JPH09258151A - 光導波路のポーリング方法 - Google Patents
光導波路のポーリング方法Info
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Abstract
答性を有する石英系の導波型光デバイスを製造し得る光
導波路のポーリング方法を提供すること。 【解決手段】 基板上にコア及びクラッドからなる光導
波路を作製し、該光導波路上に電極を設けてなる光スイ
ッチ10に対し、モード同期Qスイッチ動作Nd3+:Y
AGレーザ21及びKTP結晶22より発生させた波長
約532nmの光を光導波路の一端P1から入射し伝播
させるとともに,電圧源26より5kVの電圧を印加す
ることによりポーリングを行い、電気光学定数の大きな
電気光学効果を誘起する。
Description
を配置した集積光デバイス、詳しくは、光通信分野等で
用いられる光スイッチ等の導波型光デバイスの製造方法
に関するものである。
を主成分とする単一モード石英系光導波路としては、例
えば「M.Kawachi“Silica waveg
uides on silicon and thei
r applicationto integrate
d−optic component”J.Quatu
m.Electron.,vol.22,1990,p
p.391〜416(文献1)」等に記載されたものが
ある。
石英系ガラスの優れた被加工性により、設計値通りの導
波路を作製することができ、量産性にも優れている。ま
た、石英系光導波路は損失が低く、しかも一般に使用さ
れている石英系単一モード光ファイバとの接続整合性も
優れているため、実用的な集積光デバイスの実現手段と
して期待され、現在までに波長合分波器や光スイッチ等
の数多くの光デバイスの開発が行われてきている。
ッチとしては、例えば「N.Takato, et a
l.“Silica−Based Single−Mo
deWaveguides on Silicon a
nd their Application to G
uided−Wave Optical Interf
erometers”J.Light Techno
l.,VOL.6,1988,pp.1003〜101
0(文献2)」等に記載されているような熱光学効果を
利用した「熱光学スイッチ(TΟスイッチ)」がある。
低損失で集積性に優れた良好なスイッチを実現できる
が、その応答速度はおよそ1ms程度であり、より高速
応答可能な石英系光スイッチが求められている。.一
方、最近、ポーリング処理を施した石英系ファイバにお
いて、電圧印加により生じる屈折率変化(電気光学効
果)が報告されている。
擬似的に中心対称性を有すると考えられ、1次の電気光
学効果(ポッケルス効果:印加電場強度に比例した屈折
率変化)は原理的にみることができない。
し、「電場を印加した状態で温度を上げ、電場を印加し
たまま温度を下げる」という「熱ポーリング」処理を行
うことにより、ポッケルス効果を誘起することができ
る。このポーリング処理によるポッケルス効果の誘起は
石英系ガラスを主成分とする光ファイバにおいてもみら
れ、最近、ポーリング処理を行った石英系ファイバにお
いて、電圧印加により生じる屈折率変化(電気光学効
果)が報告されている(例えば「P.G.Kazans
ky,et al.“Pockels effect
in thermally poled silica
optical fibers”Electroni
cs Lett.,vol.31,1995,pp.6
2〜63(文献3)」参照)。
英系ガラス中のポッケルス効果による応答速度は非常に
高速であり、10ns以下の応答速度を有している。即
ち、このポッケルス効果を石英系ガラス導波路中に誘起
することにより、導波路の屈折率を電圧印加によって、
10ns以下(100MHz以上)の高速で制御できる
ことを示している。
有する高速な光スイッチや光強度変調器を実現するに
は、マッハ・ツェンダ干渉計(MZI)等の干渉計を構
成することが有用であるが、石英系ファイバやバルク光
部品等で構成するマッハ・ツェンダ干渉計は温度変動等
の外部擾乱に弱く、不安定であり、実用的な光デバイス
にならないという問題を有している。
ている、Si基板上に石英系導波路で構成されたMZI
は光ファイバやバルク光部品で構成されたMZIに比べ
て外部擾乱に強く、透過光強度等の光学特性が安定して
いる。さらに、この石英系導波路の干渉計は石英系ガラ
スの加工が容易なため、高精度な加工を行うことがで
き、設計値通りの作製が可能であるという利点を有して
いる。
ンダ干渉計のアーム導波路の部分に熱ポーリング処理を
行い、電気光学効果の誘起を行えば、石英系導波路によ
る電気光学効果を利用した、高速応答性を有する実用的
な光スイッチや光強度変調器を実現することができる。
ているように「熱ポーリング」によって誘起されるポッ
ケルス効果の効率は、電気光学定数rの値で約0.05
pm/Vであり、あまり大きな値ではなかった。
として、Ge添加石英系光ファイバに対し、電場を印加
しながら紫外レーザ光(波長193nm)を外部より照
射すること、即ち「光ポーリング」(「光励起ポーリン
グ;optically induced polin
g」あるいは「光補助ポーリング;optically
asisted poling」ともいう。)を行う
ことにより、電気光学定数r=6pm/Vという、大き
な電気光学効果が誘起されたことが報告されている(例
えば「T.Fujiwara,D.Wong,Y.Zh
ao,S.Fleming,S.Poole and
M.Sceats,Electron.Lett.,3
1,1995,573(文献4)」参照)。
たポーリング方法を平面基板上に作製された導波路に対
して適用しようとする場合、外部から照射される光が、
しばしば導波路近傍に作製された電極に損傷を与えると
いう問題があった。また、光を外部からコア部分に照射
するため、基板に対して垂直な方向に電場を印加する、
コアの垂直方向の上部に電極を配置することはできない
という電極作製上の問題があった。
性に優れ且つ高速応答性を有する石英系の導波型光デバ
イスを製造し得る光導波路のポーリング方法を提供する
ことにある。
め、本発明では、基板上に石英系ガラスよりなるコアを
石英系ガラスよりなり且つコアより屈折率が低いクラッ
ドで囲んで作製した光導波路のポーリング方法におい
て、光導波路に紫外光または可視光を伝播させながら外
部電場を印加する光導波路のポーリング方法を提案す
る。
射」しながら電場を印加する「伝播照射光ポーリング」
は、コア部分に閉じ込められた高強度な光によって、1
0数cm以上に及ぶ光導波路に対し、一度に光照射する
ことができる。また、「外部照射」を行う時には、しば
しばコア近傍に設けられた電圧印加用の電極やクラッド
部分に損傷を与えることがあったが、「伝播照射」によ
れば、電極に損傷を与えることなく光照射することがで
きる。また、コア部分を伝播させて光を照射するため、
基板に対して垂直な方向(TM方向)に電場を印加す
る、コアの垂直方向の上部に電極を配置することも可能
であり、電極作製上の制約が少ない。
のアーム導波路の部分に電気光学効果が誘起され、電場
印加に対し屈折率変化を生じる。
た時に生じる屈折率変化の大きさΔnは、 ΔnTE=(1/2)r1 nTE 3 Eex ΔnTM=(1/2)r2 nTM 3 Eex ……(1) と表すことができる(例えば、「西原 他“光集積回
路”(オーム杜)」参照)。ここで、r1 ,r2 はTM
方向に外部電場を印加した場合に対応したTE,TM方
向の電気光学定数、nTE,nTMはそれぞれTE,TM方
向の屈折率を示す。
大きな屈折率変化を得ることができる。
極にそのまま電圧を印加することにより可能である。ア
ーム導波路の部分でこの電場印加により生じる屈折率変
化(電気光学効果)を利用し、MZIを光スイッチや光
強度変調器として動作させることが可能である。この
時、MZIは基板上に作製されているため、光ファイバ
やバルク光部品で構成されたMZIに比べて、温度変動
等の外部擾乱に対して安定な動作を示す実用的な光部品
となる。
路型光デバイスの一例、ここではマッハ・ツェンダ干渉
計を有する光スイッチを示すもので、同図(a) は全体斜
視図、同図(b) は要部断面図である。図中、11はSi
基板、12,13は導波路(GeO2添加石英系ガラス
コア)、14はアンダークラッド、15はオーバークラ
ッド、16は薄膜電極、17,18は導波路12,13
を近接させて構成した方向性結合器である。
た文献2に示された方法と同様に行った。即ち、Si基
板11上にアンダークラッド14及びコア12,13と
なる石英系ガラスを主成分とするガラス膜層を火炎堆積
(FHD)法により形成し、その後、反応性イオンエッ
チング(RIE)によりコア部分のリッジ構造を形成
し、再びFHD法により石英系ガラスを主成分とするオ
ーバークラッド15による埋め込みを行い、光導波路の
作製を行った。ここで、コアはGe添加石英系ガラスで
形成し、コアとクラッドとの比屈折率差Δを0.7%と
し、コアの構造は矩形で7μm×7μmとした。
と、導波路12,13のうちの方向性結合器17,18
間を結ぶアーム導波路とにより、マッハ・ツェンダ干渉
計が構成される。
近傍にクロムCr及び金Auを蒸着し、所望の形状にパ
ターン化加工して電極16を形成した。ここで、コアに
平行な電極部分の長さL=6.5cm、電極間隔d=4
5μmとした。電極形成に用いる材料は、Pt,NiC
r,Ta2 N,Al等、導電性の高いものであれば、ど
のようなものでも良い。
えば10に対し、図2に示すように、モード同期(M
L)Qスイッチ(Qsw)動作Nd3+:YAGレーザ(M
L−Qsw−Nd3+:YAGレーザ)21からの波長10
64nmの光の第二高調波(SH)光(波長532n
m)をKTP結晶22により発生させ、このSH光を波
長1064nmの光は通過させ、波長532nmの光は
反射するダイクロイックミラー23、波長532nmの
反射率が100%のミラー24及びレンズ25を介して
ポートP1に導き、導波路12を伝播させながら、電圧
源26より5kVの電圧印加を30分間行った。
器17,18が図3に示す波長特性を有するため、導波
路13に結合せず、全て導波路12を伝播した。30分
後にSH光を遮断し、電圧を0Vに下げた。モード同期
を行ったレーザ光のパルス時間幅は約100ps、モー
ド同期周波数は82MHz、Qswの繰り返し周波数は
800Hzであった。
mの半導体レーザの光を偏波保持ファイバを用いて、T
M偏波でポートP1から入射した。ポートP3,P4か
らの出力光強度をレンズ27を介して感熱式パワーメー
タ(Thermal P.M.)28で検知しながら、
電極16とSi基板11との間に電圧を印加し、その出
力光強度の変化を測定した(なお、感熱式パワーメータ
の代わりにフォトダイオードを用いても良い)。
た出力光強度の変化を示す。印加電圧Vにほぼ比例して
位相が変化していることが示されている。即ち、印加し
た電場強度に比例した屈折率変化Δnを示している。
アの屈折率、dは電極間間隔、Lは相互作用長(外部電
場がコア部分にかかっている長さ)、ΔVは印加電圧、
λは測定波長、rは電気光学定数である。
1.454、d=45μm、L=6.5cmとした。位
相がπ変化する電圧Vπ=180(V)であり、この時
の電気光学定数r=1.6pm/Vと評価される。この
電気光学スイッチの消光比は35dB、損失は1dBで
あった。
で、高速応答性を有する光スイッチを実現するための方
法として、本発明は非常に優れている。
バイスの他の例、ここではマッハ・ツェンダ干渉計を有
する光強度変調器を示すものである。図中、31はSi
基板、32,33は導波路(GeO2 添加石英系ガラス
コア)、34,35は薄膜電極、36は薄膜ヒータ、3
7,38は導波路32,33を近接させて構成した方向
性結合器である。
た文献2に示された方法と同様に行った。即ち、Si基
板31上に、アンダークラッド(図示せず)及びコア3
2,33となる石英系ガラスを主成分とするガラス膜層
を火炎堆積(FHD)法により形成し、その後、反応性
イオンエッチング(RIE)によりコア部分のリッジ構
造を形成し、再びFHD法により石英系ガラスを主成分
とするオーバークラッド(図示せず)による埋め込みを
行い、光導波路の作製を行った。コアはGe添加石英系
ガラスで形成し、コアとクラッドとの比屈折率差Δを
0.3%とし、コアの構造は矩形で8μm×8μmとし
た。
と、導波路32,33のうちの方向性結合器37,38
間を結ぶアーム導波路とにより、マッハ・ツェンダ干渉
計が構成される。
近傍にクロムCr及び金Auを蒸着し、所望の形状にパ
ターン化加工して電極34,35を形成した。ここで、
コアに平行な電極部分の長さL=8cm、電極間隔d=
40μmとした。電極形成に用いる材料は、Pt,Ni
Cr,Ta2 N,Al等、導電性の高いものであれば、
どのようなものでも良い。
導波路とは反対側のアーム導波路にクロム薄膜ヒータ3
6をパターン化し、熱光学効果を利用したMZIの位相
を調整することを可能とした。
対し、前記同様なQスイッチ動作Nd3+:YAGレーザ
からの光の第二高調波(SH)光をKTP結晶により発
生させ、このSH光をポートP1に導き、導波路32を
伝播させながら、5kVの電圧印加を30分間行った。
30分後に第二高調波光を遮断し、電圧を0Vに下げ
た。Qswの繰り返し周波数は1kHzであった。
の半導体レーザの光を偏波保持ファイバを用いて、TE
偏波でポートP1から入射した。ポートP3からの出力
光強度を感熱式パワーメータで検知しながら、電極3
4,35間に1GHzの変調電圧を印加し、波長1.5
5μmの半導体レーザの光の強度変調を行った。変調強
度が最も大きくなるように薄膜ヒータ36でアーム導波
路の一部分を加熱し、熱光学効果を利用したMZIの位
相調整を行った。
長1.55μmの半導体レーザの光が1GHzに変調さ
れていることが示されている。本光強度変調器の損失は
1dB、消光比は30dBであった。
で、高速応答性を有する光強度変調器を実現するための
方法として、本発明は非常に優れている。なお、ポーリ
ング効率向上のため、本発明と熱ポーリングを併用する
ことも有用である。
導波路に紫外光または可視光を伝播させながら外部電場
を印加するというポーリング方法であるので、外部電場
を加えるための電極を光導波路の直上に設けることが可
能である等、電極構造に関する設計自由度が大きいとい
う利点があり、また、従来の「熱ポーリング」によるポ
ーリング処理を行った場合に比べて、大きな電気光学効
果を誘起し得るという利点がある。従って、本発明で
は、光通信分野等において実用的な、高速応答性を有す
る光スイッチや光変調器の実現を可能とする。
例を示す構成図
の例を示す構成図
3,32,33…導波路、14…アンダークラッド、1
5…オーバークラッド、16,34,35…薄膜電極、
17,18,37,38…方向性結合器、21…モード
同期Qスイッチ動作Nd3+:YAGレーザ、22…KT
P結晶、23,24…ミラー、25,27…レンズ、2
6…電圧源、28…感熱式パワーメータ、36…薄膜ヒ
ータ。
Claims (2)
- 【請求項1】 基板上に石英系ガラスよりなるコアを石
英系ガラスよりなり且つコアより屈折率が低いクラッド
で囲んで作製した光導波路のポーリング方法において、 光導波路に紫外光または可視光を伝播させながら外部電
場を印加することを特徴とする光導波路のポーリング方
法。 - 【請求項2】 光導波路上に設けた電極に電圧を加える
ことにより外部電場を印加するようになしたことを特徴
とする請求項1記載の光導波路のポーリング方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6296196A JP3573180B2 (ja) | 1996-03-19 | 1996-03-19 | マッハ・ツェンダ干渉計アームのポーリング方法 |
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