JP2013218017A - 移動体装置、露光装置、デバイス製造方法及びフラットパネルディスプレイの製造方法、並びに移動体システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 平面ミラーを大型化することなく、移動部材の駆動ストロークを延ばすこと。
【解決手段】 Xリニアモータ210により、平面ミラー116が、基板ステージPSTに対してX軸方向に駆動される。従って、Xリニアモータ210が、平面ミラー116に対してY干渉計104からの計測ビームが当たり続けるように、平面ミラー116を駆動することで、反射面がその長手方向に延長された平面ミラーを用いる場合と同様の基板ステージPSTのY軸方向の位置情報の計測が可能となる。従って、平面ミラーを大型化することなく、基板ステージPSTのX軸方向の駆動ストロークを延ばすことが可能になる。
【選択図】図9
【解決手段】 Xリニアモータ210により、平面ミラー116が、基板ステージPSTに対してX軸方向に駆動される。従って、Xリニアモータ210が、平面ミラー116に対してY干渉計104からの計測ビームが当たり続けるように、平面ミラー116を駆動することで、反射面がその長手方向に延長された平面ミラーを用いる場合と同様の基板ステージPSTのY軸方向の位置情報の計測が可能となる。従って、平面ミラーを大型化することなく、基板ステージPSTのX軸方向の駆動ストロークを延ばすことが可能になる。
【選択図】図9
Description
本発明は、移動体装置、露光装置、デバイス製造方法及びフラットパネルディスプレイの製造方法、並びに移動体システムに係り、特に、所定の平面内で少なくとも一軸方向に所定ストロークで移動する移動体(移動部材)を備えた移動体装置、前記平面内で一軸方向にエネルギビームに対して基板を移動し、そのエネルギビームで基板を露光する露光装置、該露光装置を用いるデバイス製造方法及び前記露光装置を用いたフラットパネルディスプレイの製造方法、並びに移動部材を移動させる移動体装置を備える移動体システムに関する。
従来、液晶表示素子、半導体素子(集積回路等)等の電子デバイス(マイクロデバイス)を製造するリソグラフィ工程では、マスク又はレチクル(以下、「マスク」と総称する)と、ガラスプレート又はウエハ等の物体(以下、「基板」と総称する)と、を所定の走査方向(スキャン方向)に沿って同期移動させつつ、マスクに形成されたパターンを、投影光学系を介して基板上に転写する走査型の投影露光装置などが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
この種の投影露光装置の露光対象である基板は、年々大型化している。例えば、液晶表示素子用のガラス基板(マザーガラス)の場合、最新の第10世代のマザーガラスのサイズは、約3m角のサイズ(正確には、2850mm×3050mm)にもなっている。液晶用の投影露光装置では、基板が載置されるテーブルなどの移動部材(以下、基板テーブルと称する)の位置は、干渉計システムを用いて計測することが一般的に行われている。干渉計システムでは、その計測対象である基板テーブルに干渉計からのレーザビームが照射される移動鏡、例えば長尺鏡(長尺の平面ミラー)が固定される。
特に走査型の露光装置では、基板の長さとほぼ同じ長さの長尺鏡が用いられており、基板(基板テーブル)の必要な移動範囲、すなわち基板の長さの1.5倍以上2倍未満の範囲をカバーしている。長尺鏡は、基板の大きさ(辺の長さ)に比例して長大化した結果、今や3mを越えるようになっている。そのため、長尺鏡の成形から加工、表面処理(ミラー材蒸着)までに大型の高価な設備を必要とし、製作が困難になっている。例えば、現状の設備で製作できる長尺鏡の限界長さから10mmでも長くなると、新たな設備が必要になる。また長尺鏡が大型化することによって重量が増し、基板テーブルを含む移動体装置の可動部分(基板ステージとも呼ばれる)の制御性が悪化している。また、長尺鏡を基板テーブルに固定するとき、基板テーブルと長尺鏡との線膨張係数の差によって両者間にバイメタル作用が発生するが、大型の長尺鏡の場合、その反射面の変形により許容できないレベルの基板テーブルの位置決め精度の低下を招くことがある。
近い将来の世代では、基板の1辺の長さが3mを超えることは確実であり、長尺鏡の製造が困難となる事態も予想される。
近い将来の世代では、基板の1辺の長さが3mを超えることは確実であり、長尺鏡の製造が困難となる事態も予想される。
発明者は、情報収集、現状分析などを行った結果、最新の露光装置では、移動鏡(長尺鏡)が大きくなったため、実際には、例えば基板テーブルの駆動中に、長尺鏡が、基板テーブルに対して動いてしまう場合があることがわかった。そこで、発明者は、次のように考えた。「長尺鏡は、基板テーブル等の移動体(移動部材)の位置を計測するための基準部材であるため、その移動体に対しては本来動いてはいけないものであるが、実際には、長尺鏡は、移動体に対して動いている。そうであれば、反対に、長尺鏡を、ある定められた条件の下で、積極的に動かすようにしても良いのではないか。」
本発明は、上述した発明者の逆転の発想に基づいてなされたもので、以下のような構成を採用する。
本発明は、上述した発明者の逆転の発想に基づいてなされたもので、以下のような構成を採用する。
本発明の第1の態様によれば、互いに直交する第1軸及び第2軸を含む所定の平面内で少なくとも前記第1軸に平行に所定ストロークで移動する移動部材と、前記移動部材に前記第1軸に平行な第1方向に相対移動可能に設けられ、前記第2軸に直交する反射面を有し前記第1方向を長手方向とする長尺の平面ミラーと、前記移動部材の外部に設けられ、前記平面ミラーの前記反射面に前記第2軸に平行な計測光を照射し、該計測光の前記反射面からの反射光を受光して前記移動部材の前記第2軸に平行な第2方向の位置情報を計測する干渉計を含み、前記移動部材の前記平面内における位置に関連する物理量を計測する計測システムと、前記移動部材に対して前記平面ミラーを前記第1方向に駆動するミラー駆動系と、前記計測システムの計測結果に基づいて、前記移動部材の移動を制御する制御系と、を備える移動体装置が、提供される。
ここで、移動部材の平面内における位置に関連する物理量とは、移動部材の平面内の位置のみならず、位置を時間で微分した物理量である速度、加速度などの総称である。本明細書では、かかる意味で位置に関連する物理量という用語を用いている。
これによれば、ミラー駆動系により、平面ミラーが、移動部材に対して第1方向に駆動される。従って、ミラー駆動系が、平面ミラーに対して干渉計からの計測光が当たり続けるように、平面ミラーを駆動することで、反射面がその長手方向に延長された平面ミラーを用いる場合と同様の移動部材の第2方向の位置情報の計測が可能となり、平面ミラーを大型化することなく、移動部材の第1方向の駆動ストロークを延ばすことが可能になる。
本発明の第2の態様によれば、エネルギビームによりマスクを介して基板を露光し、前記マスクに形成されたパターンを基板に転写する露光装置であって、前記マスクを保持する第1移動体装置と、前記基板を保持する第2移動体装置と、前記マスクを介した前記エネルギビームを前記基板に投射する投影光学系と、を備え、前記第1移動体装置及び前記第2移動体装置の少なくとも一方が、本発明の移動体装置である第1の露光装置が、提供される。
本発明の第3の態様によれば、互いに直交する第1軸及び第2軸を含む平面内で前記第1軸に平行な第1方向に沿ってエネルギビームに対して基板を移動し、前記エネルギビームで前記基板を露光する露光装置であって、前記基板を保持して前記所定平面内で移動する移動部材と、前記移動部材に前記第1方向に相対移動可能に設けられ、前記第2軸に直交する反射面を有し前記第1方向を長手方向とする長尺の平面ミラーと、前記移動部材の外部に設けられ、前記平面ミラーの前記反射面に前記第2軸に平行な計測光を照射し、該計測光の前記反射面からの反射光を受光して前記移動部材の前記第2軸に平行な第2方向の位置情報を計測する干渉計を含み、前記移動部材の前記平面内における位置に関連する物理量を計測する計測システムと、前記平面ミラーを前記移動部材に対して前記第1方向に駆動するミラー駆動系と、前記計測システムの計測結果に基づいて、前記移動部材の移動を制御するとともに、前記干渉計による前記移動部材の位置情報の計測が可能となるように、前記ミラー駆動系を介して前記移動部材に対する前記平面ミラーの前記第1方向の移動を制御する制御系と、を備える第2の露光装置が、提供される。
これによれば、制御系により、計測システムの計測結果に基づいて、移動部材の移動が制御されるとともに、干渉計による移動部材の位置情報の計測が可能となるように、ミラー駆動系を介して移動部材に対する平面ミラーの移動が制御される。これにより、反射面がその長手方向に延長された平面ミラーを用いる場合と同様の移動部材の第2方向の位置情報の計測が可能となり、平面ミラーを大型化することなく、移動部材の第1方向の駆動ストロークを延ばすことが可能になる。従って、大型の基板であっても、基板を保持する移動部材を高精度で位置制御することが可能になり、基板の高精度な露光が可能になる。
本発明の第4の態様によれば、上記第1及び第2の露光装置のいずれかを用いて感応基板を露光することと、露光された前記感応基板を現像することと、を含むデバイス製造方法が、提供される。
本発明の第5の態様によれば、上記第1及び第2の露光装置のいずれかを用いてフラットパネルディスプレイに用いられる基板を露光することと、露光された前記基板を現像することと、を含むフラットパネルディスプレイの製造方法が、提供される。
本発明の第6の態様によれば、第1方向に沿って移動部材を移動させる移動体装置と、前記移動部材を介した計測光を検出し、該計測光の検出結果に基づいて、前記第1方向と交差する第2方向における前記移動部材の位置に関する情報を計測する計測システムと、を備え、前記移動体装置は、前記移動部材に支持され、前記第2方向に沿って照射される前記計測光を前記計測システムに対して反射する反射部材と、前記第1方向に関する前記移動部材の所定の移動範囲に亘って前記反射部材が前記計測光を反射可能なように、前記反射部材を前記移動部材に対して前記第1方向に相対移動させる反射部材駆動系と、を含む移動体システムが、提供される。
《第1の実施形態》
以下、本発明の第1の実施形態について、図1〜図14に基づいて説明する。
以下、本発明の第1の実施形態について、図1〜図14に基づいて説明する。
図1には、第1の実施形態に係る露光装置10の構成が概略的に示されている。露光装置10は、例えばフラットパネルディスプレイ、液晶表示装置(液晶パネル)などの製造に用いられる。露光装置10は、液晶表示装置の表示パネルなどに用いられる矩形(角型)のガラス基板P(以下、単に基板Pと称する)を露光対象物とする投影露光装置である。
露光装置10は、照明系IOP、マスクMを保持するマスクステージMST、投影光学系PL、基板Pを保持する基板ステージPSTを含む基板ステージ装置100、及びこれらの制御系等を、備えている。以下においては、露光時にマスクMと基板Pとが投影光学系PLに対してそれぞれ相対走査される方向をX軸方向(X方向)とし、水平面内でこれに直交する方向をY軸方向(Y方向)、X軸及びY軸方向に直交する方向をZ軸方向(Z方向)とし、X軸、Y軸、及びZ軸回りの回転(傾斜)方向をそれぞれθx、θy、及びθz方向として説明を行う。
照明系IOPは、例えば米国特許第6,552,775号明細書などに開示される照明系と同様に構成されている。すなわち、照明系IOPは、図示しない光源(例えば、水銀ランプ)から射出された光を、それぞれ図示しない反射鏡、ダイクロイックミラー、シャッター、波長選択フィルタ、各種レンズなどを介して、露光用照明光(照明光)ILとしてマスクMに照射する。照明光ILとしては、例えばi線(波長365nm)、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)などの光(あるいは、上記i線、g線、h線の合成光)が用いられる。また、照明光ILの波長は、波長選択フィルタにより、要求される解像度に応じて適宜切り替えることが可能になっている。
マスクステージMSTには、回路パターンなどがそのパターン面(図1における下面)に形成されたマスクMが、例えば真空吸着により固定されている。マスクステージMSTは、不図示のボディの一部を構成するマスク定盤上に、例えばその底面に固定された不図示のエアベアリングを介して非接触状態で支持されている。マスクステージMSTは、例えばリニアモータを含むマスクステージ駆動系320(図1では図示せず、図8参照)によって、マスク定盤上で、走査方向(X軸方向)に所定のストロークで駆動されるとともに、Y軸方向、及びθz方向に適宜微少駆動される。
マスクステージMSTのXY平面内の位置情報(θz方向の回転情報を含む)は、マスクレーザ干渉計システム(以下、「マスク干渉計システム」という)90によって、マスクステージMSTに形成された(あるいは固定された)反射面を介して、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出される。マスク干渉計システム90の計測値は、ステージ制御装置500(図1では図示せず、図8参照)に送られる。ステージ制御装置500は、マスク干渉計システム90の計測値に基づいてマスクステージ駆動系320を介してマスクステージMSTのX軸方向、Y軸方向及びθz方向の位置(及び速度)を制御する。
投影光学系PLは、マスクステージMSTの図1における下方において、不図示のボディの一部を成す鏡筒定盤に支持されている。ここで、前述のマスクステージMST及び投影光学系PLが搭載されるボディ(不図示)は、本実施形態では、後述する基板ステージ装置100とは、物理的に分離して、不図示の防振装置を介して床F上に設置されている。また、マスクステージMSTの駆動力の反力が鏡筒定盤の振動要因とならないように、マスク定盤及びマスク駆動系と、鏡筒定盤とは振動的に分離されている。すなわち、鏡筒定盤に対して、床振動及びマスクステージMSTの駆動反力に起因する振動が伝達されるのが効果的に防止されている。
投影光学系PLは、例えば米国特許第6,552,775号明細書に開示された投影光学系と同様に構成されている。すなわち、投影光学系PLは、マスクMのパターン像の投影領域が例えば千鳥状に配置された複数の投影光学系(マルチレンズ投影光学系)を含み、Y軸方向を長手方向とする長方形状の単一のイメージフィールドを持つ投影光学系と同等に機能する。本実施形態では、複数の投影光学系それぞれとしては、例えば両側テレセントリックな等倍系で正立正像を形成するものが用いられている。前述の照明系IOPは、マルチレンズ投影光学系に対応した複数の照明光ILをそれぞれマスクMに照射するように構成されている。また、以下では投影光学系PLの千鳥状に配置された複数の投影領域をまとめて露光領域と呼ぶ。
このため、照明系IOPからの照明光ILによってマスクM上の照明領域が照明されると、マスクMを通過した照明光ILにより、投影光学系PLを介してその照明領域内のマスクMの回路パターンの投影像(部分正立像)が、投影光学系PLの像面側に配置される、表面にレジスト(感応剤)が塗布された基板P上の照明領域に共役な照明光ILの照射領域(露光領域)に形成される。そして、マスクステージMSTと基板ステージPSTとの同期駆動によって、照明領域(照明光IL)に対してマスクMを走査方向に相対移動させるとともに、露光領域(照明光IL)に対して基板Pを走査方向に相対移動させることで、基板P上の1つのショット領域(区画領域)の走査露光が行われ、そのショット領域にマスクMのパターンが転写される。すなわち、露光装置10では照明系IOP及び投影光学系PLによって基板P上にマスクMのパターンが生成され、照明光ILによる基板P上の感応層(レジスト層)の露光によって基板P上にそのパターンが形成される。
露光装置10では、前述の如く、基板ステージ装置100は、不図示のボディとは別に床F上に設置されている。図2には、基板ステージ装置100の側面図(−Y側から見た図)が示され、図3には、基板ステージ装置100の正面図(+X側から見た図)が示されている。
基板ステージ装置100は、上面がXY平面に平行となる状態で、クリーンルームの床F上に複数の防振装置34を介して設置された基板ステージ架台33と、基板ステージ架台33上に固定された定盤12と、定盤12に対して、X軸方向に所定ストロークで移動可能な基板ステージPSTと、基板ステージPSTを駆動する基板ステージ駆動系310(図1〜3では不図示、図8参照)と、基板ステージPSTの位置情報を計測する、基板レーザ干渉計システム(以下、基板干渉計システム)92を含む位置計測系400(図1〜図3等では、その一部のみ図示、図8参照)と、を備えている。なお、基板ステージPSTの駆動力の反力が、鏡筒定盤に対して伝達されない構造になっているのであれば、基板ステージ架台33が、前述のボディの一部を構成していても良い。この場合、例えば、基板ステージ架台33の上面に鏡筒定盤の+Y側、及び−Y側の端部近傍それぞれを下方から支持する一対のサイドコラムを固定し、該サイドコラム上に防振装置を介して鏡筒定盤を支持するなどの構成を採用することができる。
基板ステージ架台33は、X軸方向の長さがY軸方向より長い平面視矩形の直方体状部材からなり、その底面の四隅部が、床F上に設置された防振装置34によって支持されている。
定盤12は、例えば石材により形成されたX軸方向を長手方向とする平面視で(+Z側から見て)矩形の直方体部材から成り、基板ステージ架台33上に設置されている。定盤12のX軸方向の長さは、基板ステージ架台33の長さより幾分短い。定盤12の上面及びY軸方向の両側面は、平坦度が高く仕上げられている。特に、定盤12の上面は、基板ステージPSTの移動の際の案内面となるため、その平坦度が非常に高く設定されている。
基板ステージPSTは、図2及び図3を総合すると分かるように、定盤12のY軸方向の両側面及び上面に対向する段付きの凹部102が底面に形成されたステージ本体15、ステージ本体15の上面に固定されたX軸方向を長手方向とする平面視矩形のテーブル23、テーブル23上に搭載された基板ホルダPH、テーブル23の−Y側の側面に固定されたYミラーベース112、Yミラーベース112上で一対のミラーガイド114によって支持されたY移動鏡116、Y移動鏡116をX軸方向に駆動するミラー駆動系200(図8参照)、及びテーブル23の−X側の側面に不図示のXミラーベースを介して取り付けられた(又は基板ホルダPHの−X側の側面に直接固定された)コーナーキューブから成る一対のX移動鏡201a、201b等を備えている。
ステージ本体15の凹部102の内面には、定盤12のY軸方向の両側面及び上面にそれぞれ加圧気体を噴きつける気体静圧軸受、例えばエアベアリング(不図示)が複数固定されており、これらのエアベアリングによってステージ本体15(基板ステージPST)が、定盤12に対して非接触で支持されている。
基板ホルダPHは、テーブル23の上面に固定された平面視矩形の板状の部材から成り、その上面には、基板Pを真空吸着するバキュームチャック(又は静電吸着する静電チャック)などが設けられている。
Y移動鏡116としては、図2、図3及び図4に示されるように、X軸方向に伸びる所定長さ、一例として基板P(及び基板ホルダPH)とほぼ同等(幾分長い)の長さの長尺の平面ミラー(長尺鏡)が用いられている。Y移動鏡116としては、一例として、中空の断面矩形の部材が用いられている。ただし、これに限らず、中実部材から成る長尺鏡を、Y移動鏡116として用いても良い。
Y移動鏡116は、図2及び図3に示されるように、X軸方向を長手方向とする平面視矩形の板状部材から成るYミラーベース112上面の−Y側端部に、X軸方向に所定間隔で同軸上に配置された複数(例えば一対)のミラーガイド114に挿入されている。Yミラーベース112は、その+Y側の端面が、テーブル23の−Y側側面のX軸方向のほぼ全長に渡って接続されている。
各ミラーガイド114は、Yミラーベース112の近傍部分を+X方向から見た図5の側面図に示されるように、4つのYZ断面矩形の気体静圧軸受部材である下側パッド114a、上側パッド114b、+Y側パッド114c及び−Y側パッド114dから成る、YZ断面の概略一部が欠けた矩形枠状の部材である。各ミラーガイド114は、YZ断面においてY移動鏡116を囲う配置で、4つのパッド114a〜114dが互いに接続されており、4つのパッド114a〜114dのそれぞれの内側の面(Y移動鏡116に対する対向面)に軸受面が設けられている。一対のミラーガイド114がそれぞれ有する4つのパッド114a〜114dのそれぞれの軸受面から、図5中に短い複数の矢印で示されるように、Y移動鏡116に対して加圧気体、例えば加圧空気が噴出され、その加圧空気の静圧(隙間内圧力)によって、Y移動鏡116は、一対のミラーガイド114によって、Y軸及びZ軸方向の動きが非接触で制限された状態で、X軸方向に関しては移動可能に支持されている。
−Y側パッド114dは、+Y側パッド114cに比べ高さが約2/3程度であり、−Y側パッド114dと上側パッド114bとの間に所定幅の隙間115が存在する。Y移動鏡116の−Y側の面には、この隙間115に対応する部分に所定幅の反射面140が鏡面加工によって形成されている(図2参照)。すなわち、後述するように、基板ステージPSTの移動に伴って、後述するY干渉計104からの計測ビーム(測長ビーム)の照射点とミラーガイド114のX軸方向の位置(X位置)とが一致することがあるが、このようなときにも、Y干渉計104からの計測ビームが、上記の隙間を介してY移動鏡116の反射面140に当たり続けるようになっている。
また、−Y側パッド114dの内面(+Y側面)のZ軸方向中央付近には、後述するスケール106bとの干渉を避けるため、溝部117が設けられている。
ここで、説明は前後するが、基板干渉計システム92の構成について簡単に説明する。基板干渉計システム92は、図2〜図4を総合するとわかるように、一対のX移動鏡201a,201bのそれぞれにX軸に平行な計測ビームを照射し、それぞれの反射光を受光して計測ビームの照射点におけるX移動鏡201a,201bの位置、すなわち基板ステージPSTのX位置を計測する一対のX干渉計80a,80bと、Y移動鏡116にY軸に平行な計測ビームを照射し、その反射光を受光して、計測ビームの照射点におけるY移動鏡116(基板ステージPST)のY位置を計測するY干渉計104と、を備えている。
一対のX干渉計80a,80bは、図2に示されるように、基板ステージ架台33の−X端部上面に、支持部材35を介して、それぞれ配置されている。支持部材35の一部には、不図示の防振部材が設けられており、基板ステージPSTの駆動力の反力が、X干渉計80a,80bに伝達されるのが、効果的に抑制されている。X干渉計80a,80bの測長軸は、ここでは、投影光学系PLの中心軸から+Y側、−Y側に等距離隔てたX軸に平行な軸に一致している。
Y干渉計104は、基板ステージ架台33の−Y側の上方にてY移動鏡116に対向する位置に配置されている。Y干渉計104は、防振部材を含む不図示の支持部材を介して基板ステージ架台33に接続されている。Y干渉計104の測長軸は、投影光学系PLの中心軸を通るY軸に平行な軸に一致している。
X干渉計80a、80b及びY干渉計104の計測情報は、図8に示されるステージ制御装置500に常時供給されるとともに、ステージ制御装置500を介して主制御装置600に供給されている。ステージ制御装置500は、X干渉計80a、80bによる計測値の平均に基づいて、基板ステージPST(基板P)のX位置を求め、X干渉計80a、80bによる計測値の差に基づいて、基板ステージPSTのθz回転を算出する。
また、ステージ制御装置500は、Y干渉計104の計測値に基づいて、基板ステージPST(基板P)のY位置を求める。ここで、本実施形態では、Y移動鏡116は、可動であるため、基板ステージPST(基板P)のY位置は、Y干渉計の初期設定(リセット時)におけるY移動鏡116の位置(基準位置)を基準とする、Y移動鏡116のY軸方向及びθz方向)に関する変位量に応じたY位置の補正値を、Y干渉計104の計測値から差し引くことで求められる。
なお、X干渉計80a、80bの一方、及びY干渉計104として、測長軸を複数有する多軸干渉計を用いることもできる。この場合、基板ステージPSTのθx方向及びθy方向の回転(傾斜)の計測も可能となる。また、X干渉計80a、80bとY干渉計104は、不図示であるが、投影光学系PLに一体的に設けられた固定の反射鏡へもそれぞれ計測ビームを照射し、その反射光を受光することによって、投影光学系PLを基準にした基板ステージPST(基板P)の位置を求めることができるようになっている。
前述の各ミラーガイド114の+Y側パッド114cの中央部には、ミラーベース112の近傍を示す図4のB−B線断面図である図7からわかるように、円形若しくは矩形の貫通孔119が形成され、貫通孔119の内部に、ミラーガイド114とY移動鏡116とのY軸方向の間隔(距離)、すなわちミラーガイド114に対するY移動鏡116のY軸方向の変位を測定する非接触型の変位センサ120のセンサヘッド部が挿入されている。変位センサ120は、+Y側パッド114cに固定されている。ここで、変位センサ120としては、例えば静電容量式、光反射式、あるいは圧力検出式などの変位センサを用いることができる。変位センサ120としては、測定レンジが例えば数十μm(例えば10〜20μm)で、測定分解能が例えば1nm程度のものを用いることが望ましい。なお、ミラーガイド114は、前述の計測ビームを通過させるための隙間を有する、YZ断面の概略一部が欠けた矩形枠状の一体成形部材であっても良い。
また、Y移動鏡116の−Y側面の下端部のX軸方向中央部には、ミラーベース112の近傍を示す図4のA−A線断面図である図6、図4及び図2からわかるように、X軸方向に所定長さを有するスケール106bが固定されている。スケール106bの表面には、X軸方向を周期方向とする所定ピッチの格子(例えば回折格子)が形成されている。スケール106bは、Y移動鏡116が後述するミラー駆動系200によってX軸方向に駆動された際に、ミラーガイド114と干渉しないようにミラーガイド114の溝部117に対応する高さ方向の位置に配置されている。スケール106bに対向して、図2及び図6に示されるように、エンコーダヘッド(以下、ヘッドと略記する)106aが配置されている。ヘッド106aは、スケール106bに計測ビームを照射して、スケール106bの格子で回折された回折光を受光して、ヘッド106aの位置を基準として、スケール106b(Y移動鏡116)のX位置を計測するXリニアエンコーダ106(図8参照)を構成する。ヘッド106aは、図6に示されるように、YZ断面L字状の支持部108によって、ミラーベース112上面の−Y側端部のX軸方向中央位置に、固定されている。
Y移動鏡116の+Y側面のX軸方向中央部には、図4及び図6に示されるように、X固定子122とともに、Xリニアモータ210を構成するX可動子124が固定されている。X固定子122は、X可動子124に対向して、ミラーベース112の上面にX軸方向に所定長さで延設されている。Xリニアモータ210は、ステージ制御装置500からの指令に応じ、Y移動鏡116をX軸方向に所定ストローク(スケール106bのX軸方向の長さにほぼ一致)の範囲内で駆動するようになっている。ステージ制御装置500は、Xリニアエンコーダ106の計測値に基づいて、Xリニアモータ210に駆動指令を与える。また、Xリニアモータ210が、ステージ制御装置500によって静止サーボ制御されることで、その保持力によってY移動鏡116は所定位置に固定される(X位置が維持される)。すなわち、本実施形態では、Y移動鏡116をY軸及びZ軸方向の動きが非接触で制限された状態で、X軸方向に関しては移動可能に支持する一対のミラーガイド114(が有する各4つのエアパッド群114a〜114d)と、Xリニアモータ210とを含んでミラー駆動系200(図8参照)が構成されている。
上述のように、本実施形態では、Y移動鏡116は、一対のミラーガイド114によってY軸及びZ軸方向の動きが制限された状態で、Xリニアモータ210によりミラーベース112上でX軸方向に所定のストロークで駆動される。この際、Y移動鏡116のX軸方向の位置(X位置)はXリニアエンコーダ106(ヘッド106a)によって計測される。
また、Xリニアモータ210により、Y移動鏡116がミラーガイド114に沿ってX軸方向に駆動されると、Y移動鏡116は、ミラーガイド114の+Y側パッド114c及び−Y側パッド114dの一方の隙間内圧力に抗し、+Y側又は−Y側に僅かに移動する、あるいはθz方向に移動(θz回転)する場合が起こり得る。Y移動鏡116がY軸方向及び/又はθz方向に移動すると、Y干渉計104によって計測されるY移動鏡116のY位置に計測誤差(測長誤差)が生じる。かかる場合、そのY移動鏡116のY位置の変位(上述した基準位置からの変位)が、一対の変位センサ120によって計測され、その計測結果が、ステージ制御装置500に供給される。ステージ制御装置500は、その一対の変位センサ120の計測結果に基づいて、基板干渉計システム92によって計測される基板ステージPSTのY位置を補正する。ここで、一層正確に、基板ステージPSTのY位置を補正するため、Y移動鏡116の反射面の精度(平面度、これはY移動鏡116単体の精度である場合もあるし、基板ステージPSTの運動の精度をも含む場合もある)を予め求めて、Y移動鏡116の反射面の凹凸(いわゆる曲がり)に起因する、Y干渉計104によって計測される基板ステージPSTのY変位の補正(キャリブレーション)を、Y移動鏡116のX位置毎に行なっても良い。この場合、Y移動鏡116のX位置(X軸方向の変位)によって補正値が変わってくるので、Xリニアエンコーダ106によってY移動鏡116のX位置(X軸方向の変位)を正確に計測する必要がある。また、上記Xリニアエンコーダ106に代えて、二次元リニアエンコーダを用いることで、Y移動鏡116のX軸方向及びY軸方向の位置(変位)を同時に計測するようにしても良い。かかる場合には、前述の変位センサ120は不要となる。
本実施形態では、基板干渉計システム92、一対の変位センサ120(及びXリニアエンコーダ106)を含んで、基板ステージPSTの位置を計測する位置計測系400が構成されている。
基板ステージ駆動系310は、ここでは、図3に示されるリニアモータ220によって主に構成されている。リニアモータ220は、定盤12の上面のY軸方向の中央部分に定盤12のX軸方向ほぼ全長に渡って配置されたX固定子16と、X固定子16に対向してステージ本体15の段付きの凹部102の内部底面に固定されたX可動子17とによって構成されている。本実施形態では、リニアモータ220として、基板ステージPSTのX軸方向の長ストローク駆動及びY軸方向の微小駆動が可能な2次元リニアモータが用いられている。かかる2次元リニアモータは、例えば特開2000−078830号公報に開示されている。リニアモータ220としては、ムービングマグネット型、ムービングコイル型のいずれを用いても良い。
なお、本実施形態では、後述する露光時などには、ステージ制御装置500が、基板ステージPSTのθz回転に併せて、マスクステージMSTを回転させるようになっている。ただし、2つのリニアモータを、Y軸方向に関して所定距離離れてX軸方向に延設し、少なくとも一方のリニアモータとして、上記の2次元リニアモータを用いることで、基板ステージPSTを、X軸方向に長ストローク、Y軸及びθzの各方向に微小駆動するようにしても良い。
このようにして、図8に示される基板ステージ駆動系310が構成されている。
このようにして、図8に示される基板ステージ駆動系310が構成されている。
上述のようにして構成された露光装置10(図1参照)では、主制御装置600の管理の下、不図示のマスクローダによって、マスクステージMST上へのマスクMのロード、及び不図示の基板ローダによって、基板ステージPST上への基板Pのロードが行なわれる。その後、主制御装置600により、不図示のアライメント検出系を用いてアライメント計測が実行され、アライメント計測の終了後、ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が行なわれる。かかる一連の動作に際し、基板ステージPST及びマスクステージMSTの駆動は、主制御装置600の管理の下、ステージ制御装置500によって制御される。
次に、本実施形態の露光装置10において、X軸方向に所定間隔で配置された2面(2つ)のショット領域(区画領域)を有する基板Pを露光する(すなわち、基板P上にマスクMのパターンを転写する)際の動作を、基板ステージPSTの動作を中心として、図9〜14に基づいて、説明する。以下では、図9における−X側のショット領域をショット領域SA1、+X側のショット領域をショット領域SA2と称する。
なお、図9〜図14において示される露光領域IAは、露光時に照明光ILが投影光学系PLを介して照射される照明領域であり、実際には、露光時以外に形成されることはないが、基板P、Y移動鏡116及び投影光学系PLの3者間の位置関係を明確にするため常に図示されている。
図9には、基板ステージPST(基板ホルダPH)が、+X方向の移動限界位置に位置し、この位置で、基板ホルダPH上の基板Pの交換が行われた後、ショット領域SA1の露光のための基板ステージPSTの移動(加速)が開始される前の状態が示されている。なお、基板Pは、露光開始に先立って、不図示のアライメント系を用いて、主制御装置600によってアライメントされる(位置検出が行われる)が、アライメント動作等の説明は省略する。
上記の基板交換に先立ち、露光済みの基板を保持した基板ステージPST(基板ホルダPH)は、図14中に白抜き矢印で示されるように、+X方向に移動する。この移動は、ステージ制御装置500により、基板干渉計システム92の各干渉計の計測値をモニタしつつ、基板ステージ駆動系310を介して行われる。この際、ステージ制御装置500は、Xリニアエンコーダ106の計測値をもモニタして、交換後の基板Pのショット領域SA1の露光のための基板ステージPSTの移動中に、Y干渉計104からの計測ビームが切れないように(常にY移動鏡116の反射面140に計測ビームが当たるように)、Y移動鏡116を図14中に黒塗り矢印で示されるように、Xリニアモータ210を介して−X方向の移動限界位置に駆動する。同様に、図9でも、Y移動鏡116が、−X方向の移動限界位置に移動した状態が示されている。なお、これらの場合、Y移動鏡116を−X方向に関して移動させる位置は、移動限界位置に限定されるものではなく、移動限界位置の近傍の位置、あるいはXリニアモータ210によるY移動鏡116の可動範囲内の移動限界位置とは異なる所定位置としても良い。
基板交換後、主制御装置600によって、ショット領域SA1の露光のための、マスクステージMSTと基板ステージPSTとの−X方向の移動が開始される。このときの、2つのステージMST,PSTの移動は、ステージ制御装置500が、図10中に白抜き矢印で示されるように、基板ステージPSTをマスクステージMSTと同期して、−X方向に加速することで開始される。そして、2つのステージMST,PSTが、ともに目標速度に達し、等速同期状態に達する。このとき、照明光ILは露光領域IAに照射されていない。
その後、ステージ制御装置500により、マスクステージMSTと同期して、基板ステージPSTが−X方向に等速駆動され、基板Pのショット領域SA1が、マスクMを介した照明光ILにより投影光学系PLを介して露光される。
露光終了後(露光領域IAを、基板Pのショット領域SA1が完全に通過した直後)、照明光ILの照射が、主制御装置600によって停止されるとともに、2つのステージMST,PSTの減速が行われ、2つのステージMST,PSTが停止する。これにより、ショット領域SA1の露光のための、2つのステージMST,PSTの動作が終了する。図10には、ショット領域SA1への照明光ILの照射が停止され、基板ステージPSTの減速が開始された状態、図11には、その後に基板ステージPSTが停止された状態が示されている。
ここで、上述したマスクステージMSTと基板ステージPSTとの−X方向の移動中(走査中)、少なくともショット領域SA1の露光中、ステージ制御装置500は、Xリニアモータ210を、静止サーボ制御して、Y移動鏡116を所定位置に維持している。これは、Xリニアモータ210の駆動力による反力が、露光に悪影響を与えるのを防止するためである。従って、Y移動鏡116がY軸方向に関しても変位する可能性は低いが、仮に変位してもその変位は変位センサ120によって計測されるので、この計測結果に基づいて、Y干渉計104の計測値を補正することで、基板ステージPSTは、Y軸方向に関しても、高精度な位置制御が行われる。
ここで、基板ステージPSTのX軸方向に関する加速度に起因する慣性力により、Y移動鏡116が、ミラーベース112に対して移動するのを防止するために、露光中のみならず、その前後の加減速中も、ステージ制御装置500は、Xリニアモータ210を、静止サーボ制御して、Y移動鏡116を所定位置に維持することとしても良い。
ショット領域SA1の露光終了後、基板Pのショット領域SA2の露光開始に先立って、ステージ制御装置500は、図12中に白抜き矢印で示されるように、基板ステージPSTを図11に示される位置から+X方向に所定量(ショット領域SA2の露光のための加速を開始する位置まで)戻す。この基板ステージPSTの+X方向の移動中に、ステージ制御装置500は、次のショット領域SA2の露光の際に、基板ステージPSTの−X方向への移動中にY干渉計104からの計測ビームが切れないように(常にY移動鏡116の反射面に計測ビームが当たるように)、図12中に黒塗り矢印で示されるように、Y移動鏡116を、Xリニアモータ210を介して+X方向の移動限界位置に向けて駆動する。上記の基板ステージPSTの+X方向の移動と並行して、ステージ制御装置500は、マスクステージMSTを加速開始位置に戻す。
そして、上記の2つのステージMST、PSTの加速開始位置への移動終了後、前述のショット領域SA1の露光と同様にして、ショット領域SA2の露光が行われる。この露光動作に際し、基板ステージPST(基板P)が図13中に白抜き矢印で示されるように、−X方向に移動された後、図13に示される位置で停止される。
基板Pのショット領域SA2のスキャンが終了すると、図14中に白抜き矢印で示されるように、基板ステージPSTは、基板交換位置に向けて+X方向に駆動され、同時にY移動鏡116は、図14中に黒塗り矢印で示されるように、Xリニアモータ210により−X方向に駆動される。そして、基板ステージPSTが、基板交換位置まで駆動されると、ショット領域SA1,SA2にマスクMのパターンが転写された基板Pが不図示の基板ローダによって、基板ホルダPH上から不図示の外部装置へと移動され、基板ステージPST上へ新しい基板Pのロードが行なわれる。以後、上記と同様の動作が繰り返し行われることで、複数枚の基板が連続して露光される。
以上説明したように、本実施形態に係る露光装置10によると、露光開始に先立って、ステージ制御装置500からの指示に応じて、Xリニアモータ210が、Y移動鏡116をX軸方向に駆動することができる。従って、基板ステージPST(基板P)が、例えば基板Pの露光のためスキャン方向である−X方向に移動する際に、基板ステージPST(基板P)のY位置を計測するためのY干渉計104からの計測ビームを、切らすことなく、Y移動鏡116の反射面に照射し続けさせることが可能になり、Y移動鏡116が基板ステージPSTに固定されている場合に比べてより短いY移動鏡116を用いても基板Pの露光(上記の例ではショット領域SA1,SA2の露光)を支障なく行うことが可能になる。従って、Y移動鏡116の駆動ストロークを十分に確保することで、基板PのX軸方向の長さより幾分短いY移動鏡116を用いても、基板Pの露光を行うことが可能になる。従って、本実施形態によると、近い将来の世代で基板の1辺の長さが3mを超えても、現在の設備で製造が可能な限界長さ程度の長尺鏡をY移動鏡116として用いても、その1辺の長さが3mを超える基板の露光を支障なく行うことが可能になる。
また、本実施形態に係る露光装置10によると、Y移動鏡116を短くすることで、Y移動鏡116の反射面140の製作(加工)が容易になるとともに、Y移動鏡116の重量が軽くなることで基板ステージPSTの位置制御性を向上させることが可能になる。
また、本実施形態に係る露光装置10では、Y移動鏡116をミラーベース112に固定していないため熱膨張による応力の蓄積が起こらず、また、Y移動鏡116がX軸方向に移動可能に支持されているため、線膨張係数の差によるバイメタル作用に起因する反射面の変形が発生せず、基板ステージPSTの高精度の位置計測を行うことが可能になる。
なお、上記の説明では、Y移動鏡116を駆動するアクチュエータ(駆動装置)としてリニアモータを用いる場合を例示したが、これに限らず、ボールねじ、ワイヤーロープ、あるいはエアシリンダなどを用いて、Y移動鏡116を駆動する駆動機構を構成しても良い。また、アクチュエータとして、リニアモータを用いる場合、小型の超音波モータなどを用いても良い。また、Y移動鏡116の駆動に際して、極力モーメントが発生しないように、Y移動鏡116のYZ断面の重心近くを駆動するのが望ましい。また、アクチュエータは、発熱が小さいものを用いることが望ましい。
また、上記の説明では、Xリニアモータ210を構成するX可動子124をY移動鏡116の+Y側面に取り付けたが、どの面に取り付けても構わない。Y移動鏡116のX軸方向の一側面(一端面)に取り付けることが可能ならば、重心駆動が可能となるので最も望ましい。また、Xリニアエンコーダ106(ヘッド106a)はY移動鏡116の反射面140側に配置された場合について例示したが、別の位置でも構わない。また、Y移動鏡116のX位置(X軸方向の変位)を計測する計測手段は、リニアエンコーダに限られるものではないし、計測手段は、必ずしも設けなくても良い。
《変形例》
図15には、第1の実施形態に係る露光装置10の変形例に係るミラー駆動系の一部を構成するミラーガイド114’を含むミラーベース112近傍の構成部分が断面図にて示されている。
図15には、第1の実施形態に係る露光装置10の変形例に係るミラー駆動系の一部を構成するミラーガイド114’を含むミラーベース112近傍の構成部分が断面図にて示されている。
この変形例に係るミラー駆動系では、ミラーガイド114’は、図15に示されるように、4つのYZ断面矩形の気体静圧軸受部材である下側パッド114a、上側パッド114b’、+Y側パッド114c、及び−Y側パッド114dを含んで、前述のミラーガイド114と同様に構成されている。このうち、上側パッド114b’は、前述の上側パッド114bと比べて厚さの薄い板部材によって構成されている。上側パッド114b’は、不図示のばねの弾性力によって常時下向きに押圧(付勢)されている。すなわち、下側パッド114a及び上側パッド114b’からの加圧空気の噴出しが停止されている状態では、上記のばねの弾性力によって、上側パッド114b’はY移動鏡116の上面に圧接されており、これによって、Y移動鏡116が、下側パッド114a及び上側パッド114b’によって、挟持され、ミラーベース112に対して固定されている。この一方、ミラーガイド114’からY移動鏡116の4面に対して加圧空気が噴出されると、上述の弾性力(付勢力)に抗して下側パッド114a及び上側パッド114b’の隙間内圧力によってY移動鏡116が、下側パッド114aから浮上するとともに、上側パッド114b’とY移動鏡116との間に所定の隙間(間隔)が形成される。すなわち、ミラーガイド114’によって、Y移動鏡116が、Y軸方向及びZ軸方向に関して移動が制限され且つX軸方向に移動可能な状態で、非接触支持される。
従って、ステージ制御装置500は、基板Pの露光のための基板ステージPSTの駆動の際に必要に応じて下側パッド114a及び上側パッド114b’からの加圧空気の噴出しを停止することで、Y移動鏡116を所定位置に固定した状態を維持することができる。これにより、ステージ制御装置500によるXリニアモータ210の静止サーボ制御は不要となる。勿論、ステージ制御装置によるXリニアモータ210の静止サーボ制御と、下側パッド114a及び上側パッド114b’からの加圧空気の噴出し停止とを併用しても良く、この場合には、より大きな加速度(減速度)が作用しても、慣性力によってY移動鏡116がずれるのを防止することができる。
また、ステージ制御装置500が、上述したY移動鏡116の固定と固定解除とを繰り返すことで、Y移動鏡116の固定時にミラーベース112とY移動鏡116との線膨張係数の差によるバイメタル作用(熱応力)が働いたとしても、Y移動鏡116の固定解除によりバイメタル作用(熱応力)が除去され、Y移動鏡116は、X軸方向に自由に伸縮するため、Y移動鏡116の内部応力の蓄積及び変形による反射面の平面度の悪化を防止することができ、基板ステージPST(基板P)の高精度な位置決めを行うことが可能になる。
なお、基板ステージPSTの駆動中、例えば露光中に、Y移動鏡116のX軸方向への相対位置ずれを抑える方法は、前述したXリニアモータ210の静止サーボ制御(による保持力)、あるいは上記ミラーガイド114’のようなガイドの機械接触による固定に限られない。例えば、Y移動鏡116を駆動する駆動機構をボールねじを用いて構成する場合には、ボールねじと回転モータによる保持力を用いることができるし、駆動機構をワイヤーロープを用いて構成する場合には、ワイヤーロープのテンションと回転モータの保持力とを用いることができるし、駆動機構をエアシリンダを用いて構成する場合には、エアシリンダの圧力による保持力を用いることができる。
《第2の実施形態》
以下、本発明の第2の実施形態について、図16及び図17に基づいて説明する。ここで、前述した第1の実施形態に係る露光装置と同一若しくは同等の構成部分については、同一の符号を用いると共にその説明を簡略若しくは省略する。
以下、本発明の第2の実施形態について、図16及び図17に基づいて説明する。ここで、前述した第1の実施形態に係る露光装置と同一若しくは同等の構成部分については、同一の符号を用いると共にその説明を簡略若しくは省略する。
本第2の実施形態に係る露光装置は、Y移動鏡116のY軸方向の位置を計測するためにアライメント検出系204が設けられている点、及びアライメント検出系204によって検出されるアライメントマークが、Y移動鏡116に配置されている点を除き、第1の実施形態の露光装置10と同様の構成を有している。以下では、相違点を中心として説明を行う。
図16には、第2の実施形態に係る露光装置の基板ステージ装置100の一部省略した平面図が示されている。図16に示されるように、Y移動鏡116上面には、X軸方向に距離(間隔)sだけ離間した一対のアライメントマーク2021、2022が複数対(例えば2対)所定の間隔L1だけ離れて配置されている。各アライメントマーク2021、2022として、2次元マークが用いられているものとする。
また、Y移動鏡116の上方(+Z側)には、複数(例えば3つ)のアライメント検出系204が、X軸方向に間隔L2で配置されている。この3つのアライメント検出系204は、例えば不図示の鏡筒定盤に固定されている。アライメント検出系204としては、例えば画像処理方式のFIA系が用いられている。ただし、FIA系に限らず、他の検出方式のアライメント検出系を用いても良い。ここで、上述したアライメントマーク2021又は2022のX軸方向の間隔L1とアライメント検出系204のX軸方向の配列間隔L2とは、概ね一致している。
本第2の実施形態に係る露光装置では、前述した第1の実施形態と同様の手順で、2つのショット領域SA1,SA2に対して露光が行われ、その際に、Y移動鏡116の移動も上記と同様にして行われる。
ここで、一例として、基板P上のショット領域SA1の露光終了後を取りあげて、本第2の実施形態におけるY移動鏡116のY軸方向に関する位置ずれの計測方法及び補正方法について簡単に説明する。
例えば、基板P上のショット領域SA1の露光終了後に基板ステージPSTは、図16に示される位置に停止する。このとき、各対のアライメントマーク2021、2022のうちの+X側のアライメントマーク2021が、−X側及び中央にそれぞれ位置する2つのアライメント検出系204の検出視野内に位置している。そこで、主制御装置600が、その2つのアライメント検出系204の少なくとも一方を用いて、対応するアライメントマーク2021の位置(X,Y)を検出する。なお、基板ステージPSTの停止位置で、2つのアライメント検出系204の検出視野内に上記2つのアライメントマーク2021が位置していない場合には、主制御装置600がステージ制御装置500を介して基板ステージPSTを駆動し、2つのアライメント検出系204の検出視野内に上記2つのアライメントマーク2021を位置させる。
上記のアライメントマーク2021の検出後、基板Pのショット領域SA2の露光開始に先立って、ステージ制御装置500により、前述の如く、基板ステージPSTが+X方向に所定量(ショット領域SA2の露光のための加速を開始する位置まで)戻される。この基板ステージPSTの+X方向への移動の開始に先立って、ステージ制御装置500は、Y移動鏡116を、Xリニアモータ210を介して+X方向に距離sだけ駆動する。これにより、図17に示されるように、上記2つのアライメント検出系204の検出視野内に各対のアライメントマークのうちの−X側のアライメントマーク2022が、位置する。主制御装置600は、その2つのアライメント検出系204のうち、先にアライメントマーク2021の検出に用いた少なくとも一方のアライメント検出系204を用いて、対応するアライメントマーク2022の位置(Y位置又は(X,Y)位置)を検出する。
主制御装置600は、Y移動鏡116の移動前後におけるアライメントマーク2021,2022の位置の計測結果を比較し、Y移動鏡116のX軸方向移動前後におけるY軸方向の位置ずれ量を算出する。主制御装置600は、この位置ずれ量に基づいて、Y干渉計104の計測値の補正値を算出して、ステージ制御装置500に与える。
Y移動鏡116の+X方向の移動後(又は移動と同時に)基板ステージPSTは、ショット領域SA2の露光のための加速を開始する位置に戻され、その後、基板Pのショット領域SA2の走査露光が行われる。上記の基板ステージPSTの駆動に際して、ステージ制御装置500は、上記の補正値を用いてY干渉計104のY軸方向の計測値を補正する。この結果、Y移動鏡116のX軸方向の移動に伴うY干渉計104のY軸方向の計測誤差が補正され、基板ステージPSTのY軸方向に関する位置の制御誤差が生じることがない。なお、主制御装置600は、基板ステージPSTのY軸方向に関する位置の目標値を補正することとしても良い。
本第2の実施形態に係る露光装置では、アライメント検出系204を用いてY移動鏡116のY軸方向(及びθz方向)に関する変位(位置ずれ)を計測するので、前述の変位センサ120を省略することができる。なお、Y移動鏡116のX軸方向の駆動の前後で、必ず、同一のアライメント検出系204により、互いに対をなすアライメントマーク2021、2022の位置(X,Y)が検出できるのであれば、さらに、Xリニアエンコーダ106(ヘッド106a及びスケール106b)をも省略することができる。
《第3の実施形態》
以下、本発明の第3の実施形態について、図18及び図19に基づいて説明する。ここで、前述した第1の実施形態に係る露光装置と同一若しくは同等の構成部分については、同一若しくは類似の符号を用いると共にその説明を簡略若しくは省略する。
以下、本発明の第3の実施形態について、図18及び図19に基づいて説明する。ここで、前述した第1の実施形態に係る露光装置と同一若しくは同等の構成部分については、同一若しくは類似の符号を用いると共にその説明を簡略若しくは省略する。
本第3の実施形態に係る露光装置は、Y移動鏡116の支持構造が異なる点を除き、第1の実施形態の露光装置10とほぼ同様の構成を有している。以下では、相違点を中心として説明を行う。
図18には、第3の実施形態に係る露光装置の基板ステージ装置100の一部省略した平面図が示されている。図18に示されるように、ミラーベース112上面にはX軸方向に所定間隔で(X軸方向の一端部近傍と他端部近傍に)一対の板ばね支持部304が固定されている。
一対の板ばね支持部304のそれぞれのX軸方向の一端面と他端面には、X軸方向から見て矩形でYZ平面に平行な薄板部材から成る一対の板ばね302の+Y側の端部が固定されている。各板ばね302の−Y側の端部は、Y移動鏡116の+Y側の端面に接続されている。すなわち、本第3の実施形態では、Y移動鏡116は、前述したミラーガイド114の代わりに、X軸方向に関する剛性が、Y軸方向及びZ軸方向に比べて低い2対の板ばね302によって支持されている。この場合、板ばね支持部304とY移動鏡116の+Y側面との間の、各板ばね302のY軸方向の長さは、ほぼ同じ長さとなっている。
本第3の実施形態に係る露光装置では、前述した第1の実施形態と同様の手順で、2つのショット領域SA1,SA2に対して露光が行われ、その際に、Y移動鏡116の移動も上記と同様にして行われる。
ステージ制御装置500により、前述と同様、Xリニアモータ210を介して、Y移動鏡116は、X軸方向に駆動されるが、その際、図19に示されるように、2対の板ばね302によって、Y移動鏡116は、ほぼ正確にX軸方向に案内される。板ばね302のX軸方向の剛性が低いので、板ばね302の弾性変形により比較的小さい力でY移動鏡116をX軸方向に駆動することできる。
また、本第3の実施形態では、板ばね302の弾性変形を利用しているため、Y移動鏡116がX軸方向に駆動される際のY移動鏡116のY軸方向の変位量が、変化することはなく、また接触式のガイドを用いる場合などのように摩擦力も生じないので、再現性の高いY移動鏡116のX軸方向の駆動を行うことが可能になる。なお、Y移動鏡116のガイドとして、板ばね302と、第1実施形態で用いる静圧空気軸受けを有するミラーガイド114とを併用しても良い。
なお、上記第1〜第3の実施形態では、可動部(基板ステージPST)がX方向へのみ往復移動する1軸の基板ステージ装置100(移動体装置)について例示したが、これに限らず、XY2次元方向に移動する基板ステージ装置100にも、上記各実施形態は適用可能である。また、基板ステージ装置100に限らず、マスクを保持するマスクステージMSTを含むマスクステージ装置に、上記各実施形態を適用しても良い。この場合、マスクステージMSTは、2枚のマスクを並べて搭載可能ないわゆるダブルホルダ方式のマスクステージMST、あるいは複数のショット領域が走査方向に所定間隔で並んだマスクを保持するステージであれば、より好適である。また、上記各実施形態は、移動体装置が微動ステージと粗動ステージから成るステージシステムにも適用できる。
また、上記第1〜第3の実施形態では、説明の簡略化のために、単一のY干渉計104を用いる場合について説明したが、これに限らず、Y干渉計104をX軸方向に所定間隔隔てて複数配置し、それら複数のY干渉計間で計測値のつなぎ処理を行うようにしても良い。このようにすると、その2つのY干渉計間で計測値をつなぐことにより、同一のY移動鏡116を用いて、基板ステージPSTのX軸方向の位置制御可能な範囲を広げることができる。また、上記各実施形態では、基板ステージPSTのX位置及びθz方向の位置を、一対のX干渉計80a,80bによって計測する場合を例示したが、これに限らず、干渉計以外の計測装置、例えばエンコーダシステム等によって基板ステージPSTのXY平面内の位置を計測しても良い。また、基板ステージPSTの位置を計測する代わりに、あるいは位置の計測と共に、基板ステージPSTのX軸方向及びθz方向(並びにY軸方向)に関する速度及び/又は加速度などの物理量を計測し、これらの物理量に基づいて、基板ステージPSTのX軸方向及びθz方向(並びにY軸方向)の位置を求めても良い。
なお、構成が相互に矛盾しない限りにおいて、上記第1〜第3の実施形態を任意に組み合わせて採用しても良い。
なお、上記各実施形態では、露光装置が、基板Pのステップ・アンド・スキャン動作を伴う走査型露光を行う投影露光装置である場合について説明したが、これに限らず、ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(いわゆるステッパ)、あるいはステップ・アンド・スティッチ方式の投影露光装置、さらには投影光学系を用いないプロキシミティ方式の露光装置にも、上記各実施形態は適用が可能である。
また、上記各実施形態の露光装置では、照明光は、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)などの紫外光、F2レーザ光(波長157nm)などの真空紫外光であっても良い。また、照明光としては、例えばDFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。また、固体レーザ(波長:355nm、266nm)などを使用しても良い。
また、上記各実施形態では、投影光学系PLが、複数本の投影光学ユニットを備えたマルチレンズ方式の投影光学系である場合について説明したが、投影光学ユニットの本数はこれに限らず、1本以上あれば良い。また、マルチレンズ方式の投影光学系に限らず、例えばオフナー型の大型ミラーを用いた投影光学系などであっても良い。
また、上記各実施形態では投影光学系PLとして、投影倍率が等倍のものを用いる場合について説明したが、これに限らず、投影光学系は縮小系及び拡大系のいずれでも良い。
なお、上記各実施形態においては、光透過性のマスク基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6,778,257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて、透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する電子マスク(可変成形マスク)、例えば、非発光型画像表示素子(空間光変調器とも呼ばれる)の一種であるDMD(Digital Micro-mirror Device)を用いる可変成形マスクを用いても良い。
なお、上記各実施形態に係る露光装置は、サイズ(外径、対角線、一辺の少なくとも1つを含む)が500mm以上の基板、例えば液晶表示素子などのフラットパネルディスプレイ(FPD)用の大型基板を露光する露光装置に対して適用することが特に有効である。これは、基板の大型化に対応すべく本発明がなされているからである。
また、上記各実施形態に係る露光装置を用いて、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を製造することができる。まず、パターン像を感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)に形成する、いわゆる光リソグラフィ工程が実行される。この光リソグラフィ工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レジスト剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成される。その後、カラーフィルタ形成工程、セル組み立て工程、及びモジュール組立工程等を経ることによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることができる。
また、露光装置の用途としては角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを転写する液晶用の露光装置に限定されることなく、例えば半導体製造用の露光装置、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン及びDNAチップなどを製造するための露光装置にも広く適用できる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるマスク又はレチクルを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも上記各実施形態を適用できる。なお、露光対象となる物体はガラスプレートに限られるものでなく、例えばウエハ、セラミック基板、フィルム部材、あるいはマスクブランクスなど、他の物体でも良い。また、シリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置として、例えば米国特許出願公開第2005/0259234号明細書などに開示される、投影光学系とウエハとの間に液体が満たされる液浸型露光装置などに上記各実施形態を適用しても良い。
また、例えば国際公開第2001/035168号に開示されているように、干渉縞をウエハ上に形成することによって、ウエハ上にライン・アンド・スペースパターンを形成する露光装置(リソグラフィシステム)にも上記各実施形態を適用することができる。
なお、本発明に係る移動体装置は、露光装置に限らず、例えばインクジェット式の機能性液体付与装置を備えた素子製造装置、あるいは検査装置などに適用しても良い。
以上説明したように、本発明の移動体装置は、物体を長いストロークで移動するのに適している。また、本発明の露光装置は、基板上にパターンを形成するのに適している。また、本発明のデバイス製造方法は、液晶表示素子等の電子デバイスを製造するのに適している。また、本発明のフラットパネルディスプレイの製造方法は、フラットパネルディスプレイの製造に適している。また、本発明の移動体システムは、移動部材を長いストロークで移動するのに適している。
10…露光装置、90…マスク干渉計システム、100…基板ステージ装置、104…Y干渉計、114…ミラーガイド、114a…下側パッド、114b…上側パッド、114c…+Y側パッド、114d…−Y側パッド、116…Y移動鏡、120…変位センサ、140…反射面、200…ミラー駆動系、210…Xリニアモータ、302…板ばね、2021,2022…アライメントマーク、204…アライメント検出系、320…マスクステージ駆動系、400…位置計測系、500…ステージ制御装置、PST…基板ステージ、MST…マスクステージ、IL…照明光、M…マスク、P…基板、PL…投影光学系、SA1,SA2…ショット領域。
Claims (25)
- 互いに直交する第1軸及び第2軸を含む所定の平面内で少なくとも前記第1軸に平行に所定ストロークで移動する移動部材と、
前記移動部材に前記第1軸に平行な第1方向に相対移動可能に設けられ、前記第2軸に直交する反射面を有し前記第1方向を長手方向とする長尺の平面ミラーと、
前記移動部材の外部に設けられ、前記平面ミラーの前記反射面に前記第2軸に平行な計測光を照射し、該計測光の前記反射面からの反射光を受光して前記移動部材の前記第2軸に平行な第2方向の位置情報を計測する干渉計を含み、前記移動部材の前記平面内における位置に関連する物理量を計測する計測システムと、
前記移動部材に対して前記平面ミラーを前記第1方向に駆動するミラー駆動系と、
前記計測システムの計測結果に基づいて、前記移動部材の移動を制御する制御系と、を備える移動体装置。 - 前記制御系は、前記移動部材の前記第1方向の位置に関連する物理量に基づいて、前記干渉計による前記移動部材の位置情報の計測が可能となるように、前記ミラー駆動系を介して前記平面ミラーの前記移動部材に対する前記第1方向の位置を制御する請求項1に記載の移動体装置。
- 前記ミラー駆動系は、前記移動部材に設けられ、前記平面ミラーを前記移動部材上で前記第1方向に駆動するとともに、所定の位置に保持可能な駆動装置を含む請求項2に記載の移動体装置。
- 前記ミラー駆動系は、前記平面ミラーの前記移動部材に対する前記第1方向への移動を案内するガイド部材をさらに含む請求項3に記載の移動体装置。
- 前記ガイド部材は、静圧流体軸受ガイドを含む請求項4に記載の移動体装置。
- 前記ガイド部材は、前記移動部材に対して前記平面ミラーを接続する複数の板ばねを含む請求項4に記載の移動体装置。
- 前記制御系は、前記移動部材の前記第1方向の速度及び加速度の少なくとも一方に基づいて、前記駆動装置を制御する請求項2〜6のいずれか一項に記載の移動体装置。
- 前記制御系は、前記移動部材の前記第1方向の速度が零以外でかつ加速度が零のとき、前記駆動装置を介して前記平面ミラーの前記移動部材に対する前記第1方向の位置を一定に維持する請求項7に記載の移動体装置。
- 前記制御系は、前記移動部材の前記第1方向の加速度が零以外のとき、前記駆動装置を介して前記平面ミラーの前記移動部材に対する前記第1方向の位置を一定に維持する請求項7又は8に記載の移動体装置。
- 前記計測システムは、前記移動部材と前記平面ミラーとの位置関係を計測する計測装置をさらに含む請求項1〜9のいずれか一項に記載の移動体装置。
- 前記計測装置は、前記移動部材と前記平面ミラーとの前記第2方向の位置関係を計測する請求項10に記載の移動体装置。
- 前記計測装置は、前記平面ミラーの前記第1方向に離れた2点で、前記位置関係を計測する複数の変位センサを含む請求項11に記載の移動体装置。
- 前記平面ミラーの前記反射面とは異なる面に複数のアライメントマークが配置され、
前記計測装置は、前記アライメントマークを計測するマーク検出系を含み、前記マーク検出系を用いて、前記移動部材と前記平面ミラーとの少なくとも前記第2方向の位置関係を計測する請求項11に記載の移動体装置。 - エネルギビームによりマスクを介して基板を露光し、前記マスクに形成されたパターンを基板に転写する露光装置であって、
前記マスクを保持する第1移動体装置と、
前記基板を保持する第2移動体装置と、
前記マスクを介した前記エネルギビームを前記基板に投射する投影光学系と、を備え、
前記第1移動体装置及び前記第2移動体装置の少なくとも一方が、請求項1〜13のいずれか一項に記載の移動体装置である露光装置。 - 互いに直交する第1軸及び第2軸を含む平面内で前記第1軸に平行な第1方向に沿ってエネルギビームに対して基板を移動し、前記エネルギビームで前記基板を露光する露光装置であって、
前記基板を保持して前記所定平面内で移動する移動部材と、
前記移動部材に前記第1方向に相対移動可能に設けられ、前記第2軸に直交する反射面を有し前記第1方向を長手方向とする長尺の平面ミラーと、
前記移動部材の外部に設けられ、前記平面ミラーの前記反射面に前記第2軸に平行な計測光を照射し、該計測光の前記反射面からの反射光を受光して前記移動部材の前記第2軸に平行な第2方向の位置情報を計測する干渉計を含み、前記移動部材の前記平面内における位置に関連する物理量を計測する計測システムと、
前記平面ミラーを前記移動部材に対して前記第1方向に駆動するミラー駆動系と、
前記計測システムの計測結果に基づいて、前記移動部材の移動を制御するとともに、前記干渉計による前記移動部材の位置情報の計測が可能となるように、前記ミラー駆動系を介して前記移動部材に対する前記平面ミラーの前記第1方向の移動を制御する制御系と、を備える露光装置。 - 前記制御系は、前記移動部材と共に前記基板が前記エネルギビームに対して等速で前記第1方向に駆動される走査露光中以外のときに、前記平面ミラーを前記移動部材に対し前記第1方向に駆動する請求項15に記載の露光装置。
- 前記制御系は、前記基板上に前記第1方向に並んで配置された複数の区画領域を露光する際に、露光対象の区画領域の前記第1方向の位置に応じて、前記移動部材に対する前記平面ミラーの前記第1方向の位置を異ならせる請求項16に記載の露光装置。
- 前記制御系は、前記基板上の複数の区画領域のうち、前記基板上で前記第1方向に関して中央より一側にその中心が位置する区画領域を露光する際には、前記平面ミラーを前記移動部材に対し前記第1方向の前記一側に駆動する請求項17に記載の露光装置。
- 前記制御系は、前記移動部材と共に前記基板が前記エネルギビームに対して等速で前記第1方向に駆動される走査露光中は、前記移動部材に対する前記平面ミラーの前記第1方向の位置を一定に維持する請求項16〜18のいずれか一項に記載の露光装置。
- 前記制御系は、第1方向に関して、前記移動部材の移動方向と反対側に前記平面ミラーを駆動させる請求項15〜18のいずれか一項に記載の露光装置。
- 前記計測システムは、前記移動部材と前記平面ミラーとの位置関係を計測する計測装置をさらに含み、
前記制御系は、前記干渉計の計測情報と前記計測装置の計測結果とに基づいて、前記移動部材の前記第2方向の移動を制御する請求項15〜20のいずれか一項に記載の露光装置。 - パターンが形成されたマスクを保持して前記第1方向に移動可能な別の移動部材と、
前記パターンを介した前記エネルギビームを前記基板上に投射する投影光学系と、をさらに備え、
前記制御系は、前記移動部材と前記別の移動部材とを同期して、前記投影光学系に対して相対走査する請求項15〜21のいずれか一項に記載の露光装置。 - 請求項14〜22のいずれか一項に記載の露光装置を用いて感応基板を露光することと、
露光された前記感応基板を現像することと、を含むデバイス製造方法。 - 請求項14〜22のいずれか一項に記載の露光装置を用いてフラットパネルディスプレイに用いられる基板を露光することと、
露光された前記基板を現像することと、を含むフラットパネルディスプレイの製造方法。 - 第1方向に沿って移動部材を移動させる移動体装置と、
前記移動部材を介した計測光を検出し、該計測光の検出結果に基づいて、前記第1方向と交差する第2方向における前記移動部材の位置に関する情報を計測する計測システムと、を備え、
前記移動体装置は、
前記移動部材に支持され、前記第2方向に沿って照射される前記計測光を前記計測システムに対して反射する反射部材と、
前記第1方向に関する前記移動部材の所定の移動範囲に亘って前記反射部材が前記計測光を反射可能なように、前記反射部材を前記移動部材に対して前記第1方向に相対移動させる反射部材駆動系と、
を含む移動体システム。
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JP2012086333A JP2013218017A (ja) | 2012-04-05 | 2012-04-05 | 移動体装置、露光装置、デバイス製造方法及びフラットパネルディスプレイの製造方法、並びに移動体システム |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108196362A (zh) * | 2018-01-03 | 2018-06-22 | 京东方科技集团股份有限公司 | 像素结构、像素驱动方法、阵列基板、显示装置 |
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