JP2013225148A - 導波路型偏光子 - Google Patents
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Abstract
【課題】
特別な製造工程を用いることなく、光導波路自体に偏光子作用を安定的に付加することが可能な導波路型偏光子を提供すること。
【解決手段】
Zカット型のニオブ酸リチウム基板1と、該基板上にリッジ構造の光導波路が形成された導波路型偏光子において、該リッジ構造の幅は、該光導波路を伝播する光波の常光の光分布が変化するリッジ幅であり、かつ、該光波の異常光の光分布が変化しないリッジ幅であり、該リッジ構造の角度は90°よりも小さく、該リッジ構造の側面に、膜厚が0.089≦n・t/λの条件(ただし、nは屈折率,tは膜厚,λは光波の波長であり、膜厚、波長の単位はμmである。)を満足する高屈折率膜4が形成されて、異常光透過偏光子機能を有することを特徴とする。
【選択図】図1
特別な製造工程を用いることなく、光導波路自体に偏光子作用を安定的に付加することが可能な導波路型偏光子を提供すること。
【解決手段】
Zカット型のニオブ酸リチウム基板1と、該基板上にリッジ構造の光導波路が形成された導波路型偏光子において、該リッジ構造の幅は、該光導波路を伝播する光波の常光の光分布が変化するリッジ幅であり、かつ、該光波の異常光の光分布が変化しないリッジ幅であり、該リッジ構造の角度は90°よりも小さく、該リッジ構造の側面に、膜厚が0.089≦n・t/λの条件(ただし、nは屈折率,tは膜厚,λは光波の波長であり、膜厚、波長の単位はμmである。)を満足する高屈折率膜4が形成されて、異常光透過偏光子機能を有することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、導波路型偏光子に関し、特に、Zカット型のニオブ酸リチウム基板上にリッジ構造の光導波路を形成した導波路型偏光子に関する。
光通信や光情報処理の技術分野においては、ニオブ酸リチウム(LN)などの電気光学効果を有する基板を利用した光導波路素子が利用されている。例えば、LN光変調器として、導波路形状がマッハ・ツェンダー(MZ)構造を有するものがある。MZ構造の変調器は、印加電圧によって、光のon/offを制御している。具体的には、MZ構造導波路の出力導波路がシングルモード導波路であること、印加電圧によって光の伝播速度が変化することによる基本モード・励起モード制御によって、光のon/offを可能にしている。
このようなLN光変調器の特性に、Vπ、光帯域がある。Vπとは、光をonからoffにするときに必要な印加電圧であり、光帯域とは、on/offが動作する周波数である。Vπが小さく、光帯域が大きいほど、LN光変調器の特性としては良好である。
Vπを低減するためには、バッファ層の厚さを薄くして、電極と光の距離を近くする必要がある。一方、光帯域の広帯域化には、電極中の電流が一箇所に集中しないように、バッファ層の厚さを厚くする必要がある。そのため、Vπと光帯域には、一定の相反則が成り立つ。Vπの低減、光帯域の広帯域化を両立させるために、Zカット型のLN基板に対しては、リッジ構造が用いられている。
他方、近年、タンデム型光変調器等の強度・位相を変調させる方式が主流になっている。強度・位相を操作するには、MZ構造の光導波路を複数個配置する必要がある。特に、Zカット型LN基板を用いたDQPSK変調器の場合、電極が6個必要となる。そのため、変調電極が、LN光変調器チップの表面の大部分を占めることになり、付加的な特性を提供する部材を集積化することが困難となる。
また、結晶としてのLNは、電気光学効果に異方性を持つことから、LN光変調器に特定偏波の光を入射して用いられる。LN光変調器の場合、入射光偏波を異常光(ne)にすることが一般的である。しかしながら、商用で用いられているTi拡散を施したリッジ構造の光導波路は、異常光(ne)、常光(no)両方を導波することから、常光(no)を除去する必要がある。
Zカット型のLN基板にTi拡散をした光導波路に対する異常光(ne)パス偏光子としては、非特許文献1に開示されているような、チップとファイバの接続部にフィルム状の偏光子を貼り付ける方法や、特許文献1や非特許文献2乃至4に開示されているような、Ti拡散の光導波路上に低屈折率膜や高屈折率膜等を形成する方法などがある。
しかしながら、これらの異常光(ne)パス偏光子には、以下のようなデメリットがある。
(1)チップとファイバ間(導波路間)に偏光子を貼るため、光損失が大きい。また、各チップごとに貼り付けるため、生産性が悪い。
(2)Vπと光帯域の関係上、偏光子部分の薄膜形成と電極下部の薄膜形成を別々に形成する必要があり、生産性が悪い。また、偏光子の領域が必要であるため、LNチップが大きくなる。
(1)チップとファイバ間(導波路間)に偏光子を貼るため、光損失が大きい。また、各チップごとに貼り付けるため、生産性が悪い。
(2)Vπと光帯域の関係上、偏光子部分の薄膜形成と電極下部の薄膜形成を別々に形成する必要があり、生産性が悪い。また、偏光子の領域が必要であるため、LNチップが大きくなる。
住友大阪セメントテクニカルレポート1996年,pp24
Electronics Letters ,Vol.24 ,No.4,pp229 (1988)
Optics Letters ,Vol.16 ,No.10,pp717 (1991)
Chinese Optics Letters ,Vol.2,No.2 ,pp89 (2004)
電子情報通信学会論文誌 C-I Vol.J77-C-I ,No.5 ,pp194 (1994)
藪哲郎,「光導波路解析入門」(森北出版)
本発明が解決しようとする課題は、上述したような問題を解決し、特別な製造工程を用いることなく、光導波路自体に偏光子作用を安定的に付加することが可能な導波路型偏光子を提供することである。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、Zカット型のニオブ酸リチウム基板と、該基板上にリッジ構造の光導波路が形成された導波路型偏光子において、該リッジ構造の幅は、該光導波路を伝播する光波の常光の光分布が変化するリッジ幅であり、かつ、該光波の異常光の光分布が変化しないリッジ幅であり、該リッジ構造の角度は90°よりも小さく、該リッジ構造の側面に、膜厚が0.089≦n・t/λの条件(ただし、nは屈折率,tは膜厚,λは光波の波長であり、膜厚、波長の単位はμmである。)を満足する高屈折率膜が形成されて、異常光透過偏光子機能を有することを特徴とする。
請求項1に係る発明により、Zカット型のニオブ酸リチウム基板と、該基板上にリッジ構造の光導波路が形成された導波路型偏光子において、該リッジ構造の幅は、該光導波路を伝播する光波の常光の光分布が変化するリッジ幅であり、かつ、該光波の異常光の光分布が変化しないリッジ幅であり、該リッジ構造の角度は90°よりも小さく、該リッジ構造の側面に、膜厚が0.089≦n・t/λの条件(ただし、nは屈折率,tは膜厚,λは光波の波長である。)を満足する高屈折率膜が形成されて、異常光透過偏光子機能を有するため、リッジ幅や高屈折率膜の膜厚を調整することで、製造工程を複雑化せず、容易に異常光透過偏光子機能を、光導波路、例えば、変調電極の電界が印加される作用部などに付与することが可能となる。
以下、本発明の導波路型偏光子について、好適例を用いて詳細に説明する。
図1に示すように、本発明の導波路型偏光子は、Zカット型のニオブ酸リチウム基板1と、該基板上にリッジ構造の光導波路が形成された導波路型偏光子において、該リッジ構造の幅wは、該光導波路を伝播する光波の常光の光分布が変化するリッジ幅であり、かつ、該光波の異常光の光分布が変化しないリッジ幅であり、該リッジ構造の角度θは90°よりも小さく、該リッジ構造の側面に、膜厚が0.089≦n・t/λの条件(ただし、nは屈折率,tは膜厚,λは光波の波長であり、膜厚、波長の単位はμmである。)を満足する高屈折率膜4が形成されて、異常光透過偏光子機能を有することを特徴とする。
図1に示すように、本発明の導波路型偏光子は、Zカット型のニオブ酸リチウム基板1と、該基板上にリッジ構造の光導波路が形成された導波路型偏光子において、該リッジ構造の幅wは、該光導波路を伝播する光波の常光の光分布が変化するリッジ幅であり、かつ、該光波の異常光の光分布が変化しないリッジ幅であり、該リッジ構造の角度θは90°よりも小さく、該リッジ構造の側面に、膜厚が0.089≦n・t/λの条件(ただし、nは屈折率,tは膜厚,λは光波の波長であり、膜厚、波長の単位はμmである。)を満足する高屈折率膜4が形成されて、異常光透過偏光子機能を有することを特徴とする。
光導波路の形成方法としては、Tiを熱拡散した光導波路2を形成したニオブ酸リチウム(LN)ウェハに対し、光導波路2の横にトレンチを形成することでリッジ構造の光導波路を作製する。Tiの拡散工程は、非特許文献5に記載されている既知の技術を用いる。また、トレンチ作製は、レジスト、金属(Ti、Ni等)を遮蔽マスクとして、LN基板をウェット又はドライエッチングする方法や、エキシマ等によるレーザ加工・サンドブラスト等が利用可能である。
上記ウェハに対し、従来技術の方法(Ti拡散の光導波路上に低屈折率膜や高屈折率膜等を形成する方法)で偏光子を作製する場合、偏光子形成領域以外にも、バッファ層(BF層)(SiO2)、電荷分散層(Si)を形成する。光学素子の設計上の目的によってVπ、光帯域が決まるため、BF層膜厚、電荷分散層膜厚は、その目的に合わせた膜厚になる。一般的なLN光変調器のBF層は、SiO2又はSiO2に不純物を微量添加した膜が用いられている。そのため、BF層を形成後、LN基板とBF層の付着力の増加させたり、膜応力を緩和させるために、熱処理を行う。このため、BF層や電荷分散層を形成する前に偏光子を形成すると、BF層の熱処理時に、偏光子が酸化したり、膜の体積変化によって偏光子が剥がれてしまう不具合が発生する。このため、必要な部分、例えば、変調電極の電界が作用する光導波路部分(以下、「作用部」という。)にBF層、電荷分散層を形成した後、上述した従来技術の偏光子を形成する必要がある。
本発明の導波路型偏光子は、BF層や電荷分散層の形成と偏光子の形成とを同時に行うものであり、膜のカバレッジ(リッジ側面の膜厚/リッジ上面の膜厚)が低い成膜装置(蒸着、スパッタ装置等)を用いることで作製可能である。まず、はじめに、上記リッジ導波路が形成されたウェハをカバレッジが低い装置を用いてBF層を成膜後、熱処理を行う。
図2は、作用部におけるBF層(低屈折率膜)と電荷分散層(高屈折率膜)と形成下断面図であり、符号5は変調電極の一部である、信号電極を図示している。
本発明の導波路型偏光子を製造する際に、カバレッジが低い装置を用いるため、リッジ上面のBF層膜厚が0.7μmであった場合でも、リッジ側面の膜厚は、0.4μm以下になる。カバレッジは、装置の形状、仕様、ウェハの配置等によって異なるが、目安として、蒸着装置〜0、スパッタ装置〜0.5である。
一般的に、リッジ上面のBF層膜厚は、主信号光(異常光(ne))が電荷分散膜、金属膜(電極)によって減衰しない膜厚が必要であり、0.4μm以上必要である。つまり、0.4μm付近を境に主信号光の減衰がはじまる。次に、半導体・高屈折率膜(Si等)の電荷分散膜を形成することによって、異常光(ne)を透過させる偏光子が形成される。
図3は、従来の偏光子の構造を示す図である。導波路2上にSi膜(高屈折率膜)4を形成している。文献によっては、SiO2膜3がない場合がある。非特許文献6に記載されているように、Si膜厚が厚くなるにつれて、Si膜が導波路として機能する。
偏光子として機能する要因は、Si膜を厚くしていくと、TEモードが先に伝播モードになる(図4のグラフ参照。図4は、Zカット型のLN基板上にSiO2膜(n=1.45,Si膜(n=3.47)を堆積したときの、Si膜厚に対する実効屈折率の関係を示すグラフである。)。Si膜厚をTE光で伝播モード(0.03μm以上)、TM光でleaky(漏出)モード(0.11μm以下)になるように調整することで、Ti拡散による導波路の常光をSi膜4のTEモード光に移行・拡散させることができる。この時、Ti拡散導波路の異常光は、Si膜のTMモード光と結合することができないため(つまり、TMモードでは、Siの伝播モードがないため)、Ti拡散導波路を透過することができ、異常光透過偏光子が形成される。導波路のコア厚に対するTEモードとTMモードに関する記述は、非特許文献6に記載されている。
一方、リッジ構造のTi拡散した光導波路の側面にSiO2膜・Si膜を形成した場合、光のモード分布が偏波によって変化しないとすると、同じ理由で常光透過偏光子を形成することができる。
現実的なリッジ構造の形状には、図1のようにリッジ角度θがある。LN光変調器の特性であるVπは、LN基板のリッジ角度θによって変化し、リッジ角度が垂直に近づくにつれ小さくなる。しかしながら、リッジ角度が70°以上の場合、Vπにあまり寄与しないことと(非特許文献5参照)、また、リッジ角度を垂直にすることは困難であることから、一般的には、θ=70〜80°である。
Zカット型のLN基板を用いて、Ti拡散の光導波路を形成した場合、Tiの密度に対する屈折率変化量は、常光と異常光で異なることから、常光のモード分布は大きく、異常光のモード分布は小さくなる。そのため、リッジ構造でない状態からリッジ幅を狭くしていくと、光モード分布は、TEモード光が先に変化する。
光分布の変化に伴い、光がリッジ部分の外に染みだすため、実効屈折率(=真空中の光の速度/導波光の速度)が小さくなるり、実効屈折率と光分布に相関が得られる。Ti拡散導波路のリッジ幅と実効屈折率の関係を図5のグラフに示す。なお、凡例に示した「Ti75nm」とは、後述するように、Ti拡散導波路を作る際のTiパターンの厚さが75nmであることを意味する。他も同様である。グラフ(a)は、1550nmのTMモードに関するリッジ幅と実効屈折率との関係を示し、グラフ(b)は、1550nmのTEモードに関するリッジ幅と実効屈折率との関係を示している。リッジ幅が狭くなると、実効屈折率がLN基板屈折率よりも小さい値をとる。これは、伝播光がリッジ外部に染みだす結果、実効屈折率が基板屈折率よりも低い領域が存在するためである。各偏波によって、実効屈折率が基板屈折率よりも低くなるリッジ幅の場所が異なることから、以下の条件を満足する領域が存在する。
常光実効屈折率<LN基板屈折率<異常光実効屈折率
常光実効屈折率<LN基板屈折率<異常光実効屈折率
ところで、リッジ側面にSi膜を形成することで、常光透過偏光子が形成可能となる。つまり、リッジ構造のTi拡散導波路では、リッジ幅を狭くすると、先に常光がリッジ外部に光を漏れ出し、Si膜に光を結合しようとする。リッジ角度が90°の場合、常光は、側面Si膜に対しTMモードである。よって、側面Si膜厚が片偏波のみ導波させるとき、Ti拡散導波路の常光は、側面Si膜と結合・放射することができない。
しかしながら、リッジ角度が90°よりも小さい場合、Ti拡散導波路の常光は、側面Si膜に対しTMモードとTEモードが混合した状態になる。よって、側面Si膜厚が片偏波のみ導波させるときでも、リッジ構造でない場合に比べると効果は小さいが、Ti拡散導波路の常光は、側面Si膜と結合・放射することができる。図6は、常光が側面のSi膜に結合・放射する説明図であり、図6(a)は、リッジ構造でTi拡散導波路に常光10が伝搬している状態を示し、図6(b)は(a)の常光10を、リッジ側面を1つの軸とする直交座標系に展開したものであり、リッジ側面に平行な成分がSi膜に結合・放射される。図では、右側のリッジ側面を基準としたが、左側のリッジ側面を基準としても良い。
上面Si膜厚を固定した場合、側面Siの膜厚は、成膜装置固有のカバレッジで規定される。そして、側面SiO2膜が変化した場合、側面SiO2膜厚の製造誤差が直接、偏光子特性に寄与する(図4参照)。この製造誤差を軽減するためには、BF層の厚さを0.1μm以上にすることで、側面SiO2膜厚が偏光子特性に及ぼす影響を軽減できる。
しかしながら、上面SiO2膜厚は、LN光変調器の特性で規定されること、カバレッジは装置固有(カバレッジを変えることが困難)であることから、偏光子の特性を維持するためには、SiO2の屈折率を変える必要がある。低屈折率膜の屈折率変更方法としては、TiO2、In2O3,SnO2等の不純物をSiO2に適量添加させることで可能となる。
以上の条件をまとめると、以下の3つの条件を満足することが必要である。
(条件1)偏光子作用を生じさせるためには、
・リッジ角が90°よりも小さく、
・リッジ構造Ti拡散導波路の実効屈折率が、
常光実効屈折率<LN基板屈折率<異常光実効屈折率
を満たす領域で、
・リッジ側面に高屈折率膜を0.04μm以上形成すること。
(条件2)リッジ側面と側面高屈折率膜の間に0.1〜0.4μmの低屈折率膜があることで、偏光作用の製造依存性が小さくなること。
(条件3)カバレッジが変化しない装置でも、低屈折率膜に不純物添加することで屈折率を変化させ、条件2を満たせること。
(条件1)偏光子作用を生じさせるためには、
・リッジ角が90°よりも小さく、
・リッジ構造Ti拡散導波路の実効屈折率が、
常光実効屈折率<LN基板屈折率<異常光実効屈折率
を満たす領域で、
・リッジ側面に高屈折率膜を0.04μm以上形成すること。
(条件2)リッジ側面と側面高屈折率膜の間に0.1〜0.4μmの低屈折率膜があることで、偏光作用の製造依存性が小さくなること。
(条件3)カバレッジが変化しない装置でも、低屈折率膜に不純物添加することで屈折率を変化させ、条件2を満たせること。
ただし、上記膜厚は、高屈折率膜の屈折率:3.47、低屈折率膜の屈折率:1.45として行った。そのため、上記膜厚を規格化した場合、「高屈折率膜を0.04μm以上」は、「n・t/λが0.089以上」に、「側面高屈折率膜の間に0.1〜0.4μm程度」は「n・t/λが0.0935〜0.3742程度」という条件となる。ただし、nは屈折率,tは膜厚,λは光の波長を示している。また、リッジ構造Ti拡散導波路の実効屈折率が、「常光実効屈折率<LN基板屈折率<異常光実効屈折率」を直接確認することは、実際的には困難である。そのため、常光成分の光分布が変化し、異常光成分の光分布が変化していないと判断する境界は、本発明に係る構成の形状に対し、偏光子としての機能が確認できる場合となる。
Zカット型のLN基板上に、Ti(幅7.0μm、厚さ75nm)のパターンを、通常のフォトリソグラフィーや蒸着装置を用いて形成した。上記Tiをウェハに熱拡散(温度1000℃、14時間)させた。その後、Ti拡散導波路の脇にトレンチを形成するため、レジストをエッチングマスクとしてドライエッチングを行い、トレンチ深さ5.0μm、リッジ幅8.0μmリッジ角度75°を形成した。その後、低屈折率膜として、マグネトロンスパッタ装置でSiO2膜(平坦部膜厚0.6μm,リッジ側面0.3μm)を形成し、アニール処理(600℃,5時間)を行った。そして、高屈折率膜として、マグネトロンスパッタ装置でアモルファスSi膜(平坦部膜厚100nm,リッジ側面50nm)を形成した。その後、長さ40mmのサンプルに切断した。サンプルの偏光子としての効果を確認するため、各偏波に対する光損失を測定した結果、通信波長帯域において、−10dB以上の偏光子機能(TM挿入損失−TE挿入損失)を確認できた。
図7のグラフは、実施例1のサンプルの測定結果を示すグラフである。TMモード(異常光)の挿入損失は、波長依存性が無く、−5dBであった。一方、TEモード(常光)の挿入損失は、低屈折率膜の厚さ0.3μmと厚かったため、短波長側では光損失が小さいが、長波長側では−30dB以上となっている。
実施例1記載の内容と同様の方法で、図8に示すように、トレンチがTi拡散導波路の片側のみに形成された場合の効果を確認した。その結果を図9のグラフに示す。図9でも、実施例1と同様に、TEモード(常光)の挿入損失は、短波長側では光損失が小さいが、長波長側では−30dB以上となっている。
以上説明したように、本発明によれば、特別な製造工程を用いることなく、光導波路自体に偏光子作用を安定的に付加することが可能な導波路型偏光子を提供することが可能となる。
1 基板
2 光導波路
3 低屈折率膜
4 高屈折率膜
2 光導波路
3 低屈折率膜
4 高屈折率膜
Claims (1)
- Zカット型のニオブ酸リチウム基板と、該基板上にリッジ構造の光導波路が形成された導波路型偏光子において、
該リッジ構造の幅は、該光導波路を伝播する光波の常光の光分布が変化するリッジ幅であり、かつ、該光波の異常光の光分布が変化しないリッジ幅であり、
該リッジ構造の角度は90°よりも小さく、
該リッジ構造の側面に、膜厚が0.089≦n・t/λの条件(ただし、nは屈折率,tは膜厚,λは光波の波長であり、膜厚、波長の単位はμmである。)を満足する高屈折率膜が形成されて、
異常光透過偏光子機能を有することを特徴とする導波路型偏光子。
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