JP2013222522A - 有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法 Download PDF

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和也 長谷川
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Abstract

【課題】ガラス封止材からの水分や空気の侵入を抑制し、劣化の低減された信頼性の高い有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する。
【解決手段】有機エレクトロルミネッセンス素子は、基板2の表面に、第1電極3と有機発光層4と第2電極5とを有する有機発光体10が形成され、有機発光体10は、有機発光体10を収納する収納凹部11を有し基板2に接着されるガラス封止材1によって覆われて封止されている。ガラス封止材1は、発光領域に配置されるガラス板6と、発光領域の外周部に配置されるとガラス片7とが溶着により接合されて形成されている。有機発光体10側の表層が、ガラス板6とガラス片7とが溶着により接合されたときの気泡率よりも低い気泡率である。好ましい一形態では、ガラス封止材1は、ガラス板6の端部に設けられた段部8にガラス片7が接合されたものであり、ガラス板6によって有機発光体10側の表層が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、照明パネルなどの面状発光装置として利用可能な有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法に関する。
近年、有機エレクトロルミネセンス素子(以下「有機EL素子」ともいう)が照明パネルなどの用途に応用されている。有機EL素子としては、透光性の第1電極(陽極)と、発光層を含む複数の層により構成される有機層と、第2電極(陰極)とが、この順で透光性基板の表面に積層形成されたものが知られている。有機EL素子では、陽極と陰極の間に電圧を印加することによって、発光層で発した光が透光性の電極及び基板を通して外部に取り出される。
有機EL素子においては、有機層が水分や空気(特に酸素)によって劣化しやすいため、素子内部に水分や空気を侵入させないようにすることが重要である。水分や酸素によって有機層が劣化すると、発光不良等の原因となり、有機EL素子の信頼性を低下させてしまう。そのため、有機層を水分や空気から保護するために、有機層を含む積層体は、通常、透光性基板と接着される封止材によって封止され、外部から遮断されている。ここで、封止材としてガラス材料を用いると、ガラス材料は水分や空気を透過させにくいため、この部分を介しての水分や空気の侵入を少なくすることができる。
特開2005−112676号公報
封止材として積層体を収納する凹部を有するガラス封止材を用いることが知られている。凹部を有するガラス封止材は、ガラス基材の表面に、エッチングやサンドブラストなどの掘り込み加工により穴を掘り込むことにより形成することができる。しかしながら、ガラス基材の掘り込み加工は作業が煩雑となり、また、コスト高となり、容易に形成することができないという問題があった。そこで、プレス加工により複数のガラス材を溶着してガラス封止材の凹部を形成することが考えられる(例えば特許文献1参照)。
図7に、プレス加工によって複数のガラス材を溶着させてガラス封止材を作製する方法の一例を示す。プレス加工には、下型となるベース型枠20と、ベース型枠20に対向して配置され上型となる対向型枠22とを用いる。ベース型枠20には溝部21が設けられている。溝部21は有機EL素子を収納するための収納凹部11を形成する領域の外周部に周状に設けられるものである。対向型枠22には、ガラス材料を受け入れるための凹部として受入れ部23が設けられている。図7では、複数の有機EL素子分の大きさのガラス封止材1(ガラス封止材連結体)をプレス加工して得る例が示されている。
ガラス封止材1の作製にあたっては、図7(a)に示すように、まず、ベース型枠20の溝部21に挟まれた位置(平面視において溝部21で囲まれた位置)にガラス板6を配置するとともに、ベース型枠20の溝部21にガラス片7を配置する。そして、ベース型枠20と対向型枠22とでガラス板6及びガラス片7を挟みこんで加熱加圧してプレス加工する。プレス加工により、ガラス体6とガラス片7とが熱によって溶着して接合される。こうして、図7(b)に示すような収納凹部11を有するガラス封止材1を得ることができる。図7(b)では、個々の有機EL素子に対応して複数の収納凹部11が設けられたガラス封止材1(ガラス封止材連結体)が得られている。そして、図7(c)に示すように、ガラス材1(ガラス封止材連結体)を有機EL素子ごとの大きさで切断加工により分断することにより、収納凹部11を有するガラス封止材1を得ることができる。このガラス封止材1は、有機EL素子の封止に使用することができる。なお、ガラス封止材1(ガラス封止材連結体)は、封止後に切断するようにしてもよい。
このように、プレス加工では簡単に収納凹部11を有するガラス封止材1を作製することができる。しかしながら、複数のガラス材を溶着させた場合、溶着部分において気泡が生じやすく、気泡が素子の外部と内部とで繋がって水分や空気が通過する経路となるリークパスXが発生しやすいといった問題がある。リークパスXが形成されたガラス封止材1を用いて封止を行うと、リークパスXを介して水分や空気が素子の内部に侵入しやすくなり、有機層が劣化しやすくなってしまう。また、気泡が完全に繋がっていなくても、気泡率(気泡濃度)が高い部分が発生すると、この部分でのガラスの充填率が低くなり、強度が弱くなって衝撃によりガラスが破断するなどして気泡が繋がってしまうおそれがある。気泡が繋がるとリークパスXとなって、水分や空気が内部に侵入しやすくなってしまう。
特許文献1には、複数のガラス材をプレス加工によって溶着させて凹部を有するガラス封止材を形成することが開示されているが、この文献の方法では上記のようなリークパスの発生を抑制することはできない。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、ガラス封止材からの水分や空気の侵入を抑制し、劣化の低減された信頼性の高い有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することを目的とするものである。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、基板の表面に、第1電極と有機発光層と第2電極とを有する有機発光体が形成され、前記有機発光体は、前記有機発光体を収納する収納凹部を有し前記基板に接着されるガラス封止材によって覆われて封止されている有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記ガラス封止材は、発光領域に配置されるガラス板と、前記発光領域の外周部に配置されるとガラス片とが溶着により接合されて形成されており、前記有機発光体側の表層が、前記ガラス板と前記ガラス片とが溶着により接合されたときの気泡率よりも低い気泡率であることを特徴とするものである。
有機エレクトロルミネッセンスの好ましい一形態は、前記ガラス封止材は、前記ガラス板の端部に設けられた段部に前記ガラス片が接合されたものであり、前記ガラス板によって前記有機発光体側の表層が形成されているものである。
上記の有機エレクトロルミネッセンス素子にあっては、前記ガラス板の前記段部の深さは、前記ガラス板の厚みよりも小さいことが好ましい。
上記の有機エレクトロルミネッセンス素子にあっては、複数のガラス片が重ねられて接合されていることが好ましい。
上記の有機エレクトロルミネッセンス素子にあっては、前記ガラス板と前記ガラス片との間に、前記ガラス板と前記ガラス片とが溶着により接合されたときの気泡率よりも低い気泡率である接合ガラス層が設けられていることが好ましい。
有機エレクトロルミネッセンスの好ましい一形態は、前記ガラス板と前記ガラス片との間に、前記ガラス板と前記ガラス片とが溶着により接合されたときの気泡率よりも低い気泡率である接合ガラス層が設けられ、前記ガラス封止材における前記有機発光体側の表層は、前記ガラス板と前記接合ガラス層とを有して構成されているものである。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法は、基板の表面に、第1電極と有機発光層と第2電極とを有する有機発光体が形成され、前記有機発光体は、前記有機発光体を収納する収納凹部を有し前記基板に接着されるガラス封止材によって覆われて封止されている有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、前記収納凹部が配置される位置の外周部に溝部を有するベース型枠に、ガラス板を配置するガラス板配置工程と、前記溝部の位置に、平面視において前記収納凹部に隣接する前記溝部の側面と離間するようにガラス片を配置するガラス片配置工程と、前記ガラス板と前記ガラス片とを前記ベース型枠とこのベース型枠に対向する対向型枠とで挟みこんで加熱プレスすることにより、前記ガラス封止材における前記有機発光体側の表層が、前記ガラス板と前記ガラス片とが溶着により接合されたときの気泡率よりも低い気泡率となるように、前記溝部の側面と前記ガラス片との間の離間領域をガラス材料で充填して、前記ガラス板と前記ガラス片とを溶着により接合するガラス接合工程と、を有する工程により、前記ガラス封止材を作製し、前記ガラス封止材の前記収納凹部に前記有機発光体を収納して前記ガラス封止材と前記基板とを接着することを特徴とするものである。
有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法の好ましい一形態は、前記ガラス板配置工程において、前記ガラス板を前記溝部を覆うように配置し、前記ガラス片配置工程において、前記ガラス片を前記ガラス板の表面に載置させて配置し、前記ガラス接合工程において、前記加熱プレスにより、前記ガラス片を前記ガラス板に押し込んで前記ガラス板の端部に段部を設け、前記溝部の側面と前記ガラス片との前記離間領域を前記ガラス板で充填して、前記ガラス板と前記ガラス片とを接合し、前記ガラス板によって前記ガラス封止材の前記有機発光体側の表層を形成するものである。
上記の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法にあっては、前記ガラス板と前記ガラス片との間にガラス粉末を配置するガラス粉末配置工程を有し、前記ガラス接合工程において、前記加熱プレスにより、前記ガラス粉末から、前記ガラス板と前記ガラス片とが溶着により接合されたときの気泡率よりも低い気泡率である接合ガラス層を前記ガラス板と前記ガラス片との間に形成して、前記ガラス板と前記ガラス片とを接合することが好ましい。
有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法の好ましい一形態は、前記ガラス板配置工程において、前記ベース型枠の前記収納凹部が配置される領域にガラス板を配置し、前記ガラス片配置工程において、前記ガラス片を前記溝部に配置し、前記ガラス封止材の作製の工程は、前記離間領域の位置に設けられた前記ガラス板と前記ガラス片との隙間にガラス粉末を充填して配置するガラス粉末配置工程を有し、前記ガラス接合工程において、前記加熱プレスにより、前記ガラス粉末から、前記ガラス板と前記ガラス片とが溶着により接合されたときの気泡率よりも低い気泡率である接合ガラス層を前記ガラス板と前記ガラス片との間に形成して、前記ガラス板と前記ガラス片とを接合し、前記ガラス封止材における前記有機発光体側の表層を、前記ガラス板と前記接合ガラス層とを有するように構成するものである。
前記ガラス板と前記ガラス片とは融点の差が10℃以内であることが好ましい。
前記ガラス粉末は、前記ガラス板及び前記ガラス片の融点以下の融点であることが好ましい。
本発明によれば、ガラス封止材にリークパスが形成されるのを低減できるため、ガラス封止材からの水分や空気の侵入を抑制することができる。その結果、劣化の低減された信頼性の高い有機エレクトロルミネッセンス素子を得ることができる。
有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法の実施形態の一例を示す断面図であり、(a)〜(c)はガラス封止材の作製の一例を示し、(d)は有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す。 (a)はガラス封止材の一例を示す斜視図、(b)は有機エレクトロルミネッセンス素子の内部構造の一例を示す斜視図である。 ガラス封止材の形態の一例を示す断面図である。 (a)はガラス封止材の形態の一例を示す断面図であり、(b)はガラス封止材の作製の一例を示す断面図である。 (a)はガラス封止材の形態の一例を示す断面図であり、(b)はガラス封止材の作製の一例を示す断面図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法の実施形態の一例を示す断面図であり、(a)〜(c)はガラス封止材の作製の一例を示し、(d)は有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す。 (a)〜(c)は、従来のガラス封止材の作製方法の一例を示す断面図である。
図1(a)〜(d)は、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)の製造方法の一例を示している。本形態では、図1(d)に示す有機EL素子が得られる。また、図2は、有機EL素子を分解した様子を示しており、図2(a)はガラス封止材1の一例を示し、図2(b)は、ガラス封止材1を取り除いた有機EL素子の内部構造の一例を示している。
図1(d)及び図2に示すように、有機EL素子は、基板2の表面に、第1電極3と有機発光層4と第2電極5とを有する有機発光体10が形成されたものである。有機発光体10は、有機発光体10を収納する収納凹部11を有し基板2に接着されるガラス封止材1によって覆われて封止されている。なお、図1(d)では、素子の構造を分かりやすくするため、図1(a)〜(c)よりも拡大して図示し、さらに、左側に第1電極引き出し部12a側の端部を、右側に第2電極引き出し部12b側の端部を図示している。
基板2は、光透過性を有する透明な基板2であることが好ましく、ガラス基板などを用いることができる。基板2をガラス基板で構成した場合、ガラスは水分や空気の透過性が低いので、封止領域の内部に水分や空気が侵入することを抑制することができる。基板2の表面における第1電極3との界面には、光取り出し層が設けられていてもよい。光取り出し層を設けることにより、光取り出し性を高めることができる。光取り出し層は、ガラスよりも屈折率の高い樹脂層や、光散乱粒子を含む樹脂層や、高屈折率ガラスなどによって形成することができる。基板2に使用するガラス材料としては、無アルカリガラスやソーダガラスなどを用いることができる。
有機発光体10は、第1電極3、有機発光層4及び第2電極5の積層体である。有機発光体10の設けられる領域は、平面視(基板表面と垂直な方向から見た場合)において、基板2の中央部の領域である。有機EL素子では、平面視における有機発光体10が設けられた領域が発光領域となる。
第1電極3及び第2電極4は、互いに対となる電極であり、一方が陽極を構成し、他方が陰極を構成する。本形態では、第1電極3により陽極を構成し、第2電極5により陰極を構成することができるが、その逆であってもよい。第1電極3が光取り出し側の電極となる場合、第1電極3は光透過性を有することが好ましい。光透過性を有する第1電極3は、透明導電層によって構成することができる。透明導電層の材料としては、ITO、IZOなどが例示される。また、第2電極5は光反射性を有していてもよい。その場合、第2電極5側に向って発せられる発光層からの光を、第2電極5で反射させて基板2側から取り出すことができる。また、第2電極5は光透過性の電極であってもよい。第2電極5が光透過性の場合、ガラス封止材1側の面から光を取り出す構造にすることが可能である。あるいは、第2電極5が光透過性の場合、第2電極5における有機発光層4とは反対側の面に光反射性の層を設けることによって、第2電極5の方向に進行した光を反射させて、基板2側から取り出すことが可能である。第2電極5は、例えば、AlやAgなどにより形成することができる。
有機発光層4は、発光を生じさせる機能を有する層であり、ホール注入層、ホール輸送層、発光層(発光材料を含有する層)、電子輸送層、電子注入層、中間層などから適宜選ばれる複数の機能層によって構成されるものである。
有機EL素子では、第1電極3と第2電極5とに電圧を印加し、有機発光層4(発光材料含有層)において正孔と電子を結合させて発光を生じさせる。そのため、第1電極3及び第2電極5のそれぞれと導通する電極を封止領域よりも外部に引き出して設ける必要がある。引き出された電極は、外部電極と電気的に接続するための端子として機能することができる。本形態では、基板2の表面に、第1電極3及び第2電極5と導通する電極引き出し部12を設け、有機発光層4に電圧を印加できるようにしている。
電極引き出し部12は、基板2の端部表面に形成されている。電極引き出し部12は、第1電極3と導通する第1電極引き出し部12aと、第2電極5と導通する第2電極引き出し部12bとによって構成されている。電極引き出し部12は、第1電極3を構成する透明導電層によって形成することができる。
第1電極引き出し部12aは、第1電極3を構成する透明導電層が基板2の端部側に引き出され封止領域の外側にまで延出されることによって形成されている。第1電極3と導通する第1電極引き出し部12aが基板2の表面端部まで延出されることにより、封止領域の外部と素子内部とを電気的に接続させることが可能になる。また、第1電極3を延長することによって第1電極引き出し部12aを形成すると、簡単に第1電極引き出し部12aを形成することができる。
第2電極引き出し部12bは、第1電極3を形成するための透明導電層の一部が第1電極3から分離されるとともに、基板2の端部側に引き出され封止領域の外側にまで延出されることによって形成されている。第2電極5と導通する第2電極引き出し部12bが基板2の表面端部まで延出されることにより、封止領域の外部と素子内部とを電気的に接続させることが可能になる。そして、第1電極3を構成する透明導電層のパターン形成によって第2電極引き出し部12bを形成すると、簡単に第2電極引き出し部12bを形成することができる。第2電極引き出し部12bは、素子の内部において、積層された第2電極5と接触しており、それにより第2電極引き出し部12bと第2電極5とが導通する構造となっている。
有機発光体10の外周における透明導電層(第1電極3、電極引き出し部12)の表面には、金属層などによって補助電極が設けられていてもよい。補助電極を設けることにより、電極に対する通電を補助することができ、面内においてより均一な発光を得ることができる。
ガラス封止材1は、ガラス材料によって構成されるものである。封止材をガラス材料により形成することにより、水分や空気が侵入するのを高く抑制することができる。ガラス封止材1の中央部には、有機発光体10を収納する収納凹部11が形成されている。収納凹部11の深さは、有機発光体10の厚み以上にすることができる。それにより、封止した際に、有機発光体10を安全に収納して封止することができる。収納凹部11の深さは、有機発光体10の厚みの2倍以上や5倍以上などであってもよい。収納凹部11の深さが深くなりすぎると、素子の薄型化を図れなくなるおそれがあるため、収納凹部11の深さは、ガラス封止材1の発光領域における厚み(ガラス板6の厚み)以下であってよい。ガラス封止材1は、いわゆるガラスキャップとして使用することができる。キャップ状のカバーガラスを封止材として用いることにより、側方から水分や空気が侵入するのを高く抑制することができる。
ガラス封止材1は、接着材料によって基板2に接着されるものである。図2(b)では、ガラス封止材1が接着される部分を接着領域Tとして斜線の領域で示している。この接着領域Tよりも内側が封止領域となる。封止領域の内部においては、有機発光体10が気密されて封止されている。
ガラス封止材1を基板1に接着させる接着材料としては、例えば、樹脂性の接着材料を用いることができる。樹脂性の接着材料は、防湿性を有しているものが好ましい。例えば、乾燥剤を含有することにより防湿性を高めることができる。樹脂性の接着材料は、熱硬化性樹脂や紫外線硬化樹脂などを主成分とするものであってもよい。
基板2とガラス封止材1とに挟まれて有機発光体10が封止された際、収納凹部11によって封止内部間隙が形成される。この封止内部間隙(収納凹部11)には、空洞となった封止空間が形成されていてもよいし、充填剤が充填されていてもよい。
収納凹部11に封止空間が形成された場合、封止空間には乾燥剤を設けることが好ましい。それにより、封止空間に水分が浸入したとしても、浸入した水分を吸収することができる。例えば、ガラス封止材1の収納凹部11の表面(凹部の底面)に貼り付けることにより乾燥剤を封止空間内に設けることができる。封止空間を形成して乾燥剤を取り付ける場合、充填剤を用いなくてもよいので、材料コストを下げることができ、簡単に封止を行うことができる。また、封止空間に不活性ガスを充填してもよい。それにより、有機発光層4の劣化を低減することができる。不活性ガスとしては窒素などが例示される。
また、収納凹部11を充填剤で満たした場合、ガラス封止材1で封止する際に、ガラス封止材1が内側に湾曲するなどしたとしても、有機発光体10に接触したりすることを低減でき、より安全に素子を製造することができる。また、充填剤を用いた場合、貼り付け式の乾燥剤を設けなくてもよいので、素子の薄型化を図ることができる。充填剤は乾燥剤や吸湿剤が配合された樹脂組成物で構成することができる。また、流動性を有する樹脂組成物を用いることにより、封止内部間隙に充填剤を簡単に充填することができる。充填剤は硬化するものであっても、硬化しないものであってもよい。また、充填剤が乾燥剤や吸湿剤を含有することによって、内部に水分が浸入したとしても、充填剤で水分を吸収することができ、有機発光層4に水分が到達することを抑制することができる。
本形態では、ガラス封止材1は、発光領域に配置されるガラス板6と、発光領域の外周部に配置されるとガラス片7とが溶着により接合されて形成されたものである。収納凹部11を有するガラス封止材1としては、平板状のガラス板材に掘り込み加工を行い、有機発光体10を収納するための収納凹部11を形成することも考えられる。しかしながら、掘り込み加工は、ガラスを削り落とす必要があるため、作業が煩雑となり、また、コスト高となって容易に行うことができないおそれがある。そこで、複数のガラス材料を溶着して接合して収納凹部11を有するガラス封止材1を形成するようにすれば、コスト安く容易にガラス封止材1を形成することができる。また、ガラスの端材を用いてガラス封止材1を形成することができるので、簡単に封止材を形成することができる。
ガラス封止材1は、有機発光体10側の表層が、ガラス板6とガラス片7とが溶着により接合されたときの気泡率よりも低い気泡率となっている。ガラス封止材1の表層は、封止した際に封止内部間隙と接する表面層であり、収納凹部11の表面(底面及び側面)を構成するものである。
ガラス材料を溶着してガラス封止材1を形成した場合、別のガラス材料を突き合わせて接合するため、溶着部分においては、通常、気泡率(空隙率)が高くなる。そして、気泡率が高くなると、気泡同士が連結して、素子の内部と外部とが連通し、水分や空気の侵入経路となるリークパスが生じやすくなる。リークパスが形成された封止材を用いて封止を行うと、リークパスを介して水分や空気が素子の内部に侵入しやすくなり、有機発光層4が劣化しやすくなってしまう。そこで、本形態では、ガラス封止材1の有機発光体10側の表層の気泡率を、ガラス板6とガラス片7とが溶着により接合されたときの気泡率よりも低くなるように、ガラス板6とガラス片7とを接合している。それにより、気泡率の低い表層によってリークパスを塞ぐことができ、気泡率が高くなった部分が封止領域の内部に接することがなくなるので、水分や空気がガラス封止材1を介して内部に侵入することを抑制することができる。
図1の形態では、ガラス封止材1は、ガラス板6の端部に設けられた段部8にガラス片7が接合されたものである。そして、ガラス板6によって、ガラス封止材1における有機発光体10側の表層が形成されている。すなわち、ガラス板6は端部において、ガラス板6の表面と略垂直な方向に屈曲した後、さらにガラス板6の表面と平行に外方に向かって屈曲している。そして、ガラス板6には、収納凹部11よりも外側の端部において、収納凹部11が形成された面とは反対側の表面に、収納凹部11が形成された面側に凹んで段部8が設けられている。この段部8は、収納凹部11を取り囲むようにガラス板6の外周全体に亘って形成されている。段部8にはガラス片7が配置されて、ガラス片7とガラス板6とが段部8の表面で接合されている。ガラス封止材1では、段部8とは反対側、すなわち、収納凹部11側には、屈曲したガラス板6が配置されている。
このように、収納凹部11の表面(底面及び側面)を一体となったガラス板6によって構成することによって、ガラス封止材1の表層を溶着部分を有さずにガラス板6で構成することができる。そのため、ガラス封止材1の表層に気泡率が高い部分が形成されることがないので、ガラス封止材1による気密性を高めることができる。
ガラス板6とガラス片7とは溶着により一体化される。一体化が促進され、気泡率が低くなると、ガラス板6とガラス片7との境界部分は曖昧になる。そのため、図1(d)では、ガラス板6とガラス片7との境界部分を溶着線Pとして点線で示している。
図1の形態の有機EL素子の製造方法について説明する。
有機EL素子は、ガラス板配置工程とガラス片配置工程とガラス接合工程とを有する工程によりガラス封止材1を作製し、ガラス封止材1の収納凹部11に有機発光体10を収納してガラス封止材1と基板2とを接着することにより製造することができる。
ガラス板配置工程は、収納凹部11が配置される位置の外周部に溝部21を有するベース型枠20に、ガラス板6を配置する工程である。ガラス片配置工程は、ベース型枠20の溝部21の位置に、平面視において収納凹部11に隣接する溝部21の側面21aと離間するようにガラス片7を配置する工程である。ガラス接合工程は、ガラス板6とガラス片7とをベース型枠20とこのベース型枠20に対向する対向型枠22とで挟みこんで加熱プレスすることにより、ガラス板6とガラス片7とを溶着により接合する工程である。ガラス接合工程では、ガラス封止材1における有機発光体10側の表層が、ガラス板6とガラス片7とが溶着により接合されたときの気泡率よりも低い気泡率となるように、溝部21の側面21aとガラス片7との間の離間領域Sをガラス材料で充填する。それにより、収納凹部11側の表層の気泡率が低いガラス封止材1を得ることができる。
図1の形態では、ガラス板配置工程において、ガラス板6を溝部21を覆うように配置することができる。また、ガラス片配置工程において、ガラス片7をガラス板6の表面に載置させて配置することができる。また、ガラス接合工程において、加熱プレスにより、ガラス片7をガラス板6に押し込んでガラス板6の端部に段部8を設けてガラス板6とガラス片7とを接合することができる。ガラス接合工程では、ベース型枠20の溝部21の側面21aとガラス片7との離間領域Sをガラス板6で充填することにより、ガラス板6によってガラス封止材1の表層を形成することができる。離間領域Sに充填するガラス材料はガラス板6となる。
このように、加熱プレスにより、ガラス片7を押し付けて軟化したガラス板6を折り曲げてガラス封止材1を作製することにより、ガラス封止材1の表層を一体化したガラス板6で形成することができる。すなわち、ガラス封止材1の表層はガラス板6の気泡率となり、ガラス封止材1の表層にガラス板6の気泡率より気泡率が高くなった部分が設けられなくなる。そのため、溶着部分によってリークパスが形成されるのを抑制し、ガラス封止材1を介して水分や空気が侵入するのを抑制することができる。
図1の形態では、複数の有機EL素子を封止することが可能な大きさのガラス封止材1(ガラス封止材連結体)を加熱プレスして作製する例を示している。複数の有機EL素子分のガラス封止材1を形成するようにすれば、一度に複数のガラス封止材1を作製することができるため、製造効率を高めることができる。もちろん、連結体ではなく、1つの有機EL素子を封止する分の大きさのガラス封止材1を作製するようにしてもよい。
ガラス板6としては、複数の有機EL素子を封止することが可能な大きさのガラス板6を用いることができる。ガラス板6は、表面が平坦な平板状のガラス板6であってよい。ガラス板6の厚みは、特に限定されるものではないが、0.5〜2.0mmの範囲にすることができる。ガラス板6の厚みがこの範囲であると、加熱プレス成形性、封止性、薄型化に好適となる。
ガラス片7としては、溝部21の幅よりもやや幅の小さいものを用いることができる。それにより、平面視した場合に、ガラス片7の側面の位置と溝部21の側面21aとの位置を離間させて離間領域Sをクリアランスとして形成することができる。本形態では、加熱プレスによりガラス片7を押し付けてガラス板6を凹ますが、離間領域Sを形成することにより、ガラス片7が押し込まれた際に、離間領域Sであるガラス片7と溝部21との間に軟化したガラス板6を変形させて押し込むことができる。離間領域Sがないと変形して移動するガラス板6を収めることができなくなり、ガラス板6が分断されるおそれがある。
平面視において形成されるガラス片7と溝部21との離間領域Sは、ガラス片7の両側のうち、発光領域が形成される側(収納凹部11側)の溝部21の側面21aとの間において少なくとも形成することができる。発光領域側において離間させて離間領域Sを設けることにより、発光領域側である封止内部側でガラス板6を変形させてガラス封止材1を形成することができる。発光領域とは反対側は、離間する領域が形成されていなくてもよいが、離間する領域が形成されている方が、変形したガラス板6を収納するスペースを確保できるため好ましい。
ガラス片7は端材を用いることができる。端材を用いることにより、コスト安く簡単にガラス封止材1を形成することができる。溝部21の幅程度のガラス片7の端材は、有機EL素子を製造する際に、ガラス切断工程において、多数形成され得るものである。ガラス片7の端材は、通常、大きさが小さいためそのままでは基板材料などとしては利用しにくいものである。しかしながら、本形態では、端材であるガラス片7をガラス封止材1の材料として用いることができるため、端材を有効に利用することができる。なお、大きさを満たすのであれば、ガラス板6に端材を用いてもよい。
ガラス片7は、表面が平坦な平板状のガラスの端材であってよい。ガラス片7の厚みは、特に限定されるものではないが、0.5〜2.0mmの範囲にすることができる。ガラス片7の厚みがこの範囲であると、加熱プレス成形性、封止性、薄型化に好適となる。
ガラス板6及びガラス片としては、適宜のガラス材料を用いることができる。例えば、無アルカリガラスやソーダガラスなどを使用することができる。ソーダガラスを用いれば、簡単に安価にガラス封止材1を形成することができる。
ガラス板6とガラス片7とは融点の差が10℃以内であることが好ましい。ガラス板6とガラス片7との融点が近いことにより、気泡の発生をより少なくしてガラス板6とガラス片7とを溶着接合することができる。また、ガラス板6とガラス片7の融点がより近づくと、一体化が促進されるため、より一体化したガラス封止材1を形成することができ、ガラス封止材1の強度を高めることができる。ガラス板6とガラス片7との融点の温度差は小さければ小さいほどよい。例えば、ガラス板6とガラス片7との融点の差を5℃以内、2℃以下、1℃以内、0.5℃以内又は0.1℃以内にすることができる。ガラス板6とガラス片7との融点の温度差の下限は0℃であってもよいが、実質的には測定限界の数値となる。ガラス板6とガラス片7との融点の差が、測定限界以下の温度差である場合、融点は同一であるといってもよい。また、ガラス板6とガラス片7との融点の差が、1℃以下ならば融点は略同一であるといってもよい。ガラス板6とガラス片7とを同じガラス材料で構成すれば、容易に融点の差を小さくすることができる。
ベース型枠20及び対向型枠22としては、ガラス材料のプレス成形に用いる型枠を用いることができる。通常、ベース型枠20は下型となり、対向型枠22が上型となる。型枠としては、セラミックス型、金型などを用いることができる。ガラス材料の加熱プレスではセラミックス型を用いることが好ましい。セラミックス型によりガラス材料を変質させることなく精度よく変形させることができる。
ベース型枠20は、表面に溝部21を有するものである。溝部21は、収納凹部11が配置される位置の外周部に設けられている。すなわち、溝部21は、有機発光体10を封止した際に発光領域が形成される位置の外周部を取り囲むように環状に設けられている。溝部21は平面視において矩形状のパターンで形成されるものであってよい。溝部21の位置にガラス材料を配置することにより、ガラス封止材1を形成したときにガラス封止材1の外周部を表面に突出させて、収納凹部11を形成することができる。また、複数の有機EL素子を封止する大きさのガラス封止材1を形成する場合、溝部21は格子状にすることができる。格子状となった溝部21のうち格子の内部に配置される溝部21は、隣り合う有機EL素子の境界部分を跨るものであってよい。それにより、容易に複数の有機EL素子を封止するための収納凹部11を形成することができる。
対向型枠22は、ガラス板6及びガラス片7を挟みこんだときに、ガラス板6とガラス片7とを受け入れる受入れ部23が、表面に凹んで形成されているものを用いることができる。対向型枠22が受入れ部23を有することにより、加熱プレスの際に、ガラス材料を押し潰さずにプレス成形することができる。
加熱プレス加工にあたっては、図1(a)に示すように、ベース型枠20の表面に、ガラス板6をベース型枠20の溝部21を覆うように配置する。なお、ガラス板6の端部においては、溝部21を幅方向に亘って覆ってもよいし、溝部21を完全に覆わなくてもよい。そして、ガラス片7をガラス板6の表面に載置させて配置する。ガラス片7の配置は、ベース型枠20の溝部21が設けられた位置に行う。このとき、平面視において少なくとも溝部21の収納凹部11に隣接する側面21aと離間するように、ガラス片7をガラス板6の上に載置する。ガラス材料であれば、透明性を有するので、溝部21の位置をガラス板6を通して容易に認識できるため、簡単にガラス片7を載置することができる。溝部21の側面21aとガラス片7の側面との離間は少なくとも収納凹部11を形成する側の境界において行えばよいが、収納凹部11を形成しない側の溝部21の側面で行ってもよい。ガラス片7と溝部21の側面21aとが平面視において離間されることにより離間領域Sが形成される。
離間領域Sの幅は、例えば、50〜3000μmにすることができるが、ガラス板6を変形させて押し込むだけのクリアランスが確保できるのであれば、これに限定されるものではない。
ガラス片7は、平面視において矩形状の短冊状となった長尺のガラス片7を用いることができる。ガラス片7の配設は、平面視において矩形状の環状パターンに形成された溝部21に合せて、この溝部21の領域を敷き詰めるように複数のガラス片7を配設することにより行うことができる。例えば、図2(a)に示すようなガラス封止材1においては、ガラス封止材1の外周の四辺に対応する溝部21の四辺に4つのガラス片7を周状に配設することができる。また、一つの辺に複数のガラス片7を並設して配置させてもよい。その場合、小さい端材を有効に利用することができる。
そして、ガラス板6とガラス片7とをベース型枠20と対向型枠22とで挟みこんで、加熱プレスする。
プレスの加熱温度は、ガラス板6及びガラス片7の少なくとも一方の融点以上にすることが好ましい。それにより、ガラス材料を軟化させ溶融させてガラス接合することができる。プレス加熱温度は、好ましくは、ガラス板6及びガラス片7の両方の融点以上である。それにより、ガラス材料をさらに一体化させることができる。また、プレス加熱温度は、ガラス板6及びガラス片7が溶融して形状を失って流動する温度(液状化する温度)よりも低い温度であることが好ましい。ガラス板6及びガラス片7が形状を失うほど熱せられると、固体化する際に、気泡が混入するおそれがある。例えば、プレス加熱温度は、ガラス板6及びガラス片7の融点よりも、100℃高い温度以下にすることができる。プレス加熱温度と融点との温度差が大きくなると、ガラスが変質したり変形したガラスが外部に流れ出したりするおそれがある。プレス加熱温度は、ガラス板6及びガラス片7の融点に近い方が好ましく、プレス加熱温度と、ガラス板6及びガラス片7の融点との温度差は、50℃以下、30℃以下、20℃以下又は10℃以下にすることができる。プレス加熱温度は、例えば、700℃以上であってよい。この温度以上の場合、ガラス材料を軟化し溶融させることが容易になる。具体的には、ソーダガラスを用いた場合、加熱温度を730℃以上にすることができる。
加熱プレスの際のプレス圧力は、特に限定されるものではないが、例えば、0.1〜10MPa程度にすることができる。
加熱プレスは真空条件で行ってもよい。真空プレスを行うことにより、気泡の発生を抑制することができる。また、不活性ガスの雰囲気下でプレスしてもよい。それにより、気泡が発生したとしても、気泡内のガスを不活性ガスで充填することができる。不活性ガスとしては窒素などが例示される。
加熱プレスでは、ガラス片7は対向型枠22によってベース型枠20側に向かって押し下げられ、ガラス板6に押し込まれる。そして、ガラス片7が押し込まれることにより、ガラス片7がガラス板6に食い込み、融点付近に熱せられて変形性を有するガラス板6は溝部21の表面まで押し付けられるとともに溝部21に沿って変形する。こうして、ガラス板6の端部に、溝部21によって段部8が形成される。このとき、ベース型枠20の溝部21の側面21aとガラス片7との離間領域Sには、変形したガラス板6が、溝部21の側面21aとガラス片7の側面との間で充填される。そして、段部8に沿ってガラス板6とガラス片7とが溶着され、ガラス封止材1として一体化される。このガラス封止材1は、ガラス板6によってガラス封止材1の表層が形成されたものとなる。
加熱プレス後は冷却して温度を常温又は室温に戻す。それにより、図1(b)に示すような、ガラス封止材1をガラス封止材連結体として得ることができる。
ガラス封止材1(ガラス封止材連結体)は、図1(c)に示すように、有機EL素子を個別に封止する大きさに切断して分断し、個別化することができる。それにより、図2(a)に示すようなガラス封止材1を得ることができる。個別化されたガラス封止材1は、有機発光体10の封止に使用することができる。あるいは、ガラス封止材1の個別化は、有機発光体10の封止後に行ってもよい。例えば、図1(b)のような複数の収納凹部11を有するガラス封止材1により、基板2の表面に形成された複数の有機発光体10のそれぞれを封止した後に、基板2及ガラス封止材1を切断して分断して有機EL素子を個別化することができる。その場合、複数の有機発光体10を同時に封止することができるので、製造効率を高めることができる。
有機EL素子の製造においては、有機発光体10を基板2に形成する工程(有機発光体積層工程)により、図2(b)に示すような、基板2表面に有機発光体10が積層形成された封止前の素子を得ることができる。有機発光体積層工程は、基板2の表面に第1電極3、有機発光層4、及び、第2電極を順次に積層する工程である。
有機発光体10の形成にあたっては、まず、基板2の表面に第1電極3を構成する透明導電層がパターン状に形成された基板材料(導電層付き基板)を準備する。この基板材料は、基板2の表面に透明導電層を積層形成することにより得ることができる。透明導電層のパターン形成は、パターンマスクなどを用いてパターン状に透明導電層を積層させて行ってもよいし、基板2の表面全体に透明導電層を積層した後、透明導電層をパターン状に除去することにより行ってもよい。透明導電層の一部の除去によるパターン形成は、エッチングやレーザ加工やフォトリソ加工などにより行うことができる。透明導電層の中央部分が、第1電極3となる。また、基板端部表面の透明導電層のうち、第1電極3と連続した部分が第1電極引き出し部12aとなり、第1電極3と分断された部分が第2電極引き出し部12bとなる。
次に、第1電極3の表面に、有機発光層4を形成する。有機発光層4は、透明導電層の中央部分である第1電極3の表面に形成するようにする。有機発光層4は、蒸着や塗布により、有機発光層4を構成する各層を順次に積層することにより形成することができる。有機発光層4は、第2電極引き出し部12bが設けられた端部側においては、第1電極3を少しはみ出すように形成する。それにより、第2電極5を第1電極3と接触しないように形成することができる。
次に、有機発光層4の表面に第2電極5を形成する。第2電極5は、第1電極3とは接触しないようにするとともに、第2電極引き出し部12b側に延長して第2電極引き出し部12bの表面にも積層させるようにする。有機発光層4と第2電極5の積層により、有機発光体10が積層形成される。
そして、有機発光体10が形成された基板2と、ガラス板6とガラス片7とが接合されて形成されたガラス封止材1とを対向させて、これらを接着材料で接着する。それにより、有機発光体10を封止することができる。
ここで、基板2として、複数の有機発光体10を形成することのできる大きさの基板2を用い、この基板2に複数の有機発光体10を積層形成することもできる。その場合、同時に複数の有機発光体10を形成できるので、製造効率を高めることができる。そして、有機発光体10が複数形成された基板2と、収納凹部11を複数有するガラス封止材1(ガラス封止材連結体)とを対向させて、これらを接着材料で接着する。それにより、複数の有機発光体10を一度に封止することができる。複数の有機発光体10を封止して、有機EL素子が複数連結された連結体を形成した場合は、有機EL素子の境界部分において、基板2及びガラス封止材1を切断して分断することにより、有機EL素子を個別化することができる。なお、基板2及びガラス封止材1の一方のみを連結体にして封止するようにしてもよい。例えば、基板2の表面に形成された複数の有機発光体10を、有機EL素子一つ分のガラス封止材1で個々に封止してもよい。あるいは、複数個の有機EL素子分のガラス封止材1(ガラス封止材連結体)の収納凹部11の位置に、有機発光体10が一つ形成された基板2を重ねて、個々に有機発光体10を封止してもよい。
以上により、図1(d)に示すような、有機EL素子を製造することができる。この有機EL素子は、照明パネルなどの面状発光装置として有用なものである。
本形態では、ガラス板6とガラス片7との境界線である溶着線Pが封止領域内に接触して配置されていない。溶着線Pに沿った溶着部分は、ガラス板6とガラス片7とが溶着により接合した部分であり、気泡率がガラス板6及びガラス片7よりも高い。しかしながら、本形態では、ガラス片7が段部8に押し込まれており、気泡率の高い溶着線Pは段部8の表面に沿って、ガラス封止材1の有機発光体10側とは反対側の表面からガラス封止材1の側面にかけて形成されている。そのため、気泡濃度の高い溶着部分がガラス封止材1の封止側の表層に配置されないので、リークパスが形成されるのを抑制することができる。
本形態の有機EL素子にあっては、ガラス板6の段部8の深さは、ガラス板6の厚みよりも小さいことが好ましい。それにより、ガラス板6が分断されたり、変形部分の厚みが薄くなったりするのを抑制することができる。
図3は、ガラス封止材1の一例を示している。図3の形態では、ガラス板6の段部8の深さL2は、ガラス板6の厚みL1よりも小さくなっている(L2<L1)。そのため、段部8の表面(ガラス封止材1表面と平行な面)の位置は、収納凹部11の表面(底面)の位置よりも外部側(有機発光体10側とは反対側)になっている。そして、封止した際には、基板2表面から収納凹部11の表面(底面)までの距離よりも、基板2表面から段部8の表面(底面)までの距離の方が長くなる。このように、ガラス板6の段部8が収納凹部11よりも外側に配置されるように、段部8の深さL2が浅くなると、ガラス板6の変形した屈曲部分において、ガラス板6が分断されたり厚みが薄くなったりすることを抑制することができる。変形の際にガラス板6が分断されると接合部分(溶着線P)が封止空間の内部に連通することになり、水分や空気が侵入しやすくなるおそれがある。また、ガラス板6が薄くなると、ガラス板6の変形部分における強度が弱くなり、ガラス板6が破断すると接合部分(溶着線P)が内部と連通してしまって、水分や空気が侵入しやすくなるおそれがある。しかしながら、段部8の深さL2がガラス板6の厚みL1よりも小さく、段部8が収納凹部11よりも厚み方向において外側に位置することにより、水分や空気の侵入をより抑制するとともに、強度の高いガラス封止材1を得ることができる。
段部8の深さは、ガラス片7の厚みにより調整することができる。したがって、ガラス片7の厚みをガラス板6の厚みよりも小さくすることにより、図3の形態のような段部8を形成することができる。なお、複数のガラス片7を積層方向に重ねる場合は、複数のガラス片7の合計厚みをガラス板6の厚みより小さくすることができる。
図4(a)は、ガラス封止材1の他の一例である。ガラス封止材1においては、段部8に、複数のガラス片7が重ねられて接合されていることが好ましい形態の一つである。複数のガラス片7を重ねることにより、段部8の厚みを簡単に調整することができる。また、厚みの薄い端材をガラス片7として利用してガラス封止材1を形成することができる。また、複数のガラス片7を用いた場合、加熱プレスする際に、ガラス片7のそれぞれが異なる変形をすることが可能になり、ガラス板6の変形に合せてガラス片7を変形させることができる。そのため、接合一体化を促進することができ、気泡が少なく、強度高くガラス封止材1を形成することができる。
複数のガラス片7を接合してガラス封止材1を形成する場合、図4(b)に示すように、溝部21の位置におけるガラス板6の表面に、積層方向に複数のガラス片7を重ね、ガラス板6とガラス片7とを加熱プレスして接合することによりガラス封止材1を形成することができる。
また、図4(b)に示すように、複数のガラス片7を用いる場合、外表面になるほど幅の狭いガラス片7を用い、溝部21の側面21aの位置から離間させて配置することが好ましい。それにより、加熱プレスでガラス片7のそれぞれが異なる変形をした場合に、ガラス板6に近いガラス片7は段部8の変形に合わせ段部8の側面に沿うように大きく変形させるとともに、ガラス板6から遠くなるほどガラス片7の変形量を少なくすることができる。そのため、加熱プレスによる応力を緩和して、加熱プレスの圧力によって生じるガラスの歪を小さくすることができ、強度の高いガラス封止材1を得ることができる。
複数のガラス片7の厚みは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。複数のガラス片7の厚みが同じであれば、ガラス片7の準備が簡単になり、また、段部8の深さの調整が容易になる。
図4では、3個のガラス片7を用いてガラス板6と接合した例を示しているが、ガラス片7は、2個であってもよく、また、4個以上であってもよい。
図5(a)は、ガラス封止材1の他の一例を示している。このガラス封止材1では、ガラス板6とガラス片7との間に、ガラス板6とガラス片7とが溶着により接合されたときの気泡率よりも低い気泡率である接合ガラス層9が段部8に沿って設けられている。接合ガラス層9は、ガラスにより形成される層である。
ガラス板6とガラス片7とを溶着接合した部分は、気泡の濃度が高くなる。本形態では、段部8にガラス片7を配置することにより、溶着接合した部分(溶着線P)が内部の封止空間に連通しないようにしているが、ガラス板6が変形した部分の厚みが薄くなったりすると、この部分にリークパスが形成されるおそれがある。また、ガラス封止材1に衝撃が加えられて、ガラス板6が歪んでひび割れなどが生じた場合、その部分が溶着線Pと連通するおそれがある。そこで、ガラス板6とガラス片7との間に気泡濃度が低い接合ガラス層9を形成することが好ましいものである。それにより、リークパスが形成されるのを抑制して、水分や空気の侵入をさらに抑制することができる。
図5(a)の形態のように、ガラス板6とガラス片7との間に接合ガラス層9を形成する場合、図5(b)のように、ガラス板6とガラス片7との間にガラス粉末9aを配置するガラス粉末配置工程を有してガラス封止材1を作製することができる。ガラス粉末9aを用いることにより、ガラス接合工程の際に、加熱プレスにより、ガラス粉末9aから容易に接合ガラス層9をガラス板6とガラス片7との間に形成することができる。ガラス板6とガラス片7とはガラス粉末9aを介して接合される。ガラス粉末9aはガラス片7及びガラス板6の少なくとも一方、好ましくは両方と同じ材料であることが好ましい。それにより、ガラスの一体化を促進することができる。例えば、ガラス片7を構成するガラスの端材を粉砕したものをガラス粉末9aとして用いてもよい。その場合、端材を有効に利用することができ、また、接合性を高めることができる。
ガラス粉末9aは、ガラス板6及びガラス片7の融点以下の融点であることが好ましい。ガラス粉末9aの融点がガラス板6及びガラス片7の融点以下であることにより、ガラス板6及びガラス片7と同時に、あるいは、ガラス板6及びガラス片7よりも低い温度でガラス粉末9aを溶融させることができる。そのため、ガラス粉末9aによるガラス板6とガラス片7との接合性を高めることができる。ガラス粉末9aは、ガラス板6及びガラス片7の一方又は両方と融点が同じであってもよい。ガラス粉末9aの融点は、ガラス板6及びガラス片7の融点(融点が異なる場合は温度が低い方の融点であってよい)よりも50℃低い温度以上であってよい。ガラス板6及びガラス片7の融点とガラス粉末6の融点との差が小さいほど、ガラスを一体化しやすくすることができる。そのため、ガラス板6及びガラス片7の融点とガラス粉末6の融点との差は、30℃以下、20℃以下、10℃以下、5℃以下又は1℃以下にすることができる。
ガラス粉末9aの粒径は、特に限定されるものではないが、例えば、平均粒径(D50)で1.0〜10μmのものを用いることができる。ガラス粉末9aの粒径が小さすぎるとガラス粉末9aの調製や入手が難しくなるおそれがある。ガラス粉末9aの粒径が大きすぎると気泡率を抑制したり接合一体化を促進したりすることができなくなるおそれがある。ガラス粉末9aの粒径は、例えば、粉体の粒径を測定する粒子径分布測定装置を用いて測定することができる。
図4の形態のように、複数のガラス片7を重ねる場合は、ガラス板6とガラス片7との間に加え、複数のガラス片7の間にガラス粉末9aを配置することができる。それにより、ガラスの一体化を促進し、溶着接合部分での気泡の発生をさらに抑制することができる。
なお、複数のガラス片7を水平方向(ガラス板6表面と平行な方向)に突き合せて配設する場合(例えば平面視にいて矩形状の環状パターンとなった溝部21の角部の位置など)には、ガラス片7の突き合せ部分の隙間に、ガラス粉末9aを充填することができる。それにより、突き合せ部分のガラスの一体化を促進することができる。
ガラス6とガラス片7との一体化が促進されると、溶着接合された部分(溶着線P)が曖昧となり、一体化されたガラス封止材1を得ることができる。
ガラスの気泡率は、例えば、顕微鏡観察などによって空隙率を計測するなどして測定することができる。ガラス封止材1における溶着線Pの気泡率、及び、接合ガラス層9の気泡率は、ガラス板6及びガラス片7の気泡率よりも通常高くなるが、ガラス板6及びガラス片7の気泡率と同じであってもよい。ガラス封止材1における溶着線Pの気泡率、及び、接合ガラス層9の気泡率は、例えば、ガラス板6の気泡率の1.5倍以下、1.3倍以下、又は、1.2倍以下などにすることができるが、これに限定されるものではない。
図6(a)〜(d)は、有機EL素子の製造方法の他の一例を示している。本形態では、図6(d)に示す有機EL素子が得られる。図6の形態においても、図2(a)に示すようなガラス封止材1の形状にすることができ、図2(b)に示すような有機EL素子の内部構造にすることができる。本形態は、ガラス封止材1の溶着接合の部分が異なる以外は、図1の形態と同様であってよい。なお、図6(d)では、素子の構造を分かりやすくするため、図6(a)〜(c)よりも拡大して図示し、さらに、左側に第1電極引き出し部12a側の端部を、右側に第2電極引き出し部12b側の端部を図示している。
図6(d)の形態の有機EL素子は、基板2の表面に、第1電極3と有機発光層4と第2電極5とを有する有機発光体10が形成されたものである。有機発光体10は、有機発光体10を収納する収納凹部11を有し基板2に接着されるガラス封止材1によって覆われて封止されている。ガラス封止材1は、発光領域に配置されるガラス板6と、発光領域の外周部に配置されるとガラス片7とが溶着により接合されて形成されている。そして、ガラス封止材1は、有機発光体10側の表層が、ガラス板6とガラス片7とが溶着により接合されたときの気泡率よりも低い気泡率となっている。ガラス封止材1の表層は、収納凹部11の表面(底面及び側面)であり、封止した際に封止内部間隙と接する表面層である。
ガラス封止材1としては、平板状のガラス板材に掘り込み加工を行い、有機発光体10を収納するための収納凹部11を形成することも考えられる。しかしながら、掘り込み加工は、ガラスを削り落とす必要があるため、作業が煩雑となり、また、コスト高となって容易に行うことができないおそれがある。そこで、複数のガラス材料を溶着して接合して収納凹部11を有するガラス封止材1を形成するようにすれば、コスト安く容易にガラス封止材1を形成することができる。また、ガラスの端材を用いてガラス封止材1を形成することができるので、簡単に封止材を形成することができる。
また、ガラス材料を溶着してガラス封止材1を形成した場合、別のガラス材料を突き合わせて接合するため、溶着部分においては、通常、気泡率(空隙率)が高くなる。そして、気泡率が高くなると、気泡同士が連結して、素子の内部と外部とが連通し、水分や空気の侵入経路となるリークパスが生じやすくなる。リークパスが形成された封止材を用いて封止を行うと、リークパスを介して水分や空気が素子の内部に侵入しやすくなり、有機発光層4が劣化しやすくなってしまう。そこで、本形態では、ガラス封止材1の有機発光体10側の表層の気泡率を、ガラス板6とガラス片7とが溶着により接合されたときの気泡率よりも低くなるように、ガラス板6とガラス片7とを接合している。それにより、気泡率の低い表層によってリークパスを塞ぐことができ、気泡率が高くなった部分が封止領域の内部に接することがなくなるので、水分や空気がガラス封止材1を介して内部に侵入することを抑制することができる。
図6の形態では、ガラス封止材1は、ガラス板6とガラス片7との間に、ガラス板6とガラス片7とが溶着により接合されたときの気泡率よりも低い気泡率である接合ガラス層9が設けられている。そして、ガラス封止材1における有機発光体10側の表層は、ガラス板6と接合ガラス層9とを有して構成されている。すなわち、ガラス板6としては平面視において収納凹部11の大きさと略同じ大きさのものが用いられている。また、ガラス片7としてはガラス板6の厚みと収納凹部11の厚みとを合計した厚みのものが用いられている。そして、ガラス板6の外周部の端部側面に隣接して接合ガラス層9が設けられ、この接合ガラス層9を介してガラス板6とガラス片7とが接合されている。ガラス片7はガラス板6の外周を取り囲むようにガラス板6の側方に配設されており、接合ガラス層9は、ガラス板6とガラス片7との間に配設されている。ガラス封止材1は、ガラス板6、接合ガラス層9、及び、ガラス片7を有して構成されている。ガラス封止材1における収納凹部11の底面はガラス板6によって構成され、収納凹部11の側面は接合ガラス層9によって構成されている。このように、ガラス板6とガラス片7との間に気泡の少ない接合ガラス層9を設け、収納凹部11の表面(底面及び側面)にガラス板6とガラス片7とが直接的に溶着接合された部分が設けられないようにすることによって、ガラス封止材1の表層を気泡率が高くなる部分を設けずに構成することができる。そのため、ガラス封止材1の表層に気泡率が高い部分が形成されることがないので、気密性を効果的に高めることができる。
ガラス板6と接合ガラス層9とガラス片7とは溶着により一体化される。一体化が促進され、気泡率が低くなると、ガラス板6と接合ガラス層9とガラス片7との境界部分は曖昧になる。また、接合ガラス層9の幅(横方向の厚み)は、ガラス板6の大きさやガラス片7の大きさに比べて小さい。そのため、図6(d)では、接合ガラス層9の設けられた部分(溶着線P)を点線で示している。
図6の形態の有機EL素子の製造方法について説明する。
有機EL素子は、ガラス板配置工程とガラス片配置工程とガラス接合工程とを有する工程によりガラス封止材1を作製し、ガラス封止材1の収納凹部11に有機発光体10を収納してガラス封止材1と基板2とを接着することにより製造することができる。
ガラス板配置工程は、収納凹部11が配置される位置の外周部に溝部21を有するベース型枠20に、ガラス板6を配置する工程である。ガラス片配置工程は、ベース型枠20の溝部21の位置に、平面視において収納凹部11に隣接する溝部21の側面21aと離間するようにガラス片7を配置する工程である。ガラス接合工程は、ガラス板6とガラス片7とをベース型枠20とこのベース型枠20に対向する対向型枠22とで挟みこんで加熱プレスすることにより、ガラス板6とガラス片7とを溶着により接合する工程である。ガラス接合工程では、ガラス封止材1における有機発光体10側の表層が、ガラス板6とガラス片7とが溶着により接合されたときの気泡率よりも低い気泡率となるように、溝部21の側面21aとガラス片との間の離間領域Sをガラス材料で充填する。それにより、収納凹部11側の表層の気泡率が低いガラス封止材1を得ることができる。
図6の形態では、ガラス板配置工程において、ベース型枠20の収納凹部11が配置される領域にガラス板6を配置することができる。また、ガラス片配置工程において、ガラス片7を溝部21に配置することができる。そして、ガラス封止材1の作製の工程が、離間領域Sの位置に設けられたガラス板6とガラス片7との隙間にガラス粉末9aを充填して配置するガラス粉末配置工程を有するようにする。それにより、ガラス接合工程において、加熱プレスにより、ガラス粉末9aから接合ガラス層9をガラス板6とガラス片7との間に形成し、ガラス板6とガラス片7とを接合することができる。接合ガラス層9は、ガラス板6とガラス片7とが溶着により接合されたときの気泡率よりも低い気泡率になる。そして、ガラス封止材1における有機発光体10側の表層を、ガラス板6と接合ガラス層9とを有するように構成することができる。離間領域Sに充填するガラス材料はガラス粉末9aとなる。
接合ガラス層9の形成には、ガラス粉末9aを用いることができる。ガラス粉末9aを用いることにより、ガラス接合工程の際に、加熱プレスにより、ガラス粉末9aから容易に接合ガラス層9をガラス板6とガラス片7との間に形成することができる。ガラス板6とガラス片7とはガラス粉末9aを介して接合される。ガラス粉末9aはガラス片7及びガラス板6の少なくとも一方、好ましくは両方と同じ材料であることが好ましい。それにより、ガラスの一体化を促進することができる。例えば、ガラス片7を構成するガラスの端材を粉砕したものをガラス粉末9aとして用いてもよい。その場合、端材を有効に利用することができ、また、接合性を高めることができる。
このように、加熱プレスにより、ガラス板6とガラス片7との間にガラス粉末9aを配置して、ガラス材料を溶融し接着させてガラス封止材1を作製することにより、ガラス封止材1に、ガラス板6とガラス片7とが直接溶着したときのような気泡濃度が高い部分を形成しないようにすることができる。すなわち、ガラス封止材1の表層はガラス板6及び接合ガラス層9の気泡率となり、ガラス封止材1の表層にガラス板6及び接合ガラス層9の気泡率より気泡率が高くなった部分が設けられなくなる。そのため、溶着部分によるリークパスが形成されるのを抑制し、ガラス封止材1を介して水分や空気が侵入するのを抑制することができる。なお、図6の形態では、収納凹部11の側面は接合ガラス層9で構成されているが、ガラス片7とガラス板6とが直接溶着した部分が収納凹部11の表面に配設されないのであれば、収納凹部11の側面にガラス片7が露出していてもよい。
図6の形態では、複数の有機EL素子を封止することが可能な大きさのガラス封止材1(ガラス封止材連結体)を加熱プレスして作製する例を示している。複数の有機EL素子分のガラス封止材1を形成するようにすれば、一度に複数のガラス封止材1を作製することができるため、製造効率を高めることができる。もちろん、連結体ではなく、1つの有機EL素子を封止する分の大きさのガラス封止材1を作製するようにしてもよい。
ガラス板6としては、平面視において収納凹部11の大きさと略同じ大きさのガラス板6を複数用いることができる。ガラス板6は、大きさが異なる以外は、図1の形態と同様のものを用いてよい。
ガラス片7としては、溝部21の幅よりもやや幅の小さいものを用いることができる。それにより、平面視した場合に、ガラス片7の側面と溝部21の側面21aとを離間させて離間領域Sをクリアランスとして形成することができる。本形態では、ガラス板6とガラス片7との間にガラス粉末9aを配設してガラス層9を形成するが、離間領域Sを形成することにより、ガラス粉末9aを容易にガラス板6の側面に沿って充填することができる。離間領域Sがないとガラス粉末9aを十分に充填できなくなるおそれがある。
ガラス片7と溝部21との離間領域Sは、ガラス片7の両側のうち、発光領域が形成される側(収納凹部11側)の溝部21の側面21aとの間において少なくとも形成することができる。発光領域側において離間させて離間領域Sを設けることにより、発光領域側である封止内部側でガラス粉末9aを充填して接合ガラス層9を設けてガラス封止材1を形成することができる。発光領域とは反対側は、離間する領域が形成されていなくてもよいが、離間する領域を形成することもできる。その場合、ガラス片7が軟化して型からはみ出すのを抑制したり、プレスの際の押圧を吸収したりすることができる。
ガラス片7の材料は、図1の形態と同様のものを用いることができる。ただし、ガラス片7の厚みはガラス板6の厚みよりも大きくすることが好ましく、ガラス板6の厚みと収納凹部11の深さとの合計の厚みにすることができる。例えば、ガラス片7の厚みをガラス板の厚みの1.2倍以上、1.5倍以上又は2倍以上などにすることができる。また、ガラス片7の厚みはガラス板6の厚みの5倍以下であってよい。具体的には、ガラス片7の厚みは、特に限定されるものではないが、0.6〜5.0mmの範囲にすることができる。ガラス片7の厚みがこの範囲であると、加熱プレス成形性、封止性、薄型化に好適となる。
ガラス板6とガラス片7とは融点の差が10℃以内であることが好ましい。ガラス板6とガラス片7との融点が近いことにより、気泡の発生が少なくガラス板6とガラス片7とを溶着接合することができる。また、ガラス板6とガラス片7の融点がより近づくと、一体化が促進されるため、より一体化してガラス封止材1を形成することができ、ガラス封止材1の強度を高めることができる。ガラス板6とガラス片7との融点の温度差は小さければ小さいほどよい。例えば、ガラス板6とガラス片7との融点の差を5℃以内、2℃以下、1℃以内、0.5℃以内又は0.1℃以内にすることができる。ガラス板6とガラス片7とは融点の温度差の下限は0℃であってもよいが、実質的には測定限界の数値となる。ガラス板6とガラス片7とは融点の差が、測定限界以下の温度差である場合、融点は同一であるといってもよい。また、ガラス板6とガラス片7とは融点の差が、1℃以下ならば融点は略同一であるといってよい。ガラス板6とガラス片7とを同じガラス材料で構成すれば、容易に融点の差を小さくすることができる。
ガラス粉末9aは、ガラス板6及びガラス片7の融点以下の融点であることが好ましい。ガラス粉末9aの融点がガラス板6及びガラス片7の融点以下であることにより、ガラス板6及びガラス片7と同時に、あるいは、ガラス板6及びガラス片7よりも低い温度でガラス粉末9aを溶融させることができる。そのため、ガラス粉末9aによるガラス板6とガラス片7との接合性を高めることができる。ガラス粉末9aは、ガラス板6及びガラス片7の一方又は両方と融点が同じであってもよい。ガラス粉末9aの融点は、ガラス板6及びガラス片7の融点(融点が異なる場合は温度が低い方の融点であってよい)よりも50℃低い温度以上であってよい。ガラス板6及びガラス片7の融点とガラス粉末6の融点との差が小さいほど、ガラスを一体化しやすくすることができる。そのため、ガラス板6及びガラス片7の融点とガラス粉末6の融点との差は、30℃以下、20℃以下、10℃以下、5℃以下又は1℃以下にすることができる。
ガラス粉末9aの粒径は、特に限定されるものではないが、例えば、平均粒径(D50)で1.0〜10μmのものを用いることができる。ガラス粉末9aの粒径が小さすぎるとガラス粉末9aの調製や入手が難しくなるおそれがある。ガラス粉末9aの粒径が大きすぎると気泡率を抑制したり接合一体化を促進したりすることができなくなるおそれがある。
ベース型枠20及び対向型枠22としては、図1の形態と同様のものを用いることができる。
加熱プレスにあたっては、図6(a)に示すように、まず、ガラス板6を複数枚用意し、ベース型枠20の表面の収納凹部11を形成する位置に、ガラス板6を配置する。また、ガラス片7を、ベース型枠20の溝部21の表面に、溝部21の側面21aと離間するように配置する。これにより、ガラス片7は、ガラス板6の側方に載置して配置される。また、このとき、ガラス板6とガラス片7との間も離間して隙間を形成するようにする。ガラス片7の配置はガラス板6の配設後に行ってもよいし、ガラス板6の配設前に行ってもよい。溝部21の側面21aとガラス片7の側面との離間は、少なくとも収納凹部11を形成する側の境界において行えばよい。ガラス片7と溝部21の側面21aとが平面視において離間されることにより離間領域Sが形成される。なお、ガラス板6とガラス片7との間に隙間ができるのであれば、ガラス板6はベース型枠20の溝部21の上方に少しはみ出してもよい。
離間領域Sの幅は、例えば、50〜3000μmにすることができるが、ガラス粉末9aを充填するだけのクリアランスが確保できるのであれば、これに限定されるものではない。また、接合ガラス層9の幅は、離間領域Sの幅と同じであってよい。
そして、ガラス板6とガラス片7とをベース型枠20と対向型枠22とで挟みこんで、加熱プレスする。プレスの加熱温度及び圧力は、図1の形態と同様であってよい。
加熱プレスにより、ガラス粉末9a、ガラス板6及びガラス片7は軟化溶融する。このとき、ベース型枠20の溝部21の側面21aとガラス片7との離間領域Sには、ガラス粉末9aが充填されている。そして、軟化溶融したガラス粉末9aによってガラス板6とガラス片7とが溶着され、ガラス板6、接合ガラス層9及びガラス片7が、ガラス封止材1として一体化される。このガラス封止材1は、ガラス板6と接合ガラス層9とによってガラス封止材1の表層が形成されている。なお、収納凹部11の側面においてはガラス片7が表層になっていてもよい。
加熱プレス後は冷却して温度を常温又は室温に戻す。それにより、図6(b)に示すような、ガラス封止材1をガラス封止材連結体として得ることができる。
ガラス封止材1(ガラス封止材連結体)は、図6(c)に示すように、有機EL素子を個別に封止する大きさに切断して分断し、個別化することができる。それにより、図2(a)に示すようなガラス封止材1を得ることができる。個別化されたガラス封止材1は、有機発光体10の封止に使用することができる。
有機発光体10の形成は、図1の形態と同様に行うことができる。そして、有機発光体10が形成された基板2と、ガラス板6とガラス片7とが接合ガラス層9で接合されて形成されたガラス封止材1とを対向させて、これらを接着材料で接着する。それにより、有機発光体10を封止することができる。
また、ガラス封止材1(ガラス封止材連結体)の個別化は、有機発光体10の封止後に行ってもよい。例えば、図6(b)のような複数の収納凹部11を有するガラス封止材1により、基板2の表面に形成された複数の有機発光体10のそれぞれを封止した後に、基板2及ガラス封止材1を切断して分断して有機EL素子を個別化することができる。その場合、複数の有機発光体10を同時に封止することができるので、製造効率を高めることができる。複数の有機発光体10を同時に封止して、有機EL素子が複数連結された連結体を形成した場合は、有機EL素子の境界部分において、基板2及びガラス封止材1を切断して分断することにより、有機EL素子を個別化することができる。
以上により、図6(d)に示すような、有機EL素子を製造することができる。この有機EL素子は、照明パネルなどの面状発光装置として有用なものである。
本形態では、ガラス板6とガラス片7との境界線である溶着線Pには、気泡率の低い接合ガラス層9が配置されている。ガラス板6とガラス片7とが直接溶着により接合した部分は、気泡率がガラス板6及びガラス片7よりも高い。しかしながら、本形態では、ガラス板6とガラス片7とが直接溶着されることなく、接合ガラス層9を介して溶着されて接合されている。そのため、気泡濃度の高いガラス板6とガラス片7との溶着部分がガラス封止材1の封止側の表層に配置されないので、リークパスが形成されるのを抑制することができる。
ガラスの気泡率は、例えば、顕微鏡観察などによって空隙率を計測するなどして測定することができる。ガラス封止材1における溶着線P(接合ガラス層9)の気泡率は、ガラス板6及びガラス片7の気泡率よりも通常高くなるが、ガラス板6及びガラス片7の気泡率と同じであってもよい。ガラス封止材1における溶着線Pの気泡率、及び、接合ガラス層9の気泡率は、例えば、ガラス板6の気泡率の1.5倍以下、1.3倍以下、又は、1.2倍以下などにすることができるが、これに限定されるものではない。
なお、本形態でも複数のガラス片7を重ねてもよい。複数のガラス片7を厚み方向に重ねる場合は、容易に収納凹部11の厚みを確保することができる。また、複数のガラス片7を水平方向(ガラス板6の表面に平行な方向)に並べてもよい。複数のガラス片7を用いる場合は、ガラス片7の間にガラス粉末9aを配設することが好ましい。それにより、ガラス片7の一体化を促進することができる。
1 ガラス封止材
2 基板
3 第1電極
4 有機発光層
5 第2電極
6 ガラス板
7 ガラス片
8 段部
9 接合ガラス層
9a ガラス粉末
10 有機発光体
11 収納凹部
12 電極引き出し部
20 ベース型枠
21 溝部
21a 溝部の側面
22 対向型枠
P 溶着線
S 離間領域

Claims (12)

  1. 基板の表面に、第1電極と有機発光層と第2電極とを有する有機発光体が形成され、前記有機発光体は、前記有機発光体を収納する収納凹部を有し前記基板に接着されるガラス封止材によって覆われて封止されている有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記ガラス封止材は、発光領域に配置されるガラス板と、前記発光領域の外周部に配置されるとガラス片とが溶着により接合されて形成されており、前記有機発光体側の表層が、前記ガラス板と前記ガラス片とが溶着により接合されたときの気泡率よりも低い気泡率であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記ガラス封止材は、前記ガラス板の端部に設けられた段部に前記ガラス片が接合されたものであり、前記ガラス板によって前記有機発光体側の表層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記ガラス板の前記段部の深さは、前記ガラス板の厚みよりも小さいことを特徴とする請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 複数のガラス片が重ねられて接合されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記ガラス板と前記ガラス片との間に、前記ガラス板と前記ガラス片とが溶着により接合されたときの気泡率よりも低い気泡率である接合ガラス層が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 前記ガラス板と前記ガラス片との間に、前記ガラス板と前記ガラス片とが溶着により接合されたときの気泡率よりも低い気泡率である接合ガラス層が設けられ、
    前記ガラス封止材における前記有機発光体側の表層は、前記ガラス板と前記接合ガラス層とを有して構成されていることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 基板の表面に、第1電極と有機発光層と第2電極とを有する有機発光体が形成され、前記有機発光体は、前記有機発光体を収納する収納凹部を有し前記基板に接着されるガラス封止材によって覆われて封止されている有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、
    前記収納凹部が配置される位置の外周部に溝部を有するベース型枠に、ガラス板を配置するガラス板配置工程と、
    前記溝部の位置に、平面視において前記収納凹部に隣接する前記溝部の側面と離間するようにガラス片を配置するガラス片配置工程と、
    前記ガラス板と前記ガラス片とを前記ベース型枠とこのベース型枠に対向する対向型枠とで挟みこんで加熱プレスすることにより、前記ガラス封止材における前記有機発光体側の表層が、前記ガラス板と前記ガラス片とが溶着により接合されたときの気泡率よりも低い気泡率となるように、前記溝部の側面と前記ガラス片との間の離間領域をガラス材料で充填して、前記ガラス板と前記ガラス片とを溶着により接合するガラス接合工程と、を有する工程により、前記ガラス封止材を作製し、
    前記ガラス封止材の前記収納凹部に前記有機発光体を収納して前記ガラス封止材と前記基板とを接着することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  8. 前記ガラス板配置工程において、前記ガラス板を前記溝部を覆うように配置し、
    前記ガラス片配置工程において、前記ガラス片を前記ガラス板の表面に載置させて配置し、
    前記ガラス接合工程において、前記加熱プレスにより、前記ガラス片を前記ガラス板に押し込んで前記ガラス板の端部に段部を設け、前記溝部の側面と前記ガラス片との前記離間領域を前記ガラス板で充填して、前記ガラス板と前記ガラス片とを接合し、前記ガラス板によって前記ガラス封止材の前記有機発光体側の表層を形成することを特徴とする請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  9. 前記ガラス板と前記ガラス片との間にガラス粉末を配置するガラス粉末配置工程を有し、
    前記ガラス接合工程において、前記加熱プレスにより、前記ガラス粉末から、前記ガラス板と前記ガラス片とが溶着により接合されたときの気泡率よりも低い気泡率である接合ガラス層を前記ガラス板と前記ガラス片との間に形成して、前記ガラス板と前記ガラス片とを接合することを特徴とする請求項7又は8に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  10. 前記ガラス板配置工程において、前記ベース型枠の前記収納凹部が配置される領域にガラス板を配置し、
    前記ガラス片配置工程において、前記ガラス片を前記溝部に配置し、
    前記ガラス封止材の作製の工程は、前記離間領域の位置に設けられた前記ガラス板と前記ガラス片との隙間にガラス粉末を充填して配置するガラス粉末配置工程を有し、
    前記ガラス接合工程において、前記加熱プレスにより、前記ガラス粉末から、前記ガラス板と前記ガラス片とが溶着により接合されたときの気泡率よりも低い気泡率である接合ガラス層を前記ガラス板と前記ガラス片との間に形成して、前記ガラス板と前記ガラス片とを接合し、前記ガラス封止材における前記有機発光体側の表層を、前記ガラス板と前記接合ガラス層とを有するように構成することを特徴とする請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  11. 前記ガラス板と前記ガラス片とは融点の差が10℃以内であることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  12. 前記ガラス粉末は、前記ガラス板及び前記ガラス片の融点以下の融点であることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
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