JP2013216509A - 窒化物半導体層の製造方法および窒化物半導体成長用基板 - Google Patents

窒化物半導体層の製造方法および窒化物半導体成長用基板 Download PDF

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Abstract

【課題】煩雑な工程を用いることなく、製造開始時に様々な基板が利用できる状態で、窒化物半導体の層が製造できるようにする。
【解決手段】所望の厚さに窒化物半導体層103を形成(成長)した後、加熱することでIn化合物層102を選択的に融解させ、窒化物半導体層103より基板101を剥離する。例えば、基板101の裏面側から、In化合物層102で吸収される波長のレーザーを照射することで、In化合物層102を選択的に融解させることができる。
【選択図】 図1C

Description

本発明は、より簡便な方法で窒化物半導体層の製造を可能にする窒化物半導体層の製造方法および窒化物半導体成長用基板に関する。
GaNをはじめとした窒化物半導体は、III族元素の混合比を変えることで0.7〜6.2eVという広い範囲のエネルギーギャップを有する材料を得ることができるという特徴を有している。このバンドギャップ範囲は、いわゆる可視光の領域を完全に含んでいる。このような特徴を生かし、窒化物半導体は、発光ダイオード(LED)などに応用され、信号機や様々なディスプレイとして広く一般に使われている。
上述したような窒化物半導体を用いたLEDなどの素子を形成する場合、GaNをはじめとした窒化物半導体の層を、基板の上に形成することになる。このように、窒化物半導体層を基板上に形成する場合、これまでは、サファイア基板,SiC基板,あるいはSi基板といった、窒化物以外の材料から構成された基板を用いるのが一般的であった。
これに対し、近年GaN基板の製造技術が発展し、転位密度の少ないGaN基板が提供されるようになっており、GaN基板を用いて窒化物半導体層を形成し、素子が製造されるようになっている。例えば、ブルーレイ(登録商標)プレーヤーなどに用いられるレーザーダイオード、照明用の白色発光ダイオードなど、高出力の発光デバイス向けの素子に、GaN基板が使われている。
GaN基板の製造法はいくつかあるが、GaAs基板あるいはサファイア基板上にハイドライド気相成長法(Hydride Vapor Phase Epitaxy: HVPE)で、厚さ数百μmのGaN厚膜を成長し、この後、形成したGaN厚膜より、基板を除去あるいは剥離し、GaN厚膜よりなるGaN基板を製造する手法が広く用いられている。
元木 健作、「窒化ガリウム基板の開発」SEIテクニカルレビュー、第175号、10−18頁、2009年。 大島 祐一 他、「ボイド形成剥離法によるGaN基板」、工学技術研究誌 日立電線、No.26、31−36頁、2007年。
上述したGaN基板の形成技術のうち、例えば非特許文献1では、GaAs基板上にHVPEでGaN厚膜を形成することで、GaN基板を製造している。ここに記載されている手法によれば、1)HVPE成長する前にGaAs基板へのフォトリソグラフィ工程を含み、かつ、2)HVPE成長後にGaAs基板を除去する機械的加工工程を含むことになり、製造法としては非常に煩雑になる。
一方、非特許文献2では、サファイア基板上にHVPEでGaN厚膜を形成することでGaN基板を製造している。この非特許文献2の技術では、1)サファイア基板上にGaNの「ボイド」を形成した後に自己形成的にTiNナノマスクを形成する工程、2)HVPE成長後の冷却過程において、サファイアの熱膨張係数がGaNの熱膨張係数よりも大きいことと上記ボイドの存在により「自然に剥離」する工程、によりGaN基板を製造している。この製造方法によれば、前述した非特許文献1の製造方法に比べて工程の煩雑さは少ない。
しかしながら、非特許文献2の技術は、基板の熱膨張係数がGaNよりも大きいことを前提とした手法であるため、例えば、製造出発時の基板としてGaN基板を用いることによる高品質化を実施することは不可能である。また、Siの熱膨張係数はGaNよりも小さいために、基板の低コスト化のためにサファイアよりも価格の安いSi基板を用いることも不可能である。
以上に説明したように、従来の技術では、窒化物半導体の層を形成するにあたり、工程が煩雑であり、また、製造開始時に用いる基板に制限があるという問題があった。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、煩雑な工程を用いることなく、製造開始時に様々な基板が利用できる状態で、窒化物半導体の層が製造できるようにすることを目的とする。
本発明に係る窒化物半導体層の製造方法は、酸素および窒素の少なくとも1つとInとの化合物からなるIn化合物層を基板の上に形成する工程と、In化合物層の上に窒化物半導体をエピタキシャル成長させて窒化物半導体層を形成する工程と、窒化物半導体層を形成した後で、加熱することでIn化合物層を選択的に融解させて窒化物半導体層より基板を剥離する工程とを少なくとも備え、窒化物半導体層の形成では、少なくとも窒化物半導体層がIn化合物層を覆うまでは、窒化物半導体層の形成雰囲気でIn化合物層が蒸発する温度より低い温度条件とする。
上記窒化物半導体層の製造方法において、窒化物半導体層の形成は、ハイドライド気相成長法により行うとよい。また、窒化物半導体は、GaNであればよい。
また、本発明に係る窒化物半導体成長用基板は、基板とこの基板の上に形成されたIn化合物層とを備え、前記In化合物層は、酸素および窒素の少なくとも1つとInとの化合物から構成されている。
以上説明したことにより、本発明によれば、煩雑な工程を用いることなく、製造開始時に様々な基板が利用できる状態で、窒化物半導体の層が製造できるようになるという優れた効果が得られる。
図1Aは、本発明の実施の形態1における窒化物半導体層の製造方法を説明するための各工程における状態を示す構成図である。 図1Bは、本発明の実施の形態1における窒化物半導体層の製造方法を説明するための各工程における状態を示す構成図である。 図1Cは、本発明の実施の形態1における窒化物半導体層の製造方法を説明するための各工程における状態を示す構成図である。 図2Aは、本発明の実施の形態2における窒化物半導体層の製造方法を説明するための各工程における状態を示す構成図である。 図2Bは、本発明の実施の形態2における窒化物半導体層の製造方法を説明するための写真である。 図2Cは、本発明の実施の形態2における窒化物半導体層の製造方法を説明するための各工程における状態を示す構成図である。 図2Dは、本発明の実施の形態2における窒化物半導体層の製造方法を説明するための各工程における状態を示す構成図である。 図2Eは、本発明の実施の形態2における窒化物半導体層の製造方法を説明するための各工程における状態を示す構成図である。 図2Fは、本発明の実施の形態2における窒化物半導体層の製造方法を説明するための各工程における状態を示す構成図である。 図2Gは、本発明の実施の形態2における窒化物半導体層の製造方法を説明するための各工程における状態を示す構成図である。 図3Aは、本発明の実施の形態3における窒化物半導体層の製造方法を説明するための各工程における状態を示す構成図である。 図3Bは、本発明の実施の形態3における窒化物半導体層の製造方法を説明するための各工程における状態を示す構成図である。 図3Cは、本発明の実施の形態3における窒化物半導体層の製造方法を説明するための各工程における状態を示す構成図である。 図3Dは、本発明の実施の形態3における窒化物半導体層の製造方法を説明するための各工程における状態を示す構成図である。 図3Eは、本発明の実施の形態3における窒化物半導体層の製造方法を説明するための各工程における状態を示す構成図である。 図3Fは、本発明の実施の形態3における窒化物半導体層の製造方法を説明するための各工程における状態を示す構成図である。 図3Gは、本発明の実施の形態3における窒化物半導体層の製造方法を説明するための各工程における状態を示す構成図である。 図3Hは、本発明の実施の形態3における窒化物半導体層の製造方法を説明するための各工程における状態を示す構成図である。 図3Iは、本発明の実施の形態3における窒化物半導体層の製造方法を説明するための各工程における状態を示す構成図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
[実施の形態1]
はじめに、本発明の実施の形態1について、図1A〜図1Cを用いて説明する。図1A〜図1Cは、本発明の実施の形態1における窒化物半導体層の製造方法を説明するための各工程における状態を示す構成図である。図1A〜図1Cは、各工程における状態を、模式的な断面で示している。
まず、図1Aに示すように、基板101の上に、酸素および窒素の少なくとも1つとInとの化合物からなるIn化合物層102を形成する。基板101は、サファイア(Al23),SiC,Si,GaN,およびGaAsなどの基板であればよい。また、In化合物層102は、例えば、酸化インジウム(In23)、窒化インジウムであればよい。また、In化合物層102は、酸窒化インジウム(InNxy;0≦x,y≦1、ただしx,yは同時に0ではない)から構成されていてもよい。
In化合物層102は、例えば、スパッタ法により形成してもよく、また、窒化インジウムであれば、分子線エピタキシー法などの気相成長法により形成してもよい。また、金属インジウムを蒸着法で堆積した後、酸素雰囲気で加熱して金属インジウムを酸化させて酸化インジウムとし、In化合物層102を形成してもよい。このように、In化合物層102を形成した基板101をテンプレート基板(窒化物半導体成長用基板)とすることで、以下に説明するように窒化物半導体層を形成する。
図1Bに示すように、In化合物層102の上に窒化物半導体をエピタキシャル成長させて窒化物半導体層103を形成する。例えば、よく知られたハイドライド気相成長法により、GaNをエピタキシャル成長させることで、窒化物半導体層103を形成すればよい。窒化物半導体層103は、有機金属気相成長法で形成してもよく、また、分子線エピタキシー法で形成してもよい。ただし、ハイドライド気相成長法を用いることで、より高い成長速度で窒化物半導体層103が形成できる。
ここで、上述したような気相成長による窒化物半導体層103のエピタキシャル成長では、基板を加熱することになるが、この加熱温度を、少なくとも窒化物半導体層103がIn化合物層102を覆うまでは、窒化物半導体層103の形成雰囲気でIn化合物層102が蒸発する温度より低い温度条件とすることが重要となる。例えば、GaNをエピタキシャル成長する場合、In化合物層102の融点以下であっても、In化合物層102が蒸発(気化)する場合がある。このため、窒化物半導体層103がIn化合物層102を覆う状態となるまでは、In化合物層102が蒸発する温度より低い温度条件としておく。また、全てのIn化合物層102が覆われる状態とした後は、より高温の条件として窒化物半導体層103のエピタキシャル成長を行うことが可能となる。成長温度をより高い温度とすることで、成長速度をより速くすることが可能となる。
以上のようにすることで、所望の厚さに窒化物半導体層103を形成(成長)した後、加熱することでIn化合物層102を選択的に融解させ、図1Cに示すように、窒化物半導体層103より基板101を剥離する。例えば、基板101の裏面側から、In化合物層102で吸収される波長のレーザーを照射することで、In化合物層102を選択的に融解させることができる。なお、図1Cでは、融解させたIn化合物層102の残渣は、窒化物半導体層103の側に存在するものとして示しているが、図示していないが、残渣は、基板101の側にも存在する。
以上に示したように、実施の形態1によれば、リソグラフィー技術で微細なパターンを形成し、また、機械的研磨を行うなどの煩雑な工程を用いることなく、簡便な工程で、様々な基板を用い、窒化物半導体の層が形成できる。例えば、形成する窒化物半導体層を、500μm程度に厚く形成すれば、剥離した後の窒化物半導体層は、窒化物半導体基板として用いることができる。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2について、図2A〜図2Gを用いて説明する。図2A〜図2Gは、本発明の実施の形態2における窒化物半導体層の製造方法を説明するための各工程における状態を示す説明図である。図2A,図2C〜図2Gは、各工程における状態を、模式的な断面で示している。また、図2Bは、In化合物層の状態(表面)を偏光顕微鏡により観察した結果を示す写真である。
まず、図2Aに示すように、基板201の上に、酸素および窒素の少なくとも1つとInとの化合物からなるIn化合物層202を形成する。基板201は、サファイア(Al23),SiC,Si,GaN,およびGaAsなどの基板であればよい。また、In化合物層202は、例えば、酸化インジウム(In23)、窒化インジウムであればよい。また、In化合物層202は、酸窒化インジウム(InNxy;0≦x,y≦1、ただしx,yは同時に0ではない)から構成されていてもよい。
In化合物層202は、例えば、スパッタ法により形成してもよく、また、窒化インジウムであれば、分子線エピタキシー法などの気相成長法により形成してもよい。また、金属インジウムを蒸着法で堆積した後、酸素雰囲気で加熱して金属インジウムを酸化させて酸化インジウムとし、In化合物層202を形成してもよい。
In化合物層202は、基板201の表面を覆って形成する必要はなく、島状の層に形成されていてもよい。上述したいずれの形成方法を用いても、適宜に条件を設定することで、複数の島状のIn化合物の部分からなるIn化合物層202が形成できる。例えば、有機金属気相成長法により、サファイア基板の上にInNを島状の層に形成(堆積)し、この後、酸素雰囲気で加熱処理することで、図2Bの写真に示すように、島状の酸窒化インジウムからなるIn化合物層が形成できる。
上述したように、In化合物層202を形成した基板201をテンプレート基板(窒化物半導体成長用基板)とすることで、窒化物半導体層が形成できる。上述したように、島状のIn化合物層202が形成されている状態で、例えば、ハイドライド気相成長法により、GaNをエピタキシャル成長させると、まず、図2Cに示すように、島状のIn化合物層202が核となり、In化合物層202の表面にGaN203aがエピタキシャル成長する。
上述したGaN203aの成長を続けると、GaN203aは基板201の平面方向に成長していき、In化合物層202の各島部に成長していたGaN203aが、各々接触し、図2Dに示すように、連続したGaN層203bとなる。引き続き成長を続けると、図2Eに示すように、表面が平坦な状態に窒化物半導体層203が形成されるようになる。ここで、GaN203aの成長初期における成長温度は、In化合物層202が、蒸発せず融けない程度の温度範囲とする。図2Dに示したように、連続したGaN層203bが形成され、In化合物層203が被覆された後は、成長温度を上げて成長速度を速くし、窒化物半導体層203を厚く形成する。
以上のようにして窒化物半導体層203をエピタキシャル成長した後、ハイドライド気相成長装置より基板201を取り出して冷却した後、図2Fに示すように、基板201の裏面より、レーザー211の照射を行い、In化合物層202を選択的に加熱して融解させる。例えば、酸窒化インジウムからなるIn化合物層202が吸収する波長のレーザー211を照射すればよい。
レーザー照射による基板剥離は、サファイア基板上に成長したGaN厚膜を剥離する手法としてよく知られている。この場合、融点2500℃のGaNを融解させるため、レーザー照射パワーを非常に大きくする必要がある。これに対し、In化合物層202は、比較的低温で融解するので、必要なレーザー照射パワーを低くすることができる。例えば、窒化インジウムの融点は1100℃であり、酸化インジウムの融点は2000℃であり、酸窒化インジウムの融点は、窒化インジウムと酸化インジウムとの間の値となる。
以上のようにIn化合物層202を選択的に融解させることで、図2Gに示すように、窒化物半導体層203より基板201を剥離する。図2Gでは、融解させたIn化合物層202の残渣は、窒化物半導体層203の側に存在するものとして示しているが、図示していないが、残渣は、基板201の側にも存在する。
以上に示したように、実施の形態2によれば、リソグラフィー技術で微細なパターンを形成し、また、機械的研磨を行うなどの煩雑な工程を用いることなく、簡便な工程で、様々な基板を用い、窒化物半導体の層が形成できる。例えば、形成する窒化物半導体層を、500μm程度に厚く形成すれば、剥離した後の窒化物半導体層は、窒化物半導体基板として用いることができる。
[実施の形態3]
次に、本発明の実施の形態3について、図3A〜図3Iを用いて説明する。図3A〜図3Iは、本発明の実施の形態3における窒化物半導体層の製造方法を説明するための各工程における状態を示す構成図である。図3A〜図3Iは、各工程における状態を、模式的な断面で示している。
まず、図3Aに示すように、基板301の上に、酸素および窒素の少なくとも1つとInとの化合物からなるIn化合物層302を形成する。基板301は、サファイア(Al23)基板である。また、In化合物層302は、例えば、酸化インジウム(In23)、窒化インジウムであればよい。また、In化合物層302は、酸窒化インジウム(InNxy;0≦x,y≦1、ただしx,yは同時に0ではない)から構成されていてもよい。
In化合物層302は、例えば、スパッタ法により形成してもよく、また、窒化インジウムであれば、分子線エピタキシー法などの気相成長法により形成してもよい。また、金属インジウムを蒸着法で堆積した後、酸素雰囲気で加熱して金属インジウムを酸化させ、In化合物層302を形成してもよい。
In化合物層302は、基板301の表面を覆って形成する必要はなく、島状の層に形成されていてもよい。上述したいずれの形成方法を用いても、適宜に条件を設定することで、複数の島状のIn化合物の部分からなるIn化合物層302が形成できる。例えば、有機金属気相成長法により、サファイア基板の上にInNを島状の層に形成(堆積)し、この後、酸素雰囲気で加熱処理することで、島状の酸窒化インジウムからなるIn化合物層が形成できる。
上述したIn化合物層302を形成した基板301をテンプレート基板(窒化物半導体成長用基板)とし、実施の形態3では、以下に説明するように、n型の窒化物半導体層を形成する。例えば、シリコンをドープすることでn型としたGaNを形成する。上述したように、島状のIn化合物層302が形成されている状態で、例えば、有機金属気相成長法により、n型のGaNをエピタキシャル成長させると、まず、図3Bに示すように、島状のIn化合物層302が核となり、In化合物層302の表面にn−GaN303aがエピタキシャル成長する。
上述したn−GaN303aの成長を続けると、n−GaN303aは基板301の平面方向に成長していき、In化合物層302の各島部に成長していたn−GaN303aが、各々接触し、図3Cに示すように、連続したn−GaN層303bとなる。引き続き成長を続けると、図3Dに示すように、表面が平坦な状態にn−GaN層(窒化物半導体層)303が形成されるようになる。ここで、n−GaN303aの成長初期における成長温度は、In化合物層302が、蒸発せず融けない程度の低温の温度範囲とする。図3Cに示したように、連続したn−GaN層303bが形成され、In化合物層302が被覆された後は、通常の成長温度とし、所定の層厚にn−GaN層303を形成する。
以上のようにしてn−GaN層303をエピタキシャル成長した後、引き続き、n−GaN層303の上にノンドープのInGaNをエピタキシャル成長し、p型のGaNをエピタキシャル成長することで、図3Eに示すように、n−GaN層303の上に活性層304を形成し、活性層304の上にpコンタクト層305を形成する。n−GaN層303,活性層304,およびpコンタクト層305の積層構造により、発光ダイオードが構成される。活性層304を構成する窒化物半導体の各組成の比率を制御することで、所望とする発光波長が設計できる。
以上のようにして、発光ダイオードを構成する各窒化物半導体層をエピタキシャル成長して形成した後、有機金属気相成長装置より基板301を取り出して冷却する。次いで、図3Fに示すように、pコンタクト層305の上に反射膜となる金属層306を形成する。例えば、電子線蒸着法により金属を堆積することで、金属層306が形成できる。
次に、図3Gに示すように、高熱伝導性基板307を、金属層306に貼り付ける。高熱伝導性基板307は、例えば、Cu基板を用いればよい。高熱伝導性基板307は、上述した発光ダイオードが、高出力動作中に発生する熱を放熱する放熱手段となる。
次に、図3Hに示すように、基板301の裏面より、レーザー311の照射を行い、In化合物層302を選択的に加熱して融解させる。例えば、酸窒化インジウムからなるIn化合物層302が吸収する波長のレーザー311を照射すればよい。
以上のようにIn化合物層302を選択的に融解させることで、図3Iに示すように、n−GaN層303より基板301を剥離する。実施の形態3では、発光ダイオードとなるn−GaN層303,活性層304,pコンタクト層305,および金属層306、ならびに高熱伝導性基板307からなる一体の構造体を、基板301より剥離する。なお、図3Iでは、融解させたIn化合物層302の残渣は、n−GaN層303の側に存在するものとして示しているが、図示していないが、残渣は、基板301の側にも存在する。
以上のようにして基板301を除去した後、n−GaN層303の剥離した面にn電極を形成し、よく知られたダイシングなどによりチップ形状に切り出せば、発光ダイオードチップが得られる。n電極は、電極形成部に開口部を有するレジストパターンを形成した後、電極金属材料を電子線蒸着により堆積し、この後、レジストパターンをリフトオフすることで形成すればよい。また、剥離面に存在するIn窒化膜酸化膜の残渣を再利用し、例えば、残渣を加熱して酸化インジウムからなる透明電極として用いることも可能である。また、残渣にチタン蒸着し、これを加熱してITO(Indium Tin Oxide)とし、これを透明電極として用いることも可能である。
以上に示したように、実施の形態3によれば、簡便な工程で、様々な基板を用い、窒化物半導体の層を形成することで、窒化物半導体を用いた高出力の発光ダイオードが形成できる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。例えば、In化合物層の上にエピタキシャル成長させる窒化物半導体層は、GaNに限るものではなく、他の窒化物半導体であってもよいことは、言うまでもない。
101…基板、102…In化合物層、103…窒化物半導体層。

Claims (4)

  1. 酸素および窒素の少なくとも1つとInとの化合物からなるIn化合物層を基板の上に形成する工程と、
    前記In化合物層の上に窒化物半導体をエピタキシャル成長させて窒化物半導体層を形成する工程と、
    前記窒化物半導体層を形成した後で、加熱することで前記In化合物層を選択的に融解させて前記窒化物半導体層より前記基板を剥離する工程と
    を少なくとも備え、
    前記窒化物半導体層の形成では、少なくとも前記窒化物半導体層が前記In化合物層を覆うまでは、前記窒化物半導体層の形成雰囲気で前記In化合物層が蒸発する温度より低い温度条件とすることを特徴とする窒化物半導体層の製造方法。
  2. 請求項1記載の窒化物半導体層の製造方法において、
    前記窒化物半導体層の形成は、ハイドライド気相成長法により行うことを特徴とする窒化物半導体層の製造方法。
  3. 請求項1または2記載の窒化物半導体層の製造方法において、
    前記窒化物半導体は、GaNであることを特徴とする窒化物半導体層の製造方法。
  4. 基板とこの基板の上に形成されたIn化合物層とを備え、前記In化合物層は、酸素および窒素の少なくとも1つとInとの化合物から構成されていることを特徴とする窒化物半導体成長用基板。
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