製造ラインの共通化が図れて、コストダウンを可能にすることができる。
また、本自動変速機1では、プラネタリギヤユニットPUのキャリヤCR1のロングピニオンPL、ショートピニオンP1,P2に段差がなく、それら各ピニオンの形状がストレート形状であるため、ピニオンギヤの加工が容易であり、プラネタリギヤユニットPUを安価に構成することができる。
また、自動変速機1では、プラネタリギヤユニットPUのサンギヤS1、リングギヤR1、サンギヤS2、リングギヤR2、キャリヤCR1に対して減速回転の入力が無いので、エンジン2のトルクが増幅されて入力されることがなく、各部材の薄肉化を図ることできて、自動変速機1のコンパクト化、軽量化を図ることができる。
そして、クラッチC−2が、リングギヤR2とリングギヤR3とを係合自在なクラッチであるので、前進5速段〜前進9速段の比較的高速段にあって、プラネタリギヤユニットPUの各回転要素(サンギヤS1、リングギヤR1、サンギヤS2、リングギヤR2、キャリヤCR1)の全てが入力回転以上の回転状態となり、プラネタリギヤユニットPUの各回転要素の間に生じる相対回転を小さくすることができ、相対回転により生じる摩擦や引き摺りを小さくできて、伝達効率の向上を図ることができる。更に、5つの回転要素を有するプラネタリギヤユニットPUを2つのプラネタリギヤの組合せで構成できるので、プラネタリギヤユニットPUの軸長を短くすることができ、自動変速機1の軸方向短縮化を図ることができる。
なお、第3の実施の形態における、これ以外の構成、作用、効果は、第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
<第4の実施の形態>
ついで、上記第3の実施の形態を一部変更した第4の実施の形態について、図8に沿って説明する。なお、本第4の実施の形態においては、第3の実施の形態に係る自動変速機1と同様の部分に、同符号を付して、その説明を省略する。
本第4の実施の形態に係る自動変速機1は、第3の実施の形態に比して、プラネタリギヤユニットPUのキャリヤCR1から回転を出力する出力軸13の代わりに、不図示のカウンタシャフトやディファレンシャル装置を介して車輪に回転を出力するカウンタギヤ15を配設したものである。
詳細には、図8に示すように、例えばFFタイプ(フロントエンジン、フロントドライブ)の車両(エンジン横置きの車両)に用いて好適な自動変速機1の変速機構5は、リングギヤR1とリングギヤR2との間に架け渡されるキャリヤCR1を構成する部材(枠体)にカウンタギヤ15に連結する部材を接続して構成し、つまり該カウンタギヤ15を、リングギヤR2の外周側を通る部材で連結して、プラネタリギヤユニットPUとプラネタリギヤSPとの軸方向の間に配置したものである。
このように、本自動変速機1は、ブレーキがブレーキB−1の1つだけであり、該ブレーキB−1とケース3とを連結する部材が1つになるので、部材同士が交錯することなく、出力部材の配置自由度を向上することができる。従って、上述した第3の実施の形態に係るエンジン縦置きの車両用(例えばFR車両用)との共通化を容易にすることができ、製造ラインの共通化が図れて、コストダウンを可能にすることができる。
なお、第4の実施の形態における、これ以外の構成、作用、効果は、第3の実施の形態(及び引用した第1の実施の形態)と同様であるので、その説明を省略する。
<第5の実施の形態>
ついで、上記第1の実施の形態を一部変更した第5の実施の形態について、図9乃至図11に沿って説明する。なお、本第5の実施の形態においては、第1の実施の形態に係る自動変速機1と同様の部分に、同符号を付して、その説明を省略する。
本第5の実施の形態に係る自動変速機1は、第1の実施の形態に係る自動変速機1に比して、プラネタリギヤユニットPUの構造を変更すると共に、クラッチC−1〜C−5及びブレーキB−1の接続関係や配置を変更したものである。
詳細には、図9に示すように、例えばFRタイプ(フロントエンジン、リヤドライブ)の車両(エンジン縦置きの車両)に用いて好適な自動変速機1の変速機構5には、入力軸12の軸上において、プラネタリギヤSPと、プラネタリギヤユニットPUと、が備えられている。上記プラネタリギヤSPは、サンギヤS3、キャリヤCR3、及びリングギヤR3を備えており、該キャリヤCR3が、サンギヤS3及びリングギヤR3に噛合する1つのピニオンP3を回転自在に支持するように有している、いわゆるシングルピニオンプラネタリギヤである。
また、プラネタリギヤユニットPUは、5つの回転要素としてサンギヤS1(第5回転要素、第2サンギヤ)、サンギヤS2(第1回転要素、第1サンギヤ)、キャリヤCR1(第4回転要素、キャリヤ)、リングギヤR1(第2回転要素、第2リングギヤ)、及びリングギヤR2(第3回転要素、第1リングギヤ)を有しており、キャリヤCR1が、サンギヤS2に噛合するショートピニオンP2と、該ショートピニオンP2及びリングギヤR2に噛合する小径部PST1b、サンギヤS1及びリングギヤR1に噛合する大径部PST1aを有するステップドピニオンPST1と、を回転自在に支持するように有している。
上記プラネタリギヤSPのサンギヤS3は、変速機構5を内包するケース3に接続されて回転が固定されている。また、上記キャリヤCR3は、上記入力軸12に接続されて、該入力軸12の回転と同回転(以下、「入力回転」という。)になっている。更に、リングギヤR3は、該固定されたサンギヤS3と該入力回転するキャリヤCR3とにより、入力回転が増速された増速回転になると共に、クラッチC−2及びクラッチC−3に接続されている。
上記プラネタリギヤユニットPUのサンギヤS2は、上記クラッチC−3に接続されており、該クラッチC−3を介して上記リングギヤR3の増速回転が入力自在となっていると共に、クラッチC−1に接続されており、該クラッチC−1を介して入力軸12の入力回転が入力自在となっている。また、上記サンギヤS1は、クラッチC−4に接続されており、上記入力軸12の入力回転が入力自在となっている。
更に、上記リングギヤR1は、クラッチC−5に接続されており、該クラッチC−5を介して入力回転が入力自在となっている。また、上記キャリヤCR1は、ブレーキB−1に接続されて、該ブレーキB−1を介して回転が係止自在となっていると共に、上記クラッチC−2に接続されて、該クラッチC−2を介して上記リングギヤR3の増速回転が入力自在となっている。そして、上記リングギヤR2は、リングギヤR1、クラッチC−4、及びクラッチC−5の外周側を通って出力軸13に接続されており、該出力軸13は、不図示のプロペラシャフト、ディファレンシャル装置を介して車輪に接続されている。
つづいて、上記構成に基づき、変速機構5の作用について図9、図10、及び図11に沿って説明する。なお、図11に示す速度線図において、縦軸はそれぞれの回転要素(各ギヤ)の回転数を示しており、横軸はそれら回転要素のギヤ比に対応して示している。該速度線図のプラネタリギヤSPの部分において、横方向最端部(図11中右方側)の縦軸はサンギヤS3に、以降図中左方側へ順に縦軸は、キャリヤCR3、リングギヤR3に対応している。サンギヤS3とキャリヤCR3とのギヤ比は「1」であり、キャリヤCR3とリングギヤR3とのギヤ比は「λ3」である。なお、「λ3」はプラネタリギヤSPの歯数比である(図9参照)。
更に、速度線図のプラネタリギヤユニットPUの部分において、横方向最端部(図11中右方側)の縦軸はサンギヤS2に、以降図中左方側へ順に縦軸は、リングギヤR1、リングギヤR2、キャリヤCR1、サンギヤS1に対応している。サンギヤS1とキャリヤCR1とのギヤ比は「1/λ1」であり、サンギヤS2とキャリヤCR1とのギヤ比は「0.5789/λ2」であり、キャリヤCR1とリングギヤR1とのギヤ比は「1」であり、キャリヤCR1とリングギヤR2とのギヤ比は「0.5789」である。なお、「λ1」はプラネタリギヤユニットPUにおけるステップドピニオンPST1の大径部PST1aに噛合する後方側のプラネタリギヤ部分の歯数比であり、「λ2」はプラネタリギヤユニットPUにおけるステップドピニオンPST1の小径部PST1bに噛合する前方側のプラネタリギヤ部分の歯数比である(図9参照)。
なお、上記歯数比λ1、λ2、λ3は、例えば既存の自動変速機のケースの外径と、入力軸に対する既知の入力トルク(例えばエンジン性能に起因)に基づく該入力軸の外径と、などからサンギヤ径とリングギヤ径とを決定して、ピニオン径やキャリヤ径を決定し、その中で最適な歯数によって求められるものである。以下に説明する各変速段のギヤ比は、これら歯数比λ1、λ2、λ3の設定を最適化したもののギヤ比である。
例えばD(ドライブ)レンジであって、前進1速段(1st)では、図10に示すように、クラッチC−1が係合され、ブレーキB−1が係止される。すると、図9及び図11に示すように、クラッチC−1を介してサンギヤS2に入力回転が入力されると共に、ブレーキB−1の係止によりキャリヤCR1が固定される。これにより、固定されたキャリヤCR1と入力回転であるサンギヤS2によってR2が減速回転し、前進1速段としてのギヤ比4.2222の正転回転が出力軸13から出力される。
前進2速段(2nd)では、図10に示すように、クラッチC−3が係合され、ブレーキB−1が係止される。すると、図9及び図11に示すように、固定されたサンギヤS3と入力回転であるキャリヤCR3とによって増速回転するリングギヤR3の回転が、クラッチC−3を介してサンギヤS2に入力される。また、ブレーキB−1の係止によりキャリヤCR1が固定される。これにより、固定されたキャリヤCR1と増速回転であるサンギヤS2によってR2が減速回転し、前進2速段としてのギヤ比2.7048の正転回転が出力軸13から出力される。
前進3速段(3rd)では、図10に示すように、クラッチC−5が係合され、ブレーキB−1が係止される。すると、図9及び図11に示すように、クラッチC−5を介してリングギヤR1に入力回転が入力されると共に、ブレーキB−1の係止によりキャリヤCR1が固定される。これにより、固定されたキャリヤCR1と入力回転であるリングギヤR1によってリングギヤR2が減速回転し、前進3速段としてのギヤ比1.7274の正転回転が出力軸13から出力される。
前進4速段(4th)では、図10に示すように、クラッチC−3及びクラッチC−5が係合される。すると、図9及び図11に示すように、クラッチC−5を介してリングギヤR1に入力回転が入力されると共に、上述のように増速回転するリングギヤR3の回転がクラッチC−3を介してサンギヤS2に入力される。これにより、入力回転であるリングギヤR1と増速回転であるサンギヤS2によってリングギヤR2が僅かに減速回転し、前進4速段としてのギヤ比1.1994の正転回転が出力軸13から出力される。
前進5速段(5th)では、図10に示すように、クラッチC−1及びクラッチC−5が係合される。すると、図9及び図11に示すように、クラッチC−1の係合によりサンギヤS2に入力回転が入力されると共に、クラッチC−5の係合によりリングギヤR1に入力回転が入力される。これにより、プラネタリギヤユニットPU全体が入力回転での直結状態となり、前進5速段としてのギヤ比1.0000の正転回転が出力軸13から出力される。
前進6速段(6th)では、図10に示すように、クラッチC−2及びクラッチC−5が係合される。すると、図9及び図11に示すように、上述のように増速回転するリングギヤR3の回転がクラッチC−2を介してキャリヤCR1に入力されると共に、クラッチC−5の係合によりリングギヤR1に入力回転が入力される。これにより、増速回転であるキャリヤCR1と入力回転であるリングギヤR1によってリングギヤR2が僅かに増速回転し、前進6速段としてのギヤ比0.8089の正転回転が出力軸13から出力される。
前進7速段(7th)では、図10に示すように、クラッチC−1及びクラッチC−2が係合される。すると、図9及び図11に示すように、上述のように増速回転するリングギヤR3の回転がクラッチC−2を介してキャリヤCR1に入力されると共に、クラッチC−1の係合によりサンギヤS2に入力回転が入力される。これにより、増速回転であるキャリヤCR1と入力回転であるサンギヤS2によってリングギヤR2が増速回転し、前進7速段としてのギヤ比0.7002の正転回転が出力軸13から出力される。
前進8速段(8th)では、図10に示すように、クラッチC−2及びクラッチC−3が係合される。すると、図9及び図11に示すように、上述のように増速回転するリングギヤR3の回転がクラッチC−2を介してキャリヤCR1に入力されると共に、同じリングギヤR3の増速回転がクラッチC−3を介してサンギヤS2に入力される。これにより、プラネタリギヤユニットPU全体が増速回転での直結状態となり、前進8速段としてのギヤ比0.6406の正転回転が出力軸13から出力される。
前進9速段(9th)では、図10に示すように、クラッチC−2及びクラッチC−4が係合される。すると、図9及び図11に示すように、上述のように増速回転するリングギヤR3の回転がクラッチC−2を介してキャリヤCR1に入力されると共に、クラッチC−4の係合によりサンギヤS1に入力回転が入力される。これにより、増速回転であるキャリヤCR1と入力回転であるサンギヤS1によってリングギヤR2が更に増速回転し、前進9速段としてのギヤ比0.5853の正転回転が出力軸13から出力される。
後進段(Rev)では、図10に示すように、クラッチC−4が係合され、ブレーキB−1が係止される。すると、図9及び図11に示すように、クラッチC−4の係合によりサンギヤS1に入力回転が入力されると共にブレーキB−1の係止によりキャリヤCR1が固定される。これにより、サンギヤS1に入力された入力回転が、固定されたキャリヤCR1を介してリングギヤR2に逆転出力され、後進段としての逆転回転が出力軸13から出力される。
なお、例えばP(パーキング)レンジ及びN(ニュートラル)レンジでは、クラッチC−1、クラッチC−2、クラッチC−3、クラッチC−4、及びクラッチC−5が解放される。すると、サンギヤS2と入力軸12及びリングギヤR3との間、キャリヤCR1とリングギヤR3との間、サンギヤS1と入力軸12との間、リングギヤR1と入力軸12との間が切断状態となる。これにより、入力軸12とプラネタリギヤユニットPUとの間の動力伝達が切断状態となり、つまり入力軸12と出力軸13との動力伝達が切断状態となる。
以上説明した自動変速機1によると、図10に示すように、前進1速段と前進2速段との間のステップが1.561、前進2速段と前進3速段との間のステップが1.566、前進3速段と前進4速段との間のステップが1.440、前進4速段と前進5速段との間のステップが1.199、前進5速段と前進6速段との間のステップが1.236、前進6速段と前進7速段との間のステップが1.155、前進7速段と前進8速段との間のステップが1.093、前進8速段と前進9速段との間のステップが1.094となり、各変速段の間で比較的良好なステップ比を得ることができる自動変速機1を提供することができる。
また、最低変速段から最高変速段までのギヤのスプレッド(前進1速段のギヤ比4.2222/前進9速段のギヤ比0.5853)を7.214と大きくすることができ、本自動変速機1を搭載する車両にあって車速に対するエンジンの回転数使用領域の最適化が図り易くなり、燃費向上を図ることができる。
更に、5つのクラッチC−1〜C−5と1つのブレーキB−1とにより前進9速段及び後進1速段を達成するので、特に前進4速段以上の高速段で引き摺り部位となるブレーキを1つにすることができ、伝達効率の向上を図ることができる。また、ブレーキB−1とケース3とを連結する部材が1つになるので、部材同士が交錯することなく、出力部材の配置自由度を向上することができる。従って、後述する第6の実施の形態に係るエンジン横置きの車両用(例えばFF車両用)との共通化を容易にすることができ、製造ラインの共通化が図れて、コストダウンを可能にすることができる。
また、自動変速機1では、プラネタリギヤユニットPUのサンギヤS1、リングギヤR1、サンギヤS2、リングギヤR2、キャリヤCR1に対して減速回転の入力が無いので、エンジン2のトルクが増幅されて入力されることがなく、各部材の薄肉化を図ることできて、自動変速機1のコンパクト化、軽量化を図ることができる。
また、クラッチC−2が、キャリヤCR1とリングギヤR3とを係合自在なクラッチであるので、前進5速段〜前進9速段のうちの前進6速段を除いた比較的高速段(特に前進7速段〜前進9速段)では、プラネタリギヤユニットPUの各回転要素(サンギヤS1、リングギヤR1、サンギヤS2、リングギヤR2、キャリヤCR1)の全てが入力回転以上の回転状態となり、プラネタリギヤユニットPUの各回転要素の間に生じる相対回転を小さくすることができ、相対回転により生じる摩擦や引き摺りを小さくできて、伝達効率の向上を図ることができる。
そして、キャリヤCR1がショートピニオンP2とステップドピニオンPST1とだけにより構成されており、例えば第1乃至第4の実施の形態のように2つのショートピニオンとステップドピニオン又はロングピニオンとを有する場合に比して噛合箇所を減らすことができ、伝達効率の向上を図ることができる。更に、各回転要素(サンギヤS1、リングギヤR1、サンギヤS2、リングギヤR2、キャリヤCR1)を有するプラネタリギヤユニットPUを2つのプラネタリギヤの組合せで構成できるので、プラネタリギヤユニットPUの軸長を短くすることができ、自動変速機1の軸方向短縮化を図ることができる。
<第6の実施の形態>
ついで、上記第5の実施の形態を一部変更した第6の実施の形態について、図12に沿って説明する。なお、本第6の実施の形態においては、第5の実施の形態に係る自動変速機1と同様の部分に、同符号を付して、その説明を省略する。
本第6の実施の形態に係る自動変速機1は、第5の実施の形態に比して、プラネタリギヤユニットPUのリングギヤR2から回転を出力する出力軸13の代わりに、不図示のカウンタシャフトやディファレンシャル装置を介して車輪に回転を出力するカウンタギヤ15を配設したものである。
詳細には、図12に示すように、例えばFFタイプ(フロントエンジン、フロントドライブ)の車両(エンジン横置きの車両)に用いて好適な自動変速機1の変速機構5は、カウンタギヤ15を、リングギヤR2に連結して、プラネタリギヤユニットPUとプラネタリギヤSPとの軸方向の間、より具体的にはプラネタリギヤユニットPUとブレーキB−1との軸方向の間に配置したものである。
このように、本自動変速機1は、ブレーキがブレーキB−1の1つだけであり、該ブレーキB−1とケース3とを連結する部材が1つになるので、部材同士が交錯することなく、出力部材の配置自由度を向上することができる。従って、上述した第6の実施の形態に係るエンジン縦置きの車両用(例えばFR車両用)との共通化を容易にすることができ、製造ラインの共通化が図れて、コストダウンを可能にすることができる。
なお、第6の実施の形態における、これ以外の構成、作用、効果は、第5の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
<第7の実施の形態>
ついで、上記第5の実施の形態を一部変更した第7の実施の形態について、図13に沿って説明する。なお、本第7の実施の形態においては、第5の実施の形態に係る自動変速機1と同様の部分に、同符号を付して、その説明を省略する。
本第7の実施の形態に係る自動変速機1は、第5の実施の形態に比して、増速回転を出力するプラネタリギヤをステップドピニオン型のプラネタリギヤSTPに変更したものである。
詳細には、図13に示すように、ステップドピニオン型のプラネタリギヤSTPは、サンギヤS3、キャリヤCR3、及びサンギヤS4を備えており、該キャリヤCR3が、サンギヤS3に噛合する小径部PST2b及びサンギヤS4に噛合する大径部PST2aを有するステップドピニオンPST2を回転自在に支持するように有している。
なお、このように増速回転を出力するプラネタリギヤSTPを構成した場合は、図11に示す速度線図におけるプラネタリギヤSPの部分において、第5の実施の形態におけるサンギヤS3が第7の実施の形態におけるサンギヤS3に、第5の実施の形態におけるキャリヤCR3が第7の実施の形態におけるサンギヤS4に、第5の実施の形態におけるリングギヤR3が第7の実施の形態におけるキャリヤCR3に、それぞれ置き換えられるが、それ以外、各回転要素の回転動作は同様である。
このように構成された本自動変速機1の変速機構5は、プラネタリギヤSTPがシングルピニオンプラネタリギヤの場合に比して、径方向に小径化することができ、つまり変速機構5における前方側を細長形状にすることができる。
なお、第7の実施の形態における、これ以外の構成、作用、効果は、第5の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
なお、以上説明した第1乃至第7の実施の形態においては、本自動変速機がエンジン2の回転を変速するものを説明したが、これに限らず、モータ・ジェネレータの回転を変速する自動変速機としても本発明を適用することができ、つまりハイブリッド車両や電気自動車に対しても本自動変速機を用いることができる。
また、第1乃至第7の実施の形態で説明した本自動変速機の各クラッチやブレーキの摩擦板や油圧サーボの配置、減速プラネタリギヤの配置、プラネタリギヤセットの配置、出力部材の配置などは、一例であって、特に各ギヤと各クラッチ及び各ブレーキとの連結関係が同様であれば、配置構造を設計変更しても、本発明の適用範囲内である。
1 自動変速機
2 駆動源(エンジン)
12 入力軸
13 出力部材(出力軸)
15 出力部材(カウンタギヤ)
図1〜図8のC−1 第3クラッチ
図1〜図8のC−2 第4クラッチ
図1〜図8のC−3 第2クラッチ
図1〜図8のC−4 第5クラッチ
図1〜図8のC−5 第1クラッチ
図9〜図13のC−1 第1クラッチ
図9〜図13のC−2 第4クラッチ
図9〜図13のC−3 第2クラッチ
図9〜図13のC−4 第5クラッチ
図9〜図13のC−5 第3クラッチ
B−1 ブレーキ
図1〜図12のSP プラネタリギヤ
図1〜図12のR3 増速回転要素(リングギヤ)
図13のSTP プラネタリギヤ
図13のCR3 増速回転要素(キャリヤ)
PU プラネタリギヤセット
図1〜図4のS1 第1回転要素、第1サンギヤ
図1〜図4のCR1 第3回転要素、キャリヤ
図1〜図4のR1 第2回転要素、第1リングギヤ
図1〜図4のS2 第5回転要素、第2サンギヤ
図1〜図4のR2 第4回転要素、第2リングギヤ
図1〜図4のP1 第1ショートピニオン
図1〜図4のP2 第2ショートピニオン
PST ステップドピニオン
PSTa 小径部
PSTb 大径部
図5〜図8のS1 第5回転要素、第2サンギヤ
図5〜図8のCR1 第3回転要素、キャリヤ
図5〜図8のR1 第4回転要素、第2リングギヤ
図5〜図8のS2 第1回転要素、第1サンギヤ
図5〜図8のR2 第2回転要素、第1リングギヤ
図5〜図8のP2 第1ショートピニオン
図5〜図8のP1 第2ショートピニオン
PL ロングピニオン
図9〜図13のS1 第5回転要素、第2サンギヤ
図9〜図13のCR1 第4回転要素、キャリヤ
図9〜図13のR1 第2回転要素、第2リングギヤ
図9〜図13のS2 第1回転要素、第1サンギヤ
図9〜図13のR2 第3回転要素、第1リングギヤ
図9〜図13のP2 ショートピニオン
PST1 ステップドピニオン
PST1a 大径部
PST1b 小径部

Claims (4)

  1. 駆動源に駆動連結される入力軸と、
    前記入力軸の入力回転を増速して出力し得る増速回転要素を有するプラネタリギヤと、
    複数のプラネタリギヤの組合せからなり、速度線図上での並び順に従い第1、第2、第3、第4、及び第5回転要素を有するプラネタリギヤセットと、
    前記第1回転要素と前記入力軸とを係合自在な第1クラッチと、
    前記第1回転要素と前記増速回転要素とを係合自在な第2クラッチと、
    前記第2回転要素と前記入力軸とを係合自在な第3クラッチと、
    前記第2回転要素又は前記第4回転要素と前記増速回転要素とを係合自在な第4クラッチと、
    前記第5回転要素と前記入力軸とを係合自在な第5クラッチと、
    前記第4回転要素を係止自在なブレーキと、
    前記第3回転要素に連結された出力部材と、を備え、
    前進9速段及び後進1速段を達成し得る、
    ことを特徴とする自動変速機。
  2. 前記第4クラッチは、前記第2回転要素と前記増速回転要素とを係合自在であって、
    前記プラネタリギヤセットは、第1サンギヤと、第1リングギヤと、第2サンギヤと、第2リングギヤと、前記第1サンギヤに噛合する第1ショートピニオン、前記第2リングギヤに噛合する第2ショートピニオン、前記第1ショートピニオン及び前記第1リングギヤに噛合する小径部と前記第2ショートピニオン及び前記第2サンギヤに噛合する大径部とを有するステップドピニオン、をそれぞれ回転自在に支持するキャリヤと、を有し、
    前記第1回転要素が前記第1サンギヤからなり、
    前記第2回転要素が前記第1リングギヤからなり、
    前記第3回転要素が前記キャリヤからなり、
    前記第4回転要素が前記第2リングギヤからなり、
    前記第5回転要素が前記第2サンギヤからなる、
    ことを特徴とする請求項1記載の自動変速機。
  3. 前記第4クラッチは、前記第2回転要素と前記増速回転要素とを係合自在であって、
    前記プラネタリギヤセットは、第1サンギヤと、第1リングギヤと、第2サンギヤと、第2リングギヤと、前記第1リングギヤに噛合する第1ショートピニオン、前記第2サンギヤに噛合する第2ショートピニオン、前記第1ショートピニオン及び前記第1サンギヤに噛合すると共に前記第2ショートピニオン及び前記第2リングギヤに噛合するロングピニオン、をそれぞれ回転自在に支持するキャリヤと、を有し、
    前記第1回転要素が前記第1サンギヤからなり、
    前記第2回転要素が前記第1リングギヤからなり、
    前記第3回転要素が前記キャリヤからなり、
    前記第4回転要素が前記第2リングギヤからなり、
    前記第5回転要素が前記第2サンギヤからなる、
    ことを特徴とする請求項1記載の自動変速機。
  4. 前記第4クラッチは、前記第4回転要素と前記増速回転要素とを係合自在であって、
    前記プラネタリギヤセットは、第1サンギヤと、第1リングギヤと、第2サンギヤと、第2リングギヤと、前記第1サンギヤに噛合するショートピニオン、前記ショートピニオン及び前記第1リングギヤに噛合する小径部と前記第2サンギヤ及び前記第2リングギヤに噛合する大径部とを有するステップドピニオン、をそれぞれ回転自在に支持するキャリヤと、を有し、
    前記第1回転要素が前記第1サンギヤからなり、
    前記第2回転要素が前記第2リングギヤからなり、
    前記第3回転要素が前記第1リングギヤからなり、
    前記第4回転要素が前記キャリヤからなり、
    前記第5回転要素が前記第2サンギヤからなる、
    ことを特徴とする請求項1記載の自動変速機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP3112723A1 (de) * 2015-07-03 2017-01-04 ZF Friedrichshafen AG Mehrstufengetriebe für ein fahrzeug

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