JP2013219195A - 超電導コイルの伝導冷却板及び超電導コイル装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】伝導冷却板14は、希土類系酸化物超電導体を有するテープ状の超電導線材を巻回して形成され、外周には外周枠13が設けられたシングルパンケーキコイル11の軸線方向の両端面に配置されている。この伝導冷却板14は、ガラス繊維強化樹脂(GFRP)等の繊維強化樹脂により、一体環状に形成されている。前記繊維強化樹脂には、窒化ホウ素等のフィラーが配合されることが好ましい。また、伝導冷却板14は、外周枠13に対してボルトにより連結固定されている。
【選択図】図1
Description
請求項4に記載の発明の超電導コイルの伝導冷却板は、請求項1から請求項3のいずれか一項に係る発明において、前記伝導冷却板は、外周枠に対して連結固定されていることを特徴とする。
本発明の超電導コイルの伝導冷却板は、希土類系酸化物超電導体を有するテープ状の超電導線材を巻回して形成され、その外周には外周枠が設けられた超電導コイルの軸線方向の端面に配置されるようになっており、繊維強化樹脂により形成されている。繊維強化樹脂として例えばガラス繊維強化樹脂は、銅、アルミニウム等の金属に比べて比重が小さいことから、伝導冷却板を軽量にすることができる。
図1に示すように、超電導コイルとしてのシングルパンケーキコイル(以下、単にコイルともいう)11の内周には円筒状の内周枠12が配置され、外周には同じく円筒状をなす外周枠13が配置されるとともに、コイル11の軸線方向の両端部には一対の伝導冷却板14が配置されて超電導コイル装置15が構成されている。各伝導冷却板14には各一対の冷却リード16の一端が接続され、伝導冷却板14を冷却してコイル11を臨界温度よりも低い温度に到達させるようになっている。なお、冷却リード16の他端は、図示しない冷凍機の冷却部に接続されている。
まず、図2(a)及び(b)に示すように、内周枠12の外周に、テープ状の超電導線材17をその一端から所定の巻数で巻回してコイル11を形成する。続いて、超電導線材17のコイル11の外周に外周枠13を配置してコイル11の組立体を形成する。この場合、コイル11の外周面と外周枠13の内周面との間に若干の隙間が形成されていてもよい。この状態で、図2(c)に示すように、コイル11の組立体をパラフィン溶湯に浸漬し、脱気した後、冷却してモールド層18を形成する。
さて、本実施形態の伝導冷却板14を使用してシングルパンケーキコイル11を冷却する場合には、コイル11の軸線方向の両端部に伝導冷却板14を固定した状態で、冷却リード16を介して伝導冷却板14を冷却し、コイル11の両端面からコイル11を伝導冷却する。このとき、伝導冷却板14は、従来の導電性を有する金属材料とは異なり、非導電性のFRPで形成されていることから、一体円環状に構成することができ、伝熱面を拡げることができて、コイル11の冷却を有効かつ速やかに進めることができる。
(1)この実施形態の伝導冷却板14では、シングルパンケーキコイル11の外周には外周枠13が設けられるとともに、伝導冷却板14はFRPで形成され、コイル11の軸線方向の端面に配置されている。FRP(比重1.5〜1.8)は、銅(比重8.9)、アルミニウム(比重2.7)等の金属に比べて比重が小さいことから、伝導冷却板14を軽量にすることができる。また、FRPは電気絶縁性を有していることから、分割することなく、一体円環状に形成することができるとともに、伝導冷却板14とコイル11端面との間に絶縁材料を介在させる必要もない。さらに、伝導冷却板14と内周枠12及び外周枠13とを同じFRPで形成することにより、冷却時における変形を抑えることができ、コイル11の端面に対する伝導冷却板14の密着性を維持することができる。
(2)前記伝導冷却板14は、コイル11の軸線方向の両端面に配置されている。このため、コイル11の冷却をその両端面から同時に行うことができ、冷却効率を向上させることができる。
(3)前記伝導冷却板14は、一体円環状に形成されている。従って、伝導冷却板14の構造を簡単にしてその製造やコイル11に対する組付けを容易に行うことができるとともに、伝導冷却板14の機械的強度を高めることができる。
(4)前記伝導冷却板14は、外周枠13に対して連結固定されている。そのため、伝導冷却板14をコイル11に対して密接させることが可能であり、コイル11の冷却効率を向上させることができると同時に、外周枠13を補強してその動きを一層効果的に規制することができる。
(5)前記伝導冷却板14は、繊維強化樹脂に熱伝導性を有するフィラーが配合されて形成されている。このため、伝導冷却板14全体の伝熱効率を一段と高めることができ、コイル11の冷却を一層迅速に進めることができる。
(6)前記超電導コイル装置15は、シングルパンケーキコイル11と、その外周に配置される外周枠13と、前記伝導冷却板14とにより構成されている。従って、超電導コイル装置15は、前述した伝導冷却板14の効果及び外周枠13の効果を発揮することができるとともに、伝導冷却板14と外周枠13との相乗的な効果を発揮することができる。すなわち、伝導冷却板14が外周枠13に一体化されていることから、伝導冷却板14をコイル11に密接させることが可能で冷却効率を格段に高めることができるとともに、外周枠13の動きを伝導冷却板14が規制してフープ応力に対するコイル11の変形を大幅に抑制することができる。
・ 前記実施形態においては、伝導冷却板14をシングルパンケーキコイル11の両端部に配置したが、伝導冷却板14をシングルパンケーキコイル11の上端部及び下端部のいずれか一方に配置してもよい。
・ 前記シングルパンケーキコイル11やダブルパンケーキコイルを製造する際に、内周枠12に超電導線材17を巻き付けた後、内周枠12を取り除くように構成してもよい。
・ 前記シングルパンケーキコイル11の上部に充填されるモールド層18を省略し、コイル11の上端面が伝導冷却板14に密接するように構成することも可能である。この場合、伝導冷却板14によるコイル11の冷却効率を高めることができる。
Claims (6)
- 希土類系酸化物超電導体を有するテープ状の超電導線材を巻回して形成され、その外周には外周枠が設けられた超電導コイルの軸線方向の端面に配置される伝導冷却板であって、繊維強化樹脂により形成されていることを特徴とする超電導コイルの伝導冷却板。
- 前記伝導冷却板は、超電導コイルの軸線方向の両端面に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の超電導コイルの伝導冷却板。
- 前記伝導冷却板は、一体環状に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の超電導コイルの伝導冷却板。
- 前記伝導冷却板は、外周枠に対して連結固定されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の超電導コイルの伝導冷却板。
- 前記伝導冷却板は、繊維強化樹脂に熱伝導性を有するフィラーが配合されて形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の超電導コイルの伝導冷却板。
- 希土類系酸化物超電導体を有するテープ状の超電導線材を巻回して形成された超電導コイルと、該超電導コイルの外周に配置される外周枠と、前記超電導コイルの軸線方向の端面に配置される請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の超電導コイルの伝導冷却板とを備えることを特徴とする超電導コイル装置。
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