JPH10164985A - 植物生長促進方法 - Google Patents

植物生長促進方法

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JPH10164985A
JPH10164985A JP32977896A JP32977896A JPH10164985A JP H10164985 A JPH10164985 A JP H10164985A JP 32977896 A JP32977896 A JP 32977896A JP 32977896 A JP32977896 A JP 32977896A JP H10164985 A JPH10164985 A JP H10164985A
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JP
Japan
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manganese
choline
salts
fruit
grapes
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JP32977896A
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Takashi Suzuki
隆 鈴木
Masakazu Furushima
昌和 古嶋
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 果樹に対して効果的な生長促進方法を提供す
る。 【解決手段】 コリン塩の一種または二種以上とマンガ
ン塩の一種または二種以上とを果樹に散布する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、栽培植物の生長促
進方法に関する。特にもも及びぶどうの肥大促進、糖度
上昇および着色向上に関する。
【0002】
【従来の技術、発明が解決しようとする課題】コリン塩
は植物生長促進剤としてにんにくの肥大促進、おうとう
の着色向上及び糖度向上、ももの肥大促進に使用されて
きた。一方、マンガンはホウ素と同様微量要素であり、
植物体が正常な生育のために必要とする量は微量で、普
通は土壌中に十分に含まれている。特に酸性土壌(pH4.
5〜5.5)ではマンガン欠乏が発生するおそれはほとんど
ない。元来マンガン含量の少ない土壌で有機質に乏し
く、土壌pHが6.2以上の園で欠乏症の発生が見られる。
特にももにはマンガン欠乏が発生しやすい。欠乏すると
葉が黄色化し、果実肥大が悪くなることが知られてい
る。従って、マンガン欠乏したももにコリン塩を散布し
ても肥大効果はなく、まずマンガン欠乏のももの樹にマ
ンガン塩を施用し、欠乏症を改善した後、コリン塩を散
布するとももの肥大効果が得られることが知られてい
る。マンガン欠乏症は果樹により異なり、葉中の濃度
が、ももでは35ppm以下、ぶどうでは40ppm以下、カンキ
ツ類では26ppm以下、カキおよびりんごでは70ppm以下に
なるとマンガン欠乏症が発現しやすいと言われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】コリン塩は植物生長促
進剤として、にんにくの肥大促進、おうとうの着色およ
び糖度の向上、ももの肥大促進等に効果があり使用され
てきた。しかしながらこれらの植物生長促進剤の作用は
必ずしも十分とはいえず、更に改良が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】発明者などはコリン塩の
作用性および効果を向上させる目的で各種の化合物を添
加し、圃場試験を行った。この結果、マンガン欠乏症が
みられない果樹に、マンガン塩とコリン塩を散布すると
コリン塩を単独で使用する際に見られない特異的な高い
植物生長促進の効果を示すこと、特にもも及びぶどうの
肥大促進、糖度上昇、着色向上に著しい効果を示すこと
を見出し本発明に至った。即ち、本発明はコリン塩の一
種または二種以上とマンガン塩の一種または二種以上と
を散布することを特徴する植物生長促進方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の対象となる果樹としては
もも、すもも、ぶどう、りんご、おうとう、かき、など
が挙げられ、特にもも及びぶどうが著しい効果の得られ
る点で好ましい。本発明に使用されるコリン塩は、塩酸
塩、燐酸塩、ポリ燐酸塩、硫酸塩、硝酸塩、珪酸塩、炭
酸塩などの無機塩、および酢酸塩、クエン酸塩、乳酸
塩、L(+)酒石酸塩などの有機酸塩であり、塩酸塩(塩化
コリン)および燐酸塩が最も好ましく、またこれらの二
種以上の塩の混合物も用いられる。これらのコリン塩の
物性の一例を表1に示す。
【0006】
【表1】 また、有効成分であるマンガン塩は、塩化マンガン、硫
酸マンガン、硝酸マンガンなどの無機塩および酢酸マン
ガン、クエン酸マンガン、EDTAマンガンなどの有機
酸塩およびマンネブ(化合物名 マンガニーズエチレン
ビスジチオカーバメート)、マンゼブ(化合物名 亜鉛
イオン配位マンガニーズエチレンビスジチオカーバメー
ト)などの殺菌剤であり、これらの中では植物に対し薬
害がなく且つ安価な硫酸マンガンが好ましい。本発明の
方法は、これらの有効成分を例えばタルク、ベントナイ
ト、クレーなどと混合し水和剤として製剤したものを使
用することができ、また水に溶解して液剤に製剤したも
のを使用することもできる。更に本発明の方法は、これ
らの薬剤が作物に付着して浸透しやすいようにするため
展着剤を添加することが好ましい、また液肥、殺菌剤、
殺虫剤、除草剤と混合して使用することもできる。展着
剤としては、例えばアルキルフェノールポリエチレング
リコール、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、な
どの非イオン系展着剤、リグリンスルホン酸などの陰イ
オン系展着剤、脂肪族4級アンモニウム塩などの陽イオ
ン系展着剤の一種または二種以上を混合して使用するこ
とができる。
【0007】本発明の方法の使用時期は作物の種類目的
によって異なるが、ももの生育促進を目的に使用する場
合は、収穫予定の30日から40日前にコリン塩とマンガン
塩を同時に散布することが好ましい、また、マンガン塩
を収穫予定の1.5から2ヶ月前に散布しておき、コリン塩
を収穫予定の30から40日前に散布しても効果が得られ
る。ぶどうの生育促進を目的に使用する場合は、水まわ
り期から着色初期にコリン塩とマンガン塩を同時に散布
するのが好ましい。また、マンガン塩をコリン塩の散布
の1〜15日前に散布しても効果が得られる。葉面散布と
して用いる場合の濃度は、コリン塩が 2〜20mM/L、好ま
しくは 4〜10mM/Lである。マンガン塩が 0.7〜70mM/
L、好ましくは2 〜35mM/Lである。コリン塩の濃度が 2m
M/Lより低いと効果が不充分であり、20mM/Lより高いと
薬害の恐れはないが経済的観点から好ましくない。マン
ガン塩の濃度が 0.7mM/Lより低いと効果が不充分であ
り、70mM/Lより高いと薬害の恐れがある。
【0008】
【発明の効果】本発明の方法により、コリン塩の効果を
増強することができる。もも、すもも、ぶどう、りん
ご、おうとう、かきなどの果樹に収穫の2ヶ月前から収
穫期に処理することにより、果樹の肥大が促進し、糖度
が上昇し、着色が向上される。特にもも及びぶどうに著
しい効果を示す。
【0009】
【実施例】次に本発明に用いられる植物生長調節剤の製
剤例および本発明の試験例により、本発明の内容を更に
詳しく具体的に説明する。
【0010】製剤例1(水和剤) 燐酸コリン30重量部、硫酸マンガン13重量部、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ソーダ5重量部、ポリオキシエチレ
ンアルキルアリルエーテル2重量部およびタルク50重量
部を均一に粉砕した。この水和剤は、一般に200〜300倍
に水で希釈して使用する。
【0011】製剤例2(液剤) 75%塩化コリン45重量部、硫酸マンガン14重量部、ポリ
オキシエチレンアルキルアリルエーテル2重量部、ラウ
リルメチルジヒドロキシエチルアンモニウムクロライド
1重量部を水36g重量部に均一溶解して液剤(水溶剤)
とした。
【0012】試験例1 マンガン欠乏症が見られない健全なもも(品種:ちよひ
め、樹齢10年生)の樹に、表2に示す試験区をもうけ、
5月20日に塩化コリン(1,000ppm)、硫酸マンガン(1,500pp
m)の溶液の混用液およびそれぞれの単用液を10a当たり3
00Lの液量になるよう散布した。収穫期の6月24日に1区
あたり30果の適熟果を収穫し、果実重、糖度、酸度、着
色度を調査した。また、散布直前の5月20日に各区の新
梢葉をサンプリングし、乾燥後、マンガンの含量を分析
した。果実調査結果およびマンガン分析値を表2に示
す。
【0013】
【表2】 表2 もも(品種ちよひめ)に対する効果とマンガン分析値 試験区 果実重 糖度 酸度 着色度 マンガン (g) (Brix%) (pH) (ppm) 硫酸マンガン 190 10.9 4.2 3.9 128 (102) 硫酸マンガン 219 12.3 4.3 4.5 126 +塩化コリン (117) 塩化コリン 202 11.4 4.3 4.3 130 (108) 無処理 187 10.8 4.3 3.9 130 (100) 注1)果実重は無処理区を100として無処理区比をカッコ内に示した。 注2)着色度は最も着色の良い果実を5、最も着色の悪い果実を1として5段 階評価し、その平均値を算出した。
【0014】試験例2 マンガン欠乏症が見られない健全なもも(品種白鳳、樹
齢8年生)の樹に、表3に示す試験区をもうけ、5月20日
に硫酸マンガンの溶液(5,000ppm)を、6月24日に硫酸マ
ンガンの溶液(5,000ppm)および塩化コリンの溶液(1,000pp
m)の混用液およびそれぞれの単用液を10a当たり300Lの
液量になるよう散布した。収穫期の7月24日に1区あたり
30果の適熟果を収穫し、果実重、糖度、酸度、着色度を
調査した。また、硫酸マンガン散布直前の5月20日に各
区の新梢葉をサンプリングし、乾燥後、マンガンの含量
を分析した。果実調査結果およびマンガン分析値を表3
に示す。
【0015】
【表3】 表3 もも(品種 白鳳)に対する効果とマンガン分析値 試験区 果実重 糖度 酸度 着色度 マンガン(ppm) (g) (Brix%) (pH) 硫酸マンガン 307 13.6 4.5 3.4 50 (5/20) と(6/24)2回 (105) 硫酸マンガン (5/20) 330 14.0 4.4 4.2 52 と硫酸マンガン+ (113) 塩化コリン(6/24)混用 塩化コリン(6/24) 310 13.5 4.4 3.8 51 (108) 無処理 293 13.1 4.6 3.5 50 (100)
【0016】試験例3 マンガン欠乏症が見られない健全なぶどう(品種巨峰、
15年生、無加温ハウス栽培)の樹に、表4の試験区をも
うけ、着色始期に当たる6月20日に硫酸マンガン(1,000p
pm)、マンネブ(750ppm)、燐酸コリン(600ppm)の混用お
よびそれぞれの単用液を10a当たり300Lの液量になるよ
う散布した。収穫期の7月20日に1区10房を収穫し、果房
重、粒数、粒重、糖度、酸度、着色程度を調査した。ま
た、散布直前の各区の新梢葉をサンプリングし、乾燥
後、マンガン含量を測定した。果実調査結果およびマン
ガン分析結果を表4に示す。
【0017】
【表4】 表4 ぶどう(品種 巨峰)に対する効果とマンガン分析値 試験区 果房重 粒数 粒重 糖度 酸度 着色 マンガン (g) (g) (%) (%) (ppm) 硫酸マンガン 305 29 10.1 17.5 0.46 8.5 142 硫酸マンガン 351 30 11.5 19.1 0.40 10.2 121 +燐酸コリン マンネブ 315 30 10.2 17.3 0.43 8.3 130 マンネブ 342 30 11.2 19.5 0.39 10.3 124 +燐酸コリン 燐酸コリン 301 29 10.2 18.8 0.41 9.4 115 無処理 309 30 10.0 17.2 0.45 8.4 129 注1)着色度はカラーチャート(巨峰用)による。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コリン塩の一種または二種以上とマンガ
    ン塩の一種または二種以上をマンガンが欠乏していない
    果樹に散布することを特徴とする植物生長促進方法。
  2. 【請求項2】 果樹がももまたはぶどうである請求項1
    記載の植物生長促進方法。
JP32977896A 1996-12-10 1996-12-10 植物生長促進方法 Pending JPH10164985A (ja)

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