JP2013227088A - シート積載装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】シートの適正な積載性を確保しながら、シート同士の接触による画像品質の劣化を防止することが可能なシート積載装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】シート積載装置59は、シートを排出する排紙ローラ対のシート排出方向下流に配置されて、積載トレイ500への積載前のシートを帯電させる帯電器592と、積載トレイ500に積載されたシート間に所定の静電反発力を発生させるため、積載トレイ500への積載前のシートの電位に応じた補正電圧を帯電器592に印加してシートを帯電させるように制御するCPU101とを備える。これにより、シートの適正な積載性を確保しながら、シート同士の接触による画像品質の劣化を防止することができる。
【選択図】図3
【解決手段】シート積載装置59は、シートを排出する排紙ローラ対のシート排出方向下流に配置されて、積載トレイ500への積載前のシートを帯電させる帯電器592と、積載トレイ500に積載されたシート間に所定の静電反発力を発生させるため、積載トレイ500への積載前のシートの電位に応じた補正電圧を帯電器592に印加してシートを帯電させるように制御するCPU101とを備える。これにより、シートの適正な積載性を確保しながら、シート同士の接触による画像品質の劣化を防止することができる。
【選択図】図3
Description
本発明は、シートを搬送し積載するシート積載装置に関し、特にシート上に帯電した静電気を制御可能なシート積載装置、及びこのシート積載装置を備えた画像形成装置に関する。
一般に、シートに画像を形成する複写機、プリンタ等の画像形成装置では、画像形成時やシートの搬送時に、シートに静電気が発生して帯電することがある。そのため、装置内の搬送路にシートが静電吸着して搬送不良を引き起こしたり、装置外に排出したシートを積載する際に、シート間に発生した静電反発力によって積載不良を引き起こしたりすることがある。
このような問題に対して、シート上の静電気量を検出し、この検出による出力に基づいて、除電装置を制御してシートの除電を確実に行なうように構成した静電気除去装置が提案されている(特許文献1参照)。
電子写真方式の画像形成装置では近年、1分間に数十枚以上の高速出力が可能なカラー画像形成装置が実用化されている。このような装置では、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを、画像情報に応じてシートに重ね合わせ転写し、定着部で溶融・混色させることによってフルカラー画像を形成する方式がとられている。そして、4色分のトナーを混色させるために、短時間で多くの熱量を定着時に与える構成となっている。
ところで、画像を形成されたシートは、排出ローラ対を介して装置外の排出トレイ上に排出されて積載される。通常、定着直後に排出トレイに排出されるシートは、かなりの高温となっている。そのため、シート上のトナー画像が積載により他のシートと接触すると、凝固前の溶融トナーが付着したり、場合によってはシート同士が貼り付いたりするという現象が発生して、画像品質を劣化させてしまう。
このような状況下で、特許文献1記載の静電気除去装置を活用しようとしても、積載シートの除電を行なうことで積載性の向上は見込めるものの、除電したシート同士の接触によるトナー付着に起因する上記画像品質の劣化問題には対処することができない。
本発明は、シートの適正な積載性を確保しながら、シート同士の接触による画像品質の劣化を防止することが可能なシート積載装置、及びこのシート積載装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明は、シート積載装置において、シートが積載される積載部と、前記積載部にシートを排出する排出部と、前記排出部のシート排出方向下流に配置されて、前記積載部に積載前のシートを帯電させる帯電部と、前記積載部に積載前のシートの電位に応じた補正電圧を前記帯電部に印加してシートを帯電させるように前記帯電部を制御するシート帯電制御部と、を備えることを特徴とする。
本発明によると、帯電部によってシートを帯電させることでシート間に適正な静電反発力を発生させるので、シート間の接触を抑制することで、シートの積載性を確保すると共に、シート同士の接触による画像品質の劣化を防止することができる。
本発明に係る実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図1は、本発明に係る実施形態におけるシート積載装置を備えた画像形成装置の一例であるカラー画像形成装置の概略構成を示す図である。
<第1の実施形態>
図1において、100はカラー画像形成装置であり、100Aはカラー画像形成装置本体(以下「装置本体」という)である。なお、カラー画像形成装置は構成上から主に、複数の画像形成部を並べて配置したタンデム方式と、円筒状に配置したロータリ方式とに分類される。また、転写方式としては、感光体ドラムから直接シートにトナー像を転写する直接転写方式と、一旦中間転写体に転写した後シートに転写する中間転写方式とに分類される。
図1において、100はカラー画像形成装置であり、100Aはカラー画像形成装置本体(以下「装置本体」という)である。なお、カラー画像形成装置は構成上から主に、複数の画像形成部を並べて配置したタンデム方式と、円筒状に配置したロータリ方式とに分類される。また、転写方式としては、感光体ドラムから直接シートにトナー像を転写する直接転写方式と、一旦中間転写体に転写した後シートに転写する中間転写方式とに分類される。
ここで、中間転写方式は、直接転写方式のようにシートを転写ベルト上に保持する必要がないため、超厚紙やコート紙等の多種多様なシートに対応することができる。また中間転写方式は、複数の画像形成部における並列処理及びフルカラー画像の一括転写という特長から、高生産性の実現に適している。本実施形態に係るカラー画像形成装置100は、4色の画像形成ユニットを中間転写ベルト上に並べて配置した中間転写タンデム方式のものである。
装置本体100Aには、画像形成部513と、シートSを搬送するシート給送部100Bと、画像形成部513で形成されたトナー画像をシート給送部100Bにより給送されたシートSに転写する転写部100Cとが設けられている。また、装置本体100Aには、シートを搬送するシート搬送装置100Dが設けられている。さらに、装置本体100Aには、カラー画像形成装置100の画像形成動作の制御や、帯電器592(図3参照)による帯電制御等を行う制御部9が設けられている。なお、帯電器592は、排出部としての排紙ローラ対60のシート排出方向下流に配置されて、積載部としての積載トレイ500に積載前のシートを帯電させる帯電部を構成する。
ここで、画像形成部513は、それぞれ感光体ドラム508、露光装置511、現像器510、1次転写装置507及びクリーナ509等を備えたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)の画像形成ユニットにより構成される。なお、各画像形成ユニットの形成する色は、これら4色に限定されるものではなく、また色の並び順もこの限りではない。
シート給送部100Bは、シートSをリフトアップ装置52の上に積載される形で収納するシート収納部51と、シート収納部51に収納されたシートSを送り出すシート給送装置53とを備えている。なお、このシート給送装置53としては、給送ローラ等による摩擦分離を利用する方式や、エアによる分離吸着を利用する方式等が挙げられるが、本実施形態においては、エアによる給送方式を例に挙げている。
また、転写部100Cは、駆動ローラ504、テンションローラ505及び2次転写内ローラ503等のローラ類によって張架されて、図中矢印Bの方向へと搬送駆動される中間転写ベルト506を備えている。
ここで、中間転写ベルト506は、1次転写装置507により与えられる所定の加圧力及び静電バイアスにより、感光体ドラム上に形成されたトナー像が転写されるものである。また、この中間転写ベルト506は、略対向する2次転写内ローラ503及び2次転写外ローラ56により形成される2次転写部において所定の加圧力と静電バイアスとを与えることでシートSへ未定着画像を吸着させるものである。
シート搬送装置100Dは、搬送ユニット54、搬送ローラ装置50、斜行補正部を構成する斜行補正装置55、レジストレーションローラ7、定着前搬送部57、シート積載装置59、反転搬送装置501、両面搬送装置502等から構成されている。
このような構成のカラー画像形成装置100において、画像を形成する際には、まず、感光体ドラム508を図中矢印Aの方向に回転させ、予め不図示の帯電部により感光体ドラム表面を一様に帯電させる。
この後、回転する感光体ドラム508に対し、送られてきた画像情報の信号に基づいて露光装置511が発光し、この光を、反射部材512等を適宜経由して照射することにより、感光体ドラム508上に潜像を形成する。なお、感光体ドラム508上に僅かに残った転写残トナーは、クリーナ509により回収され、再び次の画像形成に備える。
次に、このようにして感光体ドラム508上に形成された静電潜像に対して、現像器510によるトナー現像が行われ、感光体ドラム上にトナー像が形成される。この後、1次転写装置507により所定の加圧力及び静電バイアスが与えられ、中間転写ベルト506上にトナー像が転写される。
なお、画像形成部513のY、M、C及びBkの各画像形成ユニットによる画像形成は、中間転写ベルト506上に上流の画像形成ユニットで1次転写されたトナー像に下流の画像形成ユニットでトナー像を重ね合わせるタイミングで行われる。この結果、最終的には、フルカラーのトナー像が中間転写ベルト506上に形成される。
また、シートSは、シート給送装置53により画像形成部513の画像形成タイミングに合わせて送り出される。この後、レジストレーションローラ7へと搬送され、レジストレーションローラ7においてタイミング補正を行った後、2次転写内ローラ503及び2次転写外ローラ56により形成される2次転写部へと搬送される。この後、2次転写部においてシート上にフルカラーのトナー像が2次転写される。
次に、このようにトナー像が2次転写されたシートSは、定着前搬送部57により定着装置58へと搬送される。そして、この定着装置58において、略対向するローラもしくはベルト等による所定の加圧力と、一般的にはヒータ等の熱源による加熱効果を加えてシートS上にトナーを溶融固着させる。
次に、このようにして得られた定着画像を有するシートSは、シート積載装置59により、そのまま積載トレイ(積載部)500上に排出される。なお、シートSの両面に画像を形成する場合には、不図示の切替え部材の切替えにより、この後、反転搬送装置501へと搬送される。
このように反転搬送装置501へと搬送されると、シートSは、スイッチバック動作を行うことで先後端を入れ替え、両面搬送装置502に設けられた再搬送通路Rへと搬送される。この後、シート給送部100Bから搬送されてくる後続ジョブのシートとのタイミングを合わせて、搬送ユニット54が有する再給送パス54bから合流し、同様に2次転写部へと送られる。画像形成プロセスに関しては、1面目と同様なので省略する。
搬送ユニット54、シート積載装置59、反転搬送装置501、両面搬送装置502には、多数の搬送ローラ対が配置されている。これら搬送ローラ対では、駆動ローラと従動ローラとの間でシートを挟持した状態で、駆動ローラ及び従動ローラが回転することにより、シートSを搬送する。また、これら搬送ローラ対は、従動ローラを不図示のスプリング等の付勢部材によって駆動ローラ側に付勢することにより、両ローラ間にシートをニップする圧力を設定している。なお、シート積載装置59における符号60は排出部としての排紙ローラ対を、符号61,62,63はそれぞれ搬送ローラ対を、符号590は分岐路を示している。
次に、排紙積載されるシートSに発生する静電気力と、シート上のトナーによる貼り付きの現象及びシートの積載性との関係について説明する。
片面或いは両面に画像形成されたシートSは、画像形成時に付与される前述の静電的付加バイアスや、搬送路及び搬送ローラとの摩擦によって静電気が帯電した状態にある。この状態で積載トレイ(積載部)500上に積載されると、逆極性に帯電したシート同士は、静電吸着力により密着状態となる。このとき、加熱され半溶融状態のトナーが付着したシート同士が接することで、貼り付き現象が発生する。
これを剥がそうとすると、トナーが対向面に付着して、トナー面側のシートは、トナー剥がれによる画像不良が発生する。このとき、他方のシート面には、トナー汚れによる品質不良が発生する。シート同士が除電されている場合、程度は軽減されるが、このような状況は発生する。これは、シート間には静電吸着力は発生しないが、シートの自重で積載されるに従ってシート同士が密着してしまうためである。
一方、同極性に帯電したシート同士には、静電反発力が作用する。シート上のトナーが自然冷却され付着が起こらないようになるまで、シート間に静電反発力を作用できれば、前述したトナー付着による画像不良や品質不良等の画像品質劣化は発生しない。しかし、この静電反発力が大きすぎると、シート同士が反発し合い、排紙の際に横方向にずれて、積載トレイ500上に積載されたシート束の不整合、すなわち積載不良が発生する。
静電反発力と、これを作用させるための電荷量とを誘起させる電位差(電圧)との関係は、一般に次式で表すことができる。
この式において、Fは静電反発力、ε0は真空誘電率(=8.85pF/m)、Sはシートの表面積、dはシート間の隙間、tはシートの厚さ、εrはシートの比誘電率、Vは電位差である。
例えば、幅298mm、長さ420mm(表面積125160mm2)、厚さ0.09mm、密度0.9g/cm3、比誘電率2の一般的なシートを例に、密着せずかつ積載不良の生じない適正な電位差を求めてみる。
このシートの重量は10.14gfである。このシートを0.3mm浮かせるために必要な電位差は、上式によれば約150V以上となる。また、シートの重量の10倍程度の静電反発力が発生すると積載不良が生じる場合、そのとき発生している電位差は、約470Vである。
従って、この例においては、積載トレイ500上に、積載時にシート間の電位差を初期470V以下とし、トナー付着が起こらないようになるまで150V以上の電位差が保持されていればよい。
シートの電位は、図2に示すように、時間の経過と共に指数関数的に減衰していく。図2において、四角マークは1枚目のシート、三角マークはその後に排出される2枚目のシートを示している。図2のグラフは、これら各シートそれぞれの平均電位の時間推移を示している。
また、太線は、これら2枚のシートの電位の差を表したもので、これが上述した静電反発力を発生させる電位差となる。この例では、シートの初期電位を1300Vとすると、2枚のシート間に働く静電反発力は、初期が約450Vである。
また、シート同士が密着しないための電位差150Vまで減衰する時間は、約11秒である。トナー付着が起こらない冷却時間が10秒だったとすれば、上述の適正な電位差の範囲内となる。従って、搬送されてきたシートの電位に拘わらず、シートの排出時に所定の電位(この場合1300V)になるように制御されれば、積載時に適正なシート間電位差の範囲に納めることができる。
図2に示すように、搬送されてきたシートの電位をV0(例えば1800V)、積載時に良好な電位差を得るための排出時目標電位をV1(前記1300V)とすると、排出時にV0をV1に修正する補正電圧Vmは、次式で表すことができる。
Vm=V1−V0(この場合は、Vm=−500V)。
Vm=V1−V0(この場合は、Vm=−500V)。
電位V0、排出時目標電位V1、そして積載時シート間適正電位は、シートの材質、環境(特に湿度)によって変化する。これらは実験等で予め取得しておき、算出された補正電圧Vmをシート排出時に作用させることで、積載時にトナー付着が発生せず積載性も良好な電位差に制御することができる。
次に、本実施形態の特徴を備えたシート積載装置59と積載トレイ500の各部分の詳細について、図3を参照して説明する。なお、図3は、第1の実施形態におけるシート積載装置59、及びその付近の拡大模式図である。
両面搬送装置502に向かう分岐路590(図1も参照)を分岐させた後、積載トレイ500にシートを排出する排紙ローラ対60の下流に、帯電器(帯電部)592が配設されている。排紙ローラ対60から排出されるシートに対して、シート積載時に上述した適正な静電反発力を与えるための補正電圧Vmを帯電器592に印加する。
図4は、帯電器592の構造の一例を示す図である。シートSの搬送方向(矢印Eの方向)と直交する幅方向(図4の手前−奥方向)に延在し、かつ搬送路591を搬送されるシートに対して平行となるように、ワイヤ状電極593aが配置されている。
また、ワイヤ状電極593aに正電圧を印加できる電源594aと、負電圧を印加できる電源594bとが、高圧リレー595を介して設けられている。このような帯電器592は、正負両極のイオンを放出することが可能である。これら正負の電源594a,594bを制御することにより、前述した補正電圧VmをシートSに作用させる。
次に、図5を参照して、帯電器592に関連する制御系について説明する。なお、図5は、本実施形態における制御系を示すブロック図である。
すなわち、制御部9(図1)に備えられたCPU101は、ROM103に記憶された制御プログラムに従って、画像形成のための動作全体の制御などを行なう。シート帯電制御部としてのCPU101は、図5に示すように、帯電制御部101a、電位判定部101b、及び補正電圧算出部101cを有している。
CPU101(シート帯電制御部)には、入力インターフェース106、湿度センサ107、RAM102、ROM103、帯電器電源593(図4の正負の電源594a,594b、高圧リレー595)が接続されている。また、CPU101には、入力インターフェース106を介してホストコンピュータ104及び操作部105が接続されている。
CPU101には、ホストコンピュータ104又は操作部105から入力インターフェース106を介して、所定の情報として、画像情報及び記録モード情報等と、湿度センサ107で検出された装置内環境における湿度の検出信号(周囲の湿度情報)が入力される。またCPU101は、画像情報、記録モード情報等をRAM102に書き込んだり、RAM102から読み出したりする。なお、上記記録モード情報には、シート種類(紙種)の情報、大きさ、片面印字か両面印字かの情報、連続通紙枚数(シートカウント)等の情報が含まれる。
電位判定部101bは、排紙ローラ対60により排出されるシートの情報として、ユーザにより入力された記録モード情報と、検出された湿度情報とに基づき、帯電器(帯電部)592への到達前のシートに残留する電位V0を判定(予測)する。上記湿度情報は、湿度センサ107の湿度検出信号に基づいて検出される。
補正電圧算出部101cは、入力された記録モード情報に基づき、積載トレイ500へのシート積載時にシート間に適正な電位差を発生させるための排出時目標電位V1(目標帯電電位)を算出し、テーブルデータの制御情報としてRAM102に格納する。そして、補正電圧算出部101cは、排出時目標電位V1から、電位判定部101bで判定された電位V0を減算(Vm=V1−V0)することで、帯電器電源593から帯電器592に印加すべき補正電圧Vmを決定する。
帯電制御部101aは、積載トレイ500への排出前のシートSの電位に応じて、所定の静電反発力(排紙接着させない適正な静電反発力)を積載シート間に発生させるように、シートを帯電させる制御を行う。つまり、帯電制御部101aは、補正電圧算出部101cで算出された補正電圧Vmを帯電器592に印加して、所定の静電反発力を積載シート間に発生可能となるように帯電制御する。
次に、湿度センサ107の一例の概略構成について、図7を参照して説明する。なお、図7(a),(b)は、本実施形態における湿度センサ107の概略構成を示す斜視図である。
湿度センサ107としては、例えば吸湿性物質の電気抵抗等の変化を検知するものを用いることができる。その素子は、図7(a)に示すように、櫛歯型電極902を形成した基板901上に、吸湿性物質である高分子又はセラミックを薄膜形成されている。
或いは、図7(b)に示すように、素子として、高分子或いはセラミックからなる吸湿性物質903を、蒸着等によって形成した電極904で挟んだサンドイッチ型のものを用いることができる。そして、水分の吸脱着による電極間の電気抵抗或いは静電容量の変化を測定することで、湿度を検知する。
本実施形態では、帯電制御部101aが、電位判定部101bにより判定された電位V0に応じて補正電圧算出部101cで決定された補正電圧Vmに基づき、排出時目標電位V1となるように帯電器592によりシートを帯電させる。これにより、積載シート間に適正な静電反発力を発生させるべく積載トレイ500に排出することができ、積載シート間の接触を抑制することで、シートの良好な積載性を確保できると共に、シート同士の接触による画像品質の劣化を防止することができる。
<変形例>
ここで、第1の実施形態を変形した変形例について説明する。つまり、入力された記録モード情報及び装置内環境における湿度情報に対応するように、予め補正電圧Vmを算出してテーブルデータ(図6参照)として記憶しておくことが可能である。その場合は、シート帯電制御部としてのCPU101に備えられた帯電制御部101aが、このテーブルデータから、入力された記録モード情報及び湿度情報に対応する補正電圧Vmを読み出して帯電器592に印加することでシートを帯電させるように制御する。
ここで、第1の実施形態を変形した変形例について説明する。つまり、入力された記録モード情報及び装置内環境における湿度情報に対応するように、予め補正電圧Vmを算出してテーブルデータ(図6参照)として記憶しておくことが可能である。その場合は、シート帯電制御部としてのCPU101に備えられた帯電制御部101aが、このテーブルデータから、入力された記録モード情報及び湿度情報に対応する補正電圧Vmを読み出して帯電器592に印加することでシートを帯電させるように制御する。
上記テーブルデータの一例について、判定された電位と目標帯電電位の演算が既に成された補正電圧Vm圧に係るテーブルを図6(a)〜(c)に示して説明する。
図6(a)〜(c)に示すテーブルは、片面印字、両面印字、シート種類毎に作成されている。搬送されたシートの電位は、湿度とシート搬送時の摩擦帯電量の影響を受ける。従って本例では、湿度とシートカウントを設定するテーブルとした。シートカウントは、そのシートが連続通紙の何枚目かという意味である。
図6(a)は、紙種A、片面モード時の補正電圧Vmのテーブルである。湿度が高いとシートの抵抗値が減少するため、電位が減少する。従って、これに対応して補正電圧Vmを減少させる。シートカウントが増加すると共に、摩擦帯電によりシートの電位が上昇するが、或るカウント数を超えるとチャージアップして、電位の上昇が停止する。従って、補正電圧Vmもこれに倣わせて一定にしている。
図6(b)は、紙種Aの両面モード時の補正電圧Vmのテーブルである。両面モードにおいては、シートが一度定着装置58を通過するので、シート内の水分量が減少し、抵抗値が上がる。また、機内環境内を搬送される時間も短いので、装置内の湿度の影響も受けにくい。従って、湿度に対する減少量は、片面時より小さく設定されている。また、チャージアップまでのカウント数も減少するので、低カウント数から補正電圧Vmを一定にしている。
図6(c)は、紙種Bの片面モード時のテーブルである。この紙種は、摩擦により負帯電する材質のシートのため、補正電圧Vmは正電圧になっている。
このような変形例によると、帯電制御部101aが、入力された記録モード情報及び湿度情報に対応する補正電圧Vmをテーブルから読み出して、帯電器592による印加電圧を制御することができる。従って、第1の実施形態と同様の効果が得られると共に、電位判定部101bによる電位V0の予測(判定)処理と、補正電圧算出部101cによる補正電圧Vmの決定処理とを省略できるという効果を得ることができる。
なお、シートの積載状況を勘案してユーザが操作部105又はホストコンピュータ104からテーブルの補正電圧を修正できるように構成することも可能である。また、新たなシート種類のテーブルを追加できるようにしてもよい。
<第2の実施形態>
次に、本発明に係る第2の実施形態について、図8〜図10を参照して説明する。本実施形態では、第1の実施形態と異なる構成を中心に説明し他の構成の説明は省略する。なお、図8はシート積載装置59及びその付近の拡大図、図9は本実施形態における制御系を示すブロック図、図10は電位センサ596の概略図である。
次に、本発明に係る第2の実施形態について、図8〜図10を参照して説明する。本実施形態では、第1の実施形態と異なる構成を中心に説明し他の構成の説明は省略する。なお、図8はシート積載装置59及びその付近の拡大図、図9は本実施形態における制御系を示すブロック図、図10は電位センサ596の概略図である。
本実施形態では、図8に示すように、第1の実施形態における図3の構成に加えて、搬送路591における帯電器592のシート排出方向上流に、帯電器592への到達前のシートの電位V0を直接的に検出する電位検出部である電位センサ596が配置される。また、図9に示すように、第1の実施形態における図5の構成に比して、電位判定部101bが省かれると共に、シート帯電制御部としてのCPU101に電位センサ596が接続されている。
ここで、電位センサ(電位検出部)596の構成の一例について、図10を参照して説明する。なお、図10は、本実施形態における電位センサ596を示す概略斜視図である。
図10に示すように、電位センサ596は、半導体基板からなり、この半導体基板の周囲の支持部160と、中央の可動電極部161と、この可動電極部161を可動に支持部160に連結する2つの梁部162によって構成される。2つの梁部162には、ピエゾ抵抗器からなる歪みゲージ163が形成されている。
このような構成の電位センサ596では、被測定体(本実施形態ではシート)からの静電引力により可動電極部161が変位し、その変位により梁部162が歪み、その歪みが歪みゲージ163によって被測定体の電位として検出される。
このような電位センサ596を用いる本実施形態では、帯電制御部101aが、帯電器592に印加する補正電圧Vmを、電位センサ596で読み取ったシートの電位V0に基づいて制御することができる。
本実施形態における補正電圧算出部101cは、第1の実施形態のような予め設定された電位V0を用いるのではなく、電位センサ(電位検出部)596で読み取った電位V0を直接に用いる。すなわち、排出時目標電位V1となるように逐次、次式
Vm=V1−V0
の演算を補正電圧算出部101cが実行して補正電圧Vmを決定する。
Vm=V1−V0
の演算を補正電圧算出部101cが実行して補正電圧Vmを決定する。
このような本実施形態によると、第1の実施形態と同様の効果が得られると共に、連続搬送による電位の増加カーブ等、バラツキの大きくなる電位を直接に読み取った値を用いることで、排出時の電位をより高精度に制御することができる。
なお、電位センサ596と帯電器592は、できるだけ近接させて配置することが好ましいが、近接させすぎると補正電圧の制御が追いつかないことも懸念されるため、適宜の距離とすることが望ましい。このような場合は、例えばシートカウント10枚までは第1の実施形態と同様、予め設定された電位によるテーブルを用い、それ以降は、それ以前のカウントで読取った電位を、移動平均処理を行ないながら演算するテーブルに切り替えても良い。
<第3の実施形態>
次に、本発明に係る第3の実施形態について、図11及び図12を参照して説明する。本実施形態では、第1の実施形態と異なる構成を中心に説明し他の構成の説明は省略する。なお、図11は帯電器及びその付近を示す斜視図であり、図12は、本実施形態によるシートの電位分布を表す図である。
次に、本発明に係る第3の実施形態について、図11及び図12を参照して説明する。本実施形態では、第1の実施形態と異なる構成を中心に説明し他の構成の説明は省略する。なお、図11は帯電器及びその付近を示す斜視図であり、図12は、本実施形態によるシートの電位分布を表す図である。
本実施形態は、第1の実施形態のCPU(シート帯電制御部)101と同様、帯電制御部101a、電位判定部101b及び補正電圧算出部101cを有している。そして本実施形態では、搬送路591(図3参照)の最下流に配置された帯電器592が、シート搬送方向(矢印Fの方向)と直交する幅方向に並列配置(複数配置)された複数個(本実施形態では3個)の帯電器592a,592b,592cにより構成されている。
帯電器592aには、シート搬送方向(矢印F方向)と直交する幅方向(図11の手前−奥方向)に延在し、かつ搬送路591(図1参照)を搬送されるシートSに対して平行となるようにワイヤ状電極593aが設けられている。帯電器592b,592cにもワイヤ状電極593aと同様に、ワイヤ状電極593aが設けられている。ワイヤ状電極593aは、各帯電器592a,592b,592c毎に個別となるように構成されている。本実施形態では、これら帯電器592a,592b,592cにそれぞれ対応する補正電圧Vmを印加して、シートSを帯電することができる。
本実施形態の電位判定部(図5参照)101bは、第1の実施形態と同様の記録モード情報及び湿度情報と共に、画像形成部513で画像形成する際の画像濃度等に関する画像情報に基づき、電位V0を、シートにおいての印加部位毎に予測する。
本実施形態の補正電圧算出部101cは、入力された画像情報及び記録モード情報に基づき、排出時目標電位V1を部位597a〜597c毎に算出し、テーブルデータの制御情報としてRAM102に格納する。そして、補正電圧算出部101cは、各排出時目標電位V1から、電位判定部101bで判定された部位毎の電位V0を夫々減算することで、帯電器592a〜592cに夫々印加すべき補正電圧Vmを決定する。
本実施形態の帯電制御部101a(図5参照)は、補正電圧算出部101cで算出された各補正電圧Vmを、帯電器電源593から帯電器592a〜592cに夫々印加するように制御(帯電制御)する。この際、帯電制御部101aは、補正電圧算出部101cで算出された各補正電圧Vmに応じて、印加する部位毎の帯電器592a〜592cのオン(ON)、オフ(OFF)のタイミング及び電圧値をそれぞれに制御する。
次に、図12を参照して、本実施形態における帯電器592a,592b,592cによって帯電されたシートSに関する一例について説明する。
すなわち、シートSに画像形成部513により高濃度画像Tが作成されると、帯電制御部101aが、シート搬送方向位置検知部(不図示)で同期を取りながら、画像情報をもとに、シート中の画像濃度の高い部分に、選択的に補正電圧Vmを印加する。これにより、597aで示す印加部位、597bで示す印加部位、597cで示す印加部位が、それぞれ帯電器592a,592b,592cにより個別に電圧を印加されて電位が高くなる。
シートSが積載不良を引き起こすシート間の電位差は、シートSの平均電位差に依る。従って、印加部位597a〜597cのうちで画像濃度の高い部位に、帯電器592a〜592cによって選択的に電圧を印加することで、印加面積が小さくなる分、大きな電圧を印加することができる。
以上の本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られると共に、トナー付着の起こり易い高濃度画像部に大きな電位差を生じさせて、より大きな静電反発力を発生できるので、トナー付着に対するマージンが一層向上する。
また、低濃度時には、密着性の低下に伴って印加電圧を低くすることができるので、画像濃度に応じて印加電圧を制御することにより、積載性に対するマージンも上げることができる。特に、軽くてたわみ易い坪量の小さな薄紙において効果がある。
なお、帯電器592a〜592cを個別に制御してシートに複数の印加部位毎に電圧を印加する本実施形態の構成は、前述した第1、第2の実施形態及び変形例においても実施できることは勿論である。
59…シート積載装置、60…排出部(排紙ローラ対)、100…画像形成装置(カラー画像形成装置)、101…シート帯電制御部(CPU)、101a…帯電制御部、101b…電位判定部、101c…補正電圧算出部、500…積載部(積載トレイ)、513…画像形成部、592,592a,592b,592c…帯電部(帯電器)、596…電位検出部(電位センサ)、597a,597b,597c…印加部位、S…シート、V0…電位、V1…目標帯電電位(排出時目標電位)、Vm…補正電圧
Claims (7)
- シートが積載される積載部と、
前記積載部にシートを排出する排出部と、
前記排出部のシート排出方向下流に配置されて、前記積載部に積載前のシートを帯電させる帯電部と、
前記積載部に積載前のシートの電位に応じた補正電圧を前記帯電部に印加してシートを帯電させるように前記帯電部を制御するシート帯電制御部と、を備える、
ことを特徴とするシート積載装置。 - 前記シート帯電制御部は、
排出されるシートの情報に基づき、前記帯電部への到達前のシートの電位を判定する電位判定部と、
前記積載部に積載されたシート間に電位差を発生させるための目標帯電電位を排出されるシートの情報に基づいて算出すると共に、前記電位判定部で判定された電位と前記目標帯電電位とに基づき、前記帯電部に印加する前記補正電圧を算出する補正電圧算出部と、を有する、
ことを特徴とする請求項1記載のシート積載装置。 - 前記帯電部の上流に、前記帯電部への到達前のシートの電位を検出する電位検出部を備え、
前記シート帯電制御部は、
前記積載部に積載されたシート間に電位差を発生させる目標帯電電位を、排出されるシートの情報に基づいて算出すると共に、前記電位検出部で検出された電位と前記目標帯電電位とに基づき、前記帯電部に印加する補正電圧を算出する補正電圧算出部を有する、
ことを特徴とする請求項1記載のシート積載装置。 - 前記排出されるシートの情報は、入力された画像情報、記録モード情報、及び装置内環境における湿度情報である、
ことを特徴とする請求項2又は3記載のシート積載装置。 - 前記シート帯電制御部は、
入力された記録モード情報及び装置内環境における湿度情報に対応するように、予め前記補正電圧を算出してテーブルデータとして記憶し、前記テーブルデータから、入力された前記記録モード情報及び前記湿度情報に対応する前記補正電圧を読み出して前記帯電部に印加することでシートを帯電させるように制御する、
ことを特徴とする請求項1記載のシート積載装置。 - 前記帯電部は、シートの搬送方向と直交する幅方向に複数配置され、
前記シート帯電制御部は、
前記補正電圧を、前記複数の帯電部にそれぞれ印加する電圧として決定し、各電圧に応じて、シートにおける印加部位毎の前記複数個の帯電部のオン、オフのタイミング及び電圧値をそれぞれに制御する、
ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載のシート積載装置。 - シートに画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部で画像を形成されたシートを積載する請求項1乃至6のいずれか1項記載のシート積載装置と、を備えた、
ことを特徴とする画像形成装置。
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