JP2013218838A - 電極焼結体の製造方法および電極焼結体 - Google Patents

電極焼結体の製造方法および電極焼結体 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、固体電解質材料および電極活物質が高密度で含有される電極焼結体の製造方法を提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、少なくとも固体電解質材料および電極活物質を含有し、上記固体電解質材料の平均粒径に対する上記電極活物質の平均粒径の比が12倍〜79倍の範囲内である焼結体形成用材料を調製する調製工程と、上記焼結体形成用材料を焼成する焼成工程と、を備えることを特徴とする電極焼結体の製造方法を提供することにより、上記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体電解質材料および電極活物質が高密度で含有される電極焼結体の製造方法に関する。
例えばリチウム電池は、高い起電力および高エネルギー密度を有するため、情報関連機器、通信機器の分野で広く実用化されている。一方、自動車の分野においても、環境問題、資源問題から電気自動車やハイブリッド自動車の開発が急がれており、これらの電源としても、リチウム電池が検討されている。
現在市販されているリチウム電池は、可燃性の有機溶媒を含む電解液が使用されているため、短絡時の温度上昇を抑える安全装置の取り付けや短絡防止のための構造・材料面での改善が必要となる。これに対し、電解液を固体電解質層に代えて、全固体化したリチウム電池は、電池内に可燃性の有機溶媒を用いないので、安全装置の簡素化が図れ、製造コストや生産性に優れると考えられている。
特許文献1では、上述したような全固体電池に用いることができ、固体電解質層と該固体電解質層に焼結接合された電極層とを含む電解質・電極積層体が開示されている。上記積層体は、層間の剥離や層の亀裂などの発生が抑制されることから、固体電解質層および電極層の接合性に優れた積層体とすることを目的としており、また上記積層体を用いることで内部抵抗の低い全固体電池とすることを目的としている。また、特許文献2では、固体電解質材料からなる粒子の平均粒径が、電極活物質からなる粒子の平均粒径に対して、1/100以下程度となるように、電極活物質および固体電解質材料を組み合わせて用いるリチウム電池用電極体が開示されている。
特開2011−192606号公報 特開2011−065982号公報
電池の高容量化を図る観点から、使用する電極焼結体では固体電解質材料および電極活物質が高密度に含有されていることが好ましい。一方、例えば特許文献1に記載される製造方法で得られる積層体は、電極活物質および固体電解質材料の密度が低く、単位体積あたりの容量が低くなるという問題がある。本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、固体電解質材料および電極活物質が高密度で含有される電極焼結体の製造方法を提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明においては、少なくとも固体電解質材料および電極活物質を含有し、上記固体電解質材料の平均粒径に対する上記電極活物質の平均粒径の比が12倍〜79倍の範囲内である焼結体形成用材料を調製する調製工程と、上記焼結体形成用材料を焼成する焼成工程と、を備えることを特徴とする電極焼結体の製造方法を提供する。
本発明によれば、固体電解質材料および電極活物質の平均粒径比が上述した範囲となるように焼結体形成用材料を調製し、焼成することで、固体電解質材料および電極活物質が高密度で含有される電極焼結体を得ることができる。そのため、体積当たりの容量がより高い電極焼結体を得ることができる。
上記発明においては、上記電極活物質の平均粒径が7.9μm以下であることが好ましい。より優れた特性を示す電極焼結体を得ることができるからである。
上記発明においては、上記固体電解質材料が、一般式Li1+xAlGe2−x(PO(0≦x≦2)で表される化合物であることが好ましい。
上記発明においては、上記電極活物質が、一般式Li(POであることが好ましい。
本発明においては、少なくとも固体電解質材料および電極活物質を含有する電極焼結体であって、上記固体電解質材料に対する上記電極活物質の平均粒径比が12倍〜79倍の範囲内である焼結体形成用材料を調製し、上記焼結体形成用材料を焼成することで得られることを特徴とする電極焼結体を提供する。
本発明によれば、固体電解質材料および電極活物質の平均粒径比を上述した範囲となるように調製し、焼成することで、固体電解質材料および電極活物質が高密度で含有される電極焼結体とすることができる。そのため、体積当たりの容量がより高い電極焼結体とすることができる。
本発明においては、含有される固体電解質材料および電極活物質の密度が高い電極焼結体を作製することができるという効果を奏する。
本発明の電極焼結体の製造方法の一例を示すフローチャートである。 本発明の電極焼結体の製造方法の一例を説明する模式図である。 従来法で得られる電極焼結体を説明する説明図である。 本発明で得られる電極焼結体の一例を示す概略図である。 実施例2および比較例1〜2における焼成前後の電極焼結体の密度の推移を示すグラフである。 実施例1〜6および比較例3における焼成前後の電極焼結体の密度の推移を示すグラフである。 実施例3および6で得られる電極焼結体の断面のSEM画像である。 比較例1で得られる電極焼結体の断面のSEM画像である。
以下、本発明の電極焼結体の製造方法および電極焼結体について、詳細に説明する。
A.電極焼結体の製造方法
本発明の電極焼結体の製造方法は、少なくとも固体電解質材料および電極活物質を含有し、上記固体電解質材料の平均粒径に対する上記電極活物質の平均粒径の比が12倍〜79倍の範囲内である焼結体形成用材料を調製する調製工程と、上記焼結体形成用材料を焼成する焼成工程と、を備えることを特徴とするものである。
図1は、本発明の電極焼結体の製造方法の一例を示すフローチャートである。図1に示される電極焼結体の製造方法においては、まず、上述した平均粒径の比が特定の範囲内の値となるように、固体電解質材料および電極活物質を含有する焼結体形成用材料を調製する調製工程と、上記焼結体形成用材料を焼成する焼成工程と、を備えるものである。
具体的な製造方法の一例について、図2に示す模式図を用いて説明する。例えば電極活物質1としてLi(POおよび固体電解質材料2としてLi1.5Al0.5Ge1.5(POを準備し、それぞれ破砕用ボール3を用いて、ボールミリング処理を行う(図2(a))。なお、ボールミリング処理時の溶媒としては、例えばエタノールを用いることができる。続いて、ボールミリング処理を行った電極活物質1および固体電解質材料2をホモジナイザー等により混合・分散した後(図2(b))、残存する溶媒を乾燥させる(図2(c))。次に、混合・分散した電極活物質1および固体電解質材料2に乳鉢処理を行い(図2(d))、再度乾燥して焼結体形成用材料を得る(図2(e))。次に、得られた焼結体形成用材料を、例えば1軸加熱成形法で圧粉し(図2(f))、圧粉体4を形成する(図2(g))。得られた圧粉体4を例えば冷間等方圧加圧(CIP)法によりさらに加圧する(図2(h))。その後、上記焼結体形成用材料である圧粉体4を焼成することで電極焼結体10を得ることができる(図2(i)、(j))。
本発明によれば、固体電解質材料の平均粒径に対する上記電極活物質の平均粒径の比が上述した範囲となるように、焼結体形成用材料を調製し、焼成することで、固体電解質材料および電極活物質が高密度で含有される電極焼結体を得ることができる。そのため、体積当たりの容量がより高い電極焼結体を得ることができる。
上述したように、例えば特許文献1には、固体電解質材料および電極活物質を混合、焼成して得られる積層体が開示されているが、この場合に、単純に固体電解質材料および電極活物質を混合して焼成(圧粉焼結)すると、得られる焼結体において、固体電解質材料および電極活物質の密度を十分に高くすることができないという問題がある。その原因としては、次のように考えられる。すなわち、特許文献1に記載の積層体では、図3(a)に示すように、固体電解質材料2および電極活物質1を両者の平均粒径比を考慮せずに単純に混合しているため、得られた焼結体形成用材料を圧粉して得られる圧粉体内に、両者の粒径差に起因する空孔5が生じてしまうと考えられる。そのため、焼成しても、粒子間距離が長く、粒成長が促進されない。したがって、図3(b)に示すように、得られる焼結体においても空孔5は残存し、その結果、固体電解質材料および電極活物質の密度が低くなってしまうと考えられる。
これに対して、本発明においては、上記平均粒径比を所定の範囲内の値とすることで、焼結体形成用材料である圧粉体内の空孔を低減できる。そのため、焼成することによって、固体電解質材料および電極活物質が高密度に含有される電極焼結体とすることができる。その結果、焼結体内においてイオン伝導パスが確保され、イオン伝導度を向上させることができる。さらに、ハンドリング性を向上させることも可能となる。また、特に薄膜成型した際には、従来法により得られる電極焼結体と比べて、厚み方向に電極活物質を多く配置することができるため、体積効率を向上させることができる。
以下、本発明の電極焼結体の製造方法について、構成ごとに説明する。
1.調製工程
まず、本発明における調製工程について説明する。本発明における調製工程は、少なくとも固体電解質材料および電極活物質を含有し、上記固体電解質材料の平均粒径に対する上記電極活物質の平均粒径の比が12倍〜79倍の範囲内である焼結体形成用材料を調製する工程である。
(1)固体電解質材料
本工程に用いられる固体電解質材料は、その平均粒径が、後述する電極活物質の平均粒径と比べて、所定の範囲内の値となるものであれば特に限定されるものではない。その平均粒径は、例えば、2.0μm以下であることが好ましく、1.0μm以下であることがより好ましく、0.1μm以下であることが特に好ましい。固体電解質材料の平均粒径が大きすぎると、電極活物質との粒径差が小さくなり、例えば隣接する電極活物質間に生じた空隙に、固体電解質材料が存在することが困難となり、その結果、圧粉して得られる圧粉体において空孔が生じてしまう可能性があるからである。そのため、固体電解質材料および電極活物質の密度が低い電極焼結体となる可能性がある。また固体電解質材料の平均粒径は、0.01μm以上であることが好ましく、0.05μm以上であることがより好ましく、0.1μm以上であることが特に好ましい。固体電解質材料の平均粒径が小さすぎると、例えば後述する電極活物質と混合して圧粉した圧粉体内において、電極活物質周辺に空孔が存在する可能性があるからである。その結果、後述する焼結工程により得られる焼結体内においても空孔が残存し、含有する固体電解質材料および電極活物質の密度が低い電極焼結体となる可能性がある。そのため、イオン伝導パスおよび電子伝導パスの確保が困難となり、容量が低下すると考えられる。また、固体電解質材料の平均粒径が小さすぎると、混合および乾燥する際に、固体電解質材料同士が凝集する可能性があるからである。その結果、電極活物質との粒径差が小さくなり、例えば隣接する電極活物質間に生じた空隙に、固体電解質材料が存在することが困難となる。そのため、圧粉体において空孔が生じる可能性があり、固体電解質材料および電極活物質の密度が低い電極焼結体となる可能性がある。ここで、上記平均粒径とは、通常、粒度分布計により測定した平均粒径D50をいう。
本工程における固体電解質材料は、電極活物質との平均粒径比が所定の値を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、酸化物固体電解質材料や硫化物固体電解質材料を用いることができる。上記酸化物固体電解質材料としては、例えば、NASICON型酸化物、ペロブスカイト酸化物、LISICON型酸化物、ガーネット型酸化物等が挙げられる。
NASICON型酸化物としては、例えば、一般式Li(XはB、Al、Ga、In、C、Si、Ge、Sn、SbおよびSeからなる群から選択される少なくとも1種であり、YはTi、Zr、Ge、In、Ga、SnおよびAlからなる群から選択される少なくとも1種であり、a〜eは、0.5<a<5.0、0≦b<2.98、0.5≦c<3.0、0.02<d≦3.0、2.0<b+d<4.0、3.0<e≦12.0の関係を満たす)で表される酸化物を挙げることができる。特に、上記一般式において、X=Al、Y=Tiである酸化物(Li−Al−Ti−P−O系NASICON型酸化物)、および、X=Al、Y=Ge若しくはX=Ge、Y=Alである酸化物(Li−Al−Ge−P−O系NASICON型酸化物)が好ましく、具体的には、Li1.5Al0.5Ge1.5(PO(以下、LAGPと称して説明する場合がある。)が挙げられる。
ペロブスカイト型酸化物としては、例えば、一般式LiLa1−aTiO等で表される酸化物(Li−La−Ti−O系ペロブスカイト型酸化物)を挙げることができる。
LISICON型酸化物としては、例えば、Li−Li、Li−Li、Li−Li、並びに、Li−Li、Li−Li等が挙げられる。ここで、上記MはSi、Ge、およびTiからなる群から選択される少なくとも1種であり、上記MはP、AsおよびVからなる群から選択される少なくとも1種であり、上記MはMoおよびSからなる群から選択される少なくとも1種であり、上記MはAl、GaおよびCrからなる群から選択される少なくとも1種であり、上記MはCaおよびZnからなる群から選択される少なくとも1種であり、上記MはBである。具体的には、LiSiO−LiPO、LiBO−LiPO等を好適に用いることができる。
ガーネット型酸化物としては、例えば、一般式Li3+a2−d12で表される酸化物を挙げることができる。ここで、上記一般式におけるX、Y、ZおよびWは金属カチオンである。上記Xは、Ca、Sr、BaおよびMg等のアルカリ土類金属カチオン、または遷移金属カチオン(例えばZn)であることが好ましい。また、上記Yは、La、Y、Pr、Nd、Sm、Lu、Eu等の遷移金属カチオンであることが好ましい。また、上記Zとしては、Zr、Nb、Ta、Bi、Te、Sb等の遷移金属カチオンを挙げることができ、中でもZrが好ましい。また上記Wは、例えばInであることが好ましい。なお、上記aは、0≦a≦5の範囲内であることが好ましく、4≦a≦5の範囲内であることがより好ましい。上記bは、0≦b≦3の範囲内であることが好ましく、0≦b≦2の範囲内であることがより好ましい。上記cは、0≦c≦3の範囲内であることが好ましく、1≦c≦3の範囲内であることがより好ましい。上記dは、0≦d≦2の範囲内であることが好ましく、0≦d≦1の範囲内であることがより好ましい。また、上記Oは部分的に、または、完全に、他の元素Mで置換されていても良い。Oを置換する他の元素Mは、二価または三価のアニオンのうち、一方であっても良く、両方であっても良い。具体的には、N3−等を挙げることができる。ガーネット型酸化物としては、LiLaZr12等のLi−La−Zr−O系酸化物が好ましい。
また硫化物固体電解質材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、LiS−P、LiS−SiS、Li3.250.25Ge0.76、Li4−xGe1−x、Li11、LiS−SiS−LiPO等を挙げることができる。
また、本工程における固体電解質材料は、比較的低い温度で焼結が進行する物質であることが好ましい。ここで、一般的に、焼結とは、固体粉末の集合体を加熱すると、固まって緻密になる現象をいう。加熱されることにより、まず固体粉末同士が結合して粒成長(体積膨張)し、さらに加熱されることで、より緻密になると考えられる。そのため、本工程において、固体粉末である固体電解質材料が、焼結が進行する物質であるか否かは、粒成長に伴う体積膨張率によって判断することができると考えられる。上記固体電解質材料は、600℃における体積膨張率が、20%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましく、30%〜45%の範囲内であることがさらに好ましい。比較的低温で焼結することが可能であり、固体電解質材料と電極活物質との不要な副反応の発生を抑制できるからである。なお、上記体積膨張率の測定方法としては、例えば、高温XRD装置を用いて得られたXRDチャートに基づいて、各温度の格子定数を算出し、得られた格子定数変化により算出する方法を挙げることができる。
本工程における固体電解質材料は、電極活物質との平均粒径比が所定の値を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、Li1+xAlGe2−x(PO(0≦x≦2)を挙げることができ、中でも、Li1.5Al0.5Ge1.5(POを好適に用いることができる。Li1.5Al0.5Ge1.5(POは、600℃における体積膨張率が34.6%であり、特許文献2に記載されるような、一般的な固体電解質材料として用いられる化合物と比べて、比較的低温で焼結が進行するからである。そのため、焼結時に電極活物質と不要な副反応が生じることを抑制できる。
(2)電極活物質
本工程に用いられる電極活物質は、上述した固体電解質材料に対する平均粒径比が所定の範囲内となるものであれば特に限定されるものではないが、例えばその平均粒径が7.9μm以下であることが好ましく、5.0μm以下であることがより好ましく、3.0μm以下であることが特に好ましい。電極活物質の平均粒径が大きすぎると、成形性が低下する可能性があるからである。具体的には、ペレット等の成形が困難となる場合が考えられる。また、例えば圧粉体内において、電極活物質周辺に空孔が存在する可能性がある。その結果、後述する焼結工程により得られる焼結体内においても空孔が残存し、含有する固体電解質材料および電極活物質の密度が低い電極焼結体となる可能性がある。そのため、イオン伝導パスおよび電子伝導パスの確保が困難となり、容量が低下すると考えられる。さらに比表面積が小さくなるため、単位重量あたりの抵抗が大きくなり、容量が低下する可能性がある。また、例えば薄膜成形した際に、厚み方向に電極活物質を多く配置することが困難となり、体積効率が低下する可能性がある。
また一方、上記電極活物質は、その平均粒径が、1.0μm以上であることが好ましく、1.5μm以上であることがより好ましく、2.0μm以上であることが特に好ましい。電極活物質の平均粒径が小さすぎると、上述した固体電解質材料との粒径差が小さくなるため、空孔が生じやすくなる可能性があるからである。例えば隣接する電極活物質間に生じた空隙に、固体電解質材料が存在することが困難となり、その結果、圧粉体において空孔が生じてしまうと考えられる。そのため、固体電解質材料および電極活物質の密度が低い電極焼結体となる可能性がある。なお、平均粒径は、上述した固体電解質材料と同様の方法で求めることができる。
具体的に、本工程における電極活物質としては、目的とする電極焼結体に応じて適宜選択されるものであり、正極活物質であっても良く、負極活物質であっても良い。また上記電極活物質としては、例えば酸化物活物質、硫化物活物質を用いることができる。本工程に用いられる酸化物活物質としては、例えば、一般式Li(PO(MはV、FeおよびTiからなる群から選択される少なくとも1種である)で表される化合物、LiFePO、LiMnPO、LiCoPO、LiNiPO等のオリビン型活物質、LiCoO、LiMnO、LiNiO、LiVO、Li1+xNi1/3Co1/3Mn1/3等の岩塩層状活物質、LiMn等のスピネル型活物質、Li1+xMn2−x−y(MはAl、Mg、Co、Fe、Ni、Znの少なくとも一種であり、0<x+y<2)のように、遷移金属の一部を異種金属で置換したスピネル型活物質、LiNiVO、LiCoVO等の逆スピネル型活物質、LiFeSiO、LiMnSiO等のSi含有活物質等を挙げることができる。また、酸化物活物質の他の例としては、LiNi0.8Co(0.2−x)Al(0<x<0.2)のように、遷移金属の一部を異種金属で置換した岩塩層状型活物質、一般式LiTiO(0.36≦x≦2、1.8≦y≦3)で示されるチタン酸リチウム(例えばLiTi12)、V、MoO、Nb等の遷移金属酸化物、一般式LixSiyOz(x+4y−2z=0)で示される酸化物、例えばSiO等の酸化物を用いても良い。また、本工程に用いられる硫化物活物質としては、例えば、硫化チタン等を挙げることができる。さらに、本工程における電極活物質としては、リチウム金属(Li)、リチウム合金(LiM、上記MとしてはSn、Si、Al、Ge、SbおよびP等を挙げることができる。)、リチウム貯蔵性金属間化合物(MgxM(上記Mとしては、Sn、GeおよびSb等を挙げることができる。)または、NySb(上記NとしてはIn、CuおよびMn等を挙げることができる。))、例えばメソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、高配向性グラファイト(HOPG)等の黒鉛、ハードカーボンおよびソフトカーボン等の非晶質炭素等のカーボン活物質を挙げることができる。また、上記電極活物質としては、これらの誘導体を用いても良い。
また、本工程における電極活物質としては、中でも一般式Li(PO(MはV、FeおよびTiからなる群から選択される少なくとも1種である)で表される化合物を好適に用いることができ、Li(POを特に好適に用いることができる。
ここで、正極活物質および負極活物質としては、それぞれに明確な区別はなく、2種類の化合物の充放電電位や酸化還元電位を比較し、貴な電位を示すものを正極活物質として、また卑な電位を示すものを負極活物質として組み合わせることで、任意の電圧の電池を構成することができる。
本工程に用いられる電極活物質は、上述した固体電解質材料の焼結が進行する温度において、上記固体電解質材料と反応しない物質であることが好ましい。また上記温度において、電極活物質自身は焼結していても良く、焼結していなくても良いが、中でも電極活物質自身が焼結していることが好ましい。上記電極活物質としては、例えば、600℃における体積膨張率が、0%〜50%の範囲内であることが好ましく、30%〜35%の範囲内であることが好ましい。
本工程における電極活物質および固体電解質材料の組み合わせとしては、例えば電極活物質がLi(PO(600℃における体積膨張率:9.5%)であり、固体電解質材料がLi1.5Al0.5Ge1.5(PO(600℃における体積膨張率:34.6%)である組み合わせを好適に用いることができる。電極活物質および固体電解質材料の不要な副反応の発生を抑制できるからである。
(3)焼結体形成用材料
本工程で得られる焼結体形成用材料は、少なくとも固体電解質材料および電極活物質を含有し、上記固体電解質材料の平均粒径に対する上記電極活物質の平均粒径の比が12倍〜79倍の範囲内であれば特に限定されるものではない。
本工程で得られる焼結形成用材料においては、固体電解質材料の平均粒径に対する電極活物質の平均粒径の比が12倍〜79倍の範囲内であれば特に限定するものではないが、例えば、12倍以上であることが好ましく、20倍以上であることがより好ましく、22倍以上であることが特に好ましい。上記平均粒径比が小さすぎると、固体電解質材料および電極活物質の粒径差が小さくなり、例えば隣接する電極活物質間に生じた空隙に、固体電解質材料が存在することが困難となり、その結果、圧粉して得られる圧粉体において空孔が生じてしまう可能性があるからである。そのため、後述する焼結工程において焼結した際に、得られる電極焼結体における固体電解質材料および電極活物質の密度が低くなると考えられる。また一方、上記平均粒径比は、特に限定されるものではないが、例えば30倍以下であることが好ましく、25倍以下であることがより好ましく、23倍以下であることが特に好ましい。上記平均粒径比が大きすぎると、例えば圧粉して得られる圧粉体内において、電極活物質周辺に空孔が存在する可能性があるからである。その結果、後述する焼結工程により得られる焼結体内においても空孔が残存し、含有する固体電解質材料および電極活物質の密度が低い電極焼結体となる可能性がある。そのため、イオン伝導パスおよび電子伝導パスの確保が困難となり、容量が低下すると考えられる。ここで、上記平均粒径比は、電極活物質の平均粒径を、後述する固体電解質材料の平均粒径で除することにより、算出することができる。
具体的に、本工程で得られる焼結体形成用材料は、上記平均粒径比が12倍〜79倍の範囲内であり、電極活物質の平均粒径が7.9μm以下であり、固体電解質材料の平均粒径が0.1μm以下である組み合わせで用いることが好ましい。固体電解質材料および電極活物質がより高密度で含有される電極焼結体を得ることができるからである。
本工程で得られる焼結体形成用材料においては、固体電解質材料および電極活物質の合計に対する電極活物質の割合が、通常、5体積%〜45体積%の範囲内であることが好ましく、5体積%〜35体積%の範囲内であることがより好ましく、5体積%〜30体積%の範囲内であることが特に好ましい。上記体積割合が小さすぎると、エネルギー密度の向上を十分に図れない可能性があるからである。一方、上記体積割合が大きすぎると、イオン伝導パスを十分に確保できない可能性があるからである。
焼結体形成用材料は、少なくとも固体電解質材料および電極活物質を含有するものであり、固体電解質材料および電極活物質のみを含有していても良く、必要に応じて例えば導電化材をさらに含有していても良い。焼結体形成用材料における固体電解質材料および電極活物質の合計の割合は、例えば80重量%以上であることが好ましく、85重量%以上であることがより好ましく、90重量%以上であることがさらに好ましい。なお、上記合計は、100重量%であっても良い。
焼結体形成用材料は、さらに導電化材を含有していても良い。導電化材の添加により、焼結体形成用材料の電子伝導性を向上させることができる。導電化材としては、例えばアセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック(KB)、気相成長炭素繊維(VGCF)、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノファイバー(CNF)等の炭素材料を挙げることができる。
また、上記焼結体形成用材料は、必要に応じて、結着材を含有していても良い。結着材の添加により、電極焼結体に可撓性を付与することができる。結着材としては、例えば、ポリビニルブチラール(PVD)、アクリル系バインダー等を挙げることができる。
焼結体形成用材料は、上記固体電解質材料および上記電極活物質が十分に混合、分散されているものであれば特に限定されるものではなく、上記混合・分散方法としては、例えば乳鉢混合法や、ホモジナイザーを用いる方法、スリップキャスト法等を挙げることができる。
上記焼結体形成用材料は、後述する焼成工程前に所望の形状に成形されるものである。上記成形方法としては、例えば1軸加圧成形法等の圧粉成形法を挙げることができる。また、得られた圧粉体は、例えば冷間等方圧加圧(CIP)法等により、さらに加圧されても良い。このように得られた圧粉体における固体電解質材料および電極活物質の密度は、例えば、50%以上であることが好ましく、55%〜75%の範囲内であることがより好ましい。なお、圧粉体の密度の測定方法としては、例えば、得られた圧粉体の重量および体積をそれぞれ求め、圧粉体の重量をその体積で除することにより算出する方法を挙げることができる。
2.焼成工程
次に、本発明における焼成工程について説明する。本発明における焼成工程は、上述した焼結体形成用材料を焼成する工程である。
本工程における焼成時の温度は、特に限定されるものではないが、上記焼結体形成用材料に含有される固体電解質材料の焼結が進行する温度以上となる温度であるとすることができ、上記固体電解質材料の種類等に応じて適宜設定することができる。また、上記温度においては、電極活物質が上記固体電解質材料と反応しないことが好ましい。また上記温度においては、電極活物質自身が焼結していても良く、焼結していなくても良いが、中でも電極活物質自身が焼結していることが好ましい。
具体的には、本工程における焼成時の温度は、500℃以上であることが好ましく、500℃〜1000℃の範囲内であることがより好ましく、550℃〜650℃の範囲内であることがさらに好ましい。特に上記固体電解質材料がLi1.5Al0.5Ge1.5(POである場合、焼成時の温度としては、580℃〜600℃の範囲内であることが特に好ましい。
ここで、上述したように、焼結とは、一般的に、固体粉末の集合体を加熱すると、固まって緻密になる現象をいう。さらに、焼結体とは、熱処理により固体粉末の粒子が互いに付着して固まった物体をいう。焼結が充分に進行したか否かは、焼成後の電極焼結体が、圧粉処理では到達できない密度を有しているか否かを確認することにより判断することができる。
本工程で得られる電極焼結体では、含有される固体電解質材料および電極活物質の密度が、例えば、70%以上であることが好ましく、75%以上であることがより好ましく、
85%以上であることが特に好ましい。電極焼結体における固体電解質材料および電極活物質の密度が低すぎる場合、単位体積あたりの容量が低くなる可能性があり、電池を作製する場合に、電池性能が低下する可能性があるからである。なお、電極焼結体の密度の測定方法としては、例えば、得られた電極焼結体の重量および体積をそれぞれ求め、電極焼結体の重量をその体積で除することにより算出する方法を挙げることができる。
本工程で得られる電極焼結体は、少なくとも固体電解質材料および電極活物質を含有しているものであれば特に限定されるものではない。図4は本工程で得られる電極焼結体の一例を示す概略図である。図4に示すように、電極焼結体10は、電極活物質1および固体電解質材料2を含有し、1層のみからなるものである。
本工程で得られる電極焼結体は、ペレット状であっても良く、シート状であっても良い。また、電極焼結体の形状は、既存の各種焼結体と同様の形状を用いることができ、例えば、円柱状、平板状、および円筒状等を挙げることができる。電極焼結体の厚さは、上述した電極焼結体の形状等に応じて適宜設定されるものであるが、例えば、10μm〜50μmの範囲内であることが好ましい。また上記電極焼結体の用途としては、例えば全固体電池の正極活物質層、負極活物質層として用いることができる。
本工程で得られる電極焼結体を正極活物質層として用いて全固体電池を作製する場合、上記全固体電池における固体電解質層としては、少なくとも固体電解質材料を有するものであれば特に限定されるものではないが、上記「1.調製工程」に記載した固体電解質材料を有するものであることが好ましい。なお、固体電解質層における固体電解質材料の含有量は、例えば60重量%以上、中でも70重量%以上、特に80重量%以上であることが好ましい。固体電解質層は、結着材を含有していても良く、固体電解質材料のみから構成されていても良い。なお、結着材については、上記「1.調製工程」に記載したものを用いることができる。また固体電解質層の厚さは、目的とする電極焼結体に応じて適宜設定できるものであるが、例えば2μm〜1000μmの範囲内であることが好ましい。
本工程で得られる電極焼結体を正極活物質層として用いて全固体電池を作製する場合、上記全固体電池における負極活物質層は、少なくとも負極活物質を含有する層であり、必要に応じて、固体電解質材料、導電化材および結着材の少なくとも一つをさらに含有していても良い。
上記負極活物質層に用いられる負極活物質は、例えば正極活物質の種類に応じて適宜選択されるものであり、上述した電極活物質を用いても良く、一般的な負極活物質を用いても良い。上記負極活物質の形状としては、例えば、粒子形状、膜形状を挙げることができる。粒子形状の負極活物質の平均粒径は、例えば0.1μm〜50μmの範囲内であることが好ましい。なお、平均粒径の求め方については上述した通りである。また、負極活物質層における負極活物質の含有量は、例えば10重量%〜99重量%の範囲内であることが好ましく、20重量%〜90重量%の範囲内であることがより好ましい。
負極活物質層は、固体電解質材料を含有することが好ましい。負極活物質層中のイオン伝導性を向上させることができるからである。なお、負極活物質層に含まれる固体電解質材料は、上記「1.調製工程 (1)固体電解質材料」に記載した固体電解質材料であっても良く、その他の一般的な固体電解質材料であっても良い。負極活物質層における固体電解質材料の含有量は、例えば、1重量%〜90重量%の範囲内であることが好ましく、10重量%〜80重量%の範囲内であることがより好ましい。
負極活物質層は、さらに導電化材を含有していても良い。負極活物質層は、さらに結着材を含有していても良い。なお、導電化材および結着材については、上記「1.調製工程」に記載したものを用いることができる。また、負極活物質層の厚さは、目的とする全固体電池の形状等に応じて適宜設定できるものであるが、例えば、10μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。
また、本発明においては、正極活物質層、固体電解質層および負極活物質層がこの順に積層された発電要素焼結体であって、正極活物質層および負極活物質層の少なくとも一方が、上述した電極焼結体である焼結体である発電要素焼結体を提供することもできる。
本工程で得られる電極焼結体を用いた全固体電池の種類としては、全固体リチウム電池、全固体ナトリウム電池、全固体マグネシウム電池および全固体カルシウム電池等を挙げることができ、中でも全固体リチウム電池が好ましい。また上記全固体電池は、一次電池であっても良く、二次電池であっても良いが、中でも二次電池であることが好ましい。繰り返し充放電でき、例えば、車載用電池として有用だからである。また全固体電池の形状としては、例えば、コイン型、ラミネート型、円筒型、および角型等を挙げることができる。
ここで、本工程で得られる電極焼結体を用いて全固体電池を作製する場合、さらに通常は、正極活物質層の集電を行う正極集電体、および負極活物質層の集電を行う負極集電体を有する。正極集電体の材料としては、例えば金、銀、パラジウム、銅、ニッケルを挙げることができる。また、負極集電体の材料としては、例えば、SUS、銅、ニッケル、およびカーボン等を挙げることができる。正極集電体および負極集電体の厚さや形状等については、電池の用途等に応じて適宜選択することが好ましい。また、上記全固体電池に用いられる電池ケースには、一般的な電池ケースを用いることができる。
B.電極焼結体
次に、本発明の電極焼結体について説明する。本発明の電極焼結体は、少なくとも固体電解質材料および電極活物質を含有する電極焼結体であって、上記固体電解質材料に対する上記電極活物質の平均粒径比が12倍〜79倍の範囲内である焼結体形成用材料を調製し、上記焼結体形成用材料を焼成することで得られることを特徴とするものである。
本発明の電極焼結体によれば、固体電解質材料および電極活物質の平均粒径比を上述した範囲となるように調製し、焼成することで、固体電解質材料および電極活物質が高密度で含有される電極焼結体とすることができる。そのため、体積当たりの容量がより高い電極焼結体とすることができる。
本発明の電極焼結体は、「A.電極焼結体の製造方法」によって得られる電極焼結体と同様のものとすることができ、本発明の電極焼結体における固体電解質材料、電極活物質、および焼結体形成用材料等については「A.電極焼結体の製造方法」に記載したものと同様のものとすることができるため、ここでの記載は省略する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
(固体電解質材料の調製)
固体電解質材料として、Li1.5Al0.5Ge1.5(PO(株式会社 高純度化学研究所製、平均粒径9.03μm、LAGP)を用意し、粉砕した。次に、大気雰囲気中で、得られたLAGPと破砕用ジルコニアボール(φ=1mm)とを、LAGP:破砕用ジルコニアボール=1:2の重量比となるように、遊星型ボールミル用容器に入れ、さらに脱水エタノール(和光純薬工業株式会社製、051-06135)を加えて密封した。その後、容器を遊星型ボールミル装置(Fritsch社製、Premium Line P−7)に取り付け、台盤回転数300rpmで、ボールミル処理を行い、LAGPを粉砕し、平均粒径が0.1μm(処理時間:48時間)、1.0μm(処理時間:7時間)、1.6μm(処理時間:3時間)、4.5μm(処理時間:1時間)となるLAGPを得た。
(電極活物質の調製)
電極活物質として、Li(PO(株式会社 高純度化学研究所製、平均粒径8.0μm、LVP)を用意し、粉砕し、平均粒径が7.9μmとなるLVPを得た。また、大気雰囲気中で、得られたLVPと破砕用ジルコニアボール(φ=1mm)とを、LVP:破砕用ジルコニアボール=1:2の重量比となるように、遊星型ボールミル用容器に入れ、さらに脱水エタノール(和光純薬工業株式会社製)を加えて密封した。その後、容器を遊星型ボールミル装置(Fritsch社製、Premium Line P−7)に取り付け、台盤回転数300rpmでボールミル処理を行い、平均粒径が0.2μm(処理時間:48時間)、1.2μm(処理時間:3時間)、2.0μm(処理時間:1時間)となるLVPを得た。また、台盤回転数150rpmでボールミル処理を行い、2.2μm(処理時間:4.5時間)、3.2μm(処理時間:3時間)、4.5μm(処理時間:2時間)となるLVPを得た。
(焼結体形成用材料の調製)
調製したLVP(平均粒径:1.2μm)と、LAGP(平均粒径:0.1μm)とをLVP:LAGP=30:70の体積比で、ホモジナイザー処理を行うことにより混合・分散した。その後、得られた混合物を乾燥し、乳鉢処理して再び乾燥して焼結体形成用材料を得た。さらに、焼結体形成用材料0.25gをプレスし、ペレット(φ=13.0)状圧粉体を作製した。
(電極焼結体の作製)
ペレット状に成形した焼結体形成用材料(圧粉体)を、600℃、N雰囲気、2時間の条件で焼成し、電極焼結体を得た。
[実施例2〜6]
LVPおよびLAGPの平均粒径をそれぞれ、表1に示す組み合わせとしたこと以外は、実施例1と同様にして電極焼結体を得た。
[比較例1〜3]
LVPおよびLAGPの平均粒径をそれぞれ、表1に示す組み合わせとしたこと以外は、実施例1と同様にして電極焼結体を得た。
[評価]
(密度測定)
焼成前のペレット状に圧粉成形した焼結体形成用材料の密度について測定した。また、焼成後、得られた電極焼結体の密度を測定した。その結果を、表1、図5および図6に示す。
表1、図5および図6に示されるように、固体電解質材料および電極活物質の平均粒径比が12倍〜79倍の範囲内となる場合、密度が80%以上となる高密度電極焼結体が得られることが確認できた。
(SEM画像観察)
実施例3および6で得られた電極焼結体の断面をSEMで観察した。得られたSEM画像を図7に示す。図7(a)は、実施例3で得られた電極焼結体の断面のSEM画像である。図7(a)に示されるように、焼結体内の空孔は存在するものの小さく、固体電解質材料および電極活物質の密度が高いことが確認できる。また、図7(b)は実施例6で得られた電極焼結体の断面のSEM画像である。図7(a)と同様に、空孔は存在するものの小さいことが確認できる。
一方、図8は比較例1で得られた電極焼結体の断面のSEM画像である。図8に示されるように、焼結体内に実施例3および6に比べて大きい空孔が存在することが確認できる。そのため、固体電解質材料および電極活物質の平均粒径比を12倍〜79倍の範囲内とすることで、高密度の電極焼結体を得ることができることが確認された。
1 … 電極活物質
2 … 固体電解質材料
3 … 破砕用ボール
4 … 圧粉体
5 … 空孔
10 … 電極焼結体

Claims (5)

  1. 少なくとも固体電解質材料および電極活物質を含有し、前記固体電解質材料の平均粒径に対する前記電極活物質の平均粒径の比が12倍〜79倍の範囲内である焼結体形成用材料を調製する調製工程と、
    前記焼結体形成用材料を焼成する焼成工程と、
    を備えることを特徴とする電極焼結体の製造方法。
  2. 前記電極活物質の平均粒径が、7.9μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の電極焼結体の製造方法。
  3. 前記固体電解質材料が、一般式Li1+xAlGe2−x(PO(0≦x≦2)で表される化合物であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電極焼結体の製造方法。
  4. 前記電極活物質が、一般式Li(POであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかの請求項に記載の電極焼結体の製造方法。
  5. 少なくとも固体電解質材料および電極活物質を含有する電極焼結体であって、
    前記固体電解質材料に対する前記電極活物質の平均粒径比が12倍〜79倍の範囲内である焼結体形成用材料を調製し、
    前記焼結体形成用材料を焼成することで得られることを特徴とする電極焼結体。
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