以下に添付図面を参照して、印刷制御装置、印刷制御システム、印刷制御方法およびプログラムの実施形態を詳細に説明する。
(実施形態に係る画像形成システム)
まず、実施形態に係る画像形成システムの構成について図1を用いて説明する。本実施形態においては、画像形成システムは、プリンタ制御装置(DFE:Digital Front End)11(以下、「DFE11」という)と、インタフェースコントローラ(MIC:Mechanism I/F Contoroller)12(以下、「MIC12」という)と、プリンタ機31と、後処理機としてグロッサ32および低温定着機33とが接続されて構成される。DFE11は、MIC12を介してプリンタ機31と通信を行い、プリンタ機31での画像の形成を制御する。
また、DFE11には、PC(Personal Computer)等のホスト装置10が接続され、DFE11は、ホスト装置10から画像データを受信して、当該画像データを用いて、プリンタ機31がCMYKの各トナーおよびクリアトナーに応じたトナー像を形成するための画像データを生成してこれをMIC12を介してプリンタ機31に送信する。プリンタ機31には、CMYKの各トナーとクリアトナーとが少なくとも搭載されており、各トナーに対して感光体、帯電器、現像器および感光体クリーナを含む作像ユニット、露光器および定着機が各々搭載されている。
なお、プリンタ機31と、グロッサ32および低温定着機33とで印刷装置30を構成している。
ここで、クリアトナーとは、色材を含まない透明な(無色の)トナーである。なお、透明(無色)とは、例えば、透過率が70%以上であることを示す。
プリンタ機31は、MIC12を介してDFE11から送信された画像データに応じて、露光器から光ビームを照射して各トナーに応じたトナー像を感光体上に形成して、これを記録媒体としての用紙に転写しこれを定着機によって所定の範囲内の温度(通常温度)での加熱および加圧で定着させる。これによって用紙に画像が形成される。このようなプリンタ機31の構成については周知であるため、ここでその詳細な説明を省略する。なお、用紙は記録媒体の一例であり、記録媒体としてはこれに限定されるものではない。例えば、記録媒体として、合成紙やビニール紙等も適用することができる。
グロッサ32は、DFE11から指定されるオンオフ情報によりオンまたはオフが制御され、オンにされた場合に、プリンタ機31により用紙に形成された画像を高温および高圧で加圧し、その後、冷却して本体から画像が形成された用紙を剥離する。これにより用紙に形成された画像全体において所定以上のトナーが付着した各画素のトナーの総付着量は均一に圧縮される。
低温定着機33には、クリアトナー用の感光体、帯電器、現像器および感光体クリーナを含む作像ユニット、露光器および当該クリアトナーを定着させるための定着機が搭載されており、低温定着機33を用いるためにDFE11が生成した後述のクリアトナー版の画像データ(以下、適宜、「クリアトナー版データ」と呼ぶ)が入力される。低温定着機33は、当該低温定着機33が用いるためのクリアトナー版データをDFE11が生成した場合にはこれを用いてクリアトナーによるトナー像を形成して、グロッサ32が加圧した用紙上に当該トナー像を重ねて、定着機によって通常よりも低い加熱または加圧で用紙に定着させる。
ここで、ホスト装置10から入力される画像データ(原稿データ)について説明する。ホスト装置10では、予めインストールされた画像処理アプリケーションにより画像データが生成されて、DFE11に送信される。このような画像処理アプリケーションでは、RGB版やCMYK版などの各色版における各色の濃度の値(濃度率という)を画素毎に規定した画像データに対して、特色版の画像データを取り扱うことが可能である。
特色版とは、CMYKやRGBなどの基本的なカラーの他に、白、金、銀といった特殊なトナーやインクを付着させるための画像データであり、このような特殊なトナーやインクを搭載したプリンタ向けのデータである。特色版は色再現性を向上させるためにCMYKの基本カラーにRを追加することや、RGBの基本カラーにYを追加することもある。通常、クリアトナーも特色の1つとして取り扱われていた。
本実施形態では、この特色としてのクリアトナーを、用紙に付与する視覚的または触覚的な効果である表面効果を形成するため、ならびに、用紙に、上記表面効果以外のウォータマークやテクスチャ等の透明画像を形成するために用いる。
このため、ホスト装置10の画像処理アプリケーションは、入力された画像データに対して、有色版の画像データ(以下、適宜、「有色版データ」と呼ぶ)の他、特色版の画像データとして、ユーザの指定により、光沢制御版の画像データ(以下、適宜、「光沢制御版データ」と呼ぶ)および/またはクリア版の画像データ(以下、適宜、「クリア版データ」と呼ぶ)とを生成する。
ここで、有色版データとは、画素毎にRGBやCMYK等の有色の濃度値を規定した画像データである。この有色版データでは、ユーザによる色の指定により、1画素を8ビットで表現される。図2は、有色版データの一例を示す説明図である。図2において、「A」、「B」、「C」等の描画オブジェクト毎にユーザが画像処理アプリケーションで指定した色に対応する濃度値が付与される。
また、光沢制御版データとは、用紙に付与する視覚的または触覚的な効果である表面効果に応じたクリアトナーを付着させる制御を行うため、当該表面効果の与えられる領域および当該表面効果の種類を特定した画像データである。
この光沢制御版は、RGBやCMYK等の有色版と同様に画素毎に8ビットで「0」〜「255」の範囲の濃度値で表され、この濃度値に、表面効果の種類が対応付けられる(濃度値は16ビットや32ビット、または0〜100%で表してもよい)。また、同一の表面効果を与えたい範囲には実際に付着するクリアトナーの濃度と関係なく同一の値が設定されるため、領域を示すデータが無くとも必要に応じて画像データから容易に領域が特定できる。即ち、光沢制御版によって、表面効果の種類と、表面効果を与える領域とが表される(領域を表すデータを別途付与しても良い)。
ここで、ホスト装置10は、ユーザが画像処理アプリケーションにより指定した描画オブジェクトに対する表面効果の種類を、描画オブジェクト毎に光沢制御値としての濃度値として設定してベクタ形式の光沢制御版データを生成する。
この光沢制御版データを構成する各画素は、有色版データの画素に対応する。なお、各画像データにおいては各画素の表す濃度値が画素値となる。また、有色版データおよび光沢制御版データは共にページ単位で構成される。
表面効果の種類としては、大別して、光沢の有無に関するものや、表面保護や、情報を埋め込んだ透かしや、テクスチャなどがある。光沢の有無に関する表面効果については、図3に例示されるように、大別して4種類あり、光沢の度合い(光沢度)の高い順に、鏡面光沢(PG:Premium Gloss)、ベタ光沢(G:Gloss)、網点マット(M:Matt)およびつや消し(PM:Premium Matt)等の各種類がある。以降、適宜、鏡面光沢を「PG」、ベタ光沢を「G」、網点マットを「M」、つや消しを「PM」と呼ぶ。
鏡面光沢やベタ光沢は、光沢を与える度合いが高く、逆に、網点マットやつや消しは、光沢を抑えるためのものであり、特に、つや消しは、通常の用紙が有する光沢度より低い光沢度を実現するものである。図3中において、鏡面光沢はその光沢度Gsが80以上、べた光沢は一次色あるいは二次色のなすベタ光沢度、網点マットは一次色、かつ網点30%の光沢度、つや消しは光沢度10以下を表している。また、光沢度の偏差をΔGsで表し、10以下とした。
このような表面効果の各種類に対して、光沢を与える度合いが高い表面効果に高い濃度値が対応付けられ、光沢を抑える表面効果に低い濃度値が対応付けられる。その中間の濃度値には、透かしやテクスチャなどの表面効果が対応付けられる。透かしとしては、例えば、文字や地紋などが用いられる。テクスチャは、文字や模様を表すものであり、視覚的効果の他、触覚的効果を与えることが可能である。例えば、ステンドグラスのパターンをクリアトナーによって実現することができる。表面保護は、鏡面光沢やベタ光沢で代用される。
なお、処理対象の画像データによって表される画像のどの領域に表面効果を与えるのかや、その領域にどの種類の表面効果を与えるのかについては、画像処理アプリケーションを介してユーザにより指定される。画像処理アプリケーションを実行するホスト装置10では、ユーザにより指定された領域を構成する描画オブジェクトについて、ユーザが指定した表面効果に対応する濃度値がセットされることにより、光沢制御版データが生成される。濃度値と表面効果の種類との対応関係については後述する。
図4は、光沢制御版データの一例を示す説明図である。図4の光沢制御版の例では、ユーザにより、描画オブジェクト「ABC」に表面効果「PG(鏡面光沢)」が付与され、描画オブジェクト「(長方形の図形)」に表面効果「G(ベタ光沢)」が付与され、描画オブジェクト「(円形の図形)」に表面効果「M(網点マット)」が付与された例を示している。なお、各表面効果に設定された濃度値は、後述の濃度値選択テーブル(図6参照)で、表面効果の種類に対応して定められた濃度値である。
クリア版データとは、上記表面効果以外のウォータマークやテクスチャ等の透明画像を特定した画像データである。図5は、クリア版データの一例を示す説明図である。図5の例では、ユーザにより、ウォータマーク「Sale」が指定されている。
このように、特色版の画像データである、光沢制御版データおよびクリア版データは、ホスト装置10の画像処理アプリケーションにより、有色版データとは別のプレーンで生成される。また、有色版データ、光沢制御版データ、クリア版データの各形式は、PDF(Portable Document Format)形式が用いられるが、各版のPDFの画像データを統合して原稿データとして生成される。なお、各版の画像データのデータ形式は、PDFに限定されるものではなく、任意の形式を用いることができる。
ここで、ホスト装置10の画像処理アプリケーションは、ユーザが指定した表面効果の種類を、濃度値に変換して、光沢制御版データを生成する。係る変換は、ホスト装置10の記憶部に予め記憶された濃度値選択テーブルを参照して行われる。濃度値選択テーブルは、表面効果の種類と、当該表面効果の種類に対応する光沢制御版の濃度値とを対応付けたテーブルデータである。
図6は、濃度値選択テーブルの一例を示す図である。図6の例では、ユーザにより「PG」(鏡面光沢)が指定された領域に対応する光沢制御版の濃度値は「98%」であり、「G」(ベタ光沢)が指定された領域に対応する光沢制御版の濃度値は「90%」であり、「M」(網点マット)が指定された領域に対応する光沢制御版の濃度値は「16%」であり、「PM」(つや消し)が指定された領域に対応する光沢制御版の濃度値は「6%」である。
この濃度値選択テーブルは、DFE11で記憶している表面効果選択テーブル(後述)の一部のデータであり、ホスト装置10の制御部が所定のタイミングで表面効果選択テーブルを取得して、取得した表面効果選択テーブルから生成して記憶部に保存する。
なお、インターネット等のネットワーク上のストレージサーバ(ネットワーククラウド)に表面効果選択テーブルを保存しておき、ホスト装置10の制御部が当該サーバから表面効果選択テーブルを取得して、取得した表面効果選択テーブルから濃度値選択テーブルを生成するように構成してもよい。ただし、DFE11で記憶している表面効果選択テーブルとホスト装置10の図示されない記憶部に保存されている表面効果選択テーブルとは、同じデータである必要がある。
具体的には、ホスト装置10の画像処理アプリケーションは、図6に示す濃度値選択テーブルを参照しながら、ユーザにより所定の表面効果が指定された描画オブジェクトの濃度値(光沢制御値)を、当該表面効果の種類に応じた値に設定することで、光沢制御版データを生成する。
例えばユーザにより、図2に示した有色版データである対象画像のうち、「ABC」と表示される領域に「PG」、長方形の領域に「G」、円形の領域に「M」を与えることが指定された場合を想定する。この場合、ホスト装置10は、濃度値選択テーブルを参照して、ユーザにより「PG」が指定された描画オブジェクト(「ABC」)の濃度値を「98%」に設定し、「G」が指定された描画オブジェクト(「長方形」)の濃度値を「90%」に設定し、「M」が指定された描画オブジェクト(「円形」)の濃度値を「16%」に設定することで、光沢制御版データを生成する。
ホスト装置10で生成された光沢制御版データは、点の座標と、それを結ぶ線や面の方程式のパラメータ、および、塗り潰しや特殊効果などを示す描画オブジェクトの集合として表現されるベクター形式のデータである。図4は、この光沢制御版データをイメージとして示した図であり、図7は、図4の光沢制御版データにおいて、描画オブジェクト、座標、濃度値との対応関係の例を示す図である。
ホスト装置10は、光沢制御版データと、対象画像の画像データ(有色版データ)と、クリア版データとを統合した原稿データを生成する。そして、ホスト装置10は、この原稿データに基づいて印刷データを生成する。印刷データは、対象画像の画像データ(有色版データ)と、光沢制御版データと、クリア版データと、例えばプリンタの設定、集約の設定、両面の設定などをプリンタに対して指定するジョブコマンドとを含んで構成される。
図8は、印刷データの構成例を概念的に示す模式図である。図8の例では、ジョブコマンドとして、JDF(Job Definition Format)が用いられているが、これに限られるものではない。図8に示すJDFは、集約の設定として「片面印刷・ステープル有り」を指定するコマンドである。また、印刷データは、PostScriptのようなページ記述言語(PDL)に変換されてもよいし、DFE11が対応していれば、PDF形式のままでもよい。
(DFEの機能的構成例)
次に、DFE11の機能的構成について説明する。図9は、DFE11の一例の構成を示す。DFE11は、レンダリングエンジン51と、si1部52と、TRC(Tone Reproduction Curve)53と、si2部54と、ハーフトーンエンジン55と、クリアプロセッシング56と、si3部57とを含む。
レンダリングエンジン51と、si1部52と、TRC53と、si2部54と、ハーフトーンエンジン55と、クリアプロセッシング56と、si3部57とは、DFE11の制御部が主記憶部や補助記憶部に記憶されている各種プログラムを実行することにより実現されるものである。si1部52、si2部54およびsi3部57は、何れも、画像データを分離する(separate)機能と、画像データを統合する(integrate)機能とを有するものである。
レンダリングエンジン51には、ホスト装置10から送信された印刷データ(図8に示した印刷データ)が入力される。レンダリングエンジン51は、入力された画像データを言語解釈して、ベクター形式で表現される画像データをラスタ形式に変換すると共に、RGB形式等で表現された色空間をCMYK形式の色空間に変換して、CMYKの各8ビットの有色版データおよび8ビットの光沢制御版データを出力する。si1部52は、CMYKの各8ビットの有色版データをTRC53に出力し、8ビットの光沢制御版データをクリアプロセッシング56に出力する。
ここで、DFE11は、ホスト装置10から出力されたベクタ形式の光沢制御版データをラスタ形式の光沢制御版データに変換し、この結果、DFE11は、ユーザが画像処理アプリケーションにより指定した描画オブジェクトに対する表面効果の種類を、画素を単位として濃度値として設定して光沢制御版データを出力する。
TRC53には、si1部52を介してCMYKの各8ビットの画像データが入力される。TRC53には、入力された画像データに対してキャリブレーションにより生成された1D_LUTのガンマカーブでガンマ補正を行う。画像処理としては、ガンマ補正の他にトナーの総量規制等がある。総量規制とは記録媒体上の1画素において、プリンタ機31で乗せることが可能なトナー量に限界があるため、ガンマ補正後のCMYK各8ビットの有色版データを制限する処理である。ちなみに、総量規制を越えて印刷した場合、転写不良や定着不良により画質が劣化してしまう。当実施形態では関連するガンマ補正のみを取り上げて説明している。
si2部54は、TRC53でガンマ補正されたCMYKの各8ビットの有色版データを、インバースマスクを生成するためのデータとしてクリアプロセッシング56へ出力する。インバースマスクとは、表面効果を与える対象の領域を構成する各画素上のCMYK各色のトナーおよびクリアトナーを合わせた総付着量が均一になるように知るために用いるマスクである。具体的には、CMYK各版の画像データにおいて当該対象の領域を構成する画素の表す濃度値を全て加算し、その加算値を所定値から差し引いた画像データがインバースマスクとなる。
ハーフトーンエンジン55には、si2部54を介してガンマ補正後のCMYKの各8ビットの有色版データが入力される。ハーフトーンエンジン55は、入力された画像データをプリンタ機31に出力するための、例えばCMYKの各2ビット等の有色版データのデータ形式に変換するハーフトーン処理を行い、ハーフトーン処理後のCMYK各2ビット等の有色版データを出力する。なお、2ビットは一例であり、これに限定されるものではない。
クリアプロセッシング56には、レンダリングエンジン51が変換した8ビットの光沢制御版データがsi1部52を介して入力されると共に、TRC53がガンマ補正を行ったCMYKの各8ビットの有色版データがsi2部54を介して入力される。
さらに、DFE11は、テストチャート印刷部58と、光沢制御版データ記憶部59とを含む。テストチャート印刷部58は、クリアプロセッシング56からの要求に応じて、クリアトナー版によるテストチャート印刷を制御する。光沢制御版データ記憶部59は、テストチャート印刷部58がテストチャートの印刷に用いる光沢制御版データのテストチャートデータが予め格納される。
さらにまた、DFE11は、実施形態に係るユーザインターフェイスに関する部分として、用紙表示部60、表面効果選択テーブル表示部61、アカウント入力部62および知覚効果入力部63を有する。用紙表示部60、表面効果選択テーブル表示部61、アカウント入力部62および知覚効果入力部63は、操作パネル70に接続される。操作パネル70は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)などによる表示装置と、表示装置の表示面に透過するように設けられた、押圧した位置に応じた制御信号を出力するタッチセンサとを組み合わせて構成される、所謂タッチパネル構成とされている。
クリアプロセッシング56は、表面効果選択テーブル記憶部561ち、光沢制御版記憶部562と、クリアトナー版制御部563と、表面効果選択テーブル生成部564と、用紙情報取得部565と、表面効果置換部566と、用紙情報比較部567とを含む。
表面効果選択テーブル記憶部561には、表面効果選択テーブルが用紙の種類毎に記憶される。詳細は後述するが、表面効果選択テーブルは、表面効果を示す光沢制御値である濃度値と、当該表面効果の種類の対応関係を示すテーブルである。表面効果選択テーブルは、さらに、これら濃度値および表面効果の種類と、画像形成システムの構成に応じた後処理機に関する制御情報と、プリンタ機31で用いるクリアトナー版データおよび後処理機で用いるクリアトナー版データとの対応関係も示す。なお、表面効果の種類は、表面効果を用途別に分類したカテゴリと、カテゴリを細分化したタイプとに階層化されている。
光沢制御版記憶部562は、si1部52から入力された8ビットの光沢制御版データが記憶される。
クリアトナー版生成部563は、si1部52から入力され、光沢制御版記憶部562に記憶された光沢制御版データを用いて、詳細を後述する表面効果選択テーブルを参照して、光沢制御版データを構成する各画素の表す濃度値(画素値)に対する表面効果を判断する。
実施形態では、この表面効果選択テーブルの参照の際に、ユーザ評価による知覚効果の入力結果が、参照する表面効果選択テーブルに対して情報として存在する場合、表面効果置換部566が、同一カテゴリの全てのタイプの表面効果の濃度値を、当該カテゴリ内で最も効果の高いタイプの表面効果の濃度値に置換する。クリアトナー版制御部563は、この濃度値の置換された表面効果選択テーブルを参照して、上述の表面効果の判断を行う。
クリアトナー版生成部563は、表面効果の判断結果に応じて、グロッサ32のオンまたはオフを決定すると共に、入力されたCMYKの各8ビットの有色版データを用いてインバースマスクやベタマスクを適宜生成することにより、クリアトナーを付着させるための2ビットのクリアトナー版データを適宜生成する。そして、クリアトナー版生成部563は、表面効果の判断の結果に応じて、プリンタ機31で用いるクリアトナー版データと、低温定着機33で用いるクリアトナー版データとを適宜生成してこれらを出力すると共に、グロッサ32のオンまたはオフを示すオンオフ情報を出力する。
用紙情報取得部565は、MIC12を介してプリンタ機31から、プリンタ機31の印刷対象の用紙の用紙情報を取得し、取得した用紙情報を、表面効果選択テーブル決定部564へ出力する。ここで、用紙情報には、用紙種類と、用紙の光沢度と、用紙の凹凸情報とが含まれる。
実施形態に適用可能な用紙種類は、例えば「コート紙」、「普通紙」、「マット紙」の何れかであり、コート紙、普通紙、マット紙の順に光沢度が高い。なお、用紙種類の内容は一例であり、「コート紙」、「普通紙」、「マット紙」に限定されるものではない。用紙の光沢度は、「高光沢」、「中光沢」、「低光沢」の何れかが指定される。用紙の凹凸情報は、平滑度を意味し、「粗い」または「細かい」が指定される。
ここで、用紙種類と、用紙の光沢度と、用紙の凹凸情報とは、互いに関連がある。すなわち、用紙種類が「コート紙」の用紙は、光沢度が「高光沢」、凹凸情報(平滑度)が「細かい」となる。用紙種類が「普通紙」の用紙は、光沢度が「中光沢」、凹凸情報(平滑度)が指定なしとなる。となる。用紙種類が「マット紙」の用紙は、光沢度が「低光沢」、凹凸情報(平滑度)が「粗い」となる。したがって、光沢度と平滑度とが分かれば、用紙種類を求めることが可能である。
表面効果選択テーブル決定部564は、用紙情報取得部565で取得された用紙情報の用紙種類、あるいは、入出力制御部567から出力されたユーザが指定した用紙情報の用紙種類に対応する表面効果選択テーブルを、表面効果選択テーブル記憶部561の中から選択することにより、クリアトナー版データを生成するための表面効果選択テーブルを決定する。
より具体的には、表面効果選択テーブル決定部564は、用紙情報がユーザで指定されている場合、ユーザが指定した用紙情報を用いて、表面効果選択テーブルを選択する。一方、用紙情報がユーザで指定されていない場合、用紙情報取得部565により、MIC12を介してプリンタ機31に対して用紙情報の取得要求を送信し、これに応答してプリンタ機31から送信される用紙情報をMIC12を介して受信する。そして、表面効果選択テーブル決定部564は、用紙情報取得部565で受信した用紙情報を用いて、表面効果選択テーブルを選択する。
ここで、用紙情報がユーザで指定されているか否かの判断は、ユーザが指定した用紙情報が例えば操作パネル70から出力されているか否かを判断することにより行う。あるいは、操作パネル70から出力された用紙情報を、一旦RAM等のメモリ(図示しない)に格納しておき、表面効果選択テーブル決定部564が当該RAMにユーザから指定された用紙情報が記憶されているか否かを判断することにより、用紙情報がユーザで指定されているか否かを判断するように構成してもよい。
表面効果選択テーブル決定部564は、MIC12を介してプリンタ機31に対して用紙情報の取得要求を送信する際、用紙情報の登録画面でユーザが指定した優先順位が最も高い用紙情報の要素を、プリンタ機31に対して要求し、優先順位が最も高い用紙情報の要素を受信する。
表面効果選択テーブル決定部564は、用紙情報に用紙種類が含まれる場合には、当該用紙種類に対応する表面効果選択テーブルを選択する。一方、用紙情報に用紙種類が含まれていない場合には、上述したように、用紙情報に含まれる用紙の光沢度、あるいは用紙の凹凸情報に関連する用紙種類を決定し、当該用紙種類に対応する表面効果選択テーブルを選択する。
また、用紙情報に、用紙種類、用紙の光沢度、用紙の凹凸情報の全てが含まれる場合には、表面効果選択テーブル決定部564は、これら3つの要素のうち最も優先順位の高い要素を用いて、対応する表面効果選択テーブルを選択する。すなわち、表面効果選択テーブル決定部564は、最も高い優先順位の要素が用紙種類の場合には、これをそのまま用い、用紙の光沢度または用紙の凹凸情報が最も優先順位が高い場合には、当該要素に関連する用紙種類に対応する表面効果選択テーブルを選択する。
また、用紙情報に、用紙種類、用紙の光沢度、用紙の凹凸情報の何れか2つが含まれる場合には、表面効果選択テーブル決定部564は、これら2つの要素のうち優先順位の高い方の要素を用いて、対応する表面効果選択テーブルを選択する。
クリアプロセッシング56のクリアトナー版生成部563は、上述のように、表面効果選択テーブル決定部564により選択された表面効果選択テーブルを参照して、光沢制御版データによって示される各画素値に対応付けられている表面効果を判断すると共に、グロッサ32のオンまたはオフを判断して、プリンタ機31および低温定着機33でどのようなクリアトナー版データを用いるかを判断する。なお、クリアトナー版生成部563は、グロッサ32のオンまたはオフの判断を1ページ毎に行う。そして、上述したように、クリアトナー版生成部563は、当該判断の結果に応じて、クリアトナー版データを適宜生成してこれを出力すると共に、グロッサ32に対するオンオフ情報を出力する。これにより、用紙の種類に応じてユーザが意図した効果の光沢効果を有するクリアトナー版データが生成することになる。
用紙情報比較部567は、用紙情報取得部565で取得した用紙情報と、既存の用紙情報とを比較して、比較結果を用紙情報取得部565を介してクリアトナー版制御部563に通知する。既存の用紙情報とは、例えば、表面効果選択テーブル記憶部561が予め記憶している表面効果選択テーブルに対応する用紙種類であって、上述の例では、コート紙、普通紙およびマット紙の3種類である。クリアトナー版制御部563は、通知された用紙情報の比較結果が、用紙情報取得部565で取得した用紙情報が既存の用紙情報と一致しないことを示している場合に、表面効果選択テーブル生成部564に対して、取得した用紙情報に対応する表面効果選択テーブルの生成を依頼する。
表面効果選択テーブル生成部564は、クリアトナー版制御部563の依頼に応じて、表面効果選択テーブル生成のため、テストチャート印刷部58に対してテストチャートの印刷を依頼する。
用紙表示部60、表面効果選択テーブル表示部61、アカウント入力部62および知覚効果入力部63は、それぞれ後述する知覚効果入力画面に関わる機能を実現する。用紙表示部60は、ユーザからの表面効果入力に対する該当用紙名のを操作パネル70に表示させる。表面効果選択テーブル表示部61は、ユーザからの用紙情報の入力に対する該当表面効果選択テーブルを操作パネル70に表示させる。
アカウント入力部62は、操作パネル70に対するユーザ操作による、ユーザのアカウント情報の入力や、アカウントの新規登録および切り替えを受け付ける。知覚効果入力部113は、操作パネル70に対して後述する知覚効果入力画面を表示させると共に、操作パネル70に対する知覚効果入力のユーザ操作を受け付ける。
図1を参照し、MIC12は、DFE11とプリンタ機31とに接続される。MIC12は、後処理機として搭載されている装置構成を示す装置構成情報をDFE11に出力する。また、MIC12は、色版の画像データ、クリアトナー版の画像データをDFE11から受信して各画像データを対応する装置に振り分けるとともに、後処理機の制御を行う。
より具体的には、MIC12は、図10に例示されるように、DFE11から出力された画像データのうちCMYKの色版の画像データをプリンタ機31に出力し、プリンタ機31で用いるクリアトナー版の画像データがある場合にはこれもプリンタ機31に出力し、DFE11から出力されたオンオフ情報を用いて、グロッサ32をオンまたはオフにして、低温定着機33で用いるクリアトナー版の画像データがある場合にはこれを低温定着機33に出力する。グロッサ32はオンオフ情報によって定着を行う経路と行わない経路とを切り替えても良い。低温定着機33はクリアトナー版の画像データの有無によってオンまたはオフの切り替えやグロッサ32と同様の経路の切り替えをしても良い。
また、図10に示すように、プリンタ機31、グロッサ32、低温定着機33からなる印刷装置30は、記録媒体を搬送する搬送路を備えている。なお、プリンタ機31は、詳細には、電子写真方式の複数の感光体ドラム、感光体ドラム上に形成されたトナー像を転写される転写ベルト、転写ベルト上のトナー像を記録媒体に転写する転写装置、および記録媒体上のトナー像を該記録媒体に定着させる定着機を備える。記録媒体は、図示を省略する搬送部材によって搬送路を搬送されることで、プリンタ機31、グロッサー80、低温てい着機の設けられている位置を、この順に搬送される。そして、これらの機器によって順次処理が行われて画像形成および表面効果が付与された後に、図示を省略する搬送機構によって搬送路を搬送されて、印刷装置の外部へと排出される。
(プリンタ機の機能的構成例)
次に、プリンタ機31の機能的構成について説明する。図11は、実施形態に適用可能なプリンタ機31の機能的構成を示すブロック図である。プリンタ機31は、図11に示すように、用紙情報管理部301と、光沢度計測部302と、凹凸情報計測部303と、用紙情報記憶部304と、用紙に画像データを印刷するエンジンである印刷部305とを主に備えている。
用紙情報記憶部304には、現在の印刷対象の用紙の用紙種類が記憶されている。また、用紙情報記憶部304には、光沢度計測部302で計測された用紙の光沢度、凹凸情報計測部303で計測された用紙の凹凸情報(平滑度)も記憶される。用紙種類、用紙の光沢度、用紙の凹凸情報が用紙情報となる。用紙情報記憶部304は、HDDやメモリ等の記憶媒体である。
光沢度計測部302は、用紙情報管理部301からの計測指示を受けて、トレイ等に収容されている用紙の光沢度を計測し、計測された光沢度を用紙情報記憶部304に保存する。凹凸情報計測部303は、用紙情報管理部301からの計測指示を受けて、トレイ等に収容されている用紙の平滑度を計測し、計測された平滑度を用紙の凹凸情報として用紙情報記憶部304に保存する。なお、用紙の光沢度の計測手法、平滑度の計測手法については公知の手法を用いる。
用紙情報管理部301は、用紙情報記憶部304に記憶されている用紙情報を管理する。より具体的には、用紙情報管理部301は、MIC12を介してDFE11から、用紙情報の取得要求を受信した場合に、取得要求で用紙種類が要求されている場合には、用紙情報記憶部304に記憶されている現在の印刷対象の用紙種類を用紙情報としてMIC12を介してDFE11に送信する。
また、取得要求で用紙の光沢度が要求されている場合には、用紙情報管理部301は、光沢度計測部302に用紙の光沢度の計測指示を行い、この結果、用紙情報記憶部304に格納された用紙の光沢度を、用紙情報としてMIC12を介してDFE11に送信する。また、取得要求で用紙の凹凸情報が要求されている場合には、用紙情報管理部301は、凹凸情報計測部303に用紙の平滑度の計測指示を行い、この結果、用紙情報記憶部304に格納された用紙の凹凸情報を、用紙情報としてMIC12を介してDFE11に送信する。
(表面効果選択テーブル)
次に、表面効果選択テーブル記憶部561に記憶される表面効果選択テーブルについて説明する。既に説明したように、表面効果選択テーブルは、表面効果を示す光沢制御値である濃度値と、当該表面効果の種類との対応関係を示すテーブルである。それと共に、表面効果選択テーブルは、濃度値および表面効果種類の対応関係と、画像形成システムの構成に応じた後処理機に関する制御情報と、プリンタ機31で用いるクリアトナー版データおよび後処理機で用いるクリアトナー版データとの対応関係を示す。
画像形成システムの構成は、様々に異なり得るが、実施形態においては、プリンタ機31に後処理機としてグロッサ32および低温定着機33が接続される構成である。このため、画像形成システムの構成に応じた後処理機に関する制御情報とは、グロッサ32のオンまたはオフを示すオンオフ情報となる。また、後処理機で用いるクリアトナー版データとしては、低温定着機33で用いるクリアトナー版データがある。
実施形態では、表面効果選択テーブル記憶部561は、用紙種類毎に異なる表面効果選択テーブルを記憶している。実施形態では、用紙種類として、光沢度が高いコート紙、光沢度が中程度の普通紙、光沢度が低いマット紙の3種類あり、このため、コート紙用の表面効果選択テーブルと、普通紙用の表面効果選択テーブルと、マット紙用の表面効果選択テーブルとが、表面効果選択テーブル記憶部561に記憶されている。以下では、これら用紙種類毎の表面効果選択テーブルを、コート紙用の表面効果選択テーブルで代表させて説明を行う。
図12は、コート紙用の表面効果選択テーブルのデータ構成を例示する図である。なお、表面効果選択テーブルは、異なる画像形成システムの構成毎に、後処理機に関する制御情報と、プリンタ機31で用いるクリアトナー版1の画像データおよび後処理機で用いるクリアトナー版2の画像データと、濃度値および表面効果の種類との対応関係を示すように構成され得る。図11は、実施形態に係る画像形成システムの構成に応じたデータ構成を例示している。
図12において、表面効果の種類および濃度値の対応関係においては、濃度値の範囲毎に表面効果の各種類が対応付けられカテゴリが構成されている。また、カテゴリ内の濃度値の範囲の代表となる値(代表値)から換算される濃度の割合(濃度率)に対して2%単位で表面効果の各種類が対応付けられて、タイプが構成されている。具体的には、濃度率が84%以上となる濃度値の範囲(「212」〜「255」)に対して光沢を与える表面効果(鏡面効果およびベタ効果)のカテゴリが対応付けられており、濃度率が16%以下となる濃度値の範囲(「1」〜「43」)に対して光沢を抑える表面効果(網点マットおよびつや消し)のカテゴリが対応付けられている。また、濃度率が20%〜80%となる濃度値の範囲には、テクスチャや地紋透かしなどの表面効果のカテゴリが対応付けられている。
図12において、例えば、「238」〜「255」の画素値に対しては、表面効果のカテゴリとして鏡面光沢(PM:Premium Gross)が対応付けられており、このうち、「238」〜「242」の画素値、「243」〜「247」の画素値および「248」〜「255」の画素値の3つの範囲に対して各々異なるタイプの鏡面光沢が対応付けられている。
また、「212」〜「232」の画素値に対しては、表面効果のカテゴリとしてベタ光沢(G:Gross)が対応付けられており、このうち、「212」〜「216」の画素値、「217」〜「221」の画素値、「222」〜「227」の画素値および「228」〜「232」の画素値の4つの範囲に対して各々異なるタイプのベタ光沢が対応付けられている。
また、「23」〜「43」の画素値に対しては、表面効果のカテゴリとして網点マット(M:Matt)が対応付けられており、このうち、「23」〜「28」の画素値、「29」〜「33」の画素値、「34」〜「38」の画素値および「39」〜「43」の画素値の4つの範囲に対して各々異なるタイプの網点マットが対応付けられている。また、「1」〜「17」の画素値に対しては、表面効果のカテゴリとしてつや消し(PM:Premium Matt)が対応付けられており、このうち、「1」〜「7」の画素値、「8」〜「12」の画素値および「13」〜「17」の画素値の3つの範囲に対して各々異なるタイプのつや消しが対応付けられている。
これらの同一の表面効果カテゴリの異なるタイプは、プリンタ機31や低温定着機33で使用するクリアトナー版データを求める式に違いがあり、プリンタ本体や後処理機の動作は同じである。なお、「0」の濃度値には、表面効果を与えないことが対応付けられている。
また、図12には、画素値および表面効果に対応して、グロッサ32のオンまたはオフを示すオンオフ情報と、プリンタ機31で用いるクリアトナー版1の画像データ(図1のClr−1)および低温定着機33で用いるクリアトナー版2の画像データ(図1のClr−2)の内容とが各々示されている。例えば、表面効果が鏡面光沢である場合、グロッサ32をオンにすることが示されると共に、プリンタ機31で用いるクリアトナー版1の画像データは、インバースマスクを表すものであり、低温定着機33で用いるクリアトナー版2の画像データは、ないことが示されている。
また、濃度値が「228」〜「232」であり表面効果のカテゴリがベタ光沢である場合、グロッサ32をオフにすることが示されていると共に、プリンタ機31で用いるクリアトナー版1の画像データは、インバースマスク1であり、低温定着機33で用いるクリアトナー版2の画像データは、無いことが示されている。
なお、図示は省略するが、普通紙用およびマット紙用の表面効果選択テーブルの構成も、図12に示したコート紙用の表面効果選択テーブルと同様である。用紙種類が異なる場合、各表面効果のカテゴリにおいて、濃度値と、表面効果のタイプと、後処理機に係る制御情報との組み合わせが異ならされている。
(表面効果に対するユーザ評価)
実施形態では、用紙種類に応じて表面効果選択テーブルに従って印刷されたクリアトナー画像に対してユーザが知覚効果の評価を行い、評価結果を、表面効果選択テーブルによる印刷制御に反映させることができる。以下、実施形態による、ユーザがクリアトナー画像に対して知覚効果の評価を行う方法について説明する。
先ず、テストチャート印刷部58により、クリアトナー画像による表面効果の知覚評価のためのテストチャートを印刷する。例えば、ユーザは、操作パネル70を操作してアカウント情報を入力する。このアカウント情報は、アカウント入力部62から表面効果選択テーブル記憶部561に供給されて記憶される。また、プリンタ機31において、ユーザにより予め、評価対象の用紙種類の用紙が準備されているものとする。ここでは、コート紙がプリンタ機31にセットされているものとする。
ユーザは、アカウント情報の入力後、操作パネル70を操作して、テストチャート印刷部58に対してクリアトナー版によるテストチャートの印刷を依頼する。テストチャート印刷部58は、この依頼に応じて光沢制御版データ記憶部59からテストチャートデータを取得し、表面効果選択テーブル生成部564を介してクリアトナー版生成部563に対してテストチャート用のクリアトナー版の印刷を依頼する。
図13は、テストチャート印刷部58により印刷されるテストチャートの例を示す。テストチャート400PGは、表面効果のカテゴリが「鏡面光沢:PG」に対応するテストチャートの例である。このように、カテゴリ「鏡面光沢」における光沢制御板の各濃度率94%、96%および98%について、複数種類のγ補正を施した、クリアトナーによるパターン401、401、…を、用紙に印刷する。図13の例では、各濃度率94%、96%および98%について、それぞれ5段階のγ補正(γ1、γ2、…、γ5)を施した各パターン401、401、…が印刷されている。
なお、図示は省略するが、テストチャート印刷部58は、表面効果の各カテゴリに応じたテストチャートを印刷することができる。例えば、表面効果のカテゴリが「ベタ光沢:G」に対応するテストチャート400Gでは、光沢制御板の各濃度率90%。88%、86%および84%について、それぞれ複数種類のγ補正を施した、クリアトナーによる各パターンが印刷される。同様に、図示は省略するが、表面効果のカテゴリが「網点マット:M」に対応するテストチャート400Mでは、光沢制御板の各濃度率16%、14%、12%および10%について、それぞれ複数種類のγ補正を施した、クリアトナーによる各パターンが印刷される。
ユーザは、印刷された例えばテストチャート400PGの印刷結果を参照して、表面効果の知覚的な評価を、操作パネル70から入力する。図14(a)は、ユーザの知覚的な評価を入力するための、操作パネル70に表示される知覚効果入力画面410の例を示す。
知覚効果入力画面410において、表示部411には、この知覚効果入力画面410から入力を行うユーザのユーザ名が表示される。ユーザ名は、ユーザにより入力されたアカウント情報に基づき取得することができる。
また、知覚効果入力画面410において、表示部412には、テストチャートを印刷した用紙の用紙名が表示される。用紙名は、例えば操作パネル70からユーザが任意に入力可能とされているものとする。評価リスト表示部420は、各濃度率と、各濃度率にそれぞれ対応する表面効果のカテゴリおよびタイプと、各濃度率にそれぞれ対応するユーザ評価が表示される。
ユーザ評価は、例えば入力部422から入力されたユーザ評価値が表示部421に表示される。入力部422は、例えば、操作パネル70において図中の三角印のボタン422を押圧すると、図14(b)に示されるように、評価値「高」、「中」および「低」を選択的に入力する入力部422a、422bおよび422cを有するプルダウンメニューが表示されるようになっている。
ユーザは、例えば表面効果のカテゴリが「鏡面光沢」に対応するテストチャート400PGの各パターン401、401、…を見て、各濃度毎に視覚的な評価を行う。評価の結果は、操作パネル70を操作して、「高」、「中」および「低」の3段階で入力する。評価段階は、3段階に限らず5段階などさらに多くしてもよい。評価結果を示す評価データは、操作パネル70から知覚効果入力部63に入力され、図示されないRAMなどに一時的に記憶される。
知覚効果入力画面410において、ボタン413は、押下することで入力されたユーザ評価を確定する。例えば、ボタン413が押下されると、RAMに一時的に記憶されている各評価データが、表面効果選択テーブル記憶部561に転送されて格納される。このとき、各評価データは、評価を行ったユーザを示すユーザ情報と共に対応する表面効果選択テーブルの各濃度率(または表面効果カテゴリおよびタイプ)と関連付けられて、表面効果選択テーブル記憶部561に記憶される。
なお、ボタン414は、ユーザ評価を中止するためのキャンセルボタンである。ボタン414が押下された場合は、例えば、ユーザ評価の評価データが破棄される。
クリアトナー版生成部563は、表面効果選択テーブル記憶部561に記憶される、用紙種類に対応する表面効果選択テーブルを用いてクリアトナー版を生成する。その際に、ユーザの知覚効果の評価結果に従い、カテゴリ内の各タイプの濃度値を、当該カテゴリ内で最も評価の高い(効果の高い)タイプの濃度値に置き換える。この濃度値の置き換えの要否は、カテゴリ毎に設定することができる。
図15は、操作パネル70に表示される、クリアトナー濃度値の置き換えを設定する設定画面430の例を示す。設定画面430において、ラジオボタン431および432は、排他的に指定可能とされ、クリアトナー濃度値の置き換えの有効および無効を設定する。ラジオボタン431を指定し、置き換えを有効とした場合、表示部433のカテゴリ選択が有効になる。チェックボックス434を指定することで、対応する表面効果のカテゴリ「鏡面光沢」、「ベタ光沢」および「網点マット」におけるクリアトナー濃度値の置き換えが有効とされる。チェックボックス434は、複数を同時に指定することが可能であって、図15の例では、カテゴリ「鏡面光沢」および「ベタ光沢」において置き換えが有効とされている。
(光沢制御処理)
次に、実施形態に係る画像形成システムが行う光沢制御処理の手順について図16を用いて説明する。DFE11がホスト装置10から印刷データを受信すると(ステップS11)、レンダリングエンジン51は、これを言語解釈して、ベクター形式で表現される画像データをラスタ形式に変換すると共に、RGB形式で表現された色空間をCMYK形式の色空間に変換して、CMYKの各8ビットの有色版データおよび8ビットの光沢制御版データを得る(ステップS12)。
この光沢制御版データの変換処理では、図4の光沢制御版データ、すなわち、図7で示したような、描画オブジェクト毎に表面効果を特定する濃度値が指定された光沢制御版データを、描画オブジェクトを構成する画素毎に濃度値が指定された光沢制御版データに変換する。
すなわち、レンダリングエンジン51は、図7で示される光沢制御版データの描画オブジェクトに対応する座標の範囲の画素に対して、描画オブジェクトに対して設定された濃度値を付与することにより、光沢制御版データを変換する。これにより、光沢制御版データは、画素毎に表面効果が設定された光沢制御版データに変換されることになる。
次に、8ビット光沢制御版データが出力されたら、DFE11のTRC53は、CMYK各色の各8ビットの有色版データに対してキャリブレーションにより生成された1D_LUTのガンマカーブでガンマ補正を行い、ハーフトーンエンジン55はガンマ補正後の画像データに対して、プリンタ機31に出力するためのCMYK各色について各2ビットの有色版データのデータ形式に変換するハーフトーン処理を行い、ハーフトーン処理後のCMYK各色の各2ビットの有色版データを得る(ステップS13)。
また、DFE11のクリアプロセッシング56では、表面効果選択テーブル決定部564によって、用紙情報に基づいて、表面効果選択テーブル記憶部561から、表面効果選択テーブルを選択して決定する処理を行う(ステップS14)。この表面効果選択テーブルの決定処理の詳細については後述する。
次に、クリアプロセッシング56のクリアトナー版生成部563は、8ビットの光沢制御版データを用いて、ステップS14で選択された、用紙種類に対応する表面効果選択テーブルを参照して、光沢制御版データによって示される各画素値に対して指定された表面効果を判断する。そして、クリアトナー版生成部563は、光沢制御版データを構成する全ての画素について、このような判断を行う。
なお、光沢制御版データにおいては、各表面効果を与える領域を構成する全ての画素について基本的に同一の範囲の濃度値を表す。このため、同一の表面効果であると判断した近傍の画素については、クリアトナー版生成部563は、同一の表面効果を与える領域に含まれるものとして判断する。
このようにして、クリアプロセッシング56のクリアトナー版生成部563は、表面効果を与える領域と、当該領域に対して与える表面効果の種類とを判断する。そして、クリアトナー版生成部563は、当該判断に応じて、グロッサ32のオンまたはオフを決定する(ステップS15)。
次に、クリアトナー版生成部563は、ガンマ補正後のCMYKの各8ビットの有色版データを適宜用いて、クリアトナーを付着させるための8ビットのクリアトナー版データを適宜生成する(ステップS16)。そして、ハーフトーンエンジン56は、ハーフトーン処理により、8ビットの画像データを用いた8ビットのクリアトナー版データを2ビットのクリアトナー版像データに変換する(ステップS17)。
次に、DFE11のSi3部57は、ステップS13で得たハーフトーン処理後のCMYKの各2ビットの有色版データと、ステップS17で生成した2ビットのクリアトナー版データとを統合し、統合した画像データと、ステップS15で決定したグロッサ32のオンまたはオフを示すオンオフ情報とをMIC12に対して出力する(ステップS18)。
なお、ステップS16で、クリアトナー版生成部563が、クリアトナー版データを生成していない場合には、ステップS18では、ステップS13で得たハーフトーン処理後のCMYKの各2ビットの有色版データのみが統合されてMIC12に出力される。
(表面効果選択テーブルの決定処理)
次に、ステップS14における表面効果選択テーブルの決定処理の詳細について説明する。図17は、表面効果選択テーブルの決定処理の手順を示すフローチャートである。なお、この図17のフローチャートによる処理の開始に先立って、ユーザによりアカウント情報の入力が行われているものとする。
まず、表面効果選択テーブル決定部564は、用紙情報がユーザにより設定されているか否かを判定する(ステップS20)。若し、用紙情報がユーザにより設定されていると判定した場合には、表面効果選択テーブル決定部564は、処理をステップS21に移行させ、ユーザ設定の用紙情報を入出力制御部567あるいはRAM等から取得する。なお、用紙情報は、例えば操作パネル70に対するユーザ操作により設定することができる。ホスト装置10が、画像データと共に用紙情報を送信するようにもできる。
一方、ステップS20で、用紙情報がユーザにより設定されていないと判定した場合には、処理がステップS22に移行される。ステップS22では、用紙情報取得部565が、MIC12を介してプリンタ機31に用紙情報の取得要求を送信する。ここで、用紙情報の各要素について、予め優先順位をユーザ設定することができる。この場合、例えば、用紙情報取得部565は、用紙種類、用紙の光沢度、用紙の凹凸情報の要素のうち、ユーザにより設定された優先順位が一番高い要素の取得要求を行う。プリンタ機31は、この用紙情報の取得要求に応じて、現在印刷対象とされている用紙から用紙情報を抽出して送信する。この用紙情報は、用紙情報取得部565に受信される(ステップS23)。
プリンタ機31は、この用紙情報の取得要求に応じて、現在印刷対象とされている用紙の用紙情報を送信する。例えば、プリンタ機31は、用紙情報記憶部304から現在の印刷対象の用紙の用紙種類を読み出して、送信することができる。また、用紙情報記憶部304から、光沢度計測部302で計測された用紙の光沢度と、凹凸情報計測部303で計測された用紙の凹凸情報(平滑度)とのうち何れか一方または両方を読み出して送信してもよい。上述したように、用紙の光沢度と平滑度とを組み合わせることで、用紙情報を取得することが可能である。
プリンタ機31から送信された用紙情報は、ステップS23で、DFE11に受信され、用紙情報取得部565に取得される。次のステップS24で、用紙情報比較部567は、ステップS23で用紙情報取得部565により新規に取得された用紙情報と、既存の用紙情報とを比較する。ここで、既存の用紙情報とは、表面効果選択テーブル記憶部561に既に記憶されている各表面効果選択テーブルが対応する用紙情報をいう。
用紙情報比較部567は、新規に取得した用紙情報と既存の用紙情報との比較結果に基づき、ステップS25で、新規に取得した用紙情報と既存の用紙情報とが一致するか否かを判定する。若し、一致すると判定した場合、処理がステップS26に移行される。ステップS26の処理については後述する。
一方、用紙情報比較部567は、ステップS25で、新規に取得した用紙情報と既存の用紙情報とが一致しないと判定した場合、処理をステップS27に移行させる。ステップS27では、クリアトナー版生成部563が表面効果選択テーブル生成部564に対して、表面効果選択テーブルの生成を依頼する。表面効果選択テーブル生成部564は、この依頼に応じて、例えば各値がデフォルト値とされた表面効果選択テーブルを生成し、生成した表面効果選択テーブルを、新規に取得した用紙情報に関連付けて表面効果選択テーブル記憶部561に記憶させる。
ここで、新規に生成された表面効果選択テーブルに対して、上述したようにして評価を行ってもよい。すなわち、新規の表面効果選択テーブルに基づきクリアトナー版のテストチャートを印刷し、印刷結果を参照して知覚効果入力画面410にて各評価を入力し、評価結果を当該新規の表面効果選択テーブルに関連付けて表面効果選択テーブル記憶部561に記憶する。
ステップS27の処理が終了すると、処理はステップS26に移行される。ステップS26では、クリアトナー版生成部563が、用紙情報取得部565に取得された用紙情報に基づき、表面効果選択テーブル記憶部561に記憶される表面効果選択テーブルのうち用紙情報が一致する表面効果選択テーブルを取り込む。このとき、クリアトナー版生成部563は、表面効果選択テーブル記憶部561から、表面効果置換部566を介して、当該表面効果選択テーブルを取り込む。
次のステップS28で、光沢制御版記憶部562は、入力された光沢制御版を記憶し、さらに次のステップS29で、クリアトナー版生成部563は、光沢制御版記憶部562が記憶した光沢制御版と、表面効果選択テーブル記憶部561から表面効果置換部566を介して取り込んだ表面効果選択テーブルとに基づき、クリアトナー版を生成する。
(表面効果置換部の動作)
上述のステップS27における表面効果置換部566の動作について、図18のフローチャートを用いて説明する。上述もしたが、表面効果置換部566は、表面効果選択テーブル記憶部561から表面効果選択テーブルを取り込む際に、当該表面効果選択テーブル関連付けられたユーザ評価の評価データが存在する場合、カテゴリ内の各タイプの濃度値を、同じカテゴリ内で最も表面効果が高い、すなわち評価結果が高い濃度値に置換する。
先ず、ステップS30で、クリアトナー版生成部563は、用紙情報取得部565に取得された用紙情報に基づき、表面効果置換部566に対して、当該用紙情報に対応する表面効果選択テーブルの取得を依頼する。表面効果置換部566は、この依頼に応じて、表面効果選択テーブル記憶部561から該当する表面効果選択テーブルを取得する。以下、ステップS31〜ステップS39の処理が、表面効果置換部566による処理となる。
ステップS31で、表面効果置換部566は、クリアトナー版生成部563が指定する各カテゴリの濃度値を、表面効果選択テーブルから取得する。次のステップS32で、表面効果置換部566は、設定画面430などでユーザがクリアトナー濃度値の置き換え設定を有効および無効の何れに設定しているかを判定する。若し、無効に設定していると判定した場合、処理をステップS39に移行させ、ステップS31で取得した各カテゴリの濃度値をクリアトナー版生成部563に返して、表面効果取り込みを終了する。
一方、ステップS32でクリアトナー濃度値の置き換え設定を有効にしていると判定した場合、表面効果置換部566は、処理をステップS33に移行させる。ステップS33で、表面効果置換部566は、ユーザが設定画面430などで、表面効果のカテゴリの「鏡面光沢」について、置き換えを有効にしているか否かを判定する。若し、無効に設定していると判定した場合は、ステップS31で取得したカテゴリ「鏡面光沢」の各濃度値を保持し、処理をステップS35に移行させる。
一方、ステップS33で、カテゴリ「鏡面光沢」について、置き換えを有効に設定していると判定した場合、処理をステップS34に移行させる。ステップS34では、表面効果置換部566は、表面効果選択テーブルに関連する評価結果におけるカテゴリ「鏡面光沢」内で最も評価の高い(最も効果の高い)濃度値を取得する。そして、表面効果置換部566は、取得された濃度値で、表面効果選択テーブルの当該カテゴリ「鏡面光沢」内の全てのタイプの濃度値を置き換える。そして、処理をステップS35に移行させる。
より具体的な例を用いて説明する。例えば、用紙情報がコート紙の表面効果選択テーブルを例にとって考える。この場合、表面効果選択テーブルのカテゴリ「鏡面光沢」において、タイプA、タイプBおよびタイプCの濃度値は、それぞれ98%、96%および94%である。ここで、評価結果におけるカテゴリ「鏡面光沢」のタイプA、タイプBおよびタイプCの評価がそれぞれ「低」、「高」および「中」であったとする。この場合、評価結果では、カテゴリ「鏡面光沢」のタイプBが最も評価が高いので、表面効果置換部566は、このタイプBの濃度値96%で、表面効果選択テーブルのカテゴリ「鏡面光沢」内の全てのタイプの濃度値を置き換える。
なお、1のカテゴリ中に高評価のタイプが複数、存在する場合も考えられる。この場合には、濃度値の低い方および高い方の何れか一方を、置き換えに用いる濃度値として選択する。何れの濃度値を用いるかは、カテゴリ毎に決めてもよいし、一律に何れか一方の濃度値を用いるように決めてもよい。
次のステップS35で、表面効果置換部566は、ユーザが設定画面430などで、表面効果のカテゴリの「ベタ光沢」について、置き換えを有効にしているか否かを判定する。若し、無効に設定していると判定した場合は、ステップS31で取得したカテゴリ「ベタ光沢」の各濃度値を保持し、処理をステップS37に移行させる。
一方、ステップS35で、カテゴリ「ベタ光沢」について、置き換えを有効に設定していると判定した場合、処理をステップS36に移行させる。ステップS36では、表面効果置換部566は、表面効果選択テーブルに関連する評価結果におけるカテゴリ「ベタ光沢」内で最も評価の高い(最も効果の高い)濃度値を取得する。そして、表面効果置換部566は、取得された濃度値で、表面効果選択テーブルの当該カテゴリ「ベタ光沢」内の全てのタイプの濃度値を置き換える。そして、処理をステップS37に移行させる。
次のステップS37で、表面効果置換部566は、ユーザが設定画面430などで、表面効果のカテゴリの「網点マット」について、置き換えを有効にしているか否かを判定する。若し、無効に設定していると判定した場合は、ステップS31で取得したカテゴリ「網点マット」の各濃度値を保持し、処理をステップS39に移行させる。
一方、ステップS37で、カテゴリ「ベタ光沢」について、置き換えを有効に設定していると判定した場合、処理をステップS38に移行させる。ステップS38では、表面効果置換部566は、表面効果選択テーブルに関連する評価結果におけるカテゴリ「網点マット」内で最も評価の高い(最も効果の高い)濃度値を取得する。そして、表面効果置換部566は、取得された濃度値で、表面効果選択テーブルの当該カテゴリ「網点マット」内の全てのタイプの濃度値を置き換える。そして、処理をステップS39に移行させる。
ステップS39では、ステップS38までの処理で取得した各カテゴリの濃度値をクリアトナー版生成部563に返して、表面効果取り込みを終了する。
このように、実施形態によれば、用紙種類に応じた表面効果のカテゴリ内の各濃度値を、ユーザによる知覚効果の評価結果が最も高いタイプの濃度値に置き換えている。そのため、印刷を行う用紙種類に対して適切なクリアトナー濃度値を、その都度ユーザの手を煩わすことなく、容易に設定することができる。
なお、本発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。