JP2013222622A - 溶融塩電池装置及び車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】電力調整部で溶融塩電池を加熱することにより、小型化を可能にした溶融塩電池装置及び車両を提供する。
【解決手段】溶融塩電池装置1は、動作時に加熱が必要な溶融塩電池4と、溶融塩電池4の入出力電力を調整する電力調整部3とを備える。電力調整部3は、発熱量の大きい第1回路体31と発熱量の小さい第2回路体32とを分離して備える。第1回路体31は溶融塩電池4に熱的に接触している。第1回路体31の熱が溶融塩電池4へ伝達して溶融塩電池4が加熱される。溶融塩電池4の加熱機構及び電力調整部3の冷却機構が簡略化され、溶融塩電池装置1の小型化が可能となる。また、溶融塩電池装置1を備えた車両内の省スペース化が可能になる。
【選択図】図2
【解決手段】溶融塩電池装置1は、動作時に加熱が必要な溶融塩電池4と、溶融塩電池4の入出力電力を調整する電力調整部3とを備える。電力調整部3は、発熱量の大きい第1回路体31と発熱量の小さい第2回路体32とを分離して備える。第1回路体31は溶融塩電池4に熱的に接触している。第1回路体31の熱が溶融塩電池4へ伝達して溶融塩電池4が加熱される。溶融塩電池4の加熱機構及び電力調整部3の冷却機構が簡略化され、溶融塩電池装置1の小型化が可能となる。また、溶融塩電池装置1を備えた車両内の省スペース化が可能になる。
【選択図】図2
Description
本発明は、溶融塩電池を備えた溶融塩電池装置、及び溶融塩電池装置を備えた車両に関する。
電力の効率的な利用のために、高エネルギー密度・高効率の蓄電池が必要とされている。このような蓄電池は、例えば、電気自動車又はハイブリッドカー等の車両での利用が想定されている。特許文献1には、蓄電池からの電力で動作する電気モータにより駆動する車両の例が開示されている。蓄電池からの電力を有効に利用するために、電力を利用する装置では、電力を調整する電力調整部を備えていることが多い。電力調整部は、インバータ回路、整流回路及び昇圧回路等を含んで構成されており、DC−DC変換、DC−AC変換及び周波数変換等の電力を調整するための処理を実行する。電力調整部は、インバータと呼ばれることもある。電力調整部は動作時に発熱するので、放熱用ヒートシンク又は水冷ジャケット等の冷却機構が必要となる。従来の車両用の電力調整部には、インバータ回路及び昇圧回路等の冷却が必要な回路をまとめたパワーモジュールを含んで構成され、パワーモジュールを冷却するようにしたものがある。また、従来使用されている高エネルギー密度・高効率の蓄電池としては、ニッケル水素電池及びリチウムイオン電池がある。これらの電池は、高温状態では劣化する可能性があるので、電力調整部からある程度離れた位置に配置されているのが通常である。その他の高エネルギー密度・高効率の蓄電池として、溶融塩電池がある。溶融塩電池は、電解質に溶融塩を用いた電池であり、溶融塩が溶融した状態で動作する。
溶融塩電池を動作させるためには、溶融塩が液体の状態を保てるように、溶融塩電池内の温度を溶融塩の融点よりも高い温度に保つ必要がある。このため、溶融塩電池には加熱機構が必要である。溶融塩電池には加熱機構が必要であり、電力調整部には冷却機構が必要であるので、溶融塩電池及び電力調整部を備えた装置は、大型化し、製造コストも高いという問題がある。また、従来の車両では、蓄電池と電力調整部とが離れているので、両者を連結するケーブルが必要となり、車両内にケーブル用の空間が必要になるという問題がある。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、電力調整部で溶融塩電池を加熱することにより、小型化を可能にした溶融塩電池装置及び車両を提供することにある。
本発明に係る溶融塩電池装置は、溶融塩を電解質として用いた溶融塩電池と、該溶融塩電池の電力を調整する電力調整部とを備える溶融塩電池装置であって、前記溶融塩電池は、容器を備え、前記電力調整部は、発熱量の大きい第1回路体と発熱量の小さい第2回路体とを分離して備え、前記第1回路体は、前記容器へ熱が伝わるように配置されていることを特徴とする。
本発明においては、溶融塩電池装置の電力調整部は、パワーデバイス等の動作時に発熱する部品を含み発熱量が大きい第1回路体と発熱量の小さい第2回路体とを分離して備え、第1回路体から溶融塩電池の容器へ熱が伝達するようになっている。第1回路体の熱により、溶融塩電池が加熱される。
本発明に係る溶融塩電池装置は、前記第1回路体は、伝熱板を有し、該伝熱板は前記容器に熱的に接触していることを特徴とする。
本発明においては、第1回路体は伝熱板を備え、伝熱板が溶融塩電池の容器に熱的に接触している。第1回路体の熱が伝熱板から溶融塩電池の容器へ伝わり、溶融塩電池が加熱される。
本発明に係る溶融塩電池装置は、複数の溶融塩電池を備え、前記伝熱板は、前記複数の溶融塩電池が夫々に備えた容器に熱的に接触していることを特徴とする。
本発明においては、溶融塩電池装置は、複数の溶融塩電池を備え、第1回路体の熱により、複数の溶融塩電池を加熱する。
本発明に係る溶融塩電池装置は、前記第2回路体は、前記容器との間に断熱部材を挟んで配置されていることを特徴とする。
本発明においては、第2回路体は、溶融塩電池の容器との間に断熱部材を挟んで配置されている。このため、第2回路体は第1回路体及び溶融塩電池から近距離に配置される。
本発明に係る車両は、駆動用モータを備える車両において、前記駆動用モータへ電力を供給するための請求項1乃至4の何れか一つに記載の溶融塩電池装置を備えることを特徴とする。
本発明においては、駆動用モータを備える車両は、溶融塩電池装置を備える。電力調整部の近傍に溶融塩電池が配置され、両者を連結するためのケーブルが不要となる。
本発明にあっては、溶融塩電池を加熱するための加熱機構を簡略化・小型化することが可能となり、電力調整部に冷却機構が必ずしも必要では無くなるので、溶融塩電池装置の小型化が可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は、溶融塩電池装置1を備えた車両2の内部構成例を示す模式的ブロック図である。車両2は、駆動用に内燃機関であるエンジン21と電気モータ(駆動用モータ)23とを備えたハイブリッドカーである。また、車両2は、車両2の駆動時に発電を行う発電機22を備えている。更に、車両2は、溶融塩電池を含む溶融塩電池装置1を備え、発電機22及び電気モータ23は溶融塩電池装置1に接続されている。
(実施の形態1)
図1は、溶融塩電池装置1を備えた車両2の内部構成例を示す模式的ブロック図である。車両2は、駆動用に内燃機関であるエンジン21と電気モータ(駆動用モータ)23とを備えたハイブリッドカーである。また、車両2は、車両2の駆動時に発電を行う発電機22を備えている。更に、車両2は、溶融塩電池を含む溶融塩電池装置1を備え、発電機22及び電気モータ23は溶融塩電池装置1に接続されている。
図2は、実施の形態1に係る溶融塩電池装置1の構成を示す模式的斜視図である。溶融塩電池装置1は、溶融塩電池4と、溶融塩電池4の入出力電力を調整する電力調整部3とを備えている。電力調整部3は所謂インバータである。電力調整部3は、電力調整部3中の回路の内で動作時の発熱が大きい回路をまとめてモジュール化した第1回路体31と、第1回路体31中の回路以外の回路をまとめてモジュール化した第2回路体32とを分離して備えている。第1回路体31は、所謂パワーモジュールに対応し、動作時に冷却が必要である。第1回路体31は第2回路体32よりも発熱量が大きい。第1回路体31と第2回路体32とは互いに接続されている。また、第1回路体31は発電機22及び電気モータ23に接続されており、第2回路体32は溶融塩電池4に接続されている。
図3は、溶融塩電池4の内部構成を示す模式的斜視図である。溶融塩電池4は、直方体の箱状の電池容器46内に、矩形板状に形成された複数の正極41及び負極42を交互に重ね、それぞれの正極41と負極42との間にシート状のセパレータ43を配置して構成されている。図3中には、電池容器46の外形を破線で示している。正極41、負極42及びセパレータ43は、電池容器46の底面に対して縦に配置されている。
正極41は、矩形板状の集電体上にNaCrO2 等の正極活物質を含む正極材を塗布して形成してあり、負極42は、矩形板状の集電体上に、Sn(錫)等の負極活物質を含む負極材をメッキによって形成してある。セパレータ43は、ケイ酸ガラス又は樹脂等の絶縁性の材料で、内部に電解質を保持でき、また電荷のキャリアとなるイオンが通過できるような形状に形成されている。セパレータ43は、例えばガラスクロス又は多孔質の形状に形成された樹脂である。各セパレータ43は、正極41と負極42との間を離隔すべく配置されている。正極41、負極42及びセパレータ43には、溶融塩からなる電解質が含浸されている。
電解質は、溶融状態で電解液となる溶融塩である。融点を低下させるために、電解質は、複数種類の溶融塩が混合していることが望ましい。例えば、電解質は、ナトリウムイオンをカチオンとしFSA(ビスフルオロスルフォニルアミド)をアニオンとしたNaFSAと、カリウムイオンをカチオンとしFSAをアニオンとしたKFSAとの混合塩である。なお、電解質である溶融塩は、TFSA(ビストリフルオロメチルスルフォニルアミド)又はFTA(フルオロトリフルオロメチルスルフォニルアミド)等の他のアニオンを含んでいてもよく、有機イオン等の他のカチオンを含んでいてもよい。
複数の正極41には、導電材製の正極用接続部材44が接続されており、複数の負極42には、導電材製の負極用接続部材45が接続されている。正極用接続部材44及び負極用接続部材45は、夫々に、溶融塩電池4で充放電を行うための図示しない金属端子に接続されている。金属端子は、第2回路体32に接続されている。なお、図3に示した溶融塩電池4の構成は模式的な構成であり、溶融塩電池4内には、充放電時の正極41及び負極42の変形を抑制するための弾性部材等、図示しないその他の構成物が含まれていてもよい。また、図3には負極42を正極41よりも一枚多く備える形態を示したが、負極42及び正極41は同数であってもよく、正極41の方が多くてもよい。また、溶融塩電池4は、一対の正極41及び負極42を備える形態であってもよい。
図4は、電力調整部3内の回路の例を示す回路図である。溶融塩電池4には、昇圧回路311が接続されている。昇圧回路311の後段には、平滑コンデンサ323が接続されており、平滑コンデンサ323に発電機用インバータ回路312が接続されている。また発電機用インバータ回路312に並列に、電気モータ用インバータ回路313が接続されている。発電機用インバータ回路312は発電機22に接続されており、電気モータ用インバータ回路313は電気モータ23に接続されている。発電機用インバータ回路312は、発電機22から出力される電力の変換を行う。電気モータ用インバータ回路313は、電気モータ23へ供給するための電力の変換を行う。電力調整部3は、更に、電力調整部3全体の動作を制御する制御部321を備えている。制御部321は、例えばECU(Electronic Control Unit)又はマイコンで構成されている。電力調整部3は、発電機22から出力された電力を調整して溶融塩電池4へ入力し、溶融塩電池4を充電させる。また、電力調整部3は、発電機22が放電した電力を調整して電気モータ23へ供給し、電気モータ23を駆動させる。
電力調整部3を構成する回路の内、昇圧回路311、発電機用インバータ回路312及び電気モータ用インバータ回路313は、第1回路体31に含まれている。各回路は、大電力を扱うことが出来るIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor )等のパワーデバイスを用いて構成されている。パワーデバイスは、耐熱性能の高いものが望ましい。第1回路体31は、これらの回路をまとめてモジュール化したものである。第1回路体31内の回路は、いずれも動作時に発熱し、動作時に冷却が必要である。また、制御部321、平滑コンデンサ323、平滑コンデンサ324及びコイル325は、第2回路体32に含まれている。第2回路体32内の各回路は、第1回路体31内の回路に比べて発熱量が小さく、動作時の冷却は不必要である。第1回路体31と第2回路体32との間は金属端子で接続されている。また、第2回路体32と溶融塩電池4との間も金属端子で接続されている。なお、第2回路体32には、一部、第1回路体31内の回路よりも発熱量の大きい回路が含まれていてもよい。この形態でも、第1回路体31全体の発熱量は、第2回路体32全体の発熱量よりも大きい。
図2に示すように、ヒータ51が溶融塩電池4の側面に接触して配置されている。ヒータ51は溶融塩電池4の電池容器46に接触している。ヒータ51は、図示しない他の電力供給部に接続されており、この電力供給部から溶融塩電池装置1の起動時に電力を供給されて発熱する。他の電力供給部は、例えば、他の電池又は車両2外の電源である。ヒータ51は、溶融塩電池4の起動時に溶融塩電池4を加熱して溶融塩電池4内の溶融塩を溶融させることができるだけの加熱能力を有する。また、ヒータ51は、溶融塩電池4に接続されており、溶融塩電池4の動作時には、溶融塩電池4から電力を供給されて発熱する。更に、溶融塩電池装置1は、ヒータ51による加熱を調整して溶融塩電池4内の温度を制御する図示しない制御部を備えている。なお、ヒータ51は、電力調整部3経由で電力を供給される形態であってもよく、溶融塩電池4内の温度を制御する処理を制御部321で実行してもよい。また、ヒータ51は、溶融塩電池4の動作時に溶融塩電池4から電力を供給されて発熱する形態であってもよい。
溶融塩電池4の上面には、板状の断熱部材52が配置されており、断熱部材52の上には、第2回路体32が配置されている。即ち、第2回路体32は、溶融塩電池4との間に断熱部材52を挟んで配置されている。断熱部材52の存在によって、溶融塩電池4の熱が第2回路体32へ伝達されることが防止される。
また、溶融塩電池4の側面に接触して、第1回路体31が配置されている。図5は、実施の形態1における第1回路体31の構造例を示す模式的断面図である。熱を伝達させる伝熱板33上に、絶縁基板34が配置されており、絶縁基板34上に、複数の部品35が実装されている。複数の部品35は、ダイオード、IGBT及び集積回路等のパワーデバイスであり、昇圧回路311、発電機用インバータ回路312及び電気モータ用インバータ回路313を含む第1回路体31内の回路を構成する部品である。絶縁基板34に対向して配線基板37が配置されており、配線基板37と伝熱板33、絶縁基板34及び複数の部品35との間には絶縁性のゲル材36が充填されている。配線基板37と複数の部品35との間は図示しないワイヤで接続されている。発電機22又は電気モータ23との間の接続、及び第1回路体31との間の接続は、配線基板37から行われている。伝熱板33の絶縁基板34が配置された面とは逆の面が、溶融塩電池4の電池容器46に接触している。第1回路体31の動作時には、複数の部品35で構成された昇圧回路311等の回路が発熱し、発生した熱は絶縁基板34を通して伝熱板33へ伝導する。第1回路体31で発生した熱は、更に、伝熱板33から溶融塩電池4の電池容器46へ伝導する。電池容器46は、熱伝導率が高い材料で形成されている。電池容器46の材料は、例えばアルミニウム等の金属である。第1回路体31で発生した熱は、電池容器46へ伝達され、溶融塩電池4が加熱される。なお、伝熱板33は電池容器46に直接に接触していなくても、熱的に接触していればよい。例えば、伝熱板33と電池容器46との間に接着剤、グリス又は熱を伝導させる部材が介在していてもよい。なお、伝熱板33無しで第1回路体31内の熱を電池容器46へ十分に伝達できるのであれば、第1回路体31は伝熱板33を備えていない形態であってもよい。例えば、熱伝導率が充分に高い材料で絶縁基板34が構成されており、絶縁基板34が電池容器46に接触していてもよい。
次に、溶融塩電池装置1の動作を説明する。溶融塩電池装置1が停止している状態では、溶融塩電池4内の温度は溶融塩の融点よりも低い温度まで低下しており、溶融塩は凝固して絶縁体となり、溶融塩電池4は動作不能となっている。車両2の起動時等、溶融塩電池装置1の起動時には、ヒータ51へ電力が供給され、ヒータ51は溶融塩電池4を加熱する。溶融塩電池4が加熱され、溶融塩電池4内の温度が溶融塩の融点以上となり、溶融塩が溶融して電解液となった状態で、溶融塩電池4は動作可能になり、溶融塩電池装置1も動作可能となる。車両2の移動中等、溶融塩電池装置1が動作している状態では、溶融塩電池4の放電により出力された電力は、電力調整部3で調整され、電気モータ23へ供給される。また、発電機22が発電した電力は、電力調整部3で調整され、溶融塩電池4へ入力され、溶融塩電池4は充電される。
電力調整部3の動作時に、第1回路体31は発熱し、第1回路体31で発生した熱が溶融塩電池4へ伝達される。第1回路体31で発生した熱が溶融塩電池4へ伝達されるので、第1回路体31は冷却される。同時に、第1回路体31によって溶融塩電池4は加熱される。溶融塩電池4内の温度は、溶融塩の融点以上に保たれるように制御される。また、断熱部材52の存在によって、第2回路体32の温度上昇が防止される。断熱部材52の材質及び厚さは、電力調整部3の動作時に第2回路体32の温度が第2回路体32の動作可能な温度範囲に保たれるように調整されている。
以上詳述した如く、本実施の形態に係る溶融塩電池装置1では、電力調整部3内の第1回路体31を溶融塩電池4に接触させておき、第1回路体31からの熱で溶融塩電池4を加熱する。このため、従来に比べて、溶融塩電池4を加熱する加熱機構を簡略化・小型化することが可能となる。例えば、従来の溶融塩電池に比べてヒータ51を簡略化・小型化することが可能となる。また、第1回路体31で発生した熱が溶融塩電池4へ伝達されることによって、第1回路体31は冷却されるので、第1回路体31を冷却するための冷却機構が電力調整部3には不必要となる。従って、溶融塩電池装置1の小型化が可能となる。
また、本実施の形態では、第2回路体32は、溶融塩電池4との間に断熱部材52を挟んで配置されている。このため、第2回路体32の温度上昇を防止しながら第2回路体32を溶融塩電池4の近傍に配置することが可能となり、第1回路体31と第2回路体32とを近距離に配置することが可能となった。電力調整部3の小型化が可能となると共に、従来に比べて、電力調整部3と溶融塩電池4との距離を近づけることが可能となった。従って、より溶融塩電池装置1の小型化が可能となる。
また、本発明では、第1回路体31を溶融塩電池4に接触して配置してあるので、溶融塩電池4を電力調整部3の近傍に配置した構成となっている。このため、車両2内で溶融塩電池4と電力調整部3とを連結するケーブルが不必要となり、車両2内の省スペース化が可能となる。省スペース化が可能となることにより、車室を広げるか又は設備の配置を変更するように設計することが可能になる等、車両2の設計における自由度が増すこととなる。
(実施の形態2)
図6は、実施の形態2に係る溶融塩電池装置1の構成を示す模式的斜視図である。溶融塩電池装置1は、二つの溶融塩電池4を並べて備えている。車両2の構成、溶融塩電池4の構成及び電力調整部3の回路構成は実施の形態1と同様である。ヒータ51は、二つの溶融塩電池4の夫々に配置されている。第2回路体32は、二つの溶融塩電池4との間に断熱部材52を挟んで配置されている。第2回路体32は二つの溶融塩電池4の夫々に接続されている。また、第2回路体31は、二つの溶融塩電池4の間に挟まれて両方の溶融塩電池4に接触した位置に配置されている。
図6は、実施の形態2に係る溶融塩電池装置1の構成を示す模式的斜視図である。溶融塩電池装置1は、二つの溶融塩電池4を並べて備えている。車両2の構成、溶融塩電池4の構成及び電力調整部3の回路構成は実施の形態1と同様である。ヒータ51は、二つの溶融塩電池4の夫々に配置されている。第2回路体32は、二つの溶融塩電池4との間に断熱部材52を挟んで配置されている。第2回路体32は二つの溶融塩電池4の夫々に接続されている。また、第2回路体31は、二つの溶融塩電池4の間に挟まれて両方の溶融塩電池4に接触した位置に配置されている。
図7は、実施の形態2における第1回路体31の構造例を示す模式的断面図である。二つの伝熱板33が向かい合わせに配置されており、二つの伝熱板33の向かい合った面の夫々に、絶縁基板34が配置されている。向かい合った二つの絶縁基板34の間に、第1回路体31内の回路を構成する複数の部品35が実装されている。二つの伝熱板33の間、及び二つの絶縁基板34の間には、絶縁性のゲル材36が充填されている。なお、第1回路体31は、図示しない接続用の基板を更に備えていてもよい。一方の伝熱板33が一方の溶融塩電池4の側面に接触し、他方の伝熱板33が他方の溶融塩電池4の側面に接触している。各伝熱板33は、各溶融塩電池4の電池容器46に接触している。伝熱板33は、電池容器46に直接に接触していなくても、熱的に接触していればよい。第1回路体31の各回路で発生した熱は、二つの絶縁基板34を通して二つの伝熱板33へ伝導し、各伝熱板33から夫々の電池容器46へ伝導する。その結果、二つの溶融塩電池4が加熱される。
本実施の形態においても、溶融塩電池装置1では、第1回路体31からの熱で二つの溶融塩電池4が加熱される。従来に比べて、溶融塩電池4を加熱する加熱機構を簡略化・小型化し、第1回路体31を冷却するための冷却機構が不必要となる。従って、二個の溶融塩電池4を備えた溶融塩電池装置1の小型化が可能となる。なお、第1回路体31の位置は、二つの溶融塩電池4の間に挟まった位置に限るものではなく、二つの溶融塩電池4の両方に熱的に接触した位置であればよい。例えば、第1回路体31は、構造が図5に示した構造であり、並んだ二つの溶融塩電池の両方に伝熱板33が接触した形態であってもよい。また、溶融塩電池装置1は、三個以上の溶融塩電池4を備え、全ての溶融塩電池4に第1回路体31が接触した形態であってもよい。これらの形態においても、複数の溶融塩電池4を備えた溶融塩電池装置1の小型化が可能となる。また、実施の形態1と同様に、本実施の形態においても、溶融塩電池1を備えた車両2内で溶融塩電池4と電力調整部3とを連結するケーブルが不必要となり、車両2内の省スペース化が可能となる。
なお、本発明の溶融塩電池装置1は、車両2内に備えられた図示しない他の電気機器にも接続された形態であってもよい。また、車両2は、エンジン21、発電機22及び電気モータ23の内の何れかを備えていない形態であってもよい。例えば、車両2は、電気モータ23を備えていない形態であってもよく、エンジン21を備えていない電気自動車であってもよい。また、車両2は、発電機22を備えておらず、電気モータ23を発電機としても利用することができる形態であってもよい。
また、実施の形態1及び2においては、第1回路体31を冷却するための冷却機構を備えていない形態を示したが、溶融塩電池装置1は、電力調整部3に冷却機構を備えた形態であってもよい。この形態においても、電力調整部3に備えた冷却機構を従来よりも簡略化・小型化することが可能となり、溶融塩電池装置1の小型化が可能となる。また、実施の形態1及び2においては、溶融塩電池4の形状が直方体である例を示したが、溶融塩電池4の形状は円筒形等のその他の形状であってもよい。また、実施の形態1及び2においては、溶融塩電池装置1が車両2に備えられた形態を示したが、溶融塩電池装置1の形態は車両2に備えられた形態に限るものではない。例えば、溶融塩電池装置1は、住居、オフィス又は工場等に設置された形態であってもよい。この形態においても、溶融塩電池装置1の小型化が可能となり、設置スペースを小さくすることが可能となる。
1 溶融塩電池装置
2 車両
22 発電機
23 電気モータ(駆動用モータ)
3 電力調整部
31 第1回路体
311 昇圧回路
312 発電機用インバータ回路
313 電気モータ用インバータ回路
32 第2回路体
33 伝熱板
4 溶融塩電池
46 電池容器
51 ヒータ
52 断熱部材
2 車両
22 発電機
23 電気モータ(駆動用モータ)
3 電力調整部
31 第1回路体
311 昇圧回路
312 発電機用インバータ回路
313 電気モータ用インバータ回路
32 第2回路体
33 伝熱板
4 溶融塩電池
46 電池容器
51 ヒータ
52 断熱部材
Claims (5)
- 溶融塩を電解質として用いた溶融塩電池と、該溶融塩電池の電力を調整する電力調整部とを備える溶融塩電池装置であって、
前記溶融塩電池は、容器を備え、
前記電力調整部は、発熱量の大きい第1回路体と発熱量の小さい第2回路体とを分離して備え、
前記第1回路体は、前記容器へ熱が伝わるように配置されていること
を特徴とする溶融塩電池装置。 - 前記第1回路体は、伝熱板を有し、
該伝熱板は前記容器に熱的に接触していること
を特徴とする請求項1に記載の溶融塩電池装置。 - 複数の溶融塩電池を備え、
前記伝熱板は、前記複数の溶融塩電池が夫々に備えた容器に熱的に接触していること
を特徴とする請求項2に記載の溶融塩電池装置。 - 前記第2回路体は、前記容器との間に断熱部材を挟んで配置されていること
を特徴とする請求項1乃至3の何れか一つに記載の溶融塩電池装置。 - 駆動用モータを備える車両において、
前記駆動用モータへ電力を供給するための請求項1乃至4の何れか一つに記載の溶融塩電池装置を備えること
を特徴とする車両。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012094071A JP2013222622A (ja) | 2012-04-17 | 2012-04-17 | 溶融塩電池装置及び車両 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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