JP2013227278A - 葉面散布剤 - Google Patents

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Naoki Kawamura
直樹 川村
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Koei Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

【課題】農作物の収量の増加や品質向上を実現できる葉面散布剤を提供すること。
【解決手段】硫酸マンガンと、ホウ酸と、硫酸マグネシウムと、ギ酸カルシウムと、を含むことを特徴とする葉面散布剤。本発明の葉面散布剤は、例えば、野菜又は果樹の生育促進を用途とすることができる。硫酸マンガン、ホウ酸、硫酸マグネシウム、及びギ酸カルシウムの合計配合量を100重量部としたとき、硫酸マンガン、ホウ酸、及び硫酸マグネシウムの配合量が、それぞれ、1〜10重量部、1〜15重量部、1〜20重量部であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えば、野菜、果樹等に使用できる葉面散布剤に関する。
農作物の収量の増加や品質向上を目的として、野菜や果樹の葉面に散布する葉面散布剤が使用されている。葉面散布剤としては、例えば、ギ酸カルシウムとホウ素化合物とを含有するぶどう用葉面散布剤等が知られている(特許文献1参照)。
特公平6−8244号公報
従来の葉面散布剤は、農作物の収量の増加や品質向上において不十分であった。本発明はこの点に鑑みなされたものであり、農作物の収量の増加や品質向上を実現できる葉面散布剤を提供することを目的とする。
本発明の葉面散布剤は、硫酸マンガンと、ホウ酸と、硫酸マグネシウムと、ギ酸カルシウムとを含むことを特徴とする。
本発明の葉面散布剤を用いると、農作物(例えば野菜や果実)の収量の増加や、農作物の品質向上を実現することができる。
本発明の葉面散布剤は、例えば、野菜(例えば、トマト、ピーマン等)又は果樹(例えば、ぶどう、リンゴ、桜桃、梨、メロン等)の生育促進を用途とすることができる。野菜や果樹の生育が促進される結果、野菜や果実の収量が増加し、その品質が向上する。
本発明の葉面散布剤において、例えば、硫酸マンガン、ホウ酸、硫酸マグネシウム、及びギ酸カルシウムの合計配合量を100重量部としたとき、硫酸マンガン、ホウ酸、及び硫酸マグネシウムの配合量は、それぞれ、1〜10重量部、1〜15重量部、1〜20重量部とすることができる。この場合、ギ酸カルシウムの配合量は、例えば、55〜97重量部とすることができる。配合量を上記のようにすることにより、農作物の収量や品質が一層向上する。
本発明の葉面散布剤の剤型は、例えば、液状とすることができる。この場合、例えば、流通、保管時等には濃縮された状態とし、使用するときに、水で希釈して適切な濃度とすることができる。本発明の葉面散布剤の使用時における濃度は、例えば、0.1〜10g/L(好ましくは0.5〜10g/L、より好ましくは1〜10g/L)とすることができる。なお、この濃度とは、容積1Lの葉面散布剤に含まれる硫酸マンガン、ホウ酸、 硫酸マグネシウム、及びギ酸カルシウムの合計配合量がXgである場合、X(g/L)で表される濃度である。葉面散布剤の濃度が上記の範囲内であることにより、農作物の収量や品質が一層向上する。
本発明の葉面散布剤は、例えば、使用時において、2〜1000倍に水で希釈して用いることができる。なお、希釈前の硫酸マンガン、ホウ酸、硫酸マグネシウム、及びギ酸カルシウムの濃度は、上述した、使用時における濃度を2〜1000倍すれば算出することができる。
本発明の実施形態を説明する。
1.葉面散布剤A〜Cの調製
まず、以下の4成分を、充填機を用いて混合した。
硫酸マンガン:5.5重量部
ホウ酸:11.0重量部
硫酸マグネシウム:9.0重量部
ギ酸カルシウム:74.5重量部
次に、上記4成分の混合物(以下、混合物aとする)を水に溶解させ、葉面散布剤Aとした。葉面散布剤Aの濃度は、その容積1L中に、混合物aが10g含まれる濃度(10g/L)である。
葉面散布剤Aを水で2倍に希釈したものを、葉面散布剤Bとする。葉面散布剤Bの濃度は、その容積1L中に、混合物aが5g含まれる濃度(5g/L)である。また、葉面散布剤Aを水で10倍に希釈したものを、葉面散布剤Cとする。葉面散布剤Cの濃度は、その容積1L中に、混合物aが1g含まれる濃度(1g/L)である。
2.比較例の葉面散布剤の調製
(葉面散布剤R1)
まず、以下の3成分を、充填機を用いて混合した。
ホウ酸:11.0重量部
硫酸マグネシウム:9.0重量部
ギ酸カルシウム:74.5重量部
次に、上記3成分の混合物(以下、混合物r1とする)を水に溶解させ、葉面散布剤R1とした。葉面散布剤R1の濃度は、その容積1L中に、混合物r1が10g含まれる濃度である。
(葉面散布剤R2)
まず、以下の3成分を、充填機を用いて混合した。
硫酸マンガン:5.5重量部
硫酸マグネシウム:9.0重量部
ギ酸カルシウム:74.5重量部
次に、上記3成分の混合物(以下、混合物r2とする)を水に溶解させ、葉面散布剤R2とした。葉面散布剤R2の濃度は、その容積1L中に、混合物r2が10g含まれる濃度である。
(葉面散布剤R3)
まず、以下の3成分を、充填機を用いて混合した。
硫酸マンガン:5.5重量部
ホウ酸:11.0重量部
ギ酸カルシウム:74.5重量部
次に、上記3成分の混合物(以下、混合物r3とする)を水に溶解させ、葉面散布剤R3とした。葉面散布剤R3の濃度は、その容積1L中に、混合物r3が10g含まれる濃度である。
(葉面散布剤R4)
まず、以下の3成分を、充填機を用いて混合した。
硫酸マンガン:5.5重量部
ホウ酸:11.0重量部
硫酸マグネシウム:9.0重量部
次に、上記3成分の混合物(以下、混合物r4とする)を水に溶解させ、葉面散布剤R4とした。葉面散布剤R4の濃度は、その容積1L中に、混合物r4が10g含まれる濃度である。
(葉面散布剤R5)
まず、以下の2成分を、充填機を用いて混合した。
ギ酸カルシウム:9重量部
ホウ酸:1重量部
次に、上記2成分の混合物(以下、混合物r5とする)を水に溶解させ、葉面散布剤R5とした。葉面散布剤R5の濃度は、その容積1L中に、混合物r5が1g含まれる濃度である。
3.葉面散布剤の評価
(3−1)醸造用ぶどうに対し使用した場合の評価
葉面散布剤A〜C、R1〜R4を、それぞれ、公知の防除機により霧状に噴射し、醸造用ぶどうの葉面に散布した。散布は、醸造用ぶどうの開花2週間前、開花直前、及び開花直後にそれぞれ行い、散布の合計回数は3回とした。
その後、葉面散布剤A〜C、R1〜R4のそれぞれについて、それを散布した醸造用ぶどうの収量及び品質(着色、糖度)を評価した。また、無処理(いずれの葉面散布剤も散布しない)の醸造用ぶどうについても、収量及び品質(着色、糖度)を評価した。
その結果、葉面散布剤A〜Cを散布した場合は、収量と品質において優れていた。一方、葉面散布剤R1〜R4を散布した場合及び無処理の場合は、収量と品質において劣っていた。
(3−2)生食用ぶどうに対し使用した場合の評価
葉面散布剤A〜C、R1〜R4を、それぞれ、公知の防除機により霧状に噴射し、生食用ぶどうの葉面に散布した。散布は、生食用ぶどうの開花直前、及び開花後にそれぞれ行い、散布の合計回数は2回とした。
その後、葉面散布剤A〜C、R1〜R4のそれぞれについて、それを散布した生食用ぶどうの収量及び品質(着色、糖度)を評価した。また、無処理(いずれの葉面散布剤も散布しない)の生食用ぶどうについても、収量及び品質(着色、糖度)を評価した。
その結果、葉面散布剤A〜Cを散布した場合は、収量と品質において優れていた。一方、葉面散布剤R1〜R4を散布した場合及び無処理の場合は、収量と品質において劣っていた。
(3−3)梨に対し使用した場合の評価
葉面散布剤A〜C、R1〜R4を、それぞれ、公知の防除機により霧状に噴射し、梨の葉面に散布した。散布は、梨の開花直前、及び落花の10日後にそれぞれ行い、散布の合計回数は2回とした。
その後、葉面散布剤A〜C、R1〜R4のそれぞれについて、それを散布した梨の収量及び品質(着色、糖度)を評価した。また、無処理(いずれの葉面散布剤も散布しない)の梨についても、収量及び品質(着色、糖度)を評価した。
その結果、葉面散布剤A〜Cを散布した場合は、収量と品質において優れていた。一方、葉面散布剤R1〜R4を散布した場合及び無処理は、収量と品質において劣っていた。
(3−4)りんごに対し使用した場合の評価(1回目の評価)
葉面散布剤A〜C、R1〜R4を、それぞれ、公知の防除機により霧状に噴射し、りんごの葉面に散布した。散布は、りんごの開花直前、及び落花の10日後にそれぞれ行い、散布の合計回数は2回とした。
その後、葉面散布剤A〜C、R1〜R4のそれぞれについて、それを散布したりんごの収量及び品質(着色、糖度)を評価した。また、無処理(いずれの葉面散布剤も散布しない)のりんごについても、収量及び品質(着色、糖度)を評価した。
その結果、葉面散布剤A〜Cを散布した場合は、収量と品質において優れていた。一方、葉面散布剤R1〜R4を散布した場合及び無処理の場合は、収量と品質において劣っていた。
(3−5)りんごに対し使用した場合の評価(2回目の評価)
評価は北海道余市町梅川の試験ほ場で行った。葉面散布剤としては、葉面散布剤C、R1〜R5を用いた。ただし、葉面散布剤R1〜R4は水で10倍に希釈して使用した。よって、葉面散布剤C、R5、及び希釈後の葉面散布剤R1〜R4は、それぞれ、その容積1L中に、混合物a、r1〜r5が1g含まれる。葉面散布剤C、R1〜R5を、それぞれ、公知の防除機により霧状に噴射し、りんご(昴林、マルバ台)の葉面に散布した。散布は、平成24年6月12日、6月26日、7月10日、7月24日、及び8月7日にそれぞれ行った。
その後、葉面散布剤C、R1〜R5のそれぞれについて、それを散布したりんごの着色、糖度、及び果重を評価した。また、無処理(いずれの葉面散布剤も散布しない)のりんごについても、着色、糖度、及び果重を評価した。その結果を表1に示す。
Figure 2013227278
着色はりんごと所定のカラーチャートとを目視で比較する方法で評価し、着色の程度に応じた1〜5の指数を決定した。指数の数字が大きいほど、着色が良いことを表す。糖度は市販の糖度計で測定した。その単位は度である。果重は、1つの果実の平均重量を表し、その単位はグラムである。
表1に示されているように、葉面散布剤Cを散布した場合は、着色が良好であり、糖度が高く、果重が大きかった。一方、葉面散布剤R1〜R5を散布した場合及び無処理の場合は、着色、糖度、及び果重のいずれにおいても劣っていた。
(3−6)桜桃に対し使用した場合の評価
葉面散布剤A〜C、R1〜R4を、それぞれ、公知の防除機により霧状に噴射し、桜桃の葉面に散布した。散布は、桜桃の開花直前、及び落花直後にそれぞれ行い、散布の合計回数は2回とした。
その後、葉面散布剤A〜C、R1〜R4のそれぞれについて、それを散布した桜桃の収量及び品質(着色、糖度)を評価した。また、無処理(いずれの葉面散布剤も散布しない)の桜桃についても、収量及び品質(着色、糖度)を評価した。
その結果、葉面散布剤A〜Cを散布した場合は、収量と品質において優れていた。一方、葉面散布剤R1〜R4を散布した場合及び無処理の場合は、収量と品質において劣っていた。
尚、本発明は前記実施の形態になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
例えば、葉面散布剤A〜Cには、硫酸マンガン、ホウ酸、硫酸マグネシウム、及びギ酸カルシウムに加えて、公知の種々の添加剤を添加してもよい。
また、葉面散布剤A〜Cにおける混合物aの濃度(g/L)は、例えば、0.1〜10g/Lの範囲で、農作物の種類や使用状況等に応じて任意に設定できる。
また、混合物aの量を100重量部としたとき、硫酸マンガン、ホウ酸、硫酸マグネシウム、及びギ酸カルシウムの配合量は、それぞれ、1〜10重量部、1〜15重量部、1〜20重量部、55〜97重量部の範囲内で適宜設定できる。この場合も、葉面散布剤A〜Cと略同様の効果を奏することができる。
また、葉面散布剤A〜Cは、上述した試験で用いた農作物以外の農作物に用いてもよい。
また、葉面散布剤A〜Cは、農薬と混合して散布してもよい。
また、葉面散布剤A〜Cと同様の組成を持つものを、葉面散布剤以外の肥料(例えば土壌散布剤)として用いてもよい。

Claims (3)

  1. 硫酸マンガンと、
    ホウ酸と、
    硫酸マグネシウムと、
    ギ酸カルシウムと、
    を含むことを特徴とする葉面散布剤。
  2. 野菜又は果樹の生育促進を用途とすることを特徴とする請求項1記載の葉面散布剤。
  3. 硫酸マンガン、ホウ酸、硫酸マグネシウム、及びギ酸カルシウムの合計配合量を100重量部としたとき、硫酸マンガン、ホウ酸、及び硫酸マグネシウムの配合量が、それぞれ、1〜10重量部、1〜15重量部、1〜20重量部であることを特徴とする請求項1又は2記載の葉面散布剤。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04134007A (ja) * 1990-09-25 1992-05-07 Koei Kagaku Kogyo Kk ブドウ用葉面散布剤
JP2009513614A (ja) * 2005-10-28 2009-04-02 プラント・インパクト・ピーエルシー 農業用組成物

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