以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
<画像形成システムの全体構成>
図1に、本発明の一実施の形態に係る中間搬送ユニットを有する画像形成システム10を示す。
画像形成システム10は、画像形成ユニットG、中間搬送ユニット(Relay Unit)RU、用紙処理装置としての後処理ユニット(Finisher)Fを備える。画像形成ユニットGは用紙に画像の印刷を行い、中間搬送ユニットRUを介して搬送される印刷後の用紙に対して、後処理ユニットFが後処理を施す。
画像形成ユニットGは、タッチパネル211、ADF(Auto Document Feeder)221、スキャナ222、印刷部23、給紙部24を備える。ADF221はセットされた原稿をスキャナ222に搬送し、スキャナ222は、搬送された原稿をスキャンする。印刷部23は、画像形成部231、定着部232を備える。画像形成部231は、印刷処理時に、トナーで画像を形成して、給紙部24から搬送された用紙上にトナーの画像を転写する。画像形成部231によってトナーの画像が転写された用紙は、定着部232で定着処理される。定着処理後、用紙は、中間搬送ユニットRUに搬送される。
中間搬送ユニットRUは、画像形成ユニットGと後処理ユニットFの中間に設けられる。中間搬送ユニットRUは、画像形成ユニットGにおいて印刷処理された用紙を一枚ずつ受け取り、そのまま後処理ユニットFに搬送したり、印刷処理された用紙を集積部34(図3参照)で集積し、集積した用紙を纏めて複数枚単位で後処理ユニットFに搬送したりする。
後処理ユニットFは後処理部43を備える。後処理部43は中間搬送ユニットRUから搬送された用紙に後処理を施す。この後処理としては、例えばステイプル処理、パンチ処理、折り処理、糊付け製本処理等の少なくとも一つが挙げられる。後処理された用紙は排紙トレイ45に排紙される。後処理ユニットFは後処理部43を介さずに排紙トレイ45に至る搬送経路を備え、この搬送経路に中間搬送ユニットRUから搬入される用紙を通紙することにより、後処理を施さずに排紙することもできる。
<画像形成システムの機能ブロック>
図2は、本発明の一実施の形態に係る中間搬送ユニットを有する画像形成システム10の要部構成を示す機能ブロック図である。
図2に示すように、画像形成ユニットGは、操作部21、読取部22、印刷部23、制御部25、表示部27、通信部28、記憶部29を備える。
操作部21はタッチパネル211や操作キーを備える。操作部21は、ユーザーによる入力操作に応じた操作信号を生成して制御部25に出力する。
読取部22は、ADF221によって搬送された原稿をスキャナ222により光走査して画像のデータを生成する。
制御部25は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等から構成されている。制御部25は、記憶部29に記憶されている各種処理プログラムとの協働によって各種演算を行い、画像形成ユニットGの各部を集中制御する。
制御部25は印刷や後処理のジョブ情報を作成する。ジョブ情報とは、印刷条件や後処理条件、それら条件に応じた用紙の搬送条件の指示を含む制御情報である。
表示部27は、制御部25の制御に従ってタッチパネル211に操作画面や処理結果を表示する。
通信部28は、通信用のインターフェイスを備え、中間搬送ユニットRUや後処理ユニットFと通信を行う。例えば、通信部28は中間搬送ユニットRU、後処理ユニットFにジョブ情報を送信する。
記憶部29は、各種処理プログラムの他、処理に必要なパラメータや設定データ等を記憶している。また、記憶部29は画像のデータを記憶する。記憶部29としてはハードディスクやDRAM(Dynamic RAM)を用いることができる。
中間搬送ユニットRUは、搬送部30、通信部31、記憶部32、制御部33、FD(Feed Direction)整合部35、CD(Cross Direction)整合部36、センサ群330(用紙通過センサ333を含む)を備える。
搬送部30は、制御部33により駆動制御され、制御部画像形成ユニットGから搬出される用紙を受け取り、一枚ずつ搬送したり、集積部34(図3参照)を用いて、複数枚纏めて後処理ユニットに排出したりする。
通信部31は、画像形成ユニットG、後処理ユニットFと通信し、通信した情報を制御部33に出力する。例えば、画像形成ユニットGからジョブ情報を受信して制御部33に出力する。記憶部32は、制御部33により用いられるプログラム等のデータを記憶する。例えば、記憶部32は後述するアシストガイド38(図3参照)の移動制御に用いられる制御テーブルを記憶する。制御テーブルは、中間搬送ユニットRUに搬送される用紙の紙種、サイズ等に対応して、アシストガイド38の移動量、移動タイミングが設定される。また、記憶部32は、FD整合部35の移動制御及びCD整合部36の駆動制御などに用いられる制御テーブルを記憶する。
制御部33は、画像形成ユニットGの制御部25と同様の構成であり、中間搬送ユニットRUの各部を集中制御する。すなわち、制御部33は、通信部31、記憶部32を用いて、画像形成ユニットGから送信されたジョブ情報を解析し、用紙の搬送条件を読み出す。
制御部33は、読み出した搬送条件に従って画像形成ユニットGから搬入された用紙の搬送を、搬送部30を介して制御する。例えば、制御部33は、画像形成ユニットGからの搬入される用紙を、そのまま、直進させて後処理ユニットFに搬送したり、集積部34(図3参照)で複数枚を集積した後で後処理ユニットFに搬送したりする。また、制御部33は、通信部31、記憶部32、センサ群330からの情報に基づいて、中間搬送ユニットRU内におけるアシストガイド38(図3参照)を移動させて用紙の搬送経路を切り替える。
特に、制御部33は、用紙通過センサ333からの検出タイミング信号に基づいてアシストガイド38(図3参照)の移動を制御する。この制御部33は、アシストガイド38(図3参照)を、用紙が搬送ローラーR2により排紙されてから集積部34で跳ねて搬送ローラーR2(図3参照)に戻るまでに、開位置から閉位置に移動させる。
FD整合部35は、制御部33により駆動制御され、用紙の搬送方向(Feed Direction)における端部を揃える、つまり整合する。また、CD整合部36は、制御部33により駆動制御され、搬送方向と垂直な方向である幅方向(Cross Direction)における端部を揃える、つまり、整合する。なお、これらFD整合部35及びCD整合部36の具体的な構成については図3を参照して後述する。
センサ群330は、中間搬送ユニットRUにおいて制御部33が、各部を集中制御する際に、必要な情報を制御部33に出力する。センサ群333は、用紙通過センサ330の他、図示しないCD(Cross Direction)用HP(Home Position)センサ、図示しないFD(Feed Direction)用HP(Home Position)センサ等を含む。
用紙通過センサ(検知部)333は、搬送経路Yにおいて搬送ローラーR2より上流側に設けられ、搬送路Yを移動する用紙の通過を検出して制御部33に出力する。具体的には、用紙通過センサ333は、用紙の後端の通過を検出するものであり、例えば、フォトセンサなどが適用される。この用紙通過センサ333は、搬送ローラーR2から用紙が排紙される前に、用紙を検知する。
また、後処理ユニットFは、通信部41、記憶部42、後処理部43、制御部44を備える。通信部41は、画像形成ユニットG、中間搬送ユニットRUと通信して、その情報を制御部44に出力する。記憶部42は制御部44により用いられるプログラム等のデータを記憶する。
制御部44は、中間搬送ユニットRUとともに画像形成ユニットGで設定された情報に応じた制御を行うように、後処理ユニットFを制御する。ここでは、制御部44は画像形成ユニットGの制御部25と同様の構成であり、後処理ユニットFの各部を集中制御する。具体的には、制御部44は、通信部41、記憶部42を用いて、画像形成ユニットGから送信されたジョブ情報を解析し、指示された後処理条件を読み出す。制御部44は、読み出した後処理条件による後処理を、後処理部43に実行させる。
<中間搬送ユニットRUの要部構成>
図3は中間搬送ユニットRUの要部を示す模式図である。
図3に示すように中間搬送ユニットRUは、用紙の搬送経路X、Yを有する。搬送経路Xは、搬入口を介して、画像形成ユニットGから一枚ずつ搬入された用紙を水平方向に進行させ、集積部34を介さずに後処理ユニットFに排紙する。また搬送経路Yは、搬入口を介して画像形成ユニットGから一枚ずつ搬入された用紙を斜め下方向に用紙を進行させて集積部34に搬送し、この集積部34で鉛直方向に集積する。この集積部34で集積した複数の用紙を纏めて、集積部34から斜め上方向に進行させて後処理ユニットFに排紙する。なお、搬送経路Yを通過した用紙は表裏が反転する。
この中間搬送ユニットRUは、1対のローラーからなる搬送ローラーR1〜R4を有する搬送部30と、集積部34と、FD整合部35と、CD整合部36と、切り替えガイド37と、アシストガイド38と、対向ガイド39とを備える。
各搬送ローラーR1〜R4は、制御部33(図2参照)により制御され、図示しないモータを介して回転駆動することで用紙を挟持して搬送する。
搬送ローラーR1は用紙の搬入口付近に配設され、搬送ローラーR4は排紙口付近に配設される。ここでは、搬送ローラーR1は、搬送経路X及び搬送経路Yの分岐部分の上流側に配置されている。搬送ローラーR1は、挟持した用紙を、搬送経路X及び搬送経路Yの一方側に搬送する。
搬送ローラーR4は、搬送経路X及び搬送経路Yの合流部分より下流に配置されている。搬送ローラーR4は、搬送ローラーR1或いは、搬送ローラーR3が挟持して搬送する用紙を、下流側に排紙、ここでは、後処理ユニットFに搬送する。
搬送ローラーR2は、従動ローラーR21とで一対をなし、搬送経路Yの搬入側の経路上に配設されている。搬送ローラーR2は、搬送ローラーR1により搬送経路Y側に搬入される用紙を挟持し、下方に配置される集積部34側に搬送する。
このとき搬送ローラーR2は、集積部34への搬入方向側に回転駆動して、用紙を排紙する。搬送ローラーR2から排出された用紙は、自由落下して集積部34に集積される。すなわち、搬送ローラーR2は、集積部34の上方に離間して設けられ、集積部34内に落下するよう集積部34側に用紙を排紙する。なお、従動ローラーR21は、搬送ローラーR2よりも軸方向に長い。つまり、従動ローラーR21の両端部は、搬送ローラーR2の両端部よりも軸方向に突出している。これにより、搬送ローラーR2から用紙が排出される際に、用紙後端が引っかかりにくい。
搬送ローラーR3は、搬送経路Yの排紙側の経路上に配設されている。搬送ローラーR3は、集積部34を経由して後処理ユニットF側に排紙される用紙を挟持して搬送する。
また、搬送ローラーR3は、排紙方向とは逆方向に回転(逆回転)することで、ストッパー351とともに、集積部34で重ね合わされる用紙において搬送方向で離間する端部(後端、前端)を揃える。
搬送ローラーR1の下流側で、且つ、2つの搬送経路X、Yの分岐点には切り替えガイド37が配設されている。
切り替えガイド37は、制御部33により図示しないモータ等の駆動部を介して回動し、この回動により搬送経路Yの入口を開閉する。この切り替えガイド37は、搬送経路Yに用紙を搬送する場合、実線で示す開位置に移動し、搬送経路Xに用紙を搬送する場合、点線で示す閉位置に移動して用紙を搬送する搬送経路を切り替える。なお、切り替えガイドを回動させる駆動部は、モータに限らず、例えば、制御部33により駆動制御されるソレノイドでもよい。
アシストガイド38は、搬送ローラーR2と集積部34との間に配置され、搬送経路Y上で、搬送ローラーR2から集積部34への用紙の搬入をガイドするとともに、搬送経路Y上で、集積部34から搬送ローラーR3への用紙の搬送をガイドする。さらに、このアシストガイド38は、搬送ローラーR2から集積部34に用紙が搬入される際に、集積部34の底部(ここではストッパー351)で跳ね返り、搬送ローラーR2側に戻ることを防止する。
すなわち、アシストガイド38は、搬送ローラーR2から集積部34に移動する用紙の経路(搬送経路Yにおける集積部34への進入経路Y1)を塞ぐ閉位置と、進入経路Y1に沿う位置であり進入経路Y1を移動する用紙をガイドする開位置とを移動する。
このアシストガイド38は、搬送経路Y上で搬送ローラーR2の下方に配設されている。アシストガイド38は、上下方向に延在する板状部材により形成されている。
図4は、アシストガイド38の正面図であり、図5は同アシストガイド38の側面図である。
アシストガイド38では、用紙と対向する側の面に、複数の突条部381が設けられている。これら突条部381は、用紙の搬送方向に長く、用紙の幅方向(用紙の搬送方向に垂直な方向)に複数並設されている。
アシストガイド38は、ガイド時、突条部381を用紙と接触させ、ガイド機能を損なわずに用紙との接触面積を減らし、用紙の保護を図る。
このように構成されるアシストガイド38は、図3に示すように、下側の基端部38a側を中心に、モーター382の駆動によって回動自在に取りつけられている。
これによりアシストガイド38は、実線で示す開位置と点線で示す閉位置間を変位し、搬送ローラーR2から集積部34へ至る搬入方向の搬送経路としての進入経路Y1を開閉できる。開位置では、搬送路Yにおける搬送ローラーR2から集積部34への経路は開放されて開いた状態となっている。アシストガイド38の移動は、制御部33によって制御される。
アシストガイド38が、図3に示すように、開位置側にある場合、搬入方向のガイドとして働く。搬送ローラーR2を通過した用紙はアシストガイド38にガイドされて集積部34に搬送される。
アシストガイド38は、搬送ローラーR2から用紙が排紙されてから集積部34の底部(ストッパー351)で跳ねて搬送ローラーR2側に戻るまでの間に、開位置側から閉位置に変位する。これにより、アシストガイド38は、搬送ローラーR2と集積部34との間の搬送経路Y(進入経路Y1)を閉塞する、つまり、閉じる。
この閉じた状態では、アシストガイド38の先端部38bと、対向ガイド39との間に、用紙が通過可能な隙間(例えば、2mm程度)が形成される。よって、このアシストガイド38が、閉位置に位置することで、進入経路Y1を閉塞するとともに、集積部34から排紙される用紙に接し、排紙方向のガイドとして働く。
ここでは、アシストガイド38は、アシストガイド38の対面に配設された対向ガイド39ととともに、集積部34から鉛直上方向に押し出された用紙或いは、複数の用紙をガイドして排紙方向に搬送させる。対向ガイド39は、ここでは鉛直方向に配置されている。また、閉位置にあるアシストガイド38の先端部38bは、対向ガイド39の上端に近接している。なお、閉位置にあるアシストガイド38は、対向ガイド39に対し平行ではなく、やや傾斜する場合もある。対向ガイド39は、集積部34の支持板部343の先端に形成されている。
なお、集積部34は、上下方向に延在し、用紙を集積する支持面3431を有する支持板部343と、支持面3431に対して搬入側で対向する支持面3411を有する対向支持部341とを有する。支持板部343及び対向支持部341は、図示しない集積フレームに固定されており、集積部34において、用紙を集積する領域の両側面を形成している。支持面3431は、対向ガイド39のガイド面と面一である。
支持面3431、3411は、互いに平行である。支持面3411の搬送方向の長さは、用紙の搬送方向の長さと略同一である。また、支持面3411には、搬送方向に延在する図示しない突条部が、用紙の幅方向に複数、並設されている。図示しない突条部は、用紙ガイド時に用紙と接触しても、ガイド機能を損なわずに用紙との接触面積を減らし、用紙の保護を図る。また、支持板部343の上部には、支持板部343が備える支持面3431と面一のガイド面を有する対向ガイド39が設けられる。
この集積部34の底部は、支持面3431上を上下方向(搬送方向)に移動自在なストッパー351により構成される。ストッパー351は、FD整合部35のフレーム部35aに形成されている。ストッパー351は、集積部34に進入した用紙の搬送を停止して下方に位置する用紙の先端を支持する。
FD整合部35及びCD整合部36は、集積部34に隣接して設けられ、集積部34に集積された一枚或いは複数枚の用紙の端部を整合する。
FD整合部35は、集積部34の支持面3431と平行に配置され、上下方向(ここでは鉛直方向)に延在する案内棒354に、上下動自在に取り付けられている側面視コ字状のフレーム部35aを有する。案内棒354は、支持板部343の下端部と、対向ガイド39に固定されたブラケット345とに固定されている。これにより案内棒354は、支持板部343に固定されている。
フレーム部35aは、支持部352を介して、モーター353のプーリー及びプーリー355間に巻き掛けられた無端ベルト356に固定されている。プーリー355は、ブラケット345を介して対向ガイド39に固定され、モーター353は、支持板部343の下端部に対向配置されている。この構成により、無端ベルト356は、案内棒354の延在方向に沿って配置されている。制御部33によりモーター353が駆動すると、無端ベルト356は回動し、これに伴いフレーム部35aは、案内棒354に沿って上下動する。
このフレーム部35aの下辺部にストッパー351が形成されており、このストッパー351は、支持面3431に上下に延在して形成された案内開口部を介して、支持面3431側に突出している。
ストッパー351では、集積部34内、つまり、支持面3431、3411間で上下方向自在な部位である基台3511上に、クッション材(ゴム等の緩衝材)3512を介して受け板部3513が取り付けられている。この受け板部3513でクッション材3512を介して集積部34に進入する用紙を受ける。
具体的には、ストッパー351は、搬送ローラーR2から排紙され、自由落下して集積部34内、つまり、支持面3431、3411の間に進入する用紙を、クッション材3512上の受け板部3513で受ける。これにより、ストッパー351は、集積部34に用紙を集積する際に、搬送ローラーR2から排紙されて落下して衝突する用紙をクッション材3512で吸収し、用紙がストッパー351に直接衝突することで発生する音を緩和できる。これにより、ストッパー351は、集積の際の静音化を図っている。なお、受け板部3513は、例えば、SUS板等により構成される。
CD整合部36は、対向支持部341に取り付けられている。
CD整合部36は、図6に示すように、左右1対のアーム状の整合部材361、362を備える。これら整合部材361、362は、支持面3431、3411内の用紙、つまり集積部34内の用紙を、幅方向で挟むように配置される。
左の整合部材361は、ピン363に、右の整合部材362はピン364に固定され、各ピン363、364は回動するベルト365の一方の回動面と他方の回動面にそれぞれ固定される。モータ366の駆動によりベルト365が回動するのに伴って左右の整合部材361、362は逆方向に移動する。すなわち、2つの整合部材361、362が寄って離れる動作を繰り返すことで、用紙Sの幅方向の端部に複数回の押圧を加え、用紙の幅方向の端部を整合する。
次に、図3を参照して、中間搬送ユニットRUが複数枚(ここでは、2枚)の用紙を集積して排紙する一連の動作を説明する。
用紙の搬送前において、FD整合部35のストッパー351は初期位置V0にある。
画像形成ユニットGから1枚目の用紙が搬入されると、制御部33の制御によって搬送ガイド37は開位置(図3での実線位置)に移動する。このとき、アシストガイド38は開位置(図3の実線位置)に位置している。
用紙は搬送ローラーR1、R2、従動ローラーR21によって搬送され、図7に示したように切り替えガイド37と、アシストガイド38にガイドされて下方(ここでは鉛直下方向)の集積部34に進行する。
このように、用紙Sが搬送ローラーR2から集積部34側に排紙される際には、アシストガイド38は、制御部33により制御されて、進入側の搬送経路Y(進入経路Y1)近傍の位置で待機した状態で、用紙をガイドする。
詳細には、アシストガイド38は、搬送ローラーR2から集積部34までの搬送経路Yで用紙が通る位置Lよりも距離M分だけ離間した開位置で待機した状態で搬送ローラーR2から集積部34側に搬送される用紙Sをガイドする。このように、アシストガイド38が、M分だけ用紙Sの搬送経路Yから外れた開位置に位置して、進入側の搬送経路Y、具体的には進入経路Y1を通る用紙Sをガイドしている。このため、用紙Sが、例えば、柔らかい紙種であった場合でも、落下の際の抵抗になることがない。
そして、用紙Sが搬送ローラーR2から排紙される、つまり、用紙Sの後端SBが搬送ローラーR2の挟持状態から開放されるときには、アシストガイド38は、制御部33(図2参照)によって、閉位置側に移動を始めている。言い換えれば、制御部33(図2参照)によりアシストガイド38は、搬送ローラーR2から集積部34側へ用紙Sを排紙するタイミングよりも前に、開位置から閉位置への移動を開始する。
これにより、アシストガイド38は、図8に示すように、用紙Sの後端SBが搬送ローラーR2、従動ローラーR21から抜けたときには、閉位置側に矢印D1方向への移動中において、搬送ローラーR2を通過した用紙Sに接触する。これにより用紙Sの後端は閉位置側に押圧されて落下して集積部34内に収まり易くなる。
このアシストガイド38の移動開始のタイミングは、用紙通過センサ333の検出結果に基づいて、用紙Sの後端SBが搬送ローラーR2から抜けた(離間した)タイミングを設定し、この設定を用いて制御部33が制御する。
アシストガイド38の移動開始のタイミングは、まず、用紙通過センサ333のセンサ位置を通過する用紙の通過タイミングを基準にして、予め設定された速度で所定時間(mmSEC)後に搬送ローラーR2から用紙が排紙される排紙タイミングを設定する。この排紙タイミングは、搬送ローラーR2から用紙の後端が抜けるタイミングである。そして、この排紙タイミングで排紙された用紙が集積部34のストッパー351で跳ね返って搬送ローラーR2側に至るまでの時間を、搬送ローラーR2からストッパー351までの距離、予め設定された用紙の移動速度などに基づいて設定する。これらに基づいて、排紙タイミングで排紙された用紙が搬送ローラーR2側に至るまでに、アシストガイド38が搬送ローラーR2への跳ね返る用紙の経路上に位置するように、制御部33は、予め設定された移動速度で移動するアシストガイド38の移動開始のタイミングを設定する。
排紙タイミング、アシストガイド38の移動開始タイミング、アシストガイド38の移動速度、搬送ローラーR2の周速(排紙速度)は、用紙の坪量、サイズ(例えば紙幅160mm)、紙種に応じて制御テーブルとして記憶部32に記憶されている。
ここでは、集積される用紙が、所定サイズ(所定幅)以下のサイズの紙種である所定用紙である場合の移動開始タイミングとして設定される。言い換えれば、搬送ローラーR2から後端が抜けた所定用紙が集積部34の底部(ストッパー351)で跳ねて戻るまでにアシストガイド38を開位置から閉位置に移動させるための移動開始タイミングが設定されている。
制御部33は、中間搬送ユニットRUの記憶部32に記憶されている制御テーブルを用いて、アシストガイド38を所定の移動速度で、且つ、所定のタイミングで移動を開始させる。これにより、アシストガイド38は、搬送ローラーR2から抜ける用紙Sに触れながら、閉位置側に移動する。
ここでは、用紙通過センサ333のセンサ位置を用紙が通過したタイミングに基づいて設定した排紙タイミングのとき(図8参照)には、移動中のアシストガイド38の先端部38bが用紙に触れるように移動を開始させるタイミングとしている。このため、用紙の後端が搬送ローラーR2を抜ける前に、アシストガイド38が既に移動を開始するように、制御部33は、アシストガイド38を駆動するモーター382も搬送ローラーR2から用紙が抜けるまでに励磁開始させている。
これにより、アシストガイド38は、図9に示すように、搬送ローラーR2から排紙された用紙Sが自由落下して集積部34の底部であるストッパー351(詳細には、受け板部3513)に当たって跳ね返る前に、閉位置側に移動を始めることになる。
したがって、アシストガイド38は、搬送ローラーR2から排紙された用紙Sが自由落下して集積部34の底部であるストッパー351に当たって跳ね返り、搬送ローラーR2側に戻る前に、搬送ローラーR2側への搬送経路Y(進入経路Y1)を閉塞する位置に移動する。
これにより、図10に示すように、落下した用紙Sの先端SFがストッパー351(詳細には、受け板部3513)に当接することで用紙Sが跳ねた場合でも、跳ねた用紙Sが、搬送ローラーR2側に戻ることがない。また、アシストガイド38は閉位置に移動しているため、跳ねた用紙Sは搬出側にガイドされる。
なお、ストッパー351は、基台3511と、基台3511上のクッション材3512と、クッション材3512上の受け板部3513とを有する。よってストッパー351で跳ね返る用紙は、実際には、ストッパー351の受け板部3513で、クッション材3512を介して、受けて跳ね返る。これにより、用紙は一層跳ねやすくなっているが、アシストガイド38によって、集積部34への搬入側への跳ね返りを防止されるものとなっている。
そして、集積部34の底部であるストッパー351で跳ねた後の用紙Sは、再び集積部34内に戻る。そして、用紙Sの先端SFがストッパー351に当接することで進行を停止する。
このようにストッパー351に先端SFが当接することで用紙Sがストッパー351に到達すると、ストッパー351は、制御部33の指示により上昇し、図3に示す初期位置V0から位置V1に移動する。
次に搬入される用紙を集積部34側にガイドするため、制御部33は、アシストガイド38を、開位置に移動させておく。
そして、2枚目の用紙が画像形成ユニットGから搬入されると、1枚目の用紙Sと同様に、制御部33は、2枚目の用紙を切り替えガイド37、アシストガイド38にガイドさせて集積部34に搬送する。アシストガイド38は、1枚目と同様に、搬送ローラーR2から抜けたときには、閉位置側へ移動を開始しており、これにより、搬送ローラーR2から離れた2枚目の用紙は、アシストガイド38によって対向ガイド39側に押し込まれることとなる。一方、集積部34では、ストッパー351の上昇に伴い、1枚目の用紙の後端SBは、図3に示す1対の搬送ローラーR2のうち左側に位置するローラーの下端より高く、かつ排紙側の位置にある。
その結果、アシストガイド38が閉位置側に移動することにより、集積部34側に2枚目の用紙は押し込まれて、この2枚目の用紙の先端SFは1枚目の用紙Sの後端には衝突せずに用紙Sにガイドされて集積部34を進行する。
これにより、2枚目の用紙は、ストッパー351で跳ねて搬送ローラーR2側に戻ること無く、1枚目の用紙の裏側に位置するように集積される。また、アシストガイド38は閉位置側に移動しているため、集積部34に集積された用紙を搬出側にガイド可能となっている。
そして、集積部34に進入してストッパー351(詳細には受け板部3513)に当った後の2枚目の用紙が、ストッパー351で停止して集積部34に収まると、ストッパー351は制御部33の指示により下降し、図11に示すように、位置V1から初期位置V0に移動する。このように集積部34には、複数の用紙S、SSが重ね合う状態で集積される。
次いで、集積部34に集積された用紙S、SSをまとめて排紙する際には、ストッパー351が上昇して、初期位置V0から位置V2に移動する。このストッパー351の上昇により、集積された用紙S、SSの下端(詳細には両用紙S、SSの先端SF)が押し上げられ、図12に示すように用紙S、SSは鉛直上方向に進行する。図12に示すように、鉛直上方に進行中の用紙S、SSは、アシストガイド38及び対向ガイド39にガイドされる。
位置V2は、位置V2と搬送ローラーR3間の距離が用紙の搬送方向の長さと同等となる位置であり、搬送ローラーR3はストッパー351とで用紙Sにおける搬送方向の長さの整合を行う位置である。
すなわち、ストッパー351(詳細には、受け板部3513)が位置V2に移動すると、図13に示すように、アシストガイド38及び対向ガイド39によってガイドされた用紙Sの後端(図では上端)SBが搬送ローラーR3に到達する。このとき、搬送ローラーR3は、制御部33からの指示に基づいて、通常の搬送時とは逆方向に回転して、搬出従動ローラーR31とのニップ部で、複数枚の用紙Sの後端SBを整合する。搬送ローラーR3の逆回転は、搬送ローラーR3と搬出従動ローラーR31との間に用紙S、SSの後端SB(図では上端)を進入させないようにするためである。これにより、搬送ローラーR3は、ストッパー351とともに、重なり合う用紙S、SSに対して、搬送方向における整合が行われる。
なお、集積部34における2枚の用紙S、SSの上端部(実際には用紙の後端SB)における停止位置は、搬送ローラーR3と搬出従動ローラーR31の挟持位置より搬送方向下流側である。このとき、CD整合部36は、搬送方向における整合動作と同時または終了後に、整合部材361、362を、制御部33により駆動するモータ366(図6参照)によって移動して、用紙Sの幅方向における整合を行う。
その後、搬送ローラーR3が、その回転方向を通常の回転方向に戻して回転すると、後端(図では上端)SBが整合された用紙S、SSは纏めて排紙方向へ搬送される。すなわち、重ね合う用紙(ここでは2枚の用紙)S、SSは、縦横が揃った状態で、搬送ローラーR3により搬送される。そして、搬送ローラーR4(図3参照)で挟持されて、中間搬送ユニットRUから後処理ユニットFに纏めて排紙される。
一方、集積部34から用紙の排紙が開始されて所定時間経過すると、アシストガイド38はガイドを終え、開位置に移動して排紙方向のガイド前の位置に戻る。
このように本実施の形態の中間搬送ユニットRUによれば、制御部33は、モータ382を介してアシストガイド38(図3参照)を、用紙が搬送ローラーR2により排紙されてから集積部34で跳ねて搬送ローラーR2(図3参照)に戻るまでに、開位置から閉位置に移動させる。具体的には、制御部33は、用紙通過センサ333の検出タイミングを用いて、搬送ローラーR2から排紙される用紙の後端(搬送方向における後端)が搬送ローラーR2(図3参照)から離れたときの排紙タイミングを設定する。
制御部33は、設定した排紙タイミングを用いてアシストガイド38(図3参照)の移動を制御して、搬送ローラーR2から用紙Sの後端が抜けたときに、アシストガイド38が用紙Sに接触するようにアシストガイド38を移動させる。すなわち、制御部33は、用紙通過センサ333による用紙の検知タイミングに基づいて、搬送ローラーR2から排紙された用紙が搬送ローラーにR2跳ね返るまでの時間を設定する。そして、この設定した設定時間内で、制御部33は、モーター382を介して、アシストガイド38を閉位置に移動させる。
これにより、用紙Sが集積部34で跳ねて戻る(跳ね返る)場合でも、用紙Sを排紙した搬送ローラーR2に至ることがない。したがって、用紙Sの跳ね返りを防止するために、従来と異なり、集積部側を用紙集積の度に動作させる必要がなく、大量印刷を行う場合でも、生産性を低下させることなく、効率よく、スキューさせることなく集積できる。
アシストガイド38は、用紙に相対する面に複数の突条部381が設けられた板状部材であり、複数の突条部381は用紙の幅方向に並設されている。用紙全体ではなく、接触部分を突条部381とすることで接触面積を減らし、用紙の保護を図ることができる。
突条部381は、用紙の搬送方向の長さに対応する長さをもつので、接触部分が突条部381だけでも十分にガイド機能を確保することができる。
なお、本実施形態に係る画像形成システム10は本発明の一例であり、これに限定されない。例えば、アシストガイド38は回動により開閉し、搬入方向と排紙方向に搬送経路を切り替えて集積部34への搬入方向の経路を閉塞する構造の例を示したが、これに限らない。アシストガイド38が、搬送ローラーR2から用紙が集積部34側に排紙された瞬間に、搬送ローラーR2側への用紙の跳ね返りを防止するものであれば、どのようなアシストガイドにも、本発明を適用することができる。また、アシストガイドは、回動ではなく水平移動する構造であっても本発明を適用することができる。
中間搬送ユニットRUは、画像形成ユニットGに一体的に設けた画像形成装置としても良く、また、後処理ユニットFに一体的に設けた後処理装置としてもよい。さらに、中間搬送ユニットRUは、折り処理を行うユニットと、ステイプル処理を行うユニットとの間に配置してもよい。この場合、中間搬送ユニットRUは、折り処理された用紙を集積し、まとめてステイプル処理のユニットへ搬送することができる。すなわち、プロダクション・プリンティングの分野(PP分野、商用印刷や企業内での大量印刷)において、後処理ユニットとともに用いることで、後処理ユニットの処理速度に対応して、適宜、複数の用紙を重ね合わせた状態で後処理ユニットに搬送できる。これにより、所望の形態の冊子を、歩留まりを上げて生産性を確保しつつ作製できる。
また、アシストガイド38の移動制御に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としては、ROM、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。
また、アシストガイド38の移動制御に係るプログラムのデータを、通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用し、この媒体からの情報を読み出すことで制御部33が動作制御するようにしてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。