JP2021181341A - シート処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】綴じ部が排出方向に平行な方向に移動可能な構成において生産性を向上可能なシート処理装置を提供する。【解決手段】シート束が積載される積載部と、前記積載部に積載されたシート束を排出方向に排出する排出処理を行う排出部と、前記排出方向に移動可能に支持され、シート束を綴じる綴じ処理を行う綴じ部と、前記綴じ部を前記排出方向に平行な方向に移動させる移動部と、前記排出部及び前記移動部によって、それぞれ前記積載部に積載されたシート束及び前記綴じ部が前記排出方向に移動している最中に、前記綴じ処理を実行する制御部と、を備える。【選択図】図9

Description

本発明は、シートを処理するシート処理装置に関する。
従来、シートが載置される固定板と、固定板に載置されたシートを突き当て壁に突き当てるように搬送方向に搬送するパドラと、搬送方向と直交する幅方向にシートを整合する叩き板と、を備えたシート処理装置が提案されている(特許文献1参照)。このシート処理装置は、幅方向に移動可能かつ複数枚のシートを綴じることが可能なステイプラを備えている。そして、シート処理装置は、叩き板によってシート束を幅方向にシフトさせるオフセット処理を実行中に、ステイプラによって綴じ処理することによって、後処理に掛かる時間を短縮している。
特開2011−201661号公報
しかしながら、特許文献1に記載のステイプラは、幅方向にのみしか移動できないので、オフセット処理を行うジョブでしか後処理に掛かる時間を短縮できなかった。このため、オフセット処理以外では、後処理に時間がかかり、生産性が低下してしまっていた。
そこで、本発明は、綴じ部が排出方向に平行な方向に移動可能な構成において生産性を向上可能なシート処理装置を提供することを目的とする。
本発明は、シート処理装置において、シート束が積載される積載部と、前記積載部に積載されたシート束を排出方向に排出する排出処理を行う排出部と、前記排出方向に移動可能に支持され、シート束を綴じる綴じ処理を行う綴じ部と、前記綴じ部を前記排出方向に平行な方向に移動させる移動部と、前記排出部及び前記移動部によって、それぞれ前記積載部に積載されたシート束及び前記綴じ部が前記排出方向に移動している最中に、前記綴じ処理を実行する制御部と、を備える、ことを特徴とする。
また、本発明は、シート処理装置において、シート束が積載される積載部と、待機位置から幅方向に移動することで前記積載部に積載されたシートを前記幅方向に整合する整合部と、前記幅方向に直交する排出方向に移動することで前記積載部に積載されたシート束を前記排出方向に排出する排出処理を行う排出部と、前記排出方向に移動可能に支持され、シート束を綴じる綴じ処理を行う綴じ部と、前記綴じ部を前記排出方向に平行な方向に移動させる移動部と、前記整合部、前記排出部、前記綴じ部及び前記移動部を制御する制御部と、を備え、前記綴じ部は、シート束を押さえる押さえ位置と、シート束から離間した待機位置と、に移動可能な押さえ部を有し、前記綴じ処理は、前記押さえ部を前記待機位置から前記押さえ位置に移動させることでシート束を押さえる押さえ動作と、前記押さえ部によって押さえられたシート束を綴じる綴じ動作と、前記押さえ部を前記押さえ位置から前記待機位置に移動させる解放動作と、を含み、前記制御部は、前記整合部を前記待機位置に復帰させる復帰動作と、前記解放動作と、の少なくとも一部を並列して行う、ことを特徴とする。
本発明によると、綴じ部が排出方向に平行な方向に移動可能な構成において生産性を向上することができる。
第1の実施の形態に係るプリンタを示す全体概略図。 (a)は綴じ処理部を示す斜視図、(b)は中間上ガイドを取り外した状態の綴じ処理部を示す斜視図。 画像形成システムのハードウェア構成を示すブロック図。 画像形成システムの機能構成を示すブロック図。 (a)は押圧動作を説明するための断面図、(b)は針打ち動作を説明するための断面図、(c)は解放動作を説明するための断面図。 後処理を示すフローチャート。 (a)は縦整合動作を示す正面図、(b)は横整合動作を示す正面図。 (a)は排出処理及びステイプラ移動処理を示す正面図、(b)は各部材が待機位置に復帰する様子を示す正面図。 (a)は第1の実施の形態に係る後処理の所要時間を示す図、(b)は比較例に係る後処理の時間を示す図。 第2の実施の形態に係る後処理を示すフローチャート。 (a)は1箇所目の綴じ位置へのステイプラの移動及び縦整合動作を示す正面図、(b)は横整合動作を示す正面図、(c)は第1ステイプラ移動処理及び排出処理を示す正面図。 (a)は第2ステイプラ移動処理を示す正面図、(b)は第3ステイプラ移動処理を示す正面図、(c)は各部材が待機位置に復帰する様子を示す正面図。 (a)は第2の実施の形態に係る後処理の所要時間を示す図、(b)は比較例に係る後処理の時間を示す図。 綴じ処理部を示す正面図。 画像形成システムの機能構成を示すブロック図。 後処理を示すフローチャート。 (a)は縦整合動作を示す正面図、(b)は横整合動作を示す正面図。 (a)はジョガー復帰動作を示す正面図、(b)は縦整合基準板が待機位置に復帰する様子を示す正面図。 (a)は第3の実施の形態に係る後処理の所要時間を示す図、(b)は比較例に係る後処理の時間を示す図。
<第1の実施の形態>
〔全体構成〕
図1に示すように、第1の実施の形態に係る画像形成システム1Sは、画像形成装置1、画像読取装置2、原稿送り装置3及びシート処理装置4によって構成される。画像形成システム1Sは、記録材であるシートに画像を形成し、必要に応じてシート処理装置4によってシートに処理を施して出力する。なお、画像形成システム1S全体をシート処理装置とみなしてもよい。以下、各装置の簡単な動作を説明した後、シート処理装置4について詳細な説明を行う。
原稿送り装置3は、原稿トレイ18に載置された原稿を画像読取部16,19に搬送する。画像読取部16,19はそれぞれ原稿面から画像情報を読み取るイメージセンサであり、1度の原稿搬送で原稿の両面の読み取りが行われる。画像情報を読み取られた原稿は原稿排出部20に排出される。また、画像読取装置2は駆動装置17により画像読取部16を往復移動させることで、原稿台ガラスにセットされた静止原稿(ブックレット原稿などの原稿送り装置3が使用できない原稿を含む)から画像情報を読み取ることができる。
画像形成装置1は、直接転写方式の画像形成部1Bを備えた電子写真装置である。画像形成部1Bは、感光ドラム9を備えたカートリッジ8と、カートリッジ8の上方に配置されたレーザスキャナユニット15と、を備えている。画像形成動作を行う場合、回転する感光ドラム9の表面が帯電させられ、レーザスキャナユニット15が画像情報に基づいて感光ドラム9を露光することでドラム表面に静電潜像を書き込む。感光ドラム9に担持された静電潜像は帯電したトナー粒子によってトナー像に現像され、感光ドラム9と転写ローラ10とが対向する転写部にトナー像が搬送される。画像形成装置1のコントローラは、画像読取部16,19によって読み取られた画像情報又は外部のコンピュータからネットワークを介して受信した画像情報に基づいて画像形成部1Bによる画像形成動作を実施する。
画像形成装置1は、記録材としてのシートを1枚ずつ所定の間隔で給送する給送装置6を複数備えている。給送装置6から給送されたシートはレジストレーションローラ7にて斜行を補正された後に転写部に搬送され、転写部において、感光ドラム9に担持されたトナー像を転写される。シート搬送方向における転写部の下流には定着ユニット11が配置されている。定着ユニット11は、シートを挟持して搬送する回転体対と、トナー像を加熱するためのハロゲンランプ等の発熱体とを有し、シート上のトナー像を加熱及び加圧することで画像の定着処理を行う。
画像形成されたシートを画像形成装置1の外部に排出する場合、定着ユニット11を通過したシートは水平搬送部14を介してシート処理装置4に搬送される。両面印刷において第1面の画像形成が終了したシートの場合、定着ユニット11を通過したシートは反転ローラ12に受け渡され、反転ローラ12によってスイッチバック搬送され、再搬送部13を介して再びレジストレーションローラ7に搬送される。そして、シートは、再び転写部及び定着ユニット11を通過することで第2面に画像を形成された後、水平搬送部14を介してシート処理装置4に搬送される。
上記の画像形成部1Bはシートに画像を形成する画像形成部の一例であり、感光体に形成したトナー像を中間転写体を介してシートに転写する中間転写方式の電子写真ユニットを用いてもよい。また、インクジェット方式やオフセット印刷方式の印刷ユニットを画像形成部として用いてもよい。
[シート処理装置]
シート処理装置4は、シートに綴じ処理を施す綴じ処理部4Aを有し、画像形成装置1から受け取ったシートに綴じ処理を施してシート束として排出する。また、シート処理装置4は、画像形成装置1から受け取ったシートに綴じ処理を施さずに単に排出することもできる。
シート処理装置4には、シートを搬送する搬送路として受入パス81、内排出パス82、第1排出パス83及び第2排出パス84が設けられており、シートを排出する排出先として上排出トレイ25及び下排出トレイ37が設けられている。第1搬送路としての受入パス81は、画像形成装置1からシートを受け取って搬送する搬送路であり、第2搬送路としての内排出パス82は、受入パス81の下方に延び、綴じ処理部4Aへ向けてシートを案内する搬送路である。第1排出パス83は、シートを上排出トレイ25に排出する搬送路であり、第3搬送路としての第2排出パス84は、後述する排出方向DDに沿って延び、シートを下排出トレイ37に案内する搬送路である。
画像形成装置1の水平搬送部14から排出されるシートは、受入パス81に配置された入口ローラ21によって受け取られ、受入パス81を通って反転前ローラ22へ向けて搬送される。入口センサ27は、入口ローラ21と反転前ローラ22との間の検知位置においてシートを検知する。反転前ローラ22は、入口ローラ21から受け取ったシートを第1排出パス83へ向けて搬送する。
なお、入口センサ27がシートの後端の通過を検知した後の所定のタイミングで、反転前ローラ22はシートの搬送速度を水平搬送部14における搬送速度より速い速度まで加速する。また、入口ローラ21によるシートの搬送速度を水平搬送部14よりも大きく設定し、反転前ローラ22よりも上流の入口ローラ21で搬送速度を加速してもよい。この場合、水平搬送部14の搬送ローラとこれを駆動するモータとの間にワンウェイクラッチを設置し、入口ローラ21によってシートが引っ張られたとしても搬送ローラが空転するように構成すると好適である。
シートの排出先が上排出トレイ25の場合、反転ローラ24は反転前ローラ22から受け取ったシートを上排出トレイ25に排出する。この場合、シート後端が反転前ローラ22を通過した後の所定のタイミングで反転ローラ24は所定の排出速度まで減速する。
シートの排出先が下排出トレイ37の場合、反転部としての反転ローラ24は反転前ローラ22から受け取ったシートを反転させるスイッチバック搬送を行って、シートを内排出パス82に搬送する。反転ローラ24によるシートの排出方向において反転ローラ24よりも上流側で受入パス81及び内排出パス82が第1排出パス83から分岐する分岐部には、逆流防止弁23が配置されている。逆流防止弁23は、反転ローラ24によってスイッチバックされたシートが受入パス81に逆流することを規制する機能を有する。
内排出パス82に配置された内排出ローラ26、中間搬送ローラ28及び蹴り出しローラ29は、反転ローラ24から受け取ったシートを順に受け渡しながら綴じ処理部4Aへ向けて搬送する。中間積載前センサ38は、中間搬送ローラ28と蹴り出しローラ29との間でシートを検知する。入口センサ27及び中間積載前センサ38としては、光を用いて検知位置におけるシートの有無を検出する光学センサを用いることができる。
綴じ処理部4Aは、後述するステイプラ51(図2(a)参照)を有し、内排出パス82から受け取った複数枚のシートを整合した後、ステイプラ51によってシート束の所定位置を綴じる。綴じ処理部4Aの詳細な構成及び動作については後述する。綴じ処理部4Aによって綴じられたシート束は、第2排出パス84を介して束排出ローラ36に受け渡され、機外排出部としての束排出ローラ36によって機外へ排出されて下排出トレイ37に積載される。
上排出トレイ25及び下排出トレイ37は、いずれもシート処理装置4の筐体に対して上下に移動可能である。シート処理装置4は、上排出トレイ25及び下排出トレイ37におけるシートの上面位置(シートの積載高さ)を検知するシート面検知センサを備えており、いずれかのセンサがシートを検知すると、対応するトレイをA2,B2方向に下降させる。また、上排出トレイ25又は下排出トレイ37のシートが取り除かれたことをシート面検知センサによって検知すると、そのトレイをA1,B1方向に上昇させる。従って、上排出トレイ25及び下排出トレイ37は、積載されたシートの上面を一定に保つように昇降制御される。
[綴じ処理部の構成]
次に、綴じ処理部4Aについて説明する。図2(a)(b)は綴じ処理部4Aを示す斜視図であり、説明を簡略化するため整合装置を固定している枠体等の部品は省略している。また、図2(b)は中間上ガイド31を取り外した状態の綴じ処理部4Aを示す斜視図である。
図1乃至図2(b)に示すように、綴じ処理部4Aは、束押さえフラグ30と、中間上ガイド31及び中間下ガイド32と、押さえガイド56と、縦整合装置70と、横整合装置80と、束排出ガイド34と、ステイプラ51と、を有している。
綴じ処理部4Aは、上搬送ガイド49及び下搬送ガイド50によって形成される内排出パス82から排出されて中間積載部に積載されたシートに対して、縦整合装置70及び横整合装置80によって整合処理をする。これら縦整合装置70及び横整合装置80は、整合部500を構成している。整合処理は、縦整合装置70による縦整合動作と、横整合装置80による横整合動作を含む。その後、綴じ処理部4Aは、シートに対してステイプラ51によって綴じ処理を施し、綴じられたシート束を形成する。中間上ガイド31及び中間下ガイド32は、処理対象のシートが積載される中間積載部を構成している。中間下ガイド32は、内排出パス82における最も下流側のローラである蹴り出しローラ29から排出されるシートの積載部となる。
束押さえフラグ30は、回転体対としての蹴り出しローラ29の下流側において回動可能に設けられている。なお、蹴り出しローラ29は、シートを挟持しながら中間下ガイド32に排出するローラ対を有している。束押さえフラグ30の下面は、中間積載部に先に排出された先行シートの後端部を押さえて、蹴り出しローラ29によって後から排出される後続シートの先端が先行シートの後端の上方を通過させる。つまり、束押さえフラグ30は、蹴り出しローラ29から排出されるシートの後端部を下方に移動させてシート同士の衝突を防ぐ手段として機能する。束押さえフラグ30の下面は、綴じ処理部4Aで処理可能な各サイズのシートについて、シートの幅方向Wの両端部を押さえることができるような幅方向Wの範囲に設けられている。
中間上ガイド31には、可撓性のシート部材である押さえガイド56が固定されており、押さえガイド56は、中間下ガイド32に当接するように配置され、中間積載部に積載されたシートの上面を所定の加圧力で押圧する。縦整合装置70は、縦整合ローラ33と、中間下ガイド32に支持される縦整合基準板39と、を有している。縦整合ローラ33は、中間上ガイド31に回転可能に支持される軸部33bと、軸部33bの一端部に固定されるギヤ部33cと、軸部33bに固定されるローラ部33aと、を有している。
ローラ部33aは、ギヤ部33cに縦整合モータ212(図3参照)からの駆動力が伝達されることで、所定のタイミングで1回転ずつ間欠回転するように制御されている。ローラ部33aは、合成ゴムもしくはエラストマー樹脂等の弾性材料で成形され、外周面が所定の摩擦係数になるように調整されている。また、ローラ部33aの外周部は、軸部33bの軸方向から見て非円形であって、より詳しくは半月状に形成されている。
中間積載部にシートが排出される前の待機状態において、ローラ部33aは中間上ガイド31からローラ部が露出しないような回転角度で保持される。また、ローラ部33aが1回転する間に、中間上ガイド31に設けられた開口部31aからローラ部33aが一時的に露出する。そして、ローラ部33aは、中間下ガイド32に積載されたシートの最上位シートの上面に接触して搬送力を付与する。ローラ部33aのシートに対する接触圧は、シートが縦整合基準板39に突き当たった後はローラ部33aがスリップするように調整されている。
縦整合基準板39は、幅方向Wにおいて間隔を開けて2つ設けられており、縦整合ローラ33によって搬送されたシートは、縦整合基準板39に突き当たることでシート搬送方向における端部の位置が揃えられる。すなわち、縦整合基準板39は、シートの排出方向DDにおける上流端の位置を整合する。
横整合装置80は、中間下ガイド32に固定される横整合基準板52と、横整合モータ211(図3参照)によって幅方向Wに移動可能な横整合ジョガー58と、を有している。横整合基準板52及び横整合ジョガー58は、排出方向DDに沿って延びている。中間積載部に積載されたシートは幅方向Wに移動する横整合ジョガー58に押圧されることで横整合基準板52に突き当たり、排出方向DDに直交する幅方向Wにおける端部の位置が揃えられる。
なお、本実施の形態では、横整合ジョガー58の移動軌跡と束排出ガイド34の移動軌跡が重ならないように構成されているが、これに限定されない。
中間下ガイド32には、ステイプラ移動ローラ62a,62bが回転可能に支持されており、これらステイプラ移動ローラ62a,62bには、ステイプラ移動ベルト61が巻き掛けられている。ステイプラ移動モータ215(図3参照)によってステイプラ移動ローラ62aが駆動されることで、ステイプラ移動ベルト61及びステイプラ移動ベルト61に固定されたステイプラ51は排出方向DDに平行な移動方向Hに移動する。言い換えれば、移動部としてのステイプラ移動モータ215は、ステイプラ51を排出方向DDに平行な方向に移動させる。なお、ステイプラ移動モータ215は、ステイプラ移動ローラ62bのみを駆動しても、ステイプラ移動ローラ62a,62bの両方を駆動してもよい。
ステイプラ51は、ステイプラ駆動モータ214(図3参照)によってシート若しくは複数のシートによって構成されるシート束に対して綴じ処理を行うことができる。ステイプラ51は、綴じ処理する際にシート束を挟む間口部53を有している。横整合基準板52は、ステイプラ51が綴じ処理を行わない状態であれば、ステイプラ51が移動方向Hに移動する際に、間口部53の内方を通過することができる。ステイプラ51を移動方向Hに移動させることで、シート束に対して複数の綴じ位置で綴じることが可能となり、シート束の長辺を綴じる長辺綴じやシート束の角を綴じる角綴じを実現できる。
2つの縦整合基準板39の間には、束排出ガイド34が配置されており、束排出ガイド34は、中間下ガイド32に形成されたスライド溝32aに沿って移動可能に設けられている。シート束は、縦整合装置70及び横整合装置80によって縦整合基準板39及び横整合基準板52に突き当てられることにより、排出方向DD及び幅方向Wに整合される整合処理が行われる。整合処理されたシート束は、束排出ガイド34によって第2排出パス84に押し出されて排出される。すなわち、排出部としての束排出ガイド34は、シート束を排出方向DDに排出する排出処理を行う。
[ハードウェア構成]
図3は、画像形成システム1Sのハードウェア構成を示すブロック図である。なお、図3では、主に本実施の形態の制御に関係するシート処理装置4の構成を示し、他の構成は省略している。
画像形成システム1Sは、図3に示すように、主制御部303と、ビデオコントローラ301と、エンジン制御部302と、を有しており、ビデオコントローラ301は、画像形成装置1とシート処理装置4とを統括する。エンジン制御部302は、画像形成装置1を制御し、主制御部303は、シート処理装置4を制御する。
ビデオコントローラ301は、エンジン制御部302及び主制御部303にそれぞれシリアルコマンド送信信号線304,305を介して接続されており、これらエンジン制御部302及び主制御部303へ命令をシリアル通信で送信する。エンジン制御部302は、ビデオコントローラ301にシリアルステータス送信信号線306を介して接続されており、ビデオコントローラ301にステータスデータをシリアル通信で送信する。制御部としての主制御部303は、ビデオコントローラ301にシリアルステータス送信信号線307を介して接続されており、ビデオコントローラ301にステータスデータをシリアル通信で送信する。
画像形成動作を行うに当たり、ビデオコントローラ301は、エンジン制御部302及び主制御部303に対し、シリアルコマンドを送信すると共に、エンジン制御部302及び主制御部303からのステータスデータを受信することで制御を行っている。このように、複数の装置が接続され動作する場合は、ビデオコントローラ301が各装置の制御や状態を一元管理し、各装置間の動作の整合性を保っている。
主制御部303は、CPU231と、RAM232と、ROM233と、通信モジュール234と、I/Oポート240と、等を有している。CPU231は、シート処理装置4の各種動作を制御する中央演算装置である。RAM232は、シート処理装置4の動作に必要となる制御データを一時的に記憶する揮発性メモリである。ROM233は、プログラムやシート処理装置4の動作に必要となる制御テーブルを記憶する不揮発性メモリである。
これらCPU231、RAM232、ROM233及び通信モジュール234は、バス308を介してI/Oポート240に接続されており、I/Oポート240は、シート処理装置4の各種ユニットへ制御信号を出入力する。より具体的には、I/Oポート240は、横整合モータ駆動回路201及び縦整合モータ駆動回路202をそれぞれ介して、横整合モータ211及び縦整合モータ212に接続されている。また、I/Oポート240は、束排出ガイド移動モータ駆動回路203及びステイプラ駆動回路204をそれぞれ介して、束排出ガイド移動モータ213及びステイプラ駆動モータ214に接続されている。更に、I/Oポート240は、ステイプラ移動モータ駆動回路205を介して、ステイプラ移動モータ215に接続されている。
[機能構成]
図4は、画像形成システム1Sの機能構成を示すブロック図である。なお、図4では、主に本実施の形態のシートへの後処理に関係する部分のみを抜き出して示し、他の部分は省略している。
主制御部303は、図4に示すように、後処理制御部310を有しており、ビデオコントローラ301からのシート排出制御命令に応じて画像形成装置1から排出されたシート及びシート束に対する後処理を後処理制御部310へ指示する。後処理制御部310は、整合処理制御部311と、束排出制御部312と、ステイプラ制御部313と、排出ステイプル同期制御部320と、を有しており、シート及びシート束への後処理を制御する。
整合処理制御部311は、横整合モータ211及び縦整合モータ212を制御することで横整合ジョガー58及び縦整合ローラ33を駆動し、シート及びシート束に整合処理を行う。束排出制御部312は、束排出ガイド移動モータ213を制御することで束排出ガイド34を駆動し、シート束を第2排出パス84に排出する排出処理を行う。なお、排出処理は、少なくとも束排出ガイド34によってシート束が移動してから、第2排出パス84に設けられた束排出ローラ36にシート束が受け渡されるまでの処理を含む。ステイプラ制御部313は、ステイプラ駆動モータ214及びステイプラ移動モータ215を制御することでステイプラ51及びステイプラ移動ローラ62aを駆動し、シート束の指定された位置に綴じ処理を行う。
排出ステイプル同期制御部320は、ステイプラ移動モータ215によってステイプラ51を移動するステイプラ移動処理と、上記排出処理と、綴じ処理と、の同期を取ることで、ステイプラ51と束排出ガイド34の相対速度が0になるように制御する。これにより、排出処理と綴じ処理とが並列して実行可能となる。複数の処理が並列して実行されるとは、複数の処理が同時に行われるという意味である。
[綴じ処理の詳細]
次に、図5(a)〜(c)を用いて、綴じ部としてのステイプラ51による綴じ処理の詳細について説明する。ステイプラ51は、図5(a)に示すように、ステイプラ駆動モータ214によって駆動される駆動ギヤ51aと、対向面51eとの間でシート束Sを押圧可能な押圧部材51bと、綴じ針51dをシート束Sに向けて押圧する針打ち部材51cと、を有する。押圧部材51bは、シート束Sを押さえる押さえ位置と、シート束Sから離間した待機位置と、の間で移動可能である。
綴じ処理は、後述する押圧動作T1と、針打ち動作T2と、解放動作T3と、を含み、駆動ギヤ51aが反時計回りに1回転することで、綴じ処理が一巡する。綴じ処理が開始されると、図5(a)に示すように、駆動ギヤ51aが実線で示す位置から破線で示す位置まで回転する間に、押圧部材51bが待機位置からシート束Sへと向かい、押圧部材51bによってシート束Sを押圧する押圧動作T1が行われる。すなわち、押圧動作T1において、押圧部材51bは、待機位置から押さえ位置へ移動し、シート束Sを押さえる。押さえ動作としての押圧動作T1が完了すると、図5(b)に示すように、シート束Sが押さえ部としての押圧部材51b及び対向面51eによって挟持され、ステイプラ51とシート束Sとが位置ずれすることなく綴じ針51dを打つことが可能となる。
次に、図5(b)に示すように、駆動ギヤ51aが実線で示す位置から破線で示す位置まで回転する間に、針打ち部材51cが綴じ針51dを押し上げ、シート束Sに綴じ針51dを打つ針打ち動作T2が行われる。綴じ動作としての針打ち動作T2が完了すると、図5(c)に示すように、シート束Sが綴じ針51dによって綴じられた状態になる。
次に、図5(c)に示すように、駆動ギヤ51aが実線で示す位置から破線で示す位置まで回転する間に、押圧部材51b及び針打ち部材51cが待機位置に戻る解放動作T3が行われる。すなわち、解放動作T3において、押圧部材51bは、押さえ位置から待機位置に移動する。解放動作T3が完了すると、綴じ処理が一巡して、図5(a)に示すようにシート束Sが押圧部材51bから解放されて搬送可能な状態となる。
[綴じ処理部の動作]
次に、本実施の形態に係る綴じ処理部4Aの動作について詳しく説明する。図6に示すように、綴じ処理部4Aによる後処理が開始されると、まず、主制御部303は、縦整合動作を実行する(ステップS101)。縦整合動作が開始されると、図7(a)に示すように、縦整合モータ212によって縦整合ローラ33が駆動される。これにより、シート束Sが縦整合基準板39に突き当てられ、シート束Sの排出方向DDにおける位置が揃えられる。
次に、主制御部303は、縦整合動作が終了したか否かを判断する(ステップS102)。縦整合動作が終了したと判断された場合(ステップS102:Yes)、主制御部303は、横整合動作を実行する(ステップS103)。横整合動作が開始されると、図7(b)に示すように、横整合モータ211によって横整合ジョガー58が幅方向Wにおいて横整合基準板52に近づくように移動する。これにより、シート束Sが横整合基準板52に突き当てられ、シート束Sの幅方向Wにおける位置が揃えられる。
次に、主制御部303は、横整合動作が終了したか否かを判断する(ステップS104)。横整合動作が終了したと判断された場合(ステップS104:Yes)、主制御部303は、排出処理及びステイプラ移動処理を実行する(ステップS105)。また、主制御部303は、排出処理及びステイプラ移動処理と同じタイミングで綴じ処理を実行し(ステップS106)、後処理が終了する。なお、排出処理、ステイプラ移動処理及び綴じ処理は、主制御部303の排出ステイプル同期制御部320によって同期がとられながら実行される。
図8(a)に示すように、排出処理及びステイプラ移動処理が開始されると、束排出ガイド34及びステイプラ51は、同じタイミングかつ同じ速度で排出方向DDにおける下流に移動する。そして、ステイプラ51は、束排出ガイド34によって排出方向DDにおける下流に移動中のシート束Sに対して、シート束Sと同じ速度で移動しながら綴じ処理を行う。
シート束Sへの綴じ処理が完了すると共にシート束Sの束排出ローラ36への受け渡しが完了すると、図8(b)に示すように、束排出ガイド34、横整合ジョガー58及びステイプラ51が待機位置に復帰する。具体的には、束排出ガイド34及びステイプラ51は、排出方向DDにおける上流に移動し、横整合ジョガー58は、幅方向Wにおいて横整合基準板52から離れる方向に移動する。
[後処理の所要時間]
図9(a)は、図7(a)乃至図8(b)において説明した各処理の所要時間を示す図であり、図9(b)は比較例としての後処理動作の所要時間を示す図である。図9(b)に示すように、比較例においては、縦整合動作、横整合動作、綴じ処理及び排出処理の全てが排他的に行われており、これら処理のいずれも並列して行われていない。
一方で、本実施の形態においては、図9(a)に示すように、排出処理、ステイプラ移動処理及び綴じ処理が並列して行われている。より詳しくは、主制御部303は、束排出ガイド34及びステイプラ移動モータ215によって、それぞれシート束S及びステイプラ51が排出方向DDに移動している最中に、綴じ処理を実行する。これにより、本実施の形態では、比較例に比して、綴じ処理に掛かる時間に相当する時間P1だけ後処理を短く行うことができ、生産性を向上することができる。
なお、本実施の形態では、排出処理、ステイプラ移動処理及び綴じ処理が同時に開始されているが、これに限定されない。例えば、排出処理及びステイプラ移動処理が開始されてから所定時間経過後に綴じ処理を実行してもよい。すなわち、制御部としての主制御部303は、排出処理及び綴じ処理の少なくとも一部が並列して行われるように、束排出ガイド34、ステイプラ51及びステイプラ移動モータ215を制御すればよい。
<第2の実施の形態>
次いで、本発明の第2の実施の形態について説明するが、第2の実施の形態は、第1の実施の形態とは綴じ処理の回数が異なる後処理を実行したものである。このため、第1の実施の形態と同様の構成については、図示を省略、又は図に同一符号を付して説明する。
[綴じ処理部の動作]
シート束Sの2箇所に綴じ処理する場合の綴じ処理部4Aの動作について詳しく説明する。図10に示すように、綴じ処理部4Aによる後処理が開始されると、まず、主制御部303は、1箇所目の綴じ位置へステイプラ51を移動させる(ステップS201)。ここで、本実施の形態では排出方向DDにおける下流に向かう方向を下流方向DD1とし、排出方向DDにおける上流に向かう方向を上流方向DD2とする。すなわち、ステップS201において、ステイプラ51は、図11(a)に示すように、待機位置から下流方向DD1に移動する。
次に、主制御部303は、縦整合動作を実行する(ステップS202)。縦整合動作が開始されると、図11(a)に示すように、縦整合モータ212によって縦整合ローラ33が駆動される。これにより、シート束Sが縦整合基準板39に突き当てられ、シート束Sの排出方向における位置が揃えられる。
次に、主制御部303は、縦整合動作が終了したか否かを判断する(ステップS203)。縦整合動作が終了したと判断された場合(ステップS203:Yes)、主制御部303は、横整合動作を実行する(ステップS204)。横整合動作が開始されると、図11(b)に示すように、横整合モータ211によって横整合ジョガー58が幅方向Wにおいて横整合基準板52に近づくように移動する。これにより、シート束Sが横整合基準板52に突き当てられ、シート束Sの幅方向Wにおける位置が揃えられる。
次に、主制御部303は、横整合動作が終了したか否かを判断する(ステップS205)。横整合動作が終了したと判断された場合(ステップS205:Yes)、主制御部303は、排出処理及び第1ステイプラ移動処理を実行する(ステップS206)。また、主制御部303は、排出処理及び第1ステイプラ移動処理と同じタイミングで1箇所目の綴じ処理を実行する(ステップS207)。なお、排出処理、第1乃至第3ステイプラ移動処理及び綴じ処理は、主制御部303の排出ステイプル同期制御部320によって同期がとられながら実行される。
図11(c)に示すように、排出処理及び第1ステイプラ移動処理が開始されると、束排出ガイド34及びステイプラ51は、同じタイミングかつ同じ速度で下流方向DD1に移動する。すなわち、主制御部303は、シート束の1箇所目の綴じ位置(第1綴じ位置)に綴じ処理を行う場合、ステイプラ51を該第1綴じ位置に位置させた状態を保ちながら、シート束S及びステイプラ51を下流方向DD1(排出方向DD)に移動させる。そして、ステイプラ51は、束排出ガイド34によって下流方向DD1に移動中のシート束Sに対して、シート束Sと同じ速度で移動しながら1箇所目の綴じ処理を行う。なお、ステイプラ51は、綴じ処理を行っている間も下流方向DD1に移動し続けている。
次に、主制御部303は、シート排出方向において1箇所目の綴じ位置よりも上流に位置する2箇所目の綴じ位置へステイプラ51を移動させる(ステップS208)。この時、ステイプラ51は、図12(a)に示すように、上流方向DD2に移動する第2ステイプラ移動処理を行う。なお、ステイプラ51が上流方向DD2に移動している時も、束排出ガイド34及びシート束Sは引き続き下流方向DD1に移動している。
次に、主制御部303は、2箇所目の綴じ位置を保つようにステイプラ51を制御する第3ステイプラ移動処理を行う(ステップS209)。すなわち、図12(b)に示すように、主制御部303は、シート束の1箇所目の綴じ位置に綴じ処理が行われた後、1箇所目の綴じ位置とは異なる2箇所目の綴じ位置(第2綴じ位置)に綴じ処理を行う場合、以下のような制御を行う。主制御部303は、ステイプラ51を該第2綴じ位置に位置させた状態を保ちながら、シート束S及びステイプラ51を下流方向DD1(排出方向DD)に移動させる。言い換えれば、ステイプラ51及び束排出ガイド34は、同じ速度で下流方向DD1に移動する。
そして、主制御部303は、束排出ガイド34によって下流方向DD1に移動しているシート束に対して2箇所目の綴じ処理を実行し(ステップS210)、後処理が終了する。
シート束Sへの2箇所目の綴じ処理が完了すると共にシート束Sの束排出ローラ36への受け渡しが完了すると、図12(c)に示すように、束排出ガイド34、横整合ジョガー58及びステイプラ51が待機位置に復帰する。具体的には、束排出ガイド34及びステイプラ51は、上流方向DD2に移動し、横整合ジョガー58は、幅方向Wにおいて横整合基準板52から離れる方向に移動する。
[後処理の所要時間]
図13(a)は、図11(a)乃至図12(c)において説明した各処理の所要時間を示す図であり、図13(b)は比較例としての後処理動作の所要時間を示す図である。図13(b)に示すように、比較例においては、縦整合動作、横整合動作、1箇所目の綴じ処理、ステイプラ移動、2箇所目の綴じ処理及び排出処理の全てが排他的に行われており、これら処理のいずれも並列して行われていない。
一方で、本実施の形態においては、図13(a)に示すように、排出処理、第1ステイプラ移動処理、第2ステイプラ移動処理、第3ステイプラ移動処理、1箇所目の綴じ処理及び2箇所目の綴じ処理が並列して行われている。より詳しくは、主制御部303は、束排出ガイド34及びステイプラ移動モータ215によって、それぞれシート束S及びステイプラ51が排出方向DDに移動している最中に、1箇所目及び2箇所目の綴じ処理を実行する。これにより、本実施の形態では、比較例に比して、1箇所目及び2箇所目の綴じ処理に掛かる時間並びに1箇所目の綴じ位置から2箇所目の綴じ位置にステイプラ51を移動させる時間に相当する時間P2だけ後処理を短く行うことができる。このため、生産性を向上することができる。
なお、本実施の形態では、排出処理、第1ステイプラ移動処理及び1箇所目の綴じ処理が同時に開始されているが、これに限定されない。例えば、排出処理及び第1ステイプラ移動処理が開始されてから所定時間経過後に1箇所目の綴じ処理を実行してもよい。すなわち、主制御部303は、排出処理及び綴じ処理の少なくとも一部が並列して行われるように、束排出ガイド34、ステイプラ51及びステイプラ移動モータ215を制御すればよい。
<第3の実施の形態>
次いで、本発明の第3の実施の形態について説明するが、第3の実施の形態は、第1の実施の形態の束排出ガイド34を省き、縦整合基準板39が束排出ガイドを兼ねる構成である。このため、第1の実施の形態と同様の構成については、図示を省略、又は図に同一符号を付して説明する。
図14に示すように、本実施の形態では、中間下ガイド32に下流方向DD1に延びる2つのスライド溝32bが設けられており、各スライド溝32bには、縦整合基準板39が下流方向DD1及び上流方向DD2に移動可能に支持されている。縦整合基準板39は、待機位置から下流方向DD1に移動することで、シート束を第2排出パス84に排出する。縦整合基準板39の縦整合動作における移動軌跡と、整合部としての横整合ジョガー58の横整合動作における移動軌跡と、は一部が重なっている。
ここで、横整合ジョガー58が横整合動作を行い、待機位置に復帰する前の状態では、縦整合基準板39がシート束を排出するために下流方向DD1に移動すると、縦整合基準板39と横整合基準板52が衝突する可能性がある。このため、横整合ジョガー58が待機位置に復帰した後に縦整合基準板39による排出処理を行う必要がある。
[機能構成]
図15は、画像形成システム1Sの機能構成を示すブロック図である。なお、以下では、第1の実施の形態で説明した図4に示すブロック図と異なる部分のみ説明する。本実施の形態の排出ステイプル同期制御部320は、整合処理制御部311、束排出制御部312及びステイプラ制御部313の同期を取り、横整合ジョガー58、縦整合基準板39及びステイプラ51の移動と、ステイプラ51による綴じ処理と、を制御する。束排出制御部312は、縦整合基準板移動モータ413を制御することで、縦整合基準板39を駆動する。
[綴じ処理部の動作]
次に、本実施の形態に係る綴じ処理部4Aの動作について詳しく説明する。図16に示すように、綴じ処理部4Aによる後処理が開始されると、まず、主制御部303は、縦整合動作を実行する(ステップS301)。縦整合動作が開始されると、図17(a)に示すように、縦整合モータ212によって縦整合ローラ33が駆動される。これにより、シート束Sが縦整合基準板39に突き当てられ、シート束Sの排出方向における位置が揃えられる。
次に、主制御部303は、縦整合動作が終了したか否かを判断する(ステップS302)。縦整合動作が終了したと判断された場合(ステップS302:Yes)、主制御部303は、横整合動作を実行する(ステップS303)。横整合動作が開始されると、図17(b)に示すように、横整合モータ211によって横整合ジョガー58が待機位置から幅方向Wにおいて横整合基準板52に近づくように移動する。これにより、シート束Sが横整合基準板52に突き当てられ、シート束Sの幅方向Wにおける位置が揃えられる。
次に、主制御部303は、横整合動作が終了したか否かを判断する(ステップS304)。横整合動作が終了したと判断された場合(ステップS304:Yes)、主制御部303は、綴じ処理を実行する(ステップS305)。綴じ処理は、上述したように、押圧動作T1、針打ち動作T2及び解放動作T3を含む。
次に、主制御部303は、押圧動作T1及び針打ち動作T2が終了したか否かを判断する(ステップS306)。なお、押圧動作T1及び針打ち動作T2の終了は、綴じ処理の開始タイミングから、予め定められた押圧動作T1及び針打ち動作T2のための時間が経過したことで判断される。
押圧動作T1及び針打ち動作T2が終了したと判断された場合(ステップS306:Yes)、主制御部303は、横整合ジョガー58を待機位置へ復帰させる復帰動作としてのジョガー復帰動作が行われる(ステップS307)。この時、すでに針打ち動作T2は終了しているのでシート束は綴じられた状態となり、押圧部材51b及び横整合ジョガー58によるシート束Sの押さえは不要である。ステップS306において押圧動作T1及び針打ち動作T2が終了し、引き続きステイプラ51は解放動作T3を開始している。そして、図18(a)に示すように、横整合ジョガー58は、解放動作T3の開始と共に待機位置へ向けて幅方向Wにおいて横整合基準板52から離れる方向に移動する。
横整合ジョガー58が待機位置へ到達すると、縦整合基準板39による排出処理が行われ、シート束Sは縦整合基準板39によって第2排出パス84へ排出され(ステップS308)、後処理が終了する。シート束Sの束排出ローラ36への受け渡しが完了すると、図18(b)に示すように、縦整合基準板39及びステイプラ51が待機位置に復帰する。具体的には、縦整合基準板39及びステイプラ51は、排出方向DDにおける上流に移動する。
[後処理の所要時間]
図19(a)は、図17(a)乃至図18(b)において説明した各処理の所要時間を示す図であり、図19(b)は比較例としての後処理動作の所要時間を示す図である。図19(b)に示すように、比較例においては、縦整合動作、横整合動作、押圧動作T1、針打ち動作T2、解放動作T3、ジョガー復帰動作及び排出処理の全てが排他的に行われており、これら処理のいずれも並列して行われていない。
一方で、本実施の形態においては、図19(a)に示すように、ジョガー復帰動作、解放動作T3及び排出処理が並列して行われている。言い換えれば、主制御部303は、ジョガー復帰動作と、解放動作T3と、の少なくとも一部を並列して行う。また、主制御部303は、解放動作T3の最中に、排出処理を開始する。これにより、本実施の形態では、比較例に比して、解放動作T3に掛かる時間に相当する時間P3だけ後処理を短く行うことができ、生産性を向上することができる。
なお、本実施の形態では、ジョガー復帰動作及び解放動作T3が同時に開始されているが、これに限定されない。例えば、解放動作T3が開始されてから所定時間経過後にジョガー復帰動作を実行してもよい。また、解放動作T3が終了した後に排出処理を開始してもよい。
<その他の実施形態>
なお、第2の実施の形態では、2箇所目の綴じ位置から1箇所目の綴じ位置へステイプラ51を移動させる第2ステイプラ移動処理を行っていたが、これに限定されない。例えば、第2ステイプラ移動処理において、ステイプラ51は移動させず、下流方向DD1に移動する束排出ガイド34及びシート束Sによって、相対的にステイプラ51が2箇所目の綴じ位置に位置するように構成してもよい。また、2箇所目の綴じ位置を1箇所目の綴じ位置よりも排出方向DDにおける下流に設定し、第2ステイプラ移動処理において、ステイプラ51を束排出ガイド34よりも速い速度で下流方向DD1に移動させてもよい。
また、第1及び第2の実施の形態では、排出処理が終了してから各部材を待機位置に復帰させているが、これに限定されない。例えば、排出処理中に横整合ジョガー58を待機位置へ向けて移動させてもよく、また第3の実施の形態のように、押圧動作T1及び針打ち動作T2が終了した後、解放動作T3と並行して各部材を待機位置に復帰させてもよい。
また、既述のいずれの形態においても、シート処理装置4に設けられた主制御部303が後処理における制御を行っていたが、これに限定されない。例えば、ビデオコントローラ301やエンジン制御部302が後処理における制御を行ってもよい。
また、既述のいずれの形態においても、電子写真方式の画像形成システム1Sを用いて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ノズルからインク液を吐出させることでシートに画像を形成するインクジェット方式の画像形成システムにも本発明を適用することが可能である。
本発明は上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
1B:画像形成部/24:反転部(反転ローラ)/29:回転体対(蹴り出しローラ)/32:積載部(中間下ガイド)/34:排出部(束排出ガイド)/36:機外排出部(束排出ローラ)/51:綴じ部(ステイプラ)/51b:押さえ部(押圧部材)/58:整合部(横整合ジョガー)/81:第1搬送路(受入パス)/82:第2搬送路(内排出パス)/84:第3搬送路(第2排出パス)/215:移動部(ステイプラ移動モータ)/303:制御部(主制御部)/500:整合部/DD:排出方向/S:シート束

Claims (10)

  1. シート束が積載される積載部と、
    前記積載部に積載されたシート束を排出方向に排出する排出処理を行う排出部と、
    前記排出方向に移動可能に支持され、シート束を綴じる綴じ処理を行う綴じ部と、
    前記綴じ部を前記排出方向に平行な方向に移動させる移動部と、
    前記排出部及び前記移動部によって、それぞれ前記積載部に積載されたシート束及び前記綴じ部が前記排出方向に移動している最中に、前記綴じ処理を実行する制御部と、を備える、
    ことを特徴とするシート処理装置。
  2. 前記制御部は、シート束の第1綴じ位置に前記綴じ処理を行う場合、前記綴じ部を前記第1綴じ位置に位置させた状態を保ちながら、前記排出部及び前記移動部によってシート束及び前記綴じ部を前記排出方向に移動させる、
    ことを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
  3. 前記綴じ部は、シート束の前記第1綴じ位置に前記綴じ処理が行われた後、前記第1綴じ位置とは異なる第2綴じ位置に前記綴じ処理を行う場合、前記綴じ部を前記第2綴じ位置に位置させた状態を保ちながら、前記排出部及び前記移動部によってシート束及び前記綴じ部を前記排出方向に移動させる、
    ことを特徴とする請求項2に記載のシート処理装置。
  4. 前記第2綴じ位置は、前記排出方向において前記第1綴じ位置よりも上流に位置する、
    ことを特徴とする請求項3に記載のシート処理装置。
  5. 前記積載部に積載されたシートを整合する整合処理を行う整合部を備え、
    前記排出処理及び前記綴じ処理は、前記整合処理の後に実行される、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシート処理装置。
  6. シート束が積載される積載部と、
    待機位置から幅方向に移動することで前記積載部に積載されたシートを前記幅方向に整合する整合部と、
    前記幅方向に直交する排出方向に移動することで前記積載部に積載されたシート束を前記排出方向に排出する排出処理を行う排出部と、
    前記排出方向に移動可能に支持され、シート束を綴じる綴じ処理を行う綴じ部と、
    前記綴じ部を前記排出方向に平行な方向に移動させる移動部と、
    前記整合部、前記排出部、前記綴じ部及び前記移動部を制御する制御部と、を備え、
    前記綴じ部は、シート束を押さえる押さえ位置と、シート束から離間した待機位置と、に移動可能な押さえ部を有し、
    前記綴じ処理は、前記押さえ部を前記待機位置から前記押さえ位置に移動させることでシート束を押さえる押さえ動作と、前記押さえ部によって押さえられたシート束を綴じる綴じ動作と、前記押さえ部を前記押さえ位置から前記待機位置に移動させる解放動作と、を含み、
    前記制御部は、前記整合部を前記待機位置に復帰させる復帰動作と、前記解放動作と、の少なくとも一部を並列して行う、
    ことを特徴とするシート処理装置。
  7. 前記制御部は、前記解放動作の最中に前記排出処理を開始する、
    ことを特徴とする請求項6に記載のシート処理装置。
  8. 前記整合部の移動軌跡は、前記排出部の移動軌跡と少なくとも一部が重なる、
    ことを特徴とする請求項6又は7に記載のシート処理装置。
  9. シートを受け入れる第1搬送路と、
    前記第1搬送路から受け取ったシートを反転させる反転部と、
    前記第1搬送路の下方に延び、前記反転部によって反転したシートを受け取り、シートを前記積載部に案内する第2搬送路と、
    前記積載部から前記排出方向に沿って延びる第3搬送路と、
    前記第3搬送路に配置され、シートを機外に排出する機外排出部と、
    前記第2搬送路に配置されると共にシートを前記積載部に排出する回転体対と、を備える、
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のシート処理装置。
  10. シートに画像を形成する画像形成部を備える、
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のシート処理装置。
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