JP2013219162A - 合わせガラス構造太陽電池モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】合わせガラス構造太陽電池モジュールを薄型化する。
【解決手段】第1ガラス基板100と、第1ガラス基板100上に設けられて電極を有する太陽電池セル110と、太陽電池セル110の電極上に設けられたバスバーと、バスバーと一方端が接続され、太陽電池セル110上を通るように設けられたリード140,143と、リード140,143と太陽電池セル110との間で、リード140,143に沿ってリード140,143より広い幅で設けられた絶縁膜150,151とを備える。また、第1ガラス基板100と対向する第2ガラス基板170と、第1ガラス基板100と第2ガラス基板170との間の太陽電池セル110、バスバー、リード140,143の一部および絶縁膜150,151を封止する封止樹脂160とを備える。絶縁膜150,151は、リード140,143の延在方向に交差する幅方向において、中央部に比較して端部の方が薄い。
【選択図】図12
【解決手段】第1ガラス基板100と、第1ガラス基板100上に設けられて電極を有する太陽電池セル110と、太陽電池セル110の電極上に設けられたバスバーと、バスバーと一方端が接続され、太陽電池セル110上を通るように設けられたリード140,143と、リード140,143と太陽電池セル110との間で、リード140,143に沿ってリード140,143より広い幅で設けられた絶縁膜150,151とを備える。また、第1ガラス基板100と対向する第2ガラス基板170と、第1ガラス基板100と第2ガラス基板170との間の太陽電池セル110、バスバー、リード140,143の一部および絶縁膜150,151を封止する封止樹脂160とを備える。絶縁膜150,151は、リード140,143の延在方向に交差する幅方向において、中央部に比較して端部の方が薄い。
【選択図】図12
Description
本発明は、合わせガラス構造太陽電池モジュールに関する。
合わせガラス構造太陽電池モジュールの構成を開示した先行文献として、特開2008−258269号公報(特許文献1)がある。特許文献1に記載された合わせガラス構造太陽電池モジュールにおいては、ガラス基板と保護ガラスとの間に、透明樹脂などの封止材を用いて複数の太陽電池セルおよび配線などを封止している。
特許文献1に記載の合わせガラス構造太陽電池モジュールなどには、コスト低減のために使用部材の少量化およびモジュールの薄型化が要請される。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであって、廉価で薄型の合わせガラス構造太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
本発明に基づく合わせガラス構造太陽電池モジュールは、第1ガラス基板と、第1ガラス基板上に設けられて電極を有する太陽電池セルと、太陽電池セルの電極上に設けられたバスバーと、バスバーと一方端が接続され、太陽電池セル上を通るように設けられたリードと、リードと太陽電池セルとの間で、リードに沿ってリードより広い幅で設けられた絶縁膜とを備える。また、合わせガラス構造太陽電池モジュールは、第1ガラス基板と互いの間に太陽電池セル、バスバー、リードの一部および絶縁膜を挟んで対向する第2ガラス基板と、第1ガラス基板と第2ガラス基板との間に位置する太陽電池セル、バスバー、リードの一部および絶縁膜を封止する封止樹脂とを備える。絶縁膜は、リードの延在方向に交差する幅方向において、中央部に比較して端部の方が薄い。
本発明の一形態においては、絶縁膜は、リードの延在方向に交差する幅方向における両側面に傾斜面を有する。
本発明の一形態においては、絶縁膜の傾斜面は、横断面においてテーパー形状である。
本発明の一形態においては、絶縁膜の傾斜面は、横断面において湾曲形状である。
本発明の一形態においては、絶縁膜の傾斜面は、横断面において湾曲形状である。
本発明によれば、合わせガラス構造太陽電池モジュールを薄型化できる。
以下、本発明の実施形態1に係る合わせガラス構造太陽電池モジュールについて説明する。以下の実施形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る合わせガラス構造太陽電池モジュールの構成の一部を示す分解斜視図である。図2は、図1中の太陽電池セルをII−II線矢印方向から見た断面図である。
図1は、本発明の実施形態1に係る合わせガラス構造太陽電池モジュールの構成の一部を示す分解斜視図である。図2は、図1中の太陽電池セルをII−II線矢印方向から見た断面図である。
図1に示すように、第1ガラス基板であるガラス基板100上に、複数の短冊状の太陽電池セル110が並列に配置されている。
図2に示すように、太陽電池セル110は、前面(受光面)側に位置するガラス基板100と、ガラス基板100の背面側に設けられた透明電極層(表面側電極層)111と、透明電極層111の背面側に設けられた光電変換層113と、光電変換層113の背面側に設けられた裏面電極層115とを含んでいる。
透明電極層111、光電変換層113および裏面電極層115は、それぞれ所定の形状にパターニングされている。透明電極層111、光電変換層113および裏面電極層115のそれぞれには、太陽電池セル110の延在方向に沿って延びる第1分離ライン112、第2分離ライン114および第3分離ライン116が形成されている。
透明電極層111に形成された第1分離ライン112は、光電変換層113によって埋め込まれている。光電変換層113に形成された第2分離ライン114は、裏面電極層115によって埋め込まれている。
第2分離ライン114によって分断された個々の光電変換層113は、第1分離ライン112によって分断された個々の透明電極層111と、第3分離ライン116によって分断された個々の裏面電極層115とによって挟まれている。
一の透明電極層111に対向する裏面電極層115は、光電変換層113を分断する第2分離ライン114を埋め込むように構成された部分の裏面電極層115(当該部分の裏面電極層115は、特にコンタクトラインと称される)を介して、上記一の透明電極層111に隣接する透明電極層111と接続されている。
これにより、個々の光電変換層113が裏面電極層115および透明電極層111を介して相互に電気的に接続された状態となり、太陽電池ストリング120に含まれる複数の太陽電池セル110が直列に接続される。
ここで、太陽電池セル110の製造方法について説明する。熱CVD(Chemical Vapor Deposition)法などを用いてガラス基板100上に透明電極層111を成膜する。透明電極層111としては、たとえばSnO2(酸化錫)膜、ZnO(酸化亜鉛)膜またはITO(Indium Tin Oxide)膜などを用いることができる。
次に、レーザスクライブ法などを用いて透明電極層111の一部を除去することにより、複数の第1分離ライン112を形成する。これにより、透明電極層111が複数個に分断される。使用するレーザ光としては、たとえばYAG(Yttrium Aluminum Garnet)レーザの基本波(波長:1064nm)などを用いることができる。
その後、プラズマCVD法などを用いて透明電極層111上に光電変換層113を成膜する。光電変換層113としては、半導体薄膜を使用でき、たとえば非晶質シリコン薄膜からなるp層、i層およびn層が順次積層された積層膜などを用いることができる。この成膜により、第1分離ライン112は光電変換層113によって埋め込まれる。
次に、レーザスクライブ法などを用いて光電変換層113の一部を除去することにより、複数の第2分離ライン114を形成する。これにより、光電変換層113が複数個に分断される。使用するレーザ光としては、たとえばYAGレーザの第2高調波(波長:532nm)などを用いることができる。
その後、たとえばマグネトロンスパッタ法または電子ビーム蒸着法などを用いて、光電変換層113上に裏面電極層115を成膜する。裏面電極層115としては、たとえばZnO(酸化亜鉛)膜/Ag(銀)膜、ZnO膜/Al(アルミニウム)膜、ITO膜/Ag膜、および、SnO2膜/Ag膜などの積層膜を用いることができる。この成膜により、第2分離ライン114は裏面電極層115によって埋め込まれ、上記のコンタクトラインが形成される。
次に、レーザスクライブ法などを用いて裏面電極層115の一部を除去することにより、複数の第3分離ライン116を形成する。これにより、裏面電極層115が複数個に分断される。使用するレーザ光としては、たとえばYAGレーザの第2高調波(波長:532nm)などを用いることができる。
このように形成された太陽電池ストリング120の両端、言い換えると、複数の太陽電池セル110の並ぶ方向において端部に位置する太陽電池セル110は、太陽電池ストリング120から電力を取り出す領域である。
ここで、複数の太陽電池セル110から発電電力を取り出す構成について説明する。図1に示すように、太陽電池ストリング120の一方端に位置する太陽電池セル110上に第1の極性を有する第1バスバー130が設けられている。太陽電池ストリング120の他方端に位置する太陽電池セル110上に第1の極性とは反対側の第2の極性を有する第2バスバー131が設けられている。
本実施形態においては、第1の極性が正極、第2の極性が負極であるが、第1の極性が負極、第2の極性が正極であってもよい。
第1バスバー130および第2バスバー131の各々は、細長い板状の金属箔で形成されている。第1バスバー130は、第1バスバー130の延在方向における略中央の位置で、第1リード140の一方端141と接続されている。第2バスバー131は、第2バスバー131の延在方向における略中央の位置で、第2リード143の一方端144と接続されている。
第1リード140および第2リード143は、細長い板状の金属箔で形成されている。第1リード140および第2リード143は、複数の太陽電池セル110が並ぶ方向に延在している。
第1リード140の他方端142は、第1リード140の延在方向に対して直交するように屈曲して、複数の太陽電池セル110の並ぶ方向において中央から引き出されている。
第2リード143の他方端145は、第2リード143の延在方向に対して直交するように屈曲して、複数の太陽電池セル110の並ぶ方向において中央から引き出されている。第1リード140の他方端142と第2リード143の他方端145との間には、所定の間隔が設けられている。
第1リード140の両端以外の太陽電池セル110に対向する側には、第1絶縁膜150が被覆されている。具体的には、第1絶縁膜150が、第1リード140と複数の太陽電池セル110との間に挟まれるように、第1リード140に沿って第1リード140より広い幅で設けられている。
第2リード143の両端以外の太陽電池セル110に対向する側には、第2絶縁膜151が被覆されている。具体的には、第2絶縁膜151が、第2リード143と複数の太陽電池セル110との間に挟まれるように、第2リード143に沿って第2リード143より広い幅で設けられている。
第1絶縁膜150および第2絶縁膜151の材料としては、融点が200℃以上、かつ、絶縁抵抗率が1016Ω・cm以上の材料であって、たとえば、PET(Polyethylene terephthalate)またはテフロン(登録商標)などを用いることができる。
第1バスバー130と第1リード140とは、第1バスバー130が太陽電池セル110に接続される前に予め半田などにより接続されている。第2バスバー131と第2リード143とは、第2バスバー131が太陽電池セル110に接続される前に予め半田などにより接続されている。
太陽電池ストリング120の一方端が正極側であれば、他方端は負極側である。したがって、第1バスバー130および第1リード140は、太陽電池ストリング120の正極側の一方端に接続されて正の極性を有している。第2バスバー131および第2リード143は、太陽電池ストリング120の負極側の他方端に接続されて負の極性を有している。
図3は、太陽電池セル上に、第1バスバー、第2バスバー、第1リード、第2リード、第1絶縁膜および第2絶縁膜を設けた状態を示す斜視図である。図4は、本実施形態に係る合わせガラス構造太陽電池モジュールの構成を示す分解斜視図である。図5は、本実施形態に係る合わせガラス構造太陽電池モジュールを図2と同じ方向から見た断面図である。
図3に示すように、第1バスバー130および第2バスバー131は、裏面電極層115に予め塗布された導電性ペーストを介して裏面電極層115に接続される。その結果、太陽電池ストリング120の正極側が、第1リード140によって他方端142まで引き出される。太陽電池ストリング120の負極側が、第2リード143によって他方端145まで引き出される。
図4に示すように、合わせガラス構造太陽電池モジュールは、ガラス基板100と互いの間に複数の太陽電池セル110、第1バスバー130、第2バスバー131、第1リード140の一部、第2リード143の一部、第1絶縁膜150および第2絶縁膜151を挟んで対向する第2ガラス基板であるガラス基板170を含む。
ガラス基板170には、第1リード140の他方端142を挿通させる開口部170hが形成されている。また、ガラス基板170には、第2リード143の他方端145を挿通させる開口部171hが形成されている。
合わせガラス構造太陽電池モジュールは、ガラス基板100とガラス基板170との間に位置する複数の太陽電池セル110、第1バスバー130、第2バスバー131、第1リード140の一部、第2リード143の一部、第1絶縁膜150および第2絶縁膜151を封止する封止樹脂160を含む。
封止樹脂160には、第1リード140の他方端142を挿通させる開口部160hが形成されている。また、封止樹脂160には、第2リード143の他方端145を挿通させる開口部161hが形成されている。
封止樹脂160としては、たとえばPET(ポリエチレンテレフタラート)樹脂、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合樹脂)またはアイオノマー樹脂などを用いることができる。
封止樹脂160およびガラス基板170を配置した後、真空ラミネート装置によりガラス基板100とガラス基板170との外側から挟み込むように加圧しつつ加熱して、封止樹脂160を溶融させた後、硬化させる。このときの加熱温度は、100℃以上200℃以下である。このようにして、合わせガラス構造太陽電池モジュールが形成される。
形成された合わせガラス構造太陽電池モジュールにおいては、図5に示すように、裏面電極層115は、その背面側に設けられた封止樹脂160によって覆われている。裏面電極層115に形成された第3分離ライン116は、封止樹脂160によって埋め込まれている。封止樹脂160は、その背面側に設けられたガラス基板170によって覆われている。
封止樹脂160およびガラス基板170の外側に引き出された第1リード140の他方端142および第2リード143の他方端145には、ガラス基板170の背面側において図示しない端子ボックスが取付けられる。
上記のように形成される合わせガラス構造太陽電池モジュールにおいて薄型化を図る場合、太陽電池セル110内の透明電極層111と光電変換層113との間、または、光電変換層113と裏面電極層115との間で剥離が起きる可能性があることを本発明者らは発見した。特に、第1絶縁膜150の幅方向の端部の下方、および、第2絶縁膜151の幅方向の端部の下方の位置において剥離が起きやすいことを本発明者らは見出した。
以下、太陽電池セル110内の透明電極層111と光電変換層113との間、または、光電変換層113と裏面電極層115との間で起きる剥離、およびその解決方法について詳細に説明する。
図6は、比較例1として、非薄型の合わせガラス構造太陽電池モジュールにおいて封止樹脂が125℃まで加熱されて溶融状態であるときの寸法を示す断面図である。図6においては、後述する図12,13と同じ方向から見た断面視で図示している。
図6に示すように、比較例1において、真空ラミネート装置により125℃まで加熱されて溶融した封止樹脂260aのうち、複数の太陽電池セル110とガラス基板170との間に位置する封止樹脂261aの厚さをL1とする。また、比較例1において、ガラス基板100とガラス基板170との間に位置する第1リード140および第1絶縁膜250の厚さ、または、第2リード143および第2絶縁膜251の厚さをd1とする。
なお、第1絶縁膜250は、横断面矩形状の断面形状を有し、第1リード140より幅が広い。第2絶縁膜251は、横断面矩形状の断面形状を有し、第2リード143より幅が広い。
すると、比較例1において、真空ラミネート装置により125℃まで加熱されて溶融した封止樹脂260aのうち、第1リード140および第1絶縁膜250、または、第2リード143および第2絶縁膜251と、ガラス基板170との間に位置する封止樹脂262aの厚さは、L1−d1となる。
溶融した封止樹脂260aは、100℃以上200℃以下の温度で熱硬化する。図7は、比較例1において封止樹脂が熱硬化した後、25℃まで冷却されて自由に収縮した状態の寸法を示す断面図である。ここで、封止樹脂の線膨張係数をα×10-2/Kとする。
ガラス基板170が配置されていない状態において100℃だけ冷却されて、熱硬化した封止樹脂260bが収縮した場合、複数の太陽電池セル110とガラス基板170との間に位置する封止樹脂261bの厚さの収縮量はL1×αとなる。一方、第1リード140および第1絶縁膜250、または、第2リード143および第2絶縁膜251と、ガラス基板170との間に位置する封止樹脂262bの厚さの収縮量は、(L1−d1)×αとなる。
図7に示すように、封止樹脂261bと封止樹脂262bとの厚さの収縮量の違いは、d1×αとなる。すなわち、第1リード140および第1絶縁膜250の厚さ、または、第2リード143および第2絶縁膜251の厚さに比例して封止樹脂の厚さの収縮量に差が生じることになる。
図8は、比較例1において、封止樹脂が熱硬化した後、25℃まで冷却されて収縮した状態の寸法を示す断面図である。図8に示すように、熱硬化した封止樹脂260は、ガラス基板170と接着しているため25℃まで冷却されても自由に収縮することができない。
すなわち、複数の太陽電池セル110とガラス基板170との間に位置する収縮量の多い封止樹脂261は、第1リード140および第1絶縁膜250、または、第2リード143および第2絶縁膜251と、ガラス基板170との間に位置する収縮量の少ない封止樹脂262の厚さまでしか収縮できない。
すると、封止樹脂261に内部応力が発生する。この内部応力により、図8中の矢印10で示すように、ガラス基板170および太陽電池セル110には厚さ方向の引張応力が負荷される。
次に、封止樹脂の厚さを薄くして薄型化を図った比較例2の合わせガラス構造太陽電池モジュールについて説明する。
図9は、比較例2として、封止樹脂の厚さを薄くした合わせガラス構造太陽電池モジュールにおいて封止樹脂が125℃まで加熱されて溶融状態であるときの寸法を示す断面図である。図9においては、後述する図12,13と同じ方向から見た断面視で図示している。
図9に示すように、比較例2において、真空ラミネート装置により125℃まで加熱されて溶融した封止樹脂160aのうち、複数の太陽電池セル110とガラス基板170との間に位置する封止樹脂161aの厚さをL2とする。なお、L1>L2である。また、比較例2において、ガラス基板100とガラス基板170との間に位置する第1リード140および第1絶縁膜250の厚さ、または、第2リード143および第2絶縁膜251の厚さをd1とする。
すると、比較例2において、真空ラミネート装置により125℃まで加熱されて溶融した封止樹脂160aのうち、第1リード140および第1絶縁膜250、または、第2リード143および第2絶縁膜251と、ガラス基板170との間に位置する封止樹脂162aの厚さは、L2−d1となる。
図10は、比較例2において封止樹脂が熱硬化した後、25℃まで冷却されて自由に収縮した状態の寸法を示す断面図である。
ガラス基板170が配置されていない状態において100℃だけ冷却されて、熱硬化した封止樹脂160bが収縮した場合、複数の太陽電池セル110とガラス基板170との間に位置する封止樹脂161bの厚さの収縮量はL2×αとなる。一方、第1リード140および第1絶縁膜250、または、第2リード143および第2絶縁膜251と、ガラス基板170との間に位置する封止樹脂162bの厚さの収縮量は、(L2−d1)×αとなる。
図10に示すように、封止樹脂161bと封止樹脂162bとの厚さの収縮量の違いは、d1×αとなる。すなわち、比較例2においても、第1リード140および第1絶縁膜250の厚さ、または、第2リード143および第2絶縁膜251の厚さに比例して封止樹脂の厚さの収縮量に差が生じることになる。
比較例2においては封止樹脂160の厚さが比較例1より薄いため、封止樹脂の厚さに対する封止樹脂の収縮量の差の割合は、比較例2の方が比較例1より大きくなる。
図11は、比較例2において、封止樹脂が熱硬化した後、25℃まで冷却されて収縮した状態の寸法を示す断面図である。図11に示すように、熱硬化した封止樹脂160は、ガラス基板170と接着しているため25℃まで冷却されても自由に収縮することができない。
すなわち、複数の太陽電池セル110とガラス基板170との間に位置する収縮量の多い封止樹脂161は、第1リード140および第1絶縁膜250、または、第2リード143および第2絶縁膜251と、ガラス基板170との間に位置する収縮量の少ない封止樹脂162の厚さまでしか収縮できない。
上記のように、封止樹脂の厚さに対する封止樹脂の収縮量の差の割合は、比較例2の方が比較例1より大きくなるため、封止樹脂161に比較例1より大きな内部応力が発生する。この内部応力により、図11中の矢印20で示すように、ガラス基板170および太陽電池セル110には比較例1より大きな厚さ方向の引張応力が負荷される。
この場合、太陽電池セル110内において、透明電極層111と光電変換層113との間、または、裏面電極層115と光電変換層113との間において、剥離が生じることがある。
なかでも、第1絶縁膜250の幅方向の端部、および、第2絶縁膜251の幅方向の端部においては封止樹脂160の厚さが急激に変化するため、特に、図11に示す第1絶縁膜250の幅方向の端部の下方の位置21、および、第2絶縁膜251の幅方向の端部の下方の位置21に引張応力が集中しやすく剥離が起きやすい。
そこで、本実施形態においては、第1絶縁膜150は、第1リード140の延在方向に交差する幅方向において、中央部に比較して端部の方が薄くなるように形成され、第2絶縁膜151は、第2リード143の延在方向に交差する幅方向において、中央部に比較して端部の方が薄くなるように形成されている。この構成により、引張応力の集中を緩和して剥離の発生を抑制することができる。
図12は、図5のXII−XII線矢印方向から見た断面図である。図12に示すように、本実施形態においては、第1絶縁膜150は、第1リード140の延在方向に交差する幅方向における両側面に傾斜面152を有し、第2絶縁膜151は、第2リード143の延在方向に交差する幅方向における両側面に傾斜面152を有している。
具体的には、第1絶縁膜150および第2絶縁膜151の傾斜面152は、横断面においてテーパー形状である。たとえば、第1絶縁膜150および第2絶縁膜151は、厚さが0.05mm以上、傾斜角が30°以上60°以下である。なお、幅方向における第1絶縁膜150の縁と第1リード140の縁との最短距離、および、幅方向における第2絶縁膜151の縁と第2リード143の縁との最短距離は、1mm以上である。
このような、第1絶縁膜150および第2絶縁膜151を形成するには、たとえば、大面積の材料シートから絶縁膜の材料となる短冊状のシートに切り分ける際に、切断刃を材料シートに対して斜めに当てて切断する。切り分けられた短冊状のシートは、幅方向の両側面に、横断面においてテーパー形状の傾斜面を有しているため、このシートを用いることにより、図12に示すような第1絶縁膜150および第2絶縁膜151を形成することができる。
本実施形態のように、幅方向において中央部に比較して端部の方が薄い第1絶縁膜150および第2絶縁膜151を設けることにより、第1絶縁膜150および第2絶縁膜151の幅方向の端部上方における封止樹脂160の厚さの変化の度合いを緩やかにすることができる。よって、第1絶縁膜150の幅方向の端部の下方の位置21、および、第2絶縁膜151の幅方向の端部の下方の位置21に引張応力が集中することを緩和することができる。
その結果、第1絶縁膜150の幅方向の端部の下方の位置21、および、第2絶縁膜151の幅方向の端部の下方の位置21において、透明電極層111と光電変換層113との間、または、裏面電極層115と光電変換層113との間において、剥離が生じることを抑制することができる。
上記の構成により、合わせガラス構造太陽電池モジュールの薄型化を図りつつ剥離による不良率の増加を抑制し、合わせガラス構造太陽電池モジュールを安定して廉価に製造できる。
なお、第1絶縁膜150および第2絶縁膜151の幅方向の端部の形状は上記に限られず、上記位置21に引張応力が集中することを緩和できる形状であればよい。
以下、本発明の実施形態2に係る合わせガラス構造太陽電池モジュールについて説明する。なお、本実施形態に係る合わせガラス構造太陽電池モジュールは、第1絶縁膜および第2絶縁膜の断面形状のみ実施形態1に係る合わせガラス構造太陽電池モジュールと異なるため、他の構成については説明を繰り返さない。
(実施形態2)
図13は、本発明の実施形態2に係る合わせガラス構造太陽電池モジュールの構成の一部を示す断面図である。図13においては、図12と同じ方向から見た断面視で図示している。
図13は、本発明の実施形態2に係る合わせガラス構造太陽電池モジュールの構成の一部を示す断面図である。図13においては、図12と同じ方向から見た断面視で図示している。
図13に示すように、本実施形態においては、第1絶縁膜150aおよび第2絶縁膜151aの傾斜面152aは、横断面において湾曲形状である。なお、湾曲形状には円弧形状も含まれる。
このような、第1絶縁膜150aおよび第2絶縁膜151aを形成するには、たとえば、大面積の材料シートから絶縁膜の材料となる短冊状のシートに切り分けた後で、角部を面取りする。面取りされた短冊状のシートは、幅方向の両側面に、横断面において湾曲形状の傾斜面を有しているため、このシートを用いることにより、図13に示すような第1絶縁膜150aおよび第2絶縁膜151aを形成することができる。
本実施形態においても、幅方向において中央部に比較して端部の方が薄い第1絶縁膜150aおよび第2絶縁膜151aを設けることにより、第1絶縁膜150aおよび第2絶縁膜151aの幅方向の端部上方における封止樹脂160の厚さの変化の度合いを緩やかにすることができる。よって、第1絶縁膜150aの幅方向の端部の下方の位置21、および、第2絶縁膜151aの幅方向の端部の下方の位置21に引張応力が集中することを緩和することができる。
その結果、第1絶縁膜150aの幅方向の端部の下方の位置21、および、第2絶縁膜151aの幅方向の端部の下方の位置21において、透明電極層111と光電変換層113との間、または、裏面電極層115と光電変換層113との間において、剥離が生じることを抑制することができる。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100,170 ガラス基板、110 太陽電池セル、111 透明電極層、112 第1分離ライン、113 光電変換層、114 第2分離ライン、115 裏面電極層、116 第3分離ライン、120 太陽電池ストリング、130 第1バスバー、131 第2バスバー、140 第1リード、141,144 一方端、142,145 他方端、143 第2リード、150,150a,250 第1絶縁膜、151,151a,251 第2絶縁膜、152,152a 傾斜面、160,160a,160b,161,161a,161b,162,162a,162b,260,260a,260b,261,261a,261b,262,262a,262b 封止樹脂、160h,161h,170h,171h 開口部。
Claims (4)
- 第1ガラス基板と、
前記第1ガラス基板上に設けられて電極を有する太陽電池セルと、
前記太陽電池セルの前記電極上に設けられたバスバーと、
前記バスバーと一方端が接続され、前記太陽電池セル上を通るように設けられたリードと、
前記リードと前記太陽電池セルとの間で、前記リードに沿って前記リードより広い幅で設けられた絶縁膜と、
前記第1ガラス基板と互いの間に前記太陽電池セル、前記バスバー、前記リードの一部および前記絶縁膜を挟んで対向する第2ガラス基板と、
前記第1ガラス基板と前記第2ガラス基板との間に位置する前記太陽電池セル、前記バスバー、前記リードの一部および前記絶縁膜を封止する封止樹脂と
を備え、
前記絶縁膜は、前記リードの延在方向に交差する幅方向において、中央部に比較して端部の方が薄い、合わせガラス構造太陽電池モジュール。 - 前記絶縁膜は、前記リードの延在方向に交差する前記幅方向における両側面に傾斜面を有する、請求項1に記載の合わせガラス構造太陽電池モジュール。
- 前記絶縁膜の前記傾斜面は、横断面においてテーパー形状である、請求項2に記載の合わせガラス構造太陽電池モジュール。
- 前記絶縁膜の前記傾斜面は、横断面において湾曲形状である、請求項2に記載の合わせガラス構造太陽電池モジュール。
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