JP2013216599A - 歯科用組成物及び人工歯 - Google Patents
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Abstract
Description
なお人工歯を入れ歯に適用する場合、口腔内に装着ののち6ヶ月以上保持する(長期使用する)ことで、保険の適用が可能となる。このため人工歯には、長期使用に耐えうる機械的強度が求められる。
しかし公知のレジン歯は、人工歯に適した性能(審美性(耐変色性,耐着色性,透明性など)、機械的強度、耐吸水性)全てを好適に充足するわけではなかった。また歯科用組成物には優れた成型加工性が求められるが、成型加工性の向上と人工歯の性能向上を同時に達成することは困難であった。
例えばメタクリル酸メチルの重合体が一般的な人工歯として使用される。この人工歯は、耐変色性及び耐着色性に優れるが、口腔内の咀嚼により損傷し易かった(機械的強度が不十分であった)。
しかし強度を高めるために導入された構造等(ビスフェノール構造、ウレタン結合等の極性基)や、無機質充填材の極性基は、いずれも外部物質との結合力が大きく耐吸水性に劣る。このためコンポジットレジン歯は、口腔内において容易に吸水膨潤し且つ着色することがあった(審美性に劣る構成であった)。
もっとも無機質充填材の添加量を低減することもできるが、そうすると人工歯の機械的強度が悪化する。このため咀嚼による咬合運動で人工歯表面が咬耗することから、咬み合わせが悪くなることがあった(長期使用には不向きであった)。
このようにコンポジットレジン歯では、機械的強度と審美性が相反する性質であるため、その双方を向上させることが非常に困難であった。このためコンポジットレジン歯では、機械的強度と審美性のいずれかに重点を置く傾向にあった。
特許文献3では、含フッ素ビスフェノール基を有するジアクリレート化合物が合成された。しかし特許文献3の化合物は、分子構造中に水酸基があることから、人工歯として使用すると口腔内にて吸水膨潤し易くなる(耐吸水性が不十分であった)。またジアクリレート化合物は、一般に液体成分であるため、成型加工性の要求される歯科用組成物には不適であった。
また特許文献4では、高い撥水性等を有する原料として、含フッ素ビスフェノール骨格に重合性のアクリロイル基を直接エステル結合してなる化合物が合成された。しかし特許文献4の化合物は常温で固体であり、他の樹脂原料との相溶性が低いことから、成型加工性の要求される歯科用組成物には不向きであった。
また特許文献6や非特許文献1でも、耐水性を向上させた含フッ素ビスフェノール誘導体(含フッ素ビスフェノール基と両末端のアクリロイル基がエチレン基で結合する誘導体)及びこれらを成分とする高分子材料が開発された。しかし特許文献6の誘導体モノマーの人工歯や、同誘導体モノマーとトリ(エチレングリコール)ジメタクリレート(脂肪族系ジメタクリレート)の二成分からなる人工歯は、無機質充填材との屈折率の違いから透明性が低く、また機械的強度も不十分であった。
このコンポジットレジン歯は、含フッ素ビスフェノール構造を骨格とするジ(メタ)アクリレートと、脂肪族系モノ又はジ(メタ)アクリレートと、無機質充填材と、光重合開始剤とからなる。
しかし上述のコンポジットレジン歯は、光硬化性のペースト状歯冠修復用充填材としての用途が想定されている。このため人工歯作製上に重要な成型加工性や加熱硬化性が検討されておらず、また機械的強度も十分とはいえなかった。
このコンポジットレジン歯は、フルオロアルキル基を有する重合性化合物と、ウレタンジメタクリレート共重合体と、無機質充填材とからなる。
この種のコンポジットレジン歯は、フルオロアルキル化合物を含まないものに比べ変色や着色が抑制されて、メタクリル酸メチルを主成分とするレジン歯に近い審美性を有する。すなわち人工歯の樹脂原料の一部にフルオロアルキル基を含む化合物を適切に用いることで、硬化後のレジンの耐吸水性だけでなく耐着色性も向上する。
しかし一般にフルオロアルキル基を含む化合物を用いると人工歯の機械的強度が低下することが知られている。
本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、各種性能に優れる歯科用組成物及び人工歯を提供することにある。
すなわち上記課題を解決するための手段として、第1発明の歯科用組成物は、下記一般式(1)で表される第一成分と、下記一般式(2)で表される第二成分と、下記一般式(3)又は下記一般式(4)で表される第三成分と、粒状の無機質充填材を含有する歯科用組成物である。
(一般式(1)中、R1は、水素又はメチル基を示し、R2は、水素又は水酸基を示し、nは1又は2であり、mは0又は1である。)
(一般式(2)中、R3は、水素又はメチル基を示し、R4は、水素とフッ素と(メタ)アクリロイルオキシメチル基とからなる群より選ばれる一の基を示し、pは2以上11以下の整数であり、qは1以上2p未満の整数である。)
(一般式(3)中、R5は、水素又はメチル基を示し、R6は、水素とメチル基のいずれか一方であり、R7は、一方とは異なる水素とメチル基のいずれか他方である。)
(一般式(4)中、R8は、水素又はメチル基を示し、R9は、水素又は水酸基を示し、kは1又は2、jは0又は1である。)
このため本発明の歯科用組成物を重合硬化してなる成形体(人工歯,歯冠用充填剤,歯質接着剤)は、優れた性能(審美性,機械的強度,耐吸水性)を備えることとなる。
特に本発明では、各成分と無機質充填材の屈折率を調整することにより優れた透明性を確保できる。そして本発明の歯科用組成物は、各成分の組成比等を調整することにより、成型加工性に優れたペースト性を有することができる。
本発明の歯科用組成物は良好な成型加工性を有するとともに、優れた性能の人工歯等を、より確実に製造することができる。
そしてシリカは、平均一次粒子径が0.005μm〜0.05μmで且つ見掛比重が80〜300g/Lであるとともに、シランカップリング処理がなされている。
本発明の歯科用組成物は、ペースト状であることから成型加工性に優れる。そして平均所定の特性(一次粒子径0.005μm〜0.05μm、見掛比重80〜300g/L)を備え且つシランカップリング処理を施したシリカを含むことで、人工歯表面の咬耗を抑え、かつ、人工歯の汚れを抑えて長期使用が可能となる。
本実施例の歯科用組成物は、一般式(1)で表される第一成分と、一般式(2)で表される第二成分と、一般式(3)又は下記一般式(4)で表される第三成分と、粒状の無機質充填材を含有する。
このため本発明の歯科用組成物を重合硬化してなる成形体は、優れた審美性(耐変色性,耐着色性,透明性)と、優れた機械的強度(曲げ強度,耐摩耗性,硬度)と、優れた耐吸水性を有することとなる。特に本発明では、各成分と無機質充填材の屈折率を調整することにより優れた透明性を確保できる。そして本発明の歯科用組成物は、各成分の組成比を調整することにより、成型加工性に優れたペースト性を有することができる。
本実施例の歯科用組成物は、所望の形状に重合固化させることで、優れた性能の人工歯(詳細後述)を製造できる。
また歯科用組成物の粘度及び硬化性能を調整することで、耐摩耗性及び耐着色性に優れる歯冠用充填剤として使用できる。さらに歯科用組成物は、公知の歯質接着性モノマーを混合することで、耐水、耐久性に優れる歯質接着剤として使用できる。
第一成分(モノマー)は、下記一般式(1)で表される化合物(含フッ素芳香族ジ(メタ)アクリレート)である。
そして歯科用組成物に第一成分を含有させることで、人工歯等の耐吸水性と耐着色性を向上させることができる。
(一般式(1)中、R1は、水素又はメチル基を示し、R2は、水素又は水酸基を示し、nは1又は2であり、mは0又は1である。)
ここでR1は、水素(H)又はメチル基(CH3)である。またR2は、水素(H)又は水酸基(OH)であるが、耐着色性向上の観点から水素であることが望ましい。
また繰返し構造Xは、エチレングリコール又はプロピレングリコールであり、同構造中に水酸基が存在していてもよい。
一般式(1)中、nは、繰返し構造Xの数を表す。nは、1以上2以下の正の整数であり、エーテル基の最も少ない1が好ましい。ここでnが2よりも大きいと、エーテル基の影響により吸水率が高くなり、機械的強度が低下するとともに、耐着色性も低下する。なお歯科用組成物中の全第一成分のn(平均)は、第一成分の合成法によっては必ずしも整数とはならないが、nが1〜2の間の範囲に収まればよい。また一般式(1)中、mは、繰返し構造X中の(CR2H)の繰返し数を表し、0又は1である。
第二成分(モノマー)は、下記一般式(2)で表される化合物(含フッ素脂肪族(メタ)アクリレート)である。
そして歯科用組成物に第二成分を含有させることで、人工歯等の耐吸水性と耐着色性を向上させることができる。また第二成分は低屈折率を有するため、無機質充填材(後述)との屈折率の違いを矯正することができる(透明性に優れる人工歯等となる)。
(一般式(2)中、R3は、水素又はメチル基を示し、R4は、水素とフッ素と(メタ)アクリロイルオキシメチル基とからなる群より選ばれる一の基を示し、pは2以上11以下の整数であり、qは1以上2p未満の整数である。)
ここでR3は、水素(H)又はメチル基(CH3)である。またR4は、水素(H)とフッ素(F)と(メタ)アクリロイルオキシメチル基(CH2OCOCR3CH2)からなる群より選ばれる一の基である。
そしてフルオロアルキル基は、p=2〜11の直鎖状又は分枝状分子であり、p=3〜7の直鎖状又は分枝状分子であることが好ましい。ここでpが11より大きいとフッ素含量が多く他の成分との相溶性に劣り、且つ、フルオロアルキル基の可塑性のため人工歯等の機械的強度が低下する。フルオロアルキル基中、qは、1以上2p未満の整数である。
そして第一成分〜第三成分(硬化後の樹脂成分)の屈折率を、後述する無機質充填材の屈折率と同一とする又は近似させる(例えば充填材の屈折率±0.01とする)ことで、透明性の高い人工歯等を提供できる。なお第一成分〜第三成分(硬化後の樹脂成分)の屈折率は、23℃の下、アッベ屈折計を用いて測定できる。
また上記メタクリレートに代えこれらのアクリレートが例示される。なおこれらに準じるメタクリレートもしくはアクリレートのモノマーであれば上記のモノマーに限定されるものではない。
第三成分(モノマー)は、非フッ素系ジ(メタ)アクリレート)であり、下記一般式(3)で表される化合物又は下記一般式(4)で表される化合物である。本実施例では、下記一般式(3)で表される化合物と下記一般式(4)で表される化合物を、それぞれ単体で使用することができ、また混合して使用することもできる。
そして歯科用組成物に第三成分を含有させることで、人工歯等の曲げ強度と耐衝撃性を向上させることができる。
(一般式(3)中、R5は、水素又はメチル基を示し、R6は、水素とメチル基のいずれか一方であり、R7は、一方とは異なる水素とメチル基のいずれか他方である。)
そして本実施例の一般式(3)の第三成分は、分子骨格中にウレタン結合を有して粘度が高く(成型加工性に優れ)、無機質充填材との相溶性が良好であるとともに、また歯科用組成物に一般式(3)の第三成分を含有させることで、人工歯等の耐衝撃性を向上させることができる。
一般式(3)の第三成分は比較的屈折率が低いことから、本実施例の第三成分として好適に使用できる。一般式(3)の第三成分の屈折率は典型的に1.481ある。
また一般式(4)中、kは、繰返し構造Yの数を表し、1以上2以下の正の整数である。ここでkが2よりも大きいと、エーテル基の影響により吸水率が高くなり、機械的強度が低下するとともに耐着色性も低下する。なお歯科用組成物中の全第三成分のk(平均)は、第三成分の合成法によっては必ずしも整数とはならないが、kが1〜2の間の範囲に収まればよい。また一般式(4)中、jは、繰返し構造Y中の(CR9H)の繰返し数を表し、0又は1である。
そして一般式(4)の第三成分(モノマー)は、分子骨格中にビスフェノールを有して粘度が高く(成型加工性に優れ)、また無機質充填材との相溶性が良好である。
無機質充填材は、人工歯等の耐摩耗性と硬度を向上させる粒状物であり、例えば人工歯等の長期的な機械的強度の維持に寄与する。
無機質充填材として、シリカ、石英、ガラスを例示できる。なかでもシリカ(SiO2)は、安価でアクリル樹脂と屈折率が近く、また平均一次粒子径の小さい材料が容易に入手できるため好ましい。ここでシリカの屈折率は1.46であり、第一成分〜第三成分の混合物(重合硬化後)の屈折率に近いため、透明性の高い人工歯等を比較的容易に製造できる。
なおシリカ(平均一次粒子径が0.005μm〜0.05μmの粉末状)は、例えば火炎加水分解で製造でき、そのBET比表面積は典型的に30〜300m2/gとなる。またシリカの見掛比重(後述)は、シリカ製造後に真空脱気または加圧することで大きくすることができる。
さらに硬度と耐摩耗性の向上のため、有機無機複合充填材を添加することもできる。有機無機複合充填材は、シリカなどの無機化合物、(メタ)アクリレート類、シランカップリング剤、重合触媒を撹拌混合後に加熱重合し粉砕することで作成できる。
また無機質充填材に、シランカップリング処理等の表面処理を施すことが好ましい。特にシリカに、シランカップリング処理を施すことで、人工歯等の機械的強度を向上させることができる。
ここでシランカップリング剤の種類は特に限定しないが、ジメチルジクロロシラン、メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン)、トリメチルシランを例示できる。なかでもγ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン処理を施したシリカは耐着色性と強度に優れる(後述の実施例1〜4を参照)。
なおシランカップリング剤の添加量は、例えば下記の計算式で算出できる。
シランカップリング剤の添加量(g)={無機質充填剤の重量(g)×比表面積(m2/g)}/シランカップリング剤の最小被覆面積(m2/g)
無機質充填材の平均一次粒子径は特に限定しないが、艶出し性や耐着色性の観点から0.005μm〜5μmの範囲とすることが望ましい。更に好ましくは無機質充填材の平均一次粒子径を0.005μm〜0.05μmの範囲とする。
ここで無機質充填材の平均一次粒子径が0.005μm未満であると、同充填材の比表面積が過度に広くなるため、歯科用組成物の成型加工性が悪化する。また無機質充填材の平均一次粒子径が5μmを超えると、研磨により人工歯等の表面に艶を出すことが困難となるとともに、研磨の際に無機質充填材が脱落しやすくなる。この無機質充填材の脱落により、人工歯等の表面の平滑さが失われて耐着色性が悪化する。
さらに平均一次粒子径0.005μm〜0.05μmのシリカは、艶出し効果に優れ且つ汚れが付着しにくい性質を有する。
なお無機質充填材の粒径は、例えば透過型電子顕微鏡や走査型電子顕微鏡にて測定できる。そして無機質充填材500個から粒度分布をとることでその平均一次粒子径を算出できる。
ここで無機質充填材(特にシリカ)の平均一次粒子径を0.005μm〜0.05μmとする場合、無機質充填剤の見掛比重を80〜300g/Lに設定することが望ましい。無機質充填剤の見掛比重は、JIS K5101に準拠して測定できる。
そして無機質充填剤の見掛比重が大きいほど、第一成分〜第三成分と混合した時の増粘性を抑えることが可能であり高充填できる。すなわち見掛比重が80g/L以上であれば、歯科用組成物(ペースト材)の粘性を大きく上昇させることがないため、成型加工性に優れる歯科用組成物を作製できる。また見掛比重が80g/L未満であると、歯科用組成物(ペースト材)の粘性が極端に上昇するため、第一成分〜第三成分100重量部対して50重量部以上の無機質充填剤を添加すると成型加工性が悪くなる。
また見掛比重が300g/Lを超えると、第一成分〜第三成分と混合した時に、集塊した一次粒子(無機質充填材)の分散が困難になり、人工歯等が汚れ易く機械的強度も低下する。
そして無機質充填材の見掛比重は、押圧、真空脱気または機械的粉砕をすることによって増加させることができる。機械的粉砕には、ボールミル、コニカルミル、タワーミルなど通常の粉砕機を用いる方法がある。具体的には、平均一次粒子径0.005μm〜0.05μm、見掛比重80〜300g/Lのシリカを得るには、通常のボールミルを用いて粉砕する場合、10〜100rpmの回転数で、5分〜5時間処理する必要がある。
本実施例の歯科用組成物は、20〜70重量%の第一成分と、12〜45重量%の第二成分と、13〜50重量%の第三成分を合計で100重量%となるよう含有することが好ましい。そして第一成分と第二成分と第三成分の合計を100重量部とした場合に、50〜250重量部の無機質充填材を含有することが好ましい。
ここで第一成分の混合量が20重量%未満であると、耐吸水性、耐着色性、成型加工性が低下する。また第一成分の混合量が70重量%を超えると、硬化後の樹脂成分の屈折率が高くなり、成形体の光透過性(人工歯等の透明性)が低下する。また第一成分の混合量が70重量%を超えると歯科用組成物の流動性が低下するため、人工歯等の表面に気泡が発生し光沢が無くなることから好ましくない。
ここで第二成分の混合量が12重量%未満であると、硬化後の樹脂成分の屈折率が高くなり、組成物全体の光透過性(人工歯等の透明性)が低下するとともに、人工歯等の耐吸水性と耐着色性が低下する。また第二成分の混合量が45重量%を超えると、人工歯等の機械的強度が低下して好ましくない。
ここで第三成分の混合量が13重量%未満であると、成形体(人工歯等)の曲げ強度、耐衝撃性が低下する。また第三成分の混合量が50重量%を超えると、成形体の耐着色性と耐吸水性が低下する。
なお第三成分として、一般式(3)で表される化合物を用いることが好ましい。一般式(3)で表される化合物は、一般式(4)で表される化合物よりも屈折率が低いので、屈折率の調整が容易に行うことができ、透明性の高い材料を作製しやすい。
ここで無機質充填材の混合量が50重量部未満であると、成形体(人工歯等)の硬度と耐摩耗性が低下する。また無機質充填材の混合量が250重量部を超えると、歯科用組成物が硬くなり成形が困難になるため、成形体の表面に気泡が発生したり、内部欠陥が生じたりする(機械的強度が低下する)。
本実施例の歯科用組成物は、第一成分〜第三成分の組成比(粘性)と、無機質充填材の平均一次粒子径を調節することで、成型加工性に優れたペースト性を備えることができる。
例えば20〜70重量%の第一成分と、12〜45重量%の第二成分と、13〜50重量%の第三成分を合計で100重量%となるよう含有する。さらに第一成分と第二成分と第三成分の合計を100重量部とした場合に、50〜250重量部の無機質充填材を含有することで、歯科用組成物が良好な粘度を備えたペースト状となる。
このとき無機質充填材の平均一次粒子径を0.005μm〜0.05μmに設定して、同充填材の比表面積が過度に広くなることを阻止することにより、歯科用組成物の良好な成型加工性を維持できる。
ここで本実施例では、歯科用組成物の稠度(ペースト特性)を5〜30mmの範囲に設定することが好ましく、成形時の材料の硬さ、流動性の観点から、10〜20mmの範囲に設定することがより好ましい。歯科用組成物の稠度が5mm未満になると、材料(歯科用組成物)のベトツキが大きくなり、人工歯等を成形する時の作業性が低下し、さらに、成形後の人工歯等の大部分に気泡が発生する。また歯科用組成物の稠度が30mmを超えると、材料の流動性が非常に悪くなり、人工歯を成形する時の作業性が低下し、さらに、成形後の人工歯の大部分に気泡、色むらが発生する。
本発明の歯科用組成物は、上記成分等の特性を損なわない限り、他の重合性化合物、希釈剤、増粘剤、架橋剤等を添加できる。
重合性化合物の種類は特に限定しないが、ヘキサンジオールジメタクリレート等のアルキルジオールジ(メタ)アクリレート類、トリエチレングリコールジメタクリレート等のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート類を例示できる。
本実施例の歯科用組成物は、ラジカル重合法により、高分子量の重合体(人工歯としての成形体)とすることができる。
ラジカル重合反応は、単なる加熱あるいは紫外線、可視光線の照射により行うことが可能であり、通常0〜120℃の範囲で行うことができる。重合反応として、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などの各種方法を用いることができる。
ここでラジカル重合開始剤の種類は特に限定しないが、過酸化ベンゾイルや過酸化ラウロイル等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリルのようなアゾ化合物を例示できる。また促進剤の種類は特に限定しないが、第三アミン、ナフテン酸あるいはオクテン酸のコバルト塩、遷移金属イオン、p-トルエンスルホン酸、スルフィン酸のアミン塩等)を組み合わせたものを例示できる。
また紫外線または可視光線を、歯科用組成物(レジン前駆体組成物)に照射して重合硬化を行う場合は、光増感剤を使用することができる。光増感剤の種類は特に検定しないが、紫外線を照射する場合にはベンゾフェノン、ニトロフルオレン、5−ニトロアセナフテンを例示でき、可視光線を使用する場合はカンファーキノンを例示できる。
また必要に応じて、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール等の重合抑制剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤等を添加できる。
また本実施例の歯科用組成物は、第一成分〜第三成分(樹脂成分)と無機質充填材を混合することにより成型加工性に優れるペースト状を示す。このとき平均一次粒子径が0.005μm〜0.05μmの無機質充填材を用いることで、優れた成型加工性を維持しつつ、人工歯の機械的強度を向上できる。
すなわち本実施例では、第一成分〜第三成分(樹脂成分)と無機質充填材をバランスよく配合することで、人工歯表面の咬耗が少なく汚れが付着しにくい人工歯となる。このように本実施例の人工歯は、機械的特性と審美性の両方が従来の材料よりも保持されることから、過酷な湿潤条件下である口腔内の使用において、長期間の使用(例えば6ヶ月の使用)に耐えることが可能になる。
このため本実施例の人工歯は、審美性に優れることから前歯部に好適に使用できる。また本実施例の人工歯は、機械的強度に優れることから臼歯部に好適に使用できる。
このことから本実施例によれば、各種性能に優れる歯科用組成物及び人工歯を提供することができる。
以下、本実施例を試験例に基づいて説明するが、本発明は試験例に限定されない。
実施例1〜10の歯科用組成物の組成を後述の[表1]、[表3]及び[表7]に示し、実施例11〜20の歯科用組成物の組成を後述の[表2]、[表3]及び[表7]に示す。
なお[表1]及び[表2]中、第一成分を記号(a)で示し、第二成分を記号(b)で示し第三成分を記号(c)で示し、無機質充填材を記号(d)で示す。また[表1]及び[表2]中の値は、各成分及び無機質充填材の重量部である。
つぎに各実施例の歯科用組成物を金型に挿入して加熱重合(120℃、50MPa、20分間)したのち、乾燥機でアニリング(100℃、8時間)を行い各実施例にかかる成形体を得た。
(1)硬度
マイクロビッカース硬度計(アカシ社製、型式:HM-102)を用い、荷重1.0Kgf、荷重時間15秒とし、ビッカース硬度を測定した。各成形体から円柱状の試験片(直径15mm、高さ2mm)を作製したのち、温度23℃、湿度50%の恒温恒湿室で測定した。
万能試験機(三和機器製作所製、型式:UNIVERSALTESTER SA・2000CH)を用い、支点間距離20mm、クロスヘッドスピード1mm/minとし、曲げ強度を測定した。各成形体から棒状の試験片(2mm×2mm×25mm)を作製し、温度23℃、湿度50%の恒温恒湿室で測定した。
歯ブラシ摩耗試験機(東京技研社製、研磨試験機K654)を用い、試験前後の質量の差より摩耗量を測定した。成形体から板状の試験片(幅10mm、長さ35mm、高さ2mm)を作製し、歯磨き粉:水道水=1:2の懸濁溶液に浸漬させ、荷重125g、60ストローク/min条件下で80000回歯ブラシを滑走させた。歯ブラシ「クリアクリーンプラス(登録商標)レギュラーかため」(花王株式会社製)、歯磨き粉「クリアクリーン(登録商標)」(花王株式会社製)を使用した。
スペクトルフォトメーター(ミノルタ社製、型式:CM−3500d)を用い、400nm〜700nmの波長範囲で測定し、平均透過率を算出した。成形体から板状の試験片(縦50mm、横50mm、厚み1mm)を作製した。
各実施例の円柱状の歯科用組成物(直径φ17.5mm×高さ50mm)を、水平な卓上に設置し、重さ1800gの直方体の金型(75mm×75mm×50mm)を載せて、60秒後の高さを歯科用組成物の稠度(ペースト性)として、評価した。試験材料の温度は、23℃の条件下で行った。歯科用組成物の稠度と人工歯の成形性の相関は、下記のとおりであり、歯科用組成物の稠度から人工歯の成型加工性を評価した。
(a)10mm≦稠度≦20mm:歯科用組成物の流動性が良く、成形後の人工歯の外観に問題がない。
(b)5mm≦稠度<10mm:歯科用組成物の流動性が若干高く、成形後の人工歯の一部に人工歯表面のひびや気泡等が生じるものの、全体としての外観は良好である。
(c)20mm<稠度≦30mm:歯科用組成物の流動性が若干低く、成形後の人工歯の一部に人工歯表面のひびや色むらや気泡等が生じるものの、全体としての外観は良好である。
(d)0mm≦稠度<5mm:歯科用組成物の流動性が非常に高いために、成形後の人工歯の大部分に人工歯表面のひび、気泡等の外観不良があった。
(e)30mm<稠度≦50mm:歯科用組成物の流動性が非常に低いために、成形後の人工歯の大部分に人工歯表面のひび、色むら、気泡等の外観不良があった(または全く成形できなかった)。
試験片として成形後の人工歯を用い、沸騰した0.2%塩基性フクシン溶液に9時間浸漬させ、その後、30秒間水道水で洗い流した。そして測色機(オリンパス社製、商品名:クリスタルアイCE100−DC/JP)を用い、着色前の試験片と着色後の試験片のL*、a*、b*を測定し、色差(ΔE)を下記の計算式1から求めた。
計算式1:ΔE=[(L* 1‐L* 0)2+(a* 1‐a* 0)2+(b* 1‐b* 0)2]1/2
ここで式中、L* 0は着色前のL*、a* 0は着色前のa*、b* 0は着色前のb*、L* 1は着色後のL*、a* 1は着色後のa*、b* 1は着色後のb*を示す。
アニリング後の成形体から円盤状の試験片(φ15mm×2mm)を作製した。デシケーター中に試験片を保管し、恒量(±0.0002g以内)になるまで電子天秤で質量(M1)を測定し、恒量後、蒸留水中で37℃恒温槽に1週間保存した。その後、試験片表面の水分が完全になくなるまでキムワイプで拭き取り、質量(M2)を測定し、吸水率を下記計算式2から算出した。
計算式2:吸水率(%)=[(M2−M1)/M1]×100
成形後の人工歯から板状の試験片(10mm×10mm×1mm)を作製した。そして試験片の表面を#600番の耐水研磨紙で研磨し、この研磨面をハンドピース(NSK社製、商品名:エレクターEmax)を用いて20000rpmでバフ研磨を30秒行い、表面の光沢度を目視により評価した。光沢が有れば○、少し光沢が有れば△、光沢が無ければ×とした。
(評価5)より優れている:硬度40Hv以上、曲げ強度90MPa以上、摩耗量3.0mg未満、光透過率70%以上、成型加工性10≦稠度≦20、着色性ΔE5.00未満、吸水率0.85(%)未満、艶出し性評価は○、これらの項目をすべて満たしている。
(評価4)優れている:硬度35Hv以上、曲げ強度80MPa以上、摩耗量3.5mg未満、光透過率65%以上、成型加工性10≦稠度≦20、着色性ΔE10.00未満、吸水率0.90(%)未満、艶出し性評価は○、これらの項目をすべて満たしている。
(評価3)良好である:硬度35Hv以上、曲げ強度65MPa以上、摩耗量3.5mg未満、光透過率60%以上、成型加工性5≦稠度≦30、着色性ΔE15.00未満、吸水率0.90(%)未満、艶出し性評価は○、これらの項目をすべて満たしている。
(評価2)評価3には劣るが良好である:硬度35Hv以上、曲げ強度55MPa以上、摩耗量3.5mg未満、光透過率55%以上、成型加工性5≦稠度≦30、着色性ΔE20.00未満、吸水率0.90(%)未満、艶出し性評価は○または△、これらの項目をすべて満たしている。
(評価1)好ましくない:硬度35Hv未満、曲げ強度55MPa未満、摩耗量3.5mg以上、光透過率55%未満、成型加工性0<稠度≦5、30<稠度≦50、着色性ΔE20.00以上、吸水率0.90(%)以上、艶出し性評価は×、これらの項目が一つ以上含まれている。
株式会社日立ハイテクノロジーズ社の透過電子顕微鏡(H−9500)または走査電子顕微鏡(SU6600)を用いて、各成形体中の無機質充填材を撮影した。そして無機質充填材500個の個数から粒度分布をとり、平均一次粒子径を算出した。
[表1]に、実施例1〜10の組成物と成形体の性能を示し、[表2]に、実施例11〜20の組成物と成形体の性能を示す。また[表4]に、比較例1〜7の組成物と成形体の性能を示す。そして[表5]及び[表6]に、各組成物と成形体の性能をまとめた評価を示す。
1)6FBis−EMA:2,2−ビス[4−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン([化1]中、R1=CH3,n=1,m=0);
2)6FBis−GMA:2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシ-3-メタクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン([化1]中、R1=CH3,R2=OH,n=1,m=1);
3)8FDM:2,2,3,3,4,4,5,5‐オクタフルオロ‐1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、屈折率:1.398([化2]中、R3=CH3,R4=CH2O2C(CH3)C=CH2,p=5,q=2);
4)8FM:1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルメタクリレート、屈折率:1.358([化2]中、R3=CH3,R4=H,p=5,q=2);
5)6FM:1H−1−(トリフルオロメチル)トリフルオロエチルメタクリレート、屈折率:1.345([化2]中、R3=CH3,R4=F,p=3,q=1);
6)Bis−MPEPP:2,2−ビス[4−(ω−メタクリロイルオキシポリエトキシ)フェニル]プロパン([化4]中、R8=CH3,R9=H,k=1.3,j=0);
7)Bis−GMA:2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン([化4]中、R8=CH3,R9=OH,k=1,j=1);
8)UDMA:1,6−ビス(2−メタクリロイルオキシエトキシカルボニルアミノ)−2,2,4(or2,4,4)−トリメチルヘキサン([化3]中、R5=CH3,(R6,R7)=(H,CH3)あるいは(CH3,H)の混合物)
9)BPO:過酸化ベンゾイル
10)ガラスA:平均一次粒子径5μm,屈折率1.52,γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン処理
11)ガラスB:平均一次粒子径1.0μm,屈折率1.50,γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン処理
12)PMMA:ポリメチルメタクリレート
13)MMA:メチルメタクリレート
14)CQ:カンファーキノン
15)DMAEMA:ジメチルアミノエチルメタクリレート
またアクリルレジン歯(比較例6及び7)では、入れ歯を装着して6ヶ月経過すると、対合歯との咬耗や噛みしめによって人工歯の形態が変化するため、長期的な使用が困難であることがわかった。
この結果は、第一成分の耐吸水性及び耐着色性と、第二成分の低屈折率性及び耐吸水性及び耐着色性と、第三成分の曲げ強度及び耐衝撃性と、無機質充填材の硬度及び耐摩耗性の相乗的な効果により達成できたものと考えられる。さらに歯科用組成物の屈折率を調整することにより、透明性が向上し、人工歯に非常に重要である審美性を維持することができた。また歯科用組成物の粘性を調整することにより、成型加工性の高いペースト状組成の特性を持つことができることがわかった。
このことから実施例1〜実施例20によれば、各種性能に優れる歯科用組成物及び人工歯を提供できることがわかった。
例えば実施例1〜実施例4は適量の無機質充填材を含むことから、他の実施例と比較して硬度と摩耗性と曲げ強度をバランスよく向上させることができた。
また実施例1〜実施例4はシリカを含むことから、実施例13、14(ガラス)と比較して光透過性(透明性)に優れる。さらに実施例1及び実施例2の成形体は、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン処理を施したシリカを用いたため特に耐着色性と強度に優れることがわかった。
また実施例1〜実施例4は適量の第三成分を含むことから、実施例6と比較して、耐着色性と耐吸水性に優れる。実施例1〜実施例4は一般式(3)の第三成分を含むことから、実施例12(一般式(4)の第三成分)と比較して耐着色性に優れることがわかった。
また実施例1〜実施例4は適量の各成分(第一成分、第三成分)に極力水酸基を含まないため、実施例7、8と比較して耐着色性に優れることがわかった。
そして実施例1〜実施例4は比較的屈折率の低い第二成分及び第三成分を含むことから、実施例9、10と比較して透明性に優れることがわかった。
一方、第一成分〜第三成分及び無機質充填材の少なくとも一つを欠く歯科用組成物は、各種性能の少なくとも一つが非常に悪く(バランスがとれておらず)、人工歯としての要求特性を満足しないことがわかった。
すなわち第一成分〜第三成分のいずれかを単体で含む場合と、第一成分と第二成分を含む場合(いずれも無機質充填材を欠く場合)は、耐摩耗性と硬度が極端に悪化した。
そして第一成分〜第三成分のいずれか一つを欠く場合にも各種性能の少なくとも一つが非常に悪化した。例えば第一成分を欠く場合には耐着色性が悪化し、第二成分を欠く場合には光透過性が悪化し、第三成分を欠く場合には曲げ強度が悪化した。
Claims (4)
- 下記一般式(1)で表される第一成分と、下記一般式(2)で表される第二成分と、下記一般式(3)又は下記一般式(4)で表される第三成分と、粒状の無機質充填材を含有する歯科用組成物。
(一般式(1)中、R1は、水素又はメチル基を示し、R2は、水素又は水酸基を示し、nは1又は2であり、mは0又は1である。)
(一般式(2)中、R3は、水素又はメチル基を示し、R4は、水素とフッ素と(メタ)アクリロイルオキシメチル基とからなる群より選ばれる一の基を示し、pは2以上11以下の整数であり、qは1以上2p未満の整数である。)
(一般式(3)中、R5は、水素又はメチル基を示し、R6は、水素とメチル基のいずれか一方であり、R7は、前記一方とは異なる水素とメチル基のいずれか他方である。)
(一般式(4)中、R8は、水素又はメチル基を示し、R9は、水素又は水酸基を示し、kは1又は2、jは0又は1である。) - 20〜70重量%の前記第一成分と、12〜45重量%の前記第二成分と、13〜50重量%の前記第三成分を合計で100重量%となるよう含有するとともに、
前記第一成分と前記第二成分と前記第三成分の合計を100重量部とした場合に、50〜250重量部の前記無機質充填材を含有する請求項1に記載の歯科用組成物。 - 前記第一成分と、前記第二成分と、前記第三成分と、前記無機質充填材としてのシリカを混合してペースト状とするとともに、
前記シリカは、平均一次粒子径が0.005μm〜0.05μmで且つ見掛比重が80〜300g/Lであるとともに、シランカップリング処理がなされている請求項2に記載の歯科用組成物。 - 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の歯科用組成物を重合硬化してなる人工歯。
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