JP2013215800A - 溶接装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】台車が走行可能限界に到達した後、溶接トーチを予め設定された速さで目的の溶接線に沿って移動させて溶接を継続させる。
【解決手段】複数の被溶接材C、D、Eが組み合わされた隅部Fを溶接するトーチBと、トーチBを直線的に案内する直線案内部材と、トーチB駆動する直線駆動モーター22とを有する直線駆動機構と、直線駆動機構を構成する少なくとも直線案内部材を回動させる回動モーター15を有する回動機構と、直線駆動機構と回動機構を搭載した台車Aと、台車が予め設定された溶接区間よりも短い走行区間だけ走行したことを認識したとき、トーチBを隅部Fからの距離を保持させると共に溶接速さを保持させるように直線駆動モーター22と回動モーター15の駆動を制御する制御装置25と、を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、台車が走行可能限界に到達しても溶接トーチが溶接すべき区間の終端に到達していない場合、溶接トーチを保持したトーチホルダーを直線移動させると共に旋回させて溶接を継続させるように構成した溶接装置に関し、特に、溶接すべき区間の終端が底板から起立した2枚の鋼板とによって構成された隅角部を確実に溶接し得るようにした溶接装置に関するものである。
鋼板やステンレス鋼板、アルミニウム板等からなる被溶接材を、プラズマ溶接トーチや炭酸ガス溶接トーチ或いはアルゴンガス溶接トーチ等から選択された溶接トーチを用いて溶接することが行われている。また、溶接トーチを搭載した溶接装置も大型の装置から小型の装置まで多くの種類が提供されている。
造船業や鉄構業では、溶接構造物が大型であることが多く、作業員が目的の溶接位置まで搬送して操作する小型の溶接装置が多く用いられている。このような小型の溶接装置は、目的の溶接線に沿って走行する台車と、台車の略中央部位に搭載された溶接トーチと、を有して構成されているのが一般的である。
上記の如き溶接装置は、水平に配置された鋼板(底板)と、この底板に対して起立させた鋼板(起立板)の下端とが交差する隅部を全長にわたって隅肉溶接したり、端面を対向させ配置された鋼板を突合せ溶接する際に利用される。このような隅肉溶接や突合せ溶接では、台車を底板上に走行させるようにするのが一般的であり、底板の端部には台車の底板からの落下を防ぐために走行可能限界を設定している。この場合、台車が走行可能限界に到達したとき、溶接トーチは目的の溶接線に対する溶接を終了していないという問題が生じる。
このため、溶接トーチを台車に対し搖動可能に構成した溶接装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。この技術は一つの駆動源で溶接トーチの二方向への移動を実現したものであり、確実な隅肉溶接を行うことができる。
また、溶接トーチを保持するホルダーを台車に対し旋回可能に構成すると共に、ホルダーの先端にローラーを設け、このローラーをばねによって起立板に圧接するように構成した溶接装置も提供されている。この溶接装置では、台車が走行可能限界に到達したとき、該台車を停止させると同時にホルダーの起立板に対する圧接状態を保持しつつ旋回させることで溶接を継続させることができる。
また、目的の溶接線に対し隅肉溶接や突合せ溶接を含む溶接を行ったとき、ビードの終端にクレーターが形成されるが、個々のクレーターの処理を作業員が行っているため、溶接作業の手間がかかるという問題がある。この問題を解決するために特許文献2に記載された溶接方法が提案されている。
この溶接方法は、目的の溶接線に対する溶接が終了した後、溶接トーチを一旦停止させて溶融池の長さ分溶接トーチを逆戻りさせるものであり、溶融池に再度肉盛することによってクレーターを処理して溶接欠陥の発生を防止することができる。
また、船殻材や橋梁材に於ける大型の部材では、1枚の鋼板に対して複数のリブが起立して溶接されることがある。特に、2方向に配置されたリブが交差することで、3枚の鋼板による重箱の隅状の隅角部が形成された場合、この隅角部を2方向に連続させて溶接することがある。このような隅角部に対して隅肉溶接を施す場合、手溶接によるのが一般的である。
特開平9−327775号公報 特開平10−99965号公報
しかし、上記特許文献1に開示されている溶接装置では、構造が複雑であるという課題がある。また、ホルダーを台車に旋回可能に構成した技術では、構造は簡単であるものの、ローラーが熱に曝されるために不具合が生じやすいという問題がある。このように、小型の溶接装置では、台車が走行可能限界に到達した後、溶接トーチを設定された溶接速度を保持して如何に移動させて目的の溶接線に対する溶接を行うかが解決すべき課題となっている。
また、溶接すべき区間が、底板と該底板から起立した2枚の起立板とが交差した隅角部を含んで連続した2方向に設定されている場合、直線的に走行する台車を用いて溶接すると隅角部を終端とせざるを得ず、該隅角部に於けるビードの連続性が問題となる。このため前述したように、作業員による手溶接を行うのが一般的である。しかし、このような隅角部であっても、自動溶接が可能な溶接装置の開発が要求されている。
また、特許文献2に開示されている溶接方法では、この溶接方法を実現する装置を如何に構成するかということが課題となっている。
本発明の目的は、台車が走行可能限界に到達した後、溶接トーチを予め設定された速さで目的の溶接線に沿って移動させて溶接を継続させることができ、且つクレーター処理を行うことができる溶接装置を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る溶接装置は、複数の被溶接材を溶接するための溶接装置であって、前記複数の被溶接材が接近した又は交差するように組み合わされた被溶接部を溶接する溶接トーチと、前記溶接トーチを保持するトーチホルダーを直線的に案内する直線案内部材と、該直線案内部材に沿って前記トーチホルダーを往復駆動する直線駆動モーターと、を有する直線駆動機構と、前記直線駆動機構を構成する少なくとも直線案内部材を回動させる回動モーターを有する回動機構と、前記直線駆動機構と回動機構を搭載した台車と、前記台車が予め設定された溶接区間よりも短い走行区間だけ走行したことを認識したとき、前記溶接トーチを被溶接材からの距離を保持させると共に溶接速さを保持させるように前記直線駆動モーターと前記回動モーターの駆動を制御する制御装置と、を有して構成されるものである。
上記溶接装置に於いて、前記制御装置は、溶接トーチが予め設定された溶接区間の終端位置に達した後、該溶接トーチを被溶接材からの距離を保持させると共に溶接速さを保持させて前記台車の溶接方向に対して逆戻りさせるように前記直線駆動機構を構成する直線駆動モーターと前記回動機構を構成する回動モーターの駆動を制御するものであることが好ましい。
また、上記何れかの溶接装置に於いて、前記複数の被溶接材が底板と該底板に起立する起立板からなり、被溶接部が前記底板と起立板下端との隅部であり、前記底板上であって前記台車の走行方向下流側に配置された当接部材と、前記台車の走行方向の端部に配置され前記当接部材と当接して信号を発生するスイッチと、前記スイッチからの信号に基づいて、溶接トーチを被溶接部からの距離を保持させると共に溶接速さを保持させるように前記直線駆動モーターと前記回動モーターの駆動を制御する制御装置と、を有することが好ましい。
また、上記何れかの溶接装置に於いて、前記複数の被溶接材が底板と該底板に起立する第1起立板及び前記底板上であって前記台車の走行方向下流側に配置され且つ前記第1起立板と当接した第2起立板からなり、前記被溶接部が、前記底板と前記第1起立板下端とが当接する第1隅部、及び前記底板と前記第2起立板下端とが当接する第2隅部、及び前記第1隅部と前記第2隅部が接続する隅角部を含み、前記第1隅部から前記隅角部を経て前記第2隅部に於ける前記隅角部の近傍までであり、前記台車の走行方向の端部に配置され前記第2起立板と当接して信号を発生するスイッチと、前記スイッチからの信号に基づいて、溶接トーチを被溶接部からの距離を保持させると共に溶接速さを保持させて前記第1隅部から前記隅角部を経て前記第2隅部まで連続させるように前記直線駆動モーターと前記回動モーターの駆動を制御する制御装置と、を有することが好ましい。
本発明に係る溶接装置では、溶接トーチを保持するトーチホルダーが、制御装置に制御された直線駆動機構と回動機構とによって駆動される。このため、直線駆動機構を構成する直線駆動モーターと、回動機構を構成する回動モーターを同期させて駆動制御することで、台車が走行を停止した状態であっても、溶接トーチの被溶接材からの距離を保持させると共に溶接速さを保持させて移動を継続させることができる。
従って、目的の溶接が隅肉溶接であっても突合せ溶接であっても、台車が走行可能限界に到達して停止した後、溶接トーチのみを移動させて目的の溶接線の全長にわたって良好な溶接を行うことができる。特に、目的の溶接が箱の隅角部に至る隅肉溶接のように閉塞した部位であっても、溶接トーチのみを移動させて良好な隅肉溶接を実現することができる。
また、直線駆動機構がトーチホルダーを直線的に案内する直線案内部材を有し、溶接トーチの移動を直線駆動モーターと回動モーターとを同期させて行うことで、構造の簡易化をはかることができる。また、トーチホルダーを被溶接材に直接接触させることがないので、熱による不具合の発生を防ぐことができる。
また、溶接トーチが予め設定された溶接区間の終端位置に達した後、該溶接トーチを被溶接材からの距離を保持させると共に溶接速さを保持させて前記台車の溶接方向に対して逆戻りさせるように直線駆動モーターと回動モーターの駆動を制御することで、クレーターとなる溶融池に肉盛してクレーター処理を行うことができる。
また、複数の被溶接材が底板と該底板に起立する起立板からなり、これらの板の隅部に隅肉溶接する場合、底板上に於ける台車の走行方向下流側に当接部材を配置しておき、台車の走行方向の端部に配置されたスイッチが当接部材と当接して発生した信号に基づいて、溶接トーチを被溶接部からの距離を保持させると共に溶接速さを保持させるように直線駆動モーターと前記回動モーターの駆動を制御することで、良好な隅肉溶接を行うことができる。
また、複数の被溶接材が底板と該底板に起立する第1起立板及び該第1起立板と当接した第2起立板からなり、被溶接部が、底板と第1起立板下端とが当接する第1隅部、及び底板と第2起立板下端とが当接する第2隅部、及び第1隅部と第2隅部が接続する隅角部を含み、第1隅部から隅角部を経て第2隅部に於ける隅角部の近傍までである場合、台車の走行方向の端部に第2起立板と当接して信号を発生するスイッチを配置し、該スイッチからの信号に基づいて、溶接トーチを被溶接部からの距離を保持させると共に溶接速さを保持させて第1隅部から隅角部を経て第2隅部まで連続させるように直線駆動モーターと回動モーターの駆動を制御することで、隅角部を含んで良好な隅肉溶接を実現することができる。
本実施例に係る溶接装置の構成を説明する斜視図である。 本実施例に係る制御系のブロック図である。 隅肉溶接を行う際の溶接トーチの姿勢を説明する図である。 台車が走行可能限界に到達した後、溶接トーチを目的の溶接線の終端まで移動させる際のトーチの移動状態を説明する図である。 目的の溶接線の始端近傍に溶接トーチを配置したときの状態を説明する図である。 台車が走行可能限界に到達した後の溶接トーチの動きを説明する図である。 台車が走行可能限界に到達した後、隅角部の溶接に引き続き連続して隅肉溶接を行う際の溶接トーチの動きを説明する図である。
以下、本発明に係る溶接装置について説明する。本発明に係る溶接装置は、複数の被溶接材を隅肉溶接し、或いは突合せ溶接する際に利用して有利なように構成されたものである。本発明に於いて、被溶接材の材質は特に限定するものではなく、鋼板やステンレス鋼板、或いはアルミニウム板等が用いられる。そして、材質の如何に関わらず、隅肉溶接或いは突合せ溶接する際に、特に、底板から複数の起立板どうしが交差して構成された隅角部を含んで隅肉溶接する際に利用して有利である。
被溶接材を溶接する際に用いる溶接トーチは被溶接材の材質に対応させて選択される。このような溶接トーチとして、炭酸ガスアーク溶接を行うための溶接トーチ、或いはプラズマ溶接を行うための溶接トーチ、更にアルゴンガス溶接を行うための溶接トーチ等の溶接トーチがある。
本発明に係る溶接装置では、溶接トーチを保持するトーチホルダーが、台車に設けた回動中心を中心として回動可能に、且つ回動中心を中心とする半径上に直線移動可能なように構成されている。そして、台車が走行可能限界に到達して停止した後、トーチホルダーを回動中心を中心として回動させると共に半径方向に直線移動させることで、溶接トーチの被溶接部位からの距離を保持しつつ、予め設定された溶接速さで溶接を継続することが可能である。
また、本発明に係る溶接装置では、溶接トーチによって目的の溶接線に対する終端まで溶接した後、台車の停止状態を保持してトーチホルダーを逆戻りさせ、この逆戻りの過程でトーチを稼働させることで、クレーター処理を行うことが可能である。
本発明に係る溶接装置に於いて、台車が走行可能限界に到達したことを認識する方法は限定するものではない。例えば予め台車の走行モーターを制御する制御装置に、目的の溶接線に沿って台車が走行し得る長さ(距離)の情報を入力しておき、この入力情報と走行モーターに対する回転指令の情報が一致したとき、走行可能限界に到達したとして認識することが可能である。また、走行モーターの回転をロータリーエンコーダによって検出して積算し、この積算値が予め制御装置に入力した入力情報と一致したときに台車が走行可能限界に到達したとして認識することも可能である。
更に、例えば水平方向に設置されている鋼板(底板)の端部にマグネット等の当接部材を固定しておき、底板上を走行する台車に設けたスイッチが当接部材と接触して発生した信号によって走行可能限界を認識することが可能である。特に、底板に対し、互いに交差することでこの交差部位に隅角部を有するようにした2枚の起立板が起立し、何れかの起立板の下端部と底板との交差部を隅角部に至るまで隅肉溶接する所謂箱溶接を行う際に、交差した一方の起立板にスイッチを当接させて発生した信号によって走行可能限界を認識することも可能である。
以下、本実施例に係る溶接装置について図を用いて説明する。本実施例に係る溶接装置は、トーチBとして炭酸ガス溶接トーチを搭載した台車Aを有して構成されている。
図1、図3〜図5に示すように、台車Aは、ケーシング1と駆動モーター3によって駆動される複数の車輪2を有しており、ケーシング1の上部に於ける一方側(本実施例では各図に於ける左側)にトーチホルダー17(トーチホルダー17にはトーチBが保持されるため、トーチホルダー17とトーチBは実質的に一体である。このため、以下の説明ではトーチホルダー17又はトーチBという)の回動機構及び直線駆動機構が構成されている。また、ケーシング1の上部に於ける他方側(本実施例では各図に於ける右側)には、操作盤10が配置されている。
ケーシング1の走行方向の両端面には、夫々スイッチ4a、4bが配置されており、このスイッチ4a又はスイッチ4bから信号が発生したとき、制御装置に於いて台車Aが走行可能限界に到達したとして認識し得るように構成されている。尚、スイッチ4a、4bとして、如何なるスイッチを用いるかは限定するものではなく、台車Aの走行時に障害物(当接部材)に接触したとき信号を発生して制御装置に伝え、台車Aが障害物から離脱したとき信号を停止し得るものであれば良い。本実施例では、スイッチ4a、4bとして、リミットスイッチを用いている。
溶接装置の場合、台車が走行可能限界に到達したとき該台車を瞬時に停止させると、ビードに不具合を生じさせる虞がある。このため、スイッチ4a又はスイッチ4bから信号が発生したとき、駆動モーター3の駆動を停止させるものの、台車Aは慣性によって僅かな距離走行し得るように構成されている。従って、スイッチ4a、4bは信号を発生した後、台車Aが走行する距離分を吸収し得るように構成されている。
また、ケーシング1の走行方向の両端面には、先端部にローラー5a、6aを回転可能に取り付けたアーム5b、6bが配置されている。アーム5b、6bは、ローラー5a、6aをトーチBと同じ側に配置すると共に、走行方向後方のローラー5aのケーシング1からの出寸法が前方のローラー6aのケーシング1からの出寸法よりも大きくなるようにして取り付けられている。
そして、台車Aを走行させる際には、ローラー5a、6aを起立板に接触させた状態に配置することで、台車Aの走行方向を起立板に向かうように傾ける。このため、台車Aの走行に伴ってローラー5a、6aが起立板に圧接して回転することとなり、これに伴って車輪2に滑りが生じ、この結果、台車Aは確実に起立板に沿った方向に走行することが可能となる。
ケーシング1の上部に構成されたトーチBの回動機構は、回動軸を垂直に配置してケーシング1に固定された回動モーター15と、この回動モーター15に駆動されて時計方向及び反時計方向に往復回動する板状の回動部材16と、を有して構成されている。尚、回動モーター15及び後述する直線駆動モーター22はケースの内部に収容されているため、各図に円と中心とで位置を示している。
尚、回動機構によってトーチBを回動中心を中心として何度回動させるかは限定するものではなく、台車Aの寸法や該台車Aに於ける回動中心の位置、トーチBの寸法等の条件に応じて適宜設定されることが好ましい。本実施例では、回動中心を中心として最大約120度回動し得るように構成している。即ち、トーチBの中心を台車Aの走行方向に対し直角となるように設定したとき、トーチBは台車Aの走行方向上流側と下流側に夫々60度回動することが可能である。
回動部材16は図示しない直線案内部材を有しており、直線駆動機構はこの直線案内部材によって直線的な移動が案内されるように構成されている。直線案内部材の構成は特に限定するものではなく、一対のレールとこのレールに沿って移動可能な移動部材とによって構成したもの、一対のあり型とあり溝によって構成したもの等があり、何れも採用することが可能である。
本実施例では、回動部材16に於ける回動モーター15を挟んだ位置に、平行に配置された一対のレールを固定し、直線移動機構を構成するベース部材20をこのレールによって直線的に案内し得るように構成している。
回動部材16に固定したレールに沿ってラック21(図4、図5参照)が配置され、該ラック21が回動部材16に固定されている。またベース部材20の上部であってラック21と対応する位置には直線駆動モーター22が設けられており、該直線駆動モーター22に取り付けたピニオン(図示せず)がラック21に噛合している。従って、直線駆動モーター22を駆動すると、ベース部材20は直線的に移動することが可能である。
ベース部材20に、トーチBを保持するホルダー17の姿勢を調整するトーチ調整装置18が構成されている。このトーチ調整装置18は、ホルダー17を回動及び固定して保持する保持部材18aと、保持部材18aの出入を調整する出入調整部材18bと、保持部材18aの高さを調整する高さ調整部材18cと、を有して構成されている。前記各部材18a〜18cを有するトーチ調整装置18は、従来の溶接装置で用いられるものと同一の構造であって良い。
ケーシング1の上部に配置された操作盤10には、台車Aの駆動を操作するための押しボタンスイッチ10a、可変抵抗器を操作する操作ダイヤル10b、溶接モードを選択するセレクトスイッチ10cや、電源と接続されるコネクタ10d及び、操作機能や入力しているデータ或いは動作状態を表示する表示部11が設けられている。
尚、図に於いて8は台車Aを搬送する際に利用するハンドルである。
次に、溶接装置の制御系について図2により説明する。図に於いて、制御装置25は台車Aのケーシング1の上部に配置された制御盤10の内部に設けられている。この制御装置25は、予め設定された溶接プログラムや、押ボタンスイッチ10a及び操作ダイヤル10b、セレクトスイッチ10cの操作に対応した台車Aの動作プログラム、及びスイッチ4a又はスイッチ4bからの信号に基づいて回動モーター15と直線駆動モーター22を同期させて駆動することでトーチBを移動させる際のプログラム、更に、前記プログラムによってトーチBを移動させた後、該トーチBを逆戻りさせてクレーター処理を行うプログラム、を含む台車Aの操作プログラムを記憶した記憶部や、押ボタンスイッチ10a、操作ダイヤル10b、セレクトスイッチ10c及びスイッチ4a又はスイッチ4bからの信号に基づいて所定の演算や判断を行い、この演算結果や判断結果に基づいて各モーター3、15、22の駆動を制御し、或いはトーチBの駆動を制御する制御部、を含むコンピュータによって構成されている。
特に、回動モーター15と直線駆動モーター22を同期させて駆動することでトーチBを移動させる際のプログラムは、突合せ溶接や底板から起立した1枚の起立板と底板との隅部のように、目的の溶接線が終端に至るまで直線であるような場合と、交差した2枚の起立板と底板とによって構成された隅角部を有し、目的の溶接線が隅角部を経て終端に至る間で溶接方向を変更するような場合と、が夫々設定されており、これらのプログラムをセレクトスイッチ10cの操作によって選択し得るように構成されている。
操作ダイヤル10bは可変抵抗器を操作し得るように構成されており、この操作ダイヤル10bを回動操作することによって、台車Aの走行速度を調整し得るように構成されている。また、セレクトスイッチ10cを操作することによって溶接モードを選択して設定し得るように構成されている。また、押ボタンスイッチ10aは台車Aの走行や溶接を開始し、或いは停止させる信号を発生させるように構成されている。
特に、操作ダイヤル10bによって操作される可変抵抗器を、速度調整器としての機能と、電流値からなる信号(電流値信号)を発生するためのスイッチとしての機能と、を合わせて発揮させることが可能である。即ち、可変抵抗器は、台車Aが走行状態にあるか、或いは停止状態にあるか、に対応して、速度調整機能、又は動作条件変更手段としての機能を発揮することが可能である。
例えば台車Aが走行状態にあるとき、可変抵抗器(操作ダイヤル10b)は速度調整機能を発揮し、操作ダイヤル10bの指示部を周囲に設けた指標の0〜10の範囲に於ける何れかに指定することで、走行速度を指定された値に調整することが可能である。
また、台車Aが停止状態にあるとき、可変抵抗器は、指標に於ける予め設定された位置に対応させて予め設定された指標設定点を有する動作条件変更手段としての機能を発揮することが可能である。即ち、台車Aが停止しているとき、可変抵抗器の指示部を指標の予め設定された複数の指標設定点の中から選択された指標設定点に合わせることで、夫々の指標設定点に対応した信号を発生し得るように構成することが可能である。
そして、制御装置25では、夫々の指標設定点に対応した信号を受けたとき、夫々の信号に対応した機能、例えば、台車Aに現在設定されている走行方向とは反対方向に走行するように走行方向を切り替える機能、或いはトーチBの点火動作態様である、テストモード、或いはトーチBに対するガスの供給、通電、ワイヤの供給等の一連の動作からなるオートモード、を切り替える機能を発揮させることが可能である。
次に、上記の如く構成された溶接装置によって隅肉溶接を行う際の動作について、特に目的の溶接線が底板と1枚の起立板の下端との隅部であり、終端が隅角部である場合について図6により説明する。
図に示すように、複数の被溶接材は、水平に配置された被溶接材(底板)Cと、この底板Cに対して起立した起立板Dと、からなり、トーチBによって、底板Cと起立板Dの下端とによって構成された隅部Fに対して隅肉溶接を行うように構成されている。特に、当接部材として機能する当接板Eが底板Cから起立すると共に起立板Dに対して交差して配置され、起立板Dとの交差部分が隅角部Gとして形成されている。
そして、底板C上に台車Aを載置し、図1、図3に示すように、トーチBを先端を隅部Fに接近させて斜めに、且つ平面視が起立板Dに対し略垂直になるように配置する。このとき、トーチBの隅部Fからの距離や姿勢は、トーチ調整装置18を操作することによって、底板C及び起立板Dの板厚や材質等の条件に応じて設定された距離と姿勢に設定する。
上記の如くしてトーチBを隅部Fに対し所定の距離と姿勢を保持させた状態で、操作盤10に設けた操作ダイヤル10bを操作して走行方向と走行速度を設定し、セレクトスイッチ10cを操作して、目的の溶接線が終端に至るまで直線であるような場合の溶接モードを設定する。その後、押ボタンスイッチ10aを操作してトーチBによる隅部Fに対する隅肉溶接を開始させると同時に台車Aを矢印a方向に走行させる(図6(a))。
台車Aの矢印a方向への走行により、該台車A(スイッチ4a)が当接板Eと接触すると、スイッチ4aから信号が発生して制御装置25に伝えられる。この信号によって台車Aが走行可能限界に到達したことが認識される。そして、この状態ではトーチBは底板Cと起立板Dとの隅部Fに対する隅肉溶接が終了していない。
このため、台車Aが走行可能限界に到達したことを認識した後、図6(b)に示すように、トーチBを回動中心H(回動モーター15)を中心として回動させると共に回動中心Hを中心とする半径に沿って起立板Dに接近させる方向に直線移動(前進)させる。即ち、トーチBを回動中心Hを中心として反時計方向に角速度Vrで角度r回動させる。同時にトーチBを回動中心Hを中心とする半径に沿って前方に速度Vfで距離f移動させる。
スイッチ4aから信号が発生した瞬間から駆動モーター3の駆動が停止され、台車Aは速度を低下させつつ慣性力による走行を継続する。このときの台車の速度の低下率や走行距離は溶接装置が完成した時点で計測が可能であり、使用期間が増加しても大きく変化することはない。従って、スイッチ4aから信号が発生した後、台車Aの速度の低下率を考慮して、トーチBの反時計方向への回動と前方への移動を同期させて制御することで、トーチBの回動角度の如何に関わらず、該トーチBの先端の隅部Fからの距離を略一定に保持すると共に矢印a方向への速度を略一定に保持することが可能である。
トーチBの回動角度r、直線移動距離fは、台車Aの端部から回動中心Hまでの距離、トーチBの先端と隅部Fまでの距離が設定されるのに伴って一義的に設定される。また、トーチBが回動する際の角速度Vr、直線移動測度Vfは、底板C及び起立板Dの板厚や材質に対応して溶接速度が設定されるのに伴って一義的に設定される。
従って、予め制御装置25に台車Aの端部(スイッチ4a)から回動中心H(回動モーター15)までの距離を含む機械的な寸法の情報、隅部Fを溶接する際の溶接速度を含む溶接情報を入力することで、トーチBを移動させる条件としての回動角度r、角速度Vr、直線移動距離f、直線移動速度Vfを演算することが可能である。
そして、スイッチ4aからの信号によって台車Aが走行可能限界に到達したことを認識したとき、上記演算結果のデータによって回動モーター15、直線駆動モーター22の駆動を制御することで、トーチBを前述したように移動させつつ、隅部Fに対する溶接を隅角部Gまで継続させることが可能である。このようにして隅部Fに対する隅肉溶接が隅角部Gに接近したとき、トーチBは台車Aの走行方向の端部近傍にまで到達する。
上記の如くしてトーチBによる隅部Fに対する隅肉溶接を継続させることで、起立板Dと当接板Eとの交差部である隅角部Gまで確実に溶接することが可能である。しかし、この段階で溶接を終了した場合、隅角部Gにクレーターが生じることとなる。
このため、台車Aが走行可能限界に到達した後、トーチBを移動させたときと同じ条件でトーチBを逆戻りさせるように、回動モーター15、直線駆動モーター22の駆動を制御する。即ち、トーチBを時計方向に回動角度r、角速度Vrで回動するように回動モーター15を駆動し、同時にトーチBを直線移動距離f、直線移動速度Vfで後退させるように直線駆動モーター22を駆動する。
そして、トーチBが逆戻りすると同時に、溶接電流を低減させて該トーチBによる隅部Fに対する溶接を継続させることで、クレーターに肉盛をしてクレーター処理を行うことが可能である。
尚、目的の溶接を開始する際に、底板C上に図3に示す台車Aを載置したとき、該台車Aの後方の端部(スイッチ4bが配置された側の端部)とトーチBとの間が溶接不能となる虞がある。この場合、台車Aを停止させると共にトーチBを稼働させた状態で、図5に示すように、トーチBを時計方向に回動させるように回動モーター15を駆動すると共に、トーチBを前進させるように直線駆動モーター22を駆動し、その後、トーチBを反時計方向に回動させると共に後退させつつ溶接を実行させることで、溶接不能部分をなくすことが可能である。
そして、トーチBが図3に示す姿勢になった後、台車Aを矢印a方向に走行させることで、隅部Fに対する隅肉溶接を継続することが可能である。
上記実施例は、溶接装置を隅肉溶接を対象として構成したが、必ずしも隅肉溶接に限定するものではなく、突合せ溶接を対象として構成することも可能である。突合せ溶接を対象とする溶接装置の場合、トーチは突合せた一対の被溶接材に対し垂直に配置されるため、トーチBを被溶接材に対し略垂直に保持するトーチホルダー(図示せず)と交換することで対応することが可能である。
溶接装置を上記の如く構成することによって、台車が走行可能限界に到達した後、トーチを回動させると共に前方に移動させることが可能であり、この移動に伴ってトーチによる溶接を継続させることで、突合せ溶接であっても目的の溶接線を全長にわたって溶接することが可能である。
更に、突合せ溶接が終了した後、トーチを逆戻りさせつつ溶接電流を低減させた溶接を継続させることで、クレーター処理を行うことが可能である。
次に、目的の溶接線が底板と2枚の起立板の下端との隅部、及びこれらによって構成された隅角部であり、終端が隅角部を含み該隅角部を超えた位置にある場合について図7により説明する。
尚、本実施例では、底板Cと起立板D(第1起立板D)の下端との隅部F(第1隅部Fa)から隅角部Gまでの溶接は図6に示す前述の溶接と同じであるため、説明を省略する。また、図に於いて、前述の図6と同一の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施例では、複数の被溶接材は、水平に配置された底板Cと、この底板Cに対して起立した第1起立板Dと、底板Cから起立し第1起立板Dに対して交差した第2起立板Eとからなり、第1起立板Dと第2起立板Eとが交差した部分に隅角部Gが形成されている。また、目的の溶接線は、底板Cと第1起立板Dの下端とによって構成された第1隅部Faから隅角部Gを経て底板Cと第2起立板Eの下端とによって構成された第2隅部Fbに至るように設定されている。即ち、目的の溶接線は、隅角部Gを含んで2方向(第1隅部Fa〜隅角部G〜第2隅部Fb)に設定されている。
先ず、台車Aを第1隅部Faに対応させて底板C上に載置し、トーチBを第1隅部Faに対し所定の距離と姿勢を保持させる。そして、操作盤10に設けた操作ダイヤル10bを操作して走行方向と走行速度を設定し、セレクトスイッチ10cを操作して、交差した第1起立板D、第2起立板Eと底板Cとによって構成された隅角部Gを有し目的の溶接線が終端に至る間で溶接方向を変更するような場合の溶接モードを設定する。その後、押ボタンスイッチ10aを操作してトーチBによる隅部Fに対する隅肉溶接を開始させると同時に台車Aを矢印a方向に走行させる(図7(a))。
台車Aの矢印a方向への走行により、該台車A(スイッチ4a)が第2起立板Eと接触すると、スイッチ4aから信号が発生して制御装置25に伝えられる。この信号によって台車Aが走行可能限界に到達したことが認識される。その後、図6(b)に示すように、トーチBを回動中心H(回動モーター15)を中心として回動させると共に回動中心Hを中心とする半径に沿って第1起立板Dに接近させる方向に直線移動(前進)させることで、
第1隅部Faに対する隅肉溶接を継続させて第1起立板Dと第2起立板Eとの交差部である隅角部Gまで溶接することが可能である。
そして、第1隅部Faから隅角部Gまでの隅肉溶接を行った後、更に、トーチBを回動中心Hを中心として反時計方向に回動させると共に回動中心を中心とする半径に沿って第2起立板Eから離隔させる方向に直線移動(後退)させることで、隅角部Gから第2隅部Fbに向けて溶接を継続させている。
台車Aの端部に設けたスイッチ4aが第2起立板Eに接触した後、トーチBが隅角部Gに到達するまでの回動部材16の回動角度、隅角部Gから第2起立板Eに対する隅肉溶接長に対応する回動部材16の回動角度、直線移動距離f、等の数値は、台車Aの端部から回動中心Hまでの距離、回動部材16の許容回動角度、トーチBの先端と第1隅部Fa、第2隅部Fbまでの距離等の条件が設定されるのに伴って一義的に設定される。また、トーチBが回動する際の角速度Vr、直線移動測度Vfは、溶接速度が設定されるのに伴って一義的に設定される。
従って、予め制御装置25に台車Aの端部(スイッチ4a)から回動中心H(回動モーター15)までの距離を含む機械的な寸法の情報、第2隅部Fbに対する溶接長、第1隅部Fa、第2隅部Fbを溶接する際の溶接速度を含む溶接情報を入力することで、トーチBを移動させる条件としての回動角度r、角速度Vr、直線移動距離f、直線移動速度Vfを演算することが可能である。
そして、スイッチ4aからの信号によって台車Aが走行可能限界に到達したことを認識したとき、上記演算結果のデータによって回動モーター15、直線駆動モーター22の駆動を制御することで、第1隅部Faから隅角部Gまでの隅肉溶接を継続させることが可能である。
回動モーター15の回転によりトーチBの回動角度rを検出してトーチBが隅角部Gに到達したことを認識すると、回動モーター15の回転を保持しつつ、直線駆動モーター22の回転を逆転させることで、トーチBを第2起立板Eから略一定の距離を保持させながら、第1起立板Dから離隔させる方向に移動させることが可能である。そして、回動モーター15が同一方向への回転を保持し、直線駆動モーター22が逆転する過程で、トーチBは隅角部Gから第2隅部Fbに移行して隅肉溶接を行うことが可能である。
上記の如くして隅角部Gから第2隅部Fbに隅肉溶接が移行した後、第2隅部Fbに対する溶接長をどの程度にするか限定するものではない。即ち、第2隅部Fbに対する隅肉溶接は台車Aの走行を伴うことなく、単に回動モーター15による回動部材16の回動に依存するものである。
従って、本実施例では、回動部材16(トーチB)は回動中心Hを中心として約120度回動し得るように構成されている。このため、隅角部Gから第2隅部Fbに設定された溶接線の終端までの距離は、トーチBが回動中心Hを中心として約60度回動した位置である。
上記の如くして、第1隅部Faから隅角部Gを経て第2隅部Fbまで連続した隅肉溶接を行うことが可能である。そして、このように隅肉部Gを含む両側を連続して溶接することによって、隅角部G又は極めて近い位置でビードを重ねる必要がなく、連続性を保持した良好なビードを形成することが可能となる。
第2隅部Fbで隅肉溶接を終了したとき、終了部位のビードにクレーターが生じることとなる。このため、トーチBを逆戻りさせると同時に、溶接電流を低減させて該トーチBによる第2隅部Fbに対する溶接を継続させることで、クレーターに肉盛をしてクレーター処理を行うことが可能である。
本発明に係る溶接装置は、台車Aが走行可能限界に到達してもトーチBが目的の溶接線に対する溶接が終了していないような場合に利用して有利である。
A 台車
B トーチ
C 底板
D 起立板、第1起立板
E 当接板、第2起立板
F 隅部
Fa 第1隅部
Fb 第2隅部
G 隅角部
H 回動中心
1 ケーシング
2 車輪
3 駆動モーター
4a、4b スイッチ
5a、6a ローラー
5b、6b アーム
8 ハンドル
10 操作盤
10a 押しボタンスイッチ
10b 操作ダイヤル
10c セレクトスイッチ
11 表示部
15 回動モーター
16 回動部材
17 ホルダー
18 トーチ調整装置
18a 保持部材
18b 出入調整部材
18c 高さ調整部材
20 ベース部材
21 ラック
22 直線駆動モーター
25 制御装置

Claims (4)

  1. 複数の被溶接材を溶接するための溶接装置であって、
    前記複数の被溶接材が接近した又は交差するように組み合わされた被溶接部を溶接する溶接トーチと、
    前記溶接トーチを保持するトーチホルダーを直線的に案内する直線案内部材と、該直線案内部材に沿って前記トーチホルダーを往復駆動する直線駆動モーターと、を有する直線駆動機構と、
    前記直線駆動機構を構成する少なくとも直線案内部材を回動させる回動モーターを有する回動機構と、
    前記直線駆動機構と回動機構を搭載した台車と、
    前記台車が予め設定された溶接区間よりも短い走行区間だけ走行したことを認識したとき、前記溶接トーチを被溶接材からの距離を保持させると共に溶接速さを保持させるように前記直線駆動モーターと前記回動モーターの駆動を制御する制御装置と、
    を有することを特徴とする溶接装置。
  2. 前記制御装置は、溶接トーチが予め設定された溶接区間の終端位置に達した後、該溶接トーチを被溶接材からの距離を保持させると共に溶接速さを保持させて前記台車の溶接方向に対して逆戻りさせるように前記直線駆動機構を構成する直線駆動モーターと前記回動機構を構成する回動モーターの駆動を制御するものであることを特徴とする請求項1に記載した溶接装置。
  3. 前記複数の被溶接材が底板と該底板に起立する起立板からなり、被溶接部が前記底板と起立板下端との隅部であり、
    前記底板上であって前記台車の走行方向下流側に配置された当接部材と、
    前記台車の走行方向の端部に配置され前記当接部材と当接して信号を発生するスイッチと、
    前記スイッチからの信号に基づいて、溶接トーチを被溶接部からの距離を保持させると共に溶接速さを保持させるように前記直線駆動モーターと前記回動モーターの駆動を制御する制御装置と、
    を有することを特徴とする請求項1又は2に記載した溶接装置。
  4. 前記複数の被溶接材が底板と該底板に起立する第1起立板及び前記底板上であって前記台車の走行方向下流側に配置され且つ前記第1起立板と当接した第2起立板からなり、
    前記被溶接部が、前記底板と前記第1起立板下端とが当接する第1隅部、及び前記底板と前記第2起立板下端とが当接する第2隅部、及び前記第1隅部と前記第2隅部が接続する隅角部を含み、前記第1隅部から前記隅角部を経て前記第2隅部に於ける前記隅角部の近傍までであり、
    前記台車の走行方向の端部に配置され前記第2起立板と当接して信号を発生するスイッチと、
    前記スイッチからの信号に基づいて、溶接トーチを被溶接部からの距離を保持させると共に溶接速さを保持させて前記第1隅部から前記隅角部を経て前記第2隅部まで連続させるように前記直線駆動モーターと前記回動モーターの駆動を制御する制御装置と、
    を有することを特徴とする請求項1又は2に記載した溶接装置。
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JP3913614B2 (ja) 自動溶接方法及び自動溶接ロボット制御装置

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