JP2013217453A - ころ軸受の保持器 - Google Patents

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Abstract

【課題】厳しい使用条件においてころのフリクションを低減することができるころ軸受の保持器を提供する。
【解決手段】ころ軸受の保持器10は、軸線方向に間隔を空けて配置される1対の環状部11,11と、周方向に間隔を空けて配置されて1対の環状部11,11を連結する複数の柱部21とを備える。柱部21は、ポケット40を区画する側壁面22と、外径側に位置して側壁面22からポケット40に向かって突出する外径側ころ止め部23と、内径側に位置して側壁面22からポケット40に向かって突出する内径側ころ止め部24と、側壁面22に形成される溝25とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ころ軸受に関し、特にころを収容するために複数のポケットを有する保持器に関する。
転がり軸受のうち、針状ころなどのころ軸受は、外輪と内輪の間に、複数のころと、これらのころを周方向等間隔に保持する保持器を備える。各ころを各ポケットに保持する保持器としては従来、例えば特開平5−202942号公報(特許文献1)に記載されるものが知られている。特許文献1では、1対の側部リングとこれら側部リング同士を結合する複数のウェブ(柱部)によってポケットを画成する。そしてウェブには、各ポケットに向かって突出する外側突起および内側保持突起を設ける。外側突起は保持器の半径方向外周面に沿って配置され、ころの半径方向外側移動を規制する。また内側保持突起は保持器の半径方向内周面に沿って配置され、ころの半径方向内側移動を規制するというものである。
特開平5−202942号公報
ところが、上記従来のようなころ軸受の保持器にあっては、ころに臨むウェブの案内面が、ころの外周面に沿って広がる凹曲面に形成され、凹曲面全体でころを案内するため、ころ外周面とウェブ案内面のフリクションが大きくなってしまうという問題がある。さらに近年、回転速度の高速化など軸受の使用条件が厳しくなってきており、軸受の耐久性能の要求が高まってきている。上記従来のようなころ軸受の保持器にあっては、厳しい使用条件においてころと向き合うウェブの案内面が油膜切れになる虞がある。そうすると、焼け付きが生じ、ころ軸受の耐久性が低下してしまう。
本発明は、上述の実情に鑑み、フリクションを低減し、厳しい使用条件のもとでも、安定して潤滑することができるころ軸受の保持器を提供することを目的とする。
この目的のため本発明によるころ軸受の保持器は、軸線方向に間隔を空けて配置される1対の環状部と、周方向に間隔を空けて配置されて1対の環状部を連結する複数の柱部とを備え、周方向で隣り合う2本の柱部の間にころを収容するためのポケットを形成するころ軸受の保持器であることを前提とする。そして柱部は、ポケットを区画する側壁面と、外径側に位置して側壁面からポケットに向かって突出する外径側ころ止め部と、内径側に位置して側壁面からポケットに向かって突出する内径側ころ止め部と、側壁面に形成される溝とを有する。
かかる本発明によれば、側壁面に溝が形成されることから、柱部の側壁面ところの外周面との接触面積が小さくなり、フリクションを低減することができる。また、潤滑油が溝を流れて側壁面を潤滑することから、ころと側壁面が当接しても焼け付きを防止することができる。本発明の保持器を製造する際、樹脂を射出成型して、ころ止め部と案内面と溝を同時に形成することができる。
側壁面1つ当たりに設けられる外径側ころ止め部の数は特に限定されない。例えば外径側ころ止め部は、軸線方向中央領域に1箇所設けられてもよいし、軸線方向一方および他方に2箇所設けられてもよいし、軸線方向に間隔を空けて複数箇所設けられてもよい。また外径側ころ止め部は、環状部と接続してもよいし、環状部から離隔してもよい。内径側ころ止め部についても同様である。外径側ころ止め部あるいは内径側ころ止め部を軸線方向に断続的に複数設けることによって、潤滑油が隣り合うころ止め部の間を流れることができる。したがって側壁面を径方向に流出入する潤滑油の通油性能が向上する。
柱部の側壁面に形成される溝は周方向に窪んでいることから、保持器の柱部を成型する金型を保持器のポケットに配置し、周方向に抜き取ることによって、側壁面の溝にバリが残存することを防止できる。なお保持器は円柱状のころを保持するものであればよく、軸長が相対的に長い針状ころあるいは軸長が相対的に短い円筒ころを保持する。あるいは本発明の保持器の他の製造方法として、金属で1対の環状部および複数の柱部を備える保持器の素形材を予め形成し、このとき柱部の側壁面をまず形成する。次に追加工で側壁面に溝を形成してもよい。
柱部の側壁面に形成される溝の延在方向は特に限定されない。本発明の一実施形態として、溝は、柱部の径方向外側から内側まで延び、ころのピッチ円と交差する。かかる実施形態によれば、回転による遠心力が作用すると、柱部ところの間の潤滑油が溝を経由して外径方向に流れることから、柱部の側壁面に油膜を形成し、潤滑性が向上する。したがって、厳しい使用条件のもとでころ外周面が柱部の側壁面に接触しても、焼け付きを防止することができる。
なお溝は1本でもよいが好ましくは複数形成される。好ましい実施形態として、溝は、互いに平行に延びるよう複数形成される。かかる実施形態によれば、保持器の回転の際、遠心力が作用して溝に潤滑油が流入し、側壁面に油膜を形成することできる。
一実施形態として、溝は外径側ころ止め部を貫通して延びる。かかる実施形態によれば、溝を流れる潤滑油の量を増やすことができる。他の実施形態として、溝は、内径側ころ止め部および外径側ころ止め部の双方を貫通して延びてもよく、あるいはいずれのころ止め部にも形成されないものであってもよい。
柱部の側壁面に形成される溝の延在方向は特に限定されない。本発明の別な実施形態として、溝は柱部の軸線方向一方側から他方側に向かって延びる。かかる実施形態によれば、溝に潤滑油が流れて柱部の側壁面に油膜を形成し、潤滑性が向上する。したがって、厳しい使用条件のもとでころ外周面が柱部の側壁面に接触しても、焼け付きを防止することができる。
一実施形態として、外径側ころ止め部は柱部の軸線方向中央領域に形成され、溝は外径側ころ止め部よりも径方向内側で柱部の軸線方向一方端部から他方端部に向かって延びる。かかる実施形態によれば、溝が外径側ころ止め部の軸線方向両端を越えて軸線方向一方側および他方側へ延びることから、溝に大量の潤滑油が流すことができる。他の実施形態として、溝の軸線方向長が外径側ころ止め部の軸線方向長と略等しい。あるいは外径側ころ止め部は柱部の軸線方向一方領域および他方領域に形成される。
一実施形態として、溝は互いに平行に延びるよう複数形成される。他の実施形態として、溝は径方向内側から径方向外側に向かって斜めに延びる。さらに他の実施形態として、溝は軸線方向一方側から他方側に向かうにつれて、径方向内側から径方向外側に向かって斜めに延び途中で向きを変えて径方向外側から径方向内側に向かって延びる。具体的には例えば、溝はジグザグあるいは波状に延びる。
このように本発明は、ころと保持器のフリクションを低減することができる。また、溝を経由して柱部ところの間の潤滑油を送り込むことが可能となり、潤滑性が向上する。したがって本発明の保持器を含むころ軸受は、ころの円滑な回転に寄与することができ、回転抵抗が少なく、厳しい使用条件に適合し得て、耐久性の向上と長寿命化に資する。
本発明の第1実施形態になるころ軸受の保持器を示す全体斜視図である。 第1実施形態の保持器を、軸線を含む平面で切断し、その断面を示す模式的な縦断面図である。 第1実施形態の保持器を軸線と直交する平面で切断し、その断面を拡大して示す横断面図である。 第1実施形態の保持器を、ピッチ円を含む円筒面で切断し、その断面を拡大して示す断面図である。 第1実施形態によって形成される油膜を模式的に示す縦断面図である。 第1実施形態の変形例を示す縦断面図である。 第1実施形態の別の変形例を示す縦断面図である。 第1実施形態のさらに別の変形例を示す縦断面図である。 本発明の第2実施形態になるころ軸受の保持器を示す全体斜視図である。 第2実施形態の保持器を、軸線を含む平面で切断し、その断面を示す模式的な縦断面図である。 第2実施形態の保持器を軸線と直交する平面で切断し、その断面を拡大して示す横断面図である。 本発明の第3実施形態になるころ軸受の保持器を示す全体斜視図である。 第3実施形態の保持器を、軸線を含む平面で切断し、その断面を示す模式的な縦断面図である。 第3実施形態の保持器を軸線と直交する平面で切断し、その断面を拡大して示す横断面図である。 第3実施形態の変形例を示す縦断面図である。 第3実施形態の別の変形例を示す縦断面図である。 第3実施形態のさらに別の変形例を示す縦断面図である。 本発明の第4実施形態になるころ軸受の保持器を示す全体斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。図1は本発明の第1実施形態になる針状ころ軸受の保持器を示す斜視図である。図2は第1実施形態の保持器を、軸線を含む平面で切断し、その断面を示す模式的な縦断面図であり、図面の簡略化のため一部のポケットのみ表示する。図3は第1実施形態の保持器を軸線と直交する平面で切断し、その断面を拡大して示す横断面図である。なお図3は図2のIII−IIIにおける断面を表す。図4は第1実施形態の保持器を、ピッチ円を含む円筒面で切断し、その断面を拡大して示す断面図である。なお図4は図2のA−Aにおける断面を表す。
保持器10は、一般的なころ軸受に用いられるものであり、軸線方向に間隔を空けて配置される1対の環状部11と、周方向に間隔を空けて配置されて1対の環状部11を連結する複数の柱部21,21・・・とを備え、周方向で隣り合う2本の柱部21,21の間にころを収容するためのポケット40を形成する。各ポケット40は、針状のころ41を収容する。保持器10は図示しないころ軸受の外輪と内輪の間の環状空間に同軸に配置されて、この環状空間に複数配置されるころ41を、周方向所定間隔に保持する。
ころ41は保持器10の厚みよりも大きな外径の外周面を有し、ピッチ円PCD上に整列した状態で、図3に示すように外周面21mから出ているとともに、内周面21nからも出ている。
柱部21には、ポケット40を区画してころ41に臨む平坦な側壁面22が形成される。柱部21の周方向一方側には、周方向一方のポケット40を区画する側壁面22が形成され、柱部21の周方向他方側には、周方向他方のポケット40を区画する側壁面22が形成される。
図3に示すように、柱部21には、外径側に位置して側壁面22からポケット40に向かって突出する外径側ころ止め部23と、内径側に位置して側壁面22からポケット40に向かって突出する内径側ころ止め部24とがさらに形成される。外径側ころ止め部23は一点鎖線で示すころ41のピッチ円PCDよりも外径側に配置される。また外径側ころ止め部23は、側壁面22の軸線方向中央領域に設けられ、1対の環状部11,11から離隔している。内径側ころ止め部24はピッチ円PCDよりも内径側に配置され、軸線方向に延びる。内径側ころ止め部24は軸線方向に延びる突条であって、内径側ころ止め部24の軸線方向両端が1対の環状部11とそれぞれ接続する。
各ポケット40からみて周方向一方の柱部21と、周方向他方の柱部21の双方に、外径側ころ止め部23および内径側ころ止め部24が形成される。外径側ころ止め部23はころ41の外径方向移動を規制する。内径側ころ止め部24はころ41の内径方向移動を規制する。これによりころ41がポケット40から脱落することはない。側壁面22はころ41に臨み、ころ41の外周面と向き合う。平坦な側壁面22には直線状に延びる溝25が形成される。このため、溝25が形成されない側壁面22の残部は平坦なままとされ、結果的に側壁面22は凹凸にされる。
第1実施形態の保持器10において、溝25は、側壁面22から周方向に窪み、図3に示すように柱部21の径方向外側から内側まで延び、ころ41のピッチ円PCDと交差する。また溝25は、図2に示すように略径方向に互いに平行に延びるよう複数形成され、側壁面22の軸線方向一方端から他方端までの軸線方向領域に形成される。さらに溝25は、外径側ころ止め部23を貫通して延び、図3に示すように柱部21の外周面21mに達する。このため外径側ころ止め部23は隣り合う2本の溝25,25の間からポケット40に向かって突出する小突起になる。そして外径側ころ止め部23は軸線方向に間隔を開けて複数配置される。なお溝25は内径側ころ止め部24よりも外径側に位置し、内径側ころ止め部24を貫通しない。
溝25の断面形状を図4に示す。溝25の溝底はU字形の凹部にされる。また溝25と側壁面22の角部26が面取りされる。このため側壁面22は、平行に複数形成される溝25によって波形のようにされ、隣り合う溝25,25間に位置する側壁面22の残部が突条を構成する。
上述した第1実施形態によれば、図4に示すように側壁面22に溝25が形成されることから、側壁面22が凹凸にされる。したがって側壁面22に凹凸が存在しない従来例と比較して、ころ41の外周面と側壁面22が接触する面積を小さくして、側壁面22ところ41のフリクションを減少させることができる。また1箇所の側壁面22当たりに複数の溝25が設けられることから、溝25を流れる潤滑油で側壁面22が潤滑される。
また第1実施形態によれば、保持器10が回転すると遠心力の作用によって外径方向に潤滑油が流れ、溝25に潤滑油が流入する。これにより図5に示すように油膜Fが形成される。したがって、ころ41の外周面が側壁面22に当接しても側壁面22は油膜で保護され、高速回転などの厳しい使用条件において、側壁面22の焼け付きを防止することができる。
また図には示さなかったが、角部26の面取りを大きくして、隣り合う溝25.25間の側壁面22の残部をU字形に突出する断面形状としてもよい。これにより、U字形に凹んだ断面形状の溝25と、溝と溝の間の側壁面22の突条残部が交互に連続して側壁面22は波形の輪郭にされる。したがって油膜Fを形成し易くなる。
図6〜図8は、第1実施形態の変形例をそれぞれ示し、図2のA−Aにおける断面を表す。これらの変形例では溝25の断面形状のみを変更する。図6に示す変形例では、溝25の断面形状がV字形にされる。図7に示す変形例では、溝25の断面形状が矩形にされる。図8に示す変形例では、溝25の断面形状が台形にされ、溝の入口から溝底に向かって溝幅が広くなる。また図には示さなかったが、図6〜図8に表される溝25と側壁面22との角部に面取りがされてもよい。
次に本発明の第2実施形態を説明する。図9は本発明の第2実施形態になるころ軸受の保持器を示す全体斜視図である。図10は第2実施形態の保持器を、軸線を含む平面で切断し、その断面を示す模式的な縦断面図であり、図面の簡略化のため一部のポケットのみを表示する。図11は第2実施形態の保持器を軸線と直交する平面で切断し、その断面を拡大して示す横断面図である。なお図11は図10のXI−XIにおける断面を表示する。また図10のA−Aにおける断面は図4に等しい。
第2実施形態につき、上述した第1実施形態と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について以下に説明する。第2実施形態の保持器20において、溝25は、外径側ころ止め部23と内径側ころ止め部24との間の側壁面22に配置される。そして溝25は、外径側ころ止め部23にも内径側ころ止め部24にも形成されない。なお第2実施形態においても、溝25の断面形状を図6〜図8に示すようにしてもよい。
第2実施形態によれば、側壁面22に溝25が形成されることから側壁面22が凹凸にされる。したがって側壁面22に凹凸が存在しない従来例と比較して、ころ41と側壁面22が接触する面積を小さくして、側壁面22ところ41のフリクションを減少させることができる。
また第2実施形態によれば、保持器20が回転すると、遠心力の作用で潤滑油が溝25を流れて、側壁面22に油膜Fが形成される(図5)。したがって、ころ41の外周面が側壁面22に当接しても側壁面22は油膜で保護され、高速回転などの厳しい使用条件において、側壁面22の焼け付きを防止することができる。
次に本発明の第3実施形態を説明する。図12は本発明の第3実施形態になるころ軸受の保持器を示す全体斜視図である。図13は第3実施形態の保持器を、軸線を含む平面で切断し、その断面を示す模式的な縦断面図であり、図面の簡略化のため一部のポケットのみを表示する。図14は第3実施形態の保持器を軸線と直交する平面で切断し、その断面を拡大して示す横断面図である。なお図14は図13のXIV−XIVにおける断面を表示する。
第3実施形態につき、上述した第1実施形態と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について以下に説明する。第3実施形態の保持器30において、溝25は、外径側ころ止め部23と内径側ころ止め部24との間に配置される。溝25は軸線方向一方側から軸線方向他方側に向かって延びる。
外径側ころ止め部23は、図13に示すように柱部21の軸線方向中央領域に形成され、軸線方向に延びる突条である。溝25は、太線で示すように外径側ころ止め部23よりも径方向内側で、柱部21の軸線方向一方端部から他方端部に向かって延びる。したがって溝25は、外径側ころ止め部23の軸線方向両端よりもさらに軸線方向一方側および軸線方向他方側に延びる。また溝25は互いに平行となるよう2本設けられ、軸線方向に延びる。
第3実施形態によれば、側壁面22に溝25が形成されることから側壁面22が凹凸にされる。したがって側壁面22に凹凸が存在しない従来例と比較して、ころ41と側壁面22が接触する面積を小さくして、側壁面22ところ41のフリクションを減少させることができる。また第3実施形態によれば、潤滑油が溝25に沿って流れる。これにより側壁面22に油膜が形成される。したがって、ころ41の外周面が側壁面22に当接しても側壁面22は油膜で保護され、高速回転などの厳しい使用条件において、側壁面22を潤滑して側壁面22の焼け付きを防止することができる。
また第3実施形態によれば、1箇所の側壁面22当たりに複数の溝25が設けられることから、溝25を流れる潤滑油で側壁面22が潤滑される。
なお図には示さなかったが、軸線方向に延びる溝25は、1本のみ設けられてもよいし、3本以上設けられてもよい。
図15〜図17は、第3実施形態の変形例をそれぞれ示し、図13に対応する図である。これらの変形例では溝25の延在方向が軸線方向一方側から他方側に延びる点で共通するが、より具体的な延在方向がそれぞれ相違する。図15に示す変形例では、太線で示すように2本の溝25が柱部21の軸線方向中央部で交差する。すなわち一方の溝25が径方向内側かつ軸線方向一方側から径方向外側かつ軸線方向他方側まで斜めに延びる。他方の溝25が径方向外側かつ軸線方向一方側から径方向内側かつ軸線方向他方側まで斜めに延びる。
図16に示す変形例では、太線で示すように溝25が1本のみ設けられ、径方向内側かつ軸線方向一方側から径方向外側かつ軸線方向他方側まで斜めに延びる。
図17に示す変形例では、太線で示すように溝25が1本のみ設けられ、軸線方向一方側から他方側に向かうにつれて、径方向内側から径方向外側に向かって斜めに延び途中で向きを変えて径方向外側から径方向内側に向かってジグザグに延びる。あるいは図示はしなかったが、溝25はV字状、W字状、波状に延びてもよい。
かかる変形例においても、上述した図12〜図14に示す実施形態と同様に、フリクションを低減し、潤滑油が溝25を流れることにより側壁面22を潤滑して、厳しい使用条件であっても焼け付きを防止することができる。また、1箇所の側壁面22当たりに溝25が設けられることから、溝25を流れる潤滑油で側壁面22が潤滑される。
次に本発明の第4実施形態を説明する。図18は本発明の第4実施形態になるころ軸受の保持器を示す全体斜視図である。第4実施形態は、図9に沿って説明した第2実施形態と基本構成が共通する。ただし第4実施形態では、外径側ころ止め部23および内径側ころ止め部24が軸線方向に間隔を空けて複数設けられる。
具体的には図18に示すように、外径側ころ止め部23は軸線方向一方および他方の2箇所に設けられ、軸線方向中央部には設けられない。また外径側ころ止め部23は環状部11から離隔する。内径側ころ止め部24も、軸線方向一方および他方の2箇所に設けられ、軸線方向中央部には設けられず、環状部11から離隔する。このように外径側ころ止め部23および内径側ころ止め部24は、軸線方向に間隔を空けて断続的に設けられる。これに対し溝25は、側壁面22の軸線方向全体に亘って多数本形成される。ただし溝25は、側壁面22の径方向中央領域に形成されて、外径側ころ止め部23および内径側ころ止め部24を貫通して延びるものではない。
第4実施形態によれば、外径側ころ止め部23および内径側ころ止め部24が軸線方向に間隔を空けて複数設けられることから、潤滑油が隣り合う外径側ころ止め部23,23の間と、隣り合う内径側ころ止め部24,24の間とを径方向に流れることができる。したがって第2実施形態(図9)のように外径側ころ止め部23および内径側ころ止め部24が1つの側壁面22当たりに1箇所ずつ設けられて、外径側ころ止め部23および内径側ころ止め部24は軸線方向に連続して設けられる場合と比較して、側壁面22に沿って流れる潤滑油の通油性能が向上する。
以上、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明したが、この発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
本発明において、柱部の側壁面に形成される溝は、これまで説明してきたように、略径方向に延びるものであってもよいし、軸線方向に延びるものであってもよいし、径方向かつ軸線方向に傾斜して延びるものであってもよいし、傾斜してジグザグに延びるものであってもよいし、これらの溝の組み合わせであってもよい。この他、図示はしなかったが、溝の延在方向は様々な実施形態が可能である。
この発明になるころ軸受の保持器は、内輪と外輪と転動体とを備える転がり軸受において有利に利用される。
10 保持器、11 環状部、20 保持器、21 柱部、22 側壁面、23 外径側ころ止め部、24 内径側ころ止め部、25 溝、26 角部、30 保持器、40 ポケット、41 ころ。

Claims (9)

  1. 軸線方向に間隔を空けて配置される1対の環状部と、周方向に間隔を空けて配置されて前記1対の環状部を連結する複数の柱部とを備え、周方向で隣り合う2本の前記柱部の間にころを収容するためのポケットを形成するころ軸受の保持器であって、
    前記柱部は、前記ポケットを区画する側壁面と、外径側に位置して前記側壁面から前記ポケットに向かって突出する外径側ころ止め部と、内径側に位置して前記側壁面から前記ポケットに向かって突出する内径側ころ止め部と、前記側壁面に形成される溝とを有する、ころ軸受の保持器。
  2. 前記溝は、柱部の径方向外側から内側まで延び、ころのピッチ円と交差する、請求項1に記載のころ軸受の保持器。
  3. 前記溝は、互いに平行に延びるよう複数形成される、請求項2に記載のころ軸受の保持器。
  4. 前記溝は、前記外径側ころ止め部を貫通して延びる、請求項3に記載のころ軸受の保持器。
  5. 前記溝は、柱部の軸線方向一方側から他方側に向かって延びる、請求項1に記載のころ軸受の保持器。
  6. 前記外径側ころ止め部は、柱部の軸線方向中央領域に形成され、
    前記溝は、前記外径側ころ止め部よりも径方向内側で、前記柱部の軸線方向一方端部から他方端部に向かって延びる、請求項5に記載のころ軸受の保持器。
  7. 前記溝は、互いに平行に延びるよう複数形成される、請求項6に記載のころ軸受の保持器。
  8. 前記溝は、径方向内側から径方向外側に向かって斜めに延びる、請求項6に記載のころ軸受の保持器。
  9. 前記溝は、軸線方向一方側から他方側に向かうにつれて、径方向内側から径方向外側に向かって斜めに延び途中で向きを変えて径方向外側から径方向内側に向かって延びる、請求項8に記載のころ軸受の保持器。
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