JP2013227760A - 床材および一部床材の貼り替え方法 - Google Patents

床材および一部床材の貼り替え方法 Download PDF

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Abstract

【課題】施工後に一部の床材を容易に嵌め込むことができる床材の提供。
【解決手段】少なくとも短手方向に、上垂直部11、凸部12および下垂直部13で構成される雄実10と、上顎部21、凹部22および下顎部23で構成される雌実20を有し、一の床材30における雄実の凸部12の上面12aに、他の床材40における雌実の上顎部21の下角部21aを当接した状態(同図(b)参照)で回転させて、床材40の雌実を床材30の雄実に嵌め込むに際して、下顎部23の上角部23aが凸部12の移動の妨げとならない床材。
【選択図】 図6

Description

本発明は、床材および一部床材の貼り替え方法に係り、特に、床の施工後に一部の床材のみを容易に貼り替えることができる床材および一部床材の貼り替え方法に関する。
床の施工には、通常、四周に実(雄実および雌実)が形成されている複数の床材が用いられ、床材の雄実を他の床材の雌実にはめ込むとともに、接着剤やビスなどによって下地材に固定することにより敷設される。このようにして施工された床は、床材同士および床材と下地材とが固着している。
よって、床材の施工後に床材の一部に凹みなどの傷を発見しても、その床材のみを取り除くのは困難である。このため、通常、このような床の補修を行う場合には、傷のある床材だけでなく、その床材から壁際に施工された床材までの複数の床材を一旦取り外し、傷のない床材を再度施工する必要がある。
一部床材の貼り替え方法として、例えば、特許文献1には「4周にサネを形成した床材を床下地面に置き敷きして形成された床における一部貼り替え方法であって、置き敷き床から、貼り替えすべき床材と該床材の一方の長手方向のサネ部分で隣り合う床材の2枚を取り除く工程、短手方向のサネ部分を処理した2枚の床材を長手方向のサネ部分で隣り合うようにして組み付け、かつ、分離はしないが折れ曲がりは可能なように裏面から2枚の床材を接合する工程、接合した2枚の床材を折り曲げた状態で、先に床材を除去した領域に配置する工程、配置した2枚の床材を床下地面に押し付けて平坦な状態とする工程、とを少なくとも備えることを特徴とする置き敷き床での一部貼り替え方法。」に関する発明が開示されている。
特開2003−074170号公報
特許文献1の発明では、「短手方向のサネ部分を処理した2枚の床材を長手方向のサネ部分で隣り合うようにして組み付け」ることとしているが、具体的には、「同じ種類の床材を2枚用意し、短手方向のサネ(上下2箇所)を、オスサネ側はすべて、メスサネ側は裏面側のみを除去する処理を行う」(段落0008、0014など参照)こととしている。
このように雄実の実長さを短くしたり、完全に除去したりするなど、構造上の変更を行えば、一部床材の貼り替えが容易になるが、本実形状などの基本構造を誤って変更すれば、強度不足、段違い、床鳴りなど、床材としての基本的な性能に悪影響を及ぼすことがある。
例えば、マンション用などの直貼フロアには、6〜12mm程度の厚さの基材表面に、0.2〜3.0mm程度の厚さの化粧材を貼り付けた床材が用いられる。この基材としては、合板、繊維板(HDF、MDFなど)などのほか、合板と繊維板とを貼り合わせたものがある。通常は、前記の基材の裏面にウレタンなどの緩衝材を貼り付けたものが用いられる。このため、引用文献1の発明のように、雄実を完全に除去してしまった床材を用いたのでは段違いが生じるなど、床材としての基本的な性能への悪影響を避けることができない。
本発明は、このような従来技術の問題を解決するためになされたものであり、床の施工後に一部の床材のみを容易に貼り替えることができる床材および一部床材の貼り替え方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するべく、既設床から貼替対象床材(場合によって、該床材と、その短手方向(巾方向)隣りにある床材)とを取り除き、残存するフロア残留物を取り除いて下地を露出させた空間に、対応する新規床材を嵌め込むことを前提として、床材の貼り替えを行う方法を検討した。
一の新規床材の長手方向(長さ方向)の雄実に他の新規床材の長手方向の雌実を連結した状態で該2枚の床材表面をテープで仮固定し、該2枚の床材の連結部を山折りにした状態であれば、新規床材の長手方向の雄実および雌実ならびに短手方向の雄実を、それぞれ既設床の長手方向の雌実および雄実ならびに短手方向の雌実にはめ込むことができる。しかし、新規床材の短手方向の雌実を既存床の雄実に嵌合させるのは容易ではない。
そこで、本発明者らは鋭意研究を行い、運搬用吸盤を該2枚の新規床材のいずれか一方の長手方向中央部に取り付け、その部分を上方に押し上げることにより、新規床材の短手方向の雌実の相対的な位置を後退させることができ、新規床材の短手方向の雌実を既存床の雄実に嵌合させることが可能であることを見出した。
本発明者らが行った様々な検討により、上記の方法に従って一部床材を貼り替えるに際して、新規床材の短手方向の雌実の下顎部が既存床の雄実の凸部に接触すると、新規床材の短手方向の雌実を既存床の雄実に嵌合させるのが困難となることが分かった。そこで、床材の基本的な性能に悪影響を与えない範囲で、雄実および雌実の形状を変更し、本発明を完成させた。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものであり、下記の(1)〜(5)の床材、ならびに、下記(6)〜(8)の一部床材の貼り替え方法を要旨とする。
(1)少なくとも短手方向に、上垂直部、凸部および下垂直部で構成される雄実と、上顎部、凹部および下顎部で構成される雌実を有する床材であって、
一の床材における該雄実の該凸部の上面に、他の床材における該雌実の該上顎部の下角部を当接した状態で回転させて該雌実を該雄実に嵌め込むに際して、該下顎部の上角部が該凸部の移動の妨げとならず、かつ、施工後の一の床材における該上垂直部と他の床材における該上顎部との水平方向のギャップをWとするとき、凸部下面と下顎部上面との水平方向の重なり巾Wが2×W以上である、床材。
(2)前記ギャップWが、0.1〜1.0mmである、上記(1)の床材。
(3)前記下顎部が、その上角部にテーパー部を有する、上記(1)または(2)の床材。
(4)前記巾Wが、0.3mm以上である、上記(1)〜(3)のいずれかの床材。
(5)前記凸部先端と前記上垂直部との水平方向の距離Hとするとき、該凸部先端から水平方向にH/3の上面位置と該凸部の下角部との距離Dが、前記上顎部の前記下角部と前記下顎部の前記上角部との距離Dよりも小さい、上記(1)〜(3)のいずれかの床材。
(6)下記の(a)〜(g)の工程を行う、一部床材の貼り替え方法。
(a)既設床から貼替対象床材を取り除く工程、
(b)露出した下地に残存するフロア残留物を取り除く工程、
(c)該下地表面に接着剤を塗布する工程、
(d)一の新規床材の長手方向の雄実に他の新規床材の長手方向の雌実を連結した状態で該2枚の床材表面をテープで仮固定する工程、
(e)該2枚の新規床材の連結部を山折りにした状態で、長手方向の雄実および雌実ならびに短手方向の雄実を、それぞれ既設床の長手方向の雌実および雄実ならびに短手方向の雌実にはめ込む工程、
(f)運搬用吸盤を用いて、該2枚の新規床材の長手方向中央部を上方に押し上げ、その状態で短手方向の雌実を、既設床の短手方向の雄実に当接させる工程、および、
(g)該2枚の新規床材の短手方向の雌実を既設床の短手方向の雄実に嵌め込む工程。
(7)前記(g)の工程が、前記2枚の床材の連結部の短手方向の雌実付近を緩衝材付ハンマーで叩くことにより、該2枚の新規床材の短手方向の雌実を既設床の短手方向の雄実に嵌め込む工程である、上記(1)の一部床材の貼り替え方法。
(8)前記新規床材として、上記(1)〜(5)のいずれかの床材を用いる、上記(6)または(7)のいずれかの一部床材の貼り替え方法。
本発明の床材によれば、既存床の一部の床材を抜き取ってできた空間に新規床材を容易に嵌め込むことができるので、施工済みの他の床材を傷つけることなく、既存床の一部を新規の床材に貼り替えることが可能となる。また、本発明の一部床材の貼り替え方法によれば、既存床の一部を新規の床材に貼り替える際の作業性が格段に向上する。よって、施工後に、一部の床材に欠陥が見つかった場合や、誤って傷をつけてしまった場合であっても、施工済みの床材のすべてを剥がすことなく修復が可能となるので、住宅のフローリングの補修時において特に有用である。
一部の床材の縦溝に切込みを入れる工程を例示した図 既設床から床材を取り除く工程を例示した図 新規床材を既設床に当接させる工程を例示した図 新規床材を既設床に嵌め込む工程を例示した図 本発明に係る床材を例示した図 (a)合板製の床材の例 (b)MDF製の床材の例 本発明に係る床材を例示した図 (a)当接前の状態 (b)当接および嵌め込み時の状態 (c)施工後の状態 本発明に係る床材を例示した上面図 本発明に係る床材を例示した背面図 図7のA−A断面図 図9の円Bについての部分拡大図 本発明に係る床材の他の例を示した部分拡大図
以下、図を用いて、本発明の実施態様を説明するが、本発明は、図に示された床材に限定されないのはいうまでもない。まず、本発明に係る一部床材の貼り替え方法について説明し、その後、本発明に係る床材について説明する。
1.本発明に係る一部床材の貼り替え方法
本発明に係る一部床材の貼り替え方法においては、まず、既設床から抜取対象を取り除く必要がある。その方法については、特に制約はないが、例えば、図1に示すように、カッターなどの切断手段54で貼替対象床材50の縦溝55に沿って切込みを入れ、貼替対象床材50を縦溝に沿って分断させやすくした後、図2に示すように、運搬用吸盤51を貼替対象床材50の表面に吸着させ、その状態で運搬用吸盤51を上方に移動させることによって、施工済みの他の床材を傷つけることなく、貼替対象床材50のみを剥ぎ取ることが可能となる。
既設床から貼替対象床材を取り除く工程は、上記の方法に限定されず、縦溝以外の場所に切込みを入れても良いし、短手方向に複数の切り込みを入れても良いが、貼替対象床材ではない周辺の床材にまで傷をつけるおそれがある。直線的な切込みを入れやすい上記の方法を採用するのが好ましい。また、後段で詳しく説明するように、縦溝の裏面には、裏溝を設けることが好ましい。
欠陥のある床材が1枚はぎの場合には、該床材と、短手方向(巾方向)隣りにある床材の2枚を抜き取る、すなわち、短手方向に隣り合う2枚の床材が貼替対象床材となる。一方、欠陥のある床材が2枚はぎ以上の場合、その床材のみを抜き取る、すなわち、その床材1枚を貼替対象床材としてもよいし、短手方向に隣り合う2枚の床材を貼替対象床材としてもよい。これは、後段で詳しく説明するように、新規の床材の嵌め込みは、2枚の床材を山折り状態として行われるため、貼替対象床材に少なくとも1本の縦溝が存在する必要があるためである。
続いて、貼替対象床材を取り除いた後には、図2に示すように、下地材53の上面にクッション材や接着剤などのフロア残留物52が残っているため、スクレーパー(図示省略)などによってこれを取り除き、下地を平滑にし、その後、下地53の表面に接着剤を塗布する。このような下地処理を行うのは、新規床材の接着性を向上させるためである。このようにして、貼替対象床材を含む一部床材を取り除いた後の既存床の空間には、以下に示す方法で、2枚の新規床材が嵌め込まれ、施工される。
対応する2枚の新規床材としては、貼替対象床材が2枚である場合には、貼替対象床材と同じサイズのものを用意すればよい。一方、貼替対象床材が1枚である場合には、貼替対象床材の縦溝で分断したサイズのものを用意すればよい。例えば、貼替対象床材が等間隔の2枚はぎの床材である場合、新規の床材として貼替対象床材と同一長さで、巾が半分のものを用意すればよく、貼替対象床材が等間隔の3枚はぎの床材である場合、新規の床材として貼替対象床材と同一長さで、巾が1/3のものを3枚用意するか、巾が1/3のものと2/3のものとの2枚を用意すればよい。
図3に示すように、予め2枚の新規床材60a、60bを連結する。このとき、すなわち、一の新規床材60aの長手方向の雌実に他の新規床材60bの長手方向の雄実を連結した状態で2枚の床材60a、60bの表面をテープ61で仮固定したものを用意する。2枚の新規床材60a、60bの連結部62を山折りにした状態で、長手方向の雄実および雌実ならびに短手方向の雄実を、それぞれ既設床の長手方向の雌実および雄実ならびに短手方向の雌実にはめ込む。
続いて、図4に示すように、運搬用吸盤51を2枚の新規床材60a、60bのいずれか一方(図4に示す例では60a)の長手方向中央部に吸着させ、2枚の新規床材60a、60bの長手方向中央部63を上方に押し上げると、新規床材60a、60bの短手方向の雌実64の既存床の短手方向の雄実に対する相対的な位置を後退させる(図面右上方向に移動させる)ことができ、その結果、新規床材の短手方向の雌実を既存床の雄実に嵌合させることが可能である。その状態で短手方向の雌実64を、既設床の短手方向の雄実に当接させ、2枚の新規床材60a、60bの短手方向の雌実64を既設床の短手方向の雄実に嵌め込むことにより、既存床の一部床材を新規の床材に貼り替えることができる。
なお、2枚の床材60a、60bの短手方向の雌実64を既設床の短手方向の雄実に嵌め込むに際しては、2枚の新規床材60a、60bの連結部の短手方向の雌実付近65を緩衝材付ハンマー66で叩くのがよい。緩衝材付ハンマーとしては、例えば、ゴム製、樹脂製などのハンマーなどである。また、本発明に係る一部床材の貼り替え方法において使用する床材は、前述のように、運搬用吸盤51によって持ち上げられた際に、折れない程度に十分な強度を有するとともに、ある程度の撓み量が得られるものであることが好ましい。よって、床材としては、その裏面に、長手方向等間隔に設けられた複数の裏溝を有しているものを用いるのが好ましい。
上記の方法によれば、既存床の一部床材を新規の床材に容易に貼り替えることができるが、通常の床材は、元々このような方法での貼り替えを想定しておらず、そのままでは、2枚の床材60a、60bの短手方向の雌実64を既設床の短手方向の雄実に嵌め込むのが困難な場合がある。しかし、引用文献1に記載の発明のように雄実を完全に除去してしまうと、嵌め込み後に床材としての基本的な性能を維持できなくなってしまう。そこで、本発明者らは、既存床の一部床材を容易に新規の床材に貼り替えることができ、しかも、嵌め込み後に床材としての基本的な性能を維持できる床材として、下記の床材を見出した。
2.本発明に係る床材
図5(a)および(b)に示すように、本発明に係る床材1は、少なくとも短手方向に、上垂直部11、凸部12および下垂直部13で構成される雄実10と、上顎部21、凹部22および下顎部23で構成される雌実20を有する床材である。
なお、床材のサイズは、前述のように、貼替対象床材に応じて適切なものを選べばよい。例えば、303mm×909mmサイズ(いわゆる1×3尺サイズ)、303mm×1818mmサイズ(いわゆる1×6尺サイズ)などである。床材の厚さについては、特に制約はないが、床材としての基本的な強度を保持できる程度の厚さであればよく、また、あまりに厚いと、床材の長手方向中央部を上方に押し上げることが困難になるため、その厚さは、5〜15mmとすることが好ましい。好ましい上限は7mmである。また、床材の裏面には、長手方向等間隔に設けられた複数の裏溝を有しているのが好ましい。
図中省略しているが、図5(a)に示す合板製床材は、例えば、化粧層および合板層を有するものであり、必要に応じて、化粧層および合板層の間にMDF層を、合板層の下に緩衝材層を、さらに、緩衝材層の下に遮水層を設けてもよい。また、図5(b)に示すMDF製床材とは、化粧層およびMDF層を有するものであり、必要に応じて、MDF層の下に樹脂シート層を、さらにMDF層または樹脂シート層の下に緩衝材層を、さらに、緩衝材層の下に遮水層を設けてもよい。
図6(a)および(b)に示すように、一の床材30における雄実の凸部12の上面12aに、他の床材40における雌実の上顎部21の下角部21aを当接した状態(同図(b)参照)で回転させて、床材40の雌実を床材30の雄実に嵌め込むに際して、下顎部23の上角部23aが凸部12の相対的な移動の妨げとならないことが必要である。具体的には、上角部23aには、図5および図6に示すようなテーパー部を設けるのが好ましい。
ここで、床材は、空気中の水分を吸収すると伸びる。この伸びは長手方向において顕著であるため、通常、一の床材の短手方向の雄実と、他の床材の短手方向の雌実との間にはスペーサー(通常は厚さ0.3mm程度)を取り付けた状態で施工される。該スペーサーは施工後に抜き取られる。よって、ギャップWは、通常はスペーサーの厚さに一致する。そして、施工後の凸部12と下顎部23との水平方向の重なり巾Wが、小さい場合には、該接合部を踏んだ時に、床材40の雌実の上顎部21が沈み、床材としての基本的な強度が得られなくなる。よって、図6(c)に示すように、施工後の一の床材30における上垂直部11と他の床材40における下垂直部13との水平方向のギャップをWとするとき、施工後の凸部12と下顎部23との水平方向の重なり巾Wが2×W以上であることが必要である。巾Wは0.3mm以上であることが好ましい。
ギャップWは、0.1〜1.0mmであることが好ましい。0.1mmより小さいと、上記の伸びが生じた時に雄実の上垂直部と雌実の上顎部とが接触し床鳴りを生じさせるおそれがあり、1.0mmを超えると、床材としての美観を損ねるおそれがある。ただし、ギャップWは、大きいと、一部床材の貼り替えを容易にするので、0.5mm以上とするのがより好ましい。
図6(a)に示すように、凸部12先端から水平方向にH/3(ただし、Hは凸部12の先端と上垂直部11との水平方向の距離)の上面位置(図中「A」の位置)と、凸部12の下角部12bとの距離Dは、上顎部21の下角部21aと下顎部23の上角部23aとの距離Dよりも小さいことが好ましい。この条件を満たす床材であれば、一の床材30における雄実の凸部12の上面12aに、他の床材40における雌実の上顎部21の下角部21aを当接した状態(同図(b)参照)で回転させて、床材40の雌実を床材30の雄実に嵌め込むに際して、下顎部20の上角部23aが凸部12の移動の妨げとならないからである。
なお、距離Dおよび距離Dの測定においては、下角部12b、下角部21aおよび上角部23aは、それぞれの角部の頂点を意味する。
以上の構成を有する床材であれば、既存床の一部床材を容易に新規の床材に貼り替えることができ、しかも、嵌め込み後に床材としての基本的な性能を維持できる。なお、本発明に係る床材は、既存床の一部床材を容易に新規の床材に貼り替えるに際して特に有用であるが、一部床材の貼り替えではなく、通常の新規床材の施工時にも使用可能であることは言うまでもない。この床材に、以下に示す裏溝を設ければ、床材を容易に分断することができるので、施工後に一部の床材を容易に抜き取ることが可能となる。
(裏溝について)
図7〜図11に示すように、本発明の床材70には、その表面70aに縦溝71を、その裏面70bに裏溝72を有しており、裏溝2は、床材70の裏面70b側の縦溝71に対応する位置に、縦溝71に沿うように形成されていることが好ましい。このような構成を有する床材70は、カッターなどの切断手段により、縦溝71に切込みを入れることにより縦溝71に沿って床材を容易に分断することができるので、施工後に一部の床材を容易に抜き取ることが可能となる。
図7〜図9では、2枚はぎの床材の例を示しているが、3枚はぎ、4枚はぎ、またはそれ以上のはぎ数の床材であってもよいことは前述のとおりである。はぎ数が3枚以上の床材の場合、縦溝が2本以上存在することになるが、裏溝は、いずれか一本の縦溝に沿うように形成されておれば足りる。裏溝は、幅方向中心に近い位置にある縦溝に沿うように形成されていることが好ましい。縦溝が複数ある場合には、その全部または一部の縦溝に沿って、複数の裏溝を形成してもよい。
縦溝には、V型、U型、凹型など様々な形状のものがある。縦溝の溝底とは、溝の最も深い部分をいい、V型およびU型の溝の場合、細線状であり、凹型の場合、太線状である。いずれの縦溝の場合でも、裏溝は、溝底の大部分(全体の80%以上、好ましくは90%以上)を含むように形成されておればよい。裏溝は、溝底の全部を含むように形成されているのが最も好ましい。裏溝は、縦溝V型およびU型の溝の場合、縦溝の幅よりも狭くても良いが、縦溝が凹型の溝の場合、裏溝の幅は縦溝の幅よりも広く形成するのが好ましい。
床材の基材には、用途や客先仕様により、様々なものがある。例えば、図10に示す床材80は、化粧単板などの表面層73と、MDFなどの木質繊維層74と、塩化ビニルなどの合成樹脂層75とを有する床材の例である。床材80には、その表面に縦溝71が形成され、その裏面に縦溝71に沿うように裏溝72が形成されているのは前述の例と同様である。図10に示す例において、縦溝71は、概ね0.2mm程度の表面層73を貫通し、3mm程度の木質繊維層74の表層にまで及ぶように形成され、裏溝72は、合成樹脂層5の範囲内で形成されている。
図11に示す床材90は、化粧単板などの表面層73と、HDFなどの木質繊維層76と、合板層75とを有する床材の例である。床材90には、その表面に縦溝71が形成され、その裏面に縦溝71に沿うように裏溝72が形成されているのは前述の例と同様である。図11に示す例において、縦溝71は、概ね0.2mm程度の表面層73を貫通し、0.5mm程度の木質繊維層76にまで及ぶように形成され、裏溝72は、合板層77の範囲内で形成されている。
図10および図11のいずれの例においても、直貼り用フロアの場合には、裏面側にはウレタンなどからなるクッションシートが貼り付けられる。
ここで、縦溝71の幅、開口角などについては用途や客先仕様による。一方、裏溝72は、その形状に特に制約はないが、縦溝の底部と裏溝の底部との距離(図10または図11のD)は1〜5mmとするのが好ましく、その幅(図10または図11のW)は1〜25mmとするのが好ましい。
縦溝の底部と裏溝の底部との距離が1mmに満たない場合、縦溝の部分における機械的な強度が不十分となり、縦溝に強い負荷が掛かると、割れなどの不具合が生じかねない。一方、縦溝の底部と裏溝の底部との距離が5mmを超えると、カッターなどの手工具で床材の分断をすることが困難となる。よって、縦溝の底部と裏溝の底部との距離は1〜5mmとするのがよい。下限は2mmとするのが好ましい。また、上限は4mm、より好ましくは3mmとするのが好ましい。
裏溝の幅が1mmに満たない場合、縦溝に切込みを入れる際に少しでもずれると床材の分断が困難となるおそれがある。また、裏溝の幅が25mmを超えると、縦溝の部分における機械的な強度が不十分となり、縦溝に強い負荷が掛かると、割れなどの不具合が生じかねない。よって、裏溝の幅は1〜25mmとするのがよい。上限は20mmとするのが好ましく、15mmとするのがより好ましく、10mmとするのが一層好ましい。さらに好ましいのは5mmである。
上記の裏溝を有する床材を施工した後、一部の床材を抜き取るに際しては、前掲の図1に示すように、カッターなどの切断手段54を用いて、貼替対象床材50の縦溝55に沿って切込みを入れる点は、前述の例と同様であるが、この例では、縦溝の裏面に裏溝が形成されているため、通常の床材と比較して、貼替対象床材50を縦溝25に沿って分断させやすいというメリットがある。その後に、貼替対象床材のみを剥ぎ取る工程、フロア残留物を取り除く工程などは、前述の例と同様である。
本発明の床材によれば、既存床の一部の床材を抜き取ってできた空間に新規床材を容易に嵌め込むことができるので、施工済みの他の床材を傷つけることなく、既存床の一部を新規の床材に貼り替えることが可能となる。また、本発明の一部床材の貼り替え方法によれば、既存床の一部を新規の床材に貼り替える際の作業性が格段に向上する。よって、施工後に、一部の床材に欠陥が見つかった場合や、誤って傷をつけてしまった場合であっても、施工済みの床材のすべてを剥がすことなく修復が可能となるので、住宅のフローリングの補修時において特に有用である。
1 本発明に係る床材
10 雄実
11 上垂直部
12 凸部
12a 上面
13 下垂直部
20 雌実
21 上顎部
21a 下角部
22 凹部
23 下顎部
23a 上角部
30、40 床材
54 切断手段
50 貼替対象床材
55 縦溝
51 運搬用吸盤
53 下地材
52 フロア残留物
60a、60b 床材
61 テープ
62 連結部
63 長手方向中央部
64 雌実
65 連結部の短手方向の雌実付近
66 緩衝材付ハンマー
71 縦溝
72 裏溝
73 表面層
74 木質繊維層
75 合成樹脂層
76 木質繊維層
77 合板層
70、80、90 床材
70a 床材表面
70b 床材裏面

Claims (8)

  1. 少なくとも短手方向に、
    上垂直部、凸部および下垂直部で構成される雄実と、
    上顎部、凹部および下顎部で構成される雌実を有する床材であって、
    一の床材における該雄実の該凸部の上面に、他の床材における該雌実の該上顎部の下角部を当接した状態で回転させて該雌実を該雄実に嵌め込むに際して、該下顎部の上角部が該凸部の移動の妨げとならず、かつ、
    施工後の一の床材における該上垂直部と他の床材における該上顎部との水平方向のギャップをWとするとき、凸部下面と下顎部上面との水平方向の重なり巾Wが2×W以上である、床材。
  2. 前記ギャップWが、0.1〜1.0mmである、請求項1に記載の床材。
  3. 前記下顎部が、その上角部にテーパー部を有する、請求項1または2に記載の床材。
  4. 前記巾Wが、0.3mm以上である、請求項1から3までのいずれかに記載の床材。
  5. 前記凸部先端と前記上垂直部との水平方向の距離Hとするとき、該凸部先端から水平方向にH/3の上面位置と該凸部の下角部との距離Dが、前記上顎部の前記下角部と前記下顎部の前記上角部との距離Dよりも小さい、請求項1から4までのいずれかに記載の床材。
  6. 下記の(a)〜(g)の工程を行う、一部床材の貼り替え方法。
    (a)既設床から貼替対象床材を取り除く工程、
    (b)露出した下地に残存するフロア残留物を取り除く工程、
    (c)該下地表面に接着剤を塗布する工程、
    (d)一の新規床材の長手方向の雄実に他の新規床材の長手方向の雌実を連結した状態で該2枚の床材表面をテープで仮固定する工程、
    (e)該2枚の新規床材の連結部を山折りにした状態で、長手方向の雄実および雌実ならびに短手方向の雄実を、それぞれ既設床の長手方向の雌実および雄実ならびに短手方向の雌実にはめ込む工程、
    (f)運搬用吸盤を用いて、該2枚の新規床材の長手方向中央部を上方に押し上げ、その状態で短手方向の雌実を、既設床の短手方向の雄実に当接させる工程、および、
    (g)該2枚の新規床材の短手方向の雌実を既設床の短手方向の雄実に嵌め込む工程。
  7. 前記(g)の工程が、前記2枚の床材の連結部の短手方向の雌実付近を緩衝材付ハンマーで叩くことにより、該2枚の新規床材の短手方向の雌実を既設床の短手方向の雄実に嵌め込む工程である、請求項6に記載の一部床材の貼り替え方法。
  8. 前記新規床材として、請求項1から5までのいずれかに記載の床材を用いる、請求項6または7に記載の一部床材の貼り替え方法。
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