JP2013215808A - レーザー加工機 - Google Patents

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Abstract

【課題】枠付ワークおよび薄板を加工するための段取りに掛かる時間を短縮することができるレーザー加工機および枠付ワーク用治具を提供すること。
【解決手段】レーザー加工機100は、挟持治具4、引張治具5及び枠付ワーク用治具10を備え、挟持治具4、引張治具5及び枠付ワーク用治具10は、平面移動するXYステージ2のレール40に取り付けられており、枠付ワーク用治具10の取り付け位置が挟持治具4と引張治具5との間とされている。よって、挟持治具4と引張治具5とをレール40に取り付けた状態で、枠付ワーク用治具10をレール40に取り付けることができる。また、枠付ワーク用治具10をレール40から取り外すだけで、挟持治具4と引張治具5とで、薄板K1を挟持することができる。その結果、枠付ワークK2および枠付ワークK2を加工するための段取りに掛かる時間を短縮することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザー加工機および枠付ワーク用治具に関し、特に、枠付ワークおよび薄板を加工するための段取りに掛かる時間を短縮することができるレーザー加工機および枠付ワーク用治具に関するものである。
従来のレーザー加工機では、加工精度を確保するために、被加工物(薄板、枠付ワーク(額縁状の枠体に薄板が貼り付けられたもの))の種類に応じて専用の固定治具を用いていた。例えば、特開2002−205182号公報には、枠付ワーク専用の固定治具を備えたレーザー加工機に関する技術が記載されており(特許文献1)、特開2002−248588号公報には、薄板専用の固定治具を備えたレーザー加工機に関する技術が記載されている(特許文献2)。
ところで、枠付ワークは、薄板に比べて加工頻度が低いので、薄板と枠付ワークとの2種類の被加工物を加工するために、2台のレーザー加工機を設置することは不経済であった。そこで、従来のレーザー加工機では、2種類の被加工物を加工するために、レーザー加工機に取り付ける固定治具(例えば、上述した特許文献1及び特許文献2に記載のもの)を被加工物の種類に応じて取り換えていた。
特開2002−205182号公報 特開2002−248588号公報
しかしながら、レーザー加工機に取り付ける固定治具を被加工物の種類に応じて取り換える場合には、枠付ワーク専用の固定治具および薄板専用の固定治具を着脱する手間が掛り、その分、枠付ワークおよび薄板を加工するための段取りに時間が掛るという問題点があった。また、レーザー加工機で加工する枠付ワークの大きさが変化した場合には、その変化に伴い、枠付ワークに貼り付けられた薄板の位置も変化するので、薄板上の加工基点の検出に長時間を要してしまうという問題点があった。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、枠付ワークおよび薄板を加工するための段取りに掛かる時間を短縮することができるレーザー加工機および枠付ワーク用治具を提供することを目的としている。また、本発明は薄板上の加工基点を短時間で検出することができるレーザー加工機を提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1記載のレーザー加工機は、レーザー光線を照射する加工ヘッドと、その加工ヘッドに対して平面移動するXYステージと、そのXYステージに取り付けられると共に加工対象となる薄板を保持する薄板用治具とを備えると共に、前記薄板用治具が、前記薄板の一端を挟持する挟持治具と、その挟持治具によって挟持された薄板の一端と反対側の他端を挟持すると共に前記一端から前記他端に向かう方向に前記薄板を引っ張る引張治具とを備え、前記レーザー光線を前記加工ヘッドから前記薄板に照射すると共に、前記XYステージの平面移動により前記加工ヘッドに対して前記薄板を平面移動させることで、その薄板に貫通加工を施すものであって、第1治具と、その第1治具に対向すると共に前記第1治具から所定の距離だけ離間した位置に配設される第2治具とを有する枠付ワーク用治具を備え、前記第1治具は、前記XYステージに着脱自在に取着される第1取着部と、前記薄板が額縁状の枠体に貼り付けられた枠付ワークの一端を挟持する第1挟持部とを備え、前記第2治具は、前記XYステージに着脱自在に取着される第2取着部と、前記枠付ワークの一端の反対側の他端を挟持する第2挟持部とを備え、前記XYステージに対する前記第1取着部および第2取着部の取着位置が前記挟持治具および引張治具の間である。
請求項2記載のレーザー加工機は、請求項1記載のレーザー加工機において、前記第1挟持部は、前記XYステージが移動する仮想平面に平行な平坦面を有する第1主梁と、その第1主梁の平坦面に対向する平坦面を有する第1副梁と、その第1副梁の平坦面と前記第1主梁の平坦面との対向間隔を拡大縮小可能な状態で前記第1主梁と第1副梁とを連結する第1締結部材とを備え、前記第2挟持部は、前記XYステージが移動する仮想平面に平行な平坦面を有する第2主梁と、その第2主梁の平坦面に対向する平坦面を有する第2副梁と、その第2副梁の平坦面と前記第2主梁の平坦面との対向間隔を拡大縮小可能な状態で第2副梁と前記第2主梁とを連結する第2締結部材とを備え、前記枠付ワークの厚さ方向の両面を、前記第1主梁の平坦面と前記第1副梁の平坦面との間および前記第2主梁の平坦面と前記第2副梁の平坦面との間で挟持する。
請求項3記載のレーザー加工機は、請求項2記載のレーザー加工機において、前記XYステージは、前記薄板用治具が取着され長尺状に構成されたレールを備え、そのレールは、そのレールに凹設されると共に開口部の幅が溝内部の幅よりも小さく構成された溝を備え、その溝は、前記レールの長手方向に沿って延設され、前記第1取着部は、前記第1挟持部および前記開口部にそれぞれ挿通可能に構成され一端におねじが形成された軸状体として構成される第1軸部と、その第1軸部の一端側の反対側である他端に異なる張り出し幅を有するフランジ状に形成される第1ストッパ部と、前記第1軸部の前記おねじに螺合される第1螺合部材とを備え、前記第2取着部は、前記第2挟持部および前記開口部にそれぞれ挿通可能に構成され一端におねじが形成された軸状体として構成される第2軸部と、その第2軸部の一端側の反対側である他端に異なる張り出し幅を有するフランジ状に形成される第2ストッパ部と、前記第2軸部の前記おねじに螺合される第2螺合部材とを備え、前記第1軸部および第2軸部を前記開口部に沿って移動させることで、前記第1治具および第2治具が前記レールに沿って移動可能とされ、前記第1ストッパ部および第2ストッパ部を前記開口部に係止させることで、前記第1ストッパ部および第2ストッパ部が前記溝に着脱可能とされている。
請求項4記載の枠付ワーク用治具は、請求項1から3のいずれかに記載のレーザー加工機に使用されるものである。
請求項5記載のレーザー加工機は、請求項1から3のいずれかに記載のレーザー加工機において、前記XYステージは、前記XYステージ上に存在する検知点の前記加工ヘッドに対する位置を変化させるものであり、第1取着部は、前記検知点に対する位置が予め定められた前記XYステージ上の規定位置に固定して取着されるものであり、前記第1挟持部は、前記第1取着部に固着され、前記枠付ワークの一端に存在する一方の角に当接することで、その枠付ワークの平面移動を規制して、前記一方の角の前記検知点に対する位置を予め定められた所定位置にする位置決め部を備えている。
請求項6記載のレーザー加工機は、レーザー光線を照射する加工ヘッドと、その加工ヘッドを原点として平面移動するXYステージと、そのXYステージ上に存在する検知点の前記原点に対する位置を変化させることで、前記XYステージ上に配置された薄板を前記加工ヘッドに対して平面移動させ、前記薄板に前記レーザー光線を照射することで、その薄板に貫通加工を施すものであり、前記検知点に対する位置が予め定められた前記XYステージ上の規定位置に固定して取着される第1取着部と、その第1取着部に固着され、前記薄板が額縁状の枠体に貼り付けられた矩形状の枠付ワークの一端を挟持する第1挟持部と、その第1挟持部に設けられ、前記枠付ワークの一端に存在する一方の角に当接することで、その枠付ワークの平面移動を規制して、前記一方の角の前記検知点に対する位置を予め定められた所定位置にする位置決め部とを有する第1治具と、前記XYステージ上に着脱自在に取着される第2取着部と、その第2取着部に固着され、前記枠付ワークの一端とは反対側となる前記枠付ワークの他端を挟持する第2挟持部とを有し、前記第1治具に対向すると共にその第1治具から所定の距離だけ離間した位置に配設される第2治具と、前記検知点の前記原点に対する位置を検出する検出手段と、前記一方の角の前記検知点に対する位置である前記所定位置から前記枠付ワークに貼り付けられた前記薄板上の加工基点までの移動量を、前記枠付ワークの大きさに対応付けて複数記憶する記憶手段と、前記第1挟持部および第2挟持部に挟持された前記枠付ワークの大きさの指定を受け付ける受付手段と、その受付手段により受け付けられた前記枠付ワークの大きさに対応する前記移動量を前記記憶手段に記憶された移動量から選択し、その選択した移動量と前記所定位置の前記検知点に対する位置と前記検出手段により検出された検知点の前記原点に対する位置とを用いて、前記加工基点の前記原点に対する位置を算出する算出手段とを備えている。
請求項7記載のレーザー加工機は、請求項6記載のレーザー加工機において、前記記憶手段は、前記枠付ワークに貼り付けられた前記薄板上の加工基点を含み、且つ、前記枠付ワークの内側に存在する領域である近傍領域が特定可能な前記所定位置からの移動量の変動範囲を、前記枠付ワークの大きさに対応付けて複数記憶するものであり、前記算出手段は、前記受付手段により受け付けられた前記枠付ワークの大きさに対応する前記移動量の変動範囲を前記記憶手段に記憶された移動量の変動範囲から選択し、その選択した移動量の変動範囲と前記所定位置の前記検知点に対する位置と前記検出手段により検出された検知点の前記原点に対する位置とを用いて、前記近傍領域の前記原点に対する位置を算出するものであり、その算出された前記近傍領域の前記原点に対する位置を用いて、前記原点に位置する前記加工ヘッドが前記近傍領域内に存在するかを判定する判定手段と、その判定手段により前記加工ヘッドが前記近傍領域内に存在すると判定された場合に、前記XYステージの平面移動を制御することで、前記加工基点を前記原点へ自動で移動させる制御を実行すると共にその実行の開始を受け付ける受付制御手段とを備えている。
請求項8記載のレーザー加工機は、請求項7記載のレーザー加工機において、前記記憶手段は、前記近傍領域を含み、且つ、前記枠付ワークの内側に存在する領域である限界領域が特定可能な前記所定位置からの移動量の変動範囲を、限界変動範囲として前記枠付ワークの大きさに対応付けて複数記憶するものであり、前記算出手段は、前記受付手段により受け付けられた前記枠付ワークの大きさに対応する前記限界変動範囲を前記記憶手段に記憶された限界変動範囲から選択し、その選択した限界変動範囲と前記所定位置の前記検知点に対する位置と前記検出手段により検出された検知点の前記原点に対する位置とを用いて、前記限界領域の前記原点に対する位置を算出するものであり、その算出された前記限界領域の前記原点に対する位置を用いて、前記原点に位置する前記加工ヘッドが前記限界領域内に存在するかを判定する限界判定手段と、その限界判定手段により前記加工ヘッドが前記限界領域内に存在すると判定された場合には、前記XYステージの平面移動を規制することで、前記加工ヘッドを前記限界領域内に留める規制手段とを備えている。
請求項1記載のレーザー加工機によれば、加工ヘッドから加工対象となる薄板にレーザー光線が照射されると共に、XYステージの平面移動により加工ヘッドに対して薄板が平面移動されることで、その薄板に貫通加工が施される。
ここで、本発明によれば、第2治具が第1治具に対向されると共に第1治具から所定の距離だけ離間した位置に配設されているので、枠付ワークの一端が第1挟持部によって挟持され、枠付ワークの他端が第2挟持部によって挟持される。加えて、XYステージに対する第1取着部および第2取着部の取着位置が挟持治具と引張治具との間とされているので、枠付ワークを取着した枠付ワーク用治具が挟持治具と引張治具との間に着脱自在に取着される。
よって、薄板用治具をXYステージから取り外すことなく、枠付ワーク用治具をXYステージに取り付け、枠付ワーク用治具に挟持された枠付ワークの薄板を加工ヘッドから照射されるレーザー光線により加工することができる。
その結果、枠付ワークを加工する際に、薄板用治具を取り外す手間を省くことができるので、その分、枠付ワークを加工するための段取りに掛かる時間を短縮することができるという効果がある。
また、再び、薄板を加工する場合には、薄板用治具が取り付けられた状態で枠付ワーク用治具が取着されているので、枠付ワーク用治具を取り外すと、薄板用治具が使用可能となり、薄板用治具で薄板を挟持することができる。よって、薄板用治具に挟持された薄板を加工ヘッドから照射されるレーザー光線により加工することができる。
その結果、薄板を加工する際に、薄板用治具を取り付ける手間を省くことができるので、その分、枠付ワークを加工した後に薄板を加工するための段取りに掛かる時間を短縮することができるという効果がある。
即ち、本発明によれば、薄板用治具を取り外す手間を省くことができるので、枠付ワーク及び薄板を加工するための段取りに掛かる時間を短縮することができるという効果がある。
また、第1治具とその第1治具に対して別部材として構成される第2治具とを有する枠付ワーク用治具を備えているので、作業者が第1治具および第2治具を1個ずつXYステージに取着することができる。そのため、第1治具と第2治具とが一体として構成される場合と比較して、作業者が一度に持ち上げなければならない重量が低減される。よって、第1治具および第2治具をXYステージに取り付ける際の作業性の向上を図ることができるという効果がある。
請求項2記載のレーザー加工機によれば、請求項1記載のレーザー加工機の奏する効果に加え、枠付ワークが第1主梁の平坦面と第1副梁の平坦面との間および第2主梁の平坦面と第2副梁の平坦面との間に配設された状態で、第1主梁の平坦面と第1副梁の平坦面との対向間隔および第2主梁の平坦面と第2副梁の平坦面との対向間隔が縮小されることで、枠付ワークの厚さ方向の両面を、第1主梁の平坦面と第1副梁の平坦面との間および第2主梁の平坦面と第2副梁の平坦面との間に挟持することができる。
例えば、枠体の側面(枠体の薄板が貼り付けられた面に直交する平坦面)をその側面に対して垂直に押圧することで枠付ワークを挟持する構成とした場合には、枠体の薄板が貼り付けられた面の形状が変形されるので、薄板に変形(しわ)が生じやすく、変形により薄板にうねりが発生する。そのため、加工ヘッドと薄板(加工対象)との距離を一様に保つことが困難となり、加工精度が低下するという不具合が生じる。
これに対し、本発明によれば、枠付ワークの厚さ方向の両面(一方の面には、薄板が貼り付けられている)を第1主梁の平坦面および第1副梁の平坦面の間で挟持すると共に第2主梁の平坦面および第2副梁の平坦面の間で挟持する構成であるので、枠体の薄板が貼り付けられた面の形状の変形が抑えられる。よって、枠付ワークに貼り付けられた薄板に変形(しわ)が生じることを防止して、薄板へのうねりの発生を抑制することができる。その結果、加工時に加工ヘッドと枠付ワークの薄板(加工対象)との距離を一様に保って加工精度の向上を図ることができるという効果がある。
また、平坦面(第1主梁の平坦面、第2主梁の平坦面、第1副梁の平坦面および第2副梁の平坦面)で枠付ワークを挟持するので、枠付ワークに掛かる圧力を均一に保つことができる。そのため、圧力のむらにより発生する枠体の反り返りを防止して、枠体の薄板が貼り付けられた面の形状の変形を抑制することができる。
よって、枠付ワークに貼り付けられた薄板に生じる変形(しわ)を低減して、加工時に加工ヘッドと枠付ワークの薄板(加工対象)との距離を一様に保ち加工精度の向上を図ることができるという効果がある。
また、本発明では、枠付ワークの厚さ方向の両面を第1主梁の平坦面および第1副梁の平坦面の間で挟持すると共に第2主梁の平坦面および第2副梁の平坦面の間で挟持する構成とされている。
例えば、枠体の側面(枠体の薄板が貼り付けられた面に直交する平坦面)をその側面に対して垂直に押圧することで枠付ワークを挟持する構成とした場合には、XYステージの平面移動による振動でXYステージが平面移動する仮想平面に対して直交する方向へ枠付ワークがずれる場合がある。
これに対し、本発明によれば、枠付ワークの厚さ方向の両面を第1主梁の平坦面および第1副梁の平坦面の間で挟持すると共に第2主梁の平坦面および第2副梁の平坦面の間で挟持する構成であるので、XYステージが平面移動する仮想平面に対して直交する方向へ枠付ワークがずれることを防止することができる。よって、枠付ワークの加工時に加工ヘッドと枠付ワークの薄板(加工対象)との距離が徐々に変化していくことを防止して加工精度の向上を図ることができるという効果がある。
請求項3記載のレーザー加工機によれば、請求項2記載のレーザー加工機の奏する効果に加え、第1ストッパ部の一の幅および第2ストッパ部の一の幅を溝の開口部の幅にそれぞれ合わせてその開口部から第1ストッパ部および第2ストッパ部を溝内部に挿入し、第1軸部および第2軸部を開口部に内嵌させた状態で移動させることで、第1治具および第2治具をレールに沿って移動可能とすることができる。よって、第1治具および第2治具のレールへの取り付け位置を調整することができる(位置調整機能)。
その後、第1ストッパ部および第2ストッパ部を開口部に挿入した状態で、第1ストッパ部および第2ストッパ部の向きを変えて、第1ストッパ部および第2ストッパ部の幅で開口部の幅よりも大きい部位を開口部に係止させる。
そして、第1螺合部材を第1軸部に対して螺進させて、第1螺合部材と第1ストッパ部との間隔を狭めることで、第1軸部が挿通される第1挟持部とレールとを第1螺合部材と第1ストッパ部との間で挟持すると共に第2螺合部材を第2軸部に対して螺進させて、第2螺合部材と第2ストッパ部との間隔を狭めることで、第2軸部が挿通される第2挟持部とレールとを第2螺合部材と第2ストッパ部との間で挟持することができる(固定機能)。
例えば、第1治具の位置調整機能と第1治具の固定機能とを別々の部材が備えている場合には、それら2個の機能を備えるために2個の部材が必要となり、同様に、第2治具の位置調整機能と第2治具の固定機能とを別々の部材が備えている場合には、それら2個の機能を有するために2種類の部材が必要となる。そのため、レーザー加工機を構成する部品の種類が多くなり、レーザー加工機の製品コストが嵩むという問題点が生じる。
ここで、本発明によれば、第1取着部が第1治具の位置調整機能および第1治具の固定機能の両方の機能を備え、第2取着部が第2治具の位置調整機能および第2治具の固定機能の両方の機能を備えているので、第1治具の位置調整機能および第1治具の固定機能と、第2治具の位置調整機能および第2治具の固定機能とを1種類の部材にて達成することができる。その結果、レーザー加工機を構成する部品の種類を削減して、レーザー加工機の製品コストの削減を図ることができるという効果がある。
また、薄板用治具が取り付けられるレールに第1取着部および第2取着部を取着しているので、別途、枠付ワーク用治具を取着するための被取着部を作成する必要がなく、その分、レーザー加工機の製造コストを削減して、レーザー加工機の製品コスト削減を図ることができるという効果がある。
請求項4記載の枠付ワーク用治具によれば、請求項1から3のいずれかに記載のレーザー加工機に使用される枠付ワーク用治具と同等の効果がある。
請求項5記載のレーザー加工機によれば、請求項1から3のいずれかに記載のレーザー加工機の奏する効果に加え、第1挟持部および第2挟持部に挟持された枠付ワークの大きさに拘らず、第1治具が有する第1取着部および位置決め部により、枠付ワークの一端に存在する一方の角の検知点に対する位置を予め定められた所定位置にすることができる。よって、枠付ワークの大きさが変化した場合であっても、その大きさが変化した枠付ワークの一端に存在する一方の角の検知点に対する位置を、必ず、所定位置に合わせることができるという効果がある。
請求項6記載のレーザー加工機によれば、算出手段は、加工基点の原点に対する位置を、第1挟持部および第2挟持部に挟持された枠付ワークの大きさに対応して算出する。この算出手段の算出には、枠付ワークの大きさに対応して記憶手段から選択した移動量と、所定位置の検知点に対する位置、即ち、枠付ワークの一端に存在する一方の角の検知点に対する位置と、検出手段により検出された検知点の原点に対する位置とが用いられる。ここで、枠付ワークの一端に存在する一方の角の検知点に対する位置は、第1治具が有する第1取着部および位置決め部により、枠付ワークの大きさに拘らず、予め定められた所定位置となる。つまり、枠付ワークの一端に存在する一方の角の検知点に対する位置は、第1取着部および位置決め部により、枠付ワークの大きさが変化しても、所定位置から変化することはない。よって、算出手段は、枠付ワークの大きさが変化しても、不変の位置である所定位置の検知点に対する位置を用いて、枠付ワークに貼り付けられた薄板上の加工基点の原点に対する位置を即座に算出することができる。これにより、枠付ワークの大きさが変化した場合に、それに伴って、枠付ワークの一端に存在する一方の角の検知点に対する位置が変化してしまうレーザー加工機と比較して、算出手段は、加工基点の原点に対する位置を短時間で算出(検出)することができるという効果がある。また、薄板上の加工基点を検出するまでの時間を短縮し、結果、薄板の貫通加工を開始するまでの時間を短縮することができるという効果がある。
請求項7記載のレーザー加工機によれば、請求項6記載のレーザー加工機の奏する効果に加え、算出手段は、選択した移動量の変動範囲と所定位置の検知点に対する位置と検出手段により検出された検知点の原点に対する位置とを用いて、近傍領域の原点に対する位置を算出する。そして、判定手段は、算出された近傍領域の原点に対する位置を用いて、原点に位置する加工ヘッドが近傍領域内に存在するかを判定する。ここで、加工ヘッドが近傍領域内に存在すると判定手段により判定されると、受付制御手段は、XYステージの平面移動を制御することで、薄板上の加工基点を原点へ自動で移動させる制御の実行開始を受け付ける。よって、薄板上の加工基点を原点へ自動で移動させる制御を、加工ヘッドが近傍領域内に存在する場合に限り、実行することができる。従って、請求項7記載のレーザー加工機によれば、不用意な事故、即ち、近傍領域外に加工ヘッドが存在し、その加工ヘッドがXYステージに近接している状態において、その状態であることを操作者が失念し、薄板上の加工基点を原点へ自動で移動させる制御が不用意に実行されることで、加工ヘッドと枠付ワークの例えば突起部とが接触してしまう等の事故を、未然に防止することができるという効果がある。
請求項8記載のレーザー加工機によれば、請求項7記載のレーザー加工機の奏する効果に加え、算出手段は、選択した移動量の限界変動範囲と所定位置の検知点に対する位置と検出手段により検出された検知点の原点に対する位置とを用いて、限界領域の原点に対する位置を算出する。そして、限界判定手段は、算出された限界領域の原点に対する位置を用いて、原点に位置する加工ヘッドが限界領域内に存在するかを判定する。ここで、加工ヘッドが限界領域内に存在すると限界判定手段により判定されると、規制手段は、XYステージの平面移動を規制することで、加工ヘッドを限界領域内に留める。よって、操作者の誤操作等により、加工ヘッドが限界領域外へ不用意に逸脱してしまうことを防止することができる。従って、請求項8記載のレーザー加工機によれば、不用意な事故、即ち、加工ヘッドが枠付ワークに近接している状態で誤操作が行われて、加工ヘッドが限界領域外へ逸脱する過程で、加工ヘッドと枠付ワークの例えば突起部とが接触してしまう等の事故を、未然に防止することができるという効果がある。
本発明の1実施の形態におけるレーザー加工機の上面図である。 (a)は、図1の矢印IIa方向から見たレーザー加工機の側面図であり、(b)は、図1の矢印IIb方向から見たレーザー加工機の正面図である。 図1のIII−III線における第1挟持部の断面図である。 図1のIV−IV線における第1取着部の断面図である。 第2実施の形態におけるレーザー加工機の電気的構成を示したブロック図である。 第1挟持部および第2挟持部に枠付ワークが挟持された状態で、図1に示す加工ヘッドから枠付ワークを視た場合を模式的に示した図である。 枠付ワーク情報メモリに記憶される枠付ワーク情報を模式的に示した図である。 薄板に貫通加工を施す前に、枠付ワークの位置調整を行なう場合におけるLCDの表示画面を模式的に示した図である。 位置調整処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の好ましい実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、図1及び図2を参照して、レーザー加工機100の構成について説明する。図1は、本発明の1実施の形態におけるレーザー加工機100の上面図であり、図2(a)は、図1の矢印IIa方向から見たレーザー加工機100の側面図であり、図2(b)は、図1の矢印IIb方向から見たレーザー加工機100の正面図である。
なお、図1及び図2では、図面の簡素化のため、XYステージ2が取り付けられる定盤および加工ヘッド1の一部を省略して図示すると共に、図1及び図2(a)では、薄板K1の外形および枠付ワークK2の外形を仮想的に2点鎖線で図示している。また、理解を容易とするために、第2治具30は、枠付ワークK2を挟む前の状態を示している。
レーザー加工機100は、電子部品の基盤に半田を塗布する際に、その半田を基盤の必要な箇所にだけ塗布するためのマスキングを行うステンレス板を加工するものであり、図1、図2(a)及び図2(b)に示すように、加工ヘッド1と、XYステージ2と、薄板用治具3と、枠付ワーク用治具10とを備えている。
なお、上述したステンレス板は、額縁状に構成された枠体に貼り付けられた状態にて電子基板を覆ってマスキングを行うものであるので、ステンレス板を枠体に取り付ける必要がある。ステンレス板を枠体に取り付ける方法としては、主に、加工されたステンレス板を枠体に貼り付ける方法と、加工前のステンレス板を枠体に貼り付けてから加工する方法との2つの方法がある。
また、加工されたステンレス板を枠体に貼り付ける方法では、加工前のステンレス板である薄板K1のみを薄板用治具3にて固定する。一方、加工前のステンレス板を枠体に貼り付けてから加工する方法では、加工前のステンレス板が枠体に貼り付けられた枠付ワークK2を後述する枠付ワーク用治具10にて固定する。
即ち、被加工物(薄板K1及び枠付ワークK2)の厚さ(図2(b)上下方向寸法値)が異なることと、後述するレーザー加工機100によりステンレス板を引っ張る必要性の有無とで、薄板用治具3と枠付ワーク用治具10とを使い分ける。
加工ヘッド1は、レーザー光線を照射する部材であり、照射されたレーザー光線が薄板K1及び枠付ワークK2に貫通穴を加工する。XYステージ2は、加工ヘッド1に対して平面移動する部材であり、図示しない定盤に平面移動可能に取着されると共に、レーザー加工機100が地面(水平面)に設置された状態において、水平方向(図1上下方向および図1左右方向、図2(a)左右方向、図2(b)左右方向)に移動可能とされている。
また、XYステージ2は、金属製の角材から構成されており、図1に示すように、上面視(図1紙面垂直方向視)矩形の外形を有している。そのXYステージ2の対向する2辺のそれぞれに、棒状に構成された一対のレール40が互いに平行に配設されている。
そのレール40の上面側(図1紙面垂直方向手前側)には、複数(本実施の形態では2個)の溝41が凹設されており、その溝41を利用して薄板用治具3がXYステージ2に締結され、枠付ワーク用治具10がXYステージ2に締結されている。なお、レール40の詳細構成に関しては、図4を参照して後述する。
薄板用治具3は、XYステージ2に取り付けられると共に加工対象となる薄板K1をXYステージ2に固定する固定治具であり、図2(b)に示すように、挟持治具4と、引張治具5とを備えている。
挟持治具4は、薄板K1の一端(図2(b)左側端)を挟持して薄板K1をXYステージ2に対して固定する部材であり、引張治具5は、挟持治具4によって挟持された薄板K1の一端と反対側の他端(図2(b)右側端)を挟持すると共にエアシリンダー6を介してXYステージ2に取着される部材であり、エアシリンダー6の伸縮により薄板K1の一端から他端に向かう方向(図2(b)左右方向)に引張治具5が移動される。
また、挟持治具4及び引張治具5は、図1に示すように、薄板K1を押圧する複数(本実施の形態では4個)のクランプ4a及び複数(本実施の形態では4個)のクランプ5aをそれぞれに備えている。なお、それら複数のクランプ4a及び複数のクランプ5aは、後述する一対のレール40の一方と他方とを結んだ方向(図1上下方向)にそれぞれ等間隔に並んで配設されている。
上述したレーザー加工機100では、挟持治具4と引張治具5とで薄板K1が挟持され、引張治具5がエアシリンダー6により挟持治具4から離間する方向(図2(b)左右方向)へ移動されることで薄板K1に張力が与えられて、薄板K1の変形(しわ)が低減される。その薄板K1がXYステージ2の平面移動により加工ヘッド1に対して平面移動されて、薄板K1に照射されるレーザー光線の照射位置が変化して薄板K1に貫通孔の群が形成される。
ここで、本実施の形態では、薄板K1に引張力を与えて、薄板K1の変形(しわ)を低減させて、加工ヘッド1との距離(図2(b)上下方向寸法値)を一様に保っているので、薄板K1と加工ヘッド1との距離が一様となり、薄板K1の加工精度の向上を図ることができる。
枠付ワーク用治具10は、XYステージ2に取り付けられると共に加工対象となる枠付ワークK2をXYステージ2に固定する固定治具であり、図1及び図2(b)に示すように、第1治具20とその第1治具20に対向すると共に第1治具20からレール40の長手方向(図1左右方向)に所定の距離だけ離間した位置に配設される第2治具30とを備えている。
なお、第1治具20と第2治具30との構成は、ほぼ同一であるので、主に、第1治具20について説明し、第2治具30の第1治具20と異なる部分のみを説明し、それ以外の第2治具30の部分については説明を省略する。
第1治具20は、レール40に着脱自在に取着される一対の第1取着部21と、それら第1取着部21を接続すると共に枠付ワークK2の一端(図1右側)を挟持する第1挟持部25とを備え、第2治具30は、レール40に着脱自在に取着される第2取着部31と、それら第2取着部31を接続すると共に枠付ワークK2の一端の反対側である他端(図1左側)を挟持する第2挟持部35とを備え、第1取着部21及び第2取着部31のレール40への取着位置は、挟持治具4と引張治具5との間とされている。
ここで、実施の形態によれば、第2治具30が第1治具20に対向されると共に第1治具20からレール40の長手方向(図1左右方向)に所定の距離だけ離間した位置に配設されているので、枠付ワークK2の一端(図1右側端)が第1挟持部25によって挟持され、枠付ワークK2の他端(図1左側端)が第2挟持部35によって挟持される。
加えて、レール40に対する第1取着部21および第2取着部31の取着位置が挟持治具4と引張治具5との間とされているので、挟持治具4と引張治具5とが薄板K1を挟持しておらず、挟持治具4と引張治具5との間に空間が確保された状態では、枠付ワークK2を挟み込んだ枠付ワーク用治具10が挟持治具4と引張治具5との間に着脱自在に取着される。
よって、薄板用治具3をXYステージ2から取り外すことなく、枠付ワーク用治具10をXYステージ2に取り付け、枠付ワーク用治具10に挟持された枠付ワークK2を加工ヘッド1から照射されるレーザー光線により加工することができる。
その結果、枠付ワークK2を加工する際に、薄板用治具3をレール40から取り外す手間を省くことができるので、その分、枠付ワークK2を加工するための段取りに掛かる時間を短縮することができる。
また、再び、薄板K1を加工する場合には、薄板用治具3がレール40に取り付けられた状態で枠付ワーク用治具10がレール40に取着されているので、枠付ワーク用治具10を取り外すと、薄板用治具3が使用可能となり、薄板用治具3で薄板K1を挟持することができるので、薄板用治具3に挟持された薄板K1を加工ヘッド1から照射されるレーザー光線により加工することができる。
その結果、薄板K1を加工する際に、薄板用治具3を取り付ける手間を省くことができるので、その分、枠付ワークK2を加工した後に薄板K1を加工するための段取りに掛かる時間を短縮することができる。即ち、本実施の形態によれば、薄板用治具3を取り外す手間を省くことができるので、枠付ワークK2および薄板K1を加工するための段取りに掛かる時間を短縮することができる。
また、第1治具20と第2治具30とを有する枠付ワーク用治具10を備えているので、作業者が第1治具20および第2治具30を1個ずつレール40に取着することができる。そのため、第1治具20と第2治具30とが一体として構成される場合と比較して、作業者が一度に持ち上げなければならない重量を低減することができる。よって、第1治具20及び第2治具30をレール40に取り付ける際に、作業者への負担を低減して作業性の向上を図ることができる。
なお、第1取着部21の詳細構成に関しては、図4を参照して、第1挟持部25の詳細構成に関しては、図3を参照して後述する。
次いで、図3を参照して、第1挟持部25の詳細構成について説明する。図3は、図1のIII−III線における第1挟持部25の断面図である。なお、理解を容易とするため、第1締結部材28は、側面を示している。また、上述したように、第1治具20と第2治具30との構成は、ほぼ同一であるので第2挟持部35についての説明を省略する。
第1挟持部25は、枠付ワークK2を挟持するための部材であり、図3に示すように、第1主梁26と、第1副梁27と、第1締結部材28と、Y方向位置決め部材50と、X方向位置決め部材51とを備えている。
第1主梁26は、長尺形状(図4参照)のアングル材にて構成されると共に、図3に示すように、L字形状の断面を有しており、主に、平坦面26aと、側面26bと、複数(本実施の形態では5個)の貫通孔26cとを備えている。
また、第1主梁26は、一対の第1スライド部29(図4参照)を備えており、それら第1スライド部29は、ブロック状に構成され第1主梁26の両端に接続されている。その第1スライド部29には、後述する第1取着部21(図4参照)の第1軸部22が挿通される貫通孔29c(図4参照)が貫通形成されている。
平坦面26aは、枠付ワークK2のステンレス板が貼り付けられた側(図3上側)の面に当接される平坦面であり、図3に示すように、L字形状の内側に形成されると共にXYステージ2が移動する仮想平面に平行とされている。
側面26bは、後述するY方向位置決め部材50の当接面50aが当接される平坦面であり、図3に示すように、L字形状の内側に形成されと共に平坦面26aに対して直交して配設されている。貫通孔26cは、後述する第1締結軸部28aが内嵌される貫通孔であり、図3に示すように、平坦面26aに開口を有している。
第1副梁27は、図3に示すように、長尺形状に構成されると共に矩形状の断面を有しており、平坦面27aと、複数(本実施の形態では5個)の貫通孔26cとを備えている。平坦面27aは、枠付ワークK2のステンレス板が貼り付けられた側の面と反対側(図3下側)の面に当接される平坦面であり、図3に示すように、第1主梁26の平坦面26aに対向して形成されると共にXYステージ2が移動する仮想平面に平行とされている。貫通孔27cは、後述する第1締結軸部28aが内嵌される貫通孔であり、図3に示すように、平坦面27bに開口を有している。
第1締結部材28は、第1主梁26と第1副梁27とで枠付ワークK2を挟むための部材であり、図3に示すように、第1締結軸部28aと、第1締結ストッパ部28bと、第1締結螺合28cとを備えている。
第1締結軸部28aは、第1主梁26と第1副梁27とを連結するための部材であり、両側端部の外周面におねじが形成された円柱状に構成され、第1主梁26の貫通孔26cと第1副梁27の貫通孔27cとに摺動可能に内挿されている。第1締結ストッパ部28bは、ダブルナット機能を有する部材であり、第1締結軸部28aの下端側の端部に螺着されて、第1締結軸部28aに対して回動不能とされている。
第1締結螺合28cは、第1締結軸部28aに対して螺進することで、第1主梁26の平坦面26aと第1副梁27の平坦面27aとの対向間隔W5を縮小させるための部材であり、図3に示すように、第1締結円筒部材28c1と、第1締結ハンドル部材28c2とを備えている。
第1締結円筒部材28c1は、第1締結軸部28aに形成されたおねじに螺合される部材であり、内周面にめねじが形成され一端側が閉封された袋ナット状に構成され、外周面には、スプラインが形成されている。そのスプラインの溝は、袋ナットの開口側から底側向けて延設されている。
第1締結ハンドル部材28c2は、第1締結円筒部材28c1が内嵌される貫通孔を有し、その貫通孔の径方向外側に向けて棒状の把持部が凸設されている。そのため、第1締結ハンドル部28c2を回転させる場合に、作業者が手で第1締結円筒部28c1を把持して回転させることも可能となる。よって、第1挟持部25をレール40に固定する際の工具を不要とすることができる。その結果、工具を準備する手間を省いて、枠付ワークK2を加工するための段取りに掛かる時間を短縮することができる。
また、第1締結ハンドル部28c2の貫通孔の内周面には、第1締結円筒部材28c1に形成されたスプラインに対応したスプラインが第1締結軸部28aの長手方向に沿って部分的に形成されている。
そのため、第1締結軸部28aの長手方向(図3上下方向)における第1締結円筒部材28c1と第1締結ハンドル部材28c2との位置を変化させると第1締結円筒部材28c1のスプラインと第1締結ハンドル部材28c2のスプラインとを係合させたり、その係合を解除させたりすることができる。
また、第1締結円筒部材28c1と第1締結ハンドル部材28c2とは、弾性部材を介して連結されている。そのため、弾性部材の弾性力により、第1締結円筒部材28c1と第1締結ハンドル部材28c2との位置が固定される。
その弾性部材によって固定された位置において、第1締結円筒部材28c1のスプラインと第1締結ハンドル部材28c2のスプラインとが係合されるように構成されているので、第1締結ハンドル部材28c2は、常時、第1締結円筒部材28c1に係合された状態となる。
ここで、本実施の形態では、第1締結軸部28aの長手方向における第1締結円筒部材28c1と第1締結ハンドル部材28c2との位置を変化させると、第1締結円筒部材28c1のスプラインと第1締結ハンドル部材28c2のスプラインとを係合させたり、その係合を解除させたりすることができるので、作業者が第1締結ハンドル部材28c2を第1締結円筒部材28c1に対して、第1締結軸部28aの長手方向(図3上下方向)に変位させることで、第1締結円筒部材28c1のスプラインと第1締結ハンドル部材28c2のスプラインとの係合を解除することができる。
よって、作業者が第1締結ハンドル部材28c2を把持して回転させ、第1締結円筒部材28c1を第1締結軸部28aに螺着させる過程において、第1締結ハンドル部材28c2の位置が作業者が第1締結ハンドル部材28c2に力を入れ難い角度になった場合であっても、第1締結ハンドル部材28c2を第1締結円筒部材28c1に対して変位させることで、第1締結ハンドル部材28c2と第1締結円筒部材28c1との係合を解除して、第1締結ハンドル部材28c2を自由に回転させて位置を変え、力が入れ易い角度で再び係合させることができる。
Y方向位置決め部材50は、枠付ワークK2の位置を決めるための部材であり、図3に示すように、角材から1個の角を切り欠いた5角形形状の断面に構成されると共に当接面50aと、当接面50bと、当接面50cと、複数(本実施の形態では5個)の貫通孔50dとを備えている。
また、Y方向位置決め部材50は、第1主梁26に図示しないボルトを介して締結されている。このように、形状が簡単な部品を組み合わせているので、レーザー加工機100の製造コストの削減を図ることができる。
例えば、第1主梁26とY方向位置決め部材50とを組み合わせた形状を鋳型を使って形成した場合には、型の制作費が発生するので、製造する数が少ない場合には、型の制作費の分、部品コストが嵩むという不具合が生じる。特に、レーザー加工機100は、受注生産品であり、製造数が少ない製品であり、型費が発生するのは、製品コストが嵩む大きな要因となる。
これに対し、本実施の形態におけるレーザー加工機100では、第1主梁26を汎用のアングル材から形成し、Y方向位置決め部材50を汎用の角材から形成して、それらを組み合わせているので、型の制作費を発生させずに、レーザー加工機100を製造することができる。
図3に示すように、当接面50aは、第1主梁26の側面26bに当接される面であり、当接面50bは、当接面50aに対して平行に配設される面である。当接面50cは、第1主梁26の平坦面26aに当接される面であり、当接面50a,50bに対して直交して配設されている。また、貫通孔50dは、第1締結軸部28aが内嵌される貫通孔であり、当接面50aと当接面50bとの間に配設され当接面50a,50bに沿って貫通形成されると共に当接面50cに開口を有している。
また、貫通孔50dの配設位置は、当接面50aが第1主梁26の側面26bに当接された状態で、貫通孔50dの内周面と第1締結軸部28aの外周面との間に隙間を有する位置とされている。
例えば、当接面50aと側面26bとの間に隙間が形成された状態で、貫通孔50dの内周面が第1締結軸部28aの外周面に当接している場合には、枠付ワークK2が当接面50bに当接して、Y方向位置決め部材50を第1主梁26の側面26bに向けて押し付けると、貫通孔50dの内周面と第1締結軸部28aの外周面との間に摩擦抵抗が生じて第1締結軸部28aの動きが硬くなり、作業効率が低下するという不具合が生じる。
これに対し、本実施の形態では、枠付ワークK2を当接面50bに当接させ、当接面50aを第1主梁26の側面26bに当接させた状態において、貫通孔50dの内周面と第1締結軸部28aの外周面との間に隙間を有する構成とされているので、貫通孔50dの内周面と第1締結軸部28aの外周面との間に摩擦抵抗が生じることを防止することができる。その結果、第1締結軸部28aの動きを円滑として、作業効率の向上を図ることができる。
また、例えば、Y方向位置決め部材50の断面を矩形形状に構成した場合には、矩形の角とL字の角とが当接するので、第1主梁26の平坦面26a,26bの両方にY方向位置決め部材50の側面である当接面50c,50aを当接されない。そのため、Y方向位置決め部材50を第1主梁26に面接触させることが困難となり、Y方向位置決め部材50の第1主梁26に対する位置決め精度が低下するという不具合が生じる。
これに対し、本実施の形態では、Y方向位置決め部材50が矩形の1個の角を切り欠いた5角形形状の断面形状に構成されているので、Y方向位置決め部材50の切り欠かれた部位をL字の角に対応させることで、当接面50c,50aの両方を第1主梁26の平坦面26a,26bに当接させることができる。その結果、Y方向位置決め部材50の第1主梁26に対する位置決め精度を向上させて、枠付ワークK2の第1主梁26に対する位置決め精度の向上を図ることができる。
X方向位置決め部材51は、枠付ワークK2の位置を決めるための部材であり、Y方向位置決め部材50の当接面50bにボルトBを介して締結されている。よって、Y方向位置決め部材50にボルトBが螺合されるめねじを複数形成しておくことで、Y方向位置決め部材50の形状を変更することなく、X方向位置決め部材51の配設場所を変更することができる。
そのため、枠付ワークK2の形状および枠付ワークK2へのレーザー加工の位置の変更によって、枠付ワークK2の位置決め場所に変更が生じた場合であっても、Y方向位置決め部材50及びX方向位置決め部材51の形状を変更することなく対応することができる。
また、Y方向位置決め部材50及びX方向位置決め部材51は、レール40に取り付けられる第1主梁26に取り付けられているので、枠付ワークK2を第1主梁26と第1副梁27とで挟持する過程において発生する枠付ワークK2の位置ずれを防止することができる。
例えば、Y方向位置決め部材50及びX方向位置決め部材51を第1副梁27に固定した場合には、枠付ワークK2を第1主梁26と第1副梁27とで挟持する過程において、第1副梁27の水平位置(図3左右方向の位置)がレール40に対して変化するという不具合が生じる。
即ち、レール40には第1主梁26が固定されているので、第1副梁27が第1主梁26と枠付ワークK2を挟持して、第1副梁27と第1主梁26とが一体となるまで、第1副梁27のレール40に対する位置が確定しない。その結果、位置決め精度が低下していた。
これに対し、本実施の形態では、Y方向位置決め部材50及びX方向位置決め部材51がレール40に取り付けられる第1主梁26に取り付けられているので、枠付ワークK2を第1主梁26と第1副梁27とで挟持する過程において、枠付ワークK2の位置が変化することを防止して、位置決め精度の向上を図ることができる。
本実施の形態では、第1締結ハンドル部材28c2を回転させて、第1締結円筒部材28c1を第1締結軸部28aに対して螺進させることで、第1主梁26が第1締結円筒部材28c1に押圧され、第1副梁27が第1締結ストッパ部28bに押圧されて、第1主梁26の平坦面26aと第1副梁27の平坦面27aとの対向間隔W5が縮小される。
その結果、枠付ワークK2が第1主梁26の平坦面26aと第1副梁27の平坦面27aとの間に挟持される。即ち、枠付ワークK2の厚さ方向(図3上下方向)に配設される両面を第1主梁26の平坦面26aと第1副梁27の平坦面27aとで挟持する。
例えば、枠体の側面(枠体の薄板が貼り付けられた面に直交する平坦面)をその側面に対して垂直に押圧することで枠付ワークK2を挟持する構成とした場合には、枠体の薄板が貼り付けられた面の形状が変形されるので、薄板に変形(しわ)が生じやすく、変形により枠付ワークK2に貼り付けられた薄板にうねりが発生する。そのため、加工ヘッド1と枠付ワーク用治具10の薄板との距離を一様に保つことが困難となり、加工精度が低下するという不具合が生じる。
ここで、本実施の形態によれば、枠付ワークK2の厚さ方向(図3上下方向)の両面(上面には、薄板が貼り付けられている)を第1主梁26の平坦面26aおよび第1副梁27の平坦面27aの間で挟持する構成であるので、枠体の薄板が貼り付けられた面の形状の変形が抑えられる。よって、枠付ワークK2に貼り付けられた薄板に変形(しわ)が生じることを防止して、薄板へのうねりの発生を抑制することができる。その結果、加工時に加工ヘッド1と枠付ワークK2の薄板との距離を一様に保って加工精度の向上を図ることができる。
また、平坦面(第1主梁の平坦面、第2主梁の平坦面、第1副梁の平坦面および第2副梁の平坦面)で枠付ワークK2を挟持するので、枠付ワークK2に掛かる圧力を均一に保つことができる。そのため、圧力のむらにより発生する枠体の反り返りを防止して、枠体の薄板が貼り付けられた面の形状の変形を抑制することができる。
よって、枠付ワークK2に貼り付けられた薄板に生じる変形(しわ)を低減して、加工時に加工ヘッド1と枠付ワークK2の薄板との距離を一様に保ち加工精度の向上を図ることができる。
例えば、枠体の側面(枠体の薄板が貼り付けられた面に直交する平坦面)をその側面に対して垂直に押圧することで枠付ワークK2を挟持する構成とした場合には、XYステージ2の平面移動による振動でXYステージ2が平面移動する仮想平面に対して直交する方向(図3上下方向)へ枠付ワークK2がずれる場合がある。
ここで、本実施の形態によれば、枠付ワークK2の厚さ方向(図3上下方向)の両面を第1主梁26の平坦面26aおよび第1副梁27の平坦面27aの間で挟持する構成であるので、XYステージ2が平面移動する仮想平面に対して直交する方向(図3上下方向)へ枠付ワークK2がずれることを防止することができる。よって、枠付ワークK2の加工時に加工ヘッド1と枠付ワークK2の薄板との距離が徐々に変化していくことを防止して加工精度の向上を図ることができる。
また、本実施の形態では、複数(本実施の形態では5個)の第1締結部材28が第1挟持部25上に等間隔に並んで配設されている(図1参照)。よって、枠付ワークK2を均一に押さえつけることができる。そのため、押圧力のむらにより発生する枠体の反り返りを防止して、枠体の薄板が貼り付けられた面の形状の変形を抑制することができる。よって、枠付ワークK2のひずみを低減して、加工精度の向上を図ることができる。
また、第1締結部材28の配設間隔W6(図1参照)を300mm以下に設定することが好ましい。この場合、枠付ワークK2の大きさが縦300mm横300mmの大きさである場合に、第1挟持部25の2箇所の第1締結部材28で枠付ワークK2を挟持することができる。よって、枠付ワークK2の枠体の反り返りを防止して、枠体の薄板が貼り付けられた面の形状の変形を抑制することができる。その結果、枠付ワークK2のひずみを低減して、加工精度の向上を図ることができる。
また、第1締結部材28の配設間隔W6を250mm以上300mm以下に設定することがさらに好ましい。この場合、加工精度を確保しつつ余分な第1締結部材28の配設を省略することができるので、レーザー加工機100の部品コストを削減して、加工精度を確保すると共にレーザー加工機100の製品コストの削減を図ることができる。
また、第1締結部材28は、薄板用治具3(図1参照)の引張治具5が備えるクランプ5a(図1参照)に対して千鳥配置とされている(図1及び図2(a)参照)。よって、第1締結部材28とクランプ5aとが重なり合うことを防いで、第1締結部材28の操作性を確保することができる。よって、枠付ワークK2を着脱する作業を円滑に行うことができるので、その分、枠付ワークK2を加工するための段取りに掛かる時間を短縮することができる。
次いで、図4を参照して、第1取着部21およびレール40の詳細構成について説明する。図4は、図1のIV−IV線における第1取着部21の断面図である。なお、図4では、図面の簡素化のため、第1螺合部材24を側面で示している。また、図4では、理解を容易とするために、第1ストッパ部23及びレール40の一部を二点鎖線で囲んだ領域Aに拡大して図示すると共に、第1ストッパ部23が第1軸部22の軸心を中心として90度回転した状態を破線で図示している。
上述したように、レール40は、複数(本実施の形態では2個)の溝41を備えており、それら溝41は、レール40の上面側に凹設されると共にレール40の長手方向(図4紙面垂直方向)に延設されている。
溝41は、第1取着部21を案内する部位であり、図4に示すように、凹部の開口である開口部42と、その開口部42より凹部の底側(図4下側)の部位である溝内部43とを備えている。また、レール40の長手方向に直交する方向(図4左右方向)の開口部42の開口寸法値が幅W1とされ、レール40の長手方向に直交する方向(図4左右方向)の溝内部43の開口寸法値が幅W2とされている。
上述したように、第1取着部21は、レール40に着脱自在に取着されるものであり、図4に示すように、第1軸部22と、第1ストッパ部23と、第1螺合部材24とを備えている。
第1軸部22は、第1スライド部29をレール40に接続するための部材であり、上側(図4上側)の端部の外周面におねじが形成された円柱状に構成され、第1軸部22の直径が開口部42の幅W1及び第1スライド部29の貫通孔29cの内径よりも小さく構成されることで、開口部42及び第1スライド部29の貫通孔29cに内挿されている。
第1ストッパ部23は、レール40に対して掛止機能を有する部材であり、図4に示すように、第1軸部22の下側(図4下端側)の端部からフランジ状に張り出しており、底面視(図4下側から上側方向視)において、略長方形形状に構成されている。その略長方形形状の長手方向(図4左右方向)の寸法値が幅W3とされ、その長方形形状の長手方向に直交する方向の寸法値が幅W4とされている。
なお、第1ストッパ部23の長手方向の幅W3は、開口部42の幅W1より大きな寸法値とされ、第1ストッパ部23の長手方向に直交する方向の幅W4が開口部42の幅W1より小さな寸法値とされている。
そのため、第1ストッパ部23の長手方向と溝41の長手方向とが平行になるように、第1ストッパ部23を開口部42に対して配設すると、第1ストッパ部23の幅W4が開口部42の幅W1に対応するので、第1ストッパ部23を開口部42を介して溝内部43に挿入することができる。
また、第1ストッパ部23が溝内部43に挿入された状態で、第1ストッパ部23の長手方向とレール40の長手方向とが直交した位置関係になるように、第1ストッパ部23を開口部42に対して配設すると、第1ストッパ部23の幅W3が開口部42の幅W1に対応するので、第1ストッパ部23が開口部42によって係止される。
第1螺合部材24は、第1軸部22に対して螺進することで、第1スライド部29をレール40へ押圧する部材であり、図4に示すように、第1螺合円筒部材24aと第1螺合ハンドル部材24bとを備えている。
なお、第1螺合部材24は、第1締結螺合28cと同一の構成とされており、第1螺合円筒部材24aが第1締結円筒部材28c1に対応し、第1螺合ハンドル部材24bが第1締結ハンドル部材28c2に対応し、第1締結軸部28aが第1軸部22に対応するので、第1螺合部材24の詳細説明を省略する。
上述したように構成されたレーザー加工機100によれば、第1ストッパ部23の長方形形状の長手方向(図4左右方向)の幅W3を溝41の開口部42の幅W1に合わせて、その開口部42から第1ストッパ部23を溝内部43に挿入し、第1軸部22を開口部42に内嵌させた状態で移動させることで、第1治具20をレール40に沿って移動可能とすることができる。よって、第1治具20のレール40への取り付け位置を調整することができる(位置調整機能)。
その後、開口部42に第1ストッパ部23を挿入した状態で、第1ストッパ部23の向きを変えて、第1ストッパ部23の長手方向の張り出し部位(幅W3)を開口部42に係止させる。そして、第1螺合ハンドル部24bを回転させることで、第1螺合円筒部24aを第1軸部22に対して螺進させて、第1螺合円筒部24aと第1ストッパ部23との間隔を狭めることで、第1軸部22が挿通される第1スライド部29とレール40とを第1螺合円筒部24aと第1ストッパ部23との間で挟持することができる(固定機能)。
即ち、本実施の形態によれば、第1取着部21が第1治具20の位置調整機能および第1治具20の固定機能の両方の機能を備えている。
例えば、第1治具20の位置調整機能と第1治具20の固定機能とを別々の部材が備えている場合には、それら2種類の機能を備えるために2種類の部材が必要となる。そのため、レーザー加工機100を構成する部品の種類が多くなり、レーザー加工機100の製品コストが嵩むという不具合が生じる。
ここで、本実施の形態によれば、第1取着部21が第1治具20の位置調整機能および第1治具20の固定機能の両方の機能を備えているので、第1治具20の位置調整機能および第1治具20の固定機能とを第1取着部21のみで達成することができる。その結果、レーザー加工機100を構成する部品の種類を削減して、レーザー加工機100の製品コストの削減を図ることができる。
また、薄板用治具3が取り付けられるレール40に第1取着部21を取着しているので、別途、枠付ワーク用治具10を取着するための被取着部を作成する必要がなく、その分、レーザー加工機100の製造コストを削減して、レーザー加工機100の製品コスト削減を図ることができる。
次に、図5〜図9を参照して、第2実施の形態のレーザー加工機200について説明する。このレーザー加工機200は、第1実施の形態のレーザー加工機100を利用したものであり、レーザー加工機100と同様、加工ヘッド1と、XYステージ2と、薄板用治具3と、枠付ワーク用治具10とを備えている。なお、このレーザー加工機200は、薄板K3上の加工基点となる中心S(図6参照)の、加工ヘッド1に対する位置を即座に検出することができる加工機である。
以下、レーザー加工機200について詳細に説明する。なお、第2実施の形態のレーザー加工機200の説明においては、第1実施の形態のレーザー加工機100と同一部分については同一の符号を用い、その説明を省略する。
図5は、レーザー加工機200の電気的構成を示したブロック図である。図5に示すように、レーザー加工機200は、主に、CPU211と、ROM212と、RAM213と、操作キー214と、LCD215と、駆動ドライバ216と、モータ217と、XYステージ駆動装置218と、位置検出センサ219と、入出力ポート220とを有している。
CPU211、ROM212、RAM213、操作キー214、LCD215、駆動ドライバ216、位置検出センサ219および加工ヘッド1の各々は、バスラインを介して入出力ポート220に接続されている。
CPU211は、ROM212やRAM213に記憶される固定値やプログラムに従って、レーザー加工機200が有している各機能の制御や、入出力ポート220と接続された各部を制御するものである。
ROM212は、レーザー加工機200で実行される制御プログラムなどを格納した書換不能なメモリであり、後述する図9のフローチャートに示す処理を実行するプログラムが記憶されている。また、ROM212には、枠付ワーク情報メモリ212aが設けられている。枠付ワーク情報メモリ212aは、枠付ワーク用治具10に設けられる第1挟持部25および第2挟持部35に挟持された枠付ワークK2のサイズ(大きさ)に対応付けられた枠付ワーク情報が記憶されている。なお、枠付ワーク情報の詳細については、図7を参照して後述する。
RAM213は、書換可能な揮発性のメモリであり、レーザー加工装置200の動作時に各種のデータを一時的に記憶するためのメモリである。操作キー214は、レーザー加工機200の動作を指示する操作子であり、LCD215は、レーザー加工機200の動作状態等を表示するディスプレイである。
駆動ドライバ216は、XYステージ2を平面移動させるXYステージ移動装置218を駆動するモータ217と接続されており、モータ217を制御することでXYステージ218を移動させる。これにより、駆動ドライバ216は、XYステージ2を所望の位置へ移動させることができる。なお、XYステージ移動装置218は、X方向(図1上下方向)およびY方向(図1左右方向)へ移動することで、XYステージ2を指定された位置に移動させている。よって、実際には、駆動ドライバ216およびモータ217は、X方向移動用に一組、Y方向移動用にもう一組、設けられている。
位置検出センサ219は、XYステージ2上の中心の加工ヘッド1に対する移動量(位置)を、X方向およびY方向の座標として検出するセンサである。この位置検出センサ219による位置の検出は、レーザー加工機200の電源オン中、常時行われる。
図6は、第1挟持部25および第2挟持部35に枠付ワークK2が挟持された状態で、図1に示す加工ヘッド1から枠付ワークK2を視た場合を模式的に示した図である。なお、図6においては、図面の簡素化のため、第1挟持部25、第1副梁27、第2挟持部35、X方向位置決め部材51、枠付ワークK2およびその枠付ワークK2に貼り付けられた薄板K3を主に図示している。なお、図6では、X方向を図6左右方向とし、Y方向を図6上下方向としている。また、座標を、(X方向座標(mm),Y方向座標(mm))として表現している。
ここで、図6に示すように、レーザー加工機200では、加工ヘッド1を原点Tとしている。そして、原点Tの座標を(0,0)としている。また、原点Tに対する座標を絶対座標としている。加えて、レーザー加工機200では、図6に示すように、XYステージ2上に存在するXYステージ2の中心を、検知点Dとしている。また、レーザー加工機200では、図6に示すように、枠付ワークK2の中心と薄板K3の中心とは、一致しているものとし、枠付ワークK2の中心と薄板K3の中心とを、中心Sとしている。
レーザー加工機200では、第1実施の形態のレーザー加工機100とは異なり、第1挟持部25を有する第1治具20の第1取着部21(図1参照)は、レール40の予め定められた位置に固定される。よって、第1取着部21の位置を、検知点Dに対する位置が予め定められた位置、即ち、XYステージ2上の規定位置にすることができる。また、第1挟持部25は、前述の通り、枠付ワークK2の位置を決める部材であるY方向位置決め部材50およびX方向位置決め部材51を有している。よって、レーザー加工機200では、枠付ワークK2の右上の角の検知点Dに対する位置を、所定位置Bにすることができる。
ここで、レーザー加工機200においては、所定位置Bを、検知点Dに対して、X方向に+350(mm)、Y方向に+200(mm)離れた位置に固定している(予め定められた位置にしている)。よって、所定位置Bと検知点Dとの位置関係(相対位置)は、不変の位置関係となる。これにより、位置検出センサ219により検出された検知点Dの絶対座標が、図6に示すように(50,400)と検知された場合には、CPU211は、検知点Dの絶対座標と、所定位置Bの検知点Dに対する位置(相対位置)とから、所定位置Bの絶対座標を、図6に示すように、(400,500)であると算出することができる。
上述した第1治具20とは異なり、レーザー加工機200では、第2挟持部35を有する第2治具30(図1参照)は、第1実施の形態のレーザー加工機100と同様、レール40に着脱自在に取着される。よって、枠付ワークK2の大きさが変化する場合でも、第2治具30を移動させることで、第1挟持部25と第2挟持部35との間隔を、変化した枠付ワークK2の大きさに合わせることができる。なお、枠付ワークK2の大きさに合わせて第2治具30の取着位置を移動させた場合であっても、第1治具20の取着位置は変化しないので、枠付ワークK2の大きさに拘らず、枠付ワークK2の右上の角の位置、即ち、所定位置Bを、検知点Dに対して、X方向に+350(mm)、Y方向に+200(mm)離れた位置(以後、「固定位置」と称す)にすることができる。よって、レーザー加工機200では、枠付ワークK2の大きさが変化した場合であっても、その大きさが変化した枠付ワークK2の右上の角の位置を、必ず、固定位置に合わせることができる。
図7は、枠付ワーク情報メモリ212aに記憶される枠付ワーク情報を模式的に示した図である。枠付ワーク情報は、枠付ワーク中心情報、中央近傍領域情報およびソフトリミット領域情報から構成されている。なお、この枠付ワーク情報は、枠付ワークK2のサイズ(大きさ)に対応付けて複数、記憶されている。
枠付ワーク中心情報は、中心S(図6参照)の絶対座標を算出するための情報であり、所定位置BからのX方向の移動量と所定位置BからのY方向の移動量とから構成されている。所定位置BからのX方向の移動量は、所定位置BからのX方向における相対座標を示しており、所定位置BからのY方向の移動量は、所定位置BからのY方向における相対座標を示している。図7に示すように、枠付ワークのサイズが320mm×320mm(X方向のサイズ×Y方向のサイズ)である場合には、所定位置BからのX方向の移動量および所定位置BからのY方向の移動量は、いずれも、−160(mm)となる。よって、所定位置Bの絶対座標が、図6に示すように、(400,500)である場合には、CPU211は、この絶対座標からX方向の移動量およびY方向の移動量を減算し、中心Sの絶対座標を、(240,340)と算出する。
このように、CPU211は、所定位置Bの絶対座標を用いて、中心Sの絶対座標を即座に求めることができる。ここで、レーザー加工機200では、前述の通り、枠付ワークK2の大きさが変化しても、枠付ワークK2の右上の角の検知点Dに対する位置、即ち、所定位置Bの検知点Dに対する位置は変化しない。よって、枠付ワークK2の大きさが変化しても、CPU211は、その枠付ワークK2(薄板K3)の中心Sの絶対座標を即座に算出することができるのである。また、枠付ワークK2の大きさが変化した場合に、それに伴って、枠付ワークK2の右上の角の検知点Dに対する位置が変化してしまうレーザー加工機と比較して、レーザー加工機200では、枠付ワークK2の右上の角の検知点Dに対する位置が変化しないので、中心Sの絶対座標を短時間で算出(検出)することができる。従って、レーザー加工機200によれば、薄板K3の貫通加工を開始するまでの時間を短縮することができる。また、レーザー加工機200によれば、枠付ワークK2(薄板K3)の中心Sの絶対座標を即座に正確に算出することができるので、その中心SとXYステージ2の中心(検知点D)とのずれ(相対位置)も、即座に正確に算出することができる。
中央近傍領域情報は、中心S(図6参照)を含み、且つ、枠付ワークK2(図6参照)の内側に存在する領域である中央近傍領域を算出するための情報である。なお、中央近傍領域は、後述する図8に示す領域P2に相当する領域である(図8に示す領域K2’は、枠付ワークK2の全領域に相当している)。中央近傍領域情報は、所定位置BからのX方向の移動量の範囲と所定位置BからのY方向の移動量の範囲とから構成されている。所定位置BからのX方向の移動量の範囲は、所定位置BからのX方向における相対座標の変動範囲を示しており、所定位置BからのY方向の移動量の範囲は、所定位置BからのY方向における相対座標の変動範囲を示している。図7に示すように、枠付ワークのサイズが320mm×320mm(X方向のサイズ×Y方向のサイズ)である場合には、所定位置BからのX方向の移動量の範囲および所定位置BからのY方向の移動量の範囲は、いずれも、−110(mm)〜−210(mm)となる。よって、算出した所定位置Bの絶対座標が、図6に示すように、(400,500)である場合には、CPU211は、この絶対座標から、X方向の移動量を上述の範囲で減算すると共にY方向の移動量を上述の範囲で減算して、中央近傍領域を、絶対座標(190〜290,290〜390)の各点から構成される領域と算出する。
ソフトリミット領域情報は、中央近傍領域を含み、且つ、枠付ワークK2(図6参照)の内側に存在する領域である限界領域(図8に示す領域P1に相当)を算出するための情報であり、所定位置BからのX方向の移動量の範囲と所定位置BからのY方向の移動量の範囲とから構成されている。所定位置BからのX方向の移動量の範囲は、所定位置BからのX方向における相対座標の変動範囲を示しており、所定位置BからのY方向の移動量の範囲は、所定位置BからのX方向における相対座標の変動範囲を示している。図7に示すように、枠付ワークK2のサイズが320mm×320mm(X方向のサイズ×Y方向のサイズ)である場合には、所定位置BからのX方向の移動量の範囲および所定位置BからのY方向の移動量の範囲は、いずれも、−20(mm)〜−300(mm)となる。よって、算出した所定位置Bの絶対座標が、図6に示すように、(400,500)である場合には、CPU211は、この絶対座標から、X方向の移動量を上述の範囲で減算すると共にY方向の移動量を上述の範囲で減算して、中央近傍領域を、絶対座標(100〜380,200〜480)の各点から構成される領域と算出する。
上述した通り、枠付ワーク情報は、いずれも、所定位置Bからの移動量を用いた値で構成されている。よって、所定位置Bの絶対座標が分かれば、CPU211は、枠付ワーク情報を用いて、中心S、中央近傍領域およびソフトリミット領域の絶対座標を即座に算出することができる。ここで、所定位置Bの絶対座標を算出するために用いられる検知点Dに対する所定位置Bは、前述の通り、予め定められた位置、即ち、既知の固定位置となっており、所定位置Bの絶対座標を算出するために用いられる検知点Dの絶対座標は、位置検出センサ219により常時検出されている。よって、レーザー加工機200では、中心S、中央近傍領域およびソフトリミット領域の絶対座標を即座に算出することができる。なお、中心S、中央近傍領域およびソフトリミット領域の絶対座標の算出は、後述する図9のフローチャートが実行されている期間中、繰り返し行われる。
図8は、薄板K3に貫通加工を施す前に、枠付ワークK2の位置調整を行なう場合におけるLCD215の表示画面を模式的に示した図である。なお、図8においては、図6に示した位置関係の場合における表示画面を示している。表示画面は、アニメーション表示画面251と情報表示画面252とから構成されている。
アニメーション表示画面251は、第1挟持部25および第2挟持部35に挟持された枠付ワークK2と、加工ヘッド1との位置関係をアニメーションとして表示する画面である。アニメーション表示画面251において、領域K2’は、図6に示す枠付ワークK2の全領域に相当し、領域P1は、CPU211により算出された限界領域に相当する。また、領域P2は、CPU211により算出された中央近傍領域に相当し、S’座標は、CPU211により算出された中心Sに相当する。そして、T’座標は、図6に示す原点T(加工ヘッド1の位置)に相当し、D’座標は、図6に示す検知点D(XYステージ2上の中心)に相当し、領域Wは、図1に示すXYステージ2の全領域に相当する。
なお、レーザー加工機200では、加工ヘッド1が固定されており、XYステージ2の移動により枠付ワークK2が平面移動するのであるが、アニメーション表示画面251では、CPU211による座標変換によって、これとは逆に、枠付ワークK2が固定表示され、加工ヘッド1が移動表示される。具体的には、枠付ワークK2が平面移動した場合には、アニメーション表示画面251では、その移動量に合わせて、加工ヘッド1が移動表示される。これは、アニメーション画面251の表示と、操作者の操作とを、直感的にリンクさせるためである。
情報表示画面252は、各種情報を表示する画面であり、サイズ指定画面253、ソフトリミット表示画面254、T’座標表示画面255、手動移動ボタン256、自動移動ボタン257および閉じるボタン258から構成されている。
サイズ受付画面253は、第1挟持部25および第2挟持部35に挟持された枠付ワークK2のサイズ(大きさ)指定を受け付ける画面である。サイズ受付画面253により枠付ワークK2のサイズが受け付けられると、CPU211は、受け付けられた枠付ワークK2のサイズと、枠付ワーク中心情報を用いて算出した枠付ワークK2の中心Sの絶対座標とから、枠付ワークK2の全領域における絶対座標を算出する。この絶対座標は、領域K2’の表示に使用される。
ソフトリミット表示画面254は、サイズ指定画面253で受け付けられた枠付ワークK2の大きさに対応して算出されたソフトリミット領域のサイズ(大きさ)を表示する画面である。
T’座標画面255は、加工ヘッド1の座標(T座標)を基準とした図6とは異なり、XYステージ2上の中心(検知点D)を基準とし、これに対する加工ヘッド1の座標であるT’座標を表示する画面である。図6においては、加工ヘッド1の座標(絶対座標)が(0,0)であり、XYステージ2上の中心の絶対座標が(50,400)であったので、CPU211により座標変換が行われた後の表示画面を示す図8においては、加工ヘッド1の位置に相当するT’座標が(−50,−400)となり、XYステージ2上の中心に相当するD’座標が(0,0)となる。このときのT’座標におけるX方向座標およびY方向座標が、T’座標画面255に表示される。なお、CPU211による座標変換は、図8から分かるように、領域K2’、領域P1、領域P2およびS’座標の各々についても行われている。
手動移動ボタン256は、操作キー214の操作により、即ち、手動により、XYステージ2を移動させて、枠付ワークK2を平面移動させる場合に押下されるボタンである。この手動移動ボタン256が押下された状態では、操作キー214の操作が有効になり、XYステージ2を移動させることができる一方で、この手動移動ボタン256が押下されていない状態では、操作キー214の操作が無効になり、XYステージ2を移動させることができない。
自動移動ボタン257は、CPU211により算出された中央近傍領域を構成する各絶対座標に、加工ヘッド1の絶対座標が含まれる場合、即ち、中央近傍領域内に加工ヘッド1が存在する場合に、XYステージ2を平面移動させて、CPU211により算出された中心Sを加工ヘッド1の位置へ自動移動させる自動移動機能を開始させるボタンである。中央近傍領域内に加工ヘッド1が存在する場合に、この自動移動ボタン257が押下されると、CPU211は自動移動を開始する。なお、中央近傍領域内に加工ヘッド1が存在する場合に、この自動移動ボタン257が押下されない場合には、操作キー214の操作により、即ち、手動により、XYステージ2を平面移動させて、中心Sを加工ヘッド1の位置へ手動移動させることができる。この手動移動は、中央近傍領域外に加工ヘッド1が存在する場合にも実行することができる。
閉じるボタン258は、枠付ワークK2の位置調整を終了し、アニメーション表示画面251および情報表示画面252を消去するためのボタンである。
図9は、薄板K3に貫通加工を施す前に、枠付ワークK2の位置調整を行なう位置調整処理を示すフローチャートである。この位置調整処理は、操作キー214の操作により操作者から実行指示が行われた場合に、CPU211によって実行される処理である。
位置調整処理では、まず、アニメーション表示画面251および情報表示画面252をLCD215へ表示する(S1)。次に、枠付ワークK2のサイズがサイズ受付画面253により指定されたか否かを判定する(S2)。S2の判定が肯定される場合には(S2:Yes)、S3の処理へ移行する。一方、S2の判定が否定される場合には(S2:No)、S2の判定が肯定されるまで、S2の処理が繰り返される。
S3の処理では、サイズ受付画面253により指定された枠付ワークK2のサイズに対応する枠付ワーク情報を、枠付ワーク情報メモリ212aから取得する(S3)。その後、その取得した枠付ワーク情報と、検知点Dに対する所定位置Bと、検知点Dの絶対座標とを用いて、枠付ワークK2の中心S、中央近傍領域およびソフトリミット領域の絶対座標を算出する(S4)。このS4における算出方法は、図7で前述した通りである。
その後、加工ヘッド1がソフトリミット領域内に存在するか否かを判定する(S5)。具体的には、S5の処理では、算出されたソフトリミット領域を構成する各絶対座標に、加工ヘッド1の絶対座標(0,0)が含まれるか否かを判定している。S5の判定が否定される場合(S5:No)、S13の処理へ移行する。一方、S5の判定が肯定される場合(S5:Yes)、次の手動移動で、加工ヘッド1がソフトリミット領域外となるか否かを判定する(S6)。具体的には、S6の処理では、次の手動移動による移動量から、次のソフトリミット領域の絶対座標を算出し、その絶対座標に加工ヘッド1の絶対座標(0,0)が含まれなくなるか否かを判定している。
S6の判定が肯定される場合(S6:Yes)、XYステージ2の手動移動を無効とし(XYステージ2の平面移動を規制し)、加工ヘッド1をソフトリミット領域内に留める(S7)。その後、S13の処理へ移行する。このS7の処理により、操作者の誤操作等が行われても、加工ヘッド1がソフトリミット領域外へ不用意に逸脱してしまうことを防止することができる。従って、不用意な事故、即ち、加工ヘッド1が枠付ワークK2に近接している状態で誤操作が行われて、加工ヘッド1がソフトリミット領域外へ逸脱する過程で、加工ヘッド1と枠付ワークK2の例えば突起部とが接触してしまう等の事故を、未然に防止することができる。
一方、S6の判定が否定される場合(S6:No)、加工ヘッド1が中央近傍領域内に存在するか否かを判定する(S8)。具体的には、S7の処理では、算出された中央近傍領域を構成する各絶対座標に、加工ヘッド1の絶対座標(0,0)が含まれるか否かを判定している。
S8の判定が肯定される場合(S8:Yes)、自動移動機能を有効化し(S9:自動移動機能を動作可能状態とし)、自動移動ボタン257が押下されたか否かを判定する(S10)。S10の判定が肯定される場合(S10:Yes)、枠付ワークK2の中心Sの絶対座標と、加工ヘッド1の位置である原点Tの絶対座標(0,0)とを使用して、枠付ワークK2(薄板K3)の中心Sが原点Tへ移動するように、XYステージ2を移動する(S11)。具体的には、S11の処理では、枠付ワークK2(薄板K3)の中心Sの絶対座標が(0,0)となるよう、XYステージ2を移動する。その後、S13の処理へ移行する。なお、S8の判定が否定される場合(S8:No)、自動移動機能を無効化し(S12:自動移動機能を動作不可状態とし)、S13の処理へ移行する。
このように、枠付ワークK2(薄板K3)の中心Sを原点Tへ自動移動させる制御を、加工ヘッド1が中央近傍領域内に存在する場合に限り、実行することができる。従って、不用意な事故、即ち、中央近傍領域外に加工ヘッド1が存在し、その加工ヘッド1がXYステージ2に近接している状態において、その状態であることを操作者が失念し、枠付ワークK2(薄板K3)の中心Sを原点Tへ自動移動させる制御が不用意に実行されることで、加工ヘッド1と枠付ワークK2の例えば突起部とが接触してしまう等の事故を、未然に防止することができる。
S13の処理では、閉じるボタン258が押下されたか否かが判定される(S13)。S13の判定が否定される場合(S13:No)、S4の処理へ戻る。一方、S13の判定が肯定される場合には(S13:Yes)、アニメーション表示画面251および情報表示画面252をLCD215から消去して(S14)、この位置調整処理を終了する。
上述した通り、第2実施の形態のレーザー加工機200によれば、枠付ワークK2の大きさが変化しても、枠付ワークK2の右上の角の検知点Dに対する位置、即ち、所定位置Bの検知点Dに対する位置は変化しない。よって、枠付ワークK2の大きさが変化しても、不変の位置である所定位置Bの検知点Dに対する位置を用いて、枠付ワークK2(薄板K3)の中心S、中央近傍領域およびソフトリミット領域の絶対座標を即座に算出することができる。これにより、枠付ワークK2の大きさが変化した場合に、それに伴って、枠付ワークK2の右上の角の検知点Dに対する位置が変化してしまうレーザー加工機と比較して、中心Sの絶対座標を短時間で算出(検出)することができる。また、レーザー加工機200によれば、中心Sの絶対座標を検出するまでの時間を短縮し、結果、薄板K3の貫通加工を開始するまでの時間を短縮することができる。更には、枠付ワークK2(薄板K3)の中心Sの絶対座標を正確に算出することができるので、その中心SとXYステージ2の中心(検知点D)とのずれ(相対位置)も、正確に算出することができる。
なお、第2実施の形態における枠付ワークK2(薄板K3)の中心Sが、特許請求の範囲に記載の加工基点に該当する。
以上、上記実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施の形態で挙げた数値(例えば、各構成の数量や寸法など)は一例を示すものであり、他の数値を採用することは当然可能である。
なお、説明の重複を避けるために、第1実施の形態では、第1治具20を主に説明したが、第2治具30は、第1治具20と同一の構成を有しており、当然、第1治具20と同一の作用、及び、効果を奏する。
また、第1ストッパ部23を溝41に挿通させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、溝41にめねじが形成されたプレートを予め挿入しておき、第1ストッパ部23をおねじとして、そのめねじに螺合させても良い。
また、第1実施の形態では、第1ストッパ部23の幅W3が開口部42の幅W1よりも大きく、溝内部43の幅W4よりも小さな場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1ストッパ部23の幅W3を溝内部43の幅W2より大きく構成しても良い。
この場合、第1螺合円筒部材24aを回転させて、第1軸部22がつれ周りした場合に、第1ストッパ部23を溝内部43の内壁で係止することができる。よって、第1ストッパ部23が回転して開口部42から離脱することを防いで、第1治具20の取り付け作業の効率を向上させることができる。
また、第1実施の形態では、枠付ワーク用治具10が挟持治具4と引張治具5との間に固定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、枠付ワーク用治具10をレール40に取り付けた状態で挟持治具4と引張治具5とをレール40から取り外した構成としても良い。
この場合、挟持治具4と引張治具5とがレール40から取り外されているので、枠付ワーク用治具10をレール40へ取り付ける作業およびレール40に取り付けられた枠付ワーク用治具10へ枠付ワークK2を取り付ける作業が容易となり、枠付ワークK2の取り付け作業の効率を向上させることができる。
また、第1実施の形態では、枠付ワーク用治具10が挟持治具4と引張治具5との間に固定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、挟持治具4と引張治具5とレール40の片側に集めて枠付ワーク用治具10をレール40に取り付けた構成としても良い。
この場合、挟持治具4と引張治具5とが片側に集められているので、枠付ワーク用治具10をレール40へ取り付ける作業およびレール40に取り付けられた枠付ワーク用治具10へ枠付ワークK2を取り付ける作業が容易となり、枠付ワークK2の取り付け作業の効率を向上させることができる。
また、第1実施の形態では、一対のレール40が薄板用治具3及び枠付ワーク用治具10の両側に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、1個のレール40が薄板用治具3及び枠付ワーク用治具10の長手方向の中央に配設される構成としても良い。
この場合、レール40が薄板用治具3及び枠付ワーク用治具10の長手方向の中央に配設されているので、枠付ワーク用治具10へ枠付ワークK2を取り付ける際に、レール40が枠付ワークK2の近傍に配設される。よって、レール40が枠付ワークK2を枠付ワーク用治具10に取り付ける作業の邪魔になることを防止することができる。
その結果、レール40に取り付けられた枠付ワーク用治具10へ枠付ワークK2を取り付ける作業が容易となり、枠付ワークK2の取り付け作業の効率を向上させることができる。
また、第2実施の形態では、X方向位置決め部材51を、図1の左方における当接面50bに配置したが、これに限られるものではなく、X方向位置決め部材51を、図1の右方における当接面50bに配置しても良い。この構成の場合でも、第2実施の形態のレーザー加工機200の同様の効果を奏する。
また、第2実施の形態では、第1治具20を、レール40の予め定められた位置に固定し、第2治具30を、レール40に着脱自在に取着したが、これに限られるものではなく、第2治具30を、レール40の予め定められた位置に固定し、第1治具20を、レール40に着脱自在に取着しても良い。なお、この構成の場合には、第2治具30の第2取着部31が、レール40の予め定められた位置に固定される。よって、第2取着部31の位置を、検知点Dに対する位置が予め定められたXYステージ2上の位置にすることができる。また、第2挟持部35は、前述の通り、枠付ワークK2の位置を決めるY方向位置決め部材50およびX方向位置決め部材51を有している。よって、上述の構成時には、枠付ワークK2の左上の角の検知点Dに対する位置を、不変の位置にすることができる。
また、第2実施の形態では、XYステージ2の中心を検知点Dとしたが、これに限られるものではなく、検知点Dは、XYステージ2上の任意の1点であれば良い。また、第2実施の形態では、枠付ワークK2の中心と薄板K3の中心とを一致させたが、これに限られるものではなく、枠付ワークK2の中心と薄板K3の中心とをずらしても良い。
また、第2実施の形態では、枠付ワーク情報メモリ212aに記憶された枠付ワーク中心情報を用いて、枠付ワークK2(薄板K3)の中心Sの絶対座標を算出したが、これに限られるものではない。即ち、枠付ワーク中心情報の代わりに、所定位置Bから枠付ワークK2或いは薄板K3の任意点までのX方向およびY方向の移動量を枠付ワーク任意点情報として枠付ワーク情報メモリ212aに記憶させ、この情報を用いて、枠付ワークK2或いは薄板K3の任意点の絶対座標をCPU211に算出させても良い。
100 レーザー加工機
1 加工ヘッド
2 XYステージ
3 薄板用治具
4 挟持治具
5 引張治具
10 枠付ワーク用治具
20 第1治具
21 第1取着部
25 第1挟持部
30 第2治具
31 第2取着部
35 第2挟持部
22 第1軸部
23 第1ストッパ部
24 第1螺合部材
26 第1主梁
26a 平坦面(第1主梁の平坦面)
27 第1副梁
27a 平坦面(第1副梁の平坦面)
28 第1締結部材
29 第1スライド部(第1主梁の一部)
40 レール
41 溝
42 開口部
43 溝内部
50 Y方向位置決め部材(位置決め部の一部)
51 X方向位置決め部材(位置決め部の一部)
212a 枠付ワーク情報メモリ(記憶手段)
219 位置検出センサ(検出手段)
253 サイズ指定画面(受付手段)
K1 薄板
K2 枠付ワーク
S3 位置調整処理(算出手段の一部)
S4 位置調整処理(算出手段の一部)
S5 位置調整処理(限界判定手段)
S6 位置調整処理(規制手段の一部)
S7 位置調整処理(規制手段の一部)
S8 位置調整処理(判定手段)
S10 位置調整処理(受付制御手段)
W4 幅(ストッパ部の一の幅)
W3 幅(ストッパ部の最大幅)
W1 幅(開口部の幅)
W3 幅(溝内部の幅)
W5 対向間隔
本発明は、レーザー加工に関し、特に、枠付ワークに貼り付けられた薄板上の加工基点を短時間で検出することができるレーザー加工に関するものである。
従来のレーザー加工機では、加工精度を確保するために、被加工物(薄板、枠付ワーク(額縁状の枠体に薄板が貼り付けられたもの))の種類に応じて専用の固定治具を用いていた。例えば、特開2002−205182号公報には、枠付ワーク専用の固定治具を備えたレーザー加工機に関する技術が記載されており(特許文献1)、特開2002−248588号公報には、薄板専用の固定治具を備えたレーザー加工機に関する技術が記載されている(特許文献2)。
特開2002−205182号公報 特開2002−248588号公報
ところで、枠付ワークを被加工物とした場合に、レーザー加工機で加工する枠付ワークの大きさが変化した場合には、その変化に伴い、枠付ワークに貼り付けられた薄板の位置も変化するので、薄板上の加工基点の検出に長時間を要してしまうという問題点があった。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、枠付ワークに貼り付けられた薄板上の加工基点を短時間で検出することができるレーザー加工機を提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項記載のレーザー加工機は、レーザー光線を照射する加工ヘッドと、その加工ヘッドを原点として平面移動するXYステージと、そのXYステージ上に存在する検知点の前記原点に対する位置を変化させることで、前記XYステージ上に配置された薄板を前記加工ヘッドに対して平面移動させ、前記薄板に前記レーザー光線を照射することで、その薄板に貫通加工を施すものであり、前記検知点に対する位置が予め定められた前記XYステージ上の規定位置に固定して取着される第1取着部と、その第1取着部に固着され、前記薄板が額縁状の枠体に貼り付けられた矩形状の枠付ワークの一端を挟持する第1挟持部と、その第1挟持部に設けられ、前記枠付ワークの一端に存在する一方の角に当接することで、その枠付ワークの平面移動を規制して、前記一方の角の前記検知点に対する位置を予め定められた所定位置にする位置決め部とを有する第1治具と、前記XYステージ上に着脱自在に取着される第2取着部と、その第2取着部に固着され、前記枠付ワークの一端とは反対側となる前記枠付ワークの他端を挟持する第2挟持部とを有し、前記第1治具に対向すると共にその第1治具から所定の距離だけ離間した位置に配設される第2治具と、前記検知点の前記原点に対する位置を検出する検出手段と、前記一方の角の前記検知点に対する位置である前記所定位置から前記枠付ワークに貼り付けられた前記薄板上の加工基点までの移動量を、前記枠付ワークの大きさに対応付けて複数記憶する記憶手段と、前記第1挟持部および第2挟持部に挟持された前記枠付ワークの大きさの指定を受け付ける受付手段と、その受付手段により受け付けられた前記枠付ワークの大きさに対応する前記移動量を前記記憶手段に記憶された移動量から選択し、その選択した移動量と前記所定位置の前記検知点に対する位置と前記検出手段により検出された検知点の前記原点に対する位置とを用いて、前記加工基点の前記原点に対する位置を算出する算出手段とを備えている。
請求項記載のレーザー加工機は、請求項記載のレーザー加工機において、前記記憶手段は、前記枠付ワークに貼り付けられた前記薄板上の加工基点を含み、且つ、前記枠付ワークの内側に存在する領域である近傍領域が特定可能な前記所定位置からの移動量の変動範囲を、前記枠付ワークの大きさに対応付けて複数記憶するものであり、前記算出手段は、前記受付手段により受け付けられた前記枠付ワークの大きさに対応する前記移動量の変動範囲を前記記憶手段に記憶された移動量の変動範囲から選択し、その選択した移動量の変動範囲と前記所定位置の前記検知点に対する位置と前記検出手段により検出された検知点の前記原点に対する位置とを用いて、前記近傍領域の前記原点に対する位置を算出するものであり、その算出された前記近傍領域の前記原点に対する位置を用いて、前記原点に位置する前記加工ヘッドが前記近傍領域内に存在するかを判定する判定手段と、その判定手段により前記加工ヘッドが前記近傍領域内に存在すると判定された場合に、前記XYステージの平面移動を制御することで、前記加工基点を前記原点へ自動で移動させる制御を実行すると共にその実行の開始を受け付ける受付制御手段とを備えている。
請求項記載のレーザー加工機は、請求項記載のレーザー加工機において、前記記憶手段は、前記近傍領域を含み、且つ、前記枠付ワークの内側に存在する領域である限界領域が特定可能な前記所定位置からの移動量の変動範囲を、限界変動範囲として前記枠付ワークの大きさに対応付けて複数記憶するものであり、前記算出手段は、前記受付手段により受け付けられた前記枠付ワークの大きさに対応する前記限界変動範囲を前記記憶手段に記憶された限界変動範囲から選択し、その選択した限界変動範囲と前記所定位置の前記検知点に対する位置と前記検出手段により検出された検知点の前記原点に対する位置とを用いて、前記限界領域の前記原点に対する位置を算出するものであり、その算出された前記限界領域の前記原点に対する位置を用いて、前記原点に位置する前記加工ヘッドが前記限界領域内に存在するかを判定する限界判定手段と、その限界判定手段により前記加工ヘッドが前記限界領域内に存在すると判定された場合には、前記XYステージの平面移動を規制することで、前記加工ヘッドを前記限界領域内に留める規制手段とを備えている。
請求項記載のレーザー加工機によれば、算出手段は、加工基点の原点に対する位置を、第1挟持部および第2挟持部に挟持された枠付ワークの大きさに対応して算出する。この算出手段の算出には、枠付ワークの大きさに対応して記憶手段から選択した移動量と、所定位置の検知点に対する位置、即ち、枠付ワークの一端に存在する一方の角の検知点に対する位置と、検出手段により検出された検知点の原点に対する位置とが用いられる。ここで、枠付ワークの一端に存在する一方の角の検知点に対する位置は、第1治具が有する第1取着部および位置決め部により、枠付ワークの大きさに拘らず、予め定められた所定位置となる。つまり、枠付ワークの一端に存在する一方の角の検知点に対する位置は、第1取着部および位置決め部により、枠付ワークの大きさが変化しても、所定位置から変化することはない。よって、算出手段は、枠付ワークの大きさが変化しても、不変の位置である所定位置の検知点に対する位置を用いて、枠付ワークに貼り付けられた薄板上の加工基点の原点に対する位置を即座に算出することができる。これにより、枠付ワークの大きさが変化した場合に、それに伴って、枠付ワークの一端に存在する一方の角の検知点に対する位置が変化してしまうレーザー加工機と比較して、算出手段は、加工基点の原点に対する位置を短時間で算出(検出)することができるという効果がある。また、薄板上の加工基点を検出するまでの時間を短縮し、結果、薄板の貫通加工を開始するまでの時間を短縮することができるという効果がある。
請求項記載のレーザー加工機によれば、請求項記載のレーザー加工機の奏する効果に加え、算出手段は、選択した移動量の変動範囲と所定位置の検知点に対する位置と検出手段により検出された検知点の原点に対する位置とを用いて、近傍領域の原点に対する位置を算出する。そして、判定手段は、算出された近傍領域の原点に対する位置を用いて、原点に位置する加工ヘッドが近傍領域内に存在するかを判定する。ここで、加工ヘッドが近傍領域内に存在すると判定手段により判定されると、受付制御手段は、XYステージの平面移動を制御することで、薄板上の加工基点を原点へ自動で移動させる制御の実行開始を受け付ける。よって、薄板上の加工基点を原点へ自動で移動させる制御を、加工ヘッドが近傍領域内に存在する場合に限り、実行することができる。従って、請求項記載のレーザー加工機によれば、不用意な事故、即ち、近傍領域外に加工ヘッドが存在し、その加工ヘッドがXYステージに近接している状態において、その状態であることを操作者が失念し、薄板上の加工基点を原点へ自動で移動させる制御が不用意に実行されることで、加工ヘッドと枠付ワークの例えば突起部とが接触してしまう等の事故を、未然に防止することができるという効果がある。
請求項記載のレーザー加工機によれば、請求項記載のレーザー加工機の奏する効果に加え、算出手段は、選択した移動量の限界変動範囲と所定位置の検知点に対する位置と検出手段により検出された検知点の原点に対する位置とを用いて、限界領域の原点に対する位置を算出する。そして、限界判定手段は、算出された限界領域の原点に対する位置を用いて、原点に位置する加工ヘッドが限界領域内に存在するかを判定する。ここで、加工ヘッドが限界領域内に存在すると限界判定手段により判定されると、規制手段は、XYステージの平面移動を規制することで、加工ヘッドを限界領域内に留める。よって、操作者の誤操作等により、加工ヘッドが限界領域外へ不用意に逸脱してしまうことを防止することができる。従って、請求項記載のレーザー加工機によれば、不用意な事故、即ち、加工ヘッドが枠付ワークに近接している状態で誤操作が行われて、加工ヘッドが限界領域外へ逸脱する過程で、加工ヘッドと枠付ワークの例えば突起部とが接触してしまう等の事故を、未然に防止することができるという効果がある。
本発明の1実施の形態におけるレーザー加工機の上面図である。 (a)は、図1の矢印IIa方向から見たレーザー加工機の側面図であり、(b)は、図1の矢印IIb方向から見たレーザー加工機の正面図である。 図1のIII−III線における第1挟持部の断面図である。 図1のIV−IV線における第1取着部の断面図である。 第2実施の形態におけるレーザー加工機の電気的構成を示したブロック図である。 第1挟持部および第2挟持部に枠付ワークが挟持された状態で、図1に示す加工ヘッドから枠付ワークを視た場合を模式的に示した図である。 枠付ワーク情報メモリに記憶される枠付ワーク情報を模式的に示した図である。 薄板に貫通加工を施す前に、枠付ワークの位置調整を行なう場合におけるLCDの表示画面を模式的に示した図である。 位置調整処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の好ましい実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、図1及び図2を参照して、レーザー加工機100の構成について説明する。図1は、本発明の1実施の形態におけるレーザー加工機100の上面図であり、図2(a)は、図1の矢印IIa方向から見たレーザー加工機100の側面図であり、図2(b)は、図1の矢印IIb方向から見たレーザー加工機100の正面図である。
なお、図1及び図2では、図面の簡素化のため、XYステージ2が取り付けられる定盤および加工ヘッド1の一部を省略して図示すると共に、図1及び図2(a)では、薄板K1の外形および枠付ワークK2の外形を仮想的に2点鎖線で図示している。また、理解を容易とするために、第2治具30は、枠付ワークK2を挟む前の状態を示している。
レーザー加工機100は、電子部品の基盤に半田を塗布する際に、その半田を基盤の必要な箇所にだけ塗布するためのマスキングを行うステンレス板を加工するものであり、図1、図2(a)及び図2(b)に示すように、加工ヘッド1と、XYステージ2と、薄板用治具3と、枠付ワーク用治具10とを備えている。
なお、上述したステンレス板は、額縁状に構成された枠体に貼り付けられた状態にて電子基板を覆ってマスキングを行うものであるので、ステンレス板を枠体に取り付ける必要がある。ステンレス板を枠体に取り付ける方法としては、主に、加工されたステンレス板を枠体に貼り付ける方法と、加工前のステンレス板を枠体に貼り付けてから加工する方法との2つの方法がある。
また、加工されたステンレス板を枠体に貼り付ける方法では、加工前のステンレス板である薄板K1のみを薄板用治具3にて固定する。一方、加工前のステンレス板を枠体に貼り付けてから加工する方法では、加工前のステンレス板が枠体に貼り付けられた枠付ワークK2を後述する枠付ワーク用治具10にて固定する。
即ち、被加工物(薄板K1及び枠付ワークK2)の厚さ(図2(b)上下方向寸法値)が異なることと、後述するレーザー加工機100によりステンレス板を引っ張る必要性の有無とで、薄板用治具3と枠付ワーク用治具10とを使い分ける。
加工ヘッド1は、レーザー光線を照射する部材であり、照射されたレーザー光線が薄板K1及び枠付ワークK2に貫通穴を加工する。XYステージ2は、加工ヘッド1に対して平面移動する部材であり、図示しない定盤に平面移動可能に取着されると共に、レーザー加工機100が地面(水平面)に設置された状態において、水平方向(図1上下方向および図1左右方向、図2(a)左右方向、図2(b)左右方向)に移動可能とされている。
また、XYステージ2は、金属製の角材から構成されており、図1に示すように、上面視(図1紙面垂直方向視)矩形の外形を有している。そのXYステージ2の対向する2辺のそれぞれに、棒状に構成された一対のレール40が互いに平行に配設されている。
そのレール40の上面側(図1紙面垂直方向手前側)には、複数(本実施の形態では2個)の溝41が凹設されており、その溝41を利用して薄板用治具3がXYステージ2に締結され、枠付ワーク用治具10がXYステージ2に締結されている。なお、レール40の詳細構成に関しては、図4を参照して後述する。
薄板用治具3は、XYステージ2に取り付けられると共に加工対象となる薄板K1をXYステージ2に固定する固定治具であり、図2(b)に示すように、挟持治具4と、引張治具5とを備えている。
挟持治具4は、薄板K1の一端(図2(b)左側端)を挟持して薄板K1をXYステージ2に対して固定する部材であり、引張治具5は、挟持治具4によって挟持された薄板K1の一端と反対側の他端(図2(b)右側端)を挟持すると共にエアシリンダー6を介してXYステージ2に取着される部材であり、エアシリンダー6の伸縮により薄板K1の一端から他端に向かう方向(図2(b)左右方向)に引張治具5が移動される。
また、挟持治具4及び引張治具5は、図1に示すように、薄板K1を押圧する複数(本実施の形態では4個)のクランプ4a及び複数(本実施の形態では4個)のクランプ5aをそれぞれに備えている。なお、それら複数のクランプ4a及び複数のクランプ5aは、後述する一対のレール40の一方と他方とを結んだ方向(図1上下方向)にそれぞれ等間隔に並んで配設されている。
上述したレーザー加工機100では、挟持治具4と引張治具5とで薄板K1が挟持され、引張治具5がエアシリンダー6により挟持治具4から離間する方向(図2(b)左右方向)へ移動されることで薄板K1に張力が与えられて、薄板K1の変形(しわ)が低減される。その薄板K1がXYステージ2の平面移動により加工ヘッド1に対して平面移動されて、薄板K1に照射されるレーザー光線の照射位置が変化して薄板K1に貫通孔の群が形成される。
ここで、本実施の形態では、薄板K1に引張力を与えて、薄板K1の変形(しわ)を低減させて、加工ヘッド1との距離(図2(b)上下方向寸法値)を一様に保っているので、薄板K1と加工ヘッド1との距離が一様となり、薄板K1の加工精度の向上を図ることができる。
枠付ワーク用治具10は、XYステージ2に取り付けられると共に加工対象となる枠付ワークK2をXYステージ2に固定する固定治具であり、図1及び図2(b)に示すように、第1治具20とその第1治具20に対向すると共に第1治具20からレール40の長手方向(図1左右方向)に所定の距離だけ離間した位置に配設される第2治具30とを備えている。
なお、第1治具20と第2治具30との構成は、ほぼ同一であるので、主に、第1治具20について説明し、第2治具30の第1治具20と異なる部分のみを説明し、それ以外の第2治具30の部分については説明を省略する。
第1治具20は、レール40に着脱自在に取着される一対の第1取着部21と、それら第1取着部21を接続すると共に枠付ワークK2の一端(図1右側)を挟持する第1挟持部25とを備え、第2治具30は、レール40に着脱自在に取着される第2取着部31と、それら第2取着部31を接続すると共に枠付ワークK2の一端の反対側である他端(図1左側)を挟持する第2挟持部35とを備え、第1取着部21及び第2取着部31のレール40への取着位置は、挟持治具4と引張治具5との間とされている。
ここで、実施の形態によれば、第2治具30が第1治具20に対向されると共に第1治具20からレール40の長手方向(図1左右方向)に所定の距離だけ離間した位置に配設されているので、枠付ワークK2の一端(図1右側端)が第1挟持部25によって挟持され、枠付ワークK2の他端(図1左側端)が第2挟持部35によって挟持される。
加えて、レール40に対する第1取着部21および第2取着部31の取着位置が挟持治具4と引張治具5との間とされているので、挟持治具4と引張治具5とが薄板K1を挟持しておらず、挟持治具4と引張治具5との間に空間が確保された状態では、枠付ワークK2を挟み込んだ枠付ワーク用治具10が挟持治具4と引張治具5との間に着脱自在に取着される。
よって、薄板用治具3をXYステージ2から取り外すことなく、枠付ワーク用治具10をXYステージ2に取り付け、枠付ワーク用治具10に挟持された枠付ワークK2を加工ヘッド1から照射されるレーザー光線により加工することができる。
その結果、枠付ワークK2を加工する際に、薄板用治具3をレール40から取り外す手間を省くことができるので、その分、枠付ワークK2を加工するための段取りに掛かる時間を短縮することができる。
また、再び、薄板K1を加工する場合には、薄板用治具3がレール40に取り付けられた状態で枠付ワーク用治具10がレール40に取着されているので、枠付ワーク用治具10を取り外すと、薄板用治具3が使用可能となり、薄板用治具3で薄板K1を挟持することができるので、薄板用治具3に挟持された薄板K1を加工ヘッド1から照射されるレーザー光線により加工することができる。
その結果、薄板K1を加工する際に、薄板用治具3を取り付ける手間を省くことができるので、その分、枠付ワークK2を加工した後に薄板K1を加工するための段取りに掛かる時間を短縮することができる。即ち、本実施の形態によれば、薄板用治具3を取り外す手間を省くことができるので、枠付ワークK2および薄板K1を加工するための段取りに掛かる時間を短縮することができる。
また、第1治具20と第2治具30とを有する枠付ワーク用治具10を備えているので、作業者が第1治具20および第2治具30を1個ずつレール40に取着することができる。そのため、第1治具20と第2治具30とが一体として構成される場合と比較して、作業者が一度に持ち上げなければならない重量を低減することができる。よって、第1治具20及び第2治具30をレール40に取り付ける際に、作業者への負担を低減して作業性の向上を図ることができる。
なお、第1取着部21の詳細構成に関しては、図4を参照して、第1挟持部25の詳細構成に関しては、図3を参照して後述する。
次いで、図3を参照して、第1挟持部25の詳細構成について説明する。図3は、図1のIII−III線における第1挟持部25の断面図である。なお、理解を容易とするため、第1締結部材28は、側面を示している。また、上述したように、第1治具20と第2治具30との構成は、ほぼ同一であるので第2挟持部35についての説明を省略する。
第1挟持部25は、枠付ワークK2を挟持するための部材であり、図3に示すように、第1主梁26と、第1副梁27と、第1締結部材28と、Y方向位置決め部材50と、X方向位置決め部材51とを備えている。
第1主梁26は、長尺形状(図4参照)のアングル材にて構成されると共に、図3に示すように、L字形状の断面を有しており、主に、平坦面26aと、側面26bと、複数(本実施の形態では5個)の貫通孔26cとを備えている。
また、第1主梁26は、一対の第1スライド部29(図4参照)を備えており、それら第1スライド部29は、ブロック状に構成され第1主梁26の両端に接続されている。その第1スライド部29には、後述する第1取着部21(図4参照)の第1軸部22が挿通される貫通孔29c(図4参照)が貫通形成されている。
平坦面26aは、枠付ワークK2のステンレス板が貼り付けられた側(図3上側)の面に当接される平坦面であり、図3に示すように、L字形状の内側に形成されると共にXYステージ2が移動する仮想平面に平行とされている。
側面26bは、後述するY方向位置決め部材50の当接面50aが当接される平坦面であり、図3に示すように、L字形状の内側に形成されと共に平坦面26aに対して直交して配設されている。貫通孔26cは、後述する第1締結軸部28aが内嵌される貫通孔であり、図3に示すように、平坦面26aに開口を有している。
第1副梁27は、図3に示すように、長尺形状に構成されると共に矩形状の断面を有しており、平坦面27aと、複数(本実施の形態では5個)の貫通孔26cとを備えている。平坦面27aは、枠付ワークK2のステンレス板が貼り付けられた側の面と反対側(図3下側)の面に当接される平坦面であり、図3に示すように、第1主梁26の平坦面26aに対向して形成されると共にXYステージ2が移動する仮想平面に平行とされている。貫通孔27cは、後述する第1締結軸部28aが内嵌される貫通孔であり、図3に示すように、平坦面27bに開口を有している。
第1締結部材28は、第1主梁26と第1副梁27とで枠付ワークK2を挟むための部材であり、図3に示すように、第1締結軸部28aと、第1締結ストッパ部28bと、第1締結螺合28cとを備えている。
第1締結軸部28aは、第1主梁26と第1副梁27とを連結するための部材であり、両側端部の外周面におねじが形成された円柱状に構成され、第1主梁26の貫通孔26cと第1副梁27の貫通孔27cとに摺動可能に内挿されている。第1締結ストッパ部28bは、ダブルナット機能を有する部材であり、第1締結軸部28aの下端側の端部に螺着されて、第1締結軸部28aに対して回動不能とされている。
第1締結螺合28cは、第1締結軸部28aに対して螺進することで、第1主梁26の平坦面26aと第1副梁27の平坦面27aとの対向間隔W5を縮小させるための部材であり、図3に示すように、第1締結円筒部材28c1と、第1締結ハンドル部材28c2とを備えている。
第1締結円筒部材28c1は、第1締結軸部28aに形成されたおねじに螺合される部材であり、内周面にめねじが形成され一端側が閉封された袋ナット状に構成され、外周面には、スプラインが形成されている。そのスプラインの溝は、袋ナットの開口側から底側向けて延設されている。
第1締結ハンドル部材28c2は、第1締結円筒部材28c1が内嵌される貫通孔を有し、その貫通孔の径方向外側に向けて棒状の把持部が凸設されている。そのため、第1締結ハンドル部28c2を回転させる場合に、作業者が手で第1締結円筒部28c1を把持して回転させることも可能となる。よって、第1挟持部25をレール40に固定する際の工具を不要とすることができる。その結果、工具を準備する手間を省いて、枠付ワークK2を加工するための段取りに掛かる時間を短縮することができる。
また、第1締結ハンドル部28c2の貫通孔の内周面には、第1締結円筒部材28c1に形成されたスプラインに対応したスプラインが第1締結軸部28aの長手方向に沿って部分的に形成されている。
そのため、第1締結軸部28aの長手方向(図3上下方向)における第1締結円筒部材28c1と第1締結ハンドル部材28c2との位置を変化させると第1締結円筒部材28c1のスプラインと第1締結ハンドル部材28c2のスプラインとを係合させたり、その係合を解除させたりすることができる。
また、第1締結円筒部材28c1と第1締結ハンドル部材28c2とは、弾性部材を介して連結されている。そのため、弾性部材の弾性力により、第1締結円筒部材28c1と第1締結ハンドル部材28c2との位置が固定される。
その弾性部材によって固定された位置において、第1締結円筒部材28c1のスプラインと第1締結ハンドル部材28c2のスプラインとが係合されるように構成されているので、第1締結ハンドル部材28c2は、常時、第1締結円筒部材28c1に係合された状態となる。
ここで、本実施の形態では、第1締結軸部28aの長手方向における第1締結円筒部材28c1と第1締結ハンドル部材28c2との位置を変化させると、第1締結円筒部材28c1のスプラインと第1締結ハンドル部材28c2のスプラインとを係合させたり、その係合を解除させたりすることができるので、作業者が第1締結ハンドル部材28c2を第1締結円筒部材28c1に対して、第1締結軸部28aの長手方向(図3上下方向)に変位させることで、第1締結円筒部材28c1のスプラインと第1締結ハンドル部材28c2のスプラインとの係合を解除することができる。
よって、作業者が第1締結ハンドル部材28c2を把持して回転させ、第1締結円筒部材28c1を第1締結軸部28aに螺着させる過程において、第1締結ハンドル部材28c2の位置が作業者が第1締結ハンドル部材28c2に力を入れ難い角度になった場合であっても、第1締結ハンドル部材28c2を第1締結円筒部材28c1に対して変位させることで、第1締結ハンドル部材28c2と第1締結円筒部材28c1との係合を解除して、第1締結ハンドル部材28c2を自由に回転させて位置を変え、力が入れ易い角度で再び係合させることができる。
Y方向位置決め部材50は、枠付ワークK2の位置を決めるための部材であり、図3に示すように、角材から1個の角を切り欠いた5角形形状の断面に構成されると共に当接面50aと、当接面50bと、当接面50cと、複数(本実施の形態では5個)の貫通孔50dとを備えている。
また、Y方向位置決め部材50は、第1主梁26に図示しないボルトを介して締結されている。このように、形状が簡単な部品を組み合わせているので、レーザー加工機100の製造コストの削減を図ることができる。
例えば、第1主梁26とY方向位置決め部材50とを組み合わせた形状を鋳型を使って形成した場合には、型の制作費が発生するので、製造する数が少ない場合には、型の制作費の分、部品コストが嵩むという不具合が生じる。特に、レーザー加工機100は、受注生産品であり、製造数が少ない製品であり、型費が発生するのは、製品コストが嵩む大きな要因となる。
これに対し、本実施の形態におけるレーザー加工機100では、第1主梁26を汎用のアングル材から形成し、Y方向位置決め部材50を汎用の角材から形成して、それらを組み合わせているので、型の制作費を発生させずに、レーザー加工機100を製造することができる。
図3に示すように、当接面50aは、第1主梁26の側面26bに当接される面であり、当接面50bは、当接面50aに対して平行に配設される面である。当接面50cは、第1主梁26の平坦面26aに当接される面であり、当接面50a,50bに対して直交して配設されている。また、貫通孔50dは、第1締結軸部28aが内嵌される貫通孔であり、当接面50aと当接面50bとの間に配設され当接面50a,50bに沿って貫通形成されると共に当接面50cに開口を有している。
また、貫通孔50dの配設位置は、当接面50aが第1主梁26の側面26bに当接された状態で、貫通孔50dの内周面と第1締結軸部28aの外周面との間に隙間を有する位置とされている。
例えば、当接面50aと側面26bとの間に隙間が形成された状態で、貫通孔50dの内周面が第1締結軸部28aの外周面に当接している場合には、枠付ワークK2が当接面50bに当接して、Y方向位置決め部材50を第1主梁26の側面26bに向けて押し付けると、貫通孔50dの内周面と第1締結軸部28aの外周面との間に摩擦抵抗が生じて第1締結軸部28aの動きが硬くなり、作業効率が低下するという不具合が生じる。
これに対し、本実施の形態では、枠付ワークK2を当接面50bに当接させ、当接面50aを第1主梁26の側面26bに当接させた状態において、貫通孔50dの内周面と第1締結軸部28aの外周面との間に隙間を有する構成とされているので、貫通孔50dの内周面と第1締結軸部28aの外周面との間に摩擦抵抗が生じることを防止することができる。その結果、第1締結軸部28aの動きを円滑として、作業効率の向上を図ることができる。
また、例えば、Y方向位置決め部材50の断面を矩形形状に構成した場合には、矩形の角とL字の角とが当接するので、第1主梁26の平坦面26a,26bの両方にY方向位置決め部材50の側面である当接面50c,50aを当接されない。そのため、Y方向位置決め部材50を第1主梁26に面接触させることが困難となり、Y方向位置決め部材50の第1主梁26に対する位置決め精度が低下するという不具合が生じる。
これに対し、本実施の形態では、Y方向位置決め部材50が矩形の1個の角を切り欠いた5角形形状の断面形状に構成されているので、Y方向位置決め部材50の切り欠かれた部位をL字の角に対応させることで、当接面50c,50aの両方を第1主梁26の平坦面26a,26bに当接させることができる。その結果、Y方向位置決め部材50の第1主梁26に対する位置決め精度を向上させて、枠付ワークK2の第1主梁26に対する位置決め精度の向上を図ることができる。
X方向位置決め部材51は、枠付ワークK2の位置を決めるための部材であり、Y方向位置決め部材50の当接面50bにボルトBを介して締結されている。よって、Y方向位置決め部材50にボルトBが螺合されるめねじを複数形成しておくことで、Y方向位置決め部材50の形状を変更することなく、X方向位置決め部材51の配設場所を変更することができる。
そのため、枠付ワークK2の形状および枠付ワークK2へのレーザー加工の位置の変更によって、枠付ワークK2の位置決め場所に変更が生じた場合であっても、Y方向位置決め部材50及びX方向位置決め部材51の形状を変更することなく対応することができる。
また、Y方向位置決め部材50及びX方向位置決め部材51は、レール40に取り付けられる第1主梁26に取り付けられているので、枠付ワークK2を第1主梁26と第1副梁27とで挟持する過程において発生する枠付ワークK2の位置ずれを防止することができる。
例えば、Y方向位置決め部材50及びX方向位置決め部材51を第1副梁27に固定した場合には、枠付ワークK2を第1主梁26と第1副梁27とで挟持する過程において、第1副梁27の水平位置(図3左右方向の位置)がレール40に対して変化するという不具合が生じる。
即ち、レール40には第1主梁26が固定されているので、第1副梁27が第1主梁26と枠付ワークK2を挟持して、第1副梁27と第1主梁26とが一体となるまで、第1副梁27のレール40に対する位置が確定しない。その結果、位置決め精度が低下していた。
これに対し、本実施の形態では、Y方向位置決め部材50及びX方向位置決め部材51がレール40に取り付けられる第1主梁26に取り付けられているので、枠付ワークK2を第1主梁26と第1副梁27とで挟持する過程において、枠付ワークK2の位置が変化することを防止して、位置決め精度の向上を図ることができる。
本実施の形態では、第1締結ハンドル部材28c2を回転させて、第1締結円筒部材28c1を第1締結軸部28aに対して螺進させることで、第1主梁26が第1締結円筒部材28c1に押圧され、第1副梁27が第1締結ストッパ部28bに押圧されて、第1主梁26の平坦面26aと第1副梁27の平坦面27aとの対向間隔W5が縮小される。
その結果、枠付ワークK2が第1主梁26の平坦面26aと第1副梁27の平坦面27aとの間に挟持される。即ち、枠付ワークK2の厚さ方向(図3上下方向)に配設される両面を第1主梁26の平坦面26aと第1副梁27の平坦面27aとで挟持する。
例えば、枠体の側面(枠体の薄板が貼り付けられた面に直交する平坦面)をその側面に対して垂直に押圧することで枠付ワークK2を挟持する構成とした場合には、枠体の薄板が貼り付けられた面の形状が変形されるので、薄板に変形(しわ)が生じやすく、変形により枠付ワークK2に貼り付けられた薄板にうねりが発生する。そのため、加工ヘッド1と枠付ワーク用治具10の薄板との距離を一様に保つことが困難となり、加工精度が低下するという不具合が生じる。
ここで、本実施の形態によれば、枠付ワークK2の厚さ方向(図3上下方向)の両面(上面には、薄板が貼り付けられている)を第1主梁26の平坦面26aおよび第1副梁27の平坦面27aの間で挟持する構成であるので、枠体の薄板が貼り付けられた面の形状の変形が抑えられる。よって、枠付ワークK2に貼り付けられた薄板に変形(しわ)が生じることを防止して、薄板へのうねりの発生を抑制することができる。その結果、加工時に加工ヘッド1と枠付ワークK2の薄板との距離を一様に保って加工精度の向上を図ることができる。
また、平坦面(第1主梁の平坦面、第2主梁の平坦面、第1副梁の平坦面および第2副梁の平坦面)で枠付ワークK2を挟持するので、枠付ワークK2に掛かる圧力を均一に保つことができる。そのため、圧力のむらにより発生する枠体の反り返りを防止して、枠体の薄板が貼り付けられた面の形状の変形を抑制することができる。
よって、枠付ワークK2に貼り付けられた薄板に生じる変形(しわ)を低減して、加工時に加工ヘッド1と枠付ワークK2の薄板との距離を一様に保ち加工精度の向上を図ることができる。
例えば、枠体の側面(枠体の薄板が貼り付けられた面に直交する平坦面)をその側面に対して垂直に押圧することで枠付ワークK2を挟持する構成とした場合には、XYステージ2の平面移動による振動でXYステージ2が平面移動する仮想平面に対して直交する方向(図3上下方向)へ枠付ワークK2がずれる場合がある。
ここで、本実施の形態によれば、枠付ワークK2の厚さ方向(図3上下方向)の両面を第1主梁26の平坦面26aおよび第1副梁27の平坦面27aの間で挟持する構成であるので、XYステージ2が平面移動する仮想平面に対して直交する方向(図3上下方向)へ枠付ワークK2がずれることを防止することができる。よって、枠付ワークK2の加工時に加工ヘッド1と枠付ワークK2の薄板との距離が徐々に変化していくことを防止して加工精度の向上を図ることができる。
また、本実施の形態では、複数(本実施の形態では5個)の第1締結部材28が第1挟持部25上に等間隔に並んで配設されている(図1参照)。よって、枠付ワークK2を均一に押さえつけることができる。そのため、押圧力のむらにより発生する枠体の反り返りを防止して、枠体の薄板が貼り付けられた面の形状の変形を抑制することができる。よって、枠付ワークK2のひずみを低減して、加工精度の向上を図ることができる。
また、第1締結部材28の配設間隔W6(図1参照)を300mm以下に設定することが好ましい。この場合、枠付ワークK2の大きさが縦300mm横300mmの大きさである場合に、第1挟持部25の2箇所の第1締結部材28で枠付ワークK2を挟持することができる。よって、枠付ワークK2の枠体の反り返りを防止して、枠体の薄板が貼り付けられた面の形状の変形を抑制することができる。その結果、枠付ワークK2のひずみを低減して、加工精度の向上を図ることができる。
また、第1締結部材28の配設間隔W6を250mm以上300mm以下に設定することがさらに好ましい。この場合、加工精度を確保しつつ余分な第1締結部材28の配設を省略することができるので、レーザー加工機100の部品コストを削減して、加工精度を確保すると共にレーザー加工機100の製品コストの削減を図ることができる。
また、第1締結部材28は、薄板用治具3(図1参照)の引張治具5が備えるクランプ5a(図1参照)に対して千鳥配置とされている(図1及び図2(a)参照)。よって、第1締結部材28とクランプ5aとが重なり合うことを防いで、第1締結部材28の操作性を確保することができる。よって、枠付ワークK2を着脱する作業を円滑に行うことができるので、その分、枠付ワークK2を加工するための段取りに掛かる時間を短縮することができる。
次いで、図4を参照して、第1取着部21およびレール40の詳細構成について説明する。図4は、図1のIV−IV線における第1取着部21の断面図である。なお、図4では、図面の簡素化のため、第1螺合部材24を側面で示している。また、図4では、理解を容易とするために、第1ストッパ部23及びレール40の一部を二点鎖線で囲んだ領域Aに拡大して図示すると共に、第1ストッパ部23が第1軸部22の軸心を中心として90度回転した状態を破線で図示している。
上述したように、レール40は、複数(本実施の形態では2個)の溝41を備えており、それら溝41は、レール40の上面側に凹設されると共にレール40の長手方向(図4紙面垂直方向)に延設されている。
溝41は、第1取着部21を案内する部位であり、図4に示すように、凹部の開口である開口部42と、その開口部42より凹部の底側(図4下側)の部位である溝内部43とを備えている。また、レール40の長手方向に直交する方向(図4左右方向)の開口部42の開口寸法値が幅W1とされ、レール40の長手方向に直交する方向(図4左右方向)の溝内部43の開口寸法値が幅W2とされている。
上述したように、第1取着部21は、レール40に着脱自在に取着されるものであり、図4に示すように、第1軸部22と、第1ストッパ部23と、第1螺合部材24とを備えている。
第1軸部22は、第1スライド部29をレール40に接続するための部材であり、上側(図4上側)の端部の外周面におねじが形成された円柱状に構成され、第1軸部22の直径が開口部42の幅W1及び第1スライド部29の貫通孔29cの内径よりも小さく構成されることで、開口部42及び第1スライド部29の貫通孔29cに内挿されている。
第1ストッパ部23は、レール40に対して掛止機能を有する部材であり、図4に示すように、第1軸部22の下側(図4下端側)の端部からフランジ状に張り出しており、底面視(図4下側から上側方向視)において、略長方形形状に構成されている。その略長方形形状の長手方向(図4左右方向)の寸法値が幅W3とされ、その長方形形状の長手方向に直交する方向の寸法値が幅W4とされている。
なお、第1ストッパ部23の長手方向の幅W3は、開口部42の幅W1より大きな寸法値とされ、第1ストッパ部23の長手方向に直交する方向の幅W4が開口部42の幅W1より小さな寸法値とされている。
そのため、第1ストッパ部23の長手方向と溝41の長手方向とが平行になるように、第1ストッパ部23を開口部42に対して配設すると、第1ストッパ部23の幅W4が開口部42の幅W1に対応するので、第1ストッパ部23を開口部42を介して溝内部43に挿入することができる。
また、第1ストッパ部23が溝内部43に挿入された状態で、第1ストッパ部23の長手方向とレール40の長手方向とが直交した位置関係になるように、第1ストッパ部23を開口部42に対して配設すると、第1ストッパ部23の幅W3が開口部42の幅W1に対応するので、第1ストッパ部23が開口部42によって係止される。
第1螺合部材24は、第1軸部22に対して螺進することで、第1スライド部29をレール40へ押圧する部材であり、図4に示すように、第1螺合円筒部材24aと第1螺合ハンドル部材24bとを備えている。
なお、第1螺合部材24は、第1締結螺合28cと同一の構成とされており、第1螺合円筒部材24aが第1締結円筒部材28c1に対応し、第1螺合ハンドル部材24bが第1締結ハンドル部材28c2に対応し、第1締結軸部28aが第1軸部22に対応するので、第1螺合部材24の詳細説明を省略する。
上述したように構成されたレーザー加工機100によれば、第1ストッパ部23の長方形形状の長手方向(図4左右方向)の幅W3を溝41の開口部42の幅W1に合わせて、その開口部42から第1ストッパ部23を溝内部43に挿入し、第1軸部22を開口部42に内嵌させた状態で移動させることで、第1治具20をレール40に沿って移動可能とすることができる。よって、第1治具20のレール40への取り付け位置を調整することができる(位置調整機能)。
その後、開口部42に第1ストッパ部23を挿入した状態で、第1ストッパ部23の向きを変えて、第1ストッパ部23の長手方向の張り出し部位(幅W3)を開口部42に係止させる。そして、第1螺合ハンドル部24bを回転させることで、第1螺合円筒部24aを第1軸部22に対して螺進させて、第1螺合円筒部24aと第1ストッパ部23との間隔を狭めることで、第1軸部22が挿通される第1スライド部29とレール40とを第1螺合円筒部24aと第1ストッパ部23との間で挟持することができる(固定機能)。
即ち、本実施の形態によれば、第1取着部21が第1治具20の位置調整機能および第1治具20の固定機能の両方の機能を備えている。
例えば、第1治具20の位置調整機能と第1治具20の固定機能とを別々の部材が備えている場合には、それら2種類の機能を備えるために2種類の部材が必要となる。そのため、レーザー加工機100を構成する部品の種類が多くなり、レーザー加工機100の製品コストが嵩むという不具合が生じる。
ここで、本実施の形態によれば、第1取着部21が第1治具20の位置調整機能および第1治具20の固定機能の両方の機能を備えているので、第1治具20の位置調整機能および第1治具20の固定機能とを第1取着部21のみで達成することができる。その結果、レーザー加工機100を構成する部品の種類を削減して、レーザー加工機100の製品コストの削減を図ることができる。
また、薄板用治具3が取り付けられるレール40に第1取着部21を取着しているので、別途、枠付ワーク用治具10を取着するための被取着部を作成する必要がなく、その分、レーザー加工機100の製造コストを削減して、レーザー加工機100の製品コスト削減を図ることができる。
次に、図5〜図9を参照して、第2実施の形態のレーザー加工機200について説明する。このレーザー加工機200は、第1実施の形態のレーザー加工機100を利用したものであり、レーザー加工機100と同様、加工ヘッド1と、XYステージ2と、薄板用治具3と、枠付ワーク用治具10とを備えている。なお、このレーザー加工機200は、薄板K3上の加工基点となる中心S(図6参照)の、加工ヘッド1に対する位置を即座に検出することができる加工機である。
以下、レーザー加工機200について詳細に説明する。なお、第2実施の形態のレーザー加工機200の説明においては、第1実施の形態のレーザー加工機100と同一部分については同一の符号を用い、その説明を省略する。
図5は、レーザー加工機200の電気的構成を示したブロック図である。図5に示すように、レーザー加工機200は、主に、CPU211と、ROM212と、RAM213と、操作キー214と、LCD215と、駆動ドライバ216と、モータ217と、XYステージ駆動装置218と、位置検出センサ219と、入出力ポート220とを有している。
CPU211、ROM212、RAM213、操作キー214、LCD215、駆動ドライバ216、位置検出センサ219および加工ヘッド1の各々は、バスラインを介して入出力ポート220に接続されている。
CPU211は、ROM212やRAM213に記憶される固定値やプログラムに従って、レーザー加工機200が有している各機能の制御や、入出力ポート220と接続された各部を制御するものである。
ROM212は、レーザー加工機200で実行される制御プログラムなどを格納した書換不能なメモリであり、後述する図9のフローチャートに示す処理を実行するプログラムが記憶されている。また、ROM212には、枠付ワーク情報メモリ212aが設けられている。枠付ワーク情報メモリ212aは、枠付ワーク用治具10に設けられる第1挟持部25および第2挟持部35に挟持された枠付ワークK2のサイズ(大きさ)に対応付けられた枠付ワーク情報が記憶されている。なお、枠付ワーク情報の詳細については、図7を参照して後述する。
RAM213は、書換可能な揮発性のメモリであり、レーザー加工装置200の動作時に各種のデータを一時的に記憶するためのメモリである。操作キー214は、レーザー加工機200の動作を指示する操作子であり、LCD215は、レーザー加工機200の動作状態等を表示するディスプレイである。
駆動ドライバ216は、XYステージ2を平面移動させるXYステージ移動装置218を駆動するモータ217と接続されており、モータ217を制御することでXYステージ218を移動させる。これにより、駆動ドライバ216は、XYステージ2を所望の位置へ移動させることができる。なお、XYステージ移動装置218は、X方向(図1上下方向)およびY方向(図1左右方向)へ移動することで、XYステージ2を指定された位置に移動させている。よって、実際には、駆動ドライバ216およびモータ217は、X方向移動用に一組、Y方向移動用にもう一組、設けられている。
位置検出センサ219は、XYステージ2上の中心の加工ヘッド1に対する移動量(位置)を、X方向およびY方向の座標として検出するセンサである。この位置検出センサ219による位置の検出は、レーザー加工機200の電源オン中、常時行われる。
図6は、第1挟持部25および第2挟持部35に枠付ワークK2が挟持された状態で、図1に示す加工ヘッド1から枠付ワークK2を視た場合を模式的に示した図である。なお、図6においては、図面の簡素化のため、第1挟持部25、第1副梁27、第2挟持部35、X方向位置決め部材51、枠付ワークK2およびその枠付ワークK2に貼り付けられた薄板K3を主に図示している。なお、図6では、X方向を図6左右方向とし、Y方向を図6上下方向としている。また、座標を、(X方向座標(mm),Y方向座標(mm))として表現している。
ここで、図6に示すように、レーザー加工機200では、加工ヘッド1を原点Tとしている。そして、原点Tの座標を(0,0)としている。また、原点Tに対する座標を絶対座標としている。加えて、レーザー加工機200では、図6に示すように、XYステージ2上に存在するXYステージ2の中心を、検知点Dとしている。また、レーザー加工機200では、図6に示すように、枠付ワークK2の中心と薄板K3の中心とは、一致しているものとし、枠付ワークK2の中心と薄板K3の中心とを、中心Sとしている。
レーザー加工機200では、第1実施の形態のレーザー加工機100とは異なり、第1挟持部25を有する第1治具20の第1取着部21(図1参照)は、レール40の予め定められた位置に固定される。よって、第1取着部21の位置を、検知点Dに対する位置が予め定められた位置、即ち、XYステージ2上の規定位置にすることができる。また、第1挟持部25は、前述の通り、枠付ワークK2の位置を決める部材であるY方向位置決め部材50およびX方向位置決め部材51を有している。よって、レーザー加工機200では、枠付ワークK2の右上の角の検知点Dに対する位置を、所定位置Bにすることができる。
ここで、レーザー加工機200においては、所定位置Bを、検知点Dに対して、X方向に+350(mm)、Y方向に+200(mm)離れた位置に固定している(予め定められた位置にしている)。よって、所定位置Bと検知点Dとの位置関係(相対位置)は、不変の位置関係となる。これにより、位置検出センサ219により検出された検知点Dの絶対座標が、図6に示すように(50,400)と検知された場合には、CPU211は、検知点Dの絶対座標と、所定位置Bの検知点Dに対する位置(相対位置)とから、所定位置Bの絶対座標を、図6に示すように、(400,500)であると算出することができる。
上述した第1治具20とは異なり、レーザー加工機200では、第2挟持部35を有する第2治具30(図1参照)は、第1実施の形態のレーザー加工機100と同様、レール40に着脱自在に取着される。よって、枠付ワークK2の大きさが変化する場合でも、第2治具30を移動させることで、第1挟持部25と第2挟持部35との間隔を、変化した枠付ワークK2の大きさに合わせることができる。なお、枠付ワークK2の大きさに合わせて第2治具30の取着位置を移動させた場合であっても、第1治具20の取着位置は変化しないので、枠付ワークK2の大きさに拘らず、枠付ワークK2の右上の角の位置、即ち、所定位置Bを、検知点Dに対して、X方向に+350(mm)、Y方向に+200(mm)離れた位置(以後、「固定位置」と称す)にすることができる。よって、レーザー加工機200では、枠付ワークK2の大きさが変化した場合であっても、その大きさが変化した枠付ワークK2の右上の角の位置を、必ず、固定位置に合わせることができる。
図7は、枠付ワーク情報メモリ212aに記憶される枠付ワーク情報を模式的に示した図である。枠付ワーク情報は、枠付ワーク中心情報、中央近傍領域情報およびソフトリミット領域情報から構成されている。なお、この枠付ワーク情報は、枠付ワークK2のサイズ(大きさ)に対応付けて複数、記憶されている。
枠付ワーク中心情報は、中心S(図6参照)の絶対座標を算出するための情報であり、所定位置BからのX方向の移動量と所定位置BからのY方向の移動量とから構成されている。所定位置BからのX方向の移動量は、所定位置BからのX方向における相対座標を示しており、所定位置BからのY方向の移動量は、所定位置BからのY方向における相対座標を示している。図7に示すように、枠付ワークのサイズが320mm×320mm(X方向のサイズ×Y方向のサイズ)である場合には、所定位置BからのX方向の移動量および所定位置BからのY方向の移動量は、いずれも、−160(mm)となる。よって、所定位置Bの絶対座標が、図6に示すように、(400,500)である場合には、CPU211は、この絶対座標からX方向の移動量およびY方向の移動量を減算し、中心Sの絶対座標を、(240,340)と算出する。
このように、CPU211は、所定位置Bの絶対座標を用いて、中心Sの絶対座標を即座に求めることができる。ここで、レーザー加工機200では、前述の通り、枠付ワークK2の大きさが変化しても、枠付ワークK2の右上の角の検知点Dに対する位置、即ち、所定位置Bの検知点Dに対する位置は変化しない。よって、枠付ワークK2の大きさが変化しても、CPU211は、その枠付ワークK2(薄板K3)の中心Sの絶対座標を即座に算出することができるのである。また、枠付ワークK2の大きさが変化した場合に、それに伴って、枠付ワークK2の右上の角の検知点Dに対する位置が変化してしまうレーザー加工機と比較して、レーザー加工機200では、枠付ワークK2の右上の角の検知点Dに対する位置が変化しないので、中心Sの絶対座標を短時間で算出(検出)することができる。従って、レーザー加工機200によれば、薄板K3の貫通加工を開始するまでの時間を短縮することができる。また、レーザー加工機200によれば、枠付ワークK2(薄板K3)の中心Sの絶対座標を即座に正確に算出することができるので、その中心SとXYステージ2の中心(検知点D)とのずれ(相対位置)も、即座に正確に算出することができる。
中央近傍領域情報は、中心S(図6参照)を含み、且つ、枠付ワークK2(図6参照)の内側に存在する領域である中央近傍領域を算出するための情報である。なお、中央近傍領域は、後述する図8に示す領域P2に相当する領域である(図8に示す領域K2’は、枠付ワークK2の全領域に相当している)。中央近傍領域情報は、所定位置BからのX方向の移動量の範囲と所定位置BからのY方向の移動量の範囲とから構成されている。所定位置BからのX方向の移動量の範囲は、所定位置BからのX方向における相対座標の変動範囲を示しており、所定位置BからのY方向の移動量の範囲は、所定位置BからのY方向における相対座標の変動範囲を示している。図7に示すように、枠付ワークのサイズが320mm×320mm(X方向のサイズ×Y方向のサイズ)である場合には、所定位置BからのX方向の移動量の範囲および所定位置BからのY方向の移動量の範囲は、いずれも、−110(mm)〜−210(mm)となる。よって、算出した所定位置Bの絶対座標が、図6に示すように、(400,500)である場合には、CPU211は、この絶対座標から、X方向の移動量を上述の範囲で減算すると共にY方向の移動量を上述の範囲で減算して、中央近傍領域を、絶対座標(190〜290,290〜390)の各点から構成される領域と算出する。
ソフトリミット領域情報は、中央近傍領域を含み、且つ、枠付ワークK2(図6参照)の内側に存在する領域である限界領域(図8に示す領域P1に相当)を算出するための情報であり、所定位置BからのX方向の移動量の範囲と所定位置BからのY方向の移動量の範囲とから構成されている。所定位置BからのX方向の移動量の範囲は、所定位置BからのX方向における相対座標の変動範囲を示しており、所定位置BからのY方向の移動量の範囲は、所定位置BからのX方向における相対座標の変動範囲を示している。図7に示すように、枠付ワークK2のサイズが320mm×320mm(X方向のサイズ×Y方向のサイズ)である場合には、所定位置BからのX方向の移動量の範囲および所定位置BからのY方向の移動量の範囲は、いずれも、−20(mm)〜−300(mm)となる。よって、算出した所定位置Bの絶対座標が、図6に示すように、(400,500)である場合には、CPU211は、この絶対座標から、X方向の移動量を上述の範囲で減算すると共にY方向の移動量を上述の範囲で減算して、中央近傍領域を、絶対座標(100〜380,200〜480)の各点から構成される領域と算出する。
上述した通り、枠付ワーク情報は、いずれも、所定位置Bからの移動量を用いた値で構成されている。よって、所定位置Bの絶対座標が分かれば、CPU211は、枠付ワーク情報を用いて、中心S、中央近傍領域およびソフトリミット領域の絶対座標を即座に算出することができる。ここで、所定位置Bの絶対座標を算出するために用いられる検知点Dに対する所定位置Bは、前述の通り、予め定められた位置、即ち、既知の固定位置となっており、所定位置Bの絶対座標を算出するために用いられる検知点Dの絶対座標は、位置検出センサ219により常時検出されている。よって、レーザー加工機200では、中心S、中央近傍領域およびソフトリミット領域の絶対座標を即座に算出することができる。なお、中心S、中央近傍領域およびソフトリミット領域の絶対座標の算出は、後述する図9のフローチャートが実行されている期間中、繰り返し行われる。
図8は、薄板K3に貫通加工を施す前に、枠付ワークK2の位置調整を行なう場合におけるLCD215の表示画面を模式的に示した図である。なお、図8においては、図6に示した位置関係の場合における表示画面を示している。表示画面は、アニメーション表示画面251と情報表示画面252とから構成されている。
アニメーション表示画面251は、第1挟持部25および第2挟持部35に挟持された枠付ワークK2と、加工ヘッド1との位置関係をアニメーションとして表示する画面である。アニメーション表示画面251において、領域K2’は、図6に示す枠付ワークK2の全領域に相当し、領域P1は、CPU211により算出された限界領域に相当する。また、領域P2は、CPU211により算出された中央近傍領域に相当し、S’座標は、CPU211により算出された中心Sに相当する。そして、T’座標は、図6に示す原点T(加工ヘッド1の位置)に相当し、D’座標は、図6に示す検知点D(XYステージ2上の中心)に相当し、領域Wは、図1に示すXYステージ2の全領域に相当する。
なお、レーザー加工機200では、加工ヘッド1が固定されており、XYステージ2の移動により枠付ワークK2が平面移動するのであるが、アニメーション表示画面251では、CPU211による座標変換によって、これとは逆に、枠付ワークK2が固定表示され、加工ヘッド1が移動表示される。具体的には、枠付ワークK2が平面移動した場合には、アニメーション表示画面251では、その移動量に合わせて、加工ヘッド1が移動表示される。これは、アニメーション画面251の表示と、操作者の操作とを、直感的にリンクさせるためである。
情報表示画面252は、各種情報を表示する画面であり、サイズ指定画面253、ソフトリミット表示画面254、T’座標表示画面255、手動移動ボタン256、自動移動ボタン257および閉じるボタン258から構成されている。
サイズ受付画面253は、第1挟持部25および第2挟持部35に挟持された枠付ワークK2のサイズ(大きさ)指定を受け付ける画面である。サイズ受付画面253により枠付ワークK2のサイズが受け付けられると、CPU211は、受け付けられた枠付ワークK2のサイズと、枠付ワーク中心情報を用いて算出した枠付ワークK2の中心Sの絶対座標とから、枠付ワークK2の全領域における絶対座標を算出する。この絶対座標は、領域K2’の表示に使用される。
ソフトリミット表示画面254は、サイズ指定画面253で受け付けられた枠付ワークK2の大きさに対応して算出されたソフトリミット領域のサイズ(大きさ)を表示する画面である。
T’座標画面255は、加工ヘッド1の座標(T座標)を基準とした図6とは異なり、XYステージ2上の中心(検知点D)を基準とし、これに対する加工ヘッド1の座標であるT’座標を表示する画面である。図6においては、加工ヘッド1の座標(絶対座標)が(0,0)であり、XYステージ2上の中心の絶対座標が(50,400)であったので、CPU211により座標変換が行われた後の表示画面を示す図8においては、加工ヘッド1の位置に相当するT’座標が(−50,−400)となり、XYステージ2上の中心に相当するD’座標が(0,0)となる。このときのT’座標におけるX方向座標およびY方向座標が、T’座標画面255に表示される。なお、CPU211による座標変換は、図8から分かるように、領域K2’、領域P1、領域P2およびS’座標の各々についても行われている。
手動移動ボタン256は、操作キー214の操作により、即ち、手動により、XYステージ2を移動させて、枠付ワークK2を平面移動させる場合に押下されるボタンである。この手動移動ボタン256が押下された状態では、操作キー214の操作が有効になり、XYステージ2を移動させることができる一方で、この手動移動ボタン256が押下されていない状態では、操作キー214の操作が無効になり、XYステージ2を移動させることができない。
自動移動ボタン257は、CPU211により算出された中央近傍領域を構成する各絶対座標に、加工ヘッド1の絶対座標が含まれる場合、即ち、中央近傍領域内に加工ヘッド1が存在する場合に、XYステージ2を平面移動させて、CPU211により算出された中心Sを加工ヘッド1の位置へ自動移動させる自動移動機能を開始させるボタンである。中央近傍領域内に加工ヘッド1が存在する場合に、この自動移動ボタン257が押下されると、CPU211は自動移動を開始する。なお、中央近傍領域内に加工ヘッド1が存在する場合に、この自動移動ボタン257が押下されない場合には、操作キー214の操作により、即ち、手動により、XYステージ2を平面移動させて、中心Sを加工ヘッド1の位置へ手動移動させることができる。この手動移動は、中央近傍領域外に加工ヘッド1が存在する場合にも実行することができる。
閉じるボタン258は、枠付ワークK2の位置調整を終了し、アニメーション表示画面251および情報表示画面252を消去するためのボタンである。
図9は、薄板K3に貫通加工を施す前に、枠付ワークK2の位置調整を行なう位置調整処理を示すフローチャートである。この位置調整処理は、操作キー214の操作により操作者から実行指示が行われた場合に、CPU211によって実行される処理である。
位置調整処理では、まず、アニメーション表示画面251および情報表示画面252をLCD215へ表示する(S1)。次に、枠付ワークK2のサイズがサイズ受付画面253により指定されたか否かを判定する(S2)。S2の判定が肯定される場合には(S2:Yes)、S3の処理へ移行する。一方、S2の判定が否定される場合には(S2:No)、S2の判定が肯定されるまで、S2の処理が繰り返される。
S3の処理では、サイズ受付画面253により指定された枠付ワークK2のサイズに対応する枠付ワーク情報を、枠付ワーク情報メモリ212aから取得する(S3)。その後、その取得した枠付ワーク情報と、検知点Dに対する所定位置Bと、検知点Dの絶対座標とを用いて、枠付ワークK2の中心S、中央近傍領域およびソフトリミット領域の絶対座標を算出する(S4)。このS4における算出方法は、図7で前述した通りである。
その後、加工ヘッド1がソフトリミット領域内に存在するか否かを判定する(S5)。具体的には、S5の処理では、算出されたソフトリミット領域を構成する各絶対座標に、加工ヘッド1の絶対座標(0,0)が含まれるか否かを判定している。S5の判定が否定される場合(S5:No)、S13の処理へ移行する。一方、S5の判定が肯定される場合(S5:Yes)、次の手動移動で、加工ヘッド1がソフトリミット領域外となるか否かを判定する(S6)。具体的には、S6の処理では、次の手動移動による移動量から、次のソフトリミット領域の絶対座標を算出し、その絶対座標に加工ヘッド1の絶対座標(0,0)が含まれなくなるか否かを判定している。
S6の判定が肯定される場合(S6:Yes)、XYステージ2の手動移動を無効とし(XYステージ2の平面移動を規制し)、加工ヘッド1をソフトリミット領域内に留める(S7)。その後、S13の処理へ移行する。このS7の処理により、操作者の誤操作等が行われても、加工ヘッド1がソフトリミット領域外へ不用意に逸脱してしまうことを防止することができる。従って、不用意な事故、即ち、加工ヘッド1が枠付ワークK2に近接している状態で誤操作が行われて、加工ヘッド1がソフトリミット領域外へ逸脱する過程で、加工ヘッド1と枠付ワークK2の例えば突起部とが接触してしまう等の事故を、未然に防止することができる。
一方、S6の判定が否定される場合(S6:No)、加工ヘッド1が中央近傍領域内に存在するか否かを判定する(S8)。具体的には、S7の処理では、算出された中央近傍領域を構成する各絶対座標に、加工ヘッド1の絶対座標(0,0)が含まれるか否かを判定している。
S8の判定が肯定される場合(S8:Yes)、自動移動機能を有効化し(S9:自動移動機能を動作可能状態とし)、自動移動ボタン257が押下されたか否かを判定する(S10)。S10の判定が肯定される場合(S10:Yes)、枠付ワークK2の中心Sの絶対座標と、加工ヘッド1の位置である原点Tの絶対座標(0,0)とを使用して、枠付ワークK2(薄板K3)の中心Sが原点Tへ移動するように、XYステージ2を移動する(S11)。具体的には、S11の処理では、枠付ワークK2(薄板K3)の中心Sの絶対座標が(0,0)となるよう、XYステージ2を移動する。その後、S13の処理へ移行する。なお、S8の判定が否定される場合(S8:No)、自動移動機能を無効化し(S12:自動移動機能を動作不可状態とし)、S13の処理へ移行する。
このように、枠付ワークK2(薄板K3)の中心Sを原点Tへ自動移動させる制御を、加工ヘッド1が中央近傍領域内に存在する場合に限り、実行することができる。従って、不用意な事故、即ち、中央近傍領域外に加工ヘッド1が存在し、その加工ヘッド1がXYステージ2に近接している状態において、その状態であることを操作者が失念し、枠付ワークK2(薄板K3)の中心Sを原点Tへ自動移動させる制御が不用意に実行されることで、加工ヘッド1と枠付ワークK2の例えば突起部とが接触してしまう等の事故を、未然に防止することができる。
S13の処理では、閉じるボタン258が押下されたか否かが判定される(S13)。S13の判定が否定される場合(S13:No)、S4の処理へ戻る。一方、S13の判定が肯定される場合には(S13:Yes)、アニメーション表示画面251および情報表示画面252をLCD215から消去して(S14)、この位置調整処理を終了する。
上述した通り、第2実施の形態のレーザー加工機200によれば、枠付ワークK2の大きさが変化しても、枠付ワークK2の右上の角の検知点Dに対する位置、即ち、所定位置Bの検知点Dに対する位置は変化しない。よって、枠付ワークK2の大きさが変化しても、不変の位置である所定位置Bの検知点Dに対する位置を用いて、枠付ワークK2(薄板K3)の中心S、中央近傍領域およびソフトリミット領域の絶対座標を即座に算出することができる。これにより、枠付ワークK2の大きさが変化した場合に、それに伴って、枠付ワークK2の右上の角の検知点Dに対する位置が変化してしまうレーザー加工機と比較して、中心Sの絶対座標を短時間で算出(検出)することができる。また、レーザー加工機200によれば、中心Sの絶対座標を検出するまでの時間を短縮し、結果、薄板K3の貫通加工を開始するまでの時間を短縮することができる。更には、枠付ワークK2(薄板K3)の中心Sの絶対座標を正確に算出することができるので、その中心SとXYステージ2の中心(検知点D)とのずれ(相対位置)も、正確に算出することができる。
なお、第2実施の形態における枠付ワークK2(薄板K3)の中心Sが、特許請求の範囲に記載の加工基点に該当する。
以上、上記実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施の形態で挙げた数値(例えば、各構成の数量や寸法など)は一例を示すものであり、他の数値を採用することは当然可能である。
なお、説明の重複を避けるために、第1実施の形態では、第1治具20を主に説明したが、第2治具30は、第1治具20と同一の構成を有しており、当然、第1治具20と同一の作用、及び、効果を奏する。
また、第1ストッパ部23を溝41に挿通させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、溝41にめねじが形成されたプレートを予め挿入しておき、第1ストッパ部23をおねじとして、そのめねじに螺合させても良い。
また、第1実施の形態では、第1ストッパ部23の幅W3が開口部42の幅W1よりも大きく、溝内部43の幅W4よりも小さな場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1ストッパ部23の幅W3を溝内部43の幅W2より大きく構成しても良い。
この場合、第1螺合円筒部材24aを回転させて、第1軸部22がつれ周りした場合に、第1ストッパ部23を溝内部43の内壁で係止することができる。よって、第1ストッパ部23が回転して開口部42から離脱することを防いで、第1治具20の取り付け作業の効率を向上させることができる。
また、第1実施の形態では、枠付ワーク用治具10が挟持治具4と引張治具5との間に固定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、枠付ワーク用治具10をレール40に取り付けた状態で挟持治具4と引張治具5とをレール40から取り外した構成としても良い。
この場合、挟持治具4と引張治具5とがレール40から取り外されているので、枠付ワーク用治具10をレール40へ取り付ける作業およびレール40に取り付けられた枠付ワーク用治具10へ枠付ワークK2を取り付ける作業が容易となり、枠付ワークK2の取り付け作業の効率を向上させることができる。
また、第1実施の形態では、枠付ワーク用治具10が挟持治具4と引張治具5との間に固定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、挟持治具4と引張治具5とレール40の片側に集めて枠付ワーク用治具10をレール40に取り付けた構成としても良い。
この場合、挟持治具4と引張治具5とが片側に集められているので、枠付ワーク用治具10をレール40へ取り付ける作業およびレール40に取り付けられた枠付ワーク用治具10へ枠付ワークK2を取り付ける作業が容易となり、枠付ワークK2の取り付け作業の効率を向上させることができる。
また、第1実施の形態では、一対のレール40が薄板用治具3及び枠付ワーク用治具10の両側に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、1個のレール40が薄板用治具3及び枠付ワーク用治具10の長手方向の中央に配設される構成としても良い。
この場合、レール40が薄板用治具3及び枠付ワーク用治具10の長手方向の中央に配設されているので、枠付ワーク用治具10へ枠付ワークK2を取り付ける際に、レール40が枠付ワークK2の近傍に配設される。よって、レール40が枠付ワークK2を枠付ワーク用治具10に取り付ける作業の邪魔になることを防止することができる。
その結果、レール40に取り付けられた枠付ワーク用治具10へ枠付ワークK2を取り付ける作業が容易となり、枠付ワークK2の取り付け作業の効率を向上させることができる。
また、第2実施の形態では、X方向位置決め部材51を、図1の左方における当接面50bに配置したが、これに限られるものではなく、X方向位置決め部材51を、図1の右方における当接面50bに配置しても良い。この構成の場合でも、第2実施の形態のレーザー加工機200の同様の効果を奏する。
また、第2実施の形態では、第1治具20を、レール40の予め定められた位置に固定し、第2治具30を、レール40に着脱自在に取着したが、これに限られるものではなく、第2治具30を、レール40の予め定められた位置に固定し、第1治具20を、レール40に着脱自在に取着しても良い。なお、この構成の場合には、第2治具30の第2取着部31が、レール40の予め定められた位置に固定される。よって、第2取着部31の位置を、検知点Dに対する位置が予め定められたXYステージ2上の位置にすることができる。また、第2挟持部35は、前述の通り、枠付ワークK2の位置を決めるY方向位置決め部材50およびX方向位置決め部材51を有している。よって、上述の構成時には、枠付ワークK2の左上の角の検知点Dに対する位置を、不変の位置にすることができる。
また、第2実施の形態では、XYステージ2の中心を検知点Dとしたが、これに限られるものではなく、検知点Dは、XYステージ2上の任意の1点であれば良い。また、第2実施の形態では、枠付ワークK2の中心と薄板K3の中心とを一致させたが、これに限られるものではなく、枠付ワークK2の中心と薄板K3の中心とをずらしても良い。
また、第2実施の形態では、枠付ワーク情報メモリ212aに記憶された枠付ワーク中心情報を用いて、枠付ワークK2(薄板K3)の中心Sの絶対座標を算出したが、これに限られるものではない。即ち、枠付ワーク中心情報の代わりに、所定位置Bから枠付ワークK2或いは薄板K3の任意点までのX方向およびY方向の移動量を枠付ワーク任意点情報として枠付ワーク情報メモリ212aに記憶させ、この情報を用いて、枠付ワークK2或いは薄板K3の任意点の絶対座標をCPU211に算出させても良い。
<その他>
従来のレーザー加工機では、加工精度を確保するために、被加工物(薄板、枠付ワーク(額縁状の枠体に薄板が貼り付けられたもの))の種類に応じて専用の固定治具を用いていた。例えば、特許文献1(特開2002−205182号公報)には、枠付ワーク専用の固定治具を備えたレーザー加工機に関する技術が記載されており、特許文献2(特開2002−248588号公報)には、薄板専用の固定治具を備えたレーザー加工機に関する技術が記載されている。
ところで、枠付ワークは、薄板に比べて加工頻度が低いので、薄板と枠付ワークとの2種類の被加工物を加工するために、2台のレーザー加工機を設置することは不経済であった。そこで、従来のレーザー加工機では、2種類の被加工物を加工するために、レーザー加工機に取り付ける固定治具(例えば、上述した特許文献1及び特許文献2に記載のもの)を被加工物の種類に応じて取り換えていた。
しかしながら、レーザー加工機に取り付ける固定治具を被加工物の種類に応じて取り換える場合には、枠付ワーク専用の固定治具および薄板専用の固定治具を着脱する手間が掛り、その分、枠付ワークおよび薄板を加工するための段取りに時間が掛るという問題点があった。
本技術的思想は上述した問題点を解決するためになされたものであり、枠付ワークおよび薄板を加工するための段取りに掛かる時間を短縮することができるレーザー加工機および枠付ワーク用治具を提供することを目的としている。
<手段>
この目的を達成するために、技術的思想1のレーザー加工機は、レーザー光線を照射する加工ヘッドと、その加工ヘッドに対して平面移動するXYステージと、そのXYステージに取り付けられると共に加工対象となる薄板を保持する薄板用治具とを備えると共に、前記薄板用治具が、前記薄板の一端を挟持する挟持治具と、その挟持治具によって挟持された薄板の一端と反対側の他端を挟持すると共に前記一端から前記他端に向かう方向に前記薄板を引っ張る引張治具とを備え、前記レーザー光線を前記加工ヘッドから前記薄板に照射すると共に、前記XYステージの平面移動により前記加工ヘッドに対して前記薄板を平面移動させることで、その薄板に貫通加工を施すものであって、第1治具と、その第1治具に対向すると共に前記第1治具から所定の距離だけ離間した位置に配設される第2治具とを有する枠付ワーク用治具を備え、前記第1治具は、前記XYステージに着脱自在に取着される第1取着部と、前記薄板が額縁状の枠体に貼り付けられた枠付ワークの一端を挟持する第1挟持部とを備え、前記第2治具は、前記XYステージに着脱自在に取着される第2取着部と、前記枠付ワークの一端の反対側の他端を挟持する第2挟持部とを備え、前記XYステージに対する前記第1取着部および第2取着部の取着位置が前記挟持治具および引張治具の間である。
技術的思想2のレーザー加工機は、技術的思想1記載のレーザー加工機において、前記第1挟持部は、前記XYステージが移動する仮想平面に平行な平坦面を有する第1主梁と、その第1主梁の平坦面に対向する平坦面を有する第1副梁と、その第1副梁の平坦面と前記第1主梁の平坦面との対向間隔を拡大縮小可能な状態で前記第1主梁と第1副梁とを連結する第1締結部材とを備え、前記第2挟持部は、前記XYステージが移動する仮想平面に平行な平坦面を有する第2主梁と、その第2主梁の平坦面に対向する平坦面を有する第2副梁と、その第2副梁の平坦面と前記第2主梁の平坦面との対向間隔を拡大縮小可能な状態で第2副梁と前記第2主梁とを連結する第2締結部材とを備え、前記枠付ワークの厚さ方向の両面を、前記第1主梁の平坦面と前記第1副梁の平坦面との間および前記第2主梁の平坦面と前記第2副梁の平坦面との間で挟持する。
技術的思想3のレーザー加工機は、技術的思想2記載のレーザー加工機において、前記XYステージは、前記薄板用治具が取着され長尺状に構成されたレールを備え、そのレールは、そのレールに凹設されると共に開口部の幅が溝内部の幅よりも小さく構成された溝を備え、その溝は、前記レールの長手方向に沿って延設され、前記第1取着部は、前記第1挟持部および前記開口部にそれぞれ挿通可能に構成され一端におねじが形成された軸状体として構成される第1軸部と、その第1軸部の一端側の反対側である他端に異なる張り出し幅を有するフランジ状に形成される第1ストッパ部と、前記第1軸部の前記おねじに螺合される第1螺合部材とを備え、前記第2取着部は、前記第2挟持部および前記開口部にそれぞれ挿通可能に構成され一端におねじが形成された軸状体として構成される第2軸部と、その第2軸部の一端側の反対側である他端に異なる張り出し幅を有するフランジ状に形成される第2ストッパ部と、前記第2軸部の前記おねじに螺合される第2螺合部材とを備え、前記第1軸部および第2軸部を前記開口部に沿って移動させることで、前記第1治具および第2治具が前記レールに沿って移動可能とされ、前記第1ストッパ部および第2ストッパ部を前記開口部に係止させることで、前記第1ストッパ部および第2ストッパ部が前記溝に着脱可能とされている。
技術的思想4の枠付ワーク用治具は、技術的思想1から3のいずれかに記載のレーザー加工機に使用されるものである。
技術的思想5のレーザー加工機は、技術的思想1から3のいずれかに記載のレーザー加工機において、前記XYステージは、前記XYステージ上に存在する検知点の前記加工ヘッドに対する位置を変化させるものであり、第1取着部は、前記検知点に対する位置が予め定められた前記XYステージ上の規定位置に固定して取着されるものであり、前記第1挟持部は、前記第1取着部に固着され、前記枠付ワークの一端に存在する一方の角に当接することで、その枠付ワークの平面移動を規制して、前記一方の角の前記検知点に対する位置を予め定められた所定位置にする位置決め部を備えている。
<効果>
技術的思想1記載のレーザー加工機によれば、加工ヘッドから加工対象となる薄板にレーザー光線が照射されると共に、XYステージの平面移動により加工ヘッドに対して薄板が平面移動されることで、その薄板に貫通加工が施される。
ここで、本技術的思想によれば、第2治具が第1治具に対向されると共に第1治具から所定の距離だけ離間した位置に配設されているので、枠付ワークの一端が第1挟持部によって挟持され、枠付ワークの他端が第2挟持部によって挟持される。加えて、XYステージに対する第1取着部および第2取着部の取着位置が挟持治具と引張治具との間とされているので、枠付ワークを取着した枠付ワーク用治具が挟持治具と引張治具との間に着脱自在に取着される。
よって、薄板用治具をXYステージから取り外すことなく、枠付ワーク用治具をXYステージに取り付け、枠付ワーク用治具に挟持された枠付ワークの薄板を加工ヘッドから照射されるレーザー光線により加工することができる。
その結果、枠付ワークを加工する際に、薄板用治具を取り外す手間を省くことができるので、その分、枠付ワークを加工するための段取りに掛かる時間を短縮することができるという効果がある。
また、再び、薄板を加工する場合には、薄板用治具が取り付けられた状態で枠付ワーク用治具が取着されているので、枠付ワーク用治具を取り外すと、薄板用治具が使用可能となり、薄板用治具で薄板を挟持することができる。よって、薄板用治具に挟持された薄板を加工ヘッドから照射されるレーザー光線により加工することができる。
その結果、薄板を加工する際に、薄板用治具を取り付ける手間を省くことができるので、その分、枠付ワークを加工した後に薄板を加工するための段取りに掛かる時間を短縮することができるという効果がある。
即ち、本技術的思想によれば、薄板用治具を取り外す手間を省くことができるので、枠付ワーク及び薄板を加工するための段取りに掛かる時間を短縮することができるという効果がある。
また、第1治具とその第1治具に対して別部材として構成される第2治具とを有する枠付ワーク用治具を備えているので、作業者が第1治具および第2治具を1個ずつXYステージに取着することができる。そのため、第1治具と第2治具とが一体として構成される場合と比較して、作業者が一度に持ち上げなければならない重量が低減される。よって、第1治具および第2治具をXYステージに取り付ける際の作業性の向上を図ることができるという効果がある。
技術的思想2記載のレーザー加工機によれば、技術的思想1記載のレーザー加工機の奏する効果に加え、枠付ワークが第1主梁の平坦面と第1副梁の平坦面との間および第2主梁の平坦面と第2副梁の平坦面との間に配設された状態で、第1主梁の平坦面と第1副梁の平坦面との対向間隔および第2主梁の平坦面と第2副梁の平坦面との対向間隔が縮小されることで、枠付ワークの厚さ方向の両面を、第1主梁の平坦面と第1副梁の平坦面との間および第2主梁の平坦面と第2副梁の平坦面との間に挟持することができる。
例えば、枠体の側面(枠体の薄板が貼り付けられた面に直交する平坦面)をその側面に対して垂直に押圧することで枠付ワークを挟持する構成とした場合には、枠体の薄板が貼り付けられた面の形状が変形されるので、薄板に変形(しわ)が生じやすく、変形により薄板にうねりが発生する。そのため、加工ヘッドと薄板(加工対象)との距離を一様に保つことが困難となり、加工精度が低下するという不具合が生じる。
これに対し、本技術的思想によれば、枠付ワークの厚さ方向の両面(一方の面には、薄板が貼り付けられている)を第1主梁の平坦面および第1副梁の平坦面の間で挟持すると共に第2主梁の平坦面および第2副梁の平坦面の間で挟持する構成であるので、枠体の薄板が貼り付けられた面の形状の変形が抑えられる。よって、枠付ワークに貼り付けられた薄板に変形(しわ)が生じることを防止して、薄板へのうねりの発生を抑制することができる。その結果、加工時に加工ヘッドと枠付ワークの薄板(加工対象)との距離を一様に保って加工精度の向上を図ることができるという効果がある。
また、平坦面(第1主梁の平坦面、第2主梁の平坦面、第1副梁の平坦面および第2副梁の平坦面)で枠付ワークを挟持するので、枠付ワークに掛かる圧力を均一に保つことができる。そのため、圧力のむらにより発生する枠体の反り返りを防止して、枠体の薄板が貼り付けられた面の形状の変形を抑制することができる。
よって、枠付ワークに貼り付けられた薄板に生じる変形(しわ)を低減して、加工時に加工ヘッドと枠付ワークの薄板(加工対象)との距離を一様に保ち加工精度の向上を図ることができるという効果がある。
また、本技術的思想では、枠付ワークの厚さ方向の両面を第1主梁の平坦面および第1副梁の平坦面の間で挟持すると共に第2主梁の平坦面および第2副梁の平坦面の間で挟持する構成とされている。
例えば、枠体の側面(枠体の薄板が貼り付けられた面に直交する平坦面)をその側面に対して垂直に押圧することで枠付ワークを挟持する構成とした場合には、XYステージの平面移動による振動でXYステージが平面移動する仮想平面に対して直交する方向へ枠付ワークがずれる場合がある。
これに対し、本技術的思想によれば、枠付ワークの厚さ方向の両面を第1主梁の平坦面および第1副梁の平坦面の間で挟持すると共に第2主梁の平坦面および第2副梁の平坦面の間で挟持する構成であるので、XYステージが平面移動する仮想平面に対して直交する方向へ枠付ワークがずれることを防止することができる。よって、枠付ワークの加工時に加工ヘッドと枠付ワークの薄板(加工対象)との距離が徐々に変化していくことを防止して加工精度の向上を図ることができるという効果がある。
技術的思想3記載のレーザー加工機によれば、技術的思想2記載のレーザー加工機の奏する効果に加え、第1ストッパ部の一の幅および第2ストッパ部の一の幅を溝の開口部の幅にそれぞれ合わせてその開口部から第1ストッパ部および第2ストッパ部を溝内部に挿入し、第1軸部および第2軸部を開口部に内嵌させた状態で移動させることで、第1治具および第2治具をレールに沿って移動可能とすることができる。よって、第1治具および第2治具のレールへの取り付け位置を調整することができる(位置調整機能)。
その後、第1ストッパ部および第2ストッパ部を開口部に挿入した状態で、第1ストッパ部および第2ストッパ部の向きを変えて、第1ストッパ部および第2ストッパ部の幅で開口部の幅よりも大きい部位を開口部に係止させる。
そして、第1螺合部材を第1軸部に対して螺進させて、第1螺合部材と第1ストッパ部との間隔を狭めることで、第1軸部が挿通される第1挟持部とレールとを第1螺合部材と第1ストッパ部との間で挟持すると共に第2螺合部材を第2軸部に対して螺進させて、第2螺合部材と第2ストッパ部との間隔を狭めることで、第2軸部が挿通される第2挟持部とレールとを第2螺合部材と第2ストッパ部との間で挟持することができる(固定機能)。
例えば、第1治具の位置調整機能と第1治具の固定機能とを別々の部材が備えている場合には、それら2個の機能を備えるために2個の部材が必要となり、同様に、第2治具の位置調整機能と第2治具の固定機能とを別々の部材が備えている場合には、それら2個の機能を有するために2種類の部材が必要となる。そのため、レーザー加工機を構成する部品の種類が多くなり、レーザー加工機の製品コストが嵩むという問題点が生じる。
ここで、本技術的思想によれば、第1取着部が第1治具の位置調整機能および第1治具の固定機能の両方の機能を備え、第2取着部が第2治具の位置調整機能および第2治具の固定機能の両方の機能を備えているので、第1治具の位置調整機能および第1治具の固定機能と、第2治具の位置調整機能および第2治具の固定機能とを1種類の部材にて達成することができる。その結果、レーザー加工機を構成する部品の種類を削減して、レーザー加工機の製品コストの削減を図ることができるという効果がある。
また、薄板用治具が取り付けられるレールに第1取着部および第2取着部を取着しているので、別途、枠付ワーク用治具を取着するための被取着部を作成する必要がなく、その分、レーザー加工機の製造コストを削減して、レーザー加工機の製品コスト削減を図ることができるという効果がある。
技術的思想4記載の枠付ワーク用治具によれば、技術的思想1から3のいずれかに記載のレーザー加工機に使用される枠付ワーク用治具と同等の効果がある。
技術的思想5記載のレーザー加工機によれば、技術的思想1から3のいずれかに記載のレーザー加工機の奏する効果に加え、第1挟持部および第2挟持部に挟持された枠付ワークの大きさに拘らず、第1治具が有する第1取着部および位置決め部により、枠付ワークの一端に存在する一方の角の検知点に対する位置を予め定められた所定位置にすることができる。よって、枠付ワークの大きさが変化した場合であっても、その大きさが変化した枠付ワークの一端に存在する一方の角の検知点に対する位置を、必ず、所定位置に合わせることができるという効果がある。
100 レーザー加工機
1 加工ヘッド
2 XYステージ
3 薄板用治具
4 挟持治具
5 引張治具
10 枠付ワーク用治具
20 第1治具
21 第1取着部
25 第1挟持部
30 第2治具
31 第2取着部
35 第2挟持部
22 第1軸部
23 第1ストッパ部
24 第1螺合部材
26 第1主梁
26a 平坦面(第1主梁の平坦面)
27 第1副梁
27a 平坦面(第1副梁の平坦面)
28 第1締結部材
29 第1スライド部(第1主梁の一部)
40 レール
41 溝
42 開口部
43 溝内部
50 Y方向位置決め部材(位置決め部の一部)
51 X方向位置決め部材(位置決め部の一部)
212a 枠付ワーク情報メモリ(記憶手段)
219 位置検出センサ(検出手段)
253 サイズ指定画面(受付手段)
K1 薄板
K2 枠付ワーク
S3 位置調整処理(算出手段の一部)
S4 位置調整処理(算出手段の一部)
S5 位置調整処理(限界判定手段)
S6 位置調整処理(規制手段の一部)
S7 位置調整処理(規制手段の一部)
S8 位置調整処理(判定手段)
S10 位置調整処理(受付制御手段)
W4 幅(ストッパ部の一の幅)
W3 幅(ストッパ部の最大幅)
W1 幅(開口部の幅)
W3 幅(溝内部の幅)
W5 対向間隔

Claims (8)

  1. レーザー光線を照射する加工ヘッドと、その加工ヘッドに対して平面移動するXYステージと、そのXYステージに取り付けられると共に加工対象となる薄板を保持する薄板用治具とを備えると共に、前記薄板用治具が、前記薄板の一端を挟持する挟持治具と、その挟持治具によって挟持された薄板の一端と反対側の他端を挟持すると共に前記一端から前記他端に向かう方向に前記薄板を引っ張る引張治具とを備え、前記レーザー光線を前記加工ヘッドから前記薄板に照射すると共に、前記XYステージの平面移動により前記加工ヘッドに対して前記薄板を平面移動させることで、その薄板に貫通加工を施すレーザー加工機において、
    第1治具と、その第1治具に対向すると共に前記第1治具から所定の距離だけ離間した位置に配設される第2治具とを有する枠付ワーク用治具を備え、
    前記第1治具は、
    前記XYステージに着脱自在に取着される第1取着部と、
    前記薄板が額縁状の枠体に貼り付けられた枠付ワークの一端を挟持する第1挟持部とを備え、
    前記第2治具は、
    前記XYステージに着脱自在に取着される第2取着部と、
    前記枠付ワークの一端の反対側の他端を挟持する第2挟持部とを備え、
    前記XYステージに対する前記第1取着部および第2取着部の取着位置が前記挟持治具および引張治具の間であることを特徴とするレーザー加工機。
  2. 前記第1挟持部は、
    前記XYステージが移動する仮想平面に平行な平坦面を有する第1主梁と、
    その第1主梁の平坦面に対向する平坦面を有する第1副梁と、
    その第1副梁の平坦面と前記第1主梁の平坦面との対向間隔を拡大縮小可能な状態で前記第1主梁と第1副梁とを連結する第1締結部材とを備え、
    前記第2挟持部は、
    前記XYステージが移動する仮想平面に平行な平坦面を有する第2主梁と、
    その第2主梁の平坦面に対向する平坦面を有する第2副梁と、
    その第2副梁の平坦面と前記第2主梁の平坦面との対向間隔を拡大縮小可能な状態で第2副梁と前記第2主梁とを連結する第2締結部材とを備え、
    前記枠付ワークの厚さ方向の両面を、前記第1主梁の平坦面と前記第1副梁の平坦面との間および前記第2主梁の平坦面と前記第2副梁の平坦面との間で挟持することを特徴とする請求項1記載のレーザー加工機。
  3. 前記XYステージは、前記薄板用治具が取着され長尺状に構成されたレールを備え、
    そのレールは、そのレールに凹設されると共に開口部の幅が溝内部の幅よりも小さく構成された溝を備え、
    その溝は、前記レールの長手方向に沿って延設され、
    前記第1取着部は、
    前記第1挟持部および前記開口部にそれぞれ挿通可能に構成され一端におねじが形成された軸状体として構成される第1軸部と、
    その第1軸部の一端側の反対側である他端に異なる張り出し幅を有するフランジ状に形成される第1ストッパ部と、
    前記第1軸部の前記おねじに螺合される第1螺合部材とを備え、
    前記第2取着部は、
    前記第2挟持部および前記開口部にそれぞれ挿通可能に構成され一端におねじが形成された軸状体として構成される第2軸部と、
    その第2軸部の一端側の反対側である他端に異なる張り出し幅を有するフランジ状に形成される第2ストッパ部と、
    前記第2軸部の前記おねじに螺合される第2螺合部材とを備え、
    前記第1軸部および第2軸部を前記開口部に沿って移動させることで、前記第1治具および第2治具が前記レールに沿って移動可能とされ、
    前記第1ストッパ部および第2ストッパ部を前記開口部に係止させることで、前記第1ストッパ部および第2ストッパ部が前記溝に着脱可能とされていることを特徴とする請求項2記載のレーザー加工機。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のレーザー加工機に使用されるものであることを特徴とする枠付ワーク用治具。
  5. 前記XYステージは、前記XYステージ上に存在する検知点の前記加工ヘッドに対する位置を変化させるものであり、
    第1取着部は、前記検知点に対する位置が予め定められた前記XYステージ上の規定位置に固定して取着されるものであり、
    前記第1挟持部は、前記第1取着部に固着され、前記枠付ワークの一端に存在する一方の角に当接することで、その枠付ワークの平面移動を規制して、前記一方の角の前記検知点に対する位置を予め定められた所定位置にする位置決め部を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のレーザー加工機。
  6. レーザー光線を照射する加工ヘッドと、その加工ヘッドを原点として平面移動するXYステージと、そのXYステージ上に存在する検知点の前記原点に対する位置を変化させることで、前記XYステージ上に配置された薄板を前記加工ヘッドに対して平面移動させ、前記薄板に前記レーザー光線を照射することで、その薄板に貫通加工を施すレーザー加工機において、
    前記検知点に対する位置が予め定められた前記XYステージ上の規定位置に固定して取着される第1取着部と、その第1取着部に固着され、前記薄板が額縁状の枠体に貼り付けられた矩形状の枠付ワークの一端を挟持する第1挟持部と、その第1挟持部に設けられ、前記枠付ワークの一端に存在する一方の角に当接することで、その枠付ワークの平面移動を規制して、前記一方の角の前記検知点に対する位置を予め定められた所定位置にする位置決め部とを有する第1治具と、
    前記XYステージ上に着脱自在に取着される第2取着部と、その第2取着部に固着され、前記枠付ワークの一端とは反対側となる前記枠付ワークの他端を挟持する第2挟持部とを有し、前記第1治具に対向すると共にその第1治具から所定の距離だけ離間した位置に配設される第2治具と、
    前記検知点の前記原点に対する位置を検出する検出手段と、
    前記一方の角の前記検知点に対する位置である前記所定位置から前記枠付ワークに貼り付けられた前記薄板上の加工基点までの移動量を、前記枠付ワークの大きさに対応付けて複数記憶する記憶手段と、
    前記第1挟持部および第2挟持部に挟持された前記枠付ワークの大きさの指定を受け付ける受付手段と、
    その受付手段により受け付けられた前記枠付ワークの大きさに対応する前記移動量を前記記憶手段に記憶された移動量から選択し、その選択した移動量と前記所定位置の前記検知点に対する位置と前記検出手段により検出された検知点の前記原点に対する位置とを用いて、前記加工基点の前記原点に対する位置を算出する算出手段とを備えていることを特徴とするレーザー加工機。
  7. 前記記憶手段は、前記枠付ワークに貼り付けられた前記薄板上の加工基点を含み、且つ、前記枠付ワークの内側に存在する領域である近傍領域が特定可能な前記所定位置からの移動量の変動範囲を、前記枠付ワークの大きさに対応付けて複数記憶するものであり、
    前記算出手段は、前記受付手段により受け付けられた前記枠付ワークの大きさに対応する前記移動量の変動範囲を前記記憶手段に記憶された移動量の変動範囲から選択し、その選択した移動量の変動範囲と前記所定位置の前記検知点に対する位置と前記検出手段により検出された検知点の前記原点に対する位置とを用いて、前記近傍領域の前記原点に対する位置を算出するものであり、
    その算出された前記近傍領域の前記原点に対する位置を用いて、前記原点に位置する前記加工ヘッドが前記近傍領域内に存在するかを判定する判定手段と、
    その判定手段により前記加工ヘッドが前記近傍領域内に存在すると判定された場合に、前記XYステージの平面移動を制御することで、前記加工基点を前記原点へ自動で移動させる制御を実行すると共にその実行の開始を受け付ける受付制御手段とを備えていることを特徴とする請求項6記載のレーザー加工機。
  8. 前記記憶手段は、前記近傍領域を含み、且つ、前記枠付ワークの内側に存在する領域である限界領域が特定可能な前記所定位置からの移動量の変動範囲を、限界変動範囲として前記枠付ワークの大きさに対応付けて複数記憶するものであり、
    前記算出手段は、前記受付手段により受け付けられた前記枠付ワークの大きさに対応する前記限界変動範囲を前記記憶手段に記憶された限界変動範囲から選択し、その選択した限界変動範囲と前記所定位置の前記検知点に対する位置と前記検出手段により検出された検知点の前記原点に対する位置とを用いて、前記限界領域の前記原点に対する位置を算出するものであり、
    その算出された前記限界領域の前記原点に対する位置を用いて、前記原点に位置する前記加工ヘッドが前記限界領域内に存在するかを判定する限界判定手段と、
    その限界判定手段により前記加工ヘッドが前記限界領域内に存在すると判定された場合には、前記XYステージの平面移動を規制することで、前記加工ヘッドを前記限界領域内に留める規制手段とを備えていることを特徴とする請求項7記載のレーザー加工機。
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