JP2013216811A - 高分子電解質及びその製造方法、並びに、燃料電池 - Google Patents

高分子電解質及びその製造方法、並びに、燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】酸素透過性の高い高分子電解質及びその製造方法、並びに、燃料電池を提供すること。
【解決手段】次の(1)式で表される疎水性の非対称環状構造と、前記非対称環状構造と結合しているプロトン伝導性基を有する親水性構造とを備え、カソード側触媒層アイオノマとして用いられる固体高分子電解質、並びに、これを用いた燃料電池。但し、Rf1、Rf2は、それぞれ、フッ素原子又は炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基。Rf3は、炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基。mは、1以上の整数。
【化1】
Figure 2013216811

【選択図】図1

Description

本発明は、高分子電解質及びその製造方法、並びに、燃料電池に関し、さらに詳しくは、疎水部に非対称環状構造を備えた高分子電解質及びその製造方法、並びに、このような高分子電解質を用いた燃料電池に関する。
固体高分子型燃料電池は、固体高分子電解質膜の両面に電極が接合された膜電極接合体(MEA)を基本単位とする。また、固体高分子型燃料電池において、電極は、一般に、拡散層と触媒層の二層構造をとる。拡散層は、触媒層に反応ガス及び電子を供給するためのものであり、カーボンペーパー、カーボンクロス等が用いられる。また、触媒層は、電極反応の反応場となる部分であり、一般に、白金等の電極触媒を担持したカーボンと固体高分子電解質(触媒層アイオノマ)との複合体からなる。
このようなMEAを構成する電解質膜あるいは触媒層内電解質には、耐酸化性に優れた炭化フッ素系電解質(例えば、ナフィオン(登録商標、デュポン社製)、アシプレックス(登録商標、旭化成(株)製)、フレミオン(登録商標、旭硝子(株)製)等。)を用いるのが一般的である。また、炭化フッ素系電解質は、耐酸化性に優れるが、一般に極めて高価である。そのため、固体高分子型燃料電池の低コスト化を図るために、炭化水素系電解質の使用も検討されている。
しかしながら、固体高分子型燃料電池を車載用動力源等として用いるためには、解決すべき課題が残されている。例えば、固体高分子型燃料電池において、高い性能を得るためには、電池の作動温度は高い方が好ましく、そのためには、電解質膜の耐熱性が高いことがこのましい。しかしながら、従来のフッ素系電解質膜は、高温における機械的強度が低いという問題がある。
また、燃料電池車の普及のために、燃料電池の低コスト化が課題となっている。そのためには、触媒に利用する白金量を減らす必要があり、白金量を減らすためには、プロトン伝導と酸素透過度の高い触媒層アイオノマの開発が必要である。
そこでこの問題を解決するために、従来から種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、酸素を含む5員環と、5員環にパーフルオロアルキレン基を介して結合しているイオン性基とを備えた固体高分子形燃料電池用電解質材料が開示されている。
同文献には、このような構造を備えた電解質は、従来のペルフルオロスルホン酸ポリマーよりも軟化温度が高くなる点が記載されている。
また、特許文献2には、2位の置換基がF又はトリフルオロメチル基からなる環式構造モノマと、酸基モノマと、テトラフルオロエチレン(TFE)との共重合体の合成法が開示されている。
同文献には、TFEと共重合させることで、軟化温度が110〜140℃程度になる点が記載されている。
また、非特許文献1には、高分子電解質ではないが、TFEとパーフルオロ2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール(PDD:対称モノマ)との共重合体、及び、TFEとパーフルオロ2−エチル−1,3−ジオキソール(PED:非対称モノマ)との共重合体、並びに、5員環の2位の置換基構造と高分子ガラス転移温度との相関が記載されている。
同文献には、ジオキソール環上の置換基の立体的な嵩高さは、高分子の特性にとって重要であり、ガラス転移温度Tgを決定するだけでなく重合速度にも影響を与える点、及び、含PEDポリマは含PDDポリマよりTgが総じて半分程度低い点が記載されている。
特許文献1に開示されているように、高分子電解質に所定の構造を備えた5員環を導入すると、高分子電解質のガラス転移温度が高くなる。そのため、これを電解質膜に用いると、電解質膜の耐熱性が向上し、電池の作動温度を上げることができる。
しかしながら、この方法では、電解質の耐熱性を向上させることはできるが、電解質の酸素透過性を向上させることはできない。酸素透過性の低い電解質をカソード側触媒層アイオノマとして用いると、カソード側触媒層アイオノマ中の酸素透過が反応律速となり、高い限界電流密度は得られない。
また、PDDのような対称環状構造を導入した電解質を触媒層アイオノマとして用いた場合、電解質のガラス転移温度が高いために、触媒層のひび割れが生じるという問題がある。これは、放置しておくと電池性能の低下にもつながるため、長期運転を可能にするためには解決しなければならない問題である。
一方、ガラス転移温度の高い電解質にさらにTFEのような第3成分を導入すると、ガラス転移温度を低下させることができる。しかしながら、この方法では第3成分の導入によって酸基密度が低下するため、プロトン伝導性の低下を引き起こす原因となる。
国際公開第WO2005/096422号 特開2008−177167号公報
Macromolecule 1993, 26, 5829-5843
本発明が解決しようとする課題は、酸素透過性が高く、カソード側触媒層アイオノマとして好適な高分子電解質及びその製造方法を提供することにある。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、このような高分子電解質をカソード側触媒層アイオノマとして用いた燃料電池を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る高分子電解質は、
次の(1)式で表される疎水性の非対称環状構造と、
前記非対称環状構造と結合しているプロトン伝導性基を有する親水性構造とを備え、カソード側触媒層アイオノマとして用いられるものからなる。
Figure 2013216811
但し、
Rf1、Rf2は、それぞれ、フッ素原子又は炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基。Rf1、Rf2を構成する前記パーフルオロアルキル基は、それぞれ、分子鎖に酸素原子を有していても良い。
Rf3は、炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基。Rf3を構成する前記パーフルオロアルキル基は、分子鎖に酸素原子を有していても良い。
mは、1以上の整数。
本発明に係る高分子電解質の製造方法は、
次の(11)式で表される疎水性の非対称環状構造モノマと、プロトン伝導性基を有する重合性モノマとを含む原料を共重合させる共重合工程を備えている。
Figure 2013216811
但し、
Rf1、Rf2は、それぞれ、フッ素原子又は炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基。Rf1、Rf2を構成する前記パーフルオロアルキル基は、それぞれ、分子鎖に酸素原子を有していても良い。
Rf3は、炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基。Rf3を構成する前記パーフルオロアルキル基は、分子鎖に酸素原子を有していても良い。
さらに、本発明に係る燃料電池は、本発明に係る高分子電解質をカソード側触媒層アイオノマとして用いたことを要旨とする。
高分子電解質の疎水部に非対称環状構造を導入すると、酸素透過性が向上する。また、このような高分子電解質を触媒層アイオノマ(特に、カソード側触媒層アイオノマ)として用いると、燃料電池の限界電流密度が向上する。これは、
(1)5員環の2位の位置に非対称な置換基を導入することによって、高分子電解質のガラス転移温度が著しく低下し、高分子鎖の分子運動が増大するため、及び、
(2)高分子電解質中のガス(酸素)透過性が増大することによって、単位時間内に触媒の白金粒子に到達可能なガス(酸素)分子の量が増えるため、
と考えられる。
燃料電池の触媒層の断面模式図である。 限界電流密度に及ぼすカソード側触媒層アイオノマの酸素透過性の影響を示す図である。
以下、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
[1. 高分子電解質]
本発明に係る高分子電解質は、疎水性の非対称環状構造と、親水性構造とを備えている。
[1.1. 非対称環状構造]
「疎水性の非対称環状構造」とは、5員環(1,3−ジオキソール環)の2位の位置にある2つの置換基の内、一方がフッ素原子であり、他方がパーフルオロアルキル基Rf3であるものをいう。すなわち、疎水性の非対称環状構造とは、次の(1)式で表される構造をいう。
Figure 2013216811
但し、
Rf1、Rf2は、それぞれ、フッ素原子又は炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基。Rf1、Rf2を構成する前記パーフルオロアルキル基は、それぞれ、分子鎖に酸素原子を有していても良い。
Rf3は、炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基。Rf3を構成する前記パーフルオロアルキル基は、分子鎖に酸素原子を有していても良い。
mは、1以上の整数。
[1.1.1. Rf1、Rf2
Rf1、Rf2は、それぞれ、5員環の4位又は5位の位置に結合している置換基であり、フッ素原子又はパーフルオロアルキル基を表す。Rf1、Rf2を構成するパーフルオロアルキル基は、それぞれ、分子鎖に酸素原子を有していても良い。
Rf1、Rf2がパーフルオロアルキル基である場合、炭素数が多くなるほど、高分子の自由体積が増し、酸素透過性が向上する。従って、パーフルオロアルキル基の炭素数は、1以上が好ましい。
一方、炭素数が多くなりすぎると、ポリマやこれを製造するためのモノマが不溶化する。従って、パーフルオロアルキル基の炭素数は、10以下である必要がある。パーフルオロアルキル基の炭素数は、さらに好ましくは、5以下である。
特に、Rf1、Rf2は、いずれも、フッ素原子が好ましい。Rf1、Rf2がフッ素原子であるモノマは、比較的合成が容易であるため、ポリマを低コスト化することができる。
[1.1.2. Rf3
Rf3は、5員環の2位の位置に結合している置換基の1つであり、パーフルオロアルキル基を表す。Rf3を構成するパーフルオロアルキル基は、分子鎖に酸素原子を有していても良い。
Rf3の炭素数が大きくなるほど、5員環の非対称性が増大し、触媒層アイオノマの酸素透過性が向上する。従って、Rf3の炭素数は、1以上である必要がある。Rf3の炭素数は、さらに好ましくは、2以上である。
一方、Rf3の炭素数が大きくなりすぎると、EWが増大し、プロトン伝導度が低下する。従って、Rf3の炭素数は、10以下である必要がある。Rf3の炭素数は、さらに好ましくは、5以下である。
[1.1.3. m]
mは、繰り返し単位の繰り返し数を表す。mの大きさは、特に限定されるものではなく、目的に応じて任意に選択することができる。一般に、mが大きくなるほど、高分子電解質のガラス転移温度の上昇、粘弾性の上昇、酸素透過性の増大、あるいは、プロトン伝導度の低下が起こる。最適なmの値は、親水性構造の量(n)に応じて選択するのが好ましい。この点については、後述する。
[1.2. 親水性構造]
親水性構造とは、その内部にプロトン伝導性基を有する構造をいう。親水性構造は、疎水性の非対称環状構造と結合している。親水性構造は、疎水性の非対称環状構造と直接、結合していても良く、あるいは、後述する第2疎水性構造を介して間接的に結合していても良い。親水性構造は、必ずしも環状構造である必要はなく、鎖状構造であっても良い。
親水性構造としては、具体的には、以下のようなものがある。
親水性構造の第1の具体例は、次の(2)式で表される構造を備えているものからなる。(2)式で表される親水性構造は、これを形成するための重合性モノマの入手が容易であるので、高分子鎖への導入を比較的容易に行うことができる。
Figure 2013216811
但し、
Rf4は、−(CF2CF(CF3)O)h−(CF2)i−、
hは0以上3以下の整数、iは1以上10以下の整数、
nは、1以上の整数。
hは、−(CF2CF(CF3)O)−の繰り返し数を表す。hが大きくなるほど、高分子電解質のガラス転移温度の低下、粘弾性の低下、酸素透過性の低下、あるいは、プロトン伝導度の低下が起こる。一方、hが大きくなりすぎると、親水性構造を形成するためのモノマの合成が困難となる。従って、hは、0〜3が好ましい。
iは、−(CF2)−の繰り返し数を表す。iもhと同様の理由から、1以上10以下が好ましい。
nは、繰り返し単位の繰り返し数を表す。nの大きさは、特に限定されるものではなく、目的に応じて任意に選択することができる。一般に、nが大きくなるほど、高分子電解質のガラス転移温度の低下、粘弾性の低下、酸素透過性の減少、あるいは、プロトン伝導度の増大が起こる。最適なnの値は、疎水性構造の量(m)に応じて選択するのが好ましい。この点については、後述する。
その他の親水性構造としては、例えば、
5員環(1,3−ジオキソール環)の2位の位置にある2つの置換基の内、一方がフッ素原子であり、他方がパーフルオロアルキレン基であり、パーフルオロアルキレン基の末端にスルホン酸基が結合しているもの、
などがある。
[1.3. 第2疎水性構造]
本実施の形態に係る高分子電解質において、疎水部は、(1)式で表される疎水性の非対称環状構造のみからなるものでも良く、あるいは、非対称環状構造と他の構造(第2疎水性構造)の双方を備えていても良い。この場合、第2疎水性構造は、環状構造でも良く、あるいは、鎖状構造であっても良い。
第2疎水性構造としては、具体的には、
(1)ポリヘキサフルオロプロピレン、
(2)パーフルオロポリ(プロピルビニルエーテル)、
(3)次の(3)式で表される構造(すなわち、ポリテトラフルオロエチレン、又は、パーフルオロポリ(エチルビニルエーテル))
などがある。
Figure 2013216811
但し、
Rf5は、フッ素原子又は炭素数が1以上10以下のパーフルオロアルキルエーテル基(−ORf)、
pは、1以上の整数。
(3)式中、pは、繰り返し単位の繰り返し数を表す。pの大きさは、特に限定されるものではなく、目的に応じて任意に選択することができる。一般に、pが大きくなるほど、高分子電解質のガラス転移温度の低下、粘弾性の低下、酸素透過性の低下、あるいは、プロトン伝導度の低下が起こる。
また、(3)式中、−ORf基の炭素数は、さらに好ましくは、1以上5以下である。
(3)式で表される第2疎水性構造の内、Rf5が−ORf基であるものは、高分子鎖に側鎖を導入することになるので、ガラス転移温度Tgを下げる効果とポリマ間での相互作用を強める効果がある。そのため、電解質に柔軟性を付与することができ、かつ、ひび割れが起きにくくなる。また、ポリマ間の相互作用を保ちつつ、自由体積が大きくなるので、酸素透過性も向上する。
但し、−ORf基の炭素数が大きくなるほど、伝導度が低下する。従って、−ORf基の炭素数は、10以下が好ましく、さらに好ましくは、5以下である。
[1.4. 分子構造]
疎水性の非対称環状構造、親水性構造、及び、必要に応じて導入される第2疎水性構造の結合様式は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適なものを選択することができる。すなわち、高分子電解質は、低分子量の非対称環状構造、低分子量の親水性構造、及び、必要に応じて導入される低分子量の第2疎水性構造が結合したランダム共重合体又は交互共重合体でも良く、あるいは、高分子量の非対称環状構造、高分子量の親水性構造、及び、必要に応じて導入される高分子量の第2疎水性構造が結合したブロック共重合体であっても良い。
[1.5. m/n比]
高分子電解質に含まれる非対称環状構造のモル数(m)と親水性構造のモル数(n)は、高分子電解質の特性に影響を与える。一般に、mが大きくなるほど、酸素透過性は向上するが、ガラス転移温度が上昇し、粘弾性が上昇し、あるいは、プロトン伝導度が低下する。一方、nが大きくなるほど、プロトン伝導度は上昇し、ガラス転移温度が低下し、あるいは、粘弾性が低下するが、酸素透過性は低下する。従って、これらの特性を両立させるためには、最適なm/n比を選択するのが好ましい。
好適なm/n比は、親水性構造及び疎水性構造の種類により異なる。
例えば、親水性構造が(2)式の構造を備えており、かつ、Rf4=−(CF2)2−(h=0、i=2)であり、さらに、非対称環状構造のRf1=Rf2=F、かつ、Rf3=−CF2CF3である場合、m/n比は、次の(a)式の関係を満たしているのが好ましい。
600≦244×m/n+280≦1300 ・・・(a)
但し、mは、前記非対称環状構造のモル数、nは、前記親水性構造のモル数。
(a)式は、親水性構造が(2)式の構造を備え、かつ、Rf4=−(CF2)2−であり、さらに、非対称環状構造のRf1=Rf2=F、かつ、Rf3=−CF2CF3である高分子電解質において、当量重量(EW)を600以上1300以下にするためのm/n比を表す。
m/n比が過度に大きくなると、酸素透過性は向上するが、EW及びガラス転移温度が過度に大きくなる。一方、m/n比が過度に小さくなると、ガラス転移温度は低下するが、EW及び酸素透過性が過度に小さくなる。
親水性構造が(2)式の構造を備え、かつ、Rf4=−(CF2)2−であり、さらに、非対称環状構造のRf1=Rf2=F、かつ、Rf3=−CF2CF3である場合において、m/n比は、さらに、次の(a')式の関係を満たしているのが好ましい。
700≦244×m/n+280≦1000 ・・・(a')
但し、mは、前記非対称環状構造のモル数、nは、前記親水性構造のモル数。
また、例えば、親水性構造が(2)式の構造を備えており、かつ、Rf4=−CF2CF(CF3)OCF2CF2−(h=1、i=2)であり、さらに、非対称環状構造のRf1=Rf2=F、かつ、Rf3=−CF2CF3である場合、m/n比は、次の(b)式の関係を満たしているのが好ましい。
600≦244×m/n+446≦1300 ・・・(b)
但し、mは、前記非対称環状構造のモル数、nは、前記親水性構造のモル数。
(b)式の詳細は、中央部の定数部分が異なる以外は、(a)式と同様であるので、説明を省略する。
親水性構造が(2)式の構造を備え、かつ、Rf4=−CF2CF(CF3)OCF2CF2−であり、さらに非対称環状構造のRf1=Rf2=F、かつ、Rf3=−CF2CF3である場合において、m/n比は、さらに、次の(b')式の関係を満たしているのが好ましい。
600≦244×m/n+446≦1000 ・・・(b')
但し、mは、前記非対称環状構造のモル数、nは、前記親水性構造のモル数。
[1.6. 用途]
本発明に係る高分子電解質は、種々の用途に用いることができるが、カソード触媒層アイオノマに用いるのが好ましい。本発明に係る高分子電解質は、高い酸素透過性を有しているので、これをカソード触媒層アイオノマとして用いると、限界電流密度を向上させることができる。
[2. 高分子電解質の製造方法]
本発明に係る高分子電解質の製造方法は、疎水性の非対称環状構造モノマと、重合性モノマとを含む原料を共重合させる重合工程を備えている。
[2.1. 非対称環状構造モノマ]
疎水性の非対称環状構造モノマとは、次の(11)式で表されるモノマをいう。
Figure 2013216811
但し、
Rf1、Rf2は、それぞれ、フッ素原子又は炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基。Rf1、Rf2を構成する前記パーフルオロアルキル基は、それぞれ、分子鎖に酸素原子を有していても良い。
Rf3は、炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基。Rf3を構成する前記パーフルオロアルキル基は、分子鎖に酸素原子を有していても良い。
「非対称環状構造」、及び、(11)式中のRf1〜Rf3の詳細は、上述した通りであるので、説明を省略する。
[2.2. 重合性モノマ]
「重合性モノマ」とは、分子内に炭素炭素二重結合及びプロトン伝導性基を持つモノマをいう。
重合性モノマとしては、具体的には、
(1)次の(12)式で表されるモノマ、
(2)5員環(1,3−ジオキソール環)の2位の位置にある2つの置換基の内、一方がフッ素原子であり、他方がパーフルオロアルキレン基であり、パーフルオロアルキレン基の末端にスルホン酸基が結合しているモノマ、
などがある。
Figure 2013216811
但し、
Rf4は、−(CF2CF(CF3)O)h−(CF2)i−、
hは0以上3以下の整数、iは1以上10以下の整数。
h、iの詳細については、上述した通りであるので、説明を省略する。
[2.3. 第2疎水性モノマ]
第2疎水性構造をさらに備えた高分子電解質を合成する場合、出発原料には、疎水性の非対称環状構造モノマ及び重合性モノマに加えて、さらに、第2疎水性モノマを用いる。
「第2疎水性モノマ」とは、非対称環状構造以外の他の構造を導入するためのモノマであって、分子内に炭素炭素二重結合を持つモノマをいう。
第2疎水性モノマとしては、具体的には、
(1)ヘキサフルオロプロピレン、
(2)パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、
(3)次の(13)式で表される構造を備えたモノマ(すなわち、テトラフルオロエチレン、又は、パーフルオロ(エチルビニルエーテル))
などがある。
Figure 2013216811
但し、
Rf5は、フッ素原子又は炭素数が1以上10以下のパーフルオロアルキルエーテル基(−ORf)。
−ORf基の詳細については、上述した通りであるので、説明を省略する。
[2.4. 重合方法]
非対称環状構造モノマ及び重合性モノマ、並びに、必要に応じて添加される第2疎水性モノマの重合方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を用いることができる。
重合方法としては、具体的には、ラジカル重合、プラズマ重合、バルク重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合、ミニエマルジョン重合、マイクロエマルジョン重合などがある。
[3. 非対称環状構造モノマ、重合性モノマ及び第2疎水性モノマの製造方法]
非対称環状構造モノマは、類似の構造を有する市販のモノマを出発原料に用いて、公知の方法により製造することができる。
例えば、パーフルオロアルキル側鎖を有する疎水性の非対称環状構造モノマの合成方法は、非特許文献1に記載されている。
また、5員環の2位の位置にスルホン酸基が結合した重合性モノマは、次の(31)式に従って合成することができる。
その他の重合性モノマ及び第2疎水性モノマも同様であり、これらは市販されているか、あるいは、類似の構造を有する市販のモノマを出発原料に用いて、公知の方法により製造することができる。
Figure 2013216811
[4. 燃料電池]
本発明に係る燃料電池は、本発明に係る高分子電解質をカソード側触媒層アイオノマを用いたことを要旨とする。
本発明に係る高分子電解質は、いずれも、高い酸素透過性を有している。そのため、これを燃料電池に使用すると、限界電流密度を向上させることができる。
[5. 高分子電解質及びその製造方法、並びに、燃料電池の作用]
図1に、触媒層の断面模式図を示す。触媒層は、一般に、Pt等の触媒を担持したカーボンと、その周囲を被覆する触媒層アイオノマとを備えている。アノード側で生成したプロトンは、電解質膜及びカソード側触媒層アイオノマ内を拡散し、カソード側触媒層内のPt粒子表面まで到達する。一方、カソード側に供給された酸素は、拡散層から触媒層内の開気孔に入り、触媒層アイオノマ内を拡散してカソード側触媒層内のPt粒子表面まで到達する。カソード側のPt表面では、このようにして拡散したプロトン及び酸素、並びに、負荷を介して供給される電子が反応し、水が生成する。
このような電極反応においては、触媒層アイオノマ中の酸素透過が反応律速となる。従って、反応効率を向上させるためには、触媒層アイオノマ中の酸素透過性を向上させる必要がある。
ここで、高分子電解質に環状構造を導入すると、電解質の酸素透過性(=溶解度×拡散性)の内、酸素の溶解度が向上することが分かってきた。しかしながら、環状構造を導入した従来の高分子電解質は、酸素の拡散性が十分でない。この原因として、環状構造導入により、電解質のガラス転移温度が上昇したためと考えられる。ガラス転移温度が上昇することによって酸素の拡散性が低下するのは、燃料電池使用温度での高分子鎖の運動性が低下するためと考えられる。
これに対し、高分子電解質の疎水部に非対称環状構造を導入すると、酸素透過性が向上する。これは、5員環の2位の位置に非対称な置換基を導入することによって、高分子電解質のガラス転移温度が著しく低下し、高分子鎖の分子運動が増大するためと考えられる。表1に、5員環の2位の位置に導入される置換基の構造とガラス転移温度Tg(℃)との関係を示す(非特許文献1参照)。表1より、2位の位置に導入される置換基の非対称性が大きくなるほど、Tgが低下することがわかる。
また、このような高分子電解質を触媒層アイオノマ(特に、カソード触媒層アイオノマ)として用いると、燃料電池の限界電流密度が向上する。これは、高分子電解質中のガス(酸素)透過性が増大することによって、単位時間内に触媒の白金粒子に到達可能なガス(酸素)分子の量が増えるためと考えられる。
Figure 2013216811
(実施例1〜3、5〜7、比較例1〜2)
[1. 試料の作製]
[1.1. 実施例1〜3]
パーフルオロ2−エチル−1,3−ジオキソール(PED)(5.07g)と、パーフルオロスルホニルフルオライドビニルエーテル(PSVE−A)(28.79g)を混合し、そこに開始剤0.05mol%を加えた。これに対して凍結脱気と窒素置換を3回繰り返し、そのまま室温で2日間反応させた。その後、未反応モノマを真空下、100℃の温度で1時間加熱することで未反応成分を除いた。目的とする電解質7.2g(実施例1)を得た。次の(21)式に合成反応式を示す。
Figure 2013216811
PED:2.05g及びPSVE−A:9.40gを混合した以外は、実施例1と同じ操作により2.37gの電解質(実施例2)を得た。
また、PED:5.07g及びPSVE−A:17.44gを混合した以外は、実施例1と同じ操作により5.40gの電解質(実施例3)を得た。
[1.2. 比較例1]
ナフィオン(登録商標)膜をそのまま試験に供した。
[1.3. 比較例2]
PEDに代えてパーフルオロ2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール(PDD)を用い、PDD:2.17g及びPSVE−A:7.34gを混合した以外は、実施例1と同じ操作により2.16gの電解質を得た。
[1.4. 実施例5〜7]
PED(2.06g)と、パーフルオロスルホニルフルオライドビニルエーテル(PSVE−B)(18.28g)を混合し、そこに開始剤0.05mol%を加えた。以下、実施例1と同様にして、2.37gの電解質(実施例5)を得た。次の(22)式に合成反応式を示す。
Figure 2013216811
PED:2.09g及びPSVE−B:14.60gを混合した以外は、実施例5と同じ操作により2.39gの電解質(実施例6)を得た。
また、PED:2.09g及びPSVE−A:11.45gを混合した以外は、実施例5と同じ操作により2.68gの電解質(実施例7)を得た。
[2. 試験方法]
[2.1. 伝導度及びEWの測定]
得られた電解質を、それぞれ、バートレル(登録商標)XF(三井・デュポンフロロケミカル(株)製)に溶解させ、フラットシャーレに移し、室温で数時間乾燥させることでキャスト膜を作製した。これらの膜を1N NaOH水溶液に浸漬し、80℃で1日加熱することで加水分解させ、その後、1N HCl水溶液中で80℃×1時間加熱することで、酸形の電解質膜を得た。
得られた電解質膜及びナフィオン(登録商標)膜の伝導度σ(水中、室温)をLCRメータで、EWを滴定法で測定した。
[2.2. 酸素透過度の測定]
得られた電解質5.0gを1N NaOH水溶液で加水分解させた後、乾燥させた。これにエタノール:25mL、水:20mLを加え、200℃で2時間オートクレーブ処理し、溶液化した。この溶液をフラットシャーレに移し、乾燥させることで、キャスト膜を得た。このキャスト膜を調湿雰囲気下(相対湿度30%)におき、80℃での酸素透過度を測定した。同様に、ナフィオン(登録商標)膜を調質雰囲気下(相対湿度30%)におき、80℃での酸素透過度を測定した。
[2.3. ガラス転移温度Tgの測定]
動的粘弾性測定装置(DMA)により、電解質膜の動的粘弾性を測定した。昇温速度は10℃/分とし、周波数は1Hzとした。tanδのピークトップをTgとした。
[3. 結果]
表2に、結果を示す。なお、表2には、m/n比も併せて示した。また、表2中、「σ/nafion」は、ナフィオン(登録商標)膜に対する各試料の伝導度の比を表す。また、「O2/nafion」は、ナフィオン(登録商標)膜に対する各試料の酸素透過度の比を表す。表2より、以下のことがわかる。
(1)m/n比が大きくなるほど、EWは増加(すなわち、伝導度σは低下)する。
(2)m/n比が相対的に小さい場合であっても、酸素透過度は、ナフィオン(登録商標)膜より高くなる。
(3)比較例2は、EWが実施例1と同等であるにもかかわらず、伝導度σは実施例1より低い。これは、実施例1の含水率が44%であるのに対し、比較例1の含水率は504%であるためと考えられる。
(4)すべての実施例で、比較例2よりもTgが低い。これは、非対称の環状構造を有している効果である。
(5)実施例6、7は、親水性構造の側鎖が長くなったため、ガラス転移温度Tgが低い。
(6)実施例5、6は、m/n比が変化しているにもかかわらず、O2/nafionがほとんど変わらない。さらに、実施例5〜7は、プロトン伝導度がナフィオン(登録商標)膜よりも高い。これは、親水性構造の側鎖が長くなったため、酸素透過部分とプロトン伝導部分が離れているためと考えられる。
Figure 2013216811
(実施例10)
[1. 試験方法]
燃料電池の限界電流密度を数値計算により求めた。カソード側触媒層アイオノマの酸素透過性は、18×1013cm3cm/cm2sPa(A)又は6×1013cm3cm/cm2sPa(B)とし、カソード側の酸素濃度は、5%とした。
[2. 結果]
図2に、燃料電池の限界電流密度に及ぼすカソード側触媒層アイオノマの酸素透過性の影響を示す。図2より、カソード側触媒層アイオノマの酸素透過性が向上すると、限界電流密度が向上することがわかる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
本発明に係る高分子電解質は、固体高分子型燃料電池のカソード側触媒層アイオノマ、電解質膜、アノード側触媒層アイオノマとして用いることができる。

Claims (16)

  1. 次の(1)式で表される疎水性の非対称環状構造と、
    前記非対称環状構造と結合しているプロトン伝導性基を有する親水性構造とを備え、カソード側触媒層アイオノマとして用いられる高分子電解質。
    Figure 2013216811
    但し、
    Rf1、Rf2は、それぞれ、フッ素原子又は炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基。Rf1、Rf2を構成する前記パーフルオロアルキル基は、それぞれ、分子鎖に酸素原子を有していても良い。
    Rf3は、炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基。Rf3を構成する前記パーフルオロアルキル基は、分子鎖に酸素原子を有していても良い。
    mは、1以上の整数。
  2. 前記Rf3の炭素数は、2〜10である請求項1に記載の高分子電解質。
  3. 前記Rf1及び前記Rf2は、それぞれ、フッ素原子である請求項1又は2に記載の高分子電解質。
  4. 前記親水性構造は、次の(2)式で表される構造を備えている請求項1から3までのいずれか1項に記載の高分子電解質。
    Figure 2013216811
    但し、
    Rf4は、−(CF2CF(CF3)O)h−(CF2)i−、
    hは0以上3以下の整数、iは1以上10以下の整数、
    nは、1以上の整数。
  5. Rf1=Rf2=F、Rf3=−CF2CF3、Rf4=−(CF2)2−(h=0、i=2)であり、かつ、次の(a)式の関係を満たす請求項4に記載の高分子電解質。
    600≦244×m/n+280≦1300 ・・・(a)
    但し、mは、前記非対称環状構造のモル数、nは、前記親水性構造のモル数。
  6. 次の(a')式の関係を満たす請求項5に記載の高分子電解質。
    700≦244×m/n+280≦1000 ・・・(a')
    但し、mは、前記非対称環状構造のモル数、nは、前記親水性構造のモル数。
  7. Rf1=Rf2=F、Rf3=−CF2CF3、Rf4=−(CF2CF(CF3)O)−(CF2)2−(h=1、i=2)であり、かつ、次の(b)式の関係を満たす請求項4に記載の高分子電解質。
    600≦244×m/n+446≦1300 ・・・(b)
    但し、mは、前記非対称環状構造のモル数、nは、前記親水性構造のモル数。
  8. 次の(b')式の関係を満たす請求項7に記載の高分子電解質。
    600≦244×m/n+446≦1000 ・・・(b')
    但し、mは、前記非対称環状構造のモル数、nは、前記親水性構造のモル数。
  9. 前記非対称環状構造及び/又は前記親水性構造と結合してる第2疎水性構造をさらに備えている請求項1から8までのいずれか1項に記載の高分子電解質。
  10. 前記第2疎水性構造は、次の(3)式で表される構造を備えている請求項9に記載の高分子電解質。
    Figure 2013216811
    但し、
    Rf5は、フッ素原子又は炭素数が1以上10以下のパーフルオロアルキルエーテル基(−ORf)、
    pは、1以上の整数。
  11. 次の(11)式で表される疎水性の非対称環状構造モノマと、プロトン伝導性基を有する重合性モノマとを含む原料を共重合させる共重合工程を備えた高分子電解質の製造方法。
    Figure 2013216811
    但し、
    Rf1、Rf2は、それぞれ、フッ素原子又は炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基。Rf1、Rf2を構成する前記パーフルオロアルキル基は、それぞれ、分子鎖に酸素原子を有していても良い。
    Rf3は、炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基。Rf3を構成する前記パーフルオロアルキル基は、分子鎖に酸素原子を有していても良い。
  12. 前記Rf3の炭素数は、2〜10である請求項11に記載の高分子電解質の製造方法。
  13. 前記重合性モノマは、次の(12)式で表される構造を備えている請求項11又は12に記載の高分子電解質の製造方法。
    Figure 2013216811
    但し、
    Rf4は、−(CF2CF(CF3)O)h−(CF2)i−、
    hは0以上3以下の整数、iは1以上10以下の整数。
  14. 前記共重合工程は、前記非対称環状構造モノマ及び前記重合性モノマに加えて、さらに第2疎水性モノマを含む原料を共重合させるものである請求項11から13までのいずれか1項に記載の高分子電解質の製造方法。
  15. 前記第2疎水性モノマは、次の(13)式で表される構造を備えている請求項14に記載の高分子電解質の製造方法。
    Figure 2013216811
    但し、Rf5は、フッ素原子又は炭素数が1以上10以下のパーフルオロアルキルエーテル基(−ORf)。
  16. 請求項1から10までのいずれか1項に記載の高分子電解質をカソード側触媒層アイオノマとして用いた燃料電池。
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