JP2013213301A - 靴下類及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 各指収容部の少なくとも挿入口付近の柔軟性を適度に剛性化し、五本の各指を、対応する各指収容部に対して、同時に、かつスムースに挿入可能にして、五本指靴下類であっても容易かつ迅速に履けるようにする。
【解決手段】 足の五本指をそれぞれ収容する五つの指収容部3a…を備える靴下類1を構成するに際して、指収容部3a…を有する靴下類本体2における当該指収容部3a…の少なくとも挿入口4a…付近に、所定の弾性を有するコーティング剤Cを用いたコーティング層5(5e…)を、五つの指収容部3a…の配列方向Fsに沿ってライン状に設けてなる。
【選択図】 図1
【解決手段】 足の五本指をそれぞれ収容する五つの指収容部3a…を備える靴下類1を構成するに際して、指収容部3a…を有する靴下類本体2における当該指収容部3a…の少なくとも挿入口4a…付近に、所定の弾性を有するコーティング剤Cを用いたコーティング層5(5e…)を、五つの指収容部3a…の配列方向Fsに沿ってライン状に設けてなる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、五本指をそれぞれ収容する五つの指収容部を有する靴下類及びその製造方法に関する。
一般に、五本指をそれぞれ収容する五つの指収容部を有する五本指靴下は知られており、この種の五本指靴下は特許文献1及び2に開示されている。ところで、五本指靴下は、履き心地がよく、かつ全体が脚に程よくフィットとするなどのメリットを備えているものの、履きにくいディメリットも存在する。即ち、五本指靴下を履く際に、五本の指を各指収容部に収容しなければならないが、靴下は、肌に密着させるため、通常、足よりも小さめに作られ、しかも、足の指は人によってその並びや大きさ等がまちまちなため、各指を、対応する各指収容部に対して、同時に、かつスムースに収容することは容易でない。結局、手で靴下の位置を部分的に直さなければならないなど、五本指靴下は履きにくい難点があった。
一方、このディメリットの改善を企図した五本指靴下も知られており、特許文献3には、足指の挿入がし易くてつま先への感触をよくすることを目的とした5本指靴下が開示されている。この5本指靴下は、つま先部分とつま先部分を除く本体部分とが別個に編成され、両者が一体に縫合されてなる5本指靴下であって、つま先部分は平編みで編成されており、その平編みの横筋状に並ぶ裏目組織が外面に現れるようにしたものである。
しかし、上述した特許文献3で開示される従来の5本指靴下は、次のような問題点があった。
第一に、つま先部分とつま先部分を除く本体部分とを別個に編成し、両者を一体に縫合する製造法を採用するため、製造工程全体の煩雑化が避けられない。したがって、製造工数の増加及び生産性の低下を招くとともに、製造コストの上昇により、商品(靴下)の低廉化が困難になる。
第二に、つま先部分を平編みで編成し、その平編みの横筋状に並ぶ裏目組織を外面に現わすという編方の工夫に留まるため、単に1本の指を一つの袋状部(指収容部)に挿入する際には、挿入しやすくなるとしても、五本の指を、対応する各袋状部に対して、同時に、かつスムースに挿入可能にする観点からは必ずしも十分な対応策とは言えない。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した靴下類及びその製造方法の提供を目的とするものである。
本発明に係る靴下類1は、上述した課題を解決するため、足の五本指をそれぞれ収容する五つの指収容部3a,3b,3c,3d,3eを備える靴下類1を構成するに際して、指収容部3a…を有する靴下類本体2における当該指収容部3a…の少なくとも挿入口4a,4b,4c,4d,4e付近に、所定の弾性を有するコーティング剤Cを用いたコーティング層5(5e,5ff,5fr及び5gを含む)を、五つの指収容部3a…の配列方向Fsに沿ってライン状に設けてなることを特徴とする。
一方、本発明に係る靴下類の製造方法は、上述した課題を解決するため、足の五本指をそれぞれ収容する五つの指収容部3a…を有する靴下類1を製造するに際し、指収容部3a…を有する靴下類本体2に、足を象った足型治具10を挿入し、少なくとも各指収容部3a…を使用時の状態に近似させるコーティング準備工程(S2,S3,S4)と、靴下類本体2における指収容部3a…の少なくとも挿入口4a…付近に、所定の弾性を有するコーティング剤Cを、五つの指収容部3a…の配列方向Fsに沿ってライン状にコーティングするコーティング工程(S5,S6)と、靴下類本体2にコーティングしたコーティング剤Cを乾燥させてコーティング層5を設ける乾燥処理工程(S7,S8,S9)と、を備えてなることを特徴とする。
また、本発明は、好適な実施の形態により、五つの指収容部3a…の配列方向Fsの非使用時における全長Liは、靴下類本体2のみのときの五つの指収容部3a…の配列方向Fsの全長Lsよりも長くなるようにコーティング層5のコーティング条件を選定することが望ましい。なお、コーティング剤Cには、シリコンゴム素材Csを含ませることができる。さらに、コーティング層5は、靴下類本体2における、外面2oの上面部2ou,外面2oの下面部2od,内面2iの上面部2iu,内面2iの下面部2idの、少なくとも一個所以上に設けることができる。他方、製造する際のコーティング準備工程(S2,S3,S4)では、靴下類本体2に足型治具10を挿入することにより、コーティング剤Cをコーティングする靴下類本体2におけるコーティング部位Xpを平坦状態にすることが望ましい。
このような本発明に係る靴下類1及びその製造方法によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) 指収容部3a…を有する靴下類本体2における当該指収容部3a…の少なくとも挿入口4a,4b,4c,4d,4e付近に、所定の弾性を有するコーティング剤Cを用いたコーティング層5を、五つの指収容部3a…の配列方向Fsに沿ってライン状に設けてなるため、各指収容部3a…の少なくとも挿入口4a…付近の柔軟性を適度に剛性化することができる。これにより、五本の各指を、対応する各指収容部3a…に対して、同時に、かつスムースに挿入することができ、五本指靴下類1であっても容易かつ迅速に履くことができる。
(2) 靴下類1を製造するに際しては、一般的な靴下類となる靴下類本体2をそのまま利用するとともに、指収容部3a…を有する靴下類本体2に、足を象った足型治具10を挿入し、少なくとも各指収容部3a…を使用時の状態に近似させるコーティング準備工程(S2,S3,S4)と、靴下類本体2における指収容部3a…の少なくとも挿入口4a…付近に、所定の弾性を有するコーティング剤Cを、五つの指収容部3a…の配列方向Fsに沿ってライン状にコーティングするコーティング工程(S5,S6)と、靴下類本体2にコーティングしたコーティング剤Cを乾燥させてコーティング層5を設ける乾燥処理工程(S7,S8,S9)と、を備えてなるため、製造工程全体の単純化を図ることができる。これにより、本発明に係る靴下類1を、容易かつ確実に製造することができ、製造工数の低減及び生産性の向上を図れるとともに、製造コストの削減、更には、商品(靴下類1)の低廉化を実現できる。
(3) 好適な態様により、五つの指収容部3a…の配列方向Fsの非使用時における全長Liを、靴下類本体2のみのときの五つの指収容部3a…の配列方向Fsの全長Lsよりも長くなるように、コーティング層5のコーティング条件を選定すれば、靴下類1を足に履く際には、開口面積を実質的に大きくした挿入口4a…に各指を挿入できるため、靴下類1を、より容易かつスムースに履くことができる。
(4) 好適な態様により、コーティング剤Cに、シリコンゴム素材Csを含ませれば、汎用的な素材の利用により低コストに実施できるとともに、シリコンゴム素材Csの物性(弾性等)により、上述した本発明の効果を十分に発揮できる良好なコーティング層5を設けることができる。
(5) 好適な態様により、コーティング層5は、靴下類本体2における、外面2oの上面部2ou,外面2oの下面部2od,内面2iの上面部2iu,内面2iの下面部2idの、少なくとも一個所以上に設けることができるため、目的や必要性に応じて様々な位置に設けることが可能になり、多様性(多機能性)を高めることができる。
(6) 好適な態様により、製造する際のコーティング準備工程(S2,S3,S4)において、靴下類本体2に足型治具10を挿入することにより、コーティング剤Cをコーティングする靴下類本体2におけるコーティング部位Xpを平坦状態にすれば、スクリーン印刷等の既存の設備を利用して実施できるため、高品質のコーティング層5を容易かつ迅速に設けることができるとともに、低コストに実施することができる。
次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
最初に、本実施形態に係る靴下類の製造方法について、図2〜図7を参照しつつ図1に示す工程図(フローチャート)を参照して説明する。なお、本実施形態においては靴下類1として五本指靴下1sを例示する。
まず、靴下本体2s(靴下類本体2)を製造する(ステップS1)。靴下本体2sは繊維材料で編製した一般に市販される五本指靴下と同じである。したがって、靴下本体2sは、図2に示すように、足の本体部分を覆う本体主部2smを備え、この本体主部2smの先端側に、足の指を収容する五つの指収容部3a,3b,3c,3d,3eを有するとともに、他端側に、口ゴム部21を有する。なお、22は足の踵部分が位置する踵収容部分を示す。このため、靴下本体2sは、公知の製造方法により専用の靴下本体2sとして製造してもよいし、購入した市販品の五本指靴下をそのまま靴下本体2sとして用いてもよい。
靴下本体2sを用意したならコーティング準備工程(S2,S3,S4)を行う。コーティング準備工程では、図2に示す足型治具10を使用する。足型治具10は、靴下本体2sの内部に挿入した際に、少なくとも本体主部2smの位置に収容される足型本体部11と、この足型本体部11の先端に一体形成することにより靴下本体2sの五つの指収容部3a,3b,3c,3d,3eに対してそれぞれ挿入する五つの突起部12a,12b,12c,12d,12eとを有する。なお、各突起部12a…は、各指収容部3a…に対して挿入しやすいように、先端を尖形又は丸形等に形成することが望ましい。足型治具10は、人の足を象って形成するが、必ずしも忠実に象ることは要せず、所定の条件(コーティング条件)を満たすことができれば、平坦な板材等により一体形成可能である。
この場合、所定の条件とは、第一に、足型治具10を靴下本体2sに挿入した際に、少なくとも各指収容部3a…を使用時の状態に近似できることを条件とする。即ち、靴下本体2sは、通常、足に履いた際に肌に密着するように小さめに作られるため、足型治具10は、靴下本体2sに挿入した際に、足型本体部11における五つの突起部12a…の配列方向Fsの全長Lpが、非使用時の靴下本体2sにおける五つの指収容部3a…の配列方向Fsの全長Lsよりも長くなるように形成する。
第二に、コーティング剤Cをコーティングする靴下類本体2におけるコーティング部位Xpを平坦状態にできることを条件とする。したがって、足型治具10の足型本体部11、特に、コーティング部位Xpが位置する足型本体部11の部位は、図4に示すように、平坦に形成する。これにより、コーティング部位Xpは、平坦状態にセットされるため、スクリーン印刷等の既存の設備を利用したコーティング処理が可能となり、高品質のコーティング層5を容易かつ迅速に設けることができるとともに、低コストに実施することができる。
コーティング準備工程では、まず、図2に示すように、足型治具10を、口ゴム部21から靴下本体2sの内部に挿入する(ステップS2)。そして、図3に示すように、各突起部12a…を各指収容部3a…の最先端まで挿入したなら、靴下本体2sを図4に示すコーティング剤塗布器31の規定位置Xsにセットする(ステップS3,S4)。このコーティング剤塗布器31は、スクリーン印刷の原理によりコーティングするものであり、図4中、32は版枠、33はスクリーン、34はスキージをそれぞれ示す。また、規定位置Xsは、靴下本体2sにおける指収容部3a…の少なくとも挿入口4a…付近に、コーティング剤Cを、五つの指収容部3a…の配列方向Fsに沿ってライン状にコーティング可能な位置を設定する。
以上がコーティング準備工程となるため、コーティング準備工程が終了したなら、コーティング工程に移行する。コーティング工程では、コーティング剤塗布器31により、所定の弾性を有するコーティング剤Cを、靴下本体2sのコーティング部位Xpにコーティングする(ステップS5)。コーティング処理は、図4に示すように、コーティング剤塗布器31におけるスクリーン33の上面にコーティング剤Cを収容し、スキージ34を矢印Fp方向に移動させることによりコーティング剤Cを靴下本体2sのコーティング部位Xp上にコーティングすることができる。
コーティング剤Cとしては、所定の弾性を有するシリコンゴム素材(熱硬化性樹脂)Csを用いることができる。このようなシリコンゴム素材Csを用いれば、汎用的な素材の利用により低コストに実施できるとともに、シリコンゴム素材Csの物性(弾性等)により、上述した本発明の効果を十分に発揮できる良好なコーティング層5を設けることができる。なお、硬化前のシリコンゴム素材Csは流動体としての性質を有する。
また、シリコンゴム素材Csを塗布するパターン(形状)は、靴下本体2sにおける指収容部3a…の少なくとも挿入口4a…付近に、五つの指収容部3a…の配列方向Fsに沿ったライン状となるように設定する。図5は、シリコンゴム素材Csをコーティングした状態を示す。この場合、靴下本体2sには足型治具10が挿入され、これにより、足型本体部11における五つの突起部12a…の配列方向Fsの全長Lpが、非使用時の靴下本体2sにおける五つの指収容部3a…の配列方向Fsの全長Lsよりも長くなるように設定されているため、五つの指収容部3a…の配列方向Fsの非使用時におけるコーティング層5の全長Liは、靴下本体2sのみのときの五つの指収容部3a…の配列方向Fsの全長Lsよりも長くなる。したがって、このようなコーティング条件を選定すれば、五本指靴下1sを足に履く際には、開口面積を実質的に大きくした挿入口4a…に各指を挿入できるため、五本指靴下1sであっても容易かつスムース、更にはより迅速に履くことができる。
コーティング工程が終了したなら、シリコンゴム素材Csが付着した靴下本体2sをコーティング剤塗布器31から取り出し、乾燥処理工程に移行する(ステップS6,S7)。乾燥処理工程では、シリコンゴム素材Csが付着した靴下本体2sを、当該シリコンゴム素材Csを硬化させる加熱温度に設定した加熱空間に収容することにより、予め設定した設定時間Tsだけ加熱処理(乾燥処理)する。なお、シリコンゴム素材Cs(コーティング剤C)の乾燥処理は、加熱により行うことが迅速に乾燥させる観点から望ましいが、その他、自然乾燥による乾燥処理や化学反応による硬化処理を行う場合を排除するものではない。そして、設定時間Tsが経過したなら乾燥処理を終了させる(ステップS8,S9)。これにより、目的のコーティング層5を設けることができる。この後、必要な検査等を行うことにより、本実施形態に係る五本指靴下1sを得ることができる(ステップS10)。図7に、本実施形態に係る製造方法により製造された五本指靴下1sを示すとともに、図6に、側面から見たコーティング層5の断面図を示す。
このように、本実施形態に係る靴下類の製造方法は、一般的な靴下となる靴下本体2sをそのまま利用するとともに、指収容部3a…を有する靴下本体2sに、足を象った足型治具10を挿入し、少なくとも各指収容部3a…を使用時の状態に近似させるコーティング準備工程(S2,S3,S4)と、靴下本体2sにおける指収容部3a…の少なくとも挿入口4a…付近に、所定の弾性を有するシリコンゴム素材Csを、五つの指収容部3a…の配列方向Fsに沿ってライン状にコーティングするコーティング工程(S5,S6)と、靴下本体2sにコーティングしたシリコンゴム素材Csを乾燥させてコーティング層5を設ける乾燥処理工程(S7,S8,S9)と、を備えてなるため、製造工程全体の単純化を図ることができる。これにより、本実施形態に係る五本指靴下1sを、容易かつ確実に製造することができ、製造工数の低減及び生産性の向上を図れるとともに、製造コストの削減、更には、商品(五本指靴下1s)の低廉化を実現できる。
他方、本実施形態に係る五本指靴下1sを使用するには、一般的な靴下と同様に足に履くことができる。この際、所定の弾性を有するコーティング層5が、指収容部3a…を有する靴下本体2sにおける当該指収容部3a…の少なくとも挿入口4a…付近に、五つの指収容部3a…の配列方向Fsに沿ってライン状に設けたため、特に、各指収容部3a…の少なくとも挿入口4a…付近の柔軟性が適度に剛性化される。したがって、五本の各指を、対応する各指収容部3a…に対して、同時に、かつスムースに挿入することができ、五本指靴下類1であっても容易かつ迅速に履くことができる。
次に、本発明の変更実施形態に係る靴下1sについて、図8(a)〜(c)を参照して説明する。なお、図8(a)〜(c)は、いずれもコーティング層5を変更した五本指靴下1sを示す。
図8(a)は、コーティング場所及びコーティング形状を変更したコーティング層5eを示す。このコーティング層5eは、靴下本体2sの外面2oにおける上面部2ouに設けるとともに、コーティング層5eの形状を変更したものである。即ち、前述した図2〜図7に示した実施形態では、図6に示すように、コーティング層5を靴下本体2sの外面2oにおける下面部2odに設けたが、図8(a)に示す五本指靴下1sは、外面2oにおける上面部2ouに設けた。この場合、例えば、コーティング層5eの厚さが厚くなり、履いた際に足の底に違和感を生じる虞れがあるときに選択できる。この際、コーティング層5eは、目に付くことになるため、コーティング層5eの形状を波形にするなど、デザイン性を考慮できるとともに、必要により、着色したり、光沢粒子を混在させる等のアクセサリ要素を付加することもできる。このように、コーティング層5(5e)は、図5に符号を付した、靴下本体2sにおける、外面2oの上面部2ou,外面2oの下面部2od,内面2iの上面部2iu,内面2iの下面部2idの、少なくとも一個所以上に設けることができる。したがって、コーティング層5(5e)は、上面部2ou(2iu)と下面部2od(2id)のいずれか一方に設けてもよいし、双方に設けてもよい。このように、コーティング層5は、目的や必要性に応じて様々な位置に設けることが可能になり、多様性(多機能性)を高めることができる。
図8(b)は、コーティング層の数量を変更した例であり、二つの離間したコーティング層5ff,5frを設けた例を示す。前述した図2〜図7に示した実施形態では、一本のコーティング層5を設ける場合を例示したが、図8(b)に示す変更実施形態では、二本のコーティング層5ff,5frを並べて設けたものである。
図8(c)は、コーティング位置を変更したコーティング層5gを示す。前述した図2〜図7に示した実施形態のコーティング層5は、指収容部3a…の少なくとも挿入口4a…付近に設ける具体的位置として、挿入口4a…に対して本体主部2sm側に設けたが、図8(c)に示す変更実施形態は、挿入口4a…を含む本体主部2sm側と指収容部3a…側の双方に跨がって設けたものである。
このように、コーティング層5、5e、5ff,5fr、5gは、様々な形態により実施することができる。なお、図8(a)〜(c)において、図2〜図7と同一部分には同一符号を付してその構成を明確にした。
以上、好適実施形態及び変更実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量,手法等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。例えば、コーティング剤Cとして、シリコンゴム素材Cs、即ち、シリコン系ゴム素材を用いた場合を例示したが、その他、目的に応じて、ラテックス系ゴム素材,アクリル系樹脂素材,ポリウレタン樹脂素材をはじめ、各種ゴム素材や合成樹脂素材等を用いることができる。また、コーティング工程では、スクリーン印刷の原理によりコーティングするコーティング剤塗布器31を例示したが、その他、ローラ塗布方式,ブラシ塗布方式,スプレー塗布方式等により実施可能である。
本発明に係る靴下類及びその製造方法は、例示した靴下をはじめ、五本指を収容する指収容部を有するものであって足に装着する各種の靴下類に適用できる。
1:靴下類,2:靴下類本体,2o:靴下類本体の外面,2ou:外面の上面部,2od:外面の下面部,2i:靴下類本体の内面,2iu:内面の上面部,2id:内面の下面部,3a…:指収容部,4a…:挿入口,5(5e,5ff,5fr,5g):コーティング層,10:足型治具,C:コーティング剤,Fs:配列方向,Li:指収容部の配列方向の非使用時における全長,Ls:靴下類本体のみのときの五つの指収容部の配列方向の全長,Cs:シリコンゴム素材,Xp:コーティング部位,(S2,S3,S4):コーティング準備工程,(S5,S6):コーティング工程,(S7,S8,S9):乾燥処理工程
Claims (8)
- 足の五本指をそれぞれ収容する五つの指収容部を備える靴下類において、前記指収容部を有する靴下類本体における前記指収容部の少なくとも挿入口付近に、所定の弾性を有するコーティング剤を用いたコーティング層を、前記五つの指収容部の配列方向に沿ってライン状に設けてなることを特徴とする靴下類。
- 前記五つの指収容部の配列方向の非使用時における全長は、前記靴下類本体のみのときの前記五つの指収容部の配列方向の全長よりも長くなるように前記コーティング層のコーティング条件を選定してなることを特徴とする請求項1記載の靴下類。
- 前記コーティング剤には、シリコンゴム素材を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の靴下類。
- 前記コーティング層は、前記靴下類本体における、外面の上面部,外面の下面部,内面の上面部,内面の下面部の、少なくとも一個所以上に設けてなることを特徴とする請求項1,2又は3記載の靴下類。
- 足の五本指をそれぞれ収容する五つの指収容部を備える靴下類の製造方法において、前記指収容部を有する靴下類本体に、足を象った足型治具を挿入し、少なくとも各指収容部を使用時の状態に近似させるコーティング準備工程と、前記靴下類本体における前記指収容部の少なくとも挿入口付近に、所定の弾性を有するコーティング剤を、前記五つの指収容部の配列方向に沿ってライン状にコーティングするコーティング工程と、前記靴下類本体にコーティングしたコーティング剤を乾燥させてコーティング層を設ける乾燥処理工程と、を備えてなることを特徴とする靴下類の製造方法。
- 前記五つの指収容部の配列方向の非使用時における全長は、前記靴下類本体のみのときの前記五つの指収容部の配列方向の全長よりも長くなるように前記コーティング層のコーティング条件を選定してなることを特徴とする請求項5記載の靴下類の製造方法。
- 前記コーティング剤には、シリコンゴム素材を含むことを特徴とする請求項5又は6記載の靴下類の製造方法。
- 前記コーティング準備工程では、前記靴下類本体に前記足型治具を挿入することにより、前記コーティング剤をコーティングする前記靴下類本体におけるコーティング部位を平坦状態にすることを特徴とする請求項5,6又は7記載の靴下類の製造方法。
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