JP2013223405A - スタータジェネレータ - Google Patents

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Ryotaro Okamoto
亮太郎 岡本
Naoki Hakamata
尚樹 袴田
Hirohito Matsui
啓仁 松井
Kenji Ueda
賢治 上田
Koji Asae
浩嗣 朝柄
Kazunori Uchiyama
和典 内山
Tsutomu Hosoi
勉 細井
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Abstract

【課題】消費電力を低減可能なスタータジェネレータを提供する。
【解決手段】回転電機10と共通のシャフト80を有するコンプレッサ20は、シャフト80の正回転及び逆回転において冷媒の圧縮容量を変更することが可能である。エンジン2と連動して回転するプーリ40の内側回転部42と、回転電機10のシャフト80と連動して回転する外側回転部83との間の動力伝達を機械式クラッチ50が行う。遠心クラッチ51は、エンジン2の回転数が所定値以上になると、内側回転部42から外側回転部83へ動力を伝達する。ワンウェイクラッチ61は、回転電機10がシャフト80を正回転方向へ回転するとき、外側回転部83から内側回転部42へ動力を伝達する。これにより、従来の電磁クラッチを使用した車両駆動装置に対し、消費電力を低減することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンの始動及びそのエンジンの駆動力によりバッテリへの充電が可能な回転電機と、コンプレッサとが一体に構成されたスタータジェネレータに関する。
近年、車速が所定値以下のときにエンジンを停止するアイドリングストップシステムを採用した車両が知られている。
特許文献1に記載の車両駆動装置は、エンジンとコンプレッサ、及びエンジンと回転電機とがそれぞれ電磁クラッチ、プーリ及びベルトを経由して連結されている。また、コンプレッサと回転電機とは、プーリ及びベルトを経由して連結されている。
エンジン駆動時、エンジンの駆動力は電磁クラッチ、プーリ及びベルトを経由し、コンプレッサ及び回転電機に伝達される。エンジンの駆動力によってコンプレッサはエアコンの冷媒を圧縮する。また、回転電機は発電機として機能し、バッテリに電力を充電する。
エンジン停止時、バッテリから供給される電力によって回転電機はモータとして駆動する。コンプレッサは、プーリ及びベルトを経由してコンプレッサに伝達された回転電機の動力により、エアコンの冷媒を圧縮する。このとき、電磁クラッチは、回転電機とエンジンとの動力伝達を切り離している。
エンジン始動時、バッテリの電力によって回転電機はモータとして駆動する。エンジンは、プーリ、ベルト及び電磁クラッチを経由して伝達された回転電機の動力によって始動する。
特開平11−147424号公報
しかしながら、特許文献1の車両駆動装置では、コンプレッサと回転電機とが別体で配置され、エンジンとコンプレッサとの動力伝達、及び、エンジンと回転電機との動力伝達が電磁クラッチなどを経由して行われている。このため、部品点数が増加すると共に構成が複雑化し、製造コストが増加することが懸念される。また、電磁クラッチを動作するための消費電力が増加するおそれがある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、消費電力を低減可能なスタータジェネレータを提供することを目的とする。
本発明は、回転電機と共通のシャフトを有するコンプレッサを備えたスタータジェネレータにおいて、そのシャフトと外部の動力源との間の動力伝達を遠心クラッチおよびワンウェイクラッチにより行うことを特徴とする。この遠心クラッチおよびワンウェイクラッチは、回転電機およびコンプレッサのシャフトと連動して回転する外側回転部と、外部の動力源と連動して回転する内側回転部との間の動力伝達を行う。
外部の動力源として、エンジンが適用される場合について説明する。
(1)エンジン駆動時、エンジンの駆動力は、内側回転部から遠心クラッチを経由して外側回転部へ伝達される。これにより、回転電機は、エンジンの駆動力によって発電し、バッテリに電力を充電する。また、コンプレッサは、シャフトの正回転により冷媒を圧縮可能である。
なお、シャフトの正回転とはエンジンの回転方向と同期する方向にシャフトが回転することをいい、シャフトの逆回転とは正回転と反対方向にシャフトが回転することをいう。
(2)エンジン停止時、回転電機がシャフトを逆回転すると、コンプレッサはそのシャフトの逆回転により冷媒を圧縮可能である。このとき、遠心クラッチは、エンジンが停止しているので、内側回転部と外側回転部との間の動力伝達を解除している。また、ワンウェイクラッチは、シャフトが逆回転するので、内側回転部と外側回転部との間の動力伝達を解除している。
(3)エンジン始動時、回転電機がシャフトを正回転すると、外側回転部からワンウェイクラッチを経由して内側回転部へ動力が伝達される。これにより、エンジンが始動する。
本発明は、上記(1)〜(3)の動作を遠心クラッチおよびワンウェイクラッチからなる機械式クラッチによって行うことで、従来の電磁クラッチを使用した車両駆動装置に対し、消費電力を低減することができる。
本発明の第1実施形態によるスタータジェネレータを備えた車両駆動装置の構成図である。 図1のII部分の模式図である。 図2のIII―III線の断面図である。 図2のIV―IV線の断面図である。 本発明の第1実施形態によるスタータジェネレータの動作を示すタイムチャートである。 本発明の第2実施形態によるスタータジェネレータを備えた車両駆動装置の構成図である。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態を図1〜図5に示す。本実施形態のスタータジェネレータ1は、車速が所定値以下のときにエンジン2の駆動を停止するアイドリングストップシステムを採用した車両駆動装置に適用される。
図1に示すように、スタータジェネレータ1は、回転電機10、コンプレッサ20、プーリ40および機械式クラッチ50などを備えている。
回転電機10とコンプレッサ20とは、同一のケース70に収容されている。ケース70は、回転電機10を収容するモータ室11と、コンプレッサ20を収容するコンプレッサ室21とを有する。モータ室11とコンプレッサ室21とは、隔壁71により仕切られている。シャフト80は、モータ室11とコンプレッサ室21とを貫いており、一端がモータ室11に設けられた軸受72に回転可能に支持され、他端がコンプレッサ室21に設けられた軸受73に回転可能に支持されている。
回転電機10は、ステータ12、ロータ13およびシャフト80を有する。ステータ12は、ケース70の内壁に固定されたステータコア14、及びそのステータコア14に巻回されたコイル15を有する。ロータ13は、上述したシャフトに固定され、ステータ12に対し相対回転可能に設けられている。ロータ13には、回転方向に異種の磁極が設けられている。
ステータ12のコイル15とインバータ回路3とが配線により電気的に接続されている。インバータ回路3とバッテリ4とが配線により電気的に接続されている。回転電機10は、インバータ回路3のスイッチング動作により、モータまたは発電機として機能する。そのため、回転電機10は、エンジン2の始動、コンプレッサ20の駆動、及びバッテリ4への充電が可能である。
コンプレッサ20は、シャフト80の正回転及び逆回転において冷媒の圧縮容量を変更可能な容量可変型斜板式コンプレッサである。コンプレッサ20は、回転電機10と共通のシャフト80を有する。シャフト80に設けられた斜板22および斜板保持部23は、シャフト80とともに回転する。斜板22は、円盤部24及び支持部25を有する。支持部25は、円盤部24から延びて斜板保持部23に回転可能に支持される。斜板22の円盤部24と斜板保持部23との間に設けられたスプリング26は、円盤部24を斜板室27側に付勢している。円盤部24は、その外縁がシュー28を介し、複数のピストン29の径外方向の外壁に設けられた凹部30に摺接している。複数のピストン29は、シャフト80の周方向に配置され、それぞれが軸方向に往復移動可能である。
コンプレッサ20は、吐出室31の冷媒を斜板室27に分配可能な図示しない制御弁の開弁度を制御することで、斜板室27の圧力を調節可能である。斜板22は、斜板室27の圧力とスプリング26の加重に応じて支持部25を軸として円盤部24の傾斜角を変える。シャフト80の回転軸に対して円盤部24の傾斜角が大きくなると、シャフト80の回転とともに往復移動する複数のピストン29のストロークは大きくなる。一方、シャフト80の回転軸に対して円盤部24が垂直になると、複数のピストン29のストロークは0になる。
ケース70には、ピストン29の往復移動により外部から冷媒が吸入される吸入室32と、ピストン29の往復移動により圧縮された冷媒が吐出される吐出室31とが設けられている。吸入室32と吐出室31とは、それぞれピストン29が収容されるポンプ室33と連通している。吐出室31とポンプ室33との間には、逆止弁34が設けられている。
複数のピストン29がポンプ室33を軸方向に往復移動すると、吸入室32からポンプ室33に冷媒が吸入され、ポンプ室33で圧縮された冷媒が吐出室31から外部に吐出される。この構成により、コンプレッサ20は、斜板室27の圧力を制御することで斜板22の傾斜角を調節し、シャフト80の正回転および逆回転において冷媒の吐出容量を変えることができる。
ケース70の軸方向の一方に、シャフト80と同軸にプーリ40が設けられている。プーリ40は、外側ドラム41、内側回転部42及び接続板43を有している。外側ドラム41は、ケース70の軸方向の一方に設けられた筒部74に軸受75を介して回転可能に支持されている。内側回転部42は、外側ドラム41の径内方向に筒状に設けられる。外側ドラム41と内側回転部42とを接続板43が接続している。
エンジン2のクランクシャフト5に設けられたクランクシャフト側プーリ6と、外側ドラム41との間にベルト7が巻き掛けられている。このため、プーリ40は、エンジン2のクランクシャフト5と連動して回転する。
シャフト80の軸方向の一方に有底筒状のシャフト入出力端81が固定されている。シャフト入出力端81は、底部82および外側回転部83を有する。底部82は、中央に設けられた孔がシャフト80に固定され、ケース70の軸方向の端面に軸受76を介して回転可能に支持されている。外側回転部83は、底部82の外縁から軸方向に筒状に延び、プーリ40の内側回転部42の径外方向に設けられる。シャフト入出力端81は、シャフト80と共に回転する。
図1及び図2に示すように、機械式クラッチ50は、遠心クラッチ51およびワンウェイクラッチ61から構成され、外側回転部83と内側回転部42との間に設けられる。遠心クラッチ51とワンウェイクラッチ61とは、同軸上に設けられている。
図3に示すように、遠心クラッチ51は、動力伝達マス52、環状ばね53、およびガイド54を有する。動力伝達マス52は、周方向に3個設けられ、それぞれ内側回転部42から径外方向に延びるガイド54に案内され、径方向に往復移動可能である。3個の動力伝達マス52の周方向に延びる孔55に設けられた円環状の環状ばね53は、その締め付け力により、3個の動力伝達マス52を径内方向に付勢している。
エンジン2の回転数が所定値以上になると、動力伝達マス52は、環状ばね53の締め付け力に抗し、遠心力によってガイド54に沿って径外方向へ移動する。そのとき、動力伝達マス52は、外側回転部83の内壁84に当接し、摩擦力によって外側回転部83と共に回転する。これにより、遠心クラッチ51は、エンジン2の回転数が所定値以上になると、内側回転部42から外側回転部83へ動力を伝達する。
一方、エンジン2の回転数が所定値未満になると、動力伝達マス52は、環状ばね53の締め付け力により径内方向へ移動し、外側回転部83から離れる。これにより、遠心クラッチ51は、エンジン2の回転数が所定値未満になると、内側回転部42から外側回転部83への動力伝達を解除する。
図4に示すように、ワンウェイクラッチ61は、内円盤部62、爪部63、コイルスプリング64およびころ部材65を有する。
なお、以下の説明において、エンジン2の回転方向と同期する方向に回転することを正回転といい、正回転と反対方向に回転することを逆回転というものとする。
内円盤部62は、内側回転部42から径外方向へ円筒状に延びる。内円盤部62は、内側回転部42に固定され、内側回転部42と共に回転する。
爪部63は、逆回転方向に向かい外側回転部83から内円盤部62へ近づくように傾斜する傾斜面66を有し、周方向に複数個設けられている。
ころ部材65は、各爪部63と爪部63との間に、周方向に複数個設けられる。この複数個のころ部材65は、爪部63の逆回転方向の内壁にコイルスプリング64により接続されている。
外側回転部83が正回転するとき、ころ部材65は、爪部63の傾斜面66と内円盤部62の外壁67との間の隙間に噛みこむ。これにより、ころ部材65は、爪部63と内円盤部62とを係止する。そのため、ワンウェイクラッチ61は、回転電機10がシャフト80を正回転するとき、外側回転部83から内側回転部42へ動力を伝達する。
一方、外側回転部83が逆回転するとき、コイルスプリング64が縮み、ころ部材65は、爪部63および内円盤部62から外れる。そのため、ワンウェイクラッチ61は、回転電機10がシャフト80を逆回転するとき、外側回転部83から内側回転部42への動力伝達を解除する。
また、エンジン2の回転数が所定値以上になり、遠心クラッチ51が内側回転部42から外側回転部83へ動力を伝達するとき、コイルスプリング64が縮み、ころ部材65は、爪部63および内円盤部62の噛みこみから外れる。これにより、ワンウェイクラッチ61は、遠心クラッチ51が内側回転部42から外側回転部83へ動力を伝達するとき、外側回転部83から内側回転部42への動力伝達を解除する。
次に、スタータジェネレータ1の動作について、図5を参照して説明する。
C1は、車両走行時にエアコン作動が要求されている状況を示している。このとき、エンジン2の回転数が所定値以上であることで遠心クラッチ51が動力伝達状態となり、内側回転部42から外側回転部83にエンジン2の駆動力が伝達され、シャフト80が正回転する。このとき、回転電機10は、インバータ回路3のスイッチング動作により発電機として機能し、バッテリ4に電力を充電する。また、コンプレッサ20は、任意の容量に設定され、冷媒を吐出する。
C2は、エアコン作動が要求されたまま、例えばアイドリングストップなどによってエンジン2が停止した状況を示している。このとき、エンジン2の回転数が所定値未満となることで遠心クラッチ51が動力非伝達状態となる。それと同時に、回転電機10がバッテリ4の電力によりモータとして機能し、シャフト80を逆回転させる。これにより、コンプレッサ20が冷媒を吐出し、エアコンは継続して作動する。
シャフト80が逆回転している場合、ワンウェイクラッチ61は動力を伝達することがないので、回転電機10とコンプレッサ20はエンジン2から独立して駆動することが可能である。このため、回転電機10は、エンジン2を不要に回転させることなく、必要最低限の消費電力でコンプレッサ20を駆動し、エアコンを作動させることができる。
C3は、車両が停止したまま、エアコンに停止指令がされた状況を示している。このとき、回転電機10が停止し、コンプレッサ20の冷媒吐出容量がゼロとなる
C4は、状況C3から車両が発進する状況を示している。このとき、回転電機10がバッテリ4の電力によりモータとして機能し、シャフト80を正回転させる。そのため、ワンウェイクラッチ61が動力伝達状態となり、外側回転部83から内側回転部42に回転電機10の駆動力が伝達され、エンジン2が回転する。
エンジン2の始動後、エンジン2の回転数が所定値以上となると、遠心クラッチ51が動力伝達状態となり、内側回転部42から外側回転部83にエンジン2の駆動力が伝達され、シャフト80が正回転する。回転電機10は、インバータ制御により、モータから発電機として機能する状態に移行する。このため、外側回転部83から内側回転部42に動力の伝達がされることなく、ワンウェイクラッチ61は動力非伝達状態となる。
コンプレッサ20は、シャフト80と共に回転するが、冷媒吐出容量をゼロにすることで、エンジン2の動力損失が無い状態となる。
C5は、C4から例えばアイドリングストップなどによってエンジン2が停止した後、エアコン作動が要求された状況を示している。このとき、回転電機10がバッテリ4の電力によりモータとして機能し、シャフト80を逆回転させる。これにより、コンプレッサ20は冷媒を吐出し、エアコンが作動する。
C6は、C5から車両が発進する状況を示している。このとき、回転電機10は、逆回転駆動から正回転駆動に転じる。これにより、ワンウェイクラッチ61が動力伝達状態となり、エンジン2が回転する。回転電機10が逆回転駆動から正回転駆動に転じるとき、コンプレッサ20は、シャフト80の回転数に応じて所望の冷媒吐出量を保つように制御される。つまり、コンプレッサ20は、シャフト80の回転数が小さくなるに従い斜板22の傾斜角を大きくし、シャフト80の回転数が大きくなるに従い斜板22の傾斜角を小さくする。これにより、エアコンは、作動が途切れることなく、継続して作動する。
なお、コンプレッサ20の冷媒吐出量は、回転電機10によるエンジン始動が優先されるように制御される。このため、スタータジェネレータ1は、回転電機10を大型化することなく、エアコン作動とエンジン始動を両立することができる。
エンジン2の始動後、エンジン2の回転数が所定値以上となると、遠心クラッチ51が動力伝達状態となり、回転電機10は、モータから発電機として機能する状態に移行する。また、コンプレッサ20は、任意の容量に設定され、冷媒を吐出する。これにより、エンジン2の駆動力によって発電とエアコン作動が行われる。
C7は、車両の走行時、エアコンの停止指令と要求指令とが交互になされた状況を示している。このとき、コンプレッサ20は、吐出容量の増減、又は吐出容量ゼロへの移行により、エアコン要求に対応する。
本実施形態では、以下の作用効果を奏する。
(1)本実施形態では、スタータジェネレータ1のシャフト80と、エンジン2との間の動力伝達を、遠心クラッチ51およびワンウェイクラッチ61により行う。これにより、従来の電磁クラッチを使用した車両駆動装置に対し、消費電力を低減することができる。
(2)エンジン停止時、回転電機10は、シャフト80を逆回転することで、コンプレッサ20を動作させる。これにより、エンジン停止時に、コンプレッサ20は回転電機10の動力により冷媒の圧縮が可能となる。このとき、遠心クラッチ51およびワンウェイクラッチ61による動力伝達は解除されているので、回転電機10の動力損失が防がれる。
(3)エンジン始動時、回転電機10は、シャフト80を正回転し、エンジン2を回転させると共に、コンプレッサ20を動作させる。これにより、外側回転部83からワンウェイクラッチ61を経由して内側回転部42へ動力が伝達され、エンジン2が始動する。
コンプレッサ20の冷媒吐出容量を調節することで、スタータジェネレータ1は、回転電機10を大型化することなく、エンジン2の始動とエアコン作動を両立することができる。
(4)エンジン駆動時、エンジン2から遠心クラッチ51を経由し、シャフト80に伝達される動力により回転電機10は発電可能であり、コンプレッサ20は冷媒を圧縮可能である。回転電機10とコンプレッサ20とが共通のシャフト80を有するので、スタータジェネレータ1は、簡素な構成で発電と冷媒の圧縮を行うことができる。
(5)回転電機10は、エンジン2の始動、コンプレッサ20の駆動、及びバッテリ4への充電が可能である。回転電機10に3つの機能を一体化することにより、スタータジェネレータ1を適用した車両駆動装置の体格を小さくすることが可能である。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を図6に示す。第2実施形態において、上述した第1実施形態と実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
第2実施形態では、コンプレッサ20により圧縮された冷媒をモータ室11に導入する第1冷媒流路91と、モータ室11に導入された冷媒をコンプレッサ20に戻す第2冷媒流路92とが設けられている。第1冷媒流路91および第2冷媒流路92は、配管部品であってもよく、または、ケース70の内部に形成された冷媒通路であってもよい。
本実施形態の第1冷媒流路91および第2冷媒流路92が、特許請求の範囲に記載の「冷媒流路」に相当する。
コンプレッサ20の吐出室31に設けられた吐出口35から吐出された冷媒は、車両のクーラーコンデンサ93およびエバポレータ94などから構成された冷凍サイクルを経由した後、第1冷媒流路91を通り、回転電機10が収容されるモータ室11に設けられた冷媒入口16に導入される。回転電機10は、この冷媒によって冷却される。モータ室11に導入された冷媒は、モータ室11に設けられた冷媒出口17から第2冷媒流路92を通り、コンプレッサ20の吸入口36から吸入室32に吸入される。
第2実施形態では、コンプレッサ20により圧縮された冷媒をモータ室11に循環させる第1冷媒流路91および第2冷媒流路92を備える。これにより、回転電機10の発熱が抑制されるので、回転電機10に供給する電流を大きくすることができる。したがって、回転電機10の出力トルクを高めると共に、その体格を小さくすることができる。この結果、スタータジェネレータを適用した車両駆動装置の体格を小さくすることができる。
(他の実施形態)
上述した実施形態のスタータジェネレータは、アイドリングストップシステムを採用した車両駆動装置に適用した。これに対し、他の実施形態では、スタータジェネレータは、例えば、エンジンの駆動力と回転電機の駆動力とを組み合わせて車両を走行させるハイブリッド車両駆動装置など、種々の車両駆動装置に適用することが可能である。
上述した実施形態では、ガイドおよび動力伝達マスなどを有する遠心クラッチの一例について説明した。また、ころ部材などを有するワンウェイクラッチの一例について説明した。これに対し、他の実施形態では、遠心クラッチおよびワンウェイクラッチに、種々の機械式クラッチを適用することが可能である。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、上記複数の実施形態を組み合わせることに加え、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
1 ・・・スタータジェネレータ
10・・・回転電機
20・・・コンプレッサ
42・・・内側回転部
51・・・遠心クラッチ
61・・・ワンウェイクラッチ
80・・・シャフト
83・・・外側回転部

Claims (8)

  1. ステータ(12)、このステータに対し相対回転可能に設けられたロータ(13)、及び前記ロータの回転中心に設けられたシャフト(80)を有する回転電機(10)と、
    前記回転電機と共通の前記シャフトを有し、前記シャフトの正回転及び逆回転により冷媒の圧縮容量を変更することの可能なコンプレッサ(20)と、
    前記シャフトと同軸に設けられ、外部の動力源に連動して回転可能な内側回転部(42)と、
    前記内側回転部の径外方向に設けられ、前記シャフトと共に回転する外側回転部(83)と、
    前記内側回転部の回転数が所定値以上になると、前記内側回転部から前記外側回転部へ動力を伝達し、前記内側回転部の回転数が所定値未満になると、前記内側回転部から前記外側回転部への動力伝達を解除する遠心クラッチ(51)と、
    前記回転電機が前記シャフトを正回転するとき前記外側回転部から前記内側回転部へ動力を伝達し、前記回転電機が前記シャフトを逆回転するとき前記外側回転部から前記内側回転部への動力伝達を解除するワンウェイクラッチ(61)と、を備えることを特徴とするスタータジェネレータ。
  2. 前記遠心クラッチと前記ワンウェイクラッチとは、前記シャフトと同軸に設けられることを特徴とする請求項1に記載のスタータジェネレータ。
  3. 前記動力源は、エンジン(2)であり、
    前記ワンウェイクラッチは、
    前記回転電機が前記エンジンの回転方向と同期する方向に前記シャフトを回転するとき、前記外側回転部から前記内側回転部へ動力を伝達し、
    前記回転電機が前記エンジンの回転方向と同期する方向とは逆方向に前記シャフトを回転するとき、前記外側回転部から前記内側回転部への動力伝達を解除することを特徴とする請求項1または2に記載のスタータジェネレータ。
  4. 前記動力源は、エンジン(2)であり、
    前記ワンウェイクラッチは、前記遠心クラッチが前記内側回転部から前記外側回転部へ動力を伝達して前記シャフトが前記エンジンの回転方向と同期する方向に回転するとき、前記外側回転部から前記内側回転部への動力伝達を解除することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のスタータジェネレータ。
  5. 前記エンジンの停止時、前記回転電機は、前記エンジンの回転方向と同期する方向に対して逆方向に前記シャフトを回転し、前記コンプレッサを動作させることを特徴とする請求項3または4に記載のスタータジェネレータ。
  6. 前記エンジンの始動時、前記回転電機は、前記エンジンの回転方向と同期する方向に前記シャフトを回転し、前記エンジンの前記エンジンを回転させると共に、前記コンプレッサを動作可能であることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載のスタータジェネレータ。
  7. 前記エンジンの駆動時、前記内側回転部から前記外側回転部を経由して前記シャフトに伝達される動力により、前記回転電機は発電可能であり、前記コンプレッサは冷媒を圧縮可能であることを特徴とする請求項3〜6のいずれか一項に記載のスタータジェネレータ。
  8. 前記回転電機は、ステータおよびロータを収容するモータ室(11)を有し、
    前記コンプレッサにより圧縮された冷媒を前記モータ室内に循環させる冷媒流路(91、92)を備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のスタータジェネレータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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