JP2013213542A - ガス栓 - Google Patents

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Abstract

【課題】過流出防止弁によるガス通路の遮断及びリセット操作を極めて簡単な構成で実現して、構成の簡素化、部材点数の減少、更にはコンパクト化が可能なガス栓を提供する。
【解決手段】過流出防止弁Hがスライド弁S1よりも下流側に配置され、過流出防止弁Hをスライド弁S1に対して連結して支持し、ガス通路におけるガスの流れに沿って弾性的に伸縮自在な弾性連結部材11を備え、弾性連結部材11が、スライド弁S1が開き位置にある状態で過流出防止弁Hが過剰流量のガスから圧力を受けたときには伸張して過流出防止弁Hの着座を許容し、スライド弁S1が閉じ位置にある状態では収縮して過流出防止弁Hを着座から解除する。
【選択図】図1

Description

本発明は、内部にガス通路が形成された筒状のガス栓本体と、
前記ガス通路におけるガスの流れに沿ってスライドして閉じ位置と当該閉じ位置よりも上流側の開き位置との間で変移自在なスライド弁と、
前記ガス通路におけるガス流量が過剰となったときに当該ガスから受ける流動圧に応動して上流側に変移し着座する過流出防止弁とを備えたガス栓に関する。
上記のようなガス栓としてのガスコンセントは、ガス管が接続されたガス接続具をガス栓本体に装着し、ガス接続具に備えられた押圧部にてスライド弁を、ガス通路を遮断させる閉じ位置からガス通路の上流側に位置しガス通路を開放させる開き位置に押圧することで、ガス通路を開放させてガス接続具に接続されたガス器具へのガス供給を行う。スライド弁は、付勢部材により下流側に向けて付勢されているので、ガス接続具をガス栓本体から取り外してスライド弁に対する押圧部による押圧を解除すると、閉じ位置に復帰してガス通路が遮断され、ガス器具へのガス供給が停止される。
このようなガス栓では、ガス接続具に接続されたガス管が破れる等により過剰な流量のガスが流れた場合に、ガス供給を停止する必要がある。そこで、従来、ガス通路におけるガスの流量が過剰となったときに、その過剰な流量のガスから受ける流動圧により応動して上流側に変移して着座する過流出防止弁が備えられている。
過流出防止弁が着座することでガス通路が遮断されるが、ガス器具へのガス供給を再開させるためには、過流出防止弁を着座から解除することが必要である。そこで、使用者によってガス接続具をガス栓本体から取り外すという動作が行われると、その動作と連投して過流出防止弁をガス通路の上流側へ押圧するリセット操作が行われて過流出防止弁が着座から解除され、ガス通路におけるガスの通流が復帰するように構成されたものがある(例えば、特許文献1参照。)。尚、この過流出防止弁は、ガス接続具がガス栓本体に装着されている場合には、リセット操作を行わずに、過流出防止弁の初期位置から作動位置への移動を許容しておくように構成される。
一方、上記のようなガス栓として、ガス栓本体へのガス接続具の装着とは関係なく、操作つまみ等の操作部に対する回転操作に伴って開閉弁である回動弁を回転させて開閉を行ってガスの供給及び停止を切り替える所謂回転式のガス栓(例えば、特許文献2を参照。)などが知られている。また、ガスコンロ等に内蔵されガス流入路とガス流出路との間の開閉を行ってガスの供給及び停止を切り替える開閉弁として、操作ボタン等の操作部に対する押圧操作に伴って開閉弁であるスライド弁をスライドさせて開閉を行う所謂プッシュプッシュ式の開閉弁(例えば、特許文献3を参照。)などが知られており、上記ガス栓についても、この開閉弁と同様にプッシュプッシュ式に構成することが望まれている。
実開平3−65071号公報 実公平02−021660号公報 特開平02−154918号公報
このような従来のガス栓において、上記過流出防止弁は、特にリセット操作を行うための構成が比較的複雑であるなどの理由から、通常、ガス通路においてスライド弁の上流側の比較的余裕を取れる空間に配置されている。
従って、ガス栓のガスの流れ方向の長さが比較的大きくなり、また内部構造も複雑なものとなるため、当該ガス栓のコスト高や設置場所の制限等の問題が生じる場合がある。
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、過流出防止弁によるガス通路の遮断及びリセット操作を極めて簡単な構成で実現して、構成の簡素化、部材点数の減少、更にはコンパクト化が可能なガス栓を提供する点にある。
この目的を達成するための本発明に係るガス栓は、
内部にガス通路が形成された筒状のガス栓本体と、
前記ガス通路におけるガスの流れに沿ってスライドして閉じ位置と当該閉じ位置よりも上流側の開き位置との間で変移自在なスライド弁と、
前記ガス通路におけるガス流量が過剰となったときに当該ガスから受ける流動圧に応動して上流側に変移し着座する過流出防止弁とを備えたガス栓であって、
その第1特徴構成は、
前記過流出防止弁が前記スライド弁よりも下流側に配置され、
前記過流出防止弁を前記スライド弁に対して連結して支持し、前記ガス通路におけるガスの流れに沿って弾性的に伸縮自在な弾性連結部材を備え、
前記弾性連結部材が、前記スライド弁が開き位置にある状態で前記過流出防止弁が過剰流量のガスから圧力を受けたときには伸張して前記過流出防止弁の着座を許容し、前記スライド弁が閉じ位置にある状態では収縮して前記過流出防止弁を着座から解除する点にある。
上記第1特徴構成によれば、上記スライド弁とその下流側に配置されている上記過流出防止弁とが弾性的に伸縮自在な弾性連結部材により連結されて、カ流量防止弁がスライド弁に対して支持されている。
そして、スライド弁がガス通路を開放させる開き位置にある状態において、ガス通路におけるガスの流量が過剰となったときには、過流出防止弁は、その過剰な流量のガスから受ける流動圧により応動して当該弾性連結部材を伸張させながら上流側に変移してガス栓本体に設けられた弁座に着座するので、ガス通路が遮断されることになる。
一方、スライド弁がガス通路を遮断させる閉じ位置にある状態においては、過流出防止弁がスライド弁よりも上流側に配置されてことで、当該過流出防止弁にはガスの流動圧が付加されなくなる。よって、過流出防止弁には弾性連結部材の収縮に伴う収縮力のみが作用するので、その過流出防止弁は、上流側にあるスライド弁に向けて移動して着座から解除される所謂リセット操作が行われるので、ガス通路におけるガスの通流が復帰することになる。即ち、スライド弁が開き位置から閉じ位置に変移してガス通路におけるガスの通流が遮断されたときには上記リセット操作が行われ、次にスライド弁が開き位置に変移したときにはガスの通流におけるガスの通流が復帰することになる。
従って、本発明により、過流出防止弁をスライド弁よりも下流側に配置すると共に、過流出防止弁とスライド弁とを弾性係数及び自然長が適宜設定された弾性連結部材により連結するという極めて簡単な構成を採用するだけで、過流出防止弁によるガス通路の遮断及びリセット操作を実行することができ、構成の簡素化、部材点数の減少、更にはコンパクト化が可能なガス栓を提供することができる。
本発明に係るガス栓の第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記スライド弁が、前記ガス通路におけるガスの流れに沿ってスライド自在なスライド軸の上流側端部に固設され、
前記過流出防止弁が、前記スライド軸を内挿する支持孔を中心部に穿設した環状の部材で構成されている点にある。
上記第2特徴構成によれば、スライド弁が上流側端部に固設したスライド軸が設けられている場合において、過流出防止弁をそのスライド軸に対してガスの流れ方向において重畳した状態で配置することができる。よって、過流出防止弁を備えた場合でも、ガスの流れ方向の長さを拡大することなく、非常にコンパクトなガス栓を実現することができる。
本発明に係るガス栓の第3特徴構成は、上記第2特徴構成に加えて、
前記スライド軸における前記過流出防止弁よりも下流側の部位に、側方に膨出する膨出部が形成され、
前記過流出防止弁が、外周縁を下流側に向けて突出してなる環状突出部を有すると共に、当該環状突出部を前記膨出部の外周部と前記ガス通路の内周部との間に形成された環状隙間部に嵌合させる状態で着座する点にある。
上記第3特徴構成によれば、スライド軸における過流出防止弁よりも下流側の部位に上記膨出部が形成されているので、スライド弁が開き位置にある状態においては、その膨出部の外周部とガス通路の内周部との間の環状隙間部をガスが通過することになる。
そして、その状態でガス通路におけるガスの流量が過剰となったときには、過流出防止弁は、過剰な流量のガスから受ける流動圧により応動して当該弾性連結部材を伸張させながら上流側に変移し、当該外周縁に設けられた環状突出部を上記環状隙間部に嵌合させる形態で着座して、ガス通路を確実に遮断することができる。
更に、このように過流出防止弁が着座している状態でスライド弁を開き位置から閉じ位置に変移させることで、その変移に伴ってスライド軸の膨出部が下流側に変移して、環状隙間部における環状突出部の嵌合が解除されることになる。よって、過流出防止弁は、弾性連結部材の収縮力により上流側にあるスライド弁に向けて移動して着座から解除され、ガス通路におけるガスの通流が復帰することになる。
本発明に係るガス栓の第4特徴構成は、上記第3特徴構成に加えて、
前記過流出防止弁が着座するにあたり、前記環状突出部の内周部が前記膨出部の外周部に嵌合され、前記環状突出部の下流側の外周部が前記ガス通路の内面に形成された上流側に面する当接部に当接されている点にある。
上記第4特徴構成によれば、過流出防止弁が着座するにあたり、当該環状突出部は、その内周部を内側にある膨出部の外周部に嵌合させ、一方その外周部を外側にあるガス通路の内面に形成された当接部に当接させた状態で、環状隙間部に嵌合することになる。よって、このように過流出防止弁が着座している状態でスライド弁を開き位置から閉じ位置に変移させることで、その変移に伴ってスライド軸の膨出部が下流側に変移したとしても、環状突出部の外周部が下流側に面する当接部に当接していることで過流出防止弁が下流側に変移することが防止されているので、環状隙間部における環状突出部の膨出部による嵌合が確実に解除されることになって、過流出防止弁の着座がより一層確実に解除されることになる。
更に、本発明に係るガス栓は、スライド弁が前記ガス栓本体に対するガス接続具の装着及び取り外しに伴って前記閉じ位置と前記開き位置との間で変移するようにして、所謂ガスコンセントとして構成したり、スライド弁が操作部に対する押圧操作に伴って前記閉じ位置と前記開き位置との間で変移するようにして、所謂プッシュプッシュ式のガス栓として構成することができる。
第1実施形態のガス栓においてガス接続具を装着し且つ過流出防止弁が着座していない状態で断面図 第1実施形態のガス栓においてガス接続具を装着し且つ過流出防止弁が着座している状態で断面図 第1実施形態のガス栓においてガス接続具が取り外されている状態で断面図 スライド弁及び過流出防止弁の配置状態を示す斜視図 第2実施形態のガス栓においてガス接続具を装着し且つ過流出防止弁が着座していない状態で断面図 第2実施形態のガス栓においてガス接続具を装着し且つ過流出防止弁が着座している状態で断面図 第2実施形態のガス栓においてガス接続具が取り外されている状態で断面図 第2実施形態のガス栓のスライド弁及び操作機構部を示す分解斜視図 第2実施形態における開栓動作時のガイド溝におけるガイドピンの位置の遷移状態を説明する説明図 第2実施形態における閉栓動作時のガイド溝におけるガイドピンの位置の遷移状態を説明する説明図
〔第1実施形態〕
本発明に係るガス栓の第1実施形態について、図1、図2、図3、及び図4に基づいて説明する。
この第1実施形態のガス栓は、ガスを流入口3から流出口4に亘って通流させるガス通路1が内部に形成された円筒状のガス栓本体2を備えており、そのガス栓本体2にガス接続具100を装着することでガス通路1でのガス流通によりガス接続具100に接続されたガス器具へのガス供給を行い、ガス栓本体2からガス接続具100を取り外すことでガス通路1でのガス流通を停止してガス器具へのガス供給を停止する、所謂ガスコンセントとして構成されている。図1、及び図2は、ガス接続具100をガス栓本体2に装着している状態を示しており、図3は、ガス接続具100をガス栓本体2から取り外している状態を示しており、図4は、スライド弁S1及び過流出防止弁Hの配置状態を示している。
ガス栓本体2には、ガス通路1を開閉自在なスライド弁S1と、ガス通路1に一定以上の過剰流量でガスが通流した場合にガス通路1を遮断する過流出防止弁Hとが備えられている。また、この過流出防止弁Hは、ガス接続具100のガス栓本体2からの取り外しが行われた場合に過流出防止弁Hによるガス通路1の遮断をリセットさせるリセット操作を行うように構成されている。
ガス通路1は、その流路断面を円形状とし、ガス栓本体2の軸方向(図1〜3中X方向)に沿う直線状に設けられており、ガス栓本体2の軸方向とガス通路1のガス流通方向が同一方向となっている。
ガス通路1は、流路径が変更された複数の通路部位1a〜1eから構成されており、ガスの流れ方向の上流側(図1〜3中X方向の右側)から順に、流入口3に通ずる第1通路1a、最も流路径が大きい第2通路1b、第2通路1bよりも流路径が小さい第3通路1c、その第3通路1cよりも流路径が小さい第4通路1d、第4通路1dよりも流路径が小さく流出口4に通じる第5通路1eが配置されている。
これらガス通路1の内面には、各種部位が形成されている。具体的には、第1通路1aと第2通路1bとの境界部の内面には、径内方向に向けて突出形成されたバネ受け部2aが形成されている。第3通路1cの内面の上流側の部分は、スライド弁S1が内部に嵌合してガス通路1を遮断するためのスライド弁弁座部2bとして形成されている。第3通路1cと第4通路1dとの境界部の内面は、ガスの流れに沿って漸次縮径し上流側に面する第1当接面2cが形成され、また、第4通路1dと第5通路1eとの境界部の内面は、ガスの流れに沿って漸次縮径し上流側に面する第2当接面2dが形成されている。
スライド弁S1は、ガス通路1のガスの流れに沿ってスライドして、ガス通路1を遮断する閉じ位置(図3におけるスライド弁S1の位置)と当該閉じ位置よりも上流側にありガス通路1を開放する開き位置(図1及び図2におけるスライド弁S1の位置)との間で変移自在に配置されている。
具体的に、スライド弁S1は、閉じ位置にあるときには、図3に示すように、第3通路1cのスライド弁弁座部2bに嵌合してガス通路1を遮断し、開き位置にあるときには、図1及び図2に示すように、第2通路1bの略中央部に位置してスライド弁S1と当該第2通路1bとの間の隙間を形成することでガス通路1を開放する。また、スライド弁S1は、弁付勢手段10によって閉じ位置に復帰するように付勢されており、ガス接続具100がガス栓本体2から取り外されている場合には、閉じ位置に位置して第6通路1fを閉弁している。
尚、この弁付勢手段10は、コイルバネで構成されており、圧縮状態においてバネ受け部2aの下流側の端面とスライド弁S1の上流側の端面との間に介装されている。
このスライド弁S1は、ガス通路1におけるガスの流れに沿ってスライド自在なスライド軸S2の上流側端部に接着等により固設されている。
また、このスライド軸S2の下流側端部には、側方に膨出する膨出部S3が形成されており、この膨出部S3についても、スライド軸S2及びスライド弁S1と共に、ガスの流れに沿ってスライド自在に設けられている。
膨出部S3の最も径が大きい外周部S3aよりも下流側の外周面は、第2当接面2dに密着するべく、当該第2当接面2dと同じ傾斜角度でガスの流れに沿って漸次縮径し下流側に面する面として形成されており、一方、外周部S3aよりも上流側の外周面は、ガスの流れに沿って漸次拡径し上流側に面する面として形成されている。
そして、スライド弁S1が開き位置にあるときには、図1に示すように、この膨出部S3は、第1当接面2cから上流側に離間して、外周部S3aの位置を第1当接面2cの上流側縁部よりも若干上流側にとする状態となる。一方、スライド弁S1が閉じ位置にあるときには、図2及び図3に示すように、第1当接面2cに下流側の外周面を当接させて流出口4を閉じる状態となる。
尚、本実施形態において、この膨出部S3の上流側の外周面と第1当接面2cとが当接することで、この隙間でのガスの通流を阻止するべくシール性を持たせてあるが、特にこのシール性を持たせることなく構成しても構わない。
ガス栓本体2に対して装着及び取り外し自在なガス接続具100について説明する。このガス接続具100は、既に公知の構成であるので、詳細な説明は省略して簡単に説明する。
ガス接続具100は、第1コイルバネ101により前方側(図1及び図2中X方向の右側)に付勢される突出部材102と、ロック用ボール103と、ロック用ボール103の位置を径方向の内側から規制すると共に、ガス栓本体2の先端部に当接して押圧されて引退する内径部材104と、ガス栓本体2に装着される際にスライド弁S1を押圧する棒状の押圧部105とを備えている。
ガス接続具100をガス栓本体2に装着する場合には、図1及び図2に示すように、ガス栓本体2の先端部が内径部材104に当接して内径部材104を第2コイルバネ106の付勢力に抗して引退させる。内径部材104の引退によりロック用ボール103が径方向の内側に移動して、ガス栓本体2に形成された嵌込溝2eにロック用ボール103が嵌り込んで、突出部材102が第1コイルバネ101の付勢力により前方側(図2中X方向の右側)に突出する。このように、ガス接続具100のロック用ボール103がガス栓本体2の嵌込溝2eに嵌り込むことで、ガス接続具100がガス栓本体2に外嵌装着される。ガス接続具100がガス栓本体2に装着される際に、ガス接続具100の押圧部105にて膨出部S3の下流側端面が押圧され、それに伴ってスライド軸S2及びスライド弁S1が押圧される。この押圧部105によるスライド弁S1に対する押圧によって、スライド弁S1と膨出部S3の両者が、ガス栓本体2の軸方向に沿ってガス通路1の上流側(図1及び図2中X方向の右側)に移動して、閉じ位置から開き位置に移動することになり、ガス通路1が開弁されてガス器具へのガス供給が行われる。
ガス接続具100をガス栓本体2から取り外す場合には、図3に示すように、突出部材102を第1コイルバネ101の付勢力に抗して押込操作することで、嵌込溝2eへのロック用ボール103の嵌り込みが解除されるので、ガス接続具100をガス栓本体2から取り外すことができる。そして、ガス接続具100をガス栓本体2から取り外すと、スライド弁S1及び膨出部S3に対する押圧部105による押圧が解除され、スライド弁S1と膨出部S3の両者が、弁付勢手段10の付勢力によって、ガス栓本体2の軸方向に沿ってガス通路1の下流側(図3中X方向の左側)に移動して、開き位置から閉じ位置に復帰されてガス通路1が閉弁される。
過流出防止弁Hは、スライド弁S1よりも下流側に配置されており、具体的には、図4も参照して、スライド軸S2を内挿する支持孔Haを中心部に穿設した環状の部材で構成され、外周縁を下流側に向けて突出してなる環状突出部Hbを有する状態でコの字状の即断面を有するように形成されている。
そして、この過流出防止弁Hは、第3通路1cにおいてガスの流れに沿ってスライド自在に設けられており、その外径が第3通路1cの内径よりも小さく且つ第4通路1dの内径よりも大きいものとされており、更に、上記環状突出部Hbの内径が、膨出部S3の外周部S3aと略同径とされている。
更に、過流出防止弁Hをスライド弁S1に対して連結して支持し、ガス通路1におけるガスの流れに沿って弾性的に伸縮自在な弾性連結部材11が設けられている。この弾性連結部材11は、コイルバネで構成されており、その両端部の夫々が、過流出防止弁Hの上流側端面に設けられた係止部Hcとスライド弁S1の下流側端面に設けられた係止部S1aとに固定されている。そして、この弾性連結部材11は、両係止部Hc、S1aを中央部に引き寄せる形態で、過流出防止弁Hをスライド弁S1側に向けて付勢する。
そして、スライド弁S1が開き位置にありガス通路1におけるガス流量が過剰となったときには、図2に示すように、過流出防止弁Hは、その上流側端面にガスの流動圧を受けることで応動して、当該弾性連結部材11を伸張させながら上流側に変移して着座し、ガス通路1を瞬時に遮断する。
更に、この過流出防止弁Hの着座は、環状突出部Hbを、膨出部S3の外周部S3aとガス通路1の内周部との間に形成された環状隙間部Aに嵌合させる状態で実現され、具体的には、環状突出部Hbの内周部が膨出部S3の外周部S3aに嵌合され、環状突出部Hbの下流側の外周部がガス通路1の内面に形成され上流側に面する第1当接面2cに当接される。
一方、図3に示すように、スライド弁S1がガス通路1を遮断させる閉じ位置にある状態においては、過流出防止弁Hがスライド弁S1よりも上流側に配置されていることで、当該過流出防止弁Hにはガスの流動圧が付加されなくなる。更に、過流出防止弁Hが第1当接面2cへの当接により下流側への変移が阻止されている状態で、膨出部S3が下流側に変移することで、環状突出部Hbの内周部の膨出部S3の外周部S3aに対する嵌合が解除される。すると、過流出防止弁Hは、弾性連結部材11の収縮に伴う収縮力のみが作用することで、上流側にあるスライド弁S1に向けて移動して着座から解除される所謂リセット操作が行われることになる。
即ち、図2に示すように、スライド弁S1が開き位置あって過流出防止弁Hが着座してガス通路1が遮断されている状態から、図3に示すようにスライド弁S1が閉じ位置に変移したときには、上記過流出防止弁Hの上記リセット操作が行われることになる。そして、次に、図1に示すように、スライド弁S1が開き位置に変移したときには、ガス通路1におけるガスの通流が復帰される。
尚、過剰流量のガスの流動圧を受けた弾性連結部材11の伸張により過流出防止弁Hを上流側に変移させて着座させる構成は、弾性連結部材11の弾性連結部材のガス通路1における流れ方向の弾性係数を適宜設定することで実現されている。
一方、スライド弁S1が閉じ位置にある状態での弾性連結部材11の収縮により過流出防止弁Hを着座から解除する構成は、弾性連結部材11のガス通路1における流れ方向の自然長を適宜設定することが実現されている。
〔第2実施形態〕
上記第1実施形態では、本発明に係るガス栓を、ガス接続具100の装着及び取り外しに伴ってスライド弁S1を閉じ位置と開き位置との間で移動させてガス器具へのガスの供給と停止との切り替えを行う所謂ガスコンセントとして構成したが、以下に、本発明に係るガス栓を、操作部に対する手動操作に伴ってスライド弁S1を閉じ位置と開き位置との間で移動させてガス器具へのガスの供給と停止との切り替えを行う所謂ガスコックとして構成した実施形態について、図5〜図10に基づいて説明する。尚、これまで説明してきた実施形態と同様の構成については、図面において同じ符号を付すと共に、説明を割愛する場合がある。
本実施形態のガスコックとして構成されたガス栓は、図6及び図7に示すように、内部に流入口3からガスが流入するガス通路1が形成された筒状のガス栓本体2’を備え、このガス通路1が上記第1実施形態のガス通路1に相当する形態で、当該ガス通路1に、スライド弁S1、過流出防止弁H、及び弾性連結部材11等の各種部材が設けられている。ガス栓本体2’の内部には、ガス通路1に対して下流側にて接続されるガス流出路5が接続されており、当該ガス流出路5の下流側の開口部が流出口4とされている。
また、このガス栓には、操作部111に対する操作に伴って、先端部が膨出部S3の下流側端部に当接された押圧部105をスライドさせてスライド弁S1をスライドさせる操作機構部Bを備えている。
以下、ガス栓本体2’、及び操作機構部Bの詳細構成について、順次説明する。
〔ガス栓本体〕
ガス通路1及びガス流出路5の夫々は、互いの軸線X、Yを直角に交差する状態でガス栓本体2’の内部に配置された円形断面を有する流路である。具体的には、ガス通路1の軸線Xを上下方向に配置すると共に、ガス流出路5の軸線Yを横向きに配置することで、本実施形態のガス栓は所謂L型のガス栓として構成されている。このように構成されたL型のガス栓は、下から上に向けてガス栓本体2’に流入したガスを横向きに吐出して、側方に配置されたガス機器(図示せず)等に供給する。尚、本実施形態においてガス栓を上記L型のガス栓として構成するのではなく、例えば、ガス流出路5を斜め下向きに設けるなど、ガス通路1とガス流出路5との交差角度は適宜改変可能である。
また、操作機構部Bは、ガス通路1の上方延長上にガス栓本体2’の内部に形成された円形断面を有する空間に配置されており、その下方にはガス通路1が開口し、その側方にはガス流出路5が開口することになる。
ガス通路1には、上記第1実施形態と同様のスライド弁S1が設けられている。即ち、このスライド弁S1は、ガス通路1のガスの流れに沿ってスライドして、ガス通路1を遮断する閉じ位置(図7におけるスライド弁S1の位置)と当該閉じ位置よりも上流側にありガス通路1を開放する開き位置(図5及び図6におけるスライド弁S1の位置)との間で変移自在に配置されている。
具体的に、押圧部105が上方に変移してスライド弁S1が閉じ位置にあるときには、図7に示すように、第3通路1cのスライド弁弁座部2bにスライド弁S1が嵌合してガス通路1が遮断され、押圧部105が下方に変移してスライド弁S1が開き位置にあるときには、図5及び図6に示すように、スライド弁S1が第2通路1bの略中央部に位置してスライド弁S1と当該第2通路1bとの間の隙間を形成することでガス通路1が開放される。
また、ガス通路1のスライド弁S1よりも下流側には、上記第1実施形態と同様の過流出防止弁Hが配置されている。即ち、スライド弁S1が開き位置にありガス通路1におけるガス流量が過剰となったときには、図6に示すように、過流出防止弁Hは、その上流側端面にガスの流動圧を受けることで応動して、当該弾性連結部材11を伸張させながら上流側に変移して、環状突出部Hbを膨出部S3の外周部S3aとガス通路1の内周部との間に形成された環状隙間部Aに嵌合させる状態着座し、ガス通路1を瞬時に遮断する。
一方、図7に示すように、スライド弁S1がガス通路1を遮断させる閉じ位置にある状態においては、過流出防止弁Hは、弾性連結部材11の収縮に伴う収縮力のみが作用することで、上流側にあるスライド弁S1に向けて移動して着座から解除される所謂リセット操作が行われることになる。
尚、図5及び図6にはスライド弁S1が開き位置にある状態が示されており、図7にはスライド弁S1が閉じ位置にある状態が示されている。
〔操作機構部〕
操作機構部Bは、図8にも示すように、操作者による操作部111に対する下向きの押圧操作を、押圧部105を介してスライド弁S1に伝達させて当該スライド弁S1と共にスライド可能なスライド部Cと、スライド部Cを軸線Xに沿って開き位置側から閉じ位置側に向かう上向きに付勢する軸線付勢手段Dと、スライド部Cのスライドをガイドするガイド部120とからなる。
操作部111は、ガス通路1の軸線Xと同軸上に配置されガス栓本体2’の上部を覆う逆カップ状の操作ボタン110の上底部の上面として設けられている。
また、操作ボタン110は、軸線Xに沿って上下方向にスライド可能に設けられており、更に操作ボタン110の上底部の下面とガス栓本体2’の上面との間には、ガス栓本体2’に対し操作ボタン110を上向きに付勢するコイルバネ113が介挿されている。
尚、このコイルバネ113は、巻線部分が隣接間において互いに離間している通常のコイルバネが利用されており、軸線Xに沿って圧縮力を受けることで同軸線Xに沿って膨張力を発生する。
スライド部Cは、軸線X周りに回転自在に設けられたガイドピン118と、当該ガイドピン118を軸線X周りの方向に付勢する回転付勢手段Eとを有して構成されている。
ガイドピン118は、軸線Xと同軸上に配置され当該軸線Xに沿ってスライド可能な円柱状の軸部材117の外表面において、軸部材117の円形断面の径外方向に向けて突出形成されている。
一方、回転付勢手段Eは、操作ボタン110における上底部の下面に一端部が固定され、上記軸部材117の上面に他端部が固定されて、ガス通路1の軸線Xと同軸上に配置されたねじりコイルバネ115で構成されている。
尚、このねじりコイルバネ115は、巻線部分が隣接間において互いに密着しているコイルバネであり、ある回転方向にねじりモーメントを受けることで当該回転方向とは逆の回転方向(図6における右方向)に反発力を発生する。更に、かかるねじりコイルバネ115は、巻線部分が隣接間において互いに密着していることで、一端側から受けた操作部111の軸線Xに沿った下方向の押圧力を、他端側の軸部材117に伝達することができる。
ねじりコイルバネ115の両端部には、突起部116が設けられており、突起部116を含む巻線部分が、操作ボタン110における上底部の下面に形成された溝部112、及び軸部材117の上面に形成された溝部119に嵌め込まれることで、ねじりコイルバネ115の両端が操作ボタン110及び軸部材117に固定されている。
そして、この軸部材117の下方には、押圧部105が固定されており、この押圧部105が、上記第1実施形態で説明した押圧部105と同様に作用して、スライド弁S1を閉じ位置と開き位置との間でスライドさせ、ガス通路1’の開閉が行われることになる。
スライド部Cを軸線Xに沿って開き位置側から閉じ位置側に向かう上向きに付勢する軸線付勢手段Dは、スライド弁S1を閉じ位置に復帰するように付勢する弁付勢手段10により機能される。即ち、弁付勢手段10がスライド弁S1を閉じ位置に向けて付勢することで、その付勢力が押圧部105を通じてスライド部Cに伝達され、スライド部Cが上向きに付勢されることになる。
ガイド部120は、ガイドピン118が挿入されて当該ガイドピン118の軸線X上のスライド及び軸線X周りの回転を誘導するガイド溝122を外表面に形成した筒状部材121で構成されている。
更に、このガイド溝122には、操作部111に押圧力を付加してスライド弁S1を閉じ位置から開き位置まで変位させるときにガイドピン118を回転付勢手段Eの付勢力に抗して回転させる回転誘導部122a、122bと、続いて当該押圧力を抜いたときにスライド弁S1を開き位置に維持する状態で軸線付勢手段D及び回転付勢手段Eにより付勢されるガイドピン118が係止する係止部122cとが形成されている。
そして、このような構成により、本実施形態のガス栓は、詳細については後述するが、操作部111に対する一の押圧操作により閉栓動作が行われ、それに続く操作部111に対する一の押圧操作により開栓動作が行われる所謂プッシュプッシュ式の開閉動作を実現している。
図9(a)に示すように、このガイド溝122において、回転誘導部122a、122bの開き位置側の端部が、回転付勢手段Eの軸線X周りの付勢力に抗する回転方向において係止部122cより回転奥側(例えば図9(a)において左側)に位置する。回転誘導部122a、122bの開き位置側の端部から係止部122cにかけて、ガイド溝122が軸線付勢手段Dの軸線Xに沿った付勢方向側(即ち上方側)に膨出してなる膨出部122dが形成されている。
よって、ガイドピン118が、その膨出部122dを介して、回転誘導部122a、122bの開き位置側の端部から係止部122cに向けてガイド溝122の上辺に沿って直接的に移動可能となり、係止部122cに適切に係止されるようになる。尚、この膨出部122dの形状等は適宜変更可能であり、また、膨出部122dを省略して、開き位置側回転誘導部122bの途中に上方に切れ込む係止部122cを形成し、開き位置側の端部にガイドピン118がある状態で操作部111に付加する押圧力F111を取り除いたときに、ガイドピン118が開き位置側回転誘導部122bを若干逆行しその途中にある係止部122cに係止されるように構成しても構わない。
この回転誘導部122a、122bは、軸線X周りの方向において係止部122cよりも開き位置側に配置された開き位置側回転誘導部122bと係止部122cよりも閉じ位置側に配置された閉じ位置側回転誘導部122aとからなる。
更に、ガス通路1の軸線Xの直交面をHsとすると、開き位置側回転誘導部122bにおける直交面Hsに対するガイド溝122のリード角αbが、閉じ位置側回転誘導部122aの同リード角αaよりも小さく設定されている。
即ち、閉栓動作において、操作部111に押圧力が付加され回転誘導部122a、122bに沿って誘導されるガイドピン118は、閉じ位置側から係止部122cが形成された位置までの間は閉じ位置側回転誘導部122aに沿って変位し、その係止部122cが形成された位置からそれよりも回転奥側に形成された開き位置側の端部までの間は開き位置側回転誘導部122bに沿って変位することになる。
そして、開き位置側回転誘導部122bのリード角αbが、閉じ位置側回転誘導部122aのリード角αaよりも小さいので、回転付勢手段Eの付勢力に抗してガイドピン118を開き位置側回転誘導部122bに沿って変位させるために必要な操作部111に対する押圧力は、閉じ位置側回転誘導部122aに沿って変位させるときよりも大きくなる。
以下、ガイド溝122の詳細構成について、本実施形態のガス栓の開閉動作時におけるガイド溝122におけるガイドピン118の遷移状態とあわせて、図9及び図10等に基づいて説明する。尚、図9及び図10において、ガイド溝122は、筒状部材121の外周面を平面に展開したときの状態で示されている。
〔開栓動作時〕
先ず、本実施形態のガス栓の開栓動作時のガイド溝122におけるガイドピン118の位置の遷移状態について、図9等に基づいて説明する。
スライド弁S1が閉じ位置にあって閉栓しているとき(図7参照)には、ガイドピン118は、図9(a)に示すように、ガイド溝122において回転誘導部122aの閉じ位置側の端部(図9(a)において右上端部)に位置している。
次に、操作部111に押圧力F111を付加し、その押圧力F111がスライド部Cに伝達されると、スライド部Cに設けられたガイドピン118は、図9(b)に示すように、ガイド溝122において閉じ位置側回転誘導部122aと開き位置側回転誘導部122bとの境界部に移動する。
この移動の際に、ガイドピン118は、軸線付勢手段Dによる軸線Xに沿った開き位置側から閉じ位置側へ向かう上向きの付勢力fdに抗して閉じ位置側から開き位置側へ向かう下向きに変位すると共に、回転付勢手段Eによる軸線X周りの方向への付勢力feに抗して回転することになる。
即ち、閉じ位置側回転誘導部122aと開き位置側回転誘導部122bとの境界部に位置するガイドピン118には、図9(b)において、上向きの付勢力fdと右向きの付勢力feとが付加された状態となっている。
更に、操作部111に比較的大きい押圧力F111を付加すると、ガイドピン118は、図9(c)に示すように、ガイド溝122において開き位置側回転誘導部122bの回転奥側(図9(c)の左側)の端部に移動し、それに伴ってスライド弁S1は開き位置(図9参照)に変位する。
この移動の際においても、ガイドピン118は、軸線付勢手段Dによる上向きの付勢力fdと回転付勢手段Eによる右向きの付勢力feに抗して左下方向に移動することになり、移動後のガイドピン118には、上向きの付勢力fdと右向きの付勢力feとが付加された状態となっている。
尚、これら付勢力fd、feは、ガイドピン118の左下方向への変位量が増加するに伴って増加するが、説明を簡単にするためにそれらの符号は同じものを使用する。
次に、上記のように操作部111に対して付加していた押圧力F111を取り除くと、図9(d)に示すように、軸線付勢手段Dによる上向きの付勢力fdと回転付勢手段Eによる右向きの付勢力feによって、ガイドピン118は、膨出部122dに沿って右上方向にある係止部122cに当接する位置まで移動する。
そして、係止部122cのガイドピン118が当接する壁面の角度が、付勢力fd、feの合力が付加されているガイドピン118が回転誘導部122a、122b側に変位することを防止する角度に設定されているので、当該ガイドピン118の位置は係止部122cに係止された状態で保たれることになり、結果、図10に示すように、スライド弁S1が開き位置で維持されて、開栓動作が完了する。
〔閉栓動作時〕
次に、本実施形態のガス栓の閉栓動作時のガイド溝122におけるガイドピン118の位置の遷移状態について、図10等に基づいて説明する。
スライド弁S1が閉じ位置にあって開栓しているとき(図6参照)には、ガイドピン118は、図10(a)に示すように、係止部122cに係止される位置にある。
次に、操作部111に比較的小さな押圧力F111’を付加し、その押圧力F111’がスライド部Cに伝達されると、スライド部Cに設けられたガイドピン118は、図10(b)に示すように、付勢力fd、feに抗して左下向きに若干変位することで、係止部122cにおける係止が解除された位置に変位する。
この際に、操作部111に付加される押圧力F111’は、上述した開栓動作時に付加した押圧力F111よりも小さなものとなっているため、ガイドピン118は、例えば開き位置側回転誘導部122bに沿って開き位置側に変位することはない。
更に、開き位置側回転誘導部122bのリード角αbが閉じ位置側回転誘導部122aのリード角αaよりも小さく、回転付勢手段Eの付勢力feに抗してガイドピン118を開き位置側回転誘導部122bに沿って開き位置側へ変位させるためには比較的大きな押圧力が必要となるので、その押圧力よりも小さな押圧力F111’で操作部111を押圧した場合には、ガイドピン118が開き位置側回転誘導部122bに沿って回転奥側に変位することはない。
次に、上記のように操作部111に対し付加されていた押圧力F111’を取り除くと、図10(c)に示すように、軸線付勢手段Dによる上向きの付勢力fdと回転付勢手段Eによる右向きの付勢力feによって、ガイドピン118は、閉じ位置側回転誘導部122aに沿って右上方向に移動し、結果、図6に示すように、それに伴ってスライド弁S1が開き位置から閉じ位置まで変位して、閉栓動作が完了する。
尚、本実施形態では、ガイド溝122の回転誘導部を閉じ位置側回転誘導部122aと開き位置側回転誘導部122bとで構成したが、当該回転誘導部を一様のもので構成しても構わない。また、回転誘導部122a、122bのリード角αa、αbについては、一様のものとせずに、例えば閉じ位置側から開き位置側にかけて徐々に減少させるなど、適宜改変可能である。
〔その他の実施形態〕
最後に、本発明のその他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記実施形態では、過流出防止弁Hが着座する構成として、過流出防止弁Hの環状突出部Hbを膨出部S3の外周部S3aとガス通路1の内周部との間に形成された環状隙間部Aに嵌合させるように構成したが、別に、かかる環状隙間部Aを過流出防止弁Hにより閉塞させてガス通路1を遮断する形態で着座する構成であれば、適宜改変可能である。
例えば、過流出防止弁Hを単純な環状板材として構成して、当該環状の部材の下流側の面を環状隙間部Aに当接させる形態で過流出防止弁Hを着座させることができる。また、過流出防止弁Hの環状突出部Hbを弾性変形可能な部材で構成して、環状突出部Hbを環状隙間部Aに押し当てる形態で過流出防止弁Hを着座させても構わない。
(2)上記実施形態では、スライド弁S1が開き位置にあるときの膨出部S3の外周部S3aの位置を、第1当接面2cの上流側縁部よりも若干上流側として、過流出防止弁Hが着座するにあたり、過流出防止弁Hの環状突出部Hbの内周部は膨出部S3の外周部S3aに嵌合させ、環状突出部Hbの下流側の外周部は第1当接面2cに当接させた。しかし、この膨出部S3の外周部S3aの位置を第1当接面2cの上流側縁部とガスの流れ方向において同じ位置として、環状突出部Hbの内周部及び外周部の両方を、膨出部S3の外周部S3a及び第1当接面2cの上流側縁部の両方に嵌合させるように構成しても構わない。
本発明は、内部にガス通路が形成された筒状のガス栓本体と、前記ガス通路におけるガスの流れに沿ってスライドして閉じ位置と当該閉じ位置よりも上流側の開き位置との間で変移自在なスライド弁と、前記ガス通路におけるガス流量が過剰となったときに当該ガスから受ける流動圧に応動して上流側に変移し着座する過流出防止弁とを備えたガス栓に適応可能である。
1 :ガス通路
2、2’ :ガス栓本体
2c :第1当接面
11 :弾性連結部材
100 :ガス接続具
111 :操作部
A :環状隙間部
H :過流出防止弁
Ha :支持孔
Hb :環状突出部
S1 :スライド弁
S2 :スライド軸
S3 :膨出部
S3a :外周部

Claims (6)

  1. 内部にガス通路が形成された筒状のガス栓本体と、
    前記ガス通路におけるガスの流れに沿ってスライドして閉じ位置と当該閉じ位置よりも上流側の開き位置との間で変移自在なスライド弁と、
    前記ガス通路におけるガス流量が過剰となったときに当該ガスから受ける流動圧に応動して上流側に変移し着座する過流出防止弁とを備えたガス栓であって、
    前記過流出防止弁が前記スライド弁よりも下流側に配置され、
    前記過流出防止弁を前記スライド弁に対して連結して支持し、前記ガス通路におけるガスの流れに沿って弾性的に伸縮自在な弾性連結部材を備え、
    前記弾性連結部材が、前記スライド弁が開き位置にある状態で前記過流出防止弁が過剰流量のガスから圧力を受けたときには伸張して前記過流出防止弁の着座を許容し、前記スライド弁が閉じ位置にある状態では収縮して前記過流出防止弁を着座から解除するガス栓。
  2. 前記スライド弁が、前記ガス通路におけるガスの流れに沿ってスライド自在なスライド軸の上流側端部に固設され、
    前記過流出防止弁が、前記スライド軸を内挿する支持孔を中心部に穿設した環状の部材で構成されている請求項1に記載のガス栓。
  3. 前記スライド軸における前記過流出防止弁よりも下流側の部位に、側方に膨出する膨出部が形成され、
    前記過流出防止弁が、外周縁を下流側に向けて突出してなる環状突出部を有すると共に、当該環状突出部を前記膨出部の外周部と前記ガス通路の内周部との間に形成された環状隙間部に嵌合させる状態で着座する請求項2に記載のガス栓。
  4. 前記過流出防止弁が着座するにあたり、前記環状突出部の内周部が前記膨出部の外周部に嵌合され、前記環状突出部の下流側の外周部が前記ガス通路の内面に形成された上流側に面する当接部に当接されている請求項3に記載のガス栓。
  5. 前記スライド弁が、前記ガス栓本体に対するガス接続具の装着及び取り外しに伴って前記閉じ位置と前記開き位置との間で変移する請求項1〜4の何れか1項に記載のガス栓。
  6. 前記スライド弁が、操作部に対する押圧操作に伴って前記閉じ位置と前記開き位置との間で変移する請求項1〜4の何れか1項に記載のガス栓。
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JP2015180828A (ja) * 2014-03-07 2015-10-15 大阪瓦斯株式会社 ヒューズ付きガス栓
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