JP2013214648A - 光半導体素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光半導体素子の電流狭窄層を介して流れるリーク電流を低減すること。
【解決手段】 上下がクラッド層(12、16)によって挟まれたストライプ状の活性層(14)と、活性層(14)の両側に配置された電流狭窄構造を備える光半導体素子であって、電流狭窄構造は、一導電型半導体上(12)に設けられた反対導電型電流狭窄層(30)と、反対導電型電流狭窄層(30)上に設けられた一導電型電流狭窄層(32)とを備え、一導電型電流狭窄層(32)の少なくとも一部は、反対導電型電流狭窄層よりもバンドギャップの小さいナローギャップ層で構成されてなることを特徴とする光半導体素子。
【選択図】 図2

Description

本発明は、化合物半導体に係る、光通信や光情報処理に用いる光半導体素子に関する。
化合物半導体による光半導体素子は、直接遷移型のバンド構造を有し、電子とキャリアの直接遷移により光と相互作用を行う。特に軸方向にヘテロ接合を有するヘテロ光半導体素子においては、キャリアの再結合並びに光の誘導放出を担う活性層、及びキャリア並びに光を活性層に閉じ込めるためのクラッド層を、軸方向に積層することにより、効率的なキャリアの注入及びレーザ発振の光出力の増大が実現する。電子はn側電極からn型クラッド層を介して、ホールはp側電極からp型クラッド層を介して、活性層へ注入される。活性層の材料がクラッド層よりバンドギャップの小さい直接遷移型バンド構造であることから、電子及びキャリアは、活性層へ閉じ込められて、直接遷移により誘導放出を行う。
さらに、InP系埋込ヘテロ構造を有する化合物光半導体素子は、横方向にもヘテロ接合を有する。活性層の両側面に、活性層より広いバンドギャップを有する、例えばInPによる電流狭窄層を配することにより、キャリアは、横方向に閉じ込められる。電流狭窄層として、p側電極から向かって第1層p−InP、第2層n−InP、第3層p−InP及び第4層n−InPの、4層の積層構造を持つpnpnサイリスタ構造が、代表的である。電子は、第3層p−InPと第4層n−InPの間のエネルギー障壁によって、流れにくくなる。これにより、n側電極から注入された電子は、電流狭窄層を避けて、活性層へ対して選択的に流れるようになっている。
特開2002−174746号公報
従来の埋込ヘテロ構造を有する化合物光半導体素子は、電流狭窄層のエネルギー障壁を超えて流れる電子に因る、電流狭窄層を介したリーク電流によって、レーザの光出力の低下が問題となっていた。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、電流狭窄層を介したリーク電流を低減することのできる光半導体素子を提供することを目的とする。
本発明は、上下がクラッド層によって挟まれたストライプ状の活性層と、前記活性層の両側に配置された電流狭窄構造を備える光半導体素子であって、前記電流狭窄構造は、一導電型半導体上に設けられた反対導電型電流狭窄層と、前記反対導電型電流狭窄層上に設けられた一導電型電流狭窄層とを備え、前記一導電型電流狭窄層の少なくとも一部は、前記反対導電型電流狭窄層よりもバンドギャップの小さいナローギャップ層で構成されてなることを特徴とする光半導体素子である。
上記構成において、前記一導電型電流狭窄層は、その全てが前記ナローギャップ層で構成されてなる構成とすることができる。
上記構成において、前記ナローギャップ層におけるバンドギャップ波長は、前記光半導体素子の発振波長より短い構成とすることができる。
上記構成において、前記反対導電型電流狭窄層はInPを含み、前記ナローギャップ層はInGaAsPを含む構成とすることができる。
上記構成において、前記ナローギャップ層におけるバンドギャップ・エネルギEgは、0.83eV≦Eg≦1.25eVである構成とすることができる。
上記構成において、前記ナローギャップ層における前記反対導電型電流狭窄層との伝導帯のバンドオフセットは、0.026eV以上である構成とすることができる。
本光半導体素子によれば、電流狭窄層を介して流れるリーク電流を低減することができる。
光半導体素子の製造工程図(その1)である。 光半導体素子の製造工程図(その2)である。 実施例1に係る光半導体素子のバンド図である。 比較例に係る光半導体素子のバンド図である。 ナローギャップ層におけるAs組成と、伝導帯における障壁高さの増加量との関係を示すグラフである。 実施例1の変形例に係る光半導体素子のバンド図である。 ナローギャップ層におけるAs組成と、価電子帯における井戸深さとの関係を示すグラフである。 実施例1の変形例に係る光半導体素子の断面図である。 光半導体素子の好ましい成長条件を示すグラフである。 実施例2に係る光半導体素子の断面図である。 n型電流狭窄曹に占めるナローギャップ層の割合と、伝導帯における障壁高さの増加率との関係を示すグラフである。
図1は、実施例1に係る光半導体素子の製造工程を示す図である。図1(a)に示すように、基板10上に、n型下部クラッド層12、多重量子井戸層14、p型上部クラッド層16を順に形成する。基板10及びn型下部クラッド層12としては、例えばn−InPを用いることができる。多重量子井戸層14としては、例えばInGaAsPを用いることができる。p型上部クラッド層16としては、例えばp−InPを用いることができる。なお、図1及び以降の図においては、基板10の一部を省略して図示するものとする。
次に、図1(b)に示すように、n型下部クラッド層12、多重量子井戸層14、p型上部クラッド層16の一部を除去し、活性層である多重量子井戸層14を含むメサストライプ20を形成する。当該工程は、例えばp型上部クラッド層16上にエッチング用のマスク18を形成し、当該マスク18を用いたドライエッチングにより行うことができる。マスク18には、例えばSiO膜を用いることができる。
次に、図1(c)に示すように、マスク18を引き続き選択成長用のマスクとして使用し、メサストライプ20の両側におけるn型下部クラッド層12上の領域に、p型電流狭窄層30及びn型電流狭窄層32(ナローギャップ層)を順に形成する。p型電流狭窄層30としては、例えばp−InPを用いることができる。n型電流狭窄層32としては、例えば組成x=0.23、y=0.5のIn1−xGaAs1−yを用いることができる。n型電流狭窄層32の構成については後段で詳述する。
p型電流狭窄層30及びn型電流狭窄層32の成長条件について、成長温度は例えば560℃、成長圧力は例えば0.1気圧とすることができる。3族、5族、及びドーパント原料としては、例えばTMIn、TEGa、PH、AsH、ジシラン、及びジエチル亜鉛を用いることができ、p及びnドーパント濃度はそれぞれ例えば1×1018cm−3、1×1019cm−3とすることができる。成長の際には、例えば0.13torrの塩化メチルを添加しつつ成長を行う。p型電流狭窄層30及びn型電流狭窄層32の成長が終了したら、マスク18を除去する。マスク18にSiOを用いる場合の除去方法としては、例えば弗化水素酸に1分間浸すことにより、マスク18をエッチング除去する方法を採用することができる。
次に、図1(d)に示すように、p型上部クラッド層16及びn型電流狭窄層32上に、更にp型上部クラッド層40及びコンタクト層42を順に形成する。p型上部クラッド層40としては、例えばp型上部クラッド層16と同じ組成であるp−InPを用いることができる。コンタクト層42としては、例えばp−InGaAsを用いることができる。
次に、図2に示すように、基板10の表面にn側電極50を、p型上部クラッド層40の表面にp側電極52をそれぞれ形成する。n側電極50及びp側電極52には、例えば金及びゲルマニウムの混晶、並びにチタン及び白金の混晶を用いることができる。
図2は、実施例1に係る光半導体素子の構成を示す断面図である。基板10上に、n型下部クラッド層12、多重量子井戸層14、及びp型上部クラッド層16を含むメサストライプ20が形成され、メサストライプ20の両側には、p型電流狭窄層30及びn型電流狭窄層32が形成されている。p型電流狭窄層30及びn型電流狭窄層32は、共にp側電極52からn側電極50に向かって流れる電流を妨げる電流狭窄構造として機能する。
図3は、p側電極52に1Vの電圧を印加した場合における、上下クラッド層及び電流狭窄層の伝導帯と価電子帯のバンド構造のシミュレーション結果である。
この印加電圧は、光半導体素子の発振動作時における典型的な電圧である。p型上部クラッド層16、n型電流狭窄層32、p型電流狭窄層30、及びn型下部クラッド層12のドーピング濃度はそれぞれ1×1018cm−3、1×1019cm−3、1×1018cm−3、1×1018cm−3とし、各層の厚みは0.5μmとした。
図3に示す示するように、伝導帯におけるエネルギー・ポテンシャルは、p型上部クラッド層16及びp型電流狭窄層30において高く、n型電流狭窄層32及びn型下部クラッド層12において低くなっている。伝導帯におけるn型下部クラッド層12とp型電流狭窄層30との間には、エネルギー障壁ΔEが存在している。
上記のエネルギー障壁ΔEにより、n側電極50から注入された電子は、p型電流狭窄層30に注入されにくくなっている。これにより、n側電極50から注入された電子が多重量子井戸層14へと選択的に注入され、p側電極52から供給される電流が多重量子井戸層14を介してn型下部クラッド層12及びn側電極50に流れる。その結果、多重量子井戸層14への電子の注入効率及び光半導体素子の光出力を増大させることができる。
ここで、n型電流狭窄層32には、n型下部クラッド層12とp型電流狭窄層30との間のエネルギー障壁ΔEを効果的に増大させることのできる材料を用いることが望ましい。以下、この点について詳細に説明する。
図4は、第1の比較例に係る光半導体素子におけるバンド構造のシミュレーション結果である。図4では、n型電流狭窄層32の材料としてn−InPを用いている他は、図2のシミュレーション条件と同一である。図示するように、図3におけるエネルギー障壁ΔEは、図4におけるエネルギー障壁ΔEに比べて大きくなっている。従って、n型電流狭窄層32の材料として、図3のように組成x=0.23、y=0.5のIn1−xGaAs1−yを用いた場合の方が、図4のようにn−InPを用いた場合に比べ、エネルギー障壁ΔEを大きくすることができる。その結果、p型電流狭窄層30及びn型電流狭窄層32を介して流れるリーク電流を抑制することができる。
上記のようにエネルギー障壁ΔEが増大する理由は、以下の通りと考えられる。p側電極とn側電極の間に電圧が印加されていない熱平衡状態において、n型電流狭窄層32の材料としてn−InPを用いた場合には、エネルギー障壁ΔEは、InPのバンドギャップである。一方、n型電流狭窄層32の材料としてn−InGaAsPを用いた場合には、エネルギー障壁ΔEは、InPのバンドギャップと、InPとInGaAsPのバンドギャップの差の合計である。p側電極52及びn側電極50の間に、順方向の電圧が印加された場合には、電場エネルギーが最小になるように、伝導帯におけるエネルギー・ポテンシャルは、熱平衡状態から変化する。この場合においても、n型電流狭窄層32の材料としてn−InPを用いた場合よりn−InGaAsPを用いた場合に、InPとInGaAsPのバンドギャップに従い、エネルギー障壁ΔEは増加する。
上記の理由によるエネルギー障壁ΔEの増大は、n型電流狭窄層32の材料として、p型電流狭窄層30よりバンドギャップの小さい材料を用いることにより実現することができる。従って、n型電流狭窄層32には、In1−xGaAs1−yの他にも、p型電流狭窄層30よりバンドギャップの小さい様々な材料(例えば、InGaAs)を用いることができる。また、n型電流狭窄層32としてIn1−xGaAs1−yを用いる場合であっても、x及びyの組成は様々に変更することができる。後述するように、エネルギー障壁ΔEの大きさに直接影響するのは、As組成yの方であるため、xの値はyの値を決定した後に、これと格子整合するように適宜定めることが好ましい。
図5は、n型電流狭窄層32としてIn1−xGaAs1−yを用いた場合のAs組成yと、n型下部クラッド層12とp型電流狭窄層30との間のエネルギー障壁ΔEの増加量との関係を示すグラフである。縦軸は、Asの組成をy=0とした場合(図4)を基準とする増加量を示している。また、Ga組成xは、各As組成yに対して、InPに格子整合するように変化させた。図示するように、As組成yの値が大きくなるに従い、エネルギー障壁ΔEの増加量も大きくなっている。光半導体素子の動作時に、電子が電流狭窄層のエネルギー障壁を超えて流れるキャリア・オーバーフローの一因は、熱エネルギーと考えられる。そこでキャリア・オーバーフローを抑制するためには、エネルギー障壁ΔEの増加量は、熱エネルギーに相当するkT(k=ボルツマン定数、T=レーザ温度)より大きいことが好ましい。具体的には、ΔE≧0.026eVであることが好ましく、そのためにAs組成yは0.14以上であることが好ましい。図4において、前述のように、Ga組成xとAs組成yは、InPに格子整合するように変化させている。この場合に、As組成yの増加に従い、In1−xGaAs1−yのバンドギャップ・エネルギEgが減少する。As組成yが0から1に変化すると、バンドギャップ・エネルギEgは、InP相当の1.35eVからInGaAs相当の0.75eVまで変化する。熱エネルギーによるキャリア・オーバーフローを抑制するためには、As組成yの0.14以上で、バンドギャップ・エネルギEgが、1.25eV以下であることが好ましい。
次に、As組成yの好ましい上限値について考察する。
図6は、実施例1の変形例に係る光半導体素子におけるバンド構造のシミュレーション結果である。本変形例では、n型電流狭窄層32の材料としてInGaAsを用いており、その他の条件は図3のシミュレーション条件と同一である。
図6に示すように、価電子帯におけるn型電流狭窄層32及びp型電流狭窄層30のヘテロ界面には、ノッチが発生しており、n型電流狭窄層32における井戸の底とノッチの先端とで、ポテンシャルの逆転(ΔE)が生じている。これにより、当該領域において伝導帯は凹、価電子帯は凸となる井戸構造が形成され、注入されたホールと電子が当該領域に局在することで、再結合が生じやすくなっている。その結果、活性層である多重量子井戸層14への電流注入効率が低下し、光出力が低下してしまう。
図7は、n型電流狭窄層32としてIn1−xGaAs1−yを用いた場合のAs組成yと、n型電流狭窄層32における価電子帯の井戸の深さΔE(価電子帯の底とノッチの先端とのエネルギー差)との関係を示すグラフである。井戸深さの値が正(ΔE≧0)の場合に井戸構造が形成される。図7のグラフによれば、As組成が0.83より大きくなるとΔEが正となるため、As組成yは0.83以下とすることが好ましい。このときのIn1−xGaAs1−yのバンドギャップ・エネルギEgとしては、0.83eV以上であることが好ましい。
以上のように、実施例1に係る光半導体素子によれば、n型電流狭窄層32としてp型電流狭窄層30よりバンドギャップの小さい材料を用いることにより、p型電流狭窄層30とn型下部クラッド層12との間のエネルギー障壁ΔEを増大させることができる。これにより、n型電流狭窄層32及びp型電流狭窄層30を介して流れるリーク電流を抑制することができるため、活性層である多重量子井戸層14への電流注入効率の低下を抑制し、光出力の低下を抑制することができる。
エネルギー障壁ΔEを増大させる他の方法としては、p型電流狭窄層30よりバンドギャップの小さい材料を用いた層(本実施例のn型電流狭窄層32に相当)を、p型電流狭窄層30とn型下部クラッド層12との間に挿入する構成が考えられる。しかし、この方法では、p型電流狭窄層30とn型下部クラッド層12との間の伝導帯においてノッチが発生し、当該ノッチの分だけエネルギー障壁ΔEが小さくなってしまう。これに対し、本実施例のように、p型電流狭窄層30よりバンドギャップの小さい材料を用いた層を、p型電流狭窄層30からみてn型下部クラッド層12の反対側(n型電流狭窄層32の位置)に挿入する構成では、p型電流狭窄層30とn型下部クラッド層12との間の伝導帯においてノッチが発生しない。このため、エネルギー障壁ΔEの減少を抑制することができる。
実施例1に係る光半導体素子において、n型電流狭窄層32としてIn1−xGaAs1−yを用いる場合、エネルギー障壁ΔEの大きさを十分にする観点からは、In1−xGaAs1−yのバンドギャップ・エネルギEgを1.25eV以下とすることが好ましい。また、n型電流狭窄層32の価電子帯における井戸構造の形成を抑制する観点からは、In1−xGaAs1−yのバンドギャップ・エネルギEgを0.83eV以上とすることが好ましい。従って、In1−xGaAs1−yのバンドギャップ・エネルギEgは0.83eV以上1.25eV以下とすることが好ましい。
また、n型電流狭窄層32は、活性層である多重量子井戸層14の近傍に位置するため、n型電流狭窄層32における光吸収量を小さくすることが好ましい。従って、n型電流狭窄層32におけるバンドギャップ波長は、光半導体素子の発振波長より短くなるようにすることが好ましい。発振波長とは、実施例1における光半導体素子を動作させた場合の発振波長である。これは、たとえばその光半導体素子の仕様で定められる定格の発振波長を採用することもできる。これにより、n型電流狭窄層32における光吸収を抑制することができる。
また、実施例1では、図1(c)等に示すように、p型電流狭窄層30及びn型電流狭窄層32の上面における平坦幅が大きくなるように、これらの層を成長させることが好ましい。以下、この点について説明する。
図8は、実施例1の他の変形例に係る光半導体素子の構成を示す図である。図8では、p型電流狭窄層30の上面が、多重量子井戸層14の外側に向かって傾斜しており、その他の構成は図2と同様である。このため、p型電流狭窄層30上に形成されるn型電流狭窄層32においても、上面の平坦部分の割合は少なく、大部分が多重量子井戸層14の外側に向かって傾斜する構成となっている。
前述のように、実施例1に係る光半導体素子では、n型電流狭窄層32におけるバンドギャップを調節することにより、リーク電流の抑制を図っている。しかし、斜面上にn型電流狭窄層32を成長させる場合、平坦面上に成長させる場合と成長面方位が異なるものとなるため、n型電流狭窄層32における組成(例えば、In1−xGaAs1−yのxy組成)が異なってしまう。従って、活性層である多重量子井戸層14の近傍には、p型電流狭窄層30及びn型電流狭窄層32の斜面を形成しないことが好ましく、例えばn型電流狭窄層32の上面における平坦幅(符号L)が、多重量子井戸層14から10μm以上となるようにすることが好ましい。
図9は、上記の好ましい平坦面を形成するための成長条件を示すグラフである。図9(a)は、成長温度と平坦幅との関係を示すグラフであり、n型電流狭窄層32の上面における平坦幅を10μmとするためには、成長温度を540℃以上575℃以下とすることが好ましい。図9(b)は、p型電流狭窄層30及びn型電流狭窄層32の成長時に添加する塩化メチルの分圧と、上記の平坦幅との関係を示すグラフである。当該グラフより、n型電流狭窄層32の上面における平坦幅を10μmとするためには、塩化メチルの分圧を0.13torr以上とすることが好ましい。
以上のように、p型電流狭窄層30及びn型電流狭窄層32の成長を好ましい範囲の条件下で行うことにより、n型電流狭窄層32の組成を予め意図した通りのものとすることが容易となる。
実施例2は、n型電流狭窄層32を多層構造とした例である。
図10は、実施例2に係る光半導体素子の構成を示す断面図である。n型電流狭窄層32は、p型電流狭窄層30に比べてバンドギャップが小さいナローギャップ層32aと、それ以外の層32bから構成されている。その他の構成は実施例1(図2)と同様である。図10(a)及び図10(b)は2層構造の例であり、図10(a)ではp型電流狭窄層30に近い側にナローギャップ層32aが形成され、図10(b)ではp型電流狭窄層30から遠い側にナローギャップ層32aが形成されている。図10(c)は3層構造の例であり、ナローギャップ層32aがその他の層32bに挟まれる構成となっている。ナローギャップ層32aとしては、例えばIn1−xGaAs1−yを用いることができ、n型電流狭窄層32におけるその他の層32bとしては、例えばn−InPを用いることができる。
図10に示すように、n型電流狭窄層32の一部をナローギャップ層32aとした場合でも、実施例1と同様に、p型電流狭窄層30とn型下部クラッド層12との間のエネルギー障壁ΔEを増大させ、リーク電流を抑制することができる。実施例1は、n型電流狭窄層32の全てをナローギャップ層32aとした場合といえるが、実際にはn型電流狭窄層32の少なくとも一部がナローギャップ層32aであれば、上記のリーク電流の抑制効果を得ることができる。
図11は、n型電流狭窄層32に占めるナローギャップ層32aの割合と、エネルギー障壁ΔEの増加率との割合を示すグラフである。図示するように、ナローギャップ層32aの割合が20%以上であれば、エネルギー障壁ΔEの増加率は、ナローギャップ層32aの割合が100%である場合に比べて9割近い値となり、十分な効果を得ることができる。従って、n型電流狭窄層32に占めるナローギャップ層32aの割合は、20%以上であることが好ましい。
実施例2では、n型電流狭窄層32の層数を2または3とした例について説明したが、n型電流狭窄層32の層数はこれ以上の数であってもよい。
実施例1〜2においては、一導電型半導体層、反対導電型電流狭窄層、一導電型電流狭窄層、及び反対導電型半導体層により構成される電流狭窄構造として、n型下部クラッド層12、p型電流狭窄層30、n型電流狭窄層32、及びp型上部クラッド層を、基板10の側からnpnpの順に積層した構造を例に説明を行った。このうち、実施例1は、一導電型電流狭窄層(n型電流狭窄層32)の全部をナローギャップ層とした例であり、実施例2は、一導電型電流狭窄層の一部をナローギャップ層とした例である。
上記の電流狭窄構造は、実施例1〜2とは逆の順(pnpn)で、基板10の側から一導電型半導体層(p)、反対導電型電流狭窄層(n)、一導電型電流狭窄層(p)、及び反対導電型半導体層(n)を積層することにより構成してもよい。この場合、p型の一導電型電流狭窄層の少なくとも一部に、n型の反対導電型電流狭窄層よりバンドギャップの小さいナローギャップ層が含まれるようにすればよい。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 :基板
12 :n型下部クラッド層
14 :多重量子井戸層
16 :p型上部クラッド層
18 :マスク
20 :メサストライプ
30 :p型電流狭窄層
32 :n型電流狭窄層
32a :ナローギャップ層
40 :p型上部クラッド層
42 :コンタクト層
50 :n側電極
52 :p側電極

Claims (6)

  1. 上下がクラッド層によって挟まれたストライプ状の活性層と、前記活性層の両側に配置された電流狭窄構造を備える光半導体素子であって、
    前記電流狭窄構造は、
    一導電型半導体上に設けられた反対導電型電流狭窄層と、
    前記反対導電型電流狭窄層上に設けられた一導電型電流狭窄層とを備え、
    前記一導電型電流狭窄層の少なくとも一部は、前記反対導電型電流狭窄層よりもバンドギャップの小さいナローギャップ層で構成されてなることを特徴とする光半導体素子。
  2. 前記一導電型電流狭窄層は、その全てが前記ナローギャップ層で構成されてなることを特徴とする請求項1に記載の光半導体素子。
  3. 前記ナローギャップ層におけるバンドギャップ波長は、前記光半導体素子の発振波長より短いことを特徴とする請求項1または2に記載の光半導体素子。
  4. 前記反対導電型電流狭窄層はInPを含み、前記ナローギャップ層はInGaAsPを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光半導体素子。
  5. 前記ナローギャップ層におけるバンドギャップ・エネルギEgは、0.83eV≦Eg≦1.25eVであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光半導体素子。
  6. 前記ナローギャップ層における前記反対導電型電流狭窄層との伝導帯のバンドオフセットは、0.026eV以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光半導体素子。
JP2012084782A 2012-04-03 2012-04-03 光半導体素子 Pending JP2013214648A (ja)

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