JP2013220406A - 洗浄排水の処理装置および洗浄排水の処理方法 - Google Patents

洗浄排水の処理装置および洗浄排水の処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低コストで洗浄排水処理装置内での有機物の濃縮を抑制し、かつ排水の回収率が高い洗浄排水の処理装置を提供する。
【解決手段】原水を脱塩装置30により脱塩処理した脱塩処理水を使用する複数の設備を有する水使用設備32における洗浄設備34から排出される有機酸および有機物を含有する洗浄排水を処理する洗浄排水処理装置1であって、洗浄排水中の有機酸を還元処理する還元装置10と、還元処理水に含まれるイオン成分を除去するイオン成分除去装置12と、イオン成分除去処理されて回収された回収水の少なくとも一部を脱塩装置30よりも上流側に供給する回収水供給配管24と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、洗浄排水の処理装置および処理方法に関し、特に飲料製品等の充填前のペットボトル等の容器等を洗浄、殺菌した際に発生する洗浄排水の処理装置および処理方法に関する。
食品工場等においては、井戸水等を原水として、砂ろ過、加圧浮上、精密ろ過等を用いた微粒子除去工程、RO膜処理等の脱塩工程等によって処理した精製水を、工場内の数多くの設備で利用している。その設備の一つとして洗浄設備(リンサー設備)がある。
食品工場等において、製品を容器へ無菌充填しようとする場合、容器を滅菌するために通常、殺菌剤が使用される。殺菌剤としては、酢酸、過酢酸および過酸化水素が混合された洗浄液がオキソニアと呼ばれ、広く利用されている。滅菌された容器は、付着した殺菌剤を洗い流すため洗浄設備に導入される。洗浄設備では、多量の水を使って容器に付着した殺菌剤を洗浄し、排水されている。このため、食品工場等における水資源の節減が望まれる昨今、この排水を洗浄排水処理装置(リンサー排水処理装置)により回収して再び洗浄設備で再利用する、排水の回収方法が多く提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
洗浄排水(リンサー排水)の処理、回収方法としては、特許文献1に記載のように、含有する過酸化水素および過酢酸を活性炭等の触媒により酢酸にまで分解し、その後、アニオン交換樹脂を用いて酢酸を吸着し、得られた処理水を洗浄設備で再利用する方法が代表的である。また、この工程において、洗浄排水処理装置内での雑菌の繁殖を防ぐため、熱水殺菌、次亜塩素酸を用いた殺菌、UVを用いた殺菌等の殺菌処理が併用されることがある。
一方で、このような洗浄排水処理装置を運転するとアルデヒド類等の有機物が洗浄排水処理装置内で検出されることがある。アルデヒド類等の有機物の溶出または生成メカニズムは明らかになっていないが、洗浄排水処理装置におけるいずれかの工程からの溶出か、またはリンスされている製品容器からの溶出等が想定される。アルデヒド類は、ホルムアルデヒドが水道水質基準で0.08mg/L、アセトアルデヒドについては要検討項目として挙げられており(2011年1月25日現在)、容器に残存する可能性があるリンス水が水道水質基準を超過しないことが望ましい。
洗浄排水の処理、回収においては、洗浄排水を精製して新たに洗浄水(リンサー水)として供給できる方法があるものの、洗浄設備から洗浄排水処理装置においてアルデヒド類等の有機物が溶出または生成してしまい、例えばホルムアルデヒドの水道水基準0.08mg/Lを超過してしまう場合があった。特許文献3にはアルデヒド類を含む被処理水中からアルデヒド類を除去する方法が提案されているものの、被処理水中の2ppmのホルムアルデヒドを1.1ppmまで除去する程度にとどまっており、その除去性能は乏しい。したがって、比較的高濃度のアルデヒド類を除去するためには、酸化処理設備など、多大な設備投資が必要となってしまう。
特開2001−129564号公報 特開2008−093511号公報 特開2010−247009号公報
本発明の目的は、低コストで洗浄排水処理装置内での有機物の濃縮を抑制し、かつ排水の回収率が高い洗浄排水の処理装置および洗浄排水の処理方法を提供することにある。
本発明は、原水を脱塩処理した脱塩処理水を使用する複数の設備を有する水使用設備における洗浄設備から排出される有機酸および有機物を含有する洗浄排水を処理する洗浄排水の処理装置であって、前記洗浄排水中の前記有機酸を還元処理する還元手段と、前記還元手段で処理された還元処理水に含まれるイオン成分を除去するイオン成分除去手段と、前記イオン成分除去手段で処理されて回収された回収水の少なくとも一部を前記脱塩処理よりも上流側に供給する回収水供給手段と、を備える洗浄排水の処理装置である。
また、本発明は、原水を脱塩処理した脱塩処理水を使用する複数の設備を有する水使用設備における洗浄設備から排出される有機酸および有機物を含有する洗浄排水を処理する洗浄排水の処理方法であって、前記洗浄排水中の前記有機酸を還元処理する還元工程と、前記還元工程で処理された還元処理水に含まれるイオン成分を除去するイオン成分除去工程と、前記イオン成分除去工程で処理されて回収された回収水の少なくとも一部を前記脱塩処理よりも上流側に供給する回収水供給工程と、を含む洗浄排水の処理方法である。
本発明では、原水を脱塩処理した脱塩処理水を使用する複数の設備を有する水使用設備における洗浄設備から排出される有機酸および有機物を含有する洗浄排水を処理する洗浄排水の処理において、還元処理およびイオン成分除去処理されて回収された回収水の少なくとも一部を脱塩処理よりも上流側に供給することにより、低コストで洗浄排水処理装置内での有機物の濃縮を抑制し、かつ排水の回収率が高い洗浄排水の処理装置および洗浄排水の処理方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る洗浄排水処理装置の一例を示す概略構成図である。 実施例で用いた洗浄排水処理装置を示す概略構成図である。 本発明の実施例における水バランスを示す図である。 実施例で用いたろ過装置を示す概略構成図である。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
本発明者らは、洗浄設備から洗浄排水処理装置の工程におけるアルデヒド類等の有機物の生成量について検討を行った。その結果、洗浄設備から洗浄排水処理装置を一度通過しただけではアルデヒド類等の有機物がほとんど検出されないこと、洗浄排水処理装置を循環して通過するのに比例してアルデヒド類等の有機物の濃度が上昇し、やがて検出可能な濃度レベルを超えることを明らかにした。このことはつまり、洗浄排水処理装置を用いて排水を処理、回収し、洗浄水として再び利用する場合、洗浄排水処理装置における排水の回収率を高めれば高めるほど、アルデヒド類等の有機物の濃度が高濃度となることを意味する。
一方で本発明者らは、洗浄設備等に導入される原水を脱塩処理するRO設備等の脱塩処理設備ではアルデヒド類等の有機物がほとんど濃縮しないことを明らかにした。そこで、本実施形態においては、洗浄排水処理装置で回収された回収水の少なくとも一部を、洗浄設備よりもさらに上流の脱塩処理設備における脱塩工程より上流側へ送水することで、RO膜処理工程等の脱塩処理工程でアルデヒド類等の有機物がほとんど濃縮されることなく、洗浄排水処理装置で回収された回収水を洗浄水として再び利用する場合におけるアルデヒド類等の有機物の濃縮が抑制され、高価な付帯設備を用いなくても、排水の回収率が高い、洗浄排水の処理システムおよび洗浄排水の処理方法を提供するものである。これにより、低コストで洗浄排水処理装置内でのアルデヒド類等の有機物の濃縮を抑制し、かつ水資源を節減することができる。
本発明の実施形態に係る洗浄排水処理装置の一例の概略を図1に示し、その構成について説明する。洗浄排水処理装置1は、還元手段として還元装置10と、イオン成分除去手段としてイオン成分除去装置12とを備える。洗浄排水処理装置1は、殺菌手段として殺菌装置14を備えてもよく、殺菌装置14の後段に回収水貯槽(図示せず)を備えてもよい。
図1の洗浄排水処理装置1において、水を使用する複数の設備を有する水使用設備32における洗浄設備34からの洗浄排水配管16が還元装置10の入口に接続され、還元装置10の出口とイオン成分除去装置12の入口とが還元処理水配管18により接続され、イオン成分除去装置12の出口と殺菌装置14の入口とがイオン成分除去処理水配管20により接続され、殺菌装置14の出口は、殺菌処理水配管22により洗浄設備34の洗浄水入口に接続されている。また、殺菌処理水配管22は、原水槽26へ殺菌処理水の少なくとも一部を回収水として供給する回収水供給手段としての回収水供給配管24により原水槽26と接続されている。原水槽26の出口と微粒子除去装置28の入口とが原水配管36により接続され、微粒子除去装置28の出口と脱塩装置30の入口とが微粒子除去処理水配管38により接続され、脱塩装置30の出口は、洗浄設備34を含む水使用設備32へ脱塩処理水の少なくとも一部を供給する脱塩処理水供給手段としての脱塩処理水供給配管40により水使用設備32と接続されている。水使用設備32には、排水を排出するための排水配管42が接続されている。
本実施形態に係る洗浄排水の処理方法および洗浄排水処理装置1の動作について説明する。
水使用設備32で使用される原水は、原水槽26に貯留された後、原水配管36を通して微粒子除去装置28へ送液され、微粒子除去装置28において原水に含まれる微粒子等が除去される(微粒子除去工程)。微粒子が除去された微粒子除去処理水は、微粒子除去処理水配管38を通して脱塩装置30へ送液され、脱塩装置30において脱塩処理されて微粒子除去処理水に含まれる塩分等が除去される(脱塩工程)。脱塩処理された脱塩処理水は、脱塩処理水供給配管40を通して水使用設備32に供給され、水使用設備32における洗浄設備34を含む複数の設備において脱塩処理水が使用される。水使用設備32からの排水の少なくとも一部は排水配管42を通して排出される。なお、原水の性状等に応じて、微粒子除去工程を省略してもよい。
洗浄、殺菌用の有機酸が脱塩処理水に添加された有機酸含有洗浄水が洗浄設備34へ供給され、洗浄設備34において、例えば、飲料製品の充填前のペットボトル等の容器が洗浄、殺菌される。洗浄、殺菌の後、容器に残留した有機酸等が洗浄水で流される。洗浄設備34において発生した有機酸等を含む洗浄排水(リンサー排水)の少なくとも一部は、洗浄排水配管16を通して洗浄排水処理装置1の還元装置10へ送液され、還元装置10において還元処理される(還元工程)。還元装置10で処理された還元処理水は、還元処理水配管18を通してイオン成分除去装置12へ送液され、含まれるイオン成分が除去される(イオン成分除去工程)。イオン成分除去装置12で処理されたイオン成分除去処理水は、イオン成分除去処理水配管20を通して殺菌装置14へ送液され、殺菌処理される(殺菌工程)。殺菌装置14で処理された殺菌処理水の少なくとも一部は、殺菌処理水配管22を通して洗浄設備34へ循環され、洗浄水として再び利用される。また、殺菌処理水の少なくとも一部は、回収水として回収水供給配管24を通して脱塩装置30よりも上流側である原水槽26へ供給される。回収水は、原水槽26において原水と混合され、再利用される。
殺菌処理水の少なくとも一部は、回収水として脱塩装置30よりも上流側に供給されればよく、原水槽26へ送液される他に、原水配管36や微粒子除去処理水配管38へ供給されてもよい。
水使用設備32の一部にある洗浄設備34では、一般的に、水使用設備32で使用される脱塩処理水全体の1/10程度の水が使用される。洗浄設備34では、例えば、容器の殺菌等が行われ、その後、容器に残留した有機酸等が洗浄水(リンサー水)で流される。この洗浄排水には、有機酸および有機物等が含まれる。有機酸としては、酢酸、過酢酸等が挙げられ、殺菌剤としてオキソニア(酢酸、過酢酸、過酸化水素の混合物)が用いられた場合は、有機酸の他に過酸化水素が含まれていてもよい。洗浄設備34で発生した有機酸および有機物を含む洗浄排水の少なくとも一部は、上記の通り、洗浄排水処理システム1において処理される。
この回収水には、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等のアルデヒド類、アルコール類、有機塩素化合物に代表される有機溶剤等の有機物を含むことがある。この回収水を洗浄設備34の原水槽等へ返送すると、洗浄設備34内でアルデヒド類等の有機物の除去機構がないことから、系内でアルデヒド類等の有機物の濃縮が起こり、例えばホルムアルデヒドについて水道水基準である0.08mg/Lを超過してしまうことがある。
本実施形態では、回収水の全量もしくは一部を、水使用設備32全体の原水槽26へと返送することで、系内でのアルデヒド類等の有機物の濃縮を抑制することが可能となる。
水使用設備32全体の原水槽26へ返送された回収水中のアルデヒド類等の有機物は、水使用設備32の使用水量に対する洗浄設備34での使用水量に応じて希釈されることで、ほとんど検出限界以下まで濃度が低下することになる。原水槽26から微粒子除去工程を経て脱塩工程において、RO膜処理工程等がある場合でも、後述する実施例に示すように、RO膜処理工程等で非意図的に濃縮されることはほとんどない。
このようにして、再び洗浄設備34へ供給される水はアルデヒド類等の有機物をほとんど含まない。一方で、洗浄排水は回収水としてほとんど全てを水使用設備32全体の原水槽26にて回収することができ、それに応じて井戸水、工水、上水等の原水の使用量を低減することができる。
洗浄排水処理装置内での有機物の濃縮を抑制するためには、水使用設備32の使用水量に対する洗浄設備34での使用水量の割合はできるだけ小さい方がよいが、例えば、水使用設備32の使用水量に対する洗浄設備34での使用水量の割合は、60%以下程度が好ましく、54%以下がより好ましい。また、洗浄排水処理装置1で処理された処理水(例えば、殺菌処理水)の量に対する原水槽26への回収水の供給量の割合は、処理水量中の有機物量等に応じて決めればよく、例えば、35%以下程度であればよい。
還元装置10としては、少なくとも有機酸を還元処理するものであればよく、特に限定されない。還元装置10としては、例えば、活性炭を充填した装置、触媒を充填した装置等が挙げられ、費用対効果等の点から、活性炭を充填した装置が好ましい。
イオン成分除去装置12としては、過酢酸等が還元装置で分解されて発生した酢酸イオン等のイオン成分を少なくとも除去するものであればよく、特に限定されない。イオン成分除去装置12としては、例えば、イオン交換樹脂を充填したイオン交換装置、RO膜を備えたろ過装置等が挙げられ、水回収率等の点から、イオン交換樹脂を充填したイオン交換装置が好ましい。イオン交換樹脂としては、カチオン交換樹脂、アニオン交換樹脂、カチオン交換樹脂およびアニオン交換樹脂の混床等が用いられる。
殺菌装置14としては、少なくとも殺菌するものであればよく、特に限定されない。殺菌装置14としては、例えば、塩素殺菌装置、熱水殺菌装置、UV殺菌装置等が挙げられるが、連続性および装置のコンパクトさ、添加物を要しない等の点からUV殺菌装置が好ましい。また、設備全体を停止して熱水殺菌を2〜3日の間隔で行うことで、さらなる殺菌効果を上げることができる。
殺菌装置14は、少なくとも254nmの波長の紫外線を照射するものであればよい。紫外線を照射する装置には、185〜254nmの紫外線を発光するものや、185nmがカットされて発光するもの等がある。殺菌装置14としては、例えば、185〜254nmの紫外線を発光するUVランプを備え、波長185nmがフィルタによりカットされているUV酸化装置を使用すればよい。
水使用設備32全体の原水槽26へは、井戸水、工水、上水等から少なくとも一つ以上選ばれる原水が供給される。
微粒子除去装置28としては、砂ろ過装置、加圧浮上装置、膜ろ過装置等が主に用いられる。
脱塩装置30としては、RO膜処理装置やイオン交換樹脂を含むイオン交換装置等が挙げられる。RO膜は主に超低圧膜が好ましく使用される。また、原水がシリカを多く含む水の場合は、アルカリ性にしてRO膜へ通水したり、イオン交換樹脂塔を併用したり、イオン交換樹脂単独で脱塩処理してもよい。
脱塩処理された脱塩処理水は、水使用設備32において、ボトリング水(製品製造)や洗浄水等として利用される。そのうち、比較的清浄な水は必要に応じて膜処理等を行った後、再利用されてもよい。
水使用設備32としては、例えば、飲料産業における飲料製品の充填前のペットボトル等の容器の洗浄を行う洗浄設備、製品充填後の缶製品を殺菌する洗浄設備等を含む水使用設備が挙げられる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
洗浄設備から洗浄排水処理装置の工程を模擬し、アルデヒド類の溶出量の確認試験を行った。実験装置図を図2に示す。図2の洗浄排水処理装置において、還元装置10の出口とイオン成分除去装置12の入口とを還元処理水配管18により接続し、イオン成分除去装置12の出口と殺菌装置14の入口とをイオン成分除去処理水配管20により接続し、還元装置10の前段に原水槽44を設置し、殺菌装置14の出口を、回収水供給配管24により原水槽44と接続し、原水槽44の出口と還元装置10の入口とを原水配管48により接続した。原水配管48にはポンプ46を設置した。
各装置としては以下のものを使用した。
還元装置:活性炭充填(1L)
イオン成分除去装置:カチオンおよびアニオン交換樹脂の混床式(カチオン:800mL、アニオン:1600mL)
殺菌装置:UV照射装置(UVランプ:ニッポ電機社製、型式SGL−500T4U)
なお、UVランプは、185〜254nmの紫外線を発光するものであり、波長185nmがフィルタによりカットされているものである。UV照射量は50mJ/cmである。
[実験条件]
・原水:純水(イオン交換樹脂により脱塩処理したもの)+オキソニア(エコラボ社製オキソニアアクティブ90)
・オキソニア濃度:1,000mg/L
・原水流量:10L/h
・装置内全保有水合計量(原水流量に比例で実機サイズを模擬):10L
実験条件より、洗浄排水処理装置内の保有水が装置全体を循環するのにかかる時間は1hである。循環回数毎に殺菌装置出口で回収水をサンプリングし、厚生労働省告示第261号別表第19に準拠してホルムアルデヒドを分析した結果を表1に示す。
表1より、洗浄排水を回収して再利用し続けることで、ホルムアルデヒド濃度が洗浄排水処理装置内で水道水水質基準である0.08mg/Lを超えることがわかる。洗浄設備から洗浄排水処理装置の工程において、洗浄設備内での水の回収率(再利用率)が例えば90%であるとすると、1/(1−0.9)=10回、系内で水が循環することとなる。このとき、表1よりホルムアルデヒド濃度が0.22mg/Lとなることがわかる。このように、洗浄設備から洗浄排水処理装置の工程において、系内でホルムアルデヒド等の有機物が溶出または生成することがある場合、水の回収率を高めようとすると系内濃縮するため、回収水として適切な水質が得られにくいことがわかる。
一方で、本実験における循環1回の水質はホルムアルデヒド濃度0.01mg/Lであり、水道水基準を満たす水質であった。この水質の水を洗浄設備の上流で脱塩処理よりも上流側にあたる原水槽へ返送した場合を考える。想定として、原水の脱塩装置(ここではRO設備)による回収率Xを85%、水使用設備から排出された水の脱塩装置(ここではRO設備)による回収率Yを60%、水使用設備内における洗浄設備の水使用率Sを供給量の10%とした。このとき、原水槽から原水の脱塩装置に流入する水量を1としたときの水バランスを図3に示す。
(1)図3で示した水バランスにおいて、原水槽での洗浄設備からの希釈倍率を計算すると次式となる。

[1]
X:原水のRO設備回収率
Y:水使用設備から排出された水のRO設備による回収率
S:水使用設備内における洗浄設備の水使用率
R:原水槽での洗浄設備からの希釈倍率
式[1]より、今回のケースでは、X=0.85、Y=0.60、S=0.1を代入すると、R≒5.4となる。
(2)原水槽では、洗浄設備に供給されるホルムアルデヒド濃度をZmg/Lとすると、1/0.1848=5.4倍に希釈された濃度であると考えられる。
(0.01+Z)/5.4[mg/L]・・・[2]
(3)式[2]=Zmg/Lであるので、Z=(0.01+Z)/5.4の方程式を解くと、Z≒0.0023mg/Lとなる。
以上より、洗浄排水処理装置でホルムアルデヒドが0.01mg/L発生したとして、回収水の全量を原水槽に返送すると、洗浄設備内での回収率は100%となり、各設備における水質は表2に示すようになると計算される。
表2より、本実施例によれば、水使用設備全体の原水槽へ回収水を返送することで、設備全体の水質を基準値以下に保ちつつ、洗浄設備で使用された水のほぼ全量が回収可能となることがわかる。
図3において前段のRO設備をイオン交換樹脂に変更して回収率を挙げた場合X=1を式[1]に代入することで、希釈倍率を求めることができる。後段のRO設備を設置しない場合、Y=0を式[1]に代入することで希釈倍率を求めることができる。また、式[1]においてR<1を示す場合は、系内濃縮が起こっていることを意味する。
図3において、ホルムアルデヒドの溶出濃度が0.01mg/L以上であるとき、X=1として最大の回収率とし、Y=0.85としてRO膜の最大の回収率とした場合、洗浄設備に供給される水が水使用設備全体の54%を超えると、確実に全量を原水槽へ返送したとしても水道基準値である0.08mg/Lを超過してしまう。したがって、洗浄設備に供給される水は、水使用設備全体の54%以下が望ましい。
[RO膜によるホルムアルデヒドの濃縮]
図4に示すようなRO膜52(超低圧膜:オルガノ製、OFR−140HJ8)を備えるろ過装置50を用いて、純水中にホルムアルデヒドを添加した試料液を上部に充填し、窒素ガスで圧力をかけ、2mL/minでRO膜を介して試料の50%を透過させ、透過液のアルデヒド類の濃度を測定した。結果を表3に示す。
表3より、RO膜はホルムアルデヒドをほとんど濃縮しないことがわかる。
1 洗浄排水処理装置、10 還元装置、12 イオン成分除去装置、14 殺菌装置、16 洗浄排水配管、18 還元処理水配管、20 イオン成分除去処理水配管、22 殺菌処理水配管、24 回収水供給配管、26,44 原水槽、28 微粒子除去装置、30 脱塩装置、32 水使用設備、34 洗浄設備、36,48 原水配管、38 微粒子除去処理水配管、40 脱塩処理水供給配管、42 排水配管、46 ポンプ、50 ろ過装置、52 RO膜。

Claims (2)

  1. 原水を脱塩処理した脱塩処理水を使用する複数の設備を有する水使用設備における洗浄設備から排出される有機酸および有機物を含有する洗浄排水を処理する洗浄排水の処理装置であって、
    前記洗浄排水中の前記有機酸を還元処理する還元手段と、
    前記還元手段で処理された還元処理水に含まれるイオン成分を除去するイオン成分除去手段と、
    前記イオン成分除去手段で処理されて回収された回収水の少なくとも一部を前記脱塩処理よりも上流側に供給する回収水供給手段と、
    を備えることを特徴とする洗浄排水の処理装置。
  2. 原水を脱塩処理した脱塩処理水を使用する複数の設備を有する水使用設備における洗浄設備から排出される有機酸および有機物を含有する洗浄排水を処理する洗浄排水の処理方法であって、
    前記洗浄排水中の前記有機酸を還元処理する還元工程と、
    前記還元工程で処理された還元処理水に含まれるイオン成分を除去するイオン成分除去工程と、
    前記イオン成分除去工程で処理されて回収された回収水の少なくとも一部を前記脱塩処理よりも上流側に供給する回収水供給工程と、
    を含むことを特徴とする洗浄排水の処理方法。
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