本発明の一実施形態の室内機について、図1〜図13を参照しながら説明する。図2は、室外機2の正面パネルを外し、機械室が露出した状態のものである。図3は、後述の冷却器30の固定具80を省略した状態のものである。つまり、後述の押さえ板70が冷媒ジャケット40に仮止めされた状態のものを示す。なお、冷媒配管10は省略している。
図1は、本実施形態の冷凍装置1の配管系統を示している。具体的には、この冷凍装置1は、冷房運転と暖房運転とが可能なヒートポンプ式の空気調和装置である。図1に示すように、冷凍装置1は、室外に設置される室外機2と室内に設置される室内機3とを備え、これら室外機2と室内機3とは、冷媒配管10を介して接続されている。この冷凍装置1は、冷媒配管10が閉回路状に接続された冷媒回路を有する。冷媒回路は、主に、室内熱交換器11、圧縮機12、油分離器13、室外熱交換器14、膨張機構である膨張弁15、アキュムレータ16、四方切換弁17を有する。この冷媒回路では、冷媒が循環することにより、蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。
室内熱交換器11は、冷媒を室内空気と熱交換させるための熱交換器であり、室内機3のケーシング内に設けられる。室内熱交換器11としては、例えば、クロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器が挙げられる。この室内熱交換器11の近傍には、室内空気を当該室内熱交換器11へ送るための室内ファン(図示省略)が設けられる。
圧縮機12、油分離器13、室外熱交換器14、膨張弁15、アキュムレータ16及び四方切換弁17は、室外機2のケーシング内に設けられている。
圧縮機12は、吸入ポート、圧縮機構及び吐出ポートを有し、吸入ポートから吸入した冷媒を圧縮機構で圧縮し、吐出ポートから吐出する。圧縮機12としては、例えば、スクロール圧縮機を採用することができる。
油分離器13は、圧縮機12から吐出された潤滑油及び冷媒の混合流体から潤滑油を分離するためのものである。分離された冷媒は四方切換弁17へ送られ、潤滑油は圧縮機12に戻される。
室外熱交換器14は、冷媒を室外空気と熱交換させるためのものであり、例えば、クロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器を採用することができる。室外熱交換器14の近傍には、室外空気を当該室外熱交換器14へ送るための室外ファンが設けられている。
膨張弁15は、冷媒回路における室外熱交換器14と室内熱交換器11との間に設けられており、流入した冷媒を膨張させることにより減圧させて、所定の圧力とする。膨張弁15としては、例えば開度可変の電子膨張弁が挙げられる。
アキュムレータ16は、流入した冷媒の気液を分離するものであり、冷媒回路における圧縮機12の吸入ポートと四方切換弁17との間に設けられる。アキュムレータ16で分離されたガス冷媒は、圧縮機12に吸入される。
四方切換弁17は、第一ポート〜第四ポートの四つのポートを有する。四方切換弁17は、第一ポートと第三ポートとを連通すると同時に第二ポートと第四ポートとを連通する第一態様(図1において実線で示す態様)と、第一ポートと第四ポートとを連通すると同時に第二ポートと第三ポートとを連通する第二態様(図1において破線で示す態様)との間を切換可能となっている。第一ポートは、油分離器13を介して圧縮機12の吐出ポートに接続され、第二ポートは、アキュムレータ16を介して圧縮機12の吸入ポートに接続され、第三ポートは、室外熱交換器14に接続され、そして、第四ポートは、冷媒配管10を介して室内熱交換器11に接続されている。冷凍装置1が冷房運転を行うときは、四方切換弁17が第一態様とされ、暖房運転を行うときは、四方切換弁17が第二態様とされる。
図1及び図2に示すように、冷媒回路の冷媒配管10のうち、その内部を液冷媒が流れる配管には、プリント配線板90に実装されたパワーデバイス20を冷却するための冷却器30が接続される。冷媒配管10のうちこの冷却器30が接続された部位内には、冷房運転時には、室外熱交換器14で凝縮した冷媒が流れ、暖房運転時には、室内熱交換器11で凝縮し、膨張弁15で減圧された冷媒が流れる。なお、図1では、冷却器30は、冷媒配管10における室外熱交換器14と膨張弁15との間の部位に接続されているが、この冷却器30が接続される部位はこの位置に限られない。ただし、冷却効率を考慮すれば、冷却器30は、液側配管、すなわち、その内部を液冷媒が流れる配管に接続されるのが好ましい。
パワーデバイス20としては、圧縮機制御用インバータ、ファンモータ制御用モジュール等が挙げられる。このパワーデバイス20は、その駆動時に発熱するため、冷却することが求められる。
図3〜図5に示すように、冷却器30は、冷媒ジャケット40と、この冷媒ジャケット40に固定される押さえ板70と、冷媒ジャケット40に対して押さえ板70を押さえ付けるように固定する固定具80(図3〜図5では省略)とを有する。この冷却器30は、一方向に長い形状を有し、その長手方向が鉛直方向(図2の上下方向)となる姿勢でプリント配線板90に取り付けられる。後述するように、押さえ板70は冷媒ジャケット40に仮止め可能な構造を有し、固定具80は、押さえ板70が冷媒ジャケット40に仮止めされた状態で本止めすることが可能な本止用固定具80としての機能を有する。
冷媒ジャケット40は、冷媒配管10とパワーデバイス20との間に介在して双方に接触されるジャケット本体50と、このジャケット本体50をプリント配線板90に取り付けるための支持脚60a,60bとを有する。
ジャケット本体50は、アルミニウム等の熱伝導性の高い材料からなる。このジャケット本体50は、押し出し成形により成形され、一方向に長い形状を有する。図4、図12及び図13等に示すように、ジャケット本体50は、冷媒配管10を配置するための第一配管配置溝51L及び第二配管配置溝51Rと、パワーデバイス20と直接接触されるデバイス接触面52と、押さえ板70を取り付ける押さえ板取付部53と、第一回避部54L及び第二回避部54Rと、第一凹部55L及び第二凹部55Rとを有する。第一配管配置溝51L及び第二配管配置溝51Rと、押さえ板取付部53と、第一回避部54L及び第二回避部54Rとは、ジャケット本体50の表面側(図12及び図13の上側)に形成され、デバイス接触面52と、第一凹部55L及び第二凹部55Rとは、ジャケット本体50の裏面側(図12及び図13の下側)に形成される。またこのジャケット本体50は、第一配管配置溝51L及び第二配管配置溝51Rにおける押さえ板70側の端部を含む基準面50aを有する。この基準面50aは、平坦な形状を有する。
第一配管配置溝51Lは、基準面50aよりも裏面側(図12の下側)に向かって窪んでおり、冷媒配管10の一部を受け入れ可能な凹状の受け面によって構成されている。この受け面は、冷媒配管10の外径に応じた、あるいは、外径よりも大きな内径を有する凹状の湾曲面で形成される。この第一配管配置溝51Lは、ジャケット本体50の長手方向に沿って伸びる形状を有する。第二配管配置溝51Rは、第一配管配置溝51Lと平行な方向に伸び、かつ、第一配管配置溝51Lと同じ断面形状を有し、当該第一配管配置溝51Lと並んで設けられる。
デバイス接触面52は、パワーデバイス20と直接接触される部位である。ここで、パワーデバイス20と「直接」接触されるとは、パワーデバイス20と直接接触される場合に加え、両者の間に熱伝導性の高いグリス等の塗布剤を介して接触される構成も含む。このデバイス接触面52は、当該ジャケット本体50の長手方向に沿って伸びる平坦な形状を有する。また、デバイス接触面52は、その短手方向の寸法が、パワーデバイス20の発熱部の同方向の寸法以上となるように設定される。
押さえ板取付部53は、第一配管配置溝51Lと第二配管配置溝51Rとの間に形成されており、基準面50aよりも押さえ板70側(図12の上側)に突出する形状を有する。この押さえ板取付部53は、ジャケット本体50の短手方向の略中央に設けられており、当該ジャケット本体50の厚さ方向(図12の上下方向)に一定の高さを有し、かつ、ジャケット本体50の長手方向の全体にわたって高さが一定に形成されている。またこの押さえ板取付部53は、その上面が平坦に形成されている。押さえ板取付部53は、固定具80を固定する固定具取付部53aを有する。固定具取付部53aは、押さえ板取付部53の上面から、ジャケット本体50の厚さ方向に伸びる形状を有する。本実施形態では、固定具80として頭部及びこれとつながる軸部を有するねじを用い、固定具取付部53aは、前記軸部を固定可能なねじ穴としている。
第一回避部54Lは、第一配管配置溝51Lと押さえ板取付部53との間に形成されており、後述の第一凸部73L1との干渉を避ける形状を有する。具体的には、第一回避部54Lは、基準面50aよりも裏面側(図12の下側)に向かって窪んだ形状を有する。また、この第一回避部54Lは、後述の位置決め突部63を係止可能な形状となっている。具体的には、基準面50aよりも裏面側(図12の下側)に形成された平坦な底部と、この底部の両側から基準面50a側に向かって立ち上がる起立部とを有する。第二回避部54Rは、第二配管配置溝51Rと押さえ板取付部53との間に形成されている点を除き、第一回避部54Lと同じ構造を有するので、その説明を省略する。
第一凹部55L及び第二凹部55Rは、パワーデバイス20の各リードからの絶縁距離を確保するために形成される。これらの第一凹部55L及び第二凹部55Rは、デバイス接触面52よりも、パワーデバイス20の各リードから遠ざかる方向(ジャケット本体50の表面側)へ向かって窪んだ形状を有する。
図3、図9〜図11等に示すように、支持脚は、ジャケット本体50の長手方向の一端側(図3の左側)に固定される第一支持脚60aと、他端側(図3の右側)に固定される第二支持脚60bとを有する。これら各支持脚60a,60bは同一の形状を有するが、便宜上、一部の部位に関しては異なる符合を付して説明する。本実施形態では、各支持脚60a,60bは、ジャケット本体50の長手方向の両端にそれぞれねじ等により固定される。なお、ジャケット本体50は、押し出し成形とは異なる方法でも成形が可能であり、この場合、ジャケット本体50と各支持脚60a,60bとは一体成形とされてもよい。
第一支持脚60aは、ジャケット本体50を支持する本体支持部61と、この本体支持部61をプリント配線板90に取り付けるための取付部62と、本体支持部61をジャケット本体50に対して位置決めするための位置決め突部63と、第一冷媒ジャケット側仮止部64と、第二冷媒ジャケット側仮止部65とを有する。これら本体支持部61、取付部62、位置決め突部63、第一冷媒ジャケット側仮止部64及び第二冷媒ジャケット側仮止部65は、一体的に形成される。
第二支持脚60bは、本体支持部61と、取付部62と、位置決め突部63と、第一冷媒ジャケット側仮止部66と、第二冷媒ジャケット側仮止部67とを有する。すなわち、第一支持脚60aの第一冷媒ジャケット側仮止部64と第二支持脚60bの第二冷媒ジャケット側仮止部67とは、異なる符合を付しているもののその形状は同一であり、第一支持脚60aの第二冷媒ジャケット側仮止部65と第二支持脚60bの第一冷媒ジャケット側仮止部66とは、異なる符合を付しているもののその形状は同一である。
本体支持部61は、ジャケット本体50の短手方向に長い形状を有し、ジャケット本体50の長手方向の端面及び裏面側に重ね合わされる部位を有する。本体支持部61は、ジャケット本体50の裏面側に接触する部位にねじ穴61aを有する。そして、前記部位をジャケット本体50の裏面側に接触させた状態で、ねじ穴61aにねじを通して支持脚60をジャケット本体50に固定する。
取付部62は、本体支持部61におけるジャケット本体50の裏面側に重ね合わされる部位から折れ曲がった状態で当該部位とつながっており、プリント配線板90に固定可能な形状を有する。この取付部62は、プリント配線板90の表面とデバイス接触面52との間にパワーデバイス20を配置するための空間を確保可能な寸法に設定される。
位置決め突部63は、本体支持部61におけるジャケット本体50の長手方向の端面と重ね合わされる部位の上縁から、本体支持部61におけるジャケット本体50の裏面側と重ね合わされる部位と平行な方向に突出する。本実施形態では、この位置決め突部63は、本体支持部61の長手方向に間隔をおいた二箇所に形成されており、各位置決め突部63は、第一回避部54L及び第二回避部54Rに係合可能な形状を有する。そして、位置決め突部63が第一回避部54L及び第二回避部54Rに係合することにより、当該支持脚60はジャケット本体50に対して位置決めされる。具体的には、位置決め突部63は、各回避部54L,54Rのそれぞれの起立部に当接することにより、そのジャケット本体50の短手方向への変位が規制される。
第一冷媒ジャケット側仮止部64,66は、本体支持部61の長手方向の一端に対して折れ曲がった状態でつながっており、第二冷媒ジャケット側仮止部65,67は、本体支持部61の長手方向の他端に対して折れ曲がった状態でつながっている。これら第一冷媒ジャケット側仮止部64,66と第二冷媒ジャケット側仮止部65,67とは、当該支持脚60a,60bがジャケット本体50に固定された状態で当該ジャケット本体50の短手方向の両側に沿う形状を有する。
第一支持脚60aの第一冷媒ジャケット側仮止部64は、後述の第一押さえ板側仮止部75Lを係止可能な第一開口64aと、この第一開口64aに連続しており第一押さえ板側仮止部75Lの挿入を許容する挿入用開口64b(図10)とを有する。具体的に、第一開口64aは、第一冷媒ジャケット側仮止部64の上部に形成されており、略矩形状を呈する。挿入用開口64bは、第一開口64aの上部に連続しており、略矩形状を呈する。この挿入用開口64bは、当該支持脚60aがジャケット本体50に固定された状態でジャケット本体50の長手方向と一致する方向の寸法が、第一開口64aの同方向の寸法よりも大きく形成されている。第一支持脚60aの第二冷媒ジャケット側仮止部65は、後述の第二押さえ板側仮止部75Rを係止可能な第二開口65aと、後述の被係止部76Rを係止可能な係止部65bとを有する。具体的に、第二開口65aは、第二冷媒ジャケット側仮止部65の上部に形成されており、略矩形状を呈する。係止部65bは、第二開口65bの下方に形成されており、略矩形状を呈する。
第二支持脚60bの第一冷媒ジャケット側仮止部66(第一支持脚60aの第二冷媒ジャケット側仮止部65と同形状)は、第一押さえ板側仮止部75Lを係止可能な第一開口66aを有する。第二支持脚60bの第二冷媒ジャケット側仮止部67(第一支持脚60aの第一冷媒ジャケット側仮止部64と同形状)は、第二押さえ板側仮止部75Rを係止可能な第二開口67aを有する。第一開口66aは第二開口65aと同形状であり、第二開口67aは第一開口64aと同形状であるので、その説明を省略する。
これら各仮止部64〜67の機能については、後述する。
図3〜図8に示すように、押さえ板70は、冷媒ジャケット40との間で冷媒配管10を挟み込むためのものであり、冷媒ジャケット40と同方向に長い形状を有する。この押さえ板70は、一枚の板金により形成されており、長手方向に伸びる線に沿う適宜箇所で折曲加工されることにより形成される。押さえ板70は、固定具80により冷媒ジャケット40に向けて押し付けられる被押付部71と、第一押付部72L及び第二押付部72Rと、第一凸部73L1を有する第一弾性変形部73Lと、第二凸部73R1を有する第二弾性変形部73Rと、第一押付部72Lと当該押さえ板70の短手方向の外側に連結される第一連結部74Lと、第二押付部72Rと当該押さえ板70の短手方向の外側に連結される第二連結部74Rとを有する。この押さえ板70は、被押付部71が固定具80により冷媒ジャケット40に向けて押し付けられた際に、各押付部72L,72Rが冷媒配管10を各溝51L,51Rに押し付けることによって当該冷媒配管10のうねりを矯正可能な剛性を有する。この押さえ板70は、冷媒ジャケット側仮止部64〜67と押さえ板側仮止部75L,75Rとを係合させるときに弾性変形可能な形状を有する。
被押付部71は、押さえ板70の短手方向の略中央においてその長手方向に伸びるように形成されており、平坦な形状を有する。この被押付部71は、固定具80の軸部を挿通するための挿通穴71aを有する。そして、挿通穴71aに挿通された固定具80の軸部がジャケット本体50の固定具取付部53aに固定されることにより、当該被押付部71は、固定具80の頭部により押さえ板取付部53に向けて押し付けられる。
第一押付部72Lは、第一弾性変形部73Lを介して被押付部71に片持ち支持されている。この第一押付部72Lは、被押付部71が固定具80によりジャケット本体50に向けて押し付けられた際に、冷媒配管10を第一配管配置溝51Lに対して押し付ける部位である。すなわち、被押付部71が固定具80によりジャケット本体50に向けて押し付けられた状態における第一押付部72Lの内面と第一配管配置溝51Lの受け面のうち最も基準面50aから窪んだ部位との間の寸法は、冷媒配管10の外径よりも小さくなるように設定されている。この第一押付部72Lは、冷媒配管10の長手方向と同方向に長い形状を有し、冷媒配管10のうち第一配管配置溝51Lに載置された部位を全体にわたって当該第一配管配置溝51Lの表面に対して押し付ける。第一押付部72Lは、図12に示すように、被押付部71が固定具80によりジャケット本体50に向けて押し付けられていない状態では、押さえ板70の短手方向の内側から外側に向かうにつれて、ジャケット本体50に近づくように傾斜している。第二押付部72Rは、被押付部71を基準として第一押付部72Lと対称な形状を有するので、その説明を省略する。
第一弾性変形部73Lは、被押付部71と第一押付部72Lとの間に形成されており、押さえ板70の長手方向の一端から他端に至るように伸びる形状を有する。第一弾性変形部73Lは、ジャケット本体50側に向かって凸となるとともに、当該押さえ板70の長手方向(冷媒配管10の伸びる方向)に長い形状の第一凸部73L1を有する。この第一凸部73L1は、その断面が凸状を呈することから、押さえ板70の剛性を高める機能を有する。この第一弾性変形部73Lは、被押付部71が固定具80によりジャケット本体50に向けて押し付けられた際に、第一押付部72Lが冷媒配管10からの反力を受けることによってジャケット本体50から離れる方向に変位することを許容するように弾性変形する。第一弾性変形部73Lは、被押付部71から冷媒ジャケット40側に突出する形状を有するが、その突出寸法が、第一回避部54Lの底部と押さえ板取付部53の上面との間の寸法よりも小さいので、その第一凸部73L1が第一回避部54Lと干渉することはない。第二弾性変形部73Rは、被押付部71を基準として第一弾性変形部73Lと対称な形状を有するので、その説明を省略する。
各弾性変形部73L,73Rの弾性変形の様子を図12及び図13に基づいて説明する。固定具80の軸部が固定具取付部53aに固定(本止め)されると、被押付部71が固定具80の頭部により押さえ板取付部53に押し付けられる。このとき、第一弾性変形部73Lは、その第一凸部73L1を形成する角θ(図12)が、それよりも小さな角θ′(図13)となるように、すなわち、その凸形状が変化するように弾性変形する。このことは、第二弾性変形部73Rについても同様である。これにより、第一押付部72L及び第二押付部72Rは、冷媒配管10からの反力を受けてジャケット本体50から離れる方向に変位することが許容され、その結果、当該第一押付部72Lの表面及び第二押付部72Rの表面は、略面一となる。なお、このとき、第一凸部73L1は、第一回避部54Lと干渉せず、第二凸部73R1は、第二回避部54Rと干渉しない。
第一連結部74Lは、その短手方向の内側で第一押付部72Lとつながっており、短手方向の外側は自由端となっている。この第一連結部74Lは、第一冷媒ジャケット側仮止部64,66と係合可能な形状の第一押さえ板側仮止部75Lを有する。具体的に、第一押さえ板側仮止部75Lは、第一連結部74Lの一部を略T字形の部位が残るように打ち抜き加工するとともに、当該略T字形の部位を外側に曲げ加工することにより形成されたものである。図6に示すように、第一押さえ板側仮止部75Lは、押さえ板70の短手方向に伸びる部位と長手方向に伸びる部位とを有する。この第一押さえ板側仮止部75Lの機能については後述する。
第二連結部74Rは、その短手方向の内側で第二押付部72Rとつながっており、短手方向の外側は自由端となっている。この第二連結部74Rは、第二冷媒ジャケット側仮止部65,67と係合可能な形状の第二押さえ板側仮止部75Rを有する。具体的に、第二押さえ板側仮止部75Rは、第二連結部74Rの一部を略L字形の部位が残るように打ち抜き加工するとともに、当該略L字形の部位を外側に曲げ加工することにより形成されたものである。図6に示すように、第二押さえ板側仮止部75Rは、押さえ板70の短手方向に伸びる部位と長手方向に伸びる部位とを有し、当該長手方向に伸びる部位は、押さえ板70を冷媒ジャケット40に対して仮止めするときのスライド方向と同方向に突出する。この第二押さえ板側仮止部75Rの機能については後述する。
第二連結部74Rはまた、第二冷媒ジャケット側仮止部65の係止部65bと係合可能な形状の被係止部76Rと、この被係止部76Rを支持する支持片77Rとを有する。第二連結部74Rにスリット74R1が形成されることにより、被係止部76R及び支持片77Rが形成される。よって、支持片77Rは、被係止部76Rとは反対側の端部を支点として被係止部76Rが第二連結部74Rの他の部位に対して板厚方向に変位可能となるように当該被係止部76Rを支持可能とされている。これら被係止部76R及び支持片77Rは、係止部65bとともに保持手段を構成する。この保持手段は、冷媒ジャケット側仮止部64〜67及び押さえ板側仮止部75L,75Rが互いに係合した状態に保持する。
ここで、第一冷媒ジャケット側仮止部64,66及び第一押さえ板側仮止部75L、第二冷媒ジャケット側仮止部65,67及び第二押さえ板側仮止部75R、並びに保持手段(係止部65b、被係止部76R及び支持片77R)について説明する。
第一冷媒ジャケット側仮止部64,66と第一押さえ板側仮止部75Lとは互いに係合可能であり、第二冷媒ジャケット側仮止部65,67と第二押さえ板側仮止部75Rとは互いに係合可能である。これらの仮止部が全て係合されることにより、押さえ板70は冷媒ジャケット40に対して仮止めされる(図3)。
第一冷媒ジャケット側仮止部64,66及び第一押さえ板側仮止部75Lは、押さえ板70が冷媒ジャケット40との間で冷媒配管10を挟み込む姿勢で維持される第一状態(図3)と、押さえ板70が冷媒ジャケット40との間での冷媒配管10の挟み込みを行わない姿勢で維持される第二状態(図4)との間で当該押さえ板70の回動を許容する形状を有する。ここで、前記第一状態では、第一冷媒ジャケット側仮止部64,66及び第一押さえ板側仮止部75Lが互いに係合するとともに、第二冷媒ジャケット側仮止部65,67及び第二押さえ板側仮止部75Rが互いに係合することにより、押さえ板70が冷媒ジャケット40との間で冷媒配管10を挟み込む姿勢で維持される。この状態において、各仮止部64〜67,75L,75Rは、押さえ板70が冷媒配管10の弾発力を受けることによって冷媒ジャケット40から離れる方向に変位するのを規制する。そして、前記第二状態では、第二冷媒ジャケット側仮止部65,67及び第二押さえ板側仮止部75Rの係合が解除されて、第一押さえ板側仮止部75Lが第一冷媒ジャケット側仮止部64の第一開口64a、第一冷媒ジャケット側仮止部66の第一開口66aにそれぞれ挿通された状態での当該第一冷媒ジャケット側仮止部64,66及び第一押さえ板側仮止部75Lを回動支点として、第二押さえ板側仮止部75Rが第二開口65a,67aから抜け出しながら当該第二冷媒ジャケット側仮止部65,67から離れる方向に変位することにより、押さえ板70が冷媒ジャケット40との間での冷媒配管10の挟み込みを行わない姿勢で維持される。
また、図4及び図5に示すように、第一冷媒ジャケット側仮止部64,66及び第一押さえ板側仮止部75L、並びに第二冷媒ジャケット側仮止部65,67及び第二押さえ板側仮止部75Rは、押さえ板70が各配管配置溝51L,51Rに対して冷媒配管10を押さえ付ける押さえ方向と交差する交差方向に相対的にスライドされることにより、互いに係脱する形状を有する。本実施形態では、前記交差方向は、前記押さえ方向と直交し、かつ、ジャケット本体50及び押さえ板70の長手方向と平行な方向(図5の左右方向、図2の上下方向)としている。そして、押さえ板70が前記交差方向(図5の左方向、図2の下方向)にスライドされて冷媒ジャケット40に仮止めされると、押さえ板70の挿通穴71aと固定具取付部53aとの軸方向が一致する(図3)。
具体的には、第一冷媒ジャケット側仮止部64の第一開口64aにおける前記交差方向の寸法は、第一押さえ板側仮止部75Lの同方向の寸法よりも小さくし、かつ、挿入用開口64bにおける同方向の寸法は、第一押さえ板側仮止部75Lの同方向の寸法と同一か僅かに大きくなるように設定している。第二冷媒ジャケット側仮止部65の第二開口65aにおける前記交差方向の寸法は、第二押さえ板側仮止部75Rの同方向の寸法よりも大きくなるように設定している。第一冷媒ジャケット側仮止部66の第一開口66aにおける前記交差方向の寸法は、第一押さえ板側仮止部75Lの同方向の寸法よりも小さくなるように設定している。そして、第二冷媒ジャケット側仮止部67の第二開口67aにおける前記交差方向の寸法は、第二押さえ板側仮止部75Rの同方向の寸法よりも大きくなるように設定している。
よって、一方(図4の右側)の第一押さえ板側仮止部75Lを第一冷媒ジャケット側仮止部66に対して傾斜させた状態で、当該第一押さえ板側仮止部75Lが第一冷媒ジャケット側仮止部66の内側から外側に至るように第一開口66aに挿入した後、もう一方(図4の左側)の第一押さえ板側仮止部75Lが第一冷媒ジャケット側仮止部64の内側から外側に至るように挿入用開口64bから挿入して第一開口64a内に位置させることにより、各第一押さえ板側仮止部75Lは第一冷媒ジャケット側仮止部64,66に外側から当接するので、押さえ板70は、ジャケット本体50に対して前記第二状態の姿勢で維持される(図4)。その後、第一冷媒ジャケット側仮止部64,66及び第一押さえ板側仮止部75Lを回動支点として押さえ板70を回動させ、各第二押さえ板側仮止部75Rを第二冷媒ジャケット側仮止部65の第二開口65a及び第二冷媒ジャケット側仮止部67の第二開口67a内に位置させた後、押さえ板70を前記交差方向(図5での左方向、図2の下方向)にスライドさせることにより、全ての仮止部が互いに係合して押さえ板70が冷媒ジャケット40に仮止される(図3)。そして、このとき、被係止部76Rは、押さえ板70の板厚方向の内側に撓みながらその外面が第二冷媒ジャケット側仮止部65の内面と摺接し、前記板厚方向の外側に弾性復帰して係止部65bに係合する。これにより、各仮止部の仮止状態、すなわち、冷媒ジャケット40と押さえ板70との仮止状態が有効に保持される。さらにこのとき、押さえ板70の挿通穴71aと固定具取付部53aとの軸方向が一致する(図3)。
次に、本実施形態の冷凍装置の製造方法について説明する。この製造方法は、準備工程と、組付工程と、冷媒配管配置工程と、仮止工程と、本止工程とを含む。
準備工程は、押し出し成形により製造されたジャケット本体50に対し、各支持脚60a,60bが固定された冷媒ジャケット40と、プレス加工や折り曲げ加工を経て製造された押さえ板70と、固定具80とを準備する工程である。
組付工程は、冷媒ジャケット40に押さえ板70を組み付ける工程である。この工程では、一方(図4の右側)の第一押さえ板側仮止部75Lを第一冷媒ジャケット側仮止部66に対して傾斜させた状態で、当該第一押さえ板側仮止部75Lが第一冷媒ジャケット側仮止部66の内側から外側に至るように第一開口66aに挿入した後、もう一方(図4の左側)の第一押さえ板側仮止部75Lが第一冷媒ジャケット側仮止部64の内側から外側に至るように挿入用開口64bから挿入して第一開口64a内に位置させることによって、押さえ板70を冷媒ジャケット40に組み付ける。このとき、各第一押さえ板側仮止部75Lは第一冷媒ジャケット側仮止部64,66に外側から当接するので、押さえ板70は、ジャケット本体50に対して前記第二状態の姿勢で維持される(図4)。
冷媒配管配置工程は、押さえ板70を前記第二状態の姿勢としつつ、冷媒ジャケット40の各溝51L,51Rに冷媒配管10を配置する工程である。この工程では、まず、各配管配置溝51L,51Rの表面に、熱伝導性の高いグリス等の塗布剤を塗布し、その後、冷媒配管10を各溝51L,51Rの表面に載置する。なお、塗布剤の塗布は省略が可能である。
仮止工程は、冷媒配管10を各配管配置溝51L,51Rに載置した状態で押さえ板70を冷媒ジャケット40に対して仮止めする工程である。この工程では、第一冷媒ジャケット側仮止部64,66及び第一押さえ板側仮止部75Lを回動支点として押さえ板70を回動させ、各第二押さえ板側仮止部75Rを第二冷媒ジャケット側仮止部65の第二開口65a及び第二冷媒ジャケット側仮止部67の第二開口67a内に位置させる(図5)。その後、押さえ板70を前記交差方向(図5の左側、図2の下方向)にスライドさせる。これにより、全ての仮止部が互いに係合して押さえ板70が冷媒ジャケット40に仮止される(図3)。このため、押さえ板70は、冷媒配管10の弾発力を受けつつも冷媒ジャケット40から離れる方向に変位するのが規制される。また、このとき、被係止部76Rが係止部65bに係合するので、各仮止部の仮止状態が確実に保持される。さらにこのとき、押さえ板70の挿通穴71aと固定具取付部53aとの軸方向が一致する(図3)。
本止工程は、押さえ板70を冷媒ジャケット40に本止め(固定)する工程である。この工程では、冷媒ジャケット40に仮止めされた状態の押さえ板70の挿通穴71aに固定具80の軸部を挿通させ、当該軸部を固定具取付部53aに固定する。これにより、被押付部71は前記頭部により押さえ板取付部53に向けて押し付けられる。このときの第一押付部72Lの内面と第一配管配置溝51Lの表面との間の寸法、及び第二押付部72Rの内面と第二配管配置溝51Rの表面との間の寸法は、それぞれ冷媒配管10の外径よりも小さくなるように設定されているので、第一押付部72L及び第二押付部72Rは、冷媒配管10をそれぞれ第一配管配置溝51L及び第二配管配置溝51Rに対して押し付ける(図13)。このとき、第一弾性変形部73Lは、その第一凸部73L1を形成する角θ(図12)が、それよりも小さな角θ′(図13)となるように、すなわち、その凸形状が変化するように弾性変形し、同様に、第二弾性変形部73Rは、その第二凸部73R1を形成する角θ(図12)が、それよりも小さな角θ′(図13)となるように、すなわち、その凸形状が変化するように弾性変形する。よって、押さえ板70は、各押付部72L,72Rと各配管配置溝51L,51Rとの間の寸法よりも大きな直径の冷媒配管10を冷媒ジャケット40との間で挟み込むことができ、このときに各弾性変形部73L,73Rが弾性変形することにより生じる弾性力が、各押付部72L,72Rを介して冷媒配管10に伝えられる。
そして、この状態で冷凍装置1を駆動動作させると、つまり、冷凍サイクルを実行すると、冷媒配管10内を冷媒が流れるとともに、パワーデバイス20が駆動してその発熱部が発熱する。しかし、パワーデバイス20は、冷媒ジャケット40及び冷媒配管10を介して液冷媒と熱的に接続されているので、このパワーデバイス20は、冷媒ジャケット40及び冷媒配管10を介して冷媒配管10内を流れる冷媒により冷却される。
以上説明したように、本実施形態の冷凍装置1によれば、冷媒配管10が各配管配置溝51L,51Rに対して押し付けられた状態で冷媒ジャケット40に対して押さえ板70を仮止めすることができ、この状態で本止用固定具80によって本止め(固定)することができるので、冷媒配管10と冷媒ジャケット40との接触面積を十分に確保するとともに、冷却器30の組み立ての作業効率を良好なものとすることができる。具体的には、冷媒ジャケット側仮止部64〜67と押さえ板側仮止部75L,75Rとは、前記交差方向に相対的にスライドされることにより互いに係合するので、押さえ板70を冷媒ジャケット40に対して前記交差方向にスライドさせることにより、この押さえ板70を冷媒ジャケット40に仮止めすることができる。このとき、押さえ板70は、冷媒配管10の弾発力を受けることによって冷媒ジャケット40から離れる方向に変位するのが規制された状態、つまり、前記弾発力に抗するように当該冷媒配管10を各配管配置溝51L,51Rに押し付けた状態で冷媒ジャケット40に仮止めされる。よって、あとは本止用固定具80により押さえ板70を冷媒ジャケット40に対して固定するだけで冷却器30の組み立てが完了する。したがって、冷媒配管10と冷媒ジャケット40との接触面積が十分に確保され、しかも、冷却器30の組み立て時に、押さえ板70を前記弾発力に抗しながら冷媒ジャケット40に対して押し付けておく必要がなくなる。
さらに、押さえ板70は、冷媒ジャケット40に対して前記交差方向にスライドされることにより仮止めされる構造であるので、当該押さえ板70を冷媒ジャケット40に仮止するときのスライド方向とは反対方向にスライドさせるだけでこの仮止めを簡単に解除することができる。そのため、押さえ板70と冷媒ジャケット40とを本止めする前に両者を一体として取り扱うに当たり、別途両者を固定するための固定部材が必要とされない。したがって、例えば、冷媒配管10の配設前に押さえ板70と冷媒ジャケット40とを仮止めした状態で搬送し、冷媒配管10の配設時にこの仮止めを解除して冷媒配管10を配設することにより、冷却器30を組み立てるといった作業が簡素化される。
さらに、押さえ板70は、前記第一状態と前記第二状態との間で回動可能であり、かつ、前記第二状態の姿勢が維持されるので、当該押さえ板70と冷媒ジャケット40とを分離させることなく冷媒配管10の配設作業を行うことができる。具体的には、押さえ板70を前記第二状態の姿勢として冷媒配管10を各配管配置溝51L,51Rに配置した後、押さえ板70を回動させてから前記交差方向にスライドさせてこの押さえ板70を前記第一状態の姿勢とすることにより、当該押さえ板70の冷媒ジャケット40への仮止めが完了する。よって、冷却器30の組立作業の効率を一層良好なものとすることができる。
また、本実施形態の冷却器30は、保持手段(係止部65b、被係止部76R及び支持片77R)を有するので、冷媒ジャケット40と押さえ板70との仮止状態が有効に保持される。その結果、仮止状態にある両者に振動が加わる等しても、押さえ板70が冷媒ジャケット40から離脱するといった不具合の発生が抑制されるので、前記仮止状態にある両者の取り扱いが容易となる。
また、本実施形態の冷却器30は、押さえ板70を冷媒ジャケット40に対して仮止めするときの当該押さえ板70のスライド方向が鉛直下向きとなる姿勢で配置されているので、冷媒ジャケット40に対して押さえ板70を鉛直下向き、すなわち、重力の向きに沿ってスライドさせることにより両者が仮止状態となる。よって、押さえ板70を重力に逆らう方向にスライドさせることにより両者を仮止状態とする場合と異なり、両者の仮止状態が安定する。
また、本実施形態の押さえ板70は、冷媒ジャケット側仮止部64〜67と押さえ板側仮止部75L,75Rとを係合させるときに弾性変形可能な形状を有するので、押さえ板70の冷媒ジャケット40への仮止めが容易になる。
また、本実施形態の冷却器30によれば、簡易に冷媒配管10と冷媒ジャケット40との接触面積を十分に確保することができる。具体的には、押さえ板70は、被押付部71が固定具80により冷媒ジャケット40に向けて押し付けられた際に、各押付部72L,72Rにより押し付けられた冷媒配管10のうねりを矯正可能な剛性を有するので、各押付部72L,72Rは、冷媒配管10を全体にわたって各配管配溝51L,51Rに対して確実に押し付けることができる。これにより、冷媒配管10はそのうねりが矯正されるために必要な荷重を受けながら冷媒ジャケット40に押し付けられる。したがって、冷媒配管10と冷媒ジャケット40との接触面積を十分に確保することができる。
そして、押さえ板70は、当該押さえ板70の長手方向に伸びる形状の第一凸部73L1及び第二凸部73R1を有するので、各配管配置溝51L,51Rの伸びる方向に対する十分な曲げ剛性を確保しながら、当該押さえ板70の板圧を小さくすることができる。すなわち、この押さえ板70の板厚を大きくすることなく、各凸部73L1,73R1の伸びる方向の一端側を支点として他端側を当該押さえ板70の厚さ方向に変位させるような荷重に抗することができる。
さらに、各弾性変形部73L,73Rは、被押付部71が固定具80により冷媒ジャケット40に向けて押し付けられた際、その凸部73L1,73R1の凸形状を変化させるように弾性変形するので、各押付部72L,72Rの冷媒ジャケット40から離れる方向への変位が容易となる。すなわち、各押付部72L,72Rと各配管配置溝51L,51Rとの間の寸法よりも大きな外径の冷媒配管10を容易に挟み込むことができると同時に、その凸の形状が変化した各凸部73L1,73R1の変位を戻そうとする弾性力が、各押付部72L,72Rを介して冷媒配管10を各配管配置溝51L,51Rに対して押し付けるように作用する。よって、冷媒配管10と冷媒ジャケット40との接触面積の確保が一層容易となる。
また、本実施形態の冷却器30は、凸部73L1,73R1との干渉を避ける機能と支持脚60a,60bを位置決めする機能とを両立する回避部54L,54Rを有するので、冷媒ジャケット40の厚さ寸法を短縮することができ、かつ、ジャケット本体50に対して支持脚60a,60bを位置決めするに当たり、当該支持脚をジャケット本体50に位置決めすることが可能な部位をジャケット本体50に別途設ける手間を省略することができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、上記実施形態では、第一冷媒ジャケット側仮止部、第二冷媒ジャケット側仮止部、第一押さえ板側仮止部及び第二押さえ板側仮止部がそれぞれ二箇所に形成された例について示したが、それぞれが一箇所に形成される構成であってもよい。この場合、各仮止部は、冷却器の長手方向の略中央に設けられることが好ましい。また、互いに係合する仮止部は、本実施形態で示したものとその形状が逆とされてもよい。
また、上記実施形態では、第一冷媒ジャケット側仮止部64,66及び第一押さえ板側仮止部75Lは、押さえ板70を前記第一状態と前記第二状態との間で回動可能とする形状のものについて示したが、当該第一冷媒ジャケット側仮止部64,66及び第一押さえ板側仮止部75Lは、押さえ板70を回動可能としない形状のもの、すなわち、第二冷媒ジャケット側仮止部65,67及び第二押さえ板側仮止部75Rと同形状のもの等であってもよい。
また、上記実施形態では、配管配置溝が二箇所に設けられた例について示したが、この溝は一箇所にのみ設けられるものであってもよい。
また、上記実施形態では、ジャケット本体50の短手方向の略中央に押さえ板取付部53を、両端に各溝51L,51Rをそれぞれ設けた例について示したが、押さえ板取付部53をジャケット本体50の短手方向の一端側に設け、他端側に各溝51L,51Rを設けてもよい。
また、上記実施形態では、押さえ板70が弾性変形部73L,73Rを有する例について示したが、この弾性変形部73L,73Rは省略されてもよい。
また、上記実施形態では、冷凍装置1が空気調和装置である場合を例示したが、冷凍装置1としては、例えば、空冷式の室内熱交換器11の代わりに水冷式の熱交換器を備えた給湯装置や冷却装置などであってもよい。