JP2013227708A - 分割性複合繊維の製造方法及び製造装置 - Google Patents

分割性複合繊維の製造方法及び製造装置 Download PDF

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隆明 天笠
Shuichi Murata
修一 村田
Akihiko Kawano
明彦 川野
Yasuhiro Ito
康博 伊藤
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Abstract

【課題】分割し易いことで、様々な産業資材用途に有用な布帛を容易に調製できる、分割性複合繊維の製造方法および分割性複合繊維の製造装置を提供する。
【解決手段】(1)複数の樹脂層を有する複合繊維5を、延伸する工程、(2)前記延伸した複合繊維における繊維長方向全体にわたり外力が作用するようにして、前記延伸した複合繊維の繊維径方向へ外力を作用させる工程を含む製造方法によって、分割し易い分割性複合繊維6を製造する分割性複合繊維の製造方法。分割性複合繊維の製造方法によれば、分割し易い分割性複合繊維を製造できることから、様々な産業資材用途に有用な、例えば、不織布、織物、編物などの布帛を容易に得ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は分割性複合繊維の製造方法及び製造装置に関する。
繊維径が細い繊維を含み構成された、例えば、不織布、編物、織物などの布帛は表面積が広く緻密となるため、例えば、濾過性能、隠蔽性、耐破断性、払拭性、保水性などの諸機能が向上した布帛となり、例えば、アルカリ電池用セパレータ、リチウム電池用セパレータ、キャパシター用セパレータ等の電気化学素子用セパレータ、気体や液体の濾過材料、吸音材や遮音材などの音響材料、貼付剤用基材やプラスター剤用基材などの医療用材料、芯地などの衣料材料、自動車天井材や壁面表皮材などの自動車用材料、壁材や壁紙などの建築用材料、化粧水等を保持したスキンケアシートやタオルやオムツなどの衛生材料、断熱材や緩衝材や放熱材など工業材料、バイオリアクターや細胞培養基材などバイオサイエンス材料、オイルフェンスなどの環境保全材料など、様々な産業資材用途に有用である。
そのため、様々な産業資材用途に有用な布帛を容易に得られるように、繊維径が細い繊維を含み構成された布帛の製造方法が検討されている。
繊維径が細い繊維を含み構成された布帛の製造方法として、複合繊維を分割して得られる繊維径が細い繊維(以降、極細繊維、と称する)を用いて、布帛を製造する方法が知られている。そして、複合繊維を分割して極細繊維を調製する一例の方法として、複合繊維を溶液中に混ぜた混合液を、例えば、ビーター、リファイナー、パルパー、アジター(登録商標)などのミキサー装置に供することで、複合繊維を混合液中で分散させると共に分割して極細繊維を調製し、前記極細繊維を用いて布帛を製造する方法が行われている。
しかしながら、上述の方法を用いて混合液中の複合繊維を完全に分割させるためには、複合繊維をミキサー装置による分割処理に長時間供する必要があった。そして、複合繊維をミキサー装置による分割処理に長時間供した場合には、複合繊維が分割してなる極細繊維が混合液中で攪拌される時間が長くなるため、極細繊維が混合液中で絡まり合い易くなり、極細繊維が均一に分散してなる布帛を得ることが困難になるという問題があった。
一方、分割処理を短時間化するため、ミキサー装置によって複合繊維に対して強いせん断力を作用させた場合には、複合繊維が分割してなる極細繊維が強いせん断力によって切断され易くなり、任意の繊維長を有する極細繊維により構成された布帛を得ることが困難となる恐れがあった。
また、複合繊維をミキサー装置による分割処理に長時間供した場合や、ミキサー装置によって複合繊維に対して強いせん断力を作用させた場合には、混合液中に、ミキサー装置から剥落した金属粉などの異物が混入する可能性が高くなり、結果、不純物の少ない布帛を得ることが困難となる恐れがあった。
そのため、様々な産業資材用途に有用な布帛を容易に調製できるように、分割し易い、複合繊維が求められている。
分割し易い複合繊維として、特開平11−131321号公報(特許文献1)には、非相溶融なポリマーどうしを単純ブレンド紡糸した繊維における、ポリマーどうしの相分離界面に微粒子を局在させて繊維の相分離構造を安定化してなる複合繊維が開示されている。
特許文献1に係る複合繊維は、ポリマーどうしの相分離界面に微粒子が局在することで、複合繊維を容易に分割できることが開示されている。
しかしながら、特許文献1の発明は複合繊維の分割性を向上するため、微粒子含有層分離構造を有するポリマーからなる複合繊維であることを特徴としており、製造される布帛は微粒子を含有するものとなることから、微粒子の混合していない布帛を製造できず、製造できる布帛に限定を受け易いという問題を有している。
そのため、特許文献1の複合繊維を用いる限り、様々な産業資材用途に有用な布帛を得ることが困難である。
特開平11−131321号公報(特許請求の範囲、0004、0007、0025−0026、実施例など)
本発明は、分割し易いことで、様々な産業資材用途に有用な布帛を容易に調製できる、分割性複合繊維の製造方法および分割性複合繊維の製造装置の提供を目的とする。
本発明は、
[1]「(1)複数の樹脂層を有する複合繊維を、延伸する工程、
(2)前記延伸した複合繊維における繊維長方向全体にわたり外力が作用するようにして、前記延伸した複合繊維の繊維径方向へ外力を作用させる工程、
を含むことを特徴とする、分割性複合繊維の製造方法。」
[2]「複数の樹脂層を有する複合繊維が、複数の樹脂層を有する中空複合繊維であることを特徴とする、請求項1に記載の分割性複合繊維の製造方法。」
[3]「(1)複数の樹脂層を有する複合繊維を延伸することができる、延伸装置、
(2)前記延伸した複合繊維における繊維長方向全体にわたり外力が作用するようにして、前記延伸した複合繊維の繊維径方向へ外力を作用させることができる、外力作用装置、
を含むことを特徴とする、分割性複合繊維の製造装置。」
である。
本発明者らは、「(1)複数の樹脂層を有する複合繊維を、延伸する工程、(2)前記延伸した複合繊維における繊維長方向全体にわたり外力が作用するようにして、前記延伸した複合繊維の繊維径方向へ外力を作用させる工程」を含む製造方法によって、分割し易い分割性複合繊維を製造できることを見出した。
分割し易い分割性複合繊維を製造できる理由として、
1.延伸した複合繊維の繊維径方向へ外力を作用させることで、延伸した複合繊維における前記外力の作用を受けた部分で、複数の樹脂層間に位置ズレやわずかな層間剥離が発生しているため、
2.延伸した複合繊維における繊維長方向全体にわたり外力が作用するようにすることで、複数の樹脂層間の位置ズレやわずかな層間剥離を、延伸した複合繊維の繊維長方向全体にわたり発生させることができるため、ではないかと考えられた。
そのため、本発明の分割性複合繊維の製造方法によれば、分割し易い分割性複合繊維を製造できる。
そして、本発明の分割性複合繊維の製造方法によれば、分割し易い分割性複合繊維を製造できることから、様々な産業資材用途に有用な、例えば、不織布、織物、編物などの布帛を容易に得ることができる。
また、本発明者らは、上述の分割性複合繊維の製造方法において「複数の樹脂層を有する複合繊維が、複数の樹脂層を有する中空複合繊維である」ことで、更に、分割し易い分割性複合繊維を製造できることを見出した。
更に、分割し易い分割性複合繊維を製造できる理由として、中空構造の繊維は外力の作用を受けた際に繊維径方向に変形し易いためであると考えられた。つまり、延伸した中空複合繊維における繊維長方向全体にわたり外力を作用させて、延伸した中空複合繊維を繊維径方向に変形させることで、延伸した中空複合繊維における前記外力の作用を受けた部分で、複数の樹脂層間に位置ズレやわずかな層間剥離が、更に、発生しているためではないかと考えられた。

そのため、本発明の分割性複合繊維の製造方法によれば、更に、分割し易い分割性複合繊維を製造できる。
そして、本発明の分割性複合繊維の製造方法によれば、更に、分割し易い分割性複合繊維を製造できることから、様々な産業資材用途に有用な布帛を容易に得ることができる。
そして、本発明者らは、「(1)複数の樹脂層を有する複合繊維を延伸することができる、延伸装置、(2)前記延伸した複合繊維における繊維長方向全体にわたり外力が作用するようにして、前記延伸した複合繊維の繊維径方向へ外力を作用させることができる、外力作用装置」を含む製造装置によって、分割し易い分割性複合繊維を製造できることを見出した。
分割し易い分割性複合繊維を製造できる理由として、
1.延伸した複合繊維の繊維径方向へ外力を作用させることで、延伸した複合繊維における前記外力の作用を受けた部分で、複数の樹脂層間に位置ズレやわずかな層間剥離が発生しているため、
2.延伸した複合繊維における繊維長方向全体にわたり外力が作用するようにすることで、複数の樹脂層間の位置ズレやわずかな層間剥離を、延伸した複合繊維の繊維長方向全体にわたり発生させることができるため、
ではないかと考えられた。

そのため、本発明の分割性複合繊維の製造装置によれば、分割し易い分割性複合繊維を製造できる。
そして、本発明の分割性複合繊維の製造装置によれば、分割し易い分割性複合繊維を製造できることから、様々な産業資材用途に有用な布帛を容易に得ることができる。
本発明の分割性複合繊維の製造装置により、分割性複合繊維が製造されている態様を示す、模式的側面図である。 芯鞘形状の部位を備える複合繊維の模式的横断面形状である。 芯鞘形状の部位を備える中空複合繊維の模式的横断面形状である。
本発明の分割性複合繊維の製造装置により、分割性複合繊維が製造されている態様を示す、模式的側面図である図1を用いて、本発明の分割性複合繊維の製造方法について説明する。
本発明の分割性複合繊維の製造装置(10)は、図1に図示されているように、主として、延伸装置(1)、外力作用装置(2)を備えて構成されている。なお、図1では、2つのドローロール(3、3’)間に熱水をはった浴槽(4)を備えており、前記熱水中で複合繊維(5)を延伸できる延伸装置(1)、および、回転する対のロールを用いた外力作用装置(2)を備える態様を図示している。
まず、紡糸装置(図示せず)によって調製された、複数の樹脂層を有する複合繊維(5、以降、複合繊維、と称することがある)は、本発明の分割性複合繊維の製造装置(10)へと供給される。
そして、複合繊維(5)はドローロール(3)により熱水をはった浴槽(4)へ向かい搬送されると共に、熱水をはった浴槽(4)中へ導かれ、前記ドローロール(3)よりも複合繊維(5)の搬送速度が速いドローロール(3’)によって外力作用装置(2)へ向かい搬送される。
このとき、複合繊維(5)は、2つのドローロール(3、3’)間における複合繊維(5)の搬送速度が異なると共に、熱水をはった浴槽(4)の熱水中を通過し加熱されることによって、熱水をはった浴槽(4)の熱水中で繊維長方向に延伸される。
次いで、延伸された複合繊維(5’)は外力作用装置(2)によって、延伸された複合繊維(5’)における繊維長方向全体にわたり外力を受けて、分割し易い分割性複合繊維(6)が製造される。
なお、本発明でいう「複数の樹脂層を有する」とは、複合繊維(5)の繊維径方向における横断面(以降、横断面、と称する)において、複合繊維(5)を構成している各ポリマーが層を成し存在していることを意味している。
また、本発明でいう「延伸された複合繊維における繊維長方向全体にわたり外力が作用する」とは、延伸された複合繊維(5’)の繊維長方向へ向かい連続的に外力が作用することを指す。
以上に説明したように、本発明の分割性複合繊維の製造方法によって、分割し易い分割性複合繊維(6)を製造できる。
この理由として、
1.延伸した複合繊維(5’)の繊維径方向へ外力を作用させることで、延伸した複合繊維(5’)における前記外力の作用を受けた部分で、複数の樹脂層間に位置ズレやわずかな層間剥離が発生しているため、
2.延伸した複合繊維(5’)における繊維長方向全体にわたり外力が作用するようにすることで、複数の樹脂層間の位置ズレやわずかな層間剥離を、延伸した複合繊維(5’)の繊維長方向全体にわたり発生させることができるため、
ではないかと考えられた。
そのため、本発明の分割性複合繊維の製造方法によれば、分割し易い分割性複合繊維(6)を製造できる。
そして、本発明の分割性複合繊維の製造方法によれば、分割し易い分割性複合繊維(6)を製造できることから、様々な産業資材用途に有用な布帛を容易に得ることができる。
また、本発明の分割性複合繊維の製造方法において、複合繊維(5)として、複数の樹脂層を有する中空複合繊維(5、以降、中空複合繊維、と称することがある)を用いることで、更に、分割し易い分割性複合繊維(6)を製造できる。
この理由として、中空構造の繊維は外力の作用を受けた際に繊維径方向に変形し易いためであると考えられた。つまり、延伸した中空複合繊維(5’)における繊維長方向全体にわたり外力を作用させて、延伸した中空複合繊維(5’)を繊維径方向に変形させることで、延伸した中空複合繊維(5’)における前記外力の作用を受けた部分で、複数の樹脂層間に位置ズレやわずかな層間剥離が、更に、発生しているためではないかと考えられた。

そのため、本発明の分割性複合繊維(6)の製造方法によれば、更に、分割し易い分割性複合繊維(6)を製造できる。
そして、本発明の分割性複合繊維(6)の製造方法によれば、更に、分割し易い分割性複合繊維(6)を製造できることから、様々な産業資材用途に有用な布帛を容易に得ることができる。
そして、本発明の分割性複合繊維の製造装置(10)によって、分割し易い分割性複合繊維(6)を製造できる。
この理由として、
1.延伸した複合繊維(5’)の繊維径方向へ外力を作用させることで、延伸した複合繊維(5’)における前記外力の作用を受けた部分で、複数の樹脂層間に位置ズレやわずかな層間剥離が発生しているため、
2.延伸した複合繊維(5’)における繊維長方向全体にわたり外力が作用するようにすることで、複数の樹脂層間の位置ズレやわずかな層間剥離を、延伸した複合繊維(5’)の繊維長方向全体にわたり発生させることができるため、
ではないかと考えられた。

そのため、本発明の分割性複合繊維の製造装置(10)によれば、分割し易い分割性複合繊維(6)を製造できる。
そして、本発明の分割性複合繊維の製造装置(10)によれば、分割し易い分割性複合繊維(6)を製造できることから、様々な産業資材用途に有用な布帛を容易に得ることができる。
以上から、本発明によって、分割し易いことで、様々な産業資材用途に有用な布帛を容易に調製できる、分割性複合繊維の製造方法および分割性複合繊維の製造装置を提供することができる。
次いで、本発明の詳細について、以下に説明する。
複合繊維(5)を調製する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、乾式紡糸法、湿式紡糸法など公知の方法を採用することができるが、ポリマーを溶融させた溶融液あるいは溶媒にポリマーを溶解させた溶解液などの紡糸原液を、細径化させ連続的に吐出することで複合繊維(5)を生産できる紡糸方法(例えば、直接紡糸法など)を採用するのが好ましい。
上述の製造方法によって調製される複合繊維(5)の、繊度や繊維長、複合繊維(5)の横断面形状、複合繊維(5)の横断面におけるポリマーの配置や複合繊維(5)を構成するポリマーの種類、複合繊維(5)に添加できる添加物などは、得ようとする分割性複合繊維(6)によって適宜、調整されるべきものであり限定されるものではないが、例えば以下に説明するものとなるように調整することができる。
複合繊維(5)の繊度は、紡糸の安定性が確保できるように、また、延伸が安定して行えるように0.1〜50dtex(デシテックス)であるのが好ましく、0.3〜30dtex(デシテックス)であるのがより好ましく、0.5〜20dtex(デシテックス)であるのが最も好ましい。なお、本発明でいう「繊度」は、JIS L1015 化学繊維ステープル試験方法に基づき測定する。
そして、複合繊維(5)の繊維長は、様々な産業資材用途に有用な布帛を容易に調製できる分割性複合繊維(6)を製造できるのであれば、特に限定されるものではなく、任意の長さに調製した複合繊維(5)、連続長を有する複合繊維(5)とすることができるが、分割性複合繊維(6)を任意の長さに切断することで求める繊維長を有する分割性複合繊維(6)を製造し易いことから、連続長を有する複合繊維(5)であるのが好ましい。
また、複合繊維(5)の横断面形状は、分割し易い分割性複合繊維(6)を製造できるのであれば適宜調整されるべきものであり、限定されるものではないが、例えば、円形又は非円形(例えば、楕円状、長円状、多角形状、O文字状などのアルファベット形状、菊紋形状、*形状や#形状などの記号形状など)であることができる。
更に、複合繊維(5)の横断面におけるポリマーの配置は、分割し易い分割性複合繊維(6)を製造できるのであれば適宜調整されるべきものであり、限定されるものではなく、公知の分割可能な複合繊維の横断面形状における配置を採用することができるが、分割し易い分割性複合繊維(6)を製造できるように、サイドバイサイド型形状、中空のサイドバイサイド型形状、オレンジ型形状、中空のオレンジ型形状、菊紋型形状、中空の菊紋型形状、チェック模様型形状、各ポリマーが交互に並列または交互に略並列した形状(クラレ社のWRAMP(登録商標)繊維など)などの横断面形状を有する複合繊維(5)であるのが好ましい。
また、例えば、サイドバイサイド型形状、海島形状、芯鞘形状などの極細繊維を得られる分割し易い分割性複合繊維(6)を製造することができるように、複合繊維(5)の横断面におけるポリマーの配置を調整してもよい。

横断面におけるポリマーの配置を調整した複合繊維(5)の一例として、芯鞘形状の部位を備える複合繊維(5A)の模式的横断面形状を図2に、また、芯鞘形状の部位を備える中空複合繊維(5B)の模式的横断面形状を図3に図示する。図2−3において記号21−23は複合繊維(5A)および中空複合繊維(5B)を構成しているポリマーを指し示しており、図3において記号24は中空複合繊維(5B)における中空部分を指し示している。
そして、記号21で指し示しているポリマーAと、記号22で指し示しているポリマーB及び記号23で指し示しているポリマーCは、異なる種類のポリマーである。なお、ポリマーB(22)とポリマーC(23)は、同一のポリマーであっても異なる種類のポリマーであってもよい。
また、図2−3では4分割可能な、分割し易い分割性複合繊維(6)を製造可能な複合繊維(5A)および中空複合繊維(5B)を例示しているが、前記分割数は適宜選択でき限定されるものではなく、例えば、8分割や16分割可能な、分割し易い分割性複合繊維(6)を製造可能な複合繊維(5)であってもよい。また、図2−3では2成分からなる芯鞘形状の部位と、単成分からなる部位が、交互に存在する横断面形状の複合繊維(5A)および中空複合繊維(5B)を例示しているが、芯鞘形状の部位のみからなる横断面形状の複合繊維(5)を調製してもよい。
上述した複合繊維(5)を構成するポリマーとして、例えば、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、炭化水素の一部をシアノ基またはフッ素或いは塩素といったハロゲンで置換した構造のポリオレフィン系樹脂など)、スチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂(ポバール樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体いわゆるエバール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体など)、ポリエーテル系樹脂(ポリエーテルエーテルケトン、ポリアセタール、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、ユリア系樹脂、エポキシ系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、芳香族ポリエーテルケトンなど)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、全芳香族ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂など)、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド系樹脂(例えば、芳香族ポリアミド樹脂、芳香族ポリエーテルアミド樹脂、ナイロン樹脂など)、二トリル基を有する樹脂(例えば、ポリアクリロニトリルなど)、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリスルホン系樹脂(ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなど)、フッ素系樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、四フッ化エチレン(C)とパーフルオロアルコキシエチレンとの共重合体(PFA)など)、セルロース系樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、アクリル系樹脂(例えば、アクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルなどを共重合したポリアクリロニトリル系樹脂、アクリロニトリルと塩化ビニルまたは塩化ビニリデンを共重合したモダアクリル系樹脂など)など公知の有機ポリマーなどを用いることができる。
なお、これらのポリマーは、直鎖状ポリマーまたは分岐状ポリマーのいずれからなるものでも構わず、ブロック共重合体やランダム共重合体でも構わず、また立体構造や結晶性の有無がいかなるものでも、特に限定されるものではない。更には、これらのポリマーを混ぜ合わせた混合ポリマーを用いても良く、特に限定されるものではない。
また、複合繊維(5)を構成するポリマーには、例えば、無機粒子、色素、難燃剤、防虫剤、芳香剤、脱臭剤、触媒、界面活性剤、薬効成分などの添加物を添加してもよい。
上述のようにして得られる複合繊維(5)を、以下に説明する各工程に供することで分割性複合繊維(6)を製造することができるが、分割性複合繊維(6)の生産性を向上させるために、連続長を有する複合繊維(5)を複数本束ねたトウ状態で、以下に説明する各工程に供するのが好ましい。
上述のようにして調製した複合繊維(5)を延伸装置(1)へ供することで、複合繊維(5)を繊維長方向に延伸することで、延伸した複合繊維(5’)を調製する。複合繊維(5)を延伸して、複合繊維(5)を構成するポリマーが結晶化されるため、分割性に優れる分割性複合繊維(6)を調製できると考えられる。
複合繊維(5)の延伸方法は特に限定されないが、例えば、レーザーや遠赤外線などを複合繊維(5)に照射しながら延伸する方法、絶対圧が2kgf/cm以上の加圧飽和水蒸気雰囲気下で複合繊維(5)を延伸する方法(特開平11−350283号に記載の延伸方法)、熱水中で複合繊維(5)を延伸する方法、加熱ロール表面やヒートプレートに複合繊維(5)を接触させ延伸する方法などを行うことのできる、延伸装置(1)を用いて複合繊維(5)の延伸を実施できる。

なお、複合繊維(5)の破断など無く安定して延伸できるように、複合繊維(5)を構成する樹脂成分の全てが可塑化して変形しうる温度条件下で、複合繊維(5)を延伸するのが好ましい。
また、複合繊維(5)の延伸を行う際の、複合繊維(5)の延伸倍率は分割し易い分割性複合繊維(6)を製造できるのであれば適宜、調整されるべきものであり限定されるものではないが、1.5倍以上であるのが好ましく、2倍以上であるのがより好ましい。更に、延伸回数は1段階の延伸に限定されるものではなく、多段階で延伸を行うこともできる。この時の各延伸段階の延伸倍率およびその延伸倍率の組み合わせは、適宜、調整するのが好ましい。
上述のようにして調製した、延伸した複合繊維(5’)を後述する外力作用装置(2)へ直接供しても良いが、延伸した複合繊維(5’)を外力作用装置(2)へ供する前に、加熱装置(図示せず)に供することで延伸した複合繊維(5’)を加熱するのが好ましい。
延伸した複合繊維(5’)を加熱することで、内部の残留ひずみが緩和され、延伸した複合繊維(5’)を構成するポリマーが結晶化されるため、更に分割性に優れる分割性複合繊維(6)を調製できると考えられる。
延伸した複合繊維(5’)を加熱する方法は、特に限定されず、上述した延伸工程と同様の加熱装置を用いて、複合繊維(5)を加熱できる。
なお、延伸した複合繊維(5’)を構成するポリマーの、残留ひずみ緩和され結晶化が好適に進行するように、複合繊維(5)を延伸した際の複合繊維(5)の加熱温度よりも高い加熱温度条件となるように、延伸した複合繊維(5’)を加熱するのが好ましく、例えば、複合繊維(5)を延伸した際の複合繊維(5)の加熱温度よりも5℃以上高い加熱温度条件とすることができ、10℃以上高い加熱温度条件とすることができる。
また、延伸した複合繊維(5’)を加熱する場合には、延伸した複合繊維(5’)の繊維長方向に必要以上の張力が作用しないように調節して加熱する、あるいは、張力が作用するように調節して加熱することができる。
なお、以降の説明では、延伸した複合繊維(5’)、および、延伸後に加熱した複合繊維(5’)を合わせて、延伸した複合繊維(5’)と総称する。
上述のようにして調製した延伸した複合繊維(5’)を、外力作用装置(2)に供することで、延伸した複合繊維(5’)における繊維長方向全体にわたり外力が作用するようにして、前記延伸した複合繊維(5’)の繊維径方向へ外力を作用させて、分割性複合繊維(6)を製造する。
延伸した複合繊維(5’)に外力を作用させる方法として、例えば、回転するロールと平板との間に延伸した複合繊維(5’)を通過させロール線圧を作用させる方法、回転するロール間に延伸した複合繊維(5’)を通過させロール線圧を作用させる方法、延伸した複合繊維(5’)に対して超音波や流体流(例えば、空気流や水流)を連続的に作用させる方法などを行うことのできる、外力作用装置(2)を用いて実施できる。
なお、回転するロールの種類は限定されるものではなく、例えば、金属製ロール、樹脂製ロール、ガラス製ロール、陶器製ロールなどを例示することができる。
延伸した複合繊維(5’)に外力を効率よく作用させ易いことから、回転するロール間に延伸した複合繊維(5’)を通過させロール線圧を作用させる方法を採用するのが好ましい。
特に、回転するロールのうち、一方のロール(以降、硬質ロール、と称する)の主面が他方のロール(以降、軟質ロール、と称する)の主面よりも柔らかい素材で構成されている場合には、延伸した複合繊維(5’)にロール線圧を効率よく作用させ易くなることで、更に、分割し易い分割性複合繊維(6)を製造でき好ましい。
この理由は完全に明らかになっていないが、延伸した複合繊維(5’)が回転するロール間を通過することで、延伸した複合繊維(5’)が硬質ロールによるロール線圧の作用を受けると共に、延伸した複合繊維(5’)の一部が軟質ロールの主面にめり込むことで、硬質ロールによるロール線圧に対して生じる軟質ロールによる応力が、延伸した複合繊維(5’)の表面の広い面積に対して作用できるためであると考えられる。このようなロールの組み合わせとして、例えば、金属製の主面を備えるロール(硬質ロール)と樹脂製の主面を備えるロール(軟質ロール)の組み合わせなどを挙げることができる。
また、ロール間のクリアランスは、分割し易い分割性複合繊維(6)を製造できるように調整するが、硬質ロールと軟質ロールの組み合わせを採用する場合のクリアランスは、0であるのが好ましい。
そして、延伸した複合繊維(5’)に作用する外力の大きさは適宜調整できるが、分割し易い分割性複合繊維(6)が製造できるように、回転するロール間に延伸した複合繊維(5’)を通過させる方法を採用する場合には、延伸した複合繊維(5’)へ作用するロール線圧が1kgf/cm以上となるように調整して作用させるのが好ましく、5kgf/cm以上となるように調整して作用させるのがより好ましく、10kgf/cm以上となるように調整して作用させるのが最も好ましい。ロール線圧の大きさの上限は特に限定するものではないが、100kgf/cm以下が現実的である。
なお、例えば、クリンパーなど繊維における繊維長方向の一部分へのみ外力を作用させる装置を用いた場合には、延伸した複合繊維(5’)における繊維長方向全体にわたり外力を作用させることができず、延伸した複合繊維(5’)において複数の樹脂層間の位置ズレやわずかな層間剥離を、延伸した複合繊維(5’)における繊維長方向全体にわたり、発生させることができない。
その結果、延伸した複合繊維(5’)に部分的に外力の作用していない部分や、他の部分に比べて外力が弱く作用した部分が生じるものとなるため、製造した複合繊維が分割され難い状態となり、分割し易い分割性複合繊維を製造することが困難となる。
上述のようにして製造される分割性複合繊維(6)の、例えば、繊度、引張り強さなどの諸物性は、分割し易いことで、様々な産業資材用途に有用な布帛を容易に調製できる分割性複合繊維(6)となる限り、適宜調整するものであり、限定されるものではないが、分割性複合繊維(6)の繊度が小さいほど、より繊維径の細い極細繊維を調製できる傾向があるものの紡糸安定性確保のため0.1〜50dtex(デシテックス)であるのが好ましく、0.3〜30dtex(デシテックス)であるのがより好ましく、0.5〜20dtex(デシテックス)であるのが最も好ましい。
また、分割性複合繊維(6)の引張り強さが強いほど、引張り強さが強い極細繊維を調製できる傾向があることで、強度に優れて形状変化や破断し難い布帛を製造できることから、分割性複合繊維(6)の引張り強さは1.5cN/dtex(デシテックス)以上であるのが好ましく、2cN/dtex(デシテックス)以上であるのがより好ましく、3cN/dtex(デシテックス)以上であるのが更に好ましく、3.5cN/dtex(デシテックス)以上であるのが更に好ましい。なお、引張り強さの上限は特に限定するものではないが、30cN/dtex(デシテックス)程度が現実的である。
分割性複合繊維(6)の繊維長は、特に限定されるものではなく、適宜調製することができ、連続長の分割性複合繊維(6)や、任意の繊維長を有する分割性複合繊維(6)として製造することができる。
任意の繊維長を有する分割性複合繊維(6)を製造する方法として、例えば、
1.連続長の分割性複合繊維(6)を任意の長さに切断することで、任意の繊維長を有する分割性複合繊維(6)を製造する方法、
2.任意の繊維長を有する延伸した複合繊維(5’)を調製し、前記任意の繊維長を有する延伸した複合繊維(5’)における繊維長方向全体にわたり外力が作用するようにして、前記任意の繊維長を有する延伸した複合繊維(5’)の繊維径方向へ外力を作用させることで、任意の繊維長を有する分割性複合繊維(6)を製造する方法、
を挙げることができる。
分割性複合繊維(6)、あるいは、複合繊維(5)や延伸した複合繊維(5’)を任意の繊維長となるように切断する方法として、例えば、ギロチンカッター、ロータリーカッター、押切りカッターなどを用いる、例えば、ボビンなどのロールに繊維を巻き取った状態のまま切断する方法、フィルムなどのシート状物によって繊維の一部あるいは全体を固定して切断する方法(例えば、特開2003−119668号公報や特開2008−231653号公報などに開示の方法)、フィルムなどのシート状物の主面上に繊維を載置して切断する方法(例えば、特開2009−235601号公報に開示の方法)などの、公知の繊維切断方法を採用できる。なお、分割性複合繊維(6)、あるいは、複合繊維(5)や延伸した複合繊維(5’)へ油剤を付与してから、上述の切断工程へ供するのが好ましい。
なお、分割性複合繊維(6)の繊維長は、例えば、分割性複合繊維(6)を用いて乾式不織布を製造しようとする場合には15〜100mmであるのが好ましく、分割性複合繊維(6)を用いて湿式不織布を製造しようとする場合には0.5〜20mmであるのが好ましい。
極細繊維を含み構成された布帛の製造方法は、特に限定されるものではなく、様々な産業資材用途に有用な布帛を容易に調製できるように公知の方法を選択して採用することができる。
例えば、分割性複合繊維(6)をエアレイ装置やカード装置に供することで繊維ウェブを調製し、繊維ウェブをニードルパンチ装置や水流絡合装置に供することで、分割性複合繊維(6)を分割して極細繊維を含み構成された乾式不織布を製造する方法などを挙げることができる。
また、例えば、分割性複合繊維(6)を溶液中に混ぜて混合液を調製し、調製された混合液を、例えば、例えば、ビーター、リファイナー、パルパー、アジター(登録商標)などのミキサー装置に供することで、複合繊維を混合液中で分散させると共に分割して、極細繊維を含んだ混合液を抄き上げ溶液を除去することで、湿式不織布を製造する方法などを挙げることができる。
また、極細繊維を含み構成された織物あるいは編物を製造しようとする場合には、例えば、分割性複合繊維(6)を織るあるいは編むことで織物あるいは編物を製造し、このようにして製造した織物あるいは編物を、ニードルパンチ装置や水流絡合装置に供することで、分割性複合繊維(6)を分割して極細繊維を含み構成された織物あるいは編物を製造する方法などを挙げることができる。
なお、上述のようにして製造した極細繊維を含み構成された布帛は、そのまま様々な産業資材用途に使用できるが、製造した布帛が接着性繊維を含んでいる場合には加熱処理に供することで、繊維間の熱接着を行う、あるいは、製造した布帛へバインダを付与して乾燥することで繊維間のバインダ接着を行うことができる。
また、各種布帛は単層のまま様々な産業資材用途に使用できるが、熱接着、バインダや接着繊維布帛を用いた接着によって複数枚積層し一体化する、又は、一体化することなく複数枚積層することで、様々な産業資材用途に使用できる。あるいは、調製した布帛を、例えば、布帛、多孔フィルムなど多孔板、発泡シート、ネット、平板、表面が不定形な構造体などと熱接着やバインダ接着によって積層し一体化する、又は、接着せずに積層することで、様々な産業資材用途に使用できる。
更に、布帛あるいは上述のようにして調製した布帛を備える積層体を、例えば、コルゲート加工やプリーツ加工、捲回加工、切り抜きや打ち抜きや穴空け、部分的に切れ込みを入れたりすることで形状を整えてから、様々な産業資材用途に使用することができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。なお、目付とは布帛を主面側から見た際の1mあたりの質量をいい、通気度とはJIS L 1096:2010(8.26.1 A法(フラジール法))に記載の測定方法へ布帛を供することで得られる値をいう。
(実施例1)
(i)複合繊維の準備
横断面においてポリプロピレンポリマー(融点:165℃)層とポリエチレンポリマー(融点:135℃)層が交互に配列してなる、連続長を有する、中空のオレンジ型の横断面形状を有する16分割型複合繊維(繊度:6dtex(デシテックス))を用意した。
なお前記複合繊維の横断面に占める、各ポリマー層の形状および各ポリマー層の表面積はほぼ均一なものであった。
(ii)延伸工程
前記複合繊維を95℃の熱水が満たされた浴槽中へと導き、延伸倍率が3.5倍となるように前記複合繊維を熱水中で延伸した。
(iii)加熱工程
延伸した複合繊維を、ロールの表面温度が110℃に調整された熱ロールの表面に接触させることで、延伸した複合繊維を加熱した。
(iv)外力作用工程
スチール製の主面を備えるロールと樹脂製の主面を備えるロールを組み合わせて構成した、クリアランスが0mmのカレンダーロール装置を用意し、各ロールを回転させた。
延伸後に加熱した複合繊維を、カレンダーロール装置における回転するロール間へ供し
て、延伸後に加熱した複合繊維に対して作用するカレンダーロールによる線圧を50kgf/cmに調整することで、延伸後に加熱した複合繊維における繊維長方向全体にわたり、繊維径方向へカレンダーロールによる線圧(外力)を作用させた。このとき、樹脂製の主面を備えるロールの主面に延伸後に加熱した複合繊維の一部がめり込み、カレンダーロールによる線圧(外力)が作用していた。
上述の処理に供することによって、連続長を有し、中空のオレンジ型の横断面形状を有する16分割型の分割性複合繊維(繊度:1.7dtex(デシテックス))を製造した。
(v)繊維切断工程
上述のようにして製造した、連続長を有する分割性複合繊維に油剤を付与し、ロータリーカッターを用いて切断することで、繊維長が5mmの、中空のオレンジ型の横断面形状を有する16分割型の分割性複合繊維(繊度:1.7dtex(デシテックス))を製造した

(vi)不織布の製造方法
上述のようにして製造した、繊維長が5mmの、中空のオレンジ型の横断面形状を有する16分割型の分割性複合繊維を、水と分散剤および粘剤を混合してなる溶液中に混ぜて混合液を調製し、調製された混合液をアジター(登録商標、株式会社島崎製作所製、型番:TYPE AP02)を用いて3分間攪拌することで、分散液を調製した。
そして、調製された分散液を抄き上げた後に溶液を乾燥によって除去することで、湿式不織布(目付:40g/m、通気度:70cm/s)を製造した。
なお、製造された湿式不織布を肉眼で確認したところ、湿式不織布の主面に繊維の不均一な分散部分は存在していなかった。
(比較例1)
上述した「(iv)外力作用工程」を行わなかったこと以外は同様にして、湿式不織布(目付:40g/m、通気度:140cm/s)を製造した。
なお、製造された湿式不織布を肉眼で確認したところ、湿式不織布の主面に繊維の不均一な分散部分は存在していなかった。
実施例1および比較例1で製造された各湿式不織布を比較した結果、実施例1の湿式不織布の方が比較例1の湿式不織布よりも、通気度が低く緻密な湿式不織布であることが判明した。この理由として、実施例1の湿式不織布の方が比較例1の湿式不織布よりも極細繊維を多く含むためであると考えられた。
この結果から、本願発明によって、分割し易いことで、様々な産業資材用途に有用な布帛を容易に調製できる、分割性複合繊維の製造方法および分割性複合繊維の製造装置を提供できることが判明した。
本発明の分割性複合繊維は分割し易いという特徴を有しているため、極細繊維を含み構成された表面積の広い布帛を容易に製造することができる。
そのため、本発明の分割性複合繊維を用いることによって、例えば、アルカリ電池用セパレータ、リチウム電池用セパレータ、キャパシター用セパレータ等の電気化学素子用セパレータ、気体や液体の濾過材料、吸音材や遮音材などの音響材料、貼付剤用基材やプラスター剤用基材などの医療用材料、芯地などの衣料材料、自動車天井材や壁面表皮材などの自動車用材料、壁材や壁紙などの建築用材料、化粧水等を保持したスキンケアシートやタオルやオムツなどの衛生材料、断熱材や緩衝材や放熱材など工業材料、バイオリアクターや細胞培養基材などバイオサイエンス材料、オイルフェンスなどの環境保全材料など、様々な産業資材用途に有用な布帛を製造することができる。
1・・・延伸装置
2・・・外力作用装置
3、3’・・・ドローロール
4・・・熱水をはった浴槽
5・・・複合繊維
5A・・・芯鞘形状の部位を備える複合繊維
5B・・・芯鞘形状の部位を備える中空複合繊維
5’・・・延伸した複合繊維
6・・・分割性複合繊維
10・・・分割性複合繊維の製造装置
21・・・ポリマーA
22・・・ポリマーB
23・・・ポリマーC
24・・・中空部分

Claims (3)

  1. (1)複数の樹脂層を有する複合繊維を、延伸する工程、
    (2)前記延伸した複合繊維における繊維長方向全体にわたり外力が作用するようにして、前記延伸した複合繊維の繊維径方向へ外力を作用させる工程、
    を含むことを特徴とする、分割性複合繊維の製造方法。
  2. 複数の樹脂層を有する複合繊維が、複数の樹脂層を有する中空複合繊維であることを特徴とする、請求項1に記載の分割性複合繊維の製造方法。
  3. (1)複数の樹脂層を有する複合繊維を延伸することができる、延伸装置、
    (2)前記延伸した複合繊維における繊維長方向全体にわたり外力が作用するようにして、前記延伸した複合繊維の繊維径方向へ外力を作用させることができる、外力作用装置、
    を含むことを特徴とする、分割性複合繊維の製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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