JP5988633B2 - ガス栓 - Google Patents
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Description
しかしながら、ガス流通路の流路径方向において、弁体の両端部とガス流通路との間にガスの通流を許容する隙間が形成されており、弁体の配置スペースは中央部のみとなっている。したがって、弁体の直径が小さく、ガスの流動圧を受ける受圧部の面積が小さくなっている。また、弁体は、ガス流通路の流路径方向の外側ほど下流側に傾斜するわん状に形成されているので、ガス流通路の流路径方向において、弁体の端部とガス流通路との間に形成された隙間に多くのガスが流動し易くなっており、弁体の受圧部がガスの流動圧を受け難くなっている。したがって、特許文献1に開示のガス栓では、弁体の受圧部に対して、本来ガス流通を阻止すべき流動圧よりも大きな流動圧がかからなければ、過流出防止弁が作動位置に移動しなくなり、過流出防止弁によるガス流通の阻止を適切に行えなくなる可能性がある。
ガス流通路が内部に形成された筒状のガス栓本体に、閉じ位置と開き位置との間で前記ガス栓本体の軸方向に移動自在なスライド弁と、前記ガス流通路のガス流通方向で前記スライド弁よりも上流側に配置された過流出防止弁とが備えられているガス栓であって、その特徴構成は、
前記過流出防止弁は、受圧部にてガスの流動圧を受けることで、当接部材から離間してガスの通過を許容する初期位置から前記当接部材に当接してガスの通過を阻止する作動位置に移動自在であり、前記受圧部が、前記ガス流通路の流路径方向の全体に亘る状態で形成され、
前記ガス栓本体の軸方向に沿って前記初期位置と前記作動位置とに移動自在に前記過流出防止弁を支持する支持部が備えられ、その支持部は、前記過流出防止弁よりも前記ガス流通路の下流側に配置されている点にある。
上記特徴構成によれば、ガス栓本体の軸方向に沿って初期位置と作動位置とに移動自在に過流出防止弁を支持する支持部が備えられるので、過流出防止弁のガスの流動圧を受ける受圧部をガス流通方向に対して一定の方向となるように支持することができ、ガスの流動圧を安定して受けることができる。また、支持部は、過流出防止弁よりもガス流通路の下流側に配置されているので、ガスの流れが過流出防止弁の受圧部に至る前に支持部に遮られて、過流出防止弁が受けるガスの流動圧が小さくなることがなく、安定してガスの流動圧を受けることができる。従って、過流出防止弁をガスの流れによる流動圧に対して迅速かつ正確に反応するように作動させることができる。
前記過流出防止弁は、前記ガス流通路において前記スライド弁の前記閉じ位置に相当する流路部位よりも流路径が大きく形成された過流出防止弁収容用流路部位に配置されており、前記受圧部は、その過流出防止弁収容用流路部位の全体に亘る状態で形成されている点にある。
前記当接部材は、前記ガス栓本体の軸方向に移動自在であり、前記スライド弁の前記開き位置から前記閉じ位置への移動に伴って前記作動位置に位置する前記過流出防止弁から離れた離間開き位置まで前記ガス流通路の下流側に移動自在に構成され、
前記過流出防止弁を前記初期位置に復帰するように付勢する付勢手段を備えている点にある。
前記当接部材は、前記スライド弁の上流側端部部位にて構成されている点にある。
前記過流出防止弁には、前記ガス流通路の下流側に延設された被支持部が備えられ、
前記支持部は、前記スライド弁の上流側端部部位に形成され、前記支持部が前記ガス栓本体の軸方向に摺動自在に挿入支持された溝部にて構成されている点にある。
前記過流出防止弁には、前記作動位置に移動した場合に、前記当接部材との隙間に嵌り込んでその当接部材に当接する嵌り込み部が備えられている点にある。
前記ガス流通路は、上流側から順に、前記過流出防止弁、前記スライド弁を備えて、前記ガス栓本体の軸方向に沿う直線状に設けられている点にある。
前記スライド弁が、前記ガス栓本体に対するガス接続具の装着及び取り外しに伴って前記閉じ位置と前記開き位置との間で移動する点にある。
<第1実施形態>
本実施形態に係るガス栓は、図1及び図2に示すように、ガス流通路1が内部に形成された円筒状のガス栓本体2を備えており、そのガス栓本体2にガス接続具100を装着することでガス流通路1でのガス流通によりガス供給を行い、ガス栓本体2からガス接続具100を取り外すことでガス流通路1でのガス流通を停止してガス供給を停止する、所謂ガスコンセントとして構成されている。図1は、ガス接続具100をガス栓本体2から取り外している状態を示しており、図2は、ガス接続具100をガス栓本体2に装着している状態を示している。
第1弁体G1は、第4流路部位1dと第3流路部位1cとに亘ってガス栓本体2の軸方向に沿って移動自在に設けられている。第1弁体G1の上流側端部部位の外径が第4流路部位1dの流路径と同一となっており、第1弁体G1が着座する弁座部が第4流路部位1dの内壁部にて構成されている。第1弁体G1は、第4流路部位1dに移動した場合に第4流路部位1dを閉じる閉じ位置に位置し、第3流路部位1cに移動した場合にガス流通を許容する開き位置に位置する。第1弁体G1は、第1付勢部材F1によって閉じ位置に付勢されており、ガス接続具100がガス栓本体2から取り外されている場合には、閉じ位置に位置して第4流路部位1dを閉弁している。
このようにして、スライド弁Gを構成する第1弁体G1と第2弁体G2の両者は、ガス栓本体2の軸方向に沿って閉じ位置と開き位置との間で移動自在で、ガス流通路1を閉じる閉じ位置に付勢されている。
ガス接続具100は、第1コイルバネ101により前方側(図1及び図2中X方向右側)に付勢される突出部材102と、ロック用ボール103と、ロック用ボール103の位置を径方向の内側から規制するとともに、ガス栓本体2の先端部に当接して押圧されて引退する内径部材104と、ガス栓本体2に装着される際にスライド弁Gを押圧する棒状の押圧部105とを備えている。
図3(a)は、ガス接続具100をガス栓本体2から取り外している状態を示している。図3(b)は、ガス接続具100をガス栓本体2に装着した状態を示している。図3(c)は、ガス接続具100をガス栓本体2に装着しているときに、過流出防止弁Hが初期位置から作動位置に移動した状態を示している。図3(d)は、ガス接続具100がガス栓本体2から取り外されて過流出防止弁Hが初期位置に復帰した状態を示している。
これまで説明してきた実施の形態では、本発明に係るガス栓を、ガス栓本体2に対するガス接続具100の装着及び取り外しに伴ってスライド弁Gを閉じ位置と開き位置との間で移動させてガス器具へのガスの供給と停止との切り替えを行う所謂ガスコンセントとして構成したが、以下に、本発明に係るガス栓を、操作部に対する手動操作に伴ってスライド弁を閉じ位置と開き位置との間で移動させてガス器具へのガスの供給と停止との切り替えを行う、所謂ツマミ付きガス栓として構成した実施形態について、図5〜図11に基づいて説明する。尚、これまで説明してきた実施形態と同様の構成については、説明を割愛する場合がある。
以下、ガス栓本体2、弁機構部A、及び操作機構部Bの詳細構成について、順次説明する。
ガス流入路1A及びガス流出路1Bの夫々は、互いの軸線X、Yを直角に交差する状態でガス栓本体2の内部に配置された円形断面を有する流路である。具体的には、ガス流入路1Aの軸線Xを上下方向に配置すると共に、ガス流出路1Bの軸線Yを横向きに配置することで、本実施形態のガス栓は所謂L型のガス栓として構成されている。このように構成されたL型のガス栓は、下から上に向けてガス栓本体2に流入したガスgを横向きに吐出して、側方に配置されたガス機器(図示せず)等に供給する。尚、本実施形態においてガス栓を上記L型のガス栓として構成するのではなく、例えば、ガス流出路1Bを斜め下向きに設けるなど、ガス流入路1Aとガス流出路1Bとの交差角度は適宜改変可能である。
また、弁収容部5は、ガス流入路1Aの上方延長上にガス栓本体2の内部に形成された円形断面を有する空間であり、弁収容部5の下方にはガス流入路1Aが開口し、弁収容部5の側方にはガス流出路1Bが開口することになる。
ガス流入路1A及びガス流出路1Bの何れか一方の特定ガス流通路をガス流入路1Aとし、同特定ガス流通路の軸線である特定軸線をガス流入路1Aの軸線Xとすると、弁機構部Aは、当該特定ガス流通路であるガス流入路1Aの弁収容部5に対する開口部1Aaに形成された弁座部6と、同特定軸線である軸線Xに沿ってスライドして弁座部6に対して着座して当該開口部1Aaを閉塞する閉じ位置と、軸線Xに沿ってスライドして弁座部6に対して離間して当該開口部1Aaを開放する開き位置との間で変位するスライド弁G'とを有して構成されている。
即ち、スライド弁G'は、上下方向に配置されたガス流入路1Aの軸線Xに沿って、上下方向にスライドする。そして、そのスライド範囲の下端位置が、スライド弁G'が弁座部6に着座して開口部1Aaを閉塞する閉じ位置であり、同範囲の上端位置が、スライド弁G'が弁座部6に対して離間して当該開口部1Aaを開放する開き位置となる。よって、本実施形態において、閉じ位置側とは下方側を示し、開き位置側とは上方側を示すことになる。
ここで、図8及び図9にはスライド弁G'が閉じ位置にある状態が示されており、図5及び図7にはスライド弁G'が開き位置にある状態が示されている。
操作機構部Bは、操作者による操作部11に対する下向きの押圧操作をスライド弁G'に伝達させて当該スライド弁G'と共にスライド可能なスライド部Cと、スライド部Cを軸線Xに沿って閉じ位置側から開き位置側に向かう上向きに付勢する軸線付勢手段Dと、スライド部Cのスライドをガイドするガイド部20とからなる。
操作部11は、ガス流入路1Aの軸線Xと同軸上に配置されガス栓本体2の上部を覆う逆カップ状の操作ボタン10の上底部の上面として設けられている。
また、操作ボタン10は、軸線Xに沿って上下方向にスライド可能に設けられており、更に操作ボタン10の上底部の下面とガス栓本体2の上面との間には、ガス栓本体2に対し操作ボタン10を上向きに付勢するコイルバネ13が介挿されている。
尚、このコイルバネ13は、巻線部分が隣接間において互いに離間している通常のコイルバネが利用されており、軸線Xに沿って圧縮力を受けることで同軸線Xに沿って膨張力を発生する。
ガイドピン18は、軸線Xと同軸上に配置され当該軸線Xに沿ってスライド可能な円柱状の軸部材17の外表面において、軸部材17の円形断面の径外方向に向けて突出形成されている。
一方、回転付勢手段Eは、操作ボタン10における上底部の下面に一端部が固定され、上記軸部材17の上面に他端部が固定されて、ガス流入路1Aの軸線Xと同軸上に配置されたねじりコイルバネ15で構成されている。
尚、このねじりコイルバネ15は、巻線部分が隣接間において互いに密着しているコイルバネであり、ある回転方向にねじりモーメントを受けることで当該回転方向とは逆の回転方向(図5における右方向)に反発力を発生する。更に、かかるねじりコイルバネ15は、巻線部分が隣接間において互いに密着していることで、一端側から受けた操作部11の軸線Xに沿った下方向の押圧力を、他端側の軸部材17に伝達することができる。
ねじりコイルバネ15の両端部には、突起部16が設けられており、突起部16を含む巻線部分が、操作ボタン10における上底部の下面に形成された溝部12、及び軸部材17の上面に形成された溝部19に嵌め込まれることで、ねじりコイルバネ15の両端が操作ボタン10及び軸部材17に固定されている。
このコイルバネ24は、スライド弁G'の下面と、弁収容部5の下方に設けられた筒状部材H1の上面との間に軸線Xに沿って圧縮状態で介挿されており、筒状部材H1の上面に対してスライド弁G'を上向きに付勢する形態で、スライド弁G'とスライド部Cとを軸線Xに沿って閉じ位置側から開き位置側に向かう上向きに付勢する。
更に、このガイド溝22には、操作部11に押圧力を付加してスライド弁G'を開き位置から閉じ位置まで変位させるときにガイドピン18をねじりコイルバネ15の付勢力に抗して回転させる回転誘導部22a、22bと、続いて当該押圧力を抜いたときにスライド弁G'を閉じ位置に維持する状態でコイルバネ24及びねじりコイルバネ15により付勢されるガイドピン18が係止する係止部22cとが形成されている。
そして、このような構成により、本実施形態のガス栓は、詳細については後述するが、操作部11に対する一の押圧操作により閉栓動作が行われ、それに続く操作部11に対する一の押圧操作により開栓動作が行われる所謂プッシュプッシュ式の開閉動作を実現している。
よって、ガイドピン18が、その膨出部22dを介して、回転誘導部22a、22bの閉じ位置側の端部から係止部22cに向けてガイド溝22の上辺に沿って直接的に移動可能となり、係止部22cに適切に係止されるようになる。尚、この膨出部22dの形状等は適宜変更可能であり、また、膨出部22dを省略して、閉じ位置側回転誘導部22bの途中に上方に切れ込む係止部22cを形成し、閉じ位置側の端部にガイドピン18がある状態で操作部11に付加する押圧力f11を取り除いたときに、ガイドピン18が閉じ位置側回転誘導部22bを若干逆行しその途中にある係止部22cに係止されるように構成しても構わない。
更に、ガス流入路1Aの軸線Xの直交面をSとすると、閉じ位置側回転誘導部22bにおける直交面Sに対するガイド溝22のリード角αbが、開き位置側回転誘導部22aの同リード角αaよりも小さく設定されている。
即ち、閉栓動作において、操作部11に押圧力が付加され回転誘導部22a、22bに沿って誘導されるガイドピン18は、開き位置側から係止部22cが形成された位置までの間は開き位置側回転誘導部22aに沿って変位し、その係止部22cが形成された位置からそれよりも回転奥側に形成された閉じ位置側の端部までの間は閉じ位置側回転誘導部22bに沿って変位することになる。
そして、閉じ位置側回転誘導部22bのリード角αbが、開き位置側回転誘導部22aのリード角αaよりも小さいので、ねじりコイルバネ15の付勢力に抗してガイドピン18を閉じ位置側回転誘導部22bに沿って変位させるために必要な操作部11に対する押圧力は、開き位置側回転誘導部22aに沿って変位させるときよりも大きくなる。
以下、ガイド溝22の詳細構成について、本実施形態のガス栓の開閉動作時におけるガイド溝22におけるガイドピン18の遷移状態とあわせて、図10及び図11等に基づいて説明する。尚、図10及び図11において、ガイド溝22は、筒状部材21の外周面を平面に展開したときの状態で示されている。
先ず、本実施形態のガス栓の閉栓動作時のガイド溝22におけるガイドピン18の位置の遷移状態について、図10等に基づいて説明する。
スライド弁G'が開き位置にあって開栓しているとき(図5参照)には、ガイドピン18は、図10(a)に示すように、ガイド溝22において回転誘導部22aの開き位置側の端部(図10(a)において右上端部)に位置している。
次に、操作部11に押圧力f11を付加し、その押圧力f11がスライド部Cに伝達されると、スライド部Cに設けられたガイドピン18は、図10(b)に示すように、ガイド溝22において開き位置側回転誘導部22aと閉じ位置側回転誘導部22bとの境界部に移動する。
この移動の際に、ガイドピン18は、コイルバネ24による軸線Xに沿った閉じ位置側から開き位置側へ向かう上向きの付勢力fdに抗して開き位置側から閉じ位置側へ向かう下向きに変位すると共に、ねじりコイルバネ15による軸線X周りの方向への付勢力feに抗して回転することになる。
即ち、開き位置側回転誘導部22aと閉じ位置側回転誘導部22bとの境界部に位置するガイドピン18には、図10(b)において、上向きの付勢力fdと右向きの付勢力feとが付加された状態となっている。
この移動の際においても、ガイドピン18は、コイルバネ24による上向きの付勢力fdとねじりコイルバネ15による右向きの付勢力feに抗して左下方向に移動することになり、移動後のガイドピン18には、上向きの付勢力fdと右向きの付勢力feとが付加された状態となっている。
尚、これら付勢力fd、feは、ガイドピン18の左下方向への変位量が増加するに伴って増加するが、説明を簡単にするためにそれらの符号は同じものを使用する。
そして、係止部22cのガイドピン18が当接する壁面の角度が、付勢力fd、feの合力が付加されているガイドピン18が回転誘導部22a、22b側に変位することを防止する角度に設定されているので、当該ガイドピン18の位置は係止部22cに係止された状態で保たれることになり、結果、図9に示すように、スライド弁G'が閉じ位置で維持されて、閉栓動作が完了する。
次に、本実施形態のガス栓の開栓動作時のガイド溝22におけるガイドピン18の位置の遷移状態について、図11等に基づいて説明する。
スライド弁G'が閉じ位置にあって閉栓しているとき(図9参照)には、ガイドピン18は、図11(a)に示すように、係止部22cに係止される位置にある。
次に、操作部11に比較的小さな押圧力f11'を付加し、その押圧力f11'がスライド部Cに伝達されると、スライド部Cに設けられたガイドピン18は、図11(b)に示すように、付勢力fd、feに抗して左下向きに若干変位することで、係止部22cにおける係止が解除された位置に変位する。
この際に、操作部11に付加される押圧力f11'は、上述した閉栓動作時に付加した押圧力f11よりも小さなものとなっているため、ガイドピン18は、例えば閉じ位置側回転誘導部22bに沿って閉じ位置側に変位することはない。
更に、閉じ位置側回転誘導部22bのリード角αbが開き位置側回転誘導部22aのリード角αaよりも小さく、ねじりコイルバネ15の付勢力feに抗してガイドピン18を閉じ位置側回転誘導部22bに沿って閉じ位置側へ変位させるためには比較的大きな押圧力が必要となるので、その押圧力よりも小さな押圧力f11'で操作部11を押圧した場合には、ガイドピン18が閉じ位置側回転誘導部22bに沿って回転奥側に変位することはない。
尚、本実施形態では、ガイド溝22の回転誘導部を開き位置側回転誘導部22aと閉じ位置側回転誘導部22bとで構成したが、当該回転誘導部を一様のもので構成しても構わない。また、回転誘導部22a、22bのリード角αa、αbについては、一様のものとせずに、例えば開き位置側から閉じ位置側にかけて徐々に減少させるなど、適宜改変可能である。
本実施形態のガス栓は、一定以上の流量のガスgが流れると当該ガス供給を遮断するために、図5に示すように、特定ガス流通路としてのガス流入路1Aには、過流出防止弁H2を備えた過流出防止機構Hとスライド弁G’とが設けられている。尚、本実施形態のスライド弁G’は、第1実施形態の第1弁体G1と形状が異なるものの、本質的な働きは同じである。以下、過流出防止機構Hの働きを、図5〜9に基づいて説明する。
過流出防止弁H2は、図7に示すように、スライド弁G'が開き位置にあるときに、一定以上のガス流量による流動圧を受けると、その円環状弁部H2bが、スライド弁G’の上流側の外周面G’aと、第3流路部位1cの内周面1cbとの間に嵌り込む作動位置に位置して、ガスgの過流出を防止する。
この状態で、操作機構部Bが操作されて、スライド弁G’が開き位置から閉じ位置へ移動(図7から図8へ移動)した状態では、過流出防止弁H2は、作動位置にあり、ガスgの過流出を防止する状態を維持している。
さらに、操作機構部Bが操作され、スライド弁G’が閉じ位置で上流側から下流側へ移動(図8から図9へ移動)する過程、又は閉じ位置から開き位置へ移動(図8から図9を介して図5へ移動)する過程において、過流出防止弁H2は、第3付勢部材F3により上流側へ付勢されている状態で、スライド弁G’が上流側から下流側へ移動することにより、当該スライド弁G’の上流側の外周面G’aと第3流路部位1cの内周面1cbとの間に挟まれた作動位置から、ガスgの流通を許容する初期位置へ復帰する形態で、リセットされる。
(1)上記実施形態においては、第1弁体G1を過流出防止弁Hの当接部材として使用したが、これに限らず、第1弁体G1と別個に当接部材が設けられてもかまわない。
そして、図4に示すものでも、上記第1実施形態と同様に、最も上流側に位置する過流出防止弁がガスの流動圧を受けることで正確に作動して、ガスの流通を確実に遮断することができる。
2 ガス栓本体
1c 第3流路部位(過流出防止弁収容用流路部位)
1e 第5流路部位(流路部位)
4 円環状ガス流路部(隙間)
F3 第3付勢部材(付勢手段)
G スライド弁
G1 第1弁体(当接部材)
G1b 上流側側面(上流側端部部位)
G1c 軸受溝(支持部、溝部)
H 過流出防止弁
H1 弁軸(被支持部)
H2b 円環状弁部(嵌り込み部)
Ha 受圧部
Claims (9)
- ガス流通路が内部に形成された筒状のガス栓本体に、閉じ位置と開き位置との間で前記ガス栓本体の軸方向に移動自在なスライド弁と、前記ガス流通路のガス流通方向で前記スライド弁よりも上流側に配置された過流出防止弁とが備えられているガス栓であって、
前記過流出防止弁は、受圧部にてガスの流動圧を受けることで、当接部材から離間してガスの通過を許容する初期位置から前記当接部材に当接してガスの通過を阻止する作動位置に移動自在であり、前記受圧部が、前記ガス流通路の流路径方向の全体に亘る状態で形成され、
前記ガス栓本体の軸方向に沿って前記初期位置と前記作動位置とに移動自在に前記過流出防止弁を支持する支持部が備えられ、その支持部は、前記過流出防止弁よりも前記ガス流通路の下流側に配置されているガス栓。 - 前記過流出防止弁は、前記ガス流通路において前記スライド弁の前記閉じ位置に相当する流路部位よりも流路径が大きく形成された過流出防止弁収容用流路部位に配置されており、前記受圧部は、その過流出防止弁収容用流路部位の全体に亘る状態で形成されている請求項1に記載のガス栓。
- 前記当接部材は、前記ガス栓本体の軸方向に移動自在であり、前記スライド弁の前記開き位置から前記閉じ位置への移動に伴って前記作動位置に位置する前記過流出防止弁から離れた離間開き位置まで前記ガス流通路の下流側に移動自在に構成され、
前記過流出防止弁を前記初期位置に復帰するように付勢する付勢手段を備えている請求項1又は2に記載のガス栓。 - 前記当接部材は、前記スライド弁の上流側端部部位にて構成されている請求項1〜3の何れか1項に記載のガス栓。
- 前記過流出防止弁には、前記ガス流通路の下流側に延設された被支持部が備えられ、
前記支持部は、前記スライド弁の上流側端部部位に形成され、前記支持部が前記ガス栓本体の軸方向に摺動自在に挿入支持された溝部にて構成されている請求項1〜4の何れか1項に記載のガス栓。 - 前記過流出防止弁には、前記作動位置に移動した場合に、前記当接部材との隙間に嵌り込んでその当接部材に当接する嵌り込み部が備えられている請求項1〜5の何れか1項に記載のガス栓。
- 前記ガス流通路は、上流側から順に、前記過流出防止弁、前記スライド弁を備えて、前記ガス栓本体の軸方向に沿う直線状に設けられている請求項1〜6の何れか1項に記載のガス栓。
- 前記スライド弁が、前記ガス栓本体に対するガス接続具の装着及び取り外しに伴って前記閉じ位置と前記開き位置との間で移動する請求項1〜7の何れか1項に記載のガス栓。
- 前記スライド弁が、操作部に対する押圧操作に伴って前記閉じ位置と前記開き位置との間で移動する請求項1〜7の何れか1項に記載のガス栓。
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